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新データ発表 米国の医師版ChatGPT“OpenEvidence”の利用実態がJAMA論文に 米国の医療者向けAI「OpenEvidence」の利用実態を分析したJAMA論文から、95万人超が2年半で2億7,100万件の質問をしたことが明らかになった。若手医師ほどよく使い、治療方針の決定に活用される傾向が見えた。 薬価 米国の新薬、26品目中18品目が”価値に見合う価格”を上回る ― ICER Report 米国の医療技術評価機関ICERが2026年10月に公表した報告書によれば、2022〜2025年にFDAが承認した新薬のうち、ICERが評価した26品目中18品目が、臨床的価値に見合う価格を上回っていた。必要な値引き幅は最大95%に達する品目もある。 行政・制度 アーサー・ディ・リトル・ジャパンが再生医療に関する政策提言レポートを発表 アーサー・ディ・リトル・ジャパンが再生医療等製品の政策提言レポートを公表。日本は欧州主要国比で患者アクセスが40%程度にとどまるが、官民が連携して臨床開発・製造・商業化を推進すれば、2035年に欧州並みの患者アクセスと約1兆円規模の産業が実現するという。 行政・制度 ロシュがリベート率の引き上げを理由にドイツでの新規投資判断を保留 ドイツの医療保険支出削減法(BStabG)によるリベート率引き上げを受け、ロシュは国内での今後の投資判断を保留にした。すでにリリー、ベーリンガーインゲルハイム、ファイザーも投資縮小を表明し、業界全体で予見性への懸念が広がっている。 承認・開発 欧州CHMPがFoundayoとRasonqueを含む6品目の新薬承認を相次いで推奨 欧州EMAの医薬品委員会が2026年10月、経口GLP-1薬Foundayoと膵臓がん治療薬Rasonqueを含む6品目の承認を推奨した。いずれも米国で先行承認されており、欧州市場での上市が進む。 行政・制度 欧州製薬団体連合会(EFPIA)がプレスイベントでドラッグロス解消のための制度改善を要望 欧州製薬団体連合会(EFPIA)は、日本でのドラッグロス(新薬の上市遅延・未承認)問題を解決するため、薬価決定制度の改革を要望した。外国平均価格調整の見直しと、市場拡大再算定・費用対効果評価による価格調整の凍結を求めている。 薬価 ステミラック注、条件付き承認から初の本承認へ ニプロのステミラック注が、条件付き承認から本承認への移行に初めて成功しました。12年の月日を経た本承認取得の背景にある課題と、今後の事業展開の見通しを検証します。 行政・制度 FDAが希少疾患審査の枠組みを作り直す取り組み (Rare Disease Framework Initiative)を立ち上げ FDAが希少疾患ごとに審査基準を調整する「fit-for-purpose」の枠組み構築に乗り出した。小規模患者集団で得られる現実的なエビデンスに基づき、ガイダンスと判断を個別化する試みだ。日本の承認戦略にも影響を及ぼす可能性がある。 承認・開発 BMSが二つの第3相試験で主要評価項目を達成したと発表 BMSが特発性肺線維症とGEP-NET を対象とした2つの第3相試験で主要評価項目を達成した。2029年以降に予想されるパテントクリフに向け、次世代製品がどの程度の穴埋めができるか注目される。 薬価 10月14日に薬価収載の新薬11成分について整理 10月14日、新薬11成分14品目が薬価基準に収載される。ピーク時予測販売金額100億円超は5成分で、ブリヌスプリが最大の490億円。日本の薬価は欧米比で大きな差があり、費用対効果評価の対象となる品目も明らかになった。 薬価 新たに薬価収載された原価計算方式の5剤に認められた補正加算が全て係数ゼロで反映されず 2026年10月7日、中医協が了承した10月14日収載の新薬のうち、原価計算方式の5品目は最大60%の補正加算が認められながら、いずれも加算係数0で薬価に反映されなかった。この1年の19製品を振り返ると構造的な問題が見える。 M&A・提携 塩野義製薬、米イントラバイオを20億ドルで買収 - 約1年半で4件目、総額1兆2,000億円の投資に 2026年10月5日、塩野義製薬は米国の希少疾患薬企業イントラバイオを20億ドル(約3,156億円)で買収すると発表した。約1年半で4件目の大型投資で、合計は約1兆2,000億円。抗HIV薬の特許切れ対策の一環となる。 決算・業績 ロート製薬が好調な業績を踏まえ中期計画を1年で上方修正 2026年10月2日、ロート製薬は経営戦略説明会で中長期成長戦略2025〜2035の業績予測を上方修正した。2030年度の売上高予測は4,150億円から4,440億円へ。好調な足元の業績を踏まえ、1年での見直しとなった。 承認・開発 iPS心筋シートの再生医療等製品リハート、保険適用後初の移植 (本承認まで75人で検証) 2026年9月29日、クオリプスはiPS細胞由来の心筋細胞シート「リハート」を重症心不全患者に移植したと発表した。9月1日の保険適用後で初めて。本承認に向けては7年間・75例の使用成績調査が待つ。 承認・開発 第一三共のADCダトロウェイが米サミットのアイボネシマブ (中国発)との併用第3相試験へ 2026年10月1日、アストラゼネカと第一三共は米サミットと臨床試験の提携を発表した。ADCダトロウェイとPD-1×VEGF二重特異性抗体アイボネシマブの併用をトリプルネガティブ乳がん1次治療の第3相で評価する。 M&A・提携 東邦HDがPHCホールディングスに2,000億円で初期買収提案 2026年9月30日、ブルームバーグは医薬品卸大手の東邦HDがPHCホールディングスの買収に向けて協議に入ったと報じた。買収額は2,000億円超の見通し。両社の事業構造と数字から提案の背景を読む。 薬価 費用対効果評価、製薬業界の凍結要求は通らず価格調整の拡大を年内実施へ 2026年9月30日、中医協の費用対効果評価専門部会は、健康アウトカムの改善が示されず費用だけが増える品目について、価格全体を対象とする価格調整を2026年中に実施する方向で了承した。業界の凍結要求は通らなかった。 行政・制度 令和8年版厚生労働白書が発表 厚生労働省が令和8年版厚生労働白書を公表した。特集テーマは「これからの医療・介護・福祉の現場で働くことを考える」。人手不足の実態に加え、後発品、ドラッグ・ロス、薬価制度など製薬に関わる施策の到達点をまとめる。 薬価 厚労省が逆ざやが起きている薬価の引き上げを検討 2026年9月28日、日本経済新聞が厚労省は採算割れの薬の薬価引き上げを検討していると報じた。仕切価が薬価以上の「逆ざや」品目は6.9%に増えており、流改懇と卸連の資料からその構造を整理する。 肥満症・GLP-1 イーライリリー、GLP-1を低・中所得国へ広げる「Change the Course」構想を発表 2026年9月28日、イーライリリーはGLP-1治療薬を低・中所得国に広げる構想「Change the Course」を発表した。高所得国と低・中所得国で4対1の治療アクセスの差を2040年までに解消することを目指す。 