2026年6月5日、武田薬品が米国で起きたAMITIZAに係る反トラスト訴訟の陪審評決を受け、2025年度の決算に4,025億円の訴訟引当金を追加計上することをプレスリリースで発表した。

https://www.fiercepharma.com/pharma/takeda-slapped-885m-verdict-pay-delay-antitrust-case

AMITIZAは慢性便秘症の薬で、武田はすでに2024年にライセンスを返上し、販売もしていない。しかも問題の発端は2014年の特許和解であり、10年以上前の和解がここに来て4,000億円の金額としてのしかかっている。
元々はジェネリックメーカーのPar社が特許に関して訴訟を起こしたが、当事者間で和解が成立している。しかし、原告(卸・小売・保険者など購入者側)は、この和解が違法な「Pay for Delay(支払による参入の遅延)」だったと訴訟している。

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通常の和解なら、特許に負けた側(ジェネリック)が勝った側(先発品メーカー)にお金を払うが、このケースでは先発品メーカーがジェネリックメーカーに対して対価を渡すことでジェネリックの参入を遅らせている。
原告が主張するのは、その対価が現金だけではなく、武田がオーソライズド・ジェネリック(先発品メーカーによるジェネリック品)を出さないよう約束したとしている。結果として市場に出たジェネリックは実質1社に絞られ、価格競争が起きず、薬価が高止まりした。そのため、卸・小売・保険者といった購入者は本来より高い額を払い続けたとされる。

訴訟は2021年から続き、ボストンの連邦地方裁判所で2026年5月に陪審評決が出た。陪審が認定した単独の損害賠償額は約8.85億ドル。内訳は卸・直接購入者が約4.75億ドル、小売が約3.45億ドル、最終支払者(保険者等)が約0.65億ドルとされる。
しかし、米国の反トラスト法では確定判決の段階で損害賠償額が自動的に3倍(treble damages)になるため、単独で約8.85億ドルの評決は、確定すれば最大で約26億ドル(2,600億円超)に膨らみうるとされる。そのため4,025億円もの引当金を積んだのは、この潜在的な負担を見込んだものとされる。

ただし、これはまだ確定額ではなく、武田は「原告の主張には根拠がない」「審理に証拠上・法律上の誤りがあった」として、評決後の申立てと控訴を行う方針となっている。