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中医協 費-1
27.5.27
具体例の検討に係る
主なご意見・ご議論について
1.データ提出のあり方等について
2.分析の方法について
3.評価の一連の流れのあり方について
(1)再分析のあり方
(2)アプレイザルのあり方
4.評価結果の活用方法について
1
中医協 費-1参考
具体例を用いた検討について
26.12.24
① 具体例の選定基準と対象品目 ② 具体例のデータ・分析の提出の実施について
医薬品5品目、医療機器3品目について、企業にデータと 実施要項に基づいて、
データを用いた分析の提出を依頼 ・ 対象となる医薬品・医療機器の性質
【医薬品の選定基準】 ・ 分析の設定(分析対象や比較対照、効果指標等)
1) 平成17年度以降に有用性加算のついた類似薬効比較方式又は原価計算
・ 有効性データ
方式で算定したもの
2) 諸外国において複数の評価機関により費用対効果評価を提出されてお ・ 分析方法の詳細
り、詳細な分析結果が公開されているもの(ただし、複数品目を同時に ・ 分析結果と解釈 等の提出を依頼
評価しているものは除外する)
③ 具体例を用いた分析等の体制
3) 1)、2)を満たすもののうち、予測ピーク時売上高が原則各年度で一番
大きいもの 特別研究班を構成
【医療機器の選定基準】
厚生労働科学研究費補助金(厚生労働科学特別研究事業)
1) 平成17年度以降に有用性加算若しくは改良加算のついた類似機能区分
「中央社会保険医療協議会における医薬品・医療機器の費用対
比較方式又は原価計算方式で算定したもの
2) 諸外国において複数の評価機関により費用対効果評価を提出されてお 効果評価再分析に関する研究」
り、詳細な分析結果が公開されているもの (研究代表者:福田敬(国立保健医療科学院統括研究官))
3) 1)、2)を満たすもののうち、同一機能区分の複数の品目が該当する場
合は、そのうち保険適用時の償還価格が最も高いもの
4) 1)、2)、3)を満たすもののうち、同一企業が複数の品目で該当する場
合は、他の企業の品目で該当するものがある機能区分については、他の
企業の品目で保険適用時の償還価格が最も高いもの
具体例に関する検討の経緯と今後のスケジュール
平成26年1月 平成26年5月 平成27年1月~ 平成27年春(目途)
中医協において、 中医協において、 企業が提出した 費用対効果評価専門部会で 具体例の検討に
具体例を用いた検 具体例の選定基準 データ・分析を、研 具体例の分析結果等につい よって抽出できた課
討を進めることにつ と対象品目等につ 究班が再分析 て議論開始(品目を分けて行 題等を整理した上
いて了承 いて了承 うなど複数回にわたって実施) で、総会へ報告
2
1.データ提出のあり方等について
(1) データ・分析の提出に基づく具体例を用いた検討について
①具体的な医薬品、医療機器等を例とした検討を行う際には、企業が収集したデータおよび
そのデータに基づく分析(以下、「データ・分析」という。)を提出し、提出されたデー
タ・分析を元に検討を行うことにより、着実に検討を進めることができるのではないかとい
う指摘等があったことを踏まえ、医薬品、医療機器について、企業に費用対効果が評価可能
となるようなデータ・分析の提出を要請することとし、それに基づいて、具体的な検討を
行ってはどうか。
⑥データ・分析の提出を求める際は、企業側の準備期間に配慮し、数ヶ月程度の猶予を置く
こととしてはどうか。
(平成26年5月28日中医協総会資料【総-3】より抜粋・下線)
3
主なご意見・ご議論
データ提出のあり方について
• 企業による分析結果の提出に当たって、今回の検討においては社内手続きや秘密保持
契約等の問題により提出されなかったものもあったが、企業へより協力を求めていける
ようにするべき。
分析期間について
• 企業が分析するには1年程度かかるとのことだが、薬事承認や保険適用が遅れるのは
問題。
• 治験実施中にモデルの構築を始めるなどの対応をとることで、保険適用のタイミングに
間に合うようデータを提出できるのではないか。
• データを作る側として、既にフェーズⅢや承認申請の段階に入っている場合は、新たに
データを取るのが難しいことを勘案してほしい。
人材の確保について
• 企業として人材の確保を進めているが、そもそも日本では医療経済分野の人材の層が
薄く、教育を含め今後の課題である。
4
2.分析の方法について
1.1) 効果指標
質調整生存年(QALY)、生存年(LY)、臨床検査値、治癒率、重症度、発生率、死亡率等
を効果指標として、複数の指標を用いることも可能とする。QOL値を用いる場合は、国内
データに基づいて開発されたQOL尺度を用いたものを優先的に使用する。
1.2) 効果データの取り扱い
幅広に関連する効果データの検索を行う等、網羅性を担保することとする。また、対象集
団や診療実態の違い(例えば海外データの場合、医薬品・医療機器の使用実態のわが国との
違い等)等に留意しつつ、原則としてエビデンスレベルが高いデータを優先する。なお、エ
ビデンスは、当該医薬品・医療機器が保険適用された時点あるいは適応拡大された時点のも
のに限らず、現時点で最新のものを用いてよい。
3.1) 比較対照
幅広く臨床現場等で使用されており、当該医薬品・医療機器が導入されたときに、最も置
き換わりうると想定されるもの(無治療を含む)を原則とするが、当該医薬品・医療機器が
保険適用された時点あるいは適応拡大された時点に開発されていなかった医薬品・医療機器
は比較対照に含めない。また、複数の比較対照を用いて分析を行うことも可能とする。
3.3) 分析手法
費用対効果評価の結果は、原則として増分費用効果比(ICER)を用いて表すこととする。
ただし、比較対照と臨床的に同等であることが想定される場合は、費用のみの比較を行う。
ICERを算出する際に使用した数値とそのデータソースはすべて記述するが、知的財産上の観
点から公にすることが困難なものについては提出者がその旨を記載しておくこと。
(平成26年5月28日中医協総会資料【総-3】より抜粋・下線)
5
主なご意見・ご議論①
分析ルールについて
• 【再掲】企業による分析結果の提出に当たって、今回の検討においては社内手続きや秘
密保持契約等の問題により提出されなかったものもあったが、企業へより協力を求めてい
けるようにするべき。
• 分析に当たってはシステマティックレビューを必須とするなど、企業が分析する際のルー