肥満症・GLP-1 ノボ ノルディスクが2030年までの戦略を発表:米国のウゴービ処方は50%以上が自費払い 2026年9月21日、ノボ ノルディスクが資本市場説明会で2030年までの戦略を示した。5つ超のブロックバスター上市などを掲げる一方、米国ではウゴービ処方の50%以上が自費払いとなった構造変化が目を引く。 AI・デジタル PubMedに関連論文を図示的に表すLinked Discoveries機能が追加 2026年9月24日、米国立医学図書館がPubMedの新機能「Linked Discoveries」の試験版を公開した。1本の論文を起点に内容の近い論文を最大200本集め、引用関係やタグとともに地図のように表示する。 マーケティング・MR GSK、日本の行政指導に続き英国の業界団体から「著しく誤解を招く」として公開叱責 2026年9月、英国の自主規制機関PMCPAがGSKを公に叱責する処分を公表した。帯状疱疹ワクチンの広告審査で、自社の主張と矛盾する公的機関のメールを出さなかったことが「著しく誤解を招く」とされた。 中国・新興バイオ 中国の工業情報化部など10部門が、今後のファーストインクラスの4分の1を中国から生み出す目標を設定 2026年9月18日、中国の工業情報化部など10部門が2026〜2030年の医薬産業5か年計画を公表した。世界のファーストインクラス医薬品の25%以上を中国が占めるなど10の目標を掲げている。 承認・開発 大塚製薬と米アイオニスのFUS-ALS治療薬、第3相試験で「画期的な改善」を達成 2026年9月22日、大塚製薬と米アイオニスは、FUS遺伝子変異によるALSを対象とするウレフネルセンの第3相FUSION試験で主要評価項目を達成したと発表した。1人の患者への投与から始まった開発の経緯も振り返る。 海外動向 欧州製薬9社の議長が公開書簡「欧州はイノベーターの仕事を評価しない」 2026年9月22日、欧州製薬9社の取締役会議長が連名で公開書簡を発表した。欧州が医薬品を「抑制すべきコスト」として扱ってきた結果、R&Dシェアは43%から31%に低下したとして、各国政府に投資を求めている。 米国薬価政策・MFN ファイザーおよびイーライリリーと米保健福祉省(HHS)の間で結ばれた MFN薬価合意の契約書が一部公開 2026年9月19日、米消費者団体Public Citizenがファイザーとイーライリリーの対HHSのMFN薬価合意の契約書を公開した。大部分は黒塗りだが、海外増収分のHHSへの分配や、供給停止国を参照から外す条項が読み取れる。 承認・開発 承認から2年3か月を経て、再生医療等製品のアクーゴが1例目の投与へ 2026年9月17日、サンバイオは再生医療等製品アクーゴの1例目の投与を10月に行う予定と発表した。2024年7月の条件・期限付き承認から約2年3か月。出荷を止めていた承認条件と薬価を振り返る。 承認・開発 FDAを参考にPMDAも追随するリアルタイム臨床試験(RTCT)とは 厚労省の2027年度概算要求にリアルタイム臨床試験(RTCT)の試行が盛り込まれた。治験の進行中に規制当局がデータをリアルタイムで確認する仕組みで、FDAではすでに2つの実証試験が始まっている。 承認・開発 FDAがUltragenyxの遺伝子治療薬を一回のRejectを経ながらも承認 2026年9月17日、FDAがUltragenyxの遺伝子治療Fayuviを承認した。ムコ多糖症IIIA型(サンフィリッポ症候群A)に対する初めての治療薬で、製造管理の問題で一度承認を拒否されてからの再申請だった。 マーケティング・MR 塩野義が米国で展開するコロナ予防薬ゾコーバのキャンペーン「Got the Call, Make the Call」 2026年9月15日、塩野義製薬が米国でコロナ曝露後予防薬ゾコーバのオムニチャネル・キャンペーンを開始した。「曝露後予防」という概念そのものを広めるため、テレビ広告を中心に一般向けの認知形成を狙う。 薬価 製薬3団体、中医協の費用対効果意見陳述で「価格調整は当面凍結すべき」と主張 2026年9月16日、中医協の費用対効果評価専門部会で製薬3団体が意見陳述を行い、技術的課題が未解決として「価格調整は当面凍結すべき」と主張した。1週間前の検証報告への反論となる。 米国薬価政策・MFN MFN価格政策を定量的にモデル化した研究がLancet誌に掲載 - 参照国への価格とアクセスに影響することが示唆される 2026年9月13日、The Lancetに米メディケアのMFN価格政策を19か国の価格データで定量的にモデル化した論文が掲載された。73%の薬で節約額が参照国の年間売上を上回り、日本を含む参照国への波及が懸念されている。 承認・開発 第一三共/アストラゼネカのエンハーツの肺がん1次治療データがPFS延長するもOSでネガティブな結果に 2026年9月13日、世界肺癌学会でエンハーツのHER2変異肺がん1次治療の第3相DESTINY-Lung04試験が発表された。PFSは6か月延長した一方、OSの中間解析では対照群を下回り、後治療の差などが議論となっている。 マーケティング・MR UCBのビンゼレックス、スキリージを抜いて米テレビ広告費で1位に。てんかんでは疾患啓発も話題 UCBの免疫疾患治療薬ビンゼレックスが8月の米テレビ広告費でアッヴィのスキリージを抜き首位に。背景には直接比較試験での優越性があり、てんかん領域ではアート展示の疾患啓発も展開している。 承認・開発 PMDAが抗がん剤領域におけるドラッグラグ・ロスの解消を目指しProject Orbisに正式参加 2026年9月10日、厚生労働省とPMDAは米FDAが主導する抗がん剤の国際共同審査Project Orbisへの正式参加を決めた。オブザーバー参加から4年。仕組みと海外の実績を整理する。 承認・開発 中外製薬の研究者と筑波大学の柳沢教授が2026年ラスカー賞を受賞 2026年9月9日、米ラスカー財団が2026年の受賞者を発表。筑波大学の柳沢正史教授が基礎医学研究賞、中外製薬の3名がヘムライブラの発明で臨床医学研究賞を受賞した。日本人の同年複数受賞は初めて。 米国薬価政策・MFN 医薬品価格政策の「大激変」が世界的なコマーシャル計画の見直しを迫る:米調査レポート 米コンサルティング会社Numerof & Associatesが製薬企業幹部175名(67社)に行った調査。MFNやIRA、欧州のJCAなど政策の「大激変」が、上市の順序や適応症の選び方まで変えつつある。 承認・開発 ノバルティス、直近3件の臨床開発後退(治験の停止と失敗)で株価急落 2026年9月8日、ノバルティスが直近1週間で2つ目の臨床試験失敗を発表し、株価が一時10%を超えて下落した。時価総額にして約240億スイスフラン(296億ドル)が失われたこととなり、上場来最悪の下落率となっている。 承認・開発 Novo NordiskのZiltivekimabが新たに2つの第3相試験を中止し、残るは1試験のみに 2026年9月7日、Novo NordiskがZiltivekimabの第3相試験2本(心不全を対象とするHERMESとATHENA)を早期に打ち切ったことが報じられた。 