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総-2 医薬品等の費用対効果評価案について

総会 第650回 / 2026-05-13 開催 / 9ページ

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中 医 協 総 - 2 8 . 5 . 1 3 医薬品の費用対効果評価案について うち有用性系 市場規模 総会での 品目名 効能・効果 収載時価格 費用対効果評価区分 頁 加算率 (ピーク時予測) 指定日 テッペーザ点滴 H1(市場規模が ① 活動性甲状腺眼症 979,920円(500mg1瓶) 45% 494億円 2024/11/13 2 静注用 100億円以上) 化学療法歴のあるホルモン受容体 トロデルビ点滴 H2(市場規模が ② 陰性かつHER2陰性の手術不能 187,195円(200mg1瓶) 40% 93億円 2024/11/13 6 静注用 50億円以上) 又は再発乳癌 1 医薬品の費用対効果の総合的評価案について 対象品目名:テッペーザ点滴静注用(テプロツムマブ 500mg) 製造販売業者名:アムジェン株式会社 使用目的又は効果:活動性甲状腺眼症 患者割合 対象集団 比較対照技術 ICER(円/QALY)の区分 (%) 中等度から重症*の活動性 ステロイドパルス療法と放射 750万円/QALY以上 100 甲状腺眼症(CAS3点以上) 線外照射の併用療法 1000万円/QALY未満 * 重症度の定義はEuropean Group on Graves’orbitopathy (EUGOGO)の基準に従う (補足)分析対象集団のICERの区分(営業利益の価格調整係数) 2 (参考)テッペーザ点滴静注用(テプロツムマブ 500mg)の費用対効果評価案策定に係る主な検討事項 1. 分析枠組み (a)軽症*の活動性甲状腺眼症 (b)中等症から重症の活動性甲状腺眼症(CAS3点未満) 分析対象集団 (c)中等症から重症の活動性甲状腺眼症(CAS3点以上) *重症度の定義はEuropean Group on Graves’orbitopathy (EUGOGO)の基準に従う (a): 対症療法 比較対照技術名 (b),(c): ステロイドパルス療法と放射線外照射の併用療法 分析対象集団(a)及び(b)について、シナリオ分析として以下の比較対照技術を用い た分析を行う。 その他 比較対照技術 (a) トリアムシノロン局所注射 (b) トリアムシノロン局所注射 2. 分析枠組みに係る専門組織での主な検討事項 (専門組織の見解)  軽症であっても活動性がある場合は本薬剤の投与対象となるため、軽症の患者集団についても分 析対象集団に含めることが妥当と考える。  軽症の患者集団における比較対照技術については対症療法が妥当ではないか。  ただし、臨床ではトリアムシノロン局所注射が実施されているという現状を踏まえ、シナリオ分 析としてトリアムシノロン局所注射を比較対照技術とした分析を実施することとしてはどうか。  中等症から重症の活動性甲状腺眼症については、臨床試験で評価されているのはCAS3点以上の症 例のみである。一方、CAS3点未満だが MRI 上活動性があると判定される症例があり、CAS3点未 満と3点以上は、分けて評価することが妥当ではないか。  中等症から重症の活動性甲状腺眼症への治療は、診療ガイドライン上、ステロイドパルス単独に 比べると、ステロイドパルスと放射線療法の併用の方が治療効果は高いとされているため、より 効果の高い併用療法を比較対照技術に選定するべきではないか。  中等症から重症の活動性甲状腺眼症(CAS3点未満)の集団については、トリアムシノロン局所注 射が実施される可能性があり、シナリオ分析としてトリアムシノロン局所注射を比較対照技術と した分析を実施することとしてはどうか。 (企業の不服意見)  なし 3. 費用対効果評価結果案策定に係る専門組織での主な検討事項 公的分析が分析対象集団(c)における再分析を行った主な点は以下の通りである。 