ベルギーの製薬企業UCBの免疫疾患治療薬ビンゼレックス(Bimzelx)が8月のUSテレビ広告費でAbbVieのスキリージを抜き、同社製品として初めて首位に立った。
https://www.fiercepharma.com/marketing/ucbs-bimzelx-comes-out-blue-claim-augusts-top-pharma-ad-spending-spot

ビンゼレックスは同社の中核製品で、2026年上半期の売上は15億2,800万ユーロ(約2,720億円)で前年同期の7億9,900万ユーロ(約1,422億円)から倍増しており、ピーク売上予想を70億ユーロ(約1兆2,460億円)超へ引き上げている。

ビンゼレックスの2026年上半期売上とピーク売上目標(UCB決算資料をもとに筆者作成)
ビンゼレックスの2026年上半期売上とピーク売上目標(UCB決算資料をもとに筆者作成)

日本では2022年1月に承認、同年4月に発売され、適応は尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、化膿性汗腺炎の7疾患となっている。

https://www.investing.com/news/transcripts/earnings-call-transcript-ucb-lifts-2026-outlook-as-bimzelx-sales-double-in-h1-2026-93CH-4827162

https://www.investing.com/news/company-news/ucb-fy-2025-slides-revenue-surges-32-bimzelx-drives-growth-93CH-4532216

今回のTV広告費はFiercePharmaが報じており、首位のビンゼレックスは推定支出が3,120万ドル (約48億円)で前月比で17ランク上昇しUCBの製品として初めて首位に立っている。

上位4製品は全て免疫関連で2位はAbbVieのスキリージで3,030万ドル (7月は首位)、 3位はJohnson & Johnsonのトレムフィアで2,560万ドル、4位はAbbVieのリンヴォックで2,530万ドルとなっている。

ビンゼレックスの7月の支出は550万ドルだったので、8月は約5.7倍に増えていることとなる。効能別の内訳は、化膿性汗腺炎向けが1,180万ドル、乾癬向けが1,080万ドル、乾癬性関節炎向けが870万ドルとなっている。最も費用をかけた広告は「I'm Back: Showing Out」とされ、推定690万ドルだった。
https://www.ispot.tv/ad/BpMZ/bimzelx-im-back-showing-out

ビンゼレックスの月次広告費と8月の適応別内訳(iSpot.tvデータに基づくFiercePharma報道をもとに筆者作成)
ビンゼレックスの月次広告費と8月の適応別内訳(iSpot.tvデータに基づくFiercePharma報道をもとに筆者作成)

この広告攻勢の背景には、3月に公表された臨床試験の結果があるとされ、第3b相BE BOLD試験のトップライン結果では活動性乾癬性関節炎の成人を対象にビンゼレックスとスキリージを直接比較し、ビンゼレックスは16週時点のACR50で統計的に有意な優越性を示している。
https://www.ucb.com/newsroom/press-releases/article/bimzelxrvbimekizumab-superior-to-skyrizir-risankizumab-in-be-bold-first-head-to-head-study-in-active-psoriatic-arthritis-psa-to-demonstrate-superiority-in-acr50

一方で、てんかん領域でのコマーシャルも注目されており、UCBは9月8日にアテネで開かれた第16回欧州てんかん学会に合わせて、「Expressing Epilepsy」と題した疾患啓発キャンペーンを行なった。てんかんとともに生きる3名のアーティストが、自身の体験を作品として表現し、学会会場で展示するもので、新たな取り組みとして注目されている。

「Expressing Epilepsy」に参加した3名のアーティスト(UCB発表をもとに筆者作成)
「Expressing Epilepsy」に参加した3名のアーティスト(UCB発表をもとに筆者作成)

1名目はスイス出身でフランス在住のNoëmi Manserで、両手で同時に描くという技法でてんかんを身体的に表現。
米国のStephanie Gowdyのアクリル画「A Mountain of Your Own」は、てんかんが本人だけでなく、周囲の家族や友人にも及ぶことを表現。
ウクライナ出身で英国在住のAnastasia Egonyanの「I Cried of Fear and Pain」をテキスタイル作品で表現。
これらのアーティストと作品についての動画は、UCBのInstagramで公開されている。
https://www.fiercepharma.com/marketing/ucb-launches-expressing-epilepsy-through-art-awareness-campaign
https://www.ucb.com/newsroom/press-releases/article/ucb-opens-expressing-epilepsy-art-exhibition-featuring-acclaimed-artists-living-with-epilepsy
てんかんに関する議論は、臨床的な特徴づけや治療管理を中心に進められがちであり、その中で患者の生きた体験は見過ごされることがあるため、今回のキャンペーンは実際にこれらの疾患とともに生きている人々の声を表現するものとなっている。