海外動向 規制強化による製薬企業の投資撤退から1年が経ったUKの現状 (US記事) 2025年6月に英国政府は新規医薬品の売上に対する払い戻し(リベート)率を15.5%から31.3%へ引き上げる方針を示したことにより、複数の大手製薬企業が英国での研究開発投資を撤回する事態となっていた。 米国薬価政策・MFN ホワイトハウスがメディケア・プログラムを通じてイーライリリーにブロックバスター級の売上をもたらす可能性を示唆 2026年8月31日、ホワイトハウスがMedicare GLP-1 Bridgeの初期実績を明らかにした。7月1日の開始以来、50万人を超える高齢者が利用し、合計で2億1,600万ドルを節約したとされる。 行政・制度 ドラッグ・ロスの現状として特定されている86品目の審議結果について (厚労省検討会議結果) 2026年9月4日、厚生労働省の第69回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議が開かれ、ドラッグ・ロス対策について審議された。 医薬品卸・流通 投資会社シルチェスターがメディパルHDへの社長解任を含む4議案を提案し、臨時株主総会招集を請求 2026年9月2日、英投資会社シルチェスター・インターナショナル・インベスターズが、医薬品卸最大手のメディパルホールディングスに対し、臨時株主総会の招集を請求した。 行政・制度 厚生労働省の 令和9年度概算要求が36兆5,803億円で過去最大(うち「強く豊かな日本」投資枠に1兆337億円) 2026年8月、各省が令和9年度予算の概算要求を公表しており、厚生労働省の一般会計要求は36兆5,803億円で要求段階として過去最大となっている。 承認・開発 オレキシン作動薬は中枢神経領域におけるGLP-1競争を起こす (US記事) 武田薬品のオベポレクストン(製品名オーゼイフル)が中国に次いで2026年8月に米国、日本でも承認された。ナルコレプシータイプ1の原因となる生物学的機序そのものに作用する、初めての薬であり同社のブロックバスター候補となっている。 米国薬価政策・MFN 新たに日系企業2社 (アステラス製薬・協和キリン)を含む9社がMFNに合意し、合計26社に 2026年8月31日、トランプ大統領が9社の製薬企業と新たに最恵国待遇(MFN)価格に関する合意を結んだと発表した。これでMFN合意企業は26社となり、政権はブランド医薬品市場の89%をカバーすると説明している。 行政・制度 厚労省による販売情報提供活動調査事業報告で違反事例が過去最小の11件 厚生労働省が令和7年度の販売情報提供活動調査事業の報告書を公表した。モニター医療機関からの疑義報告のうち、違反が疑われた医薬品は延べ6件、項目は延べ11件となり、この事業が始まった平成28年度以降で最も少ない数字となった。である。 承認・開発 マンジャロが米国でハイリスク2型糖尿病患者に対する心血管リスク低減の適応を取得 2026年8月28日、FDAがイーライリリーのマンジャロについて、2型糖尿病のリスクの高い成人における主要心血管イベント(MACE)のリスク低減の適応拡大を承認した。 医療提供体制 令和7年度の医療費が過去最高の49.2兆円 (前年比+2.6%) 2026年8月28日、厚生労働省が令和7年度の概算医療費を公表した。総額49.2兆円で前年度比2.6%増となり過去最高を更新し続けている。 承認・開発 Revolution Medicines の膵臓がん治療薬DaraxonrasibがFDAへの申請から僅か35日で承認 2026年8月26日、FDAがRevolution Medicinesの膵臓がん治療薬Daraxonrasibを商品名をRASONQUEとして承認した。 薬価 中医協薬価専門部会で製薬三団体がMFNの影響を陳述 2026年8月26日、中央社会保険医療協議会の薬価専門部会が開かれ、関係業界から意見聴取が行われた。 マーケティング・MR 第一三共が中期計画達成を見据えて2027年4月1日付でコマーシャライゼーションユニットを新設 2026年8月24日、第一三共が2027年4月1日付でコマーシャライゼーションユニットを新設すると発表した。 米国薬価政策・MFN スイスで革新的新薬22品目のうち7品目が承認取得後にMFNの影響で保険申請されず 2026年8月24日の日経新聞の記事によると、スイスにおいて過去1年半に登場した革新的な新薬のうち、約3割が国内での保険償還を申請されなかったと報道されている。 マーケティング・MR 希少疾患患者団体による製薬企業レピュテーション最新調査:ベーリンガーの躍進 2026年8月20日、英国の調査機関PatientViewが、希少疾患領域における製薬企業の評判調査の結果を公表した。63カ国502の患者団体が、38社を10項目で評価している。 行政・制度 過去5年間に開発断念または上市見送りを経験した企業は4割というジェネリック・ドラッグ・ロス (厚生労働省研究班レポート) 厚生労働省の研究班がジェネリック・ドラッグ・ロス(先発品の特許が切れても、後発品が上市されない)について体系的に調べた研究報告書が公開された。 米国薬価政策・MFN ホワイトハウスがMFNの成果として60年で最大の処方薬価格引き下げを発表 米ホワイトハウスは、MFN政策により処方薬価格が1963年以来最大の下落を記録したと発表した。だが要因をIRAに帰す見方もあり、専門家の評価は割れている。 承認・開発 モデルナ、個別化mRNAがんワクチンの第3相成功で株価176.97%上昇 モデルナとメルクの個別化mRNAがん治療薬が第3相試験で主要評価項目を達成。株価は1日で176.97%上昇し、時価総額は440億ドル増えた。 M&A・提携 田辺ファーマが希少皮膚疾患の治療薬デルシメラゴンのグローバル開発・販売権をレオファーマへ譲渡 米FDAへ承認申請済みの経口薬デルシメラゴンのグローバル権利を、最大約695億円でレオファーマへ譲渡。世界初のEPP/XLP経口治療薬となる。 マーケティング・MR IQVIAの最新売上データから見えるトレンド IQVIAの2026年第2四半期データが公開。マンジャロが前年比280%増、キイトルーダが19%増と伸びる一方、リクシアナは減少に転じた。 承認・開発 ArgenxのVyvgartが自己免疫性筋炎でP2/3試験成功 Argenxが自己免疫性筋炎を対象としたALKIVIA試験で主要評価項目を達成。TIS平均改善度でプラセボ群を15.4ポイント上回った。 AI・デジタル JMDC 2026 第1Q決算 -製薬コマーシャル向け取引が前年同期比46%増 JMDCの2027年3月期第1四半期は売上収益126億円(前年同期比17.5%増)。製薬コマーシャル向け取引が46%増と伸び、株価は大幅高となった。 薬価 ICERがアストラゼネカの新規作用機序高血圧薬に対して費用対効果不十分と判定 米ICERが、アストラゼネカの新規高血圧薬Baxfendyを費用対効果不十分と判定。算定されたICER値は一般的な閾値を5〜9倍上回った。 肥満症・GLP-1 イーライリリー、未承認GLP-1レタトルチドの違法販売で米6事業者を提訴 第3相試験中の次世代肥満症治療薬が、世界100カ国・1万4,000件超で違法に販売されていた。