米国は日本と異なり、患者向けに医療用医薬品の広告をテレビCMで行うことことができる。
Fierce Pharmaの記事によれば医療用医薬品の2026年5月の広告費ランキングではAbbVieのスキリージ(risankizumab)が3,890万ドルで首位、J&Jのトレムフィア(guselkumab)が3,880万ドルで僅差の2位に並んだ。月に1剤で40億円近くを投じていることになる。
3位リンヴォック(AbbVie、2,960万ドル)のため、上位3つすべてが免疫疾患薬で占められた。しかも1位と3位はいずれもAbbVieの医薬品となっている。4位以下はゼップバウンド(リリー、肥満、2,270万ドル)、カプリタ(J&J、抗精神病、1,900万ドル)、デュピクセント(サノフィ/リジェネロン、免疫、1,630万ドル)と続く。5月は上位10剤の大半は広告費を減らしており、全体としては減速局面となっている。

Harvard Health Publishingの記事によると米国の処方薬DTC広告費は年約140億ドル規模に達すると推計している。FDAは虚偽・誤認を与える広告を禁じ、副作用を「明確・目立つ・中立的に」示すように求めているが、製品名と適応疾患を堂々と一般向け広告で謳える国は珍しい。
https://www.health.harvard.edu/blog/harvard-health-ad-watch-how-direct-to-consumer-ads-hook-us-201909201968
スキリージの2025年通年売上は約175億ドル、対するトレムフィアは約52億ドル(前年比40%増)。AbbVieは免疫3剤(スキリージ・リンヴォック・ヒュミラ)で年304億ドルを稼ぎ、スカイリザイとリンヴォックの合算はかつての世界No.1売上の薬剤であるヒュミラの最高記録を超えたと説明している。
https://www.fiercepharma.com/pharma/abbvie-hitting-record-sales-high-skyrizi-gains-holds-its-own-growing-ibd-arena-despite-jj
https://www.fiercepharma.com/pharma/abbvie-boosts-revenue-forecast-again-thanks-booming-sales-skyrizi-rinvoq
広告費の中身は、スキリージ・トレムフィアとも、最大の内容は潰瘍性大腸炎/クローン病(IBD=炎症性腸疾患)となっている。IL-23というクラスの生物学的製剤のシェア争いとして多額の広告費が投下されている。
