2026年8月3日、日本イーライリリーはマンジャロが持続可能性特例価格調整の適用により8月1日付で薬価が25%引き下げられたことに対する声明を発表した。
https://mediaroom.lilly.com/jp/previewPDF/2026/26-36_com.jp.pdf

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持続可能性特例価格調整は2026年度薬価制度改革で新しくなった名前で、市場拡大再算定の特例と呼ばれてきた。この特例は2016年の薬価制度改革において、がん免疫療法オプジーボの想定を大きく超える市場拡大が起きたことに由来する。医療財政の圧迫が懸念され、通常の市場拡大再算定よりも厳しい特例ルールが新設された。オプジーボはこの特例の最初の適用品目となり、50%という大幅な薬価引き下げを受けている。(ちなみにオプジーボはその後、効能の拡大もあり度重なる再算定を受け、発売当初729,849円だったが、2026年現在は131,811円で18%くらいにまで落ちている。)
持続可能性特例価格調整は“年間販売額が極めて大きい品目”と“効能追加がなされた品目・収載2年度目の予測販売額が100億円(原価計算)または150億円(類似薬効)以上”のパターンに分かれる。前者は薬価改定のタイミングで再算定、後者は四半期の再算定となる。
そして、その販売額の水準と予測から乖離によって引き下げ率が異なる。(詳細は下記のAnswers Newsの表に詳しく載っている)
https://answers.and-pro.jp/pharmanews/31659/

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今回のマンジャロのケースはNDBデータ(12月診療分)に基づく検討で年間販売額が1,000億円超1,500億円以下かつ、基準年間販売額の1.5倍以上に該当したため、“年間販売額が極めて大きい品目”として再算定され、上限の25%の引き下げとなっている。
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001603462.pdf

リリーの声明では、日本におけるマンジャロの薬価がすでにG7諸国の中で最も低い水準にあると主張している。

国際公定価格の比較は公開データが乏しく難しいが、International Business Timesの記事複数国の比較が論じられている。それによると、米国の公式リスト価格は月額1,023ドルだが、米国では2025年末以降、LillyDirectというオンライン診療・患者宅郵送の仕組みがあり、そこでは現金払いの患者向けに単回投与バイアルを299ドルで提供している。カナダの月額価格も300ドル、インドは(G7ではないが)165〜205ドル程度となっている。
https://www.ibtimes.co.uk/zepbound-30-price-cut-299-still-far-above-cheaper-overseas-options-1759549

ちなみに日本は319 USD (1USD = 160円として51,040円)として記事に書かれておりカナダより高い金額になるが、日本の公定薬価は2.5mgで1,924円、5mgで3,848円、15mgで11,544円のため週1回投与してもこれより319USDにはいかないので、どういうファクトなのかは不明。5mgで月に4回投与する場合15,392円で約96 USDなので、上述の国よりもはるかに安くなる。
そのため、リリーはこれが海外からの医療ツーリズムの拡大、さらには利益目的の買い占めや海外への転売といった追加リスクの発生を助長すると指摘している。

ちなみにこれは個人的な私見だが、今後この薬価改定によりさらに自由診療でのマンジャロ処方は進むと思われる。公定薬価の改定により医療機関にとっての仕入れ価格は下がるが、販売価格は自由診療なので利幅は大きくなる。(もちろん医療機関同士の価格競争は生まれるが。)

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さらに製薬メーカーにとっても自由診療での売上高は拡大再算定の対象にならないため、不適切処方を抑制すべきではあるものの、自由診療で売上が伸びた方が企業として見入りは大きい。

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