リリーは2026年8月12日に提訴に踏み切った。 決算・業績 向かい風の中での製薬業界Q2好決算ラッシュ:上位25社中9社が前年同期比で二桁増収 好決算が続く2026年Q2。上位25社のうち9社が二桁増収を記録し、うち3社を日本企業が占めた。リリーは7四半期連続で首位を独走している。 M&A・提携 Revolution Medicines、膵臓がん薬のアジア開発販売でBeOneと提携 ASCOで注目された膵臓がん薬をめぐり、両社がアジアでの開発・販売で提携。RAS(ON)阻害薬4品目が対象となる。 マーケティング・MR 2026年7月の製薬会社による米国TV広告出稿ランキング -1位はスキリージで広告費47億円 2026年7月の米国TV医薬品広告出稿ランキングでAbbVieのスキリージが首位。乾癬やIBD領域で競合するJ&Jのトレムフィアとの合計出稿額はわずか1.8億円の差で拮抗し、4年に一度のFIFAワールドカップを集中的に活用する戦略も浮かぶ。 医薬品卸・流通 四大医薬品卸のFY26 Q1決算、全社が増収・営業減益 医薬品卸大手4社のFY26第1四半期決算が全社増収・営業減益となった。仕入価格上昇やリベート減少、革新的新薬薬価維持制度の影響など、構造的な課題が利益を圧迫している中、各社の対応が問われている。 決算・業績 エムスリーFY26Q1決算、ペイシェントソリューションを除き全て減益で株価急落 エムスリーの2027年3月期第1四半期決算で、ペイシェントソリューション事業を除く全セグメントで減益となった。売上は増加したものの営業利益は8.6%減少し、親会社帰属利益は23.4%も落ち込んだ。 決算・業績 ファイザーが2026年Q2決算の中で25億ドルのコスト削減計画を発表 ファイザーが2026年第2四半期決算で、COVID製品の売上減少を補うため25億ドルの追加コスト削減を発表。累計97億ドルの削減計画により、2028年以降の成長を目指す。 決算・業績 Novo vs Lilly:GLP-1競合の2026 2Q結果 2026年第2四半期の決算でLilly とNovoのGLP-1市場での差が拡大している。Lillyは米国インクレチン薬市場で60.9%のシェアを獲得し、経口薬でも先行するNovo との競争が激化する一方、Novoはパイプライン段階での開発課題も抱えている。 薬価 デュピクセントが4度目の拡大再算定で薬価引下げ サノフィのアトピー性皮膚炎治療薬デュピクセントが、2026年11月に発売後4度目の再算定で薬価引き下げを受ける。2018年の収載時の加算分がすでに消滅し、現在の薬価は原価を下回っているという課題が浮かび上がる。 M&A・提携 AZ-BMS合併がBad Ideaである理由 (USメディアによる論評) AstraZenecaとBristol Myers Squibbの合併協議について、米国メディアが「大惨事になる」と断定した。米国でのプレゼンス拡大の必要性の乏しさ、ポートフォリオの重複、R&D再編と人員削減のリスク、過去の大型合併の実績不足、アナリストの懐疑的な見方から、両社にとって戦略的な必然性に乏しいと指摘される。 薬価 日本イーライリリーのマンジャロの薬価引き下げに対する声明について 日本イーライリリーはマンジャロの25%薬価引き下げについて声明を発表。同社はG7で最も低い薬価水準にあると主張する一方、海外からの医療ツーリズムや転売リスクの懸念を示唆している。 M&A・提携 AstraZenecaとBristol Myers Squibbが合併協議 – 合併したら売上高世界一の巨大企業へ 英フィナンシャル・タイムズの報道により、AstraZenecaとBristol Myers Squibbが合併協議を進めていたことが明らかになった。実現すれば企業価値約4,000億ドルの史上最大級M&Aだが、BMSの主力薬の特許切れ対応が背景にあり、独占禁止法上の懸念も指摘されている。 決算・業績 Alnylamの株価がQ2決算発表後に30%急落し時価総額120億ドル消失 Alnylamの株価が決算発表後に30%急落し、時価総額120億ドルを失った。TTRアミロイドーシス治療薬の通期売上見通しが引き下げられ、蓄積需要の正常化と競合薬の試験失敗が背景にある。 決算・業績 AbbVieのスキリージが世界最高売上時代のヒュミラの記録に並ぶ AbbVieのスキリージが2026年第2四半期に四半期売上55億5,000万ドルを記録し、かつてのブロックバスター・ヒュミラの最高額と並ぶ水準に到達。ヒュミラの特許戦略による長期売上維持がいかに後継品への移行を可能にしたか。 決算・業績 【アストラゼネカ 2026年上半期決算】オンコロジー・希少疾患の躍進と2030 年までに売上800億ドルの目標 アストラゼネカは2026年上半期、総売上高306億7,200万ドル(前年同期比+9%)を達成した。オンコロジー・希少疾患領域の二桁成長がフォシーガの特許切れなどの逆風を補い、2030年までの売上800億ドル目標に向けて順調に推移している。 決算・業績 研究開発の生産性、アクセス、コマーシャル実績を評価する新指標でイーライリリーが1位に Norstellaが発表した創薬から発売後まで全工程を評価する新指標P3iで、イーライリリーが世界大手25社中1位に。GLP-1の成功が牽引する一方、薬へのアクセス面には課題が残る。 決算・業績 GSKの第2Q決算、営業利益76%減でコストカットプランを発表 GSKが第2四半期決算でHIV治療薬の特許満了に備え、3年間のコスト再配分計画「Accelerate Growth」を発表。年19億ポンドの削減で後期パイプラインを強化し、Phase 3試験を倍増させる方針を示した。 行政・制度 日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会の描く2040年将来ビジョン 日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会が2040年に向けた国内医薬品産業のビジョンを承認。特許期間満了医薬品、バイオシミラー、OTC医薬品、原薬の4分野を連携させ、少子高齢化時代の産業基盤を再構築する戦略が描かれた。 決算・業績 中外製薬の上半期決算、Core営業利益率49.6% 中外製薬の2026年上半期決算は売上高6,633億円(前年同期比14.7%増)、Core営業利益率49.6%に達した。ロイヤルティ収入の増加が利益率を押し上げる一方、オンコロジー領域では後発品浸透の影響が目立つ。 マーケティング・MR Novo社がLillyのGLP-1広告を“虚偽広告”として訴訟 Novo NordiskがEli LillyのGLP-1広告をランハム法違反の虚偽広告として訴訟。争点は、Lillyが古いhead-to-head試験を根拠にした広告が、その後承認された高用量を考慮するとミスリーディングになるかどうかだ。 承認・開発 武田の自社創薬医薬品であるオレキシン作動薬はなぜ中国で最初に承認なのか 武田薬品の自社創薬品オベポレクストンが中国で世界初承認を得た。