分析記事:米国薬価政策・MFN

最恵国待遇(MFN)、関税、TrumpRx など、米国の薬価政策と日本への波及。

薬価 10月14日に薬価収載の新薬11成分について整理 10月14日、新薬11成分14品目が薬価基準に収載される。ピーク時予測販売金額100億円超は5成分で、ブリヌスプリが最大の490億円。日本の薬価は欧米比で大きな差があり、費用対効果評価の対象となる品目も明らかになった。 米国薬価政策・MFN ファイザーおよびイーライリリーと米保健福祉省(HHS)の間で結ばれた MFN薬価合意の契約書が一部公開 2026年9月19日、米消費者団体Public Citizenがファイザーとイーライリリーの対HHSのMFN薬価合意の契約書を公開した。大部分は黒塗りだが、海外増収分のHHSへの分配や、供給停止国を参照から外す条項が読み取れる。 米国薬価政策・MFN MFN価格政策を定量的にモデル化した研究がLancet誌に掲載 - 参照国への価格とアクセスに影響することが示唆される 2026年9月13日、The Lancetに米メディケアのMFN価格政策を19か国の価格データで定量的にモデル化した論文が掲載された。73%の薬で節約額が参照国の年間売上を上回り、日本を含む参照国への波及が懸念されている。 米国薬価政策・MFN 医薬品価格政策の「大激変」が世界的なコマーシャル計画の見直しを迫る:米調査レポート 米コンサルティング会社Numerof & Associatesが製薬企業幹部175名(67社)に行った調査。MFNやIRA、欧州のJCAなど政策の「大激変」が、上市の順序や適応症の選び方まで変えつつある。 米国薬価政策・MFN ホワイトハウスがメディケア・プログラムを通じてイーライリリーにブロックバスター級の売上をもたらす可能性を示唆 2026年8月31日、ホワイトハウスがMedicare GLP-1 Bridgeの初期実績を明らかにした。7月1日の開始以来、50万人を超える高齢者が利用し、合計で2億1,600万ドルを節約したとされる。 米国薬価政策・MFN 新たに日系企業2社 (アステラス製薬・協和キリン)を含む9社がMFNに合意し、合計26社に 2026年8月31日、トランプ大統領が9社の製薬企業と新たに最恵国待遇(MFN)価格に関する合意を結んだと発表した。これでMFN合意企業は26社となり、政権はブランド医薬品市場の89%をカバーすると説明している。 薬価 中医協薬価専門部会で製薬三団体がMFNの影響を陳述 2026年8月26日、中央社会保険医療協議会の薬価専門部会が開かれ、関係業界から意見聴取が行われた。 米国薬価政策・MFN スイスで革新的新薬22品目のうち7品目が承認取得後にMFNの影響で保険申請されず 2026年8月24日の日経新聞の記事によると、スイスにおいて過去1年半に登場した革新的な新薬のうち、約3割が国内での保険償還を申請されなかったと報道されている。 米国薬価政策・MFN ホワイトハウスがMFNの成果として60年で最大の処方薬価格引き下げを発表 米ホワイトハウスは、MFN政策により処方薬価格が1963年以来最大の下落を記録したと発表した。だが要因をIRAに帰す見方もあり、専門家の評価は割れている。 行政・制度 トランプ大統領が輸入ジェネリック医薬品への段階的関税導入を発表 トランプ大統領がジェネリック医薬品の輸入関税を段階的に引き上げると発表。2028年8月から100%、2029年8月から200%に達する予定だが、米国内製造への移行は国際分業体制やコスト構造の課題により難しいとみられる。 行政・制度 骨太方針2026が閣議決定 政府が経済財政運営と改革の基本方針2026を閣議決定し、創薬・先端医療を国家戦略の柱と位置づけた。2040年度までの官民投資370兆円超、治験環境整備、AI利活用推進が盛り込まれた一方、米国製薬業界は薬価制度改革を求めている。 承認・開発 FDAがMerckの経口PCSK9薬を優先審査で承認 -低価格戦略と物議を醸すCNPV制度- メルクの経口PCSK9薬リプフェンドラがFDAに承認された。優先審査バウチャー制度により通常より大幅に速い審査で認可されたが、同制度は政治的介入の懸念から批判を集めている。 行政・制度 ドイツがMFN圧力下でもブランド品値引き (mandatory rebates)引上げの法案を可決 ドイツ連邦議会が7月10日、ブランド医薬品の強制値引き率を7%から15.5%に引き上げる医療改革法案を可決した。MFN圧力下でも保険財政健全化を優先する判断となり、他国の薬価戦略に波及する可能性がある。 米国薬価政策・MFN 創薬力向上のための官民協議会について -MFN影響による医薬品産業の3シナリオ - 創薬力向上のための官民協議会では、MFNの影響下での日本医薬品市場の3つのシナリオが提示された。薬価制度改革と創薬エコシステムの構築により、市場規模は6兆円の縮小から12兆円の拡大まで、大きく異なる展開が想定されている。 米国薬価政策・MFN Lillyの経口GLP-1薬”Foundayo”、MFNの影響を受けてEUでオンライン診療による患者自己負担モデルの提供へ Lillyの経口GLP-1薬Foundayoが、米国のMFN薬価政策の影響を受けてEUではオンライン診療による自費販売を検討している。公的保険償還は参照国の薬価次第となり、各国の薬価戦略に左右される状況が続いている。 米国薬価政策・MFN 米国がドイツの薬剤費抑制策に対して貿易上の問題として調査 ― 通商法301条とMFN 米国がドイツの薬価抑制策を通商法301条に基づいて調査開始。米国が高い薬価で研究開発費の大きな負担を強いられているという「フリーライド論」が背景で、MFN導入との連動が明らか。日本も参照国として名指しされており、対岸の事態ではない。 決算・業績 アステラス製薬2025年度決算で過去最高の売上高・営業利益達成(XTANDIのパテントクリフ特許切れが2027に迫る) アステラス製薬の2025年度決算は売上収益2兆1,392億円、コア営業利益5,557億円と過去最高を達成した。しかし2027年8月のXTANDI特許満了を控え、現状の成長基盤ではそのインパクト吸収が十分でないとの見方が市場にある。