米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会のプレナリーセッションでdaraxonrasibによる膵がんの2次治療データが発表された。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2605555
SNSでも大きく盛り上がっており、発表の場では聴講者のスタンディングオベーションが起きたとされる。
膵がん(膵管腺癌)は、固形がんの中でも最も予後が悪い部類に入る。米国では2026年に約6.7万人が新規診断され、その半数以上が診断時点で既に転移しており、5年生存率はおよそ3%で長く動かなかった。1次治療が効かなくなった後の2次治療は、PFS(無増悪生存)3〜4か月、OS(全生存)6〜7か月程度。
RASolute 302は、既治療の転移性膵がん500例を、経口1日1回の daraxonrasib と、医師選択の化学療法(世界標準の4レジメンのいずれか)に1対1で割り付けている。

OSの中央値が 13.2か月 対 6.6か月、ハザード比0.40であり、死亡リスクが6割減ったということになる。安全性でもグレード3以上の副作用は対照群より少なく(43.6% 対 57.5%)、副作用による治療中止は 1.2% 対 11.2%で少なかった。
膵がんはKRAS遺伝子の変異が9割超であり、創薬が難しいとされていた領域であるため、この意義は大きい。
開発したRevolution Medicinesの時価総額は約320億ドル(約5兆円)程度であり、株価はこの1年でおよそ3倍になっている。
RASolute 302は6カ国59施設のグローバル試験で、日本も参加している。
米国では年内の申請・審査が期待視されており、日本が昨今の議論にある通り、ドラッグラグやロスの対象にならないことを期待したい。