2026年7月3日、田辺ファーマは、医薬品製造子会社の田辺ファーマファクトリーを東和薬品へ売却すると発表した。これにより、同社は国内に自前の生
産拠点を持たないファブレス体制へ移行する。
今回の売却は、ベインキャピタル傘下となったことで進む事業再編・バリューアップの一環とされている。三菱ケミカルグループは化学への経営資源集中を理由に田辺三菱製薬を約5,100億円でベインに売却すると2025年2月に発表しており、同年7月に正式に傘下に入って名前を田辺ファーマへ改めている。
買収後に掲げられた戦略では、日本市場に注力し、自社研究と海外からの導入品を組み合わせて毎年最大3つの新薬を投入するとしている。今回、国内の製造子会社を手放し、資源を研究開発と導入品の獲得に集中する構図がよりはっきり敷いている。台湾・韓国・インドネシアの海外3工場はまだ残っている。
2025年12月には筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬エダラボンの事業の塩野義製薬への譲渡も発表されている。

今回の国内製造は東和薬品へと売却されており、同社は田辺ファーマファクトリーの2工場(小野田工場〔山口〕・吉富工場〔福岡〕)を国内生産の中核拠点の一つと位置づけ、承継する17製品(胃腸薬や精神安定剤など)と自社品を統合して生産効率を高めるとしている。
後発医薬品は業界全体的に供給危機リスクがあり、2025年10月時点で全医療用医薬品の14%(2,208品目)が限定出荷・供給停止の状態にあるとされている。
東和は日本政策投資銀行(DBJ)から優先株で最大200億円を調達するなど、増産への投資を加速している。
記事によれば、田辺の2工場を含め、グループの生産能力を2030年度に240億錠、2036年度には300億錠超へ引き上げる計画となっている。加えて、長期収載品が後発品へ移るなかで、先発企業の製造技術・ノウハウが継承されず失われるリスクが指摘されており、東和が工場と人員ごと引き継ぐことにはその喪失を防ぐ意味もあるとされる。
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