2026年8月17日、オランダに本社を置く製薬企業Argenxが、自己免疫性筋炎を対象とした第2/3相ALKIVIA試験で主要評価項目を達成したと発表した。製品はVyvgart Hytruloで、日本ではヒフデュラの販売名でgMG(全身型重症筋無力症)とCIDP (慢性炎症性脱髄性多発根神経炎)で承認を取得している。ヒフデュラはエフガルチギモドとボルヒアルロニダーゼの配合製剤だが、エフガルチギモドの点滴静注製剤としてウィフガートという製品名でも販売されている。こちらの適応はgMGとITP (持続性及び慢性免疫性血小板減少症)。

https://www.fiercepharma.com/pharma/argenx-heads-fda-vyvgart-after-ph-3-win-potential-blockbuster-autoimmune-indication

今回の試験に組み入れられたのは免疫介在性壊死性ミオパチー(IMNM)または皮膚筋炎(DM)を有する患者264例。主要評価項目は52週時点のTIS(Total Improvement Score)で、筋力、日常的な身体機能、筋肉以外の疾患活動性など6つの尺度から構成される複合指標が設定されている。

統合コホートでは、プラセボと比べて平均15.4ポイントの改善が得られ、統計的に有意な差が示された。強調されているのはその効果の立ち上がりの早さで、投与開始から約1カ月でプラセボとの差が現れ、ステロイドを減量しながらでも、統計的に有意な差が1年間にわたって持続したとされる。
サブタイプ別に見ると、IMNM群では14.8ポイントの改善で主要評価項目を達成した一方、DM群では14.5ポイントと、臨床的には意味のある水準ながら統計的有意には達していない。

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筆者作成

米国では自己免疫性筋炎の患者が約10万人と推定され、うちIMNMが約2万人、DMが約4万人とされる。現在の標準治療はコルチコステロイドと広域免疫抑制剤に依存いるため、新規治療へのアンメットニーズは大きい。
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Vyvgartは近年流行りの言葉である”Pipeline in a product”の典型で、2021年に点滴静注製剤がgMGで承認されて以降、2023年には皮下注製剤Vyvgart Hytruloが発売、その後CIDP、ITPへと適応が広がる。2026年5月にはgMGの全血清型へと適応が拡大されている。
また、2026年2月には眼筋型重症筋無力症の後期試験でも成功し、FDAへの承認申請に進んでいる。そして今回の自己免疫性筋炎が続く。
ちなみに2025年後半には甲状腺眼症を対象とした第3相試験も行われていたが失敗し、一連の試験を打ち切っている。

https://www.fiercepharma.com/pharma/omg-argenx-scores-again-vyvgart-ocular-myasthenia-gravis

https://www.fiercepharma.com/pharma/argenx-permanently-grounds-studies-high-flying-vyvgart-thyroid-eye-disease

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筆者作成

企業としての財務指標も好調で、Argenxの2026年第2四半期の製品売上は15億ドルであり前年同期比60%増、前四半期比では17%増となっており、18四半期連続の成長となる。営業利益は4億9,400万ドルで146%増、期間利益は4億7,200万ドル。

2025年通期では42億ドル(前年比90%増)を記録し、2026年第1四半期は13億ドル(63%増)。同社が掲げるVision 2030戦略は、2030年までに5万人の患者への治療提供、10の承認適応、後期パイプライン5品目という目標を置いている。