先駆的医薬品制度の対象にもかかわらず、米国・中国がほぼ同時に日本より先行した背景には、中国の患者規模の大きさと当局の優先度の高さがある。 行政・制度 日医・松本会長が骨太方針2026に対して「到底容認できない」と主張する3点 日本医師会の松本会長が骨太方針2026に反発している。医療給付費の対GDP比目標、社会保障負担率の数値目標、70歳以上の医療費窓口負担原則3割という3つの政策案について、具体的なデータを挙げながら懸念を示している。 行政・制度 トランプ大統領が輸入ジェネリック医薬品への段階的関税導入を発表 トランプ大統領がジェネリック医薬品の輸入関税を段階的に引き上げると発表。2028年8月から100%、2029年8月から200%に達する予定だが、米国内製造への移行は国際分業体制やコスト構造の課題により難しいとみられる。 行政・制度 骨太方針2026が閣議決定 政府が経済財政運営と改革の基本方針2026を閣議決定し、創薬・先端医療を国家戦略の柱と位置づけた。2040年度までの官民投資370兆円超、治験環境整備、AI利活用推進が盛り込まれた一方、米国製薬業界は薬価制度改革を求めている。 AI・デジタル 相次ぐNVIDIAと大手製薬の提携 ブリストル・マイヤーズ・スクイブがNVIDIAとの提携を拡大するなか、ロシュ、リリーなど大手製薬が次々とAIインフラの大型提携を発表している。創薬のボトルネック解消が狙いだが、NVIDIAにとって真の価値は何か。 承認・開発 FDAがMerckの経口PCSK9薬を優先審査で承認 -低価格戦略と物議を醸すCNPV制度- メルクの経口PCSK9薬リプフェンドラがFDAに承認された。優先審査バウチャー制度により通常より大幅に速い審査で認可されたが、同制度は政治的介入の懸念から批判を集めている。 行政・制度 Lancetの日本特集(国際政策論文:人間の安全保障外交への転換提言) Lancetに掲載された論文は、グローバルヘルスのガバナンス機能不全を背景に、日本の保健外交が陥る停滞サイクルの原因を分析。人間の安全保障外交への転換と、パートナー国とのイノベーション循環を通じた2040年の戦略目標を提言している。 行政・制度 国民皆保険の危機とVision 2040 -国際医学誌Lancetで15年ぶりの日本特集- Lancetが15年ぶりに日本医療を特集。国民皆保険の制度的停滞に対し、25名の専門家が3つの構造課題を分析し、2040年に向けた抜本的な再設計「Vision 2040」を提言した。 決算・業績 J&Jがステラーラの特許切れによる減少分をトレムフィアで埋めて売上見通しを上方修正へ J&Jの2026年第2四半期決算は、トップ製品ステラーラの特許切れで売上が55%減少する中、免疫領域のトレムフィアが72%増と急伸し、その減少分の94%を埋めた。売上見通しは上方修正され、通期で初の1,000億ドル超えが見えてきた。 新薬発売 ピーク予測578億の大型薬ジャスケイド (肺線維症)発売開始 日本ベーリンガーインゲルハイムが肺線維症治療薬ジャスケイドを発売した。ピーク売上予測578億円は、2025年に薬価収載された新薬の中で500億円超はこれを含めて2成分のみ。新規作用機序と広い患者プールが期待される。 行政・制度 ドイツがMFN圧力下でもブランド品値引き (mandatory rebates)引上げの法案を可決 ドイツ連邦議会が7月10日、ブランド医薬品の強制値引き率を7%から15.5%に引き上げる医療改革法案を可決した。MFN圧力下でも保険財政健全化を優先する判断となり、他国の薬価戦略に波及する可能性がある。 米国薬価政策・MFN 創薬力向上のための官民協議会について -MFN影響による医薬品産業の3シナリオ - 創薬力向上のための官民協議会では、MFNの影響下での日本医薬品市場の3つのシナリオが提示された。薬価制度改革と創薬エコシステムの構築により、市場規模は6兆円の縮小から12兆円の拡大まで、大きく異なる展開が想定されている。 肥満症・GLP-1 米国成人の11%がGLP-1製剤を使用 – 2024年から4倍に 米国成人の11%がGLP-1製剤を使用し、2024年の3%から4倍に増加。肥満率は39.9%から36.4%に低下した一方、コンパウンド薬への乗り換えが加速し、安全性と経済合理性の課題が浮き彫りになった。 AI・デジタル 創薬にはAIの効果を最大限に引き出すために「構造的な再設計」が必要:McKinseyレポート McKinseyが発表した最新レポートは、AIを既存の創薬プロセスに単に組み込むだけでは価値を生み出せず、R&Dそのものを線形のゲート型から双方向的な学習ループへと抜本的に再設計することが不可欠だと指摘している。 行政・制度 自民・維新の社会保障改革13項目 自民党と日本維新の会が社会保障改革13項目を決定。薬価については、費用対効果分析の範囲拡大と革新的新薬の適切な評価に重点を置く一方、2027年度の薬価改定実施と長期収載品の一層の適正化が明記された。 承認・開発 AstraZenecaがWainua(心アミロイドーシス)の第三層試験未達により株価急落 AstraZenecaが共同開発する心アミロイドーシス治療薬Wainuaの第III相試験が主要評価項目を達成できず、株価は約9%下落しました。試験中に標準治療の安定化剤が急速に普及したことが背景にあるとされています。 医療提供体制 国立大学病院の赤字要因はどこにあるか -2025年度決算は赤字244億円- 全国44の国立大学病院が2025年度に244億円の赤字を計上した。医師の働き方改革による人件費増加が主因だが、診療報酬改定による増収がそれを補わず、構造的な赤字要因が浮き彫りになっている。 医療提供体制 がん患者団体による製薬会社評価ランキング 英PatientViewが世界のがん患者団体505組織を対象に実施した調査で、製薬企業への評価が緩やかに低下している。特に薬価政策への信頼が極めて低く、一方で領域や企業による評価の差が顕著になっている。 肥満症・GLP-1 米国で先行する経口GLP-1の競合状況 -Novo「Oral Wegovy」 vs Lilly「Foundayo」 米国の経口GLP-1市場で、ノボの「Oral Wegovy」が圧倒的な立ち上がりを見せる一方、イーライリリーの「Foundayo」は後塵を拝している。ブランド認知と保険償還の遅れが理由とされるが、低分子という構造的優位が今後の逆転のカギになるか。 決算・業績 2025年度 国内医薬品売上ランキング (Answers News):キイトルーダの3年連続1位とマンジャロの急浮上 2025年度の国内医薬品売上ランキング発表。MSDのキイトルーダが3年連続首位で2,000億円超となった一方、マンジャロが3年目で急浮上。一方、特許切れ医薬品は後発品やバイオシミラーに蚕食され、大幅な売上減が続く。 M&A・提携 田辺ファーマが製造子会社を売却しファブレス化へ ベインキャピタル傘下の田辺ファーマが、国内製造子会社を東和薬品に売却し、ファブレス化へ移行する。研究開発と導入品獲得に経営資源を集中させる戦略の表れだ。 