テプロツムマブの眼球突出の再発割合について 製造販売業者は眼球突出の再発割合について、テプロツムマブについては TED01RV 試験の結果よ り0%と設定した。しかし、同一の臨床試験の長期の観察において再発が確認されており、再発割 合が過小に設定されている可能性がある。公的分析では、テプロツムマブに関する複数の臨床試験 3 を統合した結果である Kahalyら(2024)による 72週時点の再発率(24%)の値を用いることが適 切と考えた。 分析対象集団(c)の費用パラメータについて テプロツムマブの薬剤費について、製造販売業者は薬価算定時の体重設定をもとに、患者の体重 を 50kg と仮定して算出していた。公的分析では、匿名医療保険等関連情報データベース(NDB) からテプロツムマブの実際の算定バイアル本数を集計し、これを適用して薬剤費を算出した。 ステロイドパルス療法と放射線外照射の併用療法の再発割合について 製造販売業者は、再発割合を複数文献からの報告のうち、最大値と最小値の中点を取った30.5% と設定した。公的分析では、複数文献から、治療反応および再発の定義が事前に明確に規定されて いるKahalyら(2018)による再発割合(18.4%)を用いることが最も妥当であると考え、再分析を行っ た。ただし、再発割合に関する報告は、いずれの文献においても眼球突出や複視を含む複合アウト カムとしてのみ報告されており、眼球突出や複視それぞれ単独の再発割合は不明であった。このた め、分析モデル上は眼球突出と複視で同値を使用しており、公的分析の結果も再発割合が依然とし て過剰に推計されている可能性は否定できないものの、製造販売業者の採用した値よりは妥当であ ると考えた。 製造販売業者から提示された論点は以下の通りである。 テプロツムマブの薬剤費用について 企業分析では患者体重を薬価算定ルールと合わせて50㎏とし、分析を行った。一方、公的分析 では、分析ガイドラインに基づき平均的な使用用量を分析に用いることが妥当とし、NDBの集計結 果を用いて体重区分別の患者割合から、加重平均値を用いて再分析を実施している。企業側でMDV (メディカルデータビジョン)社のレセプトデータベースを用いて、分析ガイドラインに従って、 平均投与本数を集計したところ、1回当たり平均2.37バイアルであった。実際には厳密に体重区分 に応じて投与量が決定されてはいないため、分析ガイドラインに従うと、1回当たりの平均投与量 を用いるべきでないか。 ステロイドパルス療法の再発割合について 副腎皮質ステロイドの静脈内投与によるパルス療法は推奨されている治療法の一つではあるが、 眼球突出に対してほとんど有効性は示さない可能性がある。既報のMAIC(Douglas et al., 2022) によると、ステロイドパルス療法のベースラインから12週時までのプラセボに対する眼球突出改 善は-0.16㎜ (95% CI, -1.55 to 1.22mm)、また複視改善のオッズ比2.69 (95% CI, 0.94-7.70)で プラセボに対して優越性は示されていない。公的分析で引用されているKahalyら(2018)の再発 の定義は、ベースラインと比べて少なくとも一眼に7つの定義の内2つの変化があった場合とされ ている。臨床的な改善が見込まれにくい眼球突出と複視の悪化が、Kahalyら(2018)の報告の再発 の定義の中に含まれており、再発割合が低く見積もられる可能性があるのではないか。 4 以上を踏まえ、専門組織で議論し、テプロツムマブの眼球突出の再発割合、ステロイドパルス療法 と放射線外照射の併用療法の再発割合、分析対象集団(c)の費用パラメータについて、下記の通 り、公的分析結果が妥当であると考えられた。  企業が主張する再発率が0%である点は違和感がある。欧州のガイドラインでも、眼球突出の 再発率は29.4%であり、受け入れられない。  本剤については、従来治療薬に比して再発率は高くない印象を受けるものの、症例数及び長期 の観察ができておらず、企業の主張する再発率は受け入れがたい。  主要な論点は、いずれも分析におけるパラメータ設定に関するものであり、公的分析は一貫し た仮定にもとづいていると考えられる。 <参考:本資料に係る留意事項> ・ 総合的評価では、企業分析及び公的分析双方とも一定の科学的妥当性が認められている。 ・ 「専門組織での主な検討事項」は、双方の主な見解の相違部分を抜粋したものである。 ・ 費用対効果評価の詳細については、国立保健医療科学院から公表される報告書を参照されたい。 (以上) 5 医薬品の費用対効果の総合的評価案について 対象品目名:トロデルビ点滴静注用(サシツズマブ ゴビテカン) 製造販売業者名:ギリアド・サイエンシズ株式会社 使用目的又は効果:化学療法歴のあるホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌 患者割合 対象集団 比較対照技術 ICER(円/QALY)の区分 (%) 化学療法歴のあるホルモン受容体陰性か エリブリン 1,500万円/QALY以上 100 つHER2 陰性の手術不能又は再発乳癌 (補足)分析対象集団のICERの区分(有用性系加算等の価格調整係数) 6 (参考)トロデルビの費用対効果評価案策定に係る主な検討事項 1. 分析枠組み 分析対象集団 化学療法歴のあるホルモン受容体陰性かつHER2 陰性の手術不能又は再発乳癌 比較対照技術名 エリブリン その他 該当せず 2. 分析枠組みに係る専門組織での主な検討事項 (専門組織の見解)  本薬剤はトリプルネガティブ乳癌を対象としているので、エリブリンを比較対照技術とすること は適切である。 (企業の不服意見)  なし 3. 費用対効果評価結果案策定に係る専門組織での主な検討事項 公的分析が再分析を行った主な点は以下の通りである。 QOL値について 製造販売業者は、ASCENT試験で測定されていた患者報告型アウトカムであるEORTC QLQ-C30の結 果から、EQ-5D-3L による QOL 値へのマッピングを実施した。さらに、マッピングで変換された QOL 値を目的変数とした、ランダム切片を使用した混合効果線形回帰モデルを用いて、治療群及びPDの 有無を共変量とした多変量解析を実施した。多変量解析の結果を基に設定した QOL 値は同じ健康状 態であっても、治療法によって異なる値となっている。しかし、公的分析においては、同一の健康状 態に対して異なる QOL 値を設定することは適切ではないと考えた。そこで公的分析では、各健康状 態についてサシツズマブ ゴビテカン群および比較対照群のQOL値の平均値を採用し、同一の健康状 態に対して同一のQOL値を用いる形で再分析を実施した。 製造販売業者から提示された論点は以下の通りである。 臨床的メカニズムとの整合性 ASCENT試験のITT解析において、トロデルビ群はTPC群と比較して、統計的に有意かつ臨床的に 意義のある高い客観的奏効率(ORR: CR+PR)を示した(OR = 10.99 [95% CI: 5.65, 21.35])。これ は、トロデルビ群の多くの患者は単に癌が大きくならないだけでなく、“癌が小さくなっている状態” で PFS 期間を過ごしていることを示している。そのため、ASCENT 試験におけるトロデルビ群の PFS は“高い奏効率に基づく腫瘍縮小を伴う期間“であり、TPC群の状態とは質的に異なる。また、ASCENT 試験のEORTC QLQ-C30を用いた混合効果モデルによる解析では、トロデルビ群はTPC群と比較して、” Global health status/QoL”、“身体機能”、“疲労”及び“痛み”の要素において、統計的に有意かつ 臨床的意義のある改善を示した。さらに、ASCENT 試験のサブグループ解析より、奏功患者の身体機 能・役割機能が悪化するまでの期間は、非奏功患者に比べて長いことが示唆された。そのため、トロ 7 デルビ群のORR の高さが患者 QoL に与える影響は、EORTC QLQ-C30 を用いた PRO によって客観的に 示されている。 既報のQoLモデルおよび日本人データとの一貫性 Lloyd et al., 2006 で示された転移性乳癌の QoL 値の予測モデルにおいて、治療における奏効 (Treatment response) の状態は安定・維持 (Stable)の状態よりもQoL値が0.075高く設定されて おり、その QoL 値は高い方から奏功>安定・維持>進行という順に明確化されている。