2026年6月5日、解熱鎮痛剤「カロナール」を手がけるあゆみ製薬ホールディングスをジーエヌアイグループ(東証グロース上場)が買収することが発表された。株式取得額は約450億円、負債込みでは1000億円超とみられる。

GNIはあゆみ製薬HDの全株式を取得し、完全子会社にする。取得価額は普通株式447.76億円にアドバイザリー費用等を加えて約468億円。支払いの中身は180億円を現金で、残る268億円はGNIの新株を割り当てる構図となっている。
あゆみ株の7割は米投資ファンドのブラックストーン、2割をは医薬品卸の東邦ホールディングス、1割は久光製薬が所持している。取得は2026年6月30日から9月末までに完了する予定。
あゆみ製薬HDは、看板のカロナールに加え、整形外科やリウマチ領域に強みを持ち2026年3月期は売上高385億円・営業利益62億円を記録している。

画像

一方買い手のGNIは東証グロースに上場し、本社を東京・日本橋に置く創薬企業となっている。ただ、日本が本社ではあるが、元々は2001年に米国法人Gene Networks社の日本法人として設立されている。出発点はバイオインフォマティクスによる創薬支援で、その後に線維症の自社創薬へと舵を切っている。
特徴的なのは収益の柱が中国にあること。GNIは2006年に上海ジェノミクスを買収して肺線維症薬の権利を得て、2011年には中国の北京コンチネント薬業を子会社化した。この北京コンチネント(Gyre Pharmaceuticals)は、中国全土に約400人の営業網を持ち、特発性肺線維症(IPF)治療薬「アイスーリュイ」を販売しており、GNIの売上の大部分は、この中国事業が生んでいる。

画像

加えて米国には、ナスダックに上場する子会社Gyre Therapeuticsや、標的タンパク質分解でアステラス製薬と提携するCullgen、生体材料を手がけるBerkeley Advanced Biomaterialsなどを抱えている。
今回の買収の目的とされるのは、第一に、日本の商業基盤の獲得。中国・米国を中心に事業を展開してきたが、日本での事業基盤の構築が買収により期待される。第二に、収益の安定化。中国市場での単一製品(アイスーリュイ)への依存が大きいため、カロナールのような定番薬を手に入れている。第三に、パイプラインの受け皿。中国や米国で、肝線維症治療薬F351などの自社パイプラインを開発しているが、その日本展開にあゆみの販路が活用されることが期待される。