ルが必要ではないか。
QALYについて
• 医薬品ではQALYで評価できることが多いが、医療機器でも、十分な時間とデータさえあれ
ば、QALYを用いて分析することは可能。
• 医療機器は比較対照試験が少なく、QALYを用いた分析は困難な場合があるのではない
か。
• オーストラリアやカナダなどでは、QALYを用いた医療機器の分析も行われている。また、こ
れまでの研究でも、QALYを用いた分析は有用であるとされている。
• QALYや生存年以外のものを効果指標とした場合もあったが、複数の効果指標についての
多面的な評価が必要な場合もあるではないか。
6
主なご意見・ご議論②
QOL値のデータについて
• 分析に当たって日本人のQOLデータが不足していたが、外国人と日本人の差が0.1以下に
過ぎない場合もあるので、外国人のQOLデータを用いて分析することは可能ではないか。
• 海外では、自国のデータがない場合に、外国のデータを使うことがある。
• 外国のデータを用いることを禁じている国はないのではないか。
• 日本版EQ-5Dを積極的に認めつつ、可能な場合には外国のQOLデータも使えることにすべ
きではないか。
基盤となるデータの整備について
• QOL値については、個別にデータを集めるのが難しい場合もあると思われるので、例えば、
疾患領域ごとに類型化して、あらかじめデータを整備しておいてはどうか。
• 国内でも様々な調査が行われているが、例えば既存の厚生労働科学研究において、QOL
データを含む文献の調査を行っている。また、再分析班とは別の研究班において、国内で
収集されたQOLデータに関する文献データベースを作成しているので、利用できる可能性
がある。
• (費用対効果評価に活用できるか否かに関わらず、)企業の販売後の調査としては、市販
後調査がある。また、現場の医師が実臨床データを集めて発表することもある。
7
主なご意見・ご議論③
比較対照について
• 比較対照については、新しい製品が入ってきたときに最も置きかわり得るものを比較対
照にすることを原則として議論してきたが、医療機器の分析に当たっては、類似の医療
機器を比較対照とするだけでなく、分析の対象とする疾患によっては、薬物療法を比較
対照とする場合もありえるのではないか。
• 保険収載される際の比較対照と、費用対効果の分析の比較対照は異なることがありえ
るのではないか。
感度分析について
• 分析結果の頑健性を確認するため、感度分析を実施すべきではないか。
8
3.(1)再分析のあり方
(3)具体的な検討のためのデータ提出について
• 評価対象技術の範囲について、医薬品、医療機器が中心となる場合は、企業が収集し
たデータを提出し、提出されたデータを元に検討を行うことにより、着実に検討を進
めることができるのではないか。その中で、提出されたデータが、中立なものである
かどうか、検証することが必要となるのではないか。
• 諸外国の実施状況を勘案すると、費用対効果のデータの分析・提出について、企業が
行うことが多くあることから、企業が提出したデータについて、検証する仕組みが重
要ではないか。
(平成25年12月25日費用対効果評価専門部会資料【費-1】より抜粋・下線)
9
主なご意見・ご議論
再分析のあり方について
• 【再掲】分析に当たってはシステマティックレビューを必須とするなど、企業が分析する際
のルールが必要ではないか。
• (企業による分析と研究班による再分析の結果に違いがあったことを踏まえると、)参考
人等による再分析は必須だろう。その際、現実に即した十分な期間を見込むべき。
• 企業が提出した分析に基づいた再分析に加え、研究班が独自に改めて分析を実施する
必要があるとすると、今回の具体例の検討のように参考人や研究班、事務局だけに任
せるのは無理があるため、専門的に対応する体制が必要だろう。
• 当該分野の専門家と連携することで、よりよい再分析ができるのではないか。
• 企業としても、再分析は必須のプロセスであると考えている。英国では7つのグループに
外部委託しており、日本でも人材の裾野を広げることが必要。(注:現在は9つのグルー
プに委託)
10
3.(2)アプレイザルのあり方
について
Appraisal 中医協 費-2(改)
2 5 . 2 . 2 7
一般的な費用対効果評価を用いた意思決定のプロセス
Assessment Appraisal Decision
(分析) (評価) (最終決定)
・ 費用対効果評価の実行 ・ 分析結果の解釈 ・ 最終的な意思決定
・ その他(臨床的、倫理的、
社会的…)影響の考慮
Appraisalにおいては、様々な要素を考慮して
評価を行う。
11
主なご意見・ご議論
アプレイザルのあり方について
• 評価(アプレイザル)を進める中で、生産性損失を含んだ分析結果が必要とされた場合
には、改めて再分析を実施することも考えるべきではないか。
• 選択する効果指標や臨床試験によって分析結果が大きく異なる場合は、アプレイザル
において、分析手法の違いを含めて解釈することになるのではないか。
• 今回の分析において、他の薬剤などとの比較をどのように考えるかという論点があるが、
これはまさに「アセスメント」であり、さらに保険予算全体から見てその比較が妥当かとい
うのはアプレイザルの役割であり、視点は異なるもの。その際、アプレイザルを進めるに
足るアセスメントである必要があると思う。
12
4.評価結果の活用方法について
(2)具体的な評価の活用手法
①-1費用対効果評価の活用方法について
諸外国における費用対効果評価の取り組みを踏まえ、結果活用方法としては、下記に大別で
きるとの確認がなされた。
(ア)保険償還の可否の判断を行う。
(イ)保険償還価格への反映を行う。
また、諸外国において保険償還の可否の判断に使用する際には、患者アクセスを確保するため
の措置として、「予め定めた使用回数や使用期間までは償還し、上回った部分は、公的医療保
険以外[事実上の値引き等]による提供とする」等の対応が行われることがあることが確認さ
れた。
①-2結果活用の時期について
結果活用の時期については、下記の場合に分けて検討がなされた。
(ア)保険収載の前後
(イ)保険収載後、1~2年を経過した後
(ウ)保険収載後、数年経過後
保険収載の前後に結果活用を行う際は、早期に費用対効果評価の結果が反映される一方で、評
価に時間を要する場合、保険収載の遅延につながる可能性があることが指摘された。
(平成25年11月6日費用対効果評価専門部会資料【費-1(議論の中間的な整理)】より抜粋)
13
主なご意見・ご議論①
