Eli Lillyの経口肥満症薬 Foundayo(一般名 orforglipron)が今年4月にUSのFDAに承認されている。USではLilly Directというプラットフォームを構築しており、外部のオンライン診療を経て自費月149ドル〜で患者に直送することが可能になっている。今回、Fiercepharmaの記事によると、Lilly社はEUでも同じく患者の自費でのオンライン診療供給を販検討している。

https://www.fiercepharma.com/pharma/lilly-exec-says-company-will-focus-telehealth-sales-obesity-pill-europe-report

公的な保険償還を経て売るかどうかは最恵国(MFN)薬価次第と述べており、USの薬価政策の影響を如実に受けている。

Foundayo(orforglipron)は、初の経口GLP-1薬でLillyDirectでは即日処方・宅配が可能になっており、患者負担は自費で月149ドル(最低用量)、商業保険の割引カード適用なら月25ドル、Medicare Part Dは月50ドルなどの設定になっている。

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一方、米国の最恵国(MFN)価格政策は、参照国がカナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、UK、日本となっている。基本的にどの国も米国より薬価が低いため、MFN下では参照国で安く出すと、その価格が米国に影響するという構図になり、上市の足枷となる。実際、GlobalDataによれば、MFN導入後の欧州での新薬上市は35%減ったとされる。

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そのため製薬各社は懸念を示しており、Novartis CEOは欧州の薬価制度の抜本的見直しを求め、AstraZeneca CEOは参照国の薬価が低すぎれば、その国での上市を見送ることもありうると述べている。今回LillyのJonsson氏も「公的保険でのカバーは可能な限り目指す」としつつも、「MFNはすべての上市に影響する」と認めている。
“As for the drugmaker’s plan to sell Foundayo in Europe and the U.K. through government reimbursement channels, much will depend on how it will impact the most favored nations (MFN) pricing policy Lilly signed last year with President Donald Trump.”
とはいえ、日本では一般向け広告も禁止され、製造販売業者が患者に医薬品を直接販売することはできないためLilly Directと同じモデルは基本的にできない。

よって、現在一部問題になっているオンライン診療による自由診療のGLP-1薬処方がますます加速することが予想される。
日本もUSより相当低い薬価になることが予想されるため、今回の経口GLP-1も承認は得ても保険収載を取りに行かない可能性はある。とはいえ行政や学会などは昨今の不適切使用の実態から、それを良しとしないため、今後日本でどのような判断になるのか注目される。