2026年9月17日、FDAがUltragenyxの遺伝子治療Fayuvi(一般名rebisufligene etisparvovec-hopf)を承認した。ムコ多糖症IIIA型 (サンフィリッポ症候群A)という希少疾患に対する初めての治療薬となる。14か月前には製造管理の問題で一度FDAから承認を拒否されていたが、再申請の結果承認された。
Fayuviはアデノ随伴ウイルス9型(AAV9)ベクターを用いてSGSH遺伝子の正常なコピーを患者の細胞に届ける1回静注の遺伝子治療で、適応は小児のムコ多糖症IIIA型。Ultragenyxのリリースによれば、先進国で3,000〜5,000人が罹患しているとのこと。Fayuviはオーファンドラッグ、ファストトラック、ブレークスルーセラピーの各指定も受けていた。
希望小売価格は395万ドル(約6億2千万円)と述べられており、これは各種値引き前のリスト価格となる。同社は患者支援プログラムUltraCareでアクセスを支援し、製品は30〜60日以内に認定治療センターへ出荷可能になるとしている。
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-gene-therapy-pediatric-patients-sanfilippo-syndrome-type
https://ir.ultragenyx.com/news-releases/news-release-details/ultragenyx-announces-approval-fayuvitm-gene-therapy-first-ever
ムコ多糖症III型は神経変性疾患で、IIIA型はその中で最も多い病型であるが、これまでの既存治療は症状管理に限られていた。承認根拠のTranspher A試験ではプラセボ対照の無作為化試験ではなく、単群・非盲検・多施設の試験で、髄液中のヘパラン硫酸をバイオマーカーとして測定し、神経発達アウトカムを自然歴データと比較する形となっている。
2歳未満または早期段階で投与された17例では、Bayley-III認知スコアで自然歴データに対して23.2点の治療効果が認められた(p<0.0001)。このうち8例が36か月相当の認知発達年齢に到達しており、自然歴コホートでは、この到達点に達した患者はいなかった。
高年齢または進行期で投与された10例では、最終評価時点で3つの領域のうち少なくとも1つで機能の維持が観察された。

2025年2月にはFDAはBLAを優先審査として受理しておりPDUFA期限は同年8月18日としていたが、7月11日に審査完了通知(CRL)を発出している。CRLの内容はCMCに関する追加情報の要求と製造施設の査察での指摘事項で、データパッケージや臨床査察について問題はなかったとされる。結果承認は2026年に遅れることとなり、同社は2026年1月30日に再申請している。
https://ir.ultragenyx.com/news-releases/news-release-details/ultragenyx-receives-complete-response-letter-fda-ux111-aav-gene
FayuviはUltragenyxにとって6つ目のFDA承認であり、8月に承認されたGenglycosに続き 2つ目の遺伝子治療となっている。
一方では9月上旬にAngelman症候群を対象とするアンチセンス核酸apazunersenが第3相試験で失敗し、株価は上場来安値をつけており、同社は大幅な費用削減を検討しているとも報道されている。
https://www.fiercebiotech.com/biotech/ultragenyx-fails-phase-3-angelman-test-plots-significant-expenses-reduction