医薬品の卸売業は営業利益率約1%程度の薄利の事業として知られている。加えて毎年薬価改定の影響などもあり、中長期的に成長させていくことも難しい。そのため各卸企業は中期計画においてそれぞれの路線で中長期的に目指す姿を定義している。
•    メディパルHD 2027中期ビジョン (2022/10/31発表):https://ssl4.eir-parts.net/doc/7459/ir_material2/193994/00.pdf
•    アルフレッサHD 25-27中計 Vision2032 Stage2 (2025/5/15発表):https://www.alfresa.com/assets/data/ir/plan/management-plan.pdf
•    スズケン(2023/5/15発表):https://www.suzuken.co.jp/ir/strategy/
•    東邦HD中期経営計画2026-2028「次代を翔ける」(2026/4/28 発表):https://ir.tohohd.co.jp/ja/plan/main/05/teaserItems1/0/linkList/01/link/260428mtp.pdf

薄利事業への依存から脱却するため、4社はそろって卸の外へ事業を広げようとしている。メディパルは海外・生活用品・アグロフーズへ、アルフレッサは製造・開発へ、スズケンは調剤・介護・製品開発へ、東邦は医療機器・検査・OTC・医療ITへ。

縦軸に「川上(製造・開発)へ踏み込むか/川下(流通・物流)に軸足を置くか」、横軸に「多角化を医薬品の周辺で深掘りするか/異業種・生活・海外へ越境するか」を取ると添付のようなイメージになる。

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メディパルは海外への進出/予防・未病アグロ・フーズ領域の事業拡⼤/デジタルを活⽤したビジネス基盤の強化/ 持続可能な流通の構築/地域医療における価値共創という5つの成長戦略を掲げ、卸の外の新規事業へ広げている。2026 年5月には日用品卸大手であるPALTAC完全子会社化しており、この路線の象徴といえる。

アルフレッサは臨床試験から市販後調査までをグループで一気通貫に担う「TSCS(トータルサプライチェーンサービス)」を構想している。バイオシミラーの製造合弁、再生医療のマスターセル製造なども有しており、垂直統合型のビジネスとなっている。また、セルフメディケーション卸売事業や調剤薬局等事業なども展開している。

スズケンは「次世代卸」を掲げ、スマート ロジスティクスやデジタル ヘルスケアなど卸機能の深化に注力しつつ、地域医療 介護支援、ヘルスケア 製品開発などにも取り組む。

東邦はスペシャリティ医薬品の物流を強化しながら、新規事業(医療機器・検査薬・OTC・医療IT・CDMO)調剤薬局事業などを展開する。

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4社の注力する方向性に違いはあるが、構造的には政策保有株式の売却で当面のROEを改善しながら次の収益柱を立ち上げ用としている点は共通している。
製薬に近づく、生活インフラへ越境する、機能を売る、物流に賭けるなど、どの方向性が花開くのか今後の進捗が注目される。