2026年3月期の 医薬品四大卸(メディパルホールディングス、アルフレッサ ホールディングス、スズケン、東邦ホールディングス)の決算が出そろった。
もはや通例となった毎年の薬価改定に、物価高・人件費・物流費の上昇が重なり、4社とも増収・営業減益となっている。

比較表を添付しているが、連結売上高は4社とも3年連続で増加しており、メディパル3兆8,173億円(前期比+4.0%)、アルフレッサ3兆1,040億円(+4.8%)、スズケン2兆4,866億円(+3.6%)、東邦1兆5,534億円(+2.3%)となっている。半面、連結営業利益はメディパル531億円(▲4.4%)、アルフレッサ361億円(▲5.0%)、スズケン363億円(▲2.0%)、東邦166億円(▲12.3%)と、いずれも減益である。2024年10月に導入された長期収載品の選定療養が薬価改定と相まって本業の採算を押し下げたとされる。連結営業利益率は1.1〜1.5%、卸セグ営業利益率は0.99-1.31%と厳しい営業利益率となっている。

一方で、営業減益にもかかわらず、アルフレッサは純利益417億円(+52.4%)、スズケン381億円(+10.6%)、メディパル425億円(+5.6%)と、純益では増益になっている。これは政策保有株式(企業が取引関係の維持や経営安定化を目的として保有している他社株式)の縮減に伴う投資有価証券売却益である。FY2026はアルフレッサ253億円、メディパル213億円、スズケン155億円、東邦94億円を特別利益に計上している。つまり資本効率を改善するための一過性の要素である。
戦略に関して4社が共通しているのは希少疾病薬・再生医療等製品を含むスペシャリティ医薬品流通となっている。例えばスズケンは独立セグメントとしてスペシャリティ医薬品流通受託事業の売上高を公表しており、FY2025の2,954億円からFY2026は4,361億円へ大きく増加し、セグメント利益も5.7億円から11.6億円へ拡大している。トレーサビリティシステム「キュービックス」は全国621軒・740台が稼働し、がん拠点病院の過半、国立大学病院の約8割に導入が進んでいる父のこと。メディパルはJCRファーマと超希少疾患のグローバル展開を、アルフレッサと東邦は再生医療のエコシステム構築を発表している。
FY2027の連結予想は厳しく、純利益はアルフレッサ208億円(▲50.2%)、スズケン250億円(▲34.4%)、東邦129億円(▲25.6%)、メディパル390億円(▲8.3%)となっている。薬価改定の継続、選定療養の通期化に加え、アルフレッサは予想の前提として米国の最恵国待遇(MFN)薬価政策のリスクを明記している。
4社に共通するのは、本業の薄利が継続する中で政策株売却で資本効率を高めて時間を稼ぎ、スペシャリティ・AI・物流自動化に投資して次の収益柱を作るという流れ。今後MFNといった外部リスクも予想される中で次世代ビジネスがどう立ち上がるかが期待される。