承認・開発 Rocheのdivarasib(KRAS G12C阻害薬)がHead to head試験でsotorasibとadagrasibを上回る結果を発表 Rocheの次世代KRAS G12C阻害薬divarasibが、既承認のsotorasibとadagrasibを直接比較した第Ⅲ相試験で優越性を示した。PFSで統計的優位性、OSでも臨床的有意性が報告されている。 中国・新興バイオ 世界初の固形がんを対象としたCAR-T製剤が中国で承認 中国がCAR-T細胞療法として初めて固形がん(胃がん)に対する承認を与えた。血液がんに限定されていたCAR-Tが適応を広げる一方、次世代型の開発競争も加速している。 行政・制度 2040年を見据えた日本の創薬力強化 -内閣府WG資料より- 内閣府の創薬ワーキンググループが、2040年を視野に日本の創薬力強化戦略をまとめた。人材、AI、研究開発、臨床試験、規制の5つの柱で世界との競争力回復を目指すが、成否を分ける鍵は薬価制度にあるとの指摘も。 承認・開発 Tavneos(avacopan)のPivotal StudyであるP3論文をNEJMが撤回 Amgenの希少疾患薬Tavneosの承認根拠となった第Ⅲ相試験の論文が、NEJMに撤回された。FDAの調査で試験データの改ざんと盲検解除の不正行為が判明し、有効性の証拠が不十分だったと指摘された。 承認・開発 2026年下半期に注目の臨床試験 (BioPharma Diveより) 2026年下半期に実施される臨床試験により、RNAコンジュゲート、CRISPR、二重特異性抗体など次世代モダリティが超希少疾患を超えて巨大市場の既存ブロックバスターに迫る段階へ入ることが鮮明になる。 行政・制度 自由診療での再生医療領域の概観(厚労省定期報告より) 厚労省の定期報告から、自由診療の再生医療市場の実態が浮かび上がる。臨床研究が1.6%に対し、治療は98.4%。がん治療中心の研究と異なり、治療ではQOL向上目的の歯科・整形外科が主流で、iPS細胞ではなくPRPと骨髄由来幹細胞が市場を牽引している。 承認・開発 Nature Medicineが免疫療法の投与時刻に関する論文を撤回 免疫療法の投与時刻が肺がん生存率に大きな影響を与えるとした第Ⅲ相試験が、Nature Medicineから撤回された。プロトコル改変、データの不自然さなど複数の問題が指摘され、前向き試験の信頼性が損なわれたと判断された。 肥満症・GLP-1 肥満症治療薬と中国発イノベーションの牽引でグローバル医薬品マーケットは2兆ドルへ 調査会社Evaluateは2032年の世界医薬品市場が2兆ドルを超えると予測。肥満症治療薬と免疫疾患薬が市場をけん引する一方で、中国発イノベーションへの依存が急速に拡大し、パテントクリフや薬価政策などの課題も浮上する。 行政・制度 日本成長戦略・戦略17分野の投資内訳 -創薬・先端医療に、64兆円- 高市政権の日本成長戦略で、創薬・先端医療には2040年度までに官民合計で約64兆円の投資が見込まれた。新薬やバイオ医薬品、革新的デバイスなど5項目に配分される投資の実現には、政府と民間の役割分担の明確化が課題となる。 米国薬価政策・MFN Lillyの経口GLP-1薬”Foundayo”、MFNの影響を受けてEUでオンライン診療による患者自己負担モデルの提供へ Lillyの経口GLP-1薬Foundayoが、米国のMFN薬価政策の影響を受けてEUではオンライン診療による自費販売を検討している。公的保険償還は参照国の薬価次第となり、各国の薬価戦略に左右される状況が続いている。 マーケティング・MR MRが医師から受ける問題行動(problematic communication)88.8%という論文(探索的研究) 日本のMRが医師から受ける問題行動を調査した論文が発表された。問題行動の経験は88.8%に達しているが、探索的研究であり対象の代表性や回答バイアスに留意が必要だ。 M&A・提携 AbbVieがApogee Therapeuticsを109億ドルで買収へ AbbVieがアトピー性皮膚炎向け抗体zumilokibartを持つApogee Therapeuticsを109億ドルで買収。IL-13標的は既存品と同じだが、半減期延長で投与頻度を減らせる利便性が差別化。2030年代の主力交代を見据えた布石か。 海外動向 外国人幹部 > 日本人社長となる製薬の役員報酬 日系製薬大手で、米国事業を率いる外国人幹部が日本人社長を上回る報酬を受け取る事例が複数見られる。米国と日本の報酬市場の格差が背景だが、ガバナンスの透明性が問われている。 承認・開発 モデルナのmRNAインフルワクチン、FDA諮問委が全会一致 で「ベネフィットがリスクを上回る」と評決 モデルナのmRNAインフルワクチンmFlusivaについて、FDA諮問委が全会一致で承認を支持した。4か月前には審査自体を拒否されていたが、FDAの人事異動を経て方針転換。米国初のmRNAインフルワクチン承認は確実に見える。 米国薬価政策・MFN 米国がドイツの薬剤費抑制策に対して貿易上の問題として調査 ― 通商法301条とMFN 米国がドイツの薬価抑制策を通商法301条に基づいて調査開始。米国が高い薬価で研究開発費の大きな負担を強いられているという「フリーライド論」が背景で、MFN導入との連動が明らか。日本も参照国として名指しされており、対岸の事態ではない。 決算・業績 武田・ウェバー社長 報酬23億円は客観的に評価して高いのか 武田薬品のウェバー社長の報酬23億円は、国内では突出して高い。だが世界のメガファーマと比べれば相応の水準である一方、足元の成果が報酬の伸びに追いついているかは議論が分かれるところだ。 薬価 薬価3億円の遺伝子治療薬エレビジス、発売後4ヶ月で10名に投与 -投与する医療機関は赤字 希少遺伝子治療薬エレビジスが3億円超の薬価で発売されたものの、投与施設では安全対策に要する人件費と消耗品で赤字となる。高額薬価と医療提供の持続可能性のギャップが課題となっている。 承認・開発 武田薬品のオレキシン作動薬の追加解析結果 – SLEEP 2026での発表- 武田薬品のナルコレプシー治療薬オベポレクストンが、SLEEP 2026で第3相試験の追加解析結果を公表。日中の眠気改善だけでなく、認知機能や夜間睡眠の改善も示され、オレキシン欠乏という根本原因へのアプローチが実証された。 海外動向 Nature Index 2026で日本と韓国の論文寄与の伸びが西洋諸国を上回る Nature Index 2026で、日本と韓国の学術論文寄与が米・独・英といった西側先進国を上回る成長率を記録した。応用科学・社会科学論文の追加により、評価対象が大幅に拡大している。 マーケティング・MR 米国DTC広告費ランキング、上位3つを免疫の生物学的製剤が独占 米国の医療用医薬品DTC広告費ランキング(2026年5月)で、AbbVieのスキリージが3,890万ドルで首位、J&Jのトレムフィアが3,880万ドルで2位。上位3つすべてが免疫疾患薬で占められ、IL-23阻害薬の競争激化を映し出している。 