評価結果を活用する時期について
• 本邦での制度化に当たって、評価結果を活用できるタイミングには保険収載時と市場導
入後一定期間後とがあるが、収載時点で利用可能なデータを使うことで、収載時にも評
価可能ではないか。その場合、主に治験のデータが用いられると思われる。
• データがないと言ってばかりでは費用対効果の分析を実施できない。例えば、ある時点
で存在するデータを用いて分析を行い、その後、新たに収集されたデータも含めて再評
価していくという方法もあり得るのではないか。
• 治療法は時代と共に変遷するものであることを踏まえると、専門家の意見を聞きながら、
市販後の再評価を取り入れていくのがよいのではないか。
結果の解釈について
• 英国NICEでは2万~3万ポンド/QALYを推奨の目安としているが、抗がん剤など終末期
(End of Life)に用いる医薬品については、4万~5万ポンド/QALYまで推奨している。なお、
費用対効果評価の観点から推奨されないおそれがある場合には、患者の新薬へのアク
セスを確保するため、薬剤費の一部を企業が負担することとして、条件付き推奨とするこ
ともある。
• WHOでは一人当たりGDPを目安とした解釈の仕方を提示している。
14
主なご意見・ご議論②
適応症や用法により結果が異なる場合の考え方について
• 一部の適応症等では費用対効果がよいが、それ以外では費用対効果が悪い場合、他国
では、費用対効果評価の結果を踏まえて適応症を決定したり、学会のガイドラインで非推
奨としたりしている。
現在の制度との関係について
• 新規収載品の価格を決定する際には、製品原価、マーケットスケール、研究開発費等が
必要であり、これらがないと製品の価格がわからず、分析が行えないのではないかと考え
ている。
• 現在の薬価制度・材料制度との関係をみながら制度に組み込む必要があるのではないか。
試行的導入のあり方について
• 費用対効果の議論は、そもそも日本の保険財政が厳しい中で、何が出来るかということで
始まったもの。日本のデータが十分に整うのを待っていると、制度の導入まで10年、20年
かかってしまうため、諸外国の例に倣い、まずは試行的に制度を導入して、少しずつ修正
していくのがよいのではないか。
15
中医協 費-2
27.5.27
具体例の検討に関する
研究班からの意見
『中央社会保険医療協議会における医薬品・医療機器の費用対効
果評価再分析に関する研究』班 (研究代表者: 福田 敬)
2015年5月27日(水)
中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会
1
1. 具体例の検討に要した期間
• 今回、具体例の検討において分析を依頼した企業のいずれも、時間的制約
のある中で、適切にご対応をいただいた。
• 研究班としては、時間的制約により以下のような課題が生じうるものと思わ
れた。
提出されたデータのレビュー等を十分に実施する時間の不足
提出企業への疑義照会や問い合わせ等のやりとりの不足
臨床専門家との協議を求められないこと
• 企業提出データの再分析を実施するためには、3~6ヶ月程度の期間があれ
ば、より精緻な検討ができると思われる。
2
(参考)実際の分析期間について
製品 企業の分析期間(※1) 研究班の再分析期間(※2)
A 96日 36日
B 96日 70日
C 97日 85日
D 162日 45日
E 175日 61日
F 176日 60日
G 209日 34日
H 235日 16日
※1 企業の分析期間には、契約等に係る作業期間も含まれている。
※2 研究班の再分析期間には、研究班の指摘に伴う企業側の期間も含まれている。
3
2. 費用効果分析の方法について
企業の提出した分析について、以下の項目に沿って、研究班の視点から
レビューを行った。
1)効果
1.1)効果データ
1.2)効果データの取り扱い
2)費用
2.1)費用の範囲
2.2)費用データの取り扱い
3)分析の枠組み等
3.1)比較対照
3.2)分析対象とする患者
3.3)分析手法
3.4)分析期間
3.5)割引
3.6)解釈 (中医協 費-1(26.5.28)「具体例を用いた検討について」)
4
2. 費用効果分析の方法について
1)効果
1.1)効果データ
医薬品については、全品目でQALYを用いた分析が実施されていた。QALY
以外では生存年を用いた分析もあった。
医療機器については、様々な効果指標を用いていた。
1.2)効果データの取り扱い
企業側がシステマティックレビューを明確に実施していた場合と、実施してい
ない場合があった。
→研究班での独立したシステマティックレビューの重要性が再確認される
とともに、使用する臨床試験を変更することが可能と考えられる場合に
は、アカデミアの協力が重要と思われた。
5
2. 費用効果分析の方法について
2)費用
2.1)費用の範囲
いずれも公的医療費を費用の範囲とした分析が実施されており、公的介護
費や生産性損失を含んだ分析は実施されていなかった。
2.2)費用データの取り扱い
単価は全て日本の診療報酬点数、薬価及び特定保険医療材料価格を用い
ていた。また、レセプトデータベースを用いて新たに解析した結果を用いた場
合もあった。
6
2. 費用効果分析の方法について
3)分析の枠組み等
3.1)比較対照
いずれも当該医薬品・医療機器の保険適用時点において最も置き換わったと考
えられるものを用いていた。
→ただし、市販後に行われた最新の臨床試験の結果を用いて分析する必要が
ある場合などには、比較対照を変更して改めて分析を実施することも考えられた。
3.2)分析対象とする患者
→適応症や用法によって評価結果が大きく異なる場合には、例えば適応症を細
分類して改めて分析するなど、要素ごとにより詳細な分析を行うことで、多面
的な評価が可能となるのではないか。
3.3)分析手法
いずれも費用効果分析が実施されており、ドミナント(効果は大きく費用は安いと
いう結果)でない場合にはICER(増分費用効果比)を算出していた。
7
2. 費用効果分析の方法について
3)分析の枠組み等 (続き)
3.4)分析期間
いずれも評価するのに十分と考えられる分析期間を用いていた。
→ただし、長期の推計では不確実性が高くなる場合には、あわせて短期の推
計を行うことが必要な場合もあると考えられた。
3.5)割引
長期にわたる計算を行っている場合には割引を行っており、割引率は研究班
ガイドラインで推奨している2%を用いていることが多かった。
3.6)解釈
費用削減となるもの以外で解釈を提示している場合は、一定の基準値と比較
