2026年9月17日、サンバイオは再生医療等製品アクーゴが10月に1例目の投与が行われる予定だと発表した。2024年7月31日に条件及び期限付き製造販売承認を取得していたが、出荷を制限する条件が付されており、それが解除されたのは2025年12月で薬価収載は2026年5月20日となった。そのため、承認から最初の患者への投与まで約2年3か月を要したことになる。
アクーゴ脳内移植用注(一般名バンデフィテムセル)は他家ヒト骨髄由来加工間葉系幹細胞で、健康なドナーの骨髄液から採取した間葉系幹細胞を培養した後に神経再生能力を高めるためのヒトNotch-1細胞内ドメイン遺伝子を導入して作られる。
効能・効果は外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善となっている。外傷性脳損傷は、交通事故や転倒などで頭部に外部から強い力が加わることで脳機能に障害をもたらす疾患で、長期にわたり身体機能や認知機能、社会生活に影響を及ぼす慢性的な機能障害を伴う。
国内では先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、2024年7月31日に条件及び期限付き製造販売承認を取得した。海外では、米国FDAからRMAT(再生医療先端治療)指定を、欧州EMAから先端医療医薬品(ATMP)指定を受けている。
承認条件には4つあったが、この中で下記の条件が出荷に制限をかけていた。
「本品の製造実績が限られていることを踏まえ、あらかじめ定めた計画に基づき、本品の品質に関する情報を速やかに収集するとともに、治験製品と本品との品質の同等性/同質性を評価し、結果を報告すること。また、当該結果を踏まえ、必要な承認事項一部変更承認申請を行うこと。承認事項一部変更承認申請が承認されるまでの間、本品の出荷を行わないこと」。
つまり、治験に用いた製品と市販するために製造した製品とで品質が同じであることを証明する必要があり、この条件が承認後発売が難しい理由となっていた。
https://finance.stockweather.co.jp/contents/dispPDF.aspx?disclosure=20251016575021
https://www.sanbio.com/wp/wp-content/uploads/2025/12/PR%EF%BC%BFJP251211.pdf
各公式発表を追っていくと、2025年5月29日には、第3回目の市販品製造の規格試験および特性解析が終了したことが発表され、6月12日に製造販売承認事項の一部変更承認を申請 (一方で6月25日に出荷開始時期を2025年8月〜2026年1月へ後ろ倒しすると発表)、その後 10月16日に厚生労働省の薬事審議会再生医療等製品・生物由来技術部会が、提出された申請資料は承認条件①を満たしたものとして、出荷の制限を解除可能と発表している。
その後12月9日に厚生労働省から正式に一部変更承認が下りて出荷制限が解除され、2026年3月25日の決算説明会で、薬価収載は26年5月、初出荷は下半期であることが説明されていた。
その後前述の通り薬価収載され、10月に1例目の投与が行われる予定となっている。現在、治験を行った5大学など8施設を中心に導入準備を進めており、2027年1月期中に6例の投与を見込むとされている。
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=79961
なお、薬価は1回分7,271万6,528円が原価計算方式で算定されている。市場性加算Ⅰ(A=10%)と先駆加算(A=10%)の対象にもなっている。

なお、アクーゴの投与では薬価とは別に技術料も算定できる予定。中医協資料によると、投与前手技については「投与前に製剤を融解及び遠心分離等により調製する手技の類似性に鑑み、『K924 自己生体組織接着剤作成術 4,340点』の所定点数を準用して算定することとしてはどうか」と述べられている。投与手技については「本品を定位脳手術により1箇所の損傷部位に投与することから、『K154 機能的定位脳手術 2 その他の場合 イ 片側の場合 52,300点』を算定することとしてはどうか」と記載されており、それぞれ技術料として算定されることとなる。

現在条件付き承認であり、承認期限は2024年7月から7年となるため、サンバイオはこの間に製造販売後臨床試験や使用成績調査を行い本承認の取得を目指すこととなる。
https://www.sanbio.com/wp/wp-content/uploads/2025/12/PR%EF%BC%BFJP251211.pdf