業界メディアEndpoints Newsが2026年6月、2025年バイオファーマ高額報酬CEOランキングを公表した。この高額の基準が4年ぶりに引き上がっており、これまで2,000万ドルだった最低ラインが、2,500万ドルになった。リストに載った25人は、全員が年間2,500万ドル超の報酬を得ている。
https://endpoints.news/biopharmas-top-paid-ceos-of-2025-25-making-25m/

このランキングでは、Endpointsが時価総額1億ドル超の上場ライフサイエンス企業448社のCEO報酬を分析している。その結果、CEO報酬の中央値は535万ドルで前年比13%増、2023年比では58%増。平均値は880万ドルで34%増となっている。参考としてのS&P500企業のCEO報酬中央値の伸びは7.5%のため、製薬・バイオ分野はそれを上回るペースで報酬が膨らんでいることになる。
ただし、これは現金での報酬だけではない。CEOの報酬の大半は株式で、その多くは売却していない(あるいは売却できない)含み益でもある。そのため、報酬はその年に取締役会が「新しく与えると決めた」株やオプションを、与えた時点での見積もり額で数える方法を採用している。

首位はSummit Therapeuticsの共同CEO、Maky Zanganeh氏の約2億4,600万ドル。2位のThermo FisherのMarc Casper氏(約8,000万ドル)を3倍以上引き離している。SummitはPD-1×VEGFという二重特異性抗体の流行に火をつけた企業である。
ここまで巨額なのはSummitの取締役会が、保有する約1,100万株分の古いストックオプションについて、それまでの「業績連動」での権利確定を、「時間の経過のみ」で確定する形に変更したため。結果的にオプションの公正価値は約1,500万ドルから2億4,500万ドルへと跳ね上がったとのこと。
多国籍メガファーマで最高だったのは、Eli LillyのDavid Ricks CEOで約3,670万ドル。
次いで、J&JのJoaquin Duato CEO(約3,276万ドル)、AbbVieのRobert Michael CEO(約3,253万ドル)、GileadのDaniel O’Day CEO(約2,844万ドル)、PfizerのAlbert Bourla CEO(約2,759万ドル)と続いていく。
Endpointsの記述によると高額な報酬を正当化する理屈としていくつかパターンがあり、まず業績条件そのものの撤廃(業績連動のオプションを在任のみで確定)、オプションの行使価格引き下げ=リプライシング、業績目標の引き下げ、などがある。いずれも、設定済みの基準を後から動かして報酬を確保する動きとなっている。
そして、これに対する株主側のブレーキは弱く、報酬への賛否を問うSay on Payは非拘束の助言投票にすぎず、否決されても実効性がない。例えばThermo Fisherは2年連続でSay on Payは否決であったが、CEOには過去最大の報酬が支払われたとされる。
“Thermo’s shareholders weren’t convinced. On May 20, they rejected the company’s pay practices again, with over two-thirds of shares voting against. Say-on-pay votes are non-binding and unlikely to impact Casper’s pay, but Thermo’s board gets the rare honor of having its shareholders rebel against its excessive pay decisions for back-to-back years.”