して費用対効果を議論しているものが多かった。
8
【参考】増分費用効果比(ICER)の解釈について
• 1QALYあたりの増分費用効果比(ICER)の解釈方法の一つとして、基準となる値と比較して、医療
技術の費用対効果を評価することがある。
• 一律の値を機械的に運用している国はないが、目安となる値を保持している国もある。
• およそ目安となる値の設定方法としては下記の方法などが考えられる。
(Value Health. 2004;7(5):518-
28.)
①一般的に広く受け入れられている既存の医療にかかる費用を目安とする。
② 国民がいくらまでなら支払ってもよいと考えるか(=支払意思額)
例えば日本では1QALYあたり500~600万円程度という調査がある。(大日ら(2006),
Shiroiwa et al. (2010) )
③ 一人あたりGDP等の経済指標
例えばWHOでは一人あたりGDPの1~3倍程度と提示されている。(WHO (2002))
日本の一人あたりGDPの大きさは380万円 (内閣府 (2013))
例えば、イギリスNICEの20,000~30000ポンドの基準値は、イギリスの一人あたり
GDPが25,000ポンド(2013年)であることから、0.8~1.2倍程度である。
アメリカでしばしば参照される50,000~100,000ドルはアメリカの一人あたりGDPが
53,000ドル(2013年)であることから、0.9~1.9倍程度である。
9
2. 費用効果分析の方法について
3.6)解釈 (続き)
• 今回の具体例の検討においては、どの患者集団でも費用対効果がおおむね
一定の場合と、一部の患者集団や用法において異なる分析結果となる場合
があった。
→一部の患者集団や用法において異なる分析結果となる場合、諸外国で
は結果の活用方法を分けている国もあり、どのように結果を解釈するか
課題である。
• 保険適用された後に、新たに行われた臨床研究等により、より有効で費用対
効果のよい患者集団が同定される場合がある。
→市販後の臨床試験や実臨床により集積される有用なデータをどのように
活用するかは課題である。
10
3. データやガイドラインの整備
• QOL値など一部のデータについては、日本での蓄積が十分でないものもある。
→当面のところ、外国のデータなどを用いて分析した上で、感度分析等によ
りその分析の頑健性を検討することで対応できるのではないか。
→諸外国の状況を参照すると、制度が開始されることにより、研究や治験で
の評価項目にQOL値が組み込まれる例が増え、データの整備が進むの
ではないか。
→既存のデータベース(ナショナルデータベースやDPCデータ、登録研究
等)も活用できるのではないか。
→既存の厚生労働科学研究の結果を活用できたことから、QOL値に関する
データをさらに整備するためにも、今後の厚生労働科学研究や関係学会
等の取組においてデータ収集が進む仕組みを整えること(例えば診療報
酬改定の要望時に当該データを求めるなど)が考えられるのではないか。
• 先行している諸外国では、分析方法に関するガイドラインが作成されている。
アカデミックな費用効果分析のガイドラインは日本でも既に作成されてお
り(平成25年12月25日の費用対効果評価専門部会で紹介)、制度のあ
り方が決まれば、対応するものは作成可能である。
11
4. 実施体制
【具体例の検討における研究班の体制】
専門分野 氏名 所属・職名(当時) 役割
福田 敬 国立保健医療科学院 統括研究官
池田 俊也 国際医療福祉大学 薬学部 教授
田倉 智之 大阪大学大学院 医学系研究科 寄付講座教授
医療経済学 五十嵐 中 東京大学大学院 薬学系研究科 特任助教
(7名)
福田 治久 九州大学大学院 医学研究院 准教授
森脇 健介 神戸薬科大学 薬学部 講師
品目ごとにチームを構成(そ
白岩 健 国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部
れぞれ3名)し、再分析を実
主任研究官
施
赤沢 学 明治薬科大学 薬学部 教授
聖ルカ・ライフサイエンス研究所 臨床疫学センター
大出 幸子
上級研究員
臨床疫学
聖ルカ・ライフサイエンス研究所 臨床疫学センター
(4名)
高橋 理
センター長
国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部
平塚 義宗
上席主任研究員
全体を通して再分析の内容
経済学(1名) 井伊 雅子 一橋大学 国際・公共政策大学院 教授
を検討
12
4. 実施体制
• 今回の再分析は、厚生労働科学研究費補助金を受けて、研究班を構成し実施
に当たったが、時間的制約のある中での作業負荷や、秘密保持契約を締結す
ることによる責任の負荷、利益相反の徹底など、研究者側の負担もあった。
→制度化に当たって、上記の課題を踏まえて持続可能な再分析体制を構築
するためには、再分析について専門的に対応する体制の整備が必要なの
ではないか。
• 今回の再分析結果については基本的に非公表であるが、費用対効果に関す
る情報は、企業の知的所有権等に配慮しながらも、国民あるいは医療関係者
の意思決定等に資するため、一定の範囲内で結果が公表されている国が多い。
13
4. 実施体制
• 企業は多くの臨床データを有しており、質の高い分析を実施する上では、企
業側のご協力をいただくことが、特に新規収載品の評価の場合には重要で
ある。
• 費用対効果評価の企業における担当者については、以前より整備されてき
ている印象を受けている。
• 一方で、費用対効果評価を担当する人材については、企業/アカデミアのい
ずれにおいても、必ずしも十分ではないという指摘もあった。
実際の制度が始まらなければ、企業/アカデミアのいずれにおいても人
材育成や体制整備は十全には始まらない。
制度を実際に動かしていきながら、その中で人材育成を図る必要がある
のではないか。
14
5. 評価結果の活用
• 評価結果の活用に当たっては、分析結果に加えて、社会的・倫理
的要素を見込むことが多いが、その際、どのように見込むかにつ
いては、結果の活用方法によって異なってくる。
使用の推奨/非推奨・償還の可否(イギリスなど)
アクセス制限が生じうるので倫理的に慎重な検討が必要
価格への反映(ドイツ・フランスなど)
代替技術が十分にあるもの等における適応疾患や使用方法
の限定など。(イギリスなど)
アクセスの問題は生じにくい。
15
中医協 費 -2参考
2 7 . 5 . 2 7
費用対効果評価
