分析記事:新データ発表

治験の結果、学会での発表、論文、リアルワールドデータなど、薬の効き目や安全性の新しいデータ。

肥満症・GLP-1 米国成人の11%がGLP-1製剤を使用 – 2024年から4倍に 米国成人の11%がGLP-1製剤を使用し、2024年の3%から4倍に増加。肥満率は39.9%から36.4%に低下した一方、コンパウンド薬への乗り換えが加速し、安全性と経済合理性の課題が浮き彫りになった。 承認・開発 AstraZenecaがWainua(心アミロイドーシス)の第三層試験未達により株価急落 AstraZenecaが共同開発する心アミロイドーシス治療薬Wainuaの第III相試験が主要評価項目を達成できず、株価は約9%下落しました。試験中に標準治療の安定化剤が急速に普及したことが背景にあるとされています。 承認・開発 Rocheのdivarasib(KRAS G12C阻害薬)がHead to head試験でsotorasibとadagrasibを上回る結果を発表 Rocheの次世代KRAS G12C阻害薬divarasibが、既承認のsotorasibとadagrasibを直接比較した第Ⅲ相試験で優越性を示した。PFSで統計的優位性、OSでも臨床的有意性が報告されている。 中国・新興バイオ 世界初の固形がんを対象としたCAR-T製剤が中国で承認 中国がCAR-T細胞療法として初めて固形がん(胃がん)に対する承認を与えた。血液がんに限定されていたCAR-Tが適応を広げる一方、次世代型の開発競争も加速している。 承認・開発 Tavneos(avacopan)のPivotal StudyであるP3論文をNEJMが撤回 Amgenの希少疾患薬Tavneosの承認根拠となった第Ⅲ相試験の論文が、NEJMに撤回された。FDAの調査で試験データの改ざんと盲検解除の不正行為が判明し、有効性の証拠が不十分だったと指摘された。 承認・開発 2026年下半期に注目の臨床試験 (BioPharma Diveより) 2026年下半期に実施される臨床試験により、RNAコンジュゲート、CRISPR、二重特異性抗体など次世代モダリティが超希少疾患を超えて巨大市場の既存ブロックバスターに迫る段階へ入ることが鮮明になる。 行政・制度 自由診療での再生医療領域の概観(厚労省定期報告より) 厚労省の定期報告から、自由診療の再生医療市場の実態が浮かび上がる。臨床研究が1.6%に対し、治療は98.4%。がん治療中心の研究と異なり、治療ではQOL向上目的の歯科・整形外科が主流で、iPS細胞ではなくPRPと骨髄由来幹細胞が市場を牽引している。 承認・開発 Nature Medicineが免疫療法の投与時刻に関する論文を撤回 免疫療法の投与時刻が肺がん生存率に大きな影響を与えるとした第Ⅲ相試験が、Nature Medicineから撤回された。プロトコル改変、データの不自然さなど複数の問題が指摘され、前向き試験の信頼性が損なわれたと判断された。 行政・制度 日本成長戦略・戦略17分野の投資内訳 -創薬・先端医療に、64兆円- 高市政権の日本成長戦略で、創薬・先端医療には2040年度までに官民合計で約64兆円の投資が見込まれた。新薬やバイオ医薬品、革新的デバイスなど5項目に配分される投資の実現には、政府と民間の役割分担の明確化が課題となる。 承認・開発 モデルナのmRNAインフルワクチン、FDA諮問委が全会一致 で「ベネフィットがリスクを上回る」と評決 モデルナのmRNAインフルワクチンmFlusivaについて、FDA諮問委が全会一致で承認を支持した。4か月前には審査自体を拒否されていたが、FDAの人事異動を経て方針転換。米国初のmRNAインフルワクチン承認は確実に見える。 承認・開発 武田薬品のオレキシン作動薬の追加解析結果 – SLEEP 2026での発表- 武田薬品のナルコレプシー治療薬オベポレクストンが、SLEEP 2026で第3相試験の追加解析結果を公表。日中の眠気改善だけでなく、認知機能や夜間睡眠の改善も示され、オレキシン欠乏という根本原因へのアプローチが実証された。 海外動向 Nature Index 2026で日本と韓国の論文寄与の伸びが西洋諸国を上回る Nature Index 2026で、日本と韓国の学術論文寄与が米・独・英といった西側先進国を上回る成長率を記録した。応用科学・社会科学論文の追加により、評価対象が大幅に拡大している。 肥満症・GLP-1 ADA2026でますます盛り上がる肥満症の群雄割拠マーケット 2026年のADA学術集会で肥満症治療薬の多標的薬や次世代候補が相次いで発表され、市場が多極化。Lillyのretatrutideが手術級の減量効果を示す一方、Novoは株価下落から回復を目指す。 承認・開発 ASCOでスタンディングオベーションとなったdaraxonrasibの発表 米国臨床腫瘍学会のプレナリーセッションで発表されたKRAS変異膵がん向けdaraxonrasibの第3相試験は、OSを13.2か月に延長し、従来の化学療法と比べて死亡リスクを6割低減。予後極めて悪い膵がんに新たな治療選択肢がもたらされた。 肥満症・GLP-1 イーライリリーの新規肥満症治療薬レタトルチド:減量手術レベルの結果をP3で達成 イーライリリーの開発中肥満症治療薬レタトルチドがP3試験で、最高用量28.3%の減量を達成した。これまで肥満手術でしか達成されない水準であり、トリプルアゴニストとしての有効性が示された一方、用量依存的な副作用課題も明らかになった。 決算・業績 エムスリー2025年度決算:AIによるネガティブな影響は1%のみと発表 エムスリーの2025年度決算は売上高3,514億円と前年比23%増。AI導入による事業へのネガティブ影響は全体の1%に限定され、むしろAIを活用した競争力強化を戦略の中心に据える方針を示した。