2026年10月14日、欧州製薬団体連合会(EFPIA)はEFPIA Day 2026のプレスイベントを開き、資料はEFPIA Japanのサイトで公開されている。

https://www.efpia.jp/link/EFPIA_Day2026_EFPIA_President_Stefan_Oerlich_Presentation_Jpn_Final.pdf
https://www.efpia.jp/link/FINAL_EFPIA_Day2026_Vice_chair_Kanako_Kikuchi_JPN.pdf

エルリヒ会長の資料は“政策から実行へ:EU・日本パートナーシップを通じた イノベーションと患者アクセスの推進”と題して、MFNによって各国の薬価決定の影響が国境を越えて世界の薬価や投資に波及するようになったことから始まっている。そのうえで、中国が創薬産業を国家戦略の重点分野に位置づけていること、日本が投資とイノベーションで米中に後れを取っていること、日欧の競争力を支える取り組みとして「Attract(誘致)」「Accelerate(加速)」「Access(アクセス)」の3つ(3A)を挙げて日本政府によるイノベーション評価のための薬価制度改革を求めている。

資料によれば、2012〜2021年に世界で発売された新薬のうち、日本で発売されたのは51%、米国では85%であ離、世界で最初に発売されてから自国で発売されるまでの平均の遅れは、日本15カ月、米国4カ月と差が開いている。また、2024年に承認された新有効成分の発祥は、中国35%、米国31%、欧州22%、日本6%となっている。かつ、医薬品の研究開発投資の年平均成長率は、日本0.3%、米国6.4%、中国12.1%である。

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一方で、菊池副会長の資料は、日本国内の課題を扱っている。その中で具体的な制度要望として、外国平均価格調整の算定方法の見直し、費用対効果評価に基づく価格調整の凍結、市場拡大再算定の凍結を挙げ、全ての特許品を対象とした制度改革を求めている。

資料では厚生労働省が2025年3月31日に公表したドラッグロスに関する研究班のレポートを引用し、海外で承認された新薬のうち140品目以上が国内で未承認であると説明している。このレポートでは、2016〜2020年に欧米で承認された新薬のうち2023年3月時点で日本で承認されていないものが143品目あり、うち86品目は国内での開発に着手されていない。

https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001462594.pdf

さらに、医薬品への投資の効果として“投資1ユーロがEUで5.67ユーロの経済価値を創出”したと述べている。元になったのは、EFPIAが2026年6月に公表した、WifOR研究所とコロンビア大学の分析で、ここでの投資は製薬企業ではなく、各国が新薬に支払った追加的な医薬品支出を指している。2014〜2024年の支出116.7億ユーロに対し、リターンは660億ユーロとされる。

https://www.efpia.eu/news-events/the-efpia-view/statements-press-releases/every-1-invested-in-new-medicines-returns-567-to-europe/

日本については、2026年7月10日の創薬力向上のための官民協議会で日本製薬工業協会が出した資料の数字を引用し、約30兆円の日本の医薬品関連産業が既に支える売上規模と、2040年までの+12.8兆円/100万人超の付加価値と雇用を掲げている。推計の前提は、薬価引下げを凍結し、革新的新薬の価格を平均2.0倍にする成長投資ケースであり、リスクケースの場合は2027年以降に革新的新薬の上市機会が現状比で最大60%下振れするとしている。

https://www8.cao.go.jp/iryou/kanmin_kyogikai20260710/shiryo3_6.pdf

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また、EFPIA Japanの加盟社への投資調査についても記載されており、17社に調査し、期待する制度変更が実現した場合は14社中11社(79%)が治験、製造、技術導入などへの投資を拡大する意向の一方で、実現しなかった場合は15社中9社(60%)が投資を縮小する意向を示していることが記載されている。

https://answers.and-pro.jp/pharmanews/33274/

EFPIA Japanの要望を整理すると、

  • 新薬収載時の価格については、外国平均価格調整の算定方法の見直しを要望。GDPで調整した先進国の価格と比べて初期薬価を設定することを求めている。
  • 薬価収載後は市場拡大再算定と費用対効果評価の結果による価格調整の凍結を求めている。
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