具体例を用いた検討 実施要項
2014 年 6 月
1
はじめに
革新的な医薬品、医療機器等の保険適用の評価に際し、費用対効果の観点を可能な範囲で
導入することについては、中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会を平成24年4月
に設置し、議論を行ってきたところである。
平成26年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見において、「平成28 年度診療報酬改定に
おける試行的導入も視野に入れながら、引き続き検討する」とされたことを踏まえ、平成26年4
月からの費用対効果評価専門部会では「具体的な医薬品、医療機器を例とした検討に当たって
は、費用対効果が評価可能となるよう、データおよびそのデータに基づく分析(以下、「データ・分
析」という。)の提出を企業に要請すること」とされた。
企業に対してデータ・分析の提出を依頼するに当たっては、実施要項を作成することが中央社
会保険医療協議会において了承され、その考え方について整理がされた。今回、同考え方を元に
して、「医療経済評価研究における分析手法に関するガイドライン(厚生労働科学研究費補助金
(政策科学総合研究事業)『医療経済評価を応用した医療給付制度のあり方に関する研究』(研
究代表者:福田敬)平成 24 年度総合研究報告書.2013)」も参考にしながら本実施要項を作成
したところであるが、該当する企業においては、この実施要項に則り、必要なデータ・分析の提出
をお願いしたい。
なお、本実施要項においては、中央社会保険医療協議会で了承された考え方(平成26
年5月28日中総会資料【総-3】)とその詳細な内容について、区分して明記している。
2
目次
0. 要旨 .................................................................................................................................... 5
1. 対象となる医薬品・医療機器の性質 ................................................................................. 5
1.1名称 ............................................................................................................................... 5
1.2 保険償還価格 ................................................................................................................ 5
1.3 治療効果のメカニズム ................................................................................................. 5
1.4 対象疾患 ....................................................................................................................... 5
1.5 使用方法等 ................................................................................................................... 6
1.6 対象疾患の治療における当該医薬品・医療機器の位置づけ ....................................... 6
1.7 主な有害事象 ................................................................................................................ 6
2 分析条件の設定 ................................................................................................................... 6
2.1 分析対象とする集団 ..................................................................................................... 6
2.2 比較対照 ....................................................................................................................... 7
2.3費用の範囲 .................................................................................................................... 7
2.4 効果指標 ....................................................................................................................... 7
2.5 分析期間 ....................................................................................................................... 7
2.6 割引率 .......................................................................................................................... 8
2.7 分析条件の設定の要約 ................................................................................................. 8