承認・開発 武田薬品の乾癬経口薬ZasocitinibがHead to Head試験で先行薬のBMS デュークラバシチニブを上回る結果を達成 武田薬品の経口TYK2阻害薬ザソシチニブが、BMS製デュークラバシチニブとの直接比較試験で統計的優越性を示した。AI設計薬として高い選択性を実現し、乾癬治療の経口薬市場の拡大を加速させる可能性がある。 医療提供体制 米国の医療費、2027年は17年ぶりの高水準で増加 -PwC「Behind the Numbers 2027 PwCの予測では、米国の2027年の医療費成長率は団体保険で9.0%と、17年ぶりの高水準に達する見込みだ。医療提供者のAIツール導入による請求の最適化が、構造的なコスト増を招いている。 新薬発売 がん創薬のParabilis Medicinesが史上最大のバイオIPO、6.7億ドル がん創薬のParabilis Medicinesがナスダックに上場し、6.7億ドルを調達した。バイオテク史上最大のIPO規模だが、上市製品はまだない。zolucatetideなど複数の標的に対する臨床開発を加速する。 M&A・提携 GSKが癌領域バイオベンチャーを1.7兆円で買収 GSKが米国のがん専業バイオ、ヌーバレントを106億ドルで買収。ROS1陽性・ALK陽性の肺がんを狙う2つのFDA審査中新薬が主なアセット。HIV治療薬の特許切れ対策の狙いも。 決算・業績 2025年ライフサイエンス企業の高額報酬CEOトップ25 ライフサイエンス企業のCEO報酬の基準が4年ぶりに引き上がり、トップ25は全員年間2,500万ドル超を得ている。S&P500を上回るペースで報酬が膨らむ中、業績条件の撤廃やリプライシングなど、基準を後付けで変更する事例が相次いでいる。 肥満症・GLP-1 ADA2026でますます盛り上がる肥満症の群雄割拠マーケット 2026年のADA学術集会で肥満症治療薬の多標的薬や次世代候補が相次いで発表され、市場が多極化。Lillyのretatrutideが手術級の減量効果を示す一方、Novoは株価下落から回復を目指す。 M&A・提携 GNIグループがカロナールを手がけるあゆみ製薬を買収 GNIグループがカロナール製造のあゆみ製薬ホールディングスを約450億円で買収する。中国事業に偏重した収益基盤を日本で拡大し、単一製品への依存を減らすとともに、パイプライン製品の販路確保を狙う。 AI・デジタル 塩野義製薬が小児ADHD向けのデジタル治療アプリ「エンデバーライド」を発売 塩野義製薬が小児ADHD向けデジタル治療アプリ「エンデバーライド」を発売。国内初となるADHD治療アプリだが、米国では先行企業が処方モデルで苦戦する中、日本の皆保険制度下でのビジネス成立が課題となる。 M&A・提携 武田薬品が2024年にライセンス返上したAMITIZAの反トラスト訴訟で4,025億円の訴訟引当金を計上 武田薬品がAMITIZAの反トラスト訴訟で陪審評決を受け、4,025億円の訴訟引当金を計上した。2014年の特許和解が「支払による参入の遅延」に該当するかが争点で、原告は価格競争の阻害で過払いが生じたと主張している。 行政・制度 NHKクローズアップ現代で自由診療の再生医療が特集 NHKの特集により、日本の自由診療における再生医療の実態が浮き彫りになった。有効性の証明が不要な安確法の下で、法令違反や患者死亡事案が相次ぐ一方、海外との規制格差が日本の医療ブランド信頼を脅かしている。 M&A・提携 AVIファンドのロート製薬への議案提案と反対 ロート製薬がアクティビスト投資家AVIの山田邦雄会長の解任議案に反対を表明。AVIは事業の選択と集中、ガバナンス改革を迫るが、同社は長期経営の価値を主張している。 承認・開発 ASCOでスタンディングオベーションとなったdaraxonrasibの発表 米国臨床腫瘍学会のプレナリーセッションで発表されたKRAS変異膵がん向けdaraxonrasibの第3相試験は、OSを13.2か月に延長し、従来の化学療法と比べて死亡リスクを6割低減。予後極めて悪い膵がんに新たな治療選択肢がもたらされた。 薬価 世界のバイオ医薬品企業のトップリーダーが高市早苗首相と会談 世界の大手バイオ医薬品企業のCEOが日本の首相と会談し、革新的医薬品開発シェアの構造的低下と薬価制度の課題を指摘。ドラッグロス拡大を背景に、政府支出拡大と薬価改革の必要性を訴えた。 肥満症・GLP-1 増え続けるGLP-1の自由診療下での使用と、その問題 GLP-1治療薬の自由診療での使用が増加している。適応内だが施設要件を満たさないケースと、適応外の美容目的での処方という、性格の異なる2つの問題が生じており、制度解釈から広告規制まで多層的な論争が続いている。 M&A・提携 中国バイオとメガファーマと新たなディール -ファイザー×イノベント1兆6,000億円- ファイザーが中国バイオ大手イノベント・バイオロジクスと、最大105億ドル規模の提携契約を発表した。中国企業によるクロスボーダーのライセンスアウト取引が急増する中、双方向の協業として設計された今回のディールは、中国バイオテックの優位性を示す事例となっている。 M&A・提携 イーライリリーがGLP-1の次に描くもの -感染症領域に再参入- イーライリリーが感染症領域に再参入を決めた。GLP-1での利益を活用し、帯状疱疹やAMR対策、EBVワクチンの開発企業3社を買収。予防医療への注力を強める同社の戦略を読み解く。 決算・業績 アステラス製薬の中期経営計画 -重点製品群売り上げ倍増も、単年度数字目標なし アステラス製薬が5カ年の経営計画2026を公表。イクスタンジの特許切れで売上は減少する見通しだが、重点戦略製品の売上を2倍に拡大することで、利益とキャッシュフローの成長を目指す。単年度の数字開示がない戦略の意図とは。 決算・業績 エーザイ、レケンビに賭ける中期計画 -2028年度に売上高1兆円へ- エーザイが中期計画で2028年度の売上1兆円達成を掲げた。成長の鍵はレケンビの拡大にあり、皮下注や血液バイオマーカーの普及、実臨床データの蓄積が重要なマイルストーンとなる。 AI・デジタル ノボノルディスク、インド拠点でAI活用し新薬投入を加速 ノボノルディスクがインドのベンガルールに置く拠点でAIを活用し、新薬の市場投入までの時間を最大3分の2短縮することを目指している。多国籍製薬企業がインドに中核業務拠点を集中させる背景には何があるのか。 肥満症・GLP-1 イーライリリーの新規肥満症治療薬レタトルチド:減量手術レベルの結果をP3で達成 イーライリリーの開発中肥満症治療薬レタトルチドがP3試験で、最高用量28.3%の減量を達成した。これまで肥満手術でしか達成されない水準であり、トリプルアゴニストとしての有効性が示された一方、用量依存的な副作用課題も明らかになった。 肥満症・GLP-1 圧倒的速さで売上高世界1位になったチルゼパチド(GLP-1) チルゼパチドがグローバル医薬品売上で1位となり、2025年の売上高は約365億ドル。過去のメガブロックバスターと比べ、承認から世界トップまでの速度が圧倒的に短縮されている。 医薬品卸・流通 医薬品卸はどこへ向かうのか ―中期計画から見えるもの― 医薬品卸4社の中期計画から、薄利構造からの脱却を目指す戦略が見える。