ブイキューブが2026年3月31日に決算発表を行い、上場廃止プロセス入りを公表した。

日本革新投資(J-INC)をスポンサーに迎え、第三者割当増資1株28.4円とスクイーズアウト対価1株40円という条件で、6月26日に上場廃止予定。ちなみにコロナ禍(2020年頃)の株価は3,000円を超えていたので、当時から投資していた人にとっては極めて厳しい条件となっている。2期連続の債務超過による上場廃止基準抵触が直接要因。

1.        ブイキューブ社について
ブイキューブは製薬会社にとってはWeb講演会のイメージが強いが、それを扱う事業はイベントDX事業で全体の36%程度。(2025年度の数字で)。それ以外に主に企業や官公庁等を対象に社内外のコミュニケーションにおけるDXを支援するエンタープライズDX事業が39%程度、テレキューブなどの場所にとらわれない働き方を支援するサードプレイスDX事業が25%程度という構成。

コロナ特需でWebinarなどのニーズが大きくなり売上が伸びたものの、直近3年はサードプレイスDXのみが売上伸長し、他の2事業では減少が続いている構図。

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ちなみに、ブイキューブは2014年2月にエムスリーと製薬企業向けWeb講演会のための合弁会社「エムキューブ」を設立していたが(出資比率はエムスリー51%・ブイキューブ49%)、2016年11月に解消されエムキューブはエムスリーの完全子会社になった。



2.        上場廃止となった経緯と要因
ブイキューブは2021年5月に米Xyvidを約36億円で買収した。コロナ禍のオンラインイベント特需を成長機会と読んだ動きだと思われるが、FY2023でのれん約32億円とソフトウェア約5億円、合計37.5億円を一括減損することで債務超過へと進んでいく。
その後XyvidがTEN Holdingsにリブランドされ、2025年2月14日にNASDAQ上場したものの、NASDAQ上場に伴う株式報酬費用 7.27億円やイベントDX事業の減損損失 19.93億円、不明支出金損失の特別損失8.08億円などが生じることで、営業損失16.83億円、親会社株主に帰属する当期純損失36.96億円などに繋がっている。

結果として、純資産はFY2023末746百万円→FY2024末23百万円→FY2025末△1,107百万円となり債務超過に至っている。

さらに、FY2025決算短信の継続企業の前提に関する注記には、「2026年4月24日に特別調査委員会を設置」「TENにおいても米国当局より同社の2025年2月の新規株式公開(IPO)等に関する召喚状を受領し、調査を受けている」と記載されている。

元々の主力事業がコロナ特需が終わり減少に転じたことに加え、M&Aの失敗と巨額の減損損失が債務超過及び上場廃止決定に繋がった。
昨日投稿したエムスリーは事業の多角化でいい着地をしているのに対して対照的な印象。