3. 効果データ(文献検索等) ............................................................................................... 8
3.1システマティックレビュー ........................................................................................... 8
3.2使用する臨床研究 ......................................................................................................... 8
3.3 (該当する場合は)メタアナリシスの詳細 ................................................................ 9
3.4 (該当する場合は)間接比較やネットワークメタアナリシスの詳細 ........................ 9
4. 分析方法の詳細 ................................................................................................................ 10
4.1 分析方法 ..................................................................................................................... 10
4.1.1 医療経済評価モデル ............................................................................................ 10
4.1.2分析で使用したパラメータ .................................................................................. 10
4.1.3 モデルで使用した仮定 ......................................................................................... 11
4.2 (該当する場合は)QOL評価の詳細 ........................................................................ 11
4.3 費用の算出根拠 ........................................................................................................... 11
5. 分析結果と解釈 ................................................................................................................ 12
5.1増分費用、増分効果、増分費用効果比 ...................................................................... 12
5.2 感度分析(確率感度分析含む) ................................................................................ 12
5.3(該当する場合は)サブグループ解析 ....................................................................... 12
3
5.4 分析の妥当性の検討 ................................................................................................... 12
5.5 得られた分析結果の解釈 ........................................................................................... 12
6. 再分析用のデータ ............................................................................................................ 13
7.実施体制 .......................................................................................................................... 13
8. 参考文献........................................................................................................................... 13
4
0. 要旨
4) 提出項目
提出するデータ・分析は、以下の項目を含むこと。
① 対象となる医薬品・医療機器の性質
② 分析の設定(分析対象や比較対照、効果指標等)
③ 有効性データ
④ 分析方法の詳細
⑤ 分析結果と解釈
・データ・分析は、以下の事項について記載する。
1.対象となる医薬品・医療機器の性質
2.分析条件の設定
3.効果データ(文献検索等)
4.分析方法の詳細
5.分析結果と解釈
・ 各節の記載の他に、本分析の要旨を別添の表にまとめて記載する。
3.3) 分析手法
ICER を算出する際に使用した数値とそのデータソースはすべて記述するが、知的財産
上の観点から公にすることが困難なものについては提出者がその旨を記載しておくこと。
・ 知的財産上の観点から公にすることが困難なものについては、提出者がその旨を記載する。
1. 対象となる医薬品・医療機器の性質
1.1名称
・ 【医薬品】販売名、一般名について記載する。
・ 【医療機器】販売名、一般的名称について記載する。
1.2 保険償還価格
