2026年10月2日にロート製薬は経営戦略説明会を開き、2025年5月に策定した中長期成長戦略2025〜2035の業績予測を見直した。
財務予測として、2030年度の売上高予測は4,150億円から4,440億円へ、営業利益予測は540億円から568億円へと引き上げており、当初は2027年度に見込んでいた売上高を1年前倒しで2026年度に達成する見通しとなっている。
基本方針は前回を引き継いでおり、セルフケアのコア事業(アイケア、スキンケア、内服・食品)で収益を最大化し、そこで生まれるキャッシュを医療用医薬品や再生医療を含むメディカル事業などの成長事業に投資して次の高収益基盤を築くという方針となっている。
今回はビジョンを「Connect for Well-being」から「Connect for Well-being & Longevity」に改めており、Longevityを全面に出す形となっている。

中期計画では、2027年度は当初の予測から売上高が250億円、営業利益が27億円上回る見込みだとしており、2030年度では売上高が290億円、営業利益が28億円の上積みとなっている。売上高の上昇幅と比べると営業利益の上昇幅は小さいため、営業利益率の予測は前回を下回っている。
予測期間を1年延ばして新たに2031年度の目標も示しており、売上高4,640億円、営業利益598億円、営業利益率12.9%を目標としている。
上方修正の背景にあるのは足元の業績が好調であることで、2025年度の売上高は3,437億円 (前年度11%増)、営業利益も382億円から411億円に増加している。2026年度は第1四半期時点の予想で売上高3,723億円、営業利益450億円を見込んでおり、2027年度売上予想を1年前倒しで到達予定とされている
一方で、営業利益率は前回の計画を下回って推移しており、計画では経営基盤の強化策として、価格改定、生産効率の強化、人的資本の強化を挙げている。

2025年度の事業別の売上高は、スキンケア事業が1,969億円、内服・食品事業が543億円、アイケア事業が453億円、メディカル事業が380億円となっており、資料ではアイケア、スキンケア、内服・食品の各事業で生み出したキャッシュを、メディカル事業など収益性の高い成長事業へ投資する構図を示している。
2035年度の事業別の売上高の見通しは、いずれも前回より引き上げられており、スキンケアは2,700〜2,900億円→3,000〜3,200億円、内服・食品は800〜900億円→850〜1,000億円、アイケアは650〜800億円→700〜800億円、メディカルは550〜650億円→600〜800億円となっている。

今後6年間のキャッシュアロケーションも更新されており、設備投資が1,000億円→1,100億円 (中国でのアイケア、東南アジアでのスキンケアの生産増強と国内の生産設備の増強)、研究開発費が900億円→1,000億円 (エクソソームなどの新しい有用成分の探索や、次の柱とする再生医療と医療用点眼薬への投資)、DX・IT投資が300億円→350億円となっている。
最も増えたのはM&A・出資の枠で、500億円→700億円となっている。M&Aの候補の要件として、コア事業の成長を加速させる地域で実績のあるローカル企業であること、買収金額はミドルサイズであること、地域としては欧州を中心にさらなるグローバル展開を図ることなどが挙げられている。
株主還元は配当などで800億円から850億円に増額しており、配当性向30%以上、DOE(株主資本配当率)3.5%以上という目安を維持している。

メディカル事業のパイプラインでは医療用点眼薬のROH-101が目標どおり申請段階に進む一方でROH-201のドライアイは開発計画を検討中となっている。
再生医療では、ヒト脂肪由来幹細胞による重症心不全の第2相試験が計画どおり進む一方で、ヒト脂肪由来幹細胞の肝硬変、重症下肢虚血、肺線維症と、ヒト臍帯由来幹細胞の神経変性疾患は、これまでに得られた治験データを踏まえて導出を含め検討中と記載されている。
