2026年7月2日、Rocheは次世代のKRAS G12C阻害薬divarasibが、既承認の第1世代薬であるsotorasib(Amgen/Lumakras)とadagrasib(BMS/Krazati)をHead to head(直接比較)の第Ⅲ相試験で上回ったと発表した。
https://endpoints.news/roches-lung-cancer-pill-beats-rivals-in-head-to-head-phase-3-study/
今回のKrascendo 1試験は、KRAS G12C阻害薬を既承認薬と直接比較した唯一のグローバル第Ⅲ相試験となる。既治療(2次治療以降)のKRAS G12C変異の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)338例を、divarasib単剤群と、sotorasibまたはadagrasib群に無作為に割り付けており、主要評価項目は独立中央判定によるPFSとなる。

今回発表の中間解析ではdivarasibはPFSで統計的に優位な改善を示し、副次評価項目のOS(全生存)でも臨床的に意味のある延長があったとされている。新たな安全性の懸念材料はなく、副作用は管理可能・可逆的とされる。詳細データは今後の学会で発表し、承認申請が進んでいくこととなる。
KRASは、最も高頻度に変異するがん遺伝子でありながら、約40年にわたって創薬不能(アンドラッガブル)とされてきた。その壁を破り、第1世代のG12C阻害薬であるAmgenのsotorasibが2021年に承認され、翌2022年にはBMS(Mirati)のadagrasibが承認された。BMSは2023年、adagrasibを擁するMiratiを約48億ドルで買収している。

今回はKRAS変異のG12Cだが、他にもG12D、G12V、Q61など多くの型があり、G12CはNSCLCの約13%のみとなる。

次の焦点は、活性型のRASを標的にして複数の型を一挙に狙うpan-RAS/RAS(ON)阻害薬とされており、その筆頭がRevolution Medicinesとされる。同社のpan-RAS阻害薬daraxonrasibは、第Ⅲ相RASolute 302(2次治療の膵がん)で全生存を大きく延ばし(中央値で約13か月対約7か月、ハザード比およそ0.40と報告される)、ASCOの発表ではスタンディングオベーションが起きている。
https://www.labiotech.eu/in-depth/ras-inhibitor/