かつて売上高世界1位の薬剤はヒュミラやキイトルーダのイメージが強かったが、今のグローバルでの頂点はチルゼパチド(マンジャロ/ゼップバウンド)になっている。ただし、マンジャロ単体では2位、ゼップバウンドも含めると分子単位で1位となる。
日本ではマンジャロが最新のランキングで4位だが、今年おそらく1位になることが予想される。
チルゼパチドの2025年のグローバル売上高は合計で約365億ドル。日本円にすれば5兆円を優に超え、リリー全社売上の56%を占めている。長く世界最大売上高の薬剤であったメルクのキイトルーダは約317億ドル、GLP-1の競合であるノボのセマグルチド(オゼンピック・ウゴービ)は約330億ドルとなる。

過去のブロックバスターと比較すると、1位になるまでの速さが圧倒的となっている。チルゼパチドは糖尿病(マンジャロ)で2022年、肥満(ゼップバウンド)で2024年に承認された段階。キイトルーダが1位になるまで最初の承認から約9年を要したのに比べ、わずか数年で成し遂げている。
この歴代のメガブロックバスターに対する成長スピードの違いをもって、米バイオスペースは“Lilly Redefines the Pharma Mega-Blockbuster”と評している。

日本市場ではマンジャロの売上は1,310億円で製品別ランキングでは4位となっている。加えて25%の薬価改定も8月から適用されるが、前年度比は+222.5%という異常な成長率であることから、やはり今年度は売上高1位になることは確実かと思われる。
さらにリリーは新薬であるretatrutideの第三相試験を発表しており、これによれば30%程度の体重減少が見込まれ、既存のGLP-1よりもさらに効果が高いことが期待されている。
肥満症は各生活習慣病や他慢性疾患の予防にも期待されており、今後ますます市場が大きくなることが予想される。