・ 分析時点の保険償還価格と保険適用時点の保険償還価格を記載する。算定方法や加算率等、
医療機器の場合は該当する機能区分の情報も含める。
1.3 治療効果のメカニズム
・ 当該医薬品・医療機器から治療効果が得られるメカニズムについて記載する。
1.4 対象疾患
・ 保険適用となる疾患をすべて記載する。
・ 適応疾患が複数ある場合、そのうち分析の対象とする疾患を記載する。
・ 対象とする疾患の疫学的性質(有病率、新規発症者数、好発年齢等)を記載する。
・ 対象とする疾患において、当該医薬品・医療機器の使用者数を記載する。
5
・ 当該医薬品・医療機器を使用する患者の主な年齢(層)を記載する。
1.5 使用方法等
・ 【医薬品】
投与経路、投与方法、投与量、投与(使用)頻度、治療期間等、使用方法について記載する。
・ 投与あるいはフォローアップ時に必要な検査や処置、医薬品等があれば、その内容(検査等の
名称、頻度など)を記載する。
・ 使用あるいはフォローアップ時に必要な検査や処置、医薬品等があれば、その内容(検査等の
名称、頻度など)を記載する。
・ 【医療機器】
耐用年数(再手術までの平均期間等)や製品構成、メンテナンスなどについて記載する。
・ 使用あるいはフォローアップ時に必要な検査や処置、医薬品等があれば、その内容(検査等の
名称、頻度など)を記載する。
1.6 対象疾患の治療における当該医薬品・医療機器の位置づけ
・対象疾患の治療戦略を示し、当該医薬品・医療機器がその中でどのような位置を占めるかにつ
いて記載する。
・当該医薬品・医療機器が既存治療と比較してどのような改善・改良がなされているか記載する。
また、その結果どのような臨床的効果が期待されるか概要を記載する。
1.7 主な有害事象
・ 当該医薬品・医療機器に関連する主な有害事象と、その有害事象が発現した際の治療方法に
ついて示す。
2 分析条件の設定
2.1 分析対象とする集団
3.2) 分析対象とする患者等
当該医薬品・医療機器が保険適用の対象となる患者等について分析を行うことを原則とす
る。当該医薬品・医療機器に複数の適応疾患がある場合は、適応患者数や保険医療財政への
影響等を考慮して一つの適応疾患に限定しても良い。性質の異なる複数の患者等に対して分
析を行ってもよい。適宜、費用や効果の違いに着目してサブグループ解析も検討する。
・ 分析対象とする集団について記載する。その際、当該医薬品・医療機器が保険適用となること
を原則とする。
・ 当該医薬品・医療機器の適応疾患が複数ある場合、適応患者数や保険医療財政への影響等
を考慮して、対象とする疾患を記載する。
・ 適応疾患の一部等に限定して分析する場合(例:一次療法など)はその情報も含める。その場
6
合は、限定して分析する理由を記載する。
・ サブグループ解析を行う場合は、どのような集団を対象とするか定義を記載する。
2.2 比較対照
3.1) 比較対照
幅広く臨床現場等で使用されており、当該医薬品・医療機器が導入されたときに、最も置
き換わりうると想定されるもの(無治療を含む)を原則とするが、当該医薬品・医療機器が
保険適用された時点あるいは適応拡大された時点に開発されていなかった医薬品・医療機器
は比較対照に含めない。また、複数の比較対照を用いて分析を行うことも可能とする。
・ 比較対照技術とそれを選定した理由を記載する。
・ 比較対照は、幅広く臨床現場等で使用されており、当該医薬品・医療機器が導入されたときに、
最も置き換わりうると想定されるもの(無治療を含む)を原則とする。
・ 当該医薬品・医療機器が保険適用された時点あるいは適応拡大された時点に開発されていな
かった医薬品・医療機器は比較対照に含めない。
2.3費用の範囲
2.1) 費用の範囲
公的医療費のみを費用の範囲に含めることを原則とする。また、公的介護費、生産性損
失等を費用に含めた分析を同時に提出することも可能とする。
・ 費用の範囲を記載する。その際、公的医療費のみを費用の範囲に含めることを原則とする。
・ 公的介護費、生産性損失等を費用に含めた分析を同時に提出することも可能とするが、その場
合、公的医療費のみの分析も提出する。
2.4 効果指標
1.1) 効果指標
質調整生存年(QALY)、生存年(LY)、臨床検査値、治癒率、重症度、発生率、死亡率
等を効果指標として、複数の指標を用いることも可能とする。
・ 選択した効果指標(質調整生存年(QALY)、生存年(LY)、臨床検査値、治癒率、重症度、発生
率、死亡率等)を記載する。その際、複数の効果指標を用いることも可能とする。
2.5 分析期間
3.4) 分析期間
費用と効果の影響を検討する分析期間は、対象となる医薬品・医療機器の価値を評価する
のに十分と考えられる分析期間を用いる。
・ 分析期間を記載する。
・ 分析期間が生涯より短い場合は、設定した分析期間で十分とした理由を記載する。
7
2.6 割引率
3.5) 割引
将来的な費用や効果への影響を現在の価値に調整するため、割引を行うことを原則とす
る。
・ 費用及び効果について、使用した割引率を記載する。
・ 短期間における分析である等のため割引を行わない場合は、そのことを明らかにした上で、割
引を行わなかった理由を記載する。
2.7 分析条件の設定の要約
・ 別添の表に2.1節から2.6節までの内容をまとめる。
3. 効果データ(文献検索等)
1.2) 効果データの取り扱い
幅広に関連する効果データの検索を行う等、網羅性を担保することとする。また、対象
集団や診療実態の違い(例えば海外データの場合、医薬品・医療機器の使用実態のわが国
との違い等)等に留意しつつ、原則としてエビデンスレベルが高いデータを優先する。な
お、エビデンスは、当該医薬品・医療機器が保険適用された時点あるいは適応拡大された
時点のものに限らず、現時点で最新のものを用いてよい。
3.1システマティックレビュー
・ 臨床研究の検索に当たっては、システマティックレビューを行い、その方法について以下の事項
を含め詳細に記載する。
・ 臨床研究の組み入れ基準(PICOS (Participants, Interventions, Comparators,
Outcomes, Study design)形式で記載)
・ 臨床研究の除外基準(例:治療Dを受けている患者を対象とした論文は除外する。)
・ 使用したデータベース
・ 使用した検索式
・ 検索から同定した臨床研究(論文)まで一連の流れが明らかになるように、PRISMA
(Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses)声明の推奨
