2026年7月22日に日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会の理事会が2040年に向けた国内医薬品産業の将来ビジョンを承認した。対象は特許期間満了医薬品(長期収載品とジェネリック医薬品)、バイオシミラー、OTC医薬品、原薬の4分野となっている。少子高齢化で労働者層が減っていく2040年を見据えて、これらの4分野を相互に関連する一つの産業基盤として強化していく構想となる。
https://www.ge-academy.org/img/vision202607.pdf
https://nk.jiho.jp/article/303953
https://nk.jiho.jp/article/302811

将来ビジョンが掲げる基本方向性は新たな価値の創造となっており、特許期間満了医薬品、バイオシミラー、OTC医薬品、原薬という4分野を個別の課題としてではなく、相互に関連する産業基盤として一体的に強化していくとしている。

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目標は4分野ごとにそれぞれ設定されている。
まず、特許期間満了医薬品は、長期収載品マーケットはジェネリック医薬品にほぼ置き換わる中で、2040年に海外売上高1兆円を目標としている。つまり、ほぼ飽和している国内ジェネリック市場から、海外での売上高を大きく伸して新たな成長を作ることを定めている。大規模生産や有事に備えた製造拠点づくりなどサプライチェーンの再構築、企業間連携による生産性の向上、MESやLIMS導入による製造・品質管理のDX化、予防医療へのデータ活用などへの取り組みが必須とされる。

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次にバイオシミラーは2025年時点で約1,100億円の市場規模を、2040年に1兆円規模へと拡大する目標となっている。現状から約9倍というかなり大きな伸び率だが、現時点でまだ23成分しか承認になっていないことを考えると2040年までに大型のバイオ製剤が特許切れすることで十分達成可能な範囲に入るのかもしれない。培養技術や遺伝子組換え技術を担うバイオ人材の育成、国内での研究開発力と製造技術力の強化、そして製剤および原薬の国内製造を推進し、国内市場の足固めから段階的に進めていくことが必要となる。

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OTC医薬品は、現状G7で最下位にある市場シェア(金額シェア6.9%)を、2040年までにG7トップへ引き上げるとしている。生活習慣病薬などを含む医療用医薬品からのスイッチOTC化の促進、個人や販売店と紐づいたOTC医薬品データベースの構築整備、そしてセルフメディケーション税制の対象をすべてのOTC医薬品へ拡大することなどが必要としている。

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原薬については、経済安全保障の観点から、国産原薬比率を現状の約30%から50%へ、複数ソース化率を約40%から60%へ、それぞれ引き上げる目標となっている。国内製造の拡大や備蓄の推進、ASEAN等への調達先の多元化、韓国・欧州との連携強化のほか、日本薬局方(JP)の柔軟な運用提案や、グリーン・サステナブル・ケミストリーなどの専門人材育成が必要だと述べられている。

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将来ビジョンは、2025年から2040年までの15年間を、3つの段階に分けて描いている。2025年から2030年は国内基盤を整備する期間で、特許期間満了医薬品では産業構造の見直しと再編の機運醸成、バイオシミラーでは国内市場の足固め、OTC医薬品ではセルフメディケーションの普及、原薬では国内生産体制の底上げと調達先の多元化を進めるとしている。
2030年から2035年は連携と進化の期間と位置づけられ、企業間連携、産官学連携、異業種との協業を進め、製造技術・品質管理・データ活用・人材育成を一体的に強化するとする。医薬品産業を個別企業の競争としてではなく、社会インフラとしての持続可能性という観点で捉える段階だ。そして2035年から2040年は海外展開の期間とされ、国内で蓄積した技術と経験を、海外製造拠点の拡大や技術移転、人材交流を通じて世界に広げていくとしている。

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