この転移性 乳癌のQOL予測モデルを検証したIwatani et al., 2021 の報告では、実際の日本人患者の測定値 と比較した平均誤差が-0.1055 であり、日本人患者の QoL 値予測においてもこのモデルが有用であ ると結論付けている。そのため、腫瘍縮小 (奏功)がQoL値を改善するという設定は日本人患者を対 象に妥当性が検証された転移性乳がんの QoL 予測モデルでも採用されており、企業分析に一貫性が ある。 進行後 (PD)の状態への波及効果 ASCENT 試験において、TPC 群はトロデルビ群に比べて治療期間が著しく短く、多くの患者が試験 から脱落している。また、TPC群のベースラインデータを用いた事後解析結果から、TPC群の脱落患 者は非脱落患者に比べて QoL スコアが悪化していると想定される。このような特性を有する QoL 値 を単純に平均化することは、少なくとも TPC 群の QoL 値を過大評価するバイアスを生じさせると解 釈できる。そのため、ASCENT試験のTPC群のQOLデータ欠測は、病状悪化による早期脱落に起因す ると想定されるものであり、QoL 値の平均値を両群に用いることは TPC 群の QoL 値を過大評価する バイアスを生じさせうる。 欠損データが与えるバイアスの低減 ASCENT試験に基づくと、トロデルビ群はTPC群と比べて高いORRを示しており、PD状態に移行し た場合にも、その腫瘍負荷が縮小した状態から再び進行が始まると想定される。したがって、PD 状 態でトロデルビ群がTPC群と比べて良いQoL値が維持されることは臨床的に解釈可能な仮説であり、 少なくとも同一のQoL値ではないと示唆される。また、NICEの報告書において、英国の主要な医療 センターの複数の臨床専門医も ASCENT 試験から得られた HRQoL データに基づいて「PD 状態におい てトロデルビ群がTPC群よりも高いQoLを示すことが臨床的に妥当である。」と同意しており、その 根拠として、トロデルビ群が TPC 群よりも多くの患者で腫瘍径が縮小していることを挙げた。その ため、トロデルビ群はPFSでの高い奏功により、 TPC群よりもPDでの腫瘍負荷が少なく全身状態が 良好であるため、PDでもQOL上のメリットが持続すると想定される。 以上を踏まえ、専門組織で議論し、QOL値について、下記の通り、公的分析が妥当であると考えられた。  公的分析における「同一の健康状態には同一の QOL 値を適用する」という前提は、評価の透明性 を確保する観点から妥当と考えられる。  同一の健康状態であれば、同一のQOL値を設定することが適切である。  企業分析では、ASCENT試験におけるトロデルビ群のPFSは高い奏効率に基づく腫瘍縮小を伴う期 間であり、TPC群のPFSとは質的に異なる可能性があるとして、比較群間で異なるQOL値が適用さ れている。一方、本モデルで設定されている健康状態はPFS、PD、Deathの3状態のみであり、腫 8 瘍縮小は健康状態として明示的にはモデル化されていない。費用対効果評価においては、同一の 健康状態には同一の QOL 値を適用することが原則である。PFS を単一の健康状態として扱いなが ら比較群間で異なる QOL 値を適用する現在の企業分析の方法は、モデル構造との整合性の観点か ら妥当ではない。  同一の健康状態において同一の QOL 値を用いる公的分析の取扱いは、費用対効果評価として妥当 である。 <参考:本資料に係る留意事項> ・ 総合的評価では、企業分析及び公的分析双方とも一定の科学的妥当性が認められている。 ・ 「専門組織での主な検討事項」は、双方の主な見解の相違部分を抜粋したものである。 ・ 費用対効果評価の詳細については、国立保健医療科学院から公表される報告書を参照されたい。 (以上) 9

この資料について

出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)

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