製造・開発への進出、異業種への多角化など各社が異なる方向性を描く中、どの路線が成功するのか。 決算・業績 医薬品4大卸 FY2026決算 -4社とも増収減益- 医薬品四大卸の2026年3月期決算が出そろい、4社とも増収になった一方で営業利益は減少。薬価改定と選定療養の導入が本業の採算を圧迫する中、各社はスペシャリティ医薬品や再生医療といった新事業への投資を加速させている。 承認・開発 キッセイ薬品タブネオス -国内20例死亡とFDA承認撤回提案- キッセイ薬品の主力品タブネオスで国内20例の死亡とVBDSの重篤例が報告され、新規投与の中止要請が発生。一方、FDAは治験データ虚偽疑いを理由に米国での承認撤回を提案した。115億円の売上を占める主力品の危機が経営に与える影響は大きい。 薬価 iPS細胞治療薬の保険適用とその薬価妥当性について 住友ファーマとサンバイオのiPS細胞治療薬が5月に相次いで薬価収載される。1人当たり5000万円超の超高額薬だが、患者数の少なさとピーク市場規模を踏まえると、ビジネスとして成立するか検討が必要だ。 肥満症・GLP-1 なぜGLP-1製剤の不適切処方は無くならないか GLP-1製剤の不適切処方が問題視されながらも止まらない理由は、自由診療売上を規制する経済的インセンティブが誰にもなく、法的な禁止規定も存在しないという構造的な問題にある。 薬価 マンジャロ薬価25%削減再算定 -自由診療分を除外する新ルール「持続可能性特例価格調整」- 日本イーライリリーのマンジャロが薬価25%引き下げとなる。新制度「持続可能性特例価格調整」では、保険診療分のみを対象とすることで、自由診療での売上拡大が薬価引き下げ要因にならない仕組みが採られた。 決算・業績 武田薬品2025年度決算 -ウェバーCEO最後の決算- 武田薬品の2025年度決算は、ウェバーCEOが退任前に提示した最終実績となった。VYVANSE減収を新製品群で部分補完し、次期CEOキムが掲げた3つの有望新薬の臨床成功と既存主力品の特許切れ対応が、中期経営の鍵を握る。 M&A・提携 帝人ファーマの武田糖尿病事業買収は意味があったのか 帝人ファーマが2021年に武田薬品から1,330億円で取得した糖尿病事業について、5年で累計534億円の減損を計上した。競合品のシェア伸長と戦略転換により、当初の想定から大きく乖離した。 決算・業績 帝人2025年度決算 -ヘルスケア事業利益134億円(+136%)、26年度は減益見通し- 帝人のヘルスケアセグメントは2025年度に事業利益134億円と前年比2.35倍に伸長した。しかし2026年度は希少疾患以外の医薬品を絞り込むため、売上・利益とも減少が見通されている。 決算・業績 第一三共第6期中期計画——2030年売上3兆円・営業利益6,000億円の現実味 第一三共が発表した第6期中計は、2030年度に売上3兆円以上・営業利益6,000億円以上を目指す。前期の為替追い風を除いた実質成長率を維持できるか、またがん領域4製品の上市・拡大が鍵となる。 決算・業績 第一三共2025年度決算 - 決算発表延期からの下方修正 第一三共が2026年3月期決算を発表し、営業利益を当初予想から31.6%下方修正。売上は過去最高を達成したものの、ADC製品の需要予測の見直しに伴うCMOへの損失補償883億円が大幅減益の主因となった。 決算・業績 小野薬品決算発表 -フォシーガクリフ(短期)とオプジーボ・ロイヤリティクリフ(中期)- 小野薬品の2026年3月期は過去最高決算となったが、2027年3月期は減収減益を予想。フォシーガの共同販売契約終了による短期的な減収と、2028年以降に迫るオプジーボの特許切れが経営課題。デサイフェラ買収とグローバル化がこれらのパテントクリフ乗り越えの鍵となる。 承認・開発 日本初の半月板再生医療「セイビスカス注」承認——再生医療等製品は23品目に 富士フイルム富山化学の「セイビスカス注」が半月板損傷に対する国内初の再生医療等製品として承認されました。日本の再生医療等製品は23品目に達し、モダリティの多様化が進む一方で、市販後検証を経て承認失効した製品も出ています。 決算・業績 海外売上比率77%とビジョン2030 —協和キリンが進める希少疾患グローバル化 協和キリンの2026年Q1決算は増収増益だが、希少疾患グローバル戦略品が売上の約49%を占める中、ロカチンリマブの開発中止が中長期的に課題に。Vision 2030の目標達成に向け、次世代パイプラインの成長が問われる。 決算・業績 米国/グローバルともにGLP-1市場でイーライリリーがシェア50%超え イーライリリーの2026年第1四半期決算で、GLP-1市場における同社のシェアが米国・グローバル双方で50%を超えたことが明らかになった。インクレチン領域は前年比90%成長し、ノボノルディスクから市場の覇権が移りつつある。 中国・新興バイオ 中国バイオベンチャーの台頭 - グローバルライセンスディールの3割が中国発 中華圏のバイオベンチャーが2025年のグローバルライセンスディールの3割以上を占め、メガファーマにとって米国に次ぐイノベーション源泉となった。ADC領域での革新的な創薬と中国の規制改革が、この急速な台頭の背景にある。 M&A・提携 塩野義の8,800億円ディールとその目的 塩野義製薬が2025年度に立て続けに行った計8,800億円超のディール。ロイヤリティと感染症事業への依存からの脱却を目指すもので、各投資が異なる課題に対応している。 医薬品卸・流通 東邦HDの新中期経営計画 -アクティビストへの対抗- 東邦ホールディングスが新中期経営計画で、営業利益300億円以上やROE8%以上といった具体的な数値目標を掲げた。これはアクティビスト投資家3Dの要求に応える形だが、目標達成のロジックには確実性の高い施策と不確実な新規事業が混在している。 M&A・提携 ブイキューブ社の決算と上場廃止について ブイキューブが2026年6月に上場廃止となる。コロナ禍の特需が終わった主力事業の不振に加え、買収したXyvidの巨額減損損失が債務超過を招いた。 決算・業績 エムスリー2025年度決算:AIによるネガティブな影響は1%のみと発表 エムスリーの2025年度決算は売上高3,514億円と前年比23%増。AI導入による事業へのネガティブ影響は全体の1%に限定され、むしろAIを活用した競争力強化を戦略の中心に据える方針を示した。 決算・業績 レケンビ世界売上880億円 – アリセプトとの立ち上げ比較など- エーザイのアルツハイマー病治療薬レケンビが2025年度に世界売上880億円を達成。アミロイドベータを除去する疾患修飾薬として初めて有効性を統計的に証明し、初期3年間の成長曲線はアリセプトを上回る軌跡を示している。 決算・業績 アステラス製薬2025年度決算で過去最高の売上高・営業利益達成(XTANDIのパテントクリフ特許切れが2027に迫る) アステラス製薬の2025年度決算は売上収益2兆1,392億円、コア営業利益5,557億円と過去最高を達成した。しかし2027年8月のXTANDI特許満了を控え、現状の成長基盤ではそのインパクト吸収が十分でないとの見方が市場にある。