欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)は、2026年10月12〜15日の会合で6品目の新薬について承認を推奨した。その中にはイーライ・リリーの経口GLP-1受容体作動薬Foundayo(一般名オルフォルグリプロン)と、Revolution Medicinesの膵臓がん治療薬Rasonque(一般名ダラクソンラシブ)が含まれており、どちらも2026年に米国で先に承認されている。
https://www.ema.europa.eu/en/news/meeting-highlights-committee-medicinal-products-human-use-chmp-12-15-october-2026
FoundayoとRasonqueのほか、希少疾病用医薬品のYuviwel(Ascendis Pharma、小児の軟骨無形成症)とKizfizo(Orphelia Pharma、テモゾロミド)とバイオシミラー2品目だった。Omerosのナルソプリマブは再審査されたが拒否の結論が維持されている。EMAによると、2026年の累計は新薬の承認推奨が72件、否定的意見が8件、適応拡大が97件。

CHMPはFoundayoを成人の体重管理と2型糖尿病の両方に推奨した。GLP-1の経口薬で、体重管理では4,740人超を対象とする2試験、2型糖尿病ではプラセボ、ダパグリフロジン、経口セマグルチドと比べた4試験(3,765人)が評価の根拠となった。なお、この薬剤は、中外製薬が創製しており、2018年9月にイーライ・リリーへ全世界での開発・販売権を導出している。
https://www.pharmexec.com/view/ema-panel-backs-lilly-foundayo-obesity-type-2-diabetes-europe
米国では、FDAが2026年4月に肥満症の適応で承認しており、FDAが試験的に運用している国家優先審査バウチャーの対象品目となり申請から承認まで50日だった。FDAは、2002年以降で最も早い新有効成分の承認としている。
https://www.healio.com/news/endocrinology/20260401/fda-approves-orforglipron-an-oral-glp1-for-adults-with-obesity
欧州では、ノボ ノルディスクの経口セマグルチド25mg(Wegovy経口錠)が、2026年5月のCHMP推奨を経て7月に体重管理の適応で承認されているため、米国同様にノボとリリーの経口GLP-1デッドヒートが行われることが予想される。
https://nordiclifescience.org/novo-nordisk-receives-european-commission-approval-of-wegovy-pill-as-first-oral-glp-1-for-weight-management/
一方のRasonqueは、がんの増殖にかかわるRASタンパク質の働きを止める1日1回の経口薬で、CHMPは少なくとも1回の前治療を受けた成人の転移性膵腺がんへの承認を推奨した。
主要試験RASolute 302は、前治療後に進行した500人を対象に化学療法と比べた非盲検の第3相国際試験で、全体集団の全生存期間の中央値は13.2カ月対6.7カ月(ハザード比0.40)、無増悪生存期間の中央値は7.2カ月対3.6カ月(ハザード比0.49)と膵がん領域では驚異的な結果を示し、ASCOでスタンディングオーベーションが起きたことで大きな話題になった。
https://www.ema.europa.eu/en/news/ema-recommends-authorisation-rasonque-metastatic-pancreatic-cancer
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/0001628171/000119312526208918/rvmd-ex99_1.htm

欧州では、Rasonqueは“がん医薬品パスファインダー”という枠組みの中で、データを段階的に提出する審査を受け、審査は2026年7月上旬に始まってから150日未満で終わっている。(通常の審査では、実質的な審査期間が最大210日である)。
https://www.ema.europa.eu/en/news/ema-recommends-authorisation-rasonque-metastatic-pancreatic-cancer

今回欧州でも承認された薬剤は今後日本でも上市されることが期待されており、Revolution Medicinesは日本法人も設立されている。