するフローチャートを記載する。(http://www.prisma-statement.org/)
・ ハンドサーチ等により未公表データを収集した場合は、そのことを記載する。
・ 同定した臨床研究(論文)について別添の一覧表及び詳細表の形式で記載する。
・ 無作為化比較試験以外のデータを含める場合は、その理由を記載する。(例:該当する無作為
化比較試験が存在しない。)
3.2使用する臨床研究
・ システマティックレビューにより検索した臨床研究から、分析において使用する研究を選択した
理由と、その研究に関する詳細な情報を記載する。。
(例)
・ CONSORT声明の推奨するフローチャート (http://www.consort-statement.org/)
8
・ 被験者のベースライン時の人口統計学的性質、カプラン・マイヤー曲線あるいは臨床検査
値等の経時的変化、有害事象の詳細など試験のキーとなる情報
・ 複数の臨床研究を統合して使用する場合は、メタアナリシスの詳細について 3.3 節に記載す
る。
・ 当該医薬品・医療機器と選定した比較対照を直接比較した臨床試験が存在しない場合は、そ
のことを記載し、分析を行うためにどのように取り扱うかを検討する。間接比較やネットワークメタ
アナリシスなどを行う場合は、3.4節に記載する。
3.3 (該当する場合は)メタアナリシスの詳細
・メタアナリシスを行う場合は以下の事項について記載する。
・ 各臨床研究の結果における異質性の統計量
・ 結果を統合する統計的手法(固定効果モデル、変量効果モデル、ベイズモデル等)
・ 統合した結果を示すフォレストプロット
・ 出版バイアスを検討するためのファネルプロット
3.4 (該当する場合は)間接比較やネットワークメタアナリシスの詳細
・ 間接比較を行う場合は、やむを得ない場合を除き、複数の臨床研究から各群の臨床成績を取
り出し比較する方法は避けることが望ましい。そのような手法を用いる場合は、その理由を記載す
る。
・ ネットワークメタアナリシスを行う場合は、単純な 2 群比較のメタアナリシスも行い、臨床研究間
の異質性や 2 群間メタアナリシスとネットワークメタアナリシスの不一致(inconsistency)を検討
し、その結果を報告する。
・ 直接比較の試験については下記の表や図の形式でまとめて記載する。
試験名 介入 対照A 対照B 対照C 対照D
試験1 〇 〇
試験2 〇 〇 〇
試験3 〇 〇
試験4 〇 〇
試験5 〇 〇 〇
対照A
試験4
対照B
試験2
介入 試験5
試験1
対照C
試験5
試験2,3 試験2
対照D
試験5
9
・ ネットワークメタアナリシスの結果は、フォレストプロット等でも示す。
4. 分析方法の詳細
4.1 分析方法
4.1.1 医療経済評価モデル
・ 医療経済評価モデル(判断樹モデル、マルコフモデル等)を使用する場合は、その構造を下記
のように図示する。
(例1) 判断樹モデル 目標値に到達
評価対象技術
目標値に未達
…以下省略
比較対照技術
(例2) マルコフモデル(健康状態と状態間の推移を図示する)
健康状態B
健康状態A
健康状態C
・ 各健康状態の定義と上記のモデルにより健康状態の推移が適切に捉えられている理由を記載
する。
・ 臨床研究等に基づき上記のモデルを用いずに分析を行う場合は、その方法について記載す
る。
4.1.2分析で使用したパラメータ
・ 分析で使用したパラメータを別添の表にまとめて記載する。
10
4.1.3 モデルで使用した仮定
・ モデルで使用した仮定を全て記載する。特に臨床研究の観察期間を超えてデータを外挿するよ
うな場合、その外挿方法を明らかにし、その手法が適切である理由を記載する。
4.2 (該当する場合は)QOL評価の詳細
1.1) 効果指標
(中略)
QOL 値を用いる場合は、国内データに基づいて開発された QOL 尺度を用いたものを優
先的に使用する。
・
・ 効果指標として QOL 値を用いる場合は、国内データに基づいて開発された QOL 尺度を用
いたものを優先的に使用する。
・ 既存の臨床研究からQOL値を引用する場合はシステマティックレビューを行う。使用するQOL
値について、測定の対象とした集団、使用したQOL尺度等を記載する。
・ 提出者が行った調査等に基づいてQOL値を設定する場合は、その調査の詳細を記載する。
・ SF-36等のPRO(Patient Reported Outcome)尺度から換算してQOL値を設定する場合
は、換算を行った方法やその妥当性について記載する。
4.3 費用の算出根拠
2.2) 費用データの取り扱い
原則として、「単価」は、現時点における診療報酬点数表、薬価基準、特定保険医療材料
価格基準等を用いることとし、「回数」は、わが国の診療実態を適切に反映していると考え
られるデータ(例:「ガイドライン等に示された標準的な診療過程」、「実際の診療を分析し
たデータ」)を用いる。
費用は当該医薬品・医療機器の費用のみでなく、有害事象や将来的に関連する合併症等
の費用も含める。生産性損失を含めた分析を行う場合は、賃金を用いて推計することを原
則とする。
・ 原則として、「単価」は、現時点における診療報酬点数表、薬価基準、特定保険医療材料価格
基準等を用いることとし、「回数」は、わが国の診療実態を適切に反映していると考えられるデータ
(例:「ガイドライン等に示された標準的な診療過程」、「実際の診療を分析したデータ」)を用いる。
・ 費用は当該医薬品・医療機器の費用のみでなく、有害事象や将来的に関連する合併症等の費
用も含める。
・ 生産性損失を含めた分析を行う場合は、賃金を用いて推計することを原則とする。
・ 標準的な治療経過等に基づき費用を積み上げ形式で設定する場合は、下記のような表に積算
の詳細をまとめて記載する。
・ レセプト等の分析に基づいて費用を算出する場合は、レセプトを収集した医療機関・保険者、収
集期間、健康状態の定義等、詳細について記載する。
・ 既存の臨床研究(論文)や統計を用いて費用を算出した場合、その詳細 (政府統計等につい
てはその名称)について記載する。
11
5. 分析結果と解釈
3.3) 分析手法
費用対効果評価の結果は、原則として増分費用効果比(ICER)を用いて表すこととする。
ただし、比較対照と臨床的に同等であることが想定される場合は、費用のみの比較を行う。
5.1増分費用、増分効果、増分費用効果比
・ 分析の結果を別添のような表にまとめて詳細に記載する。
・ 該当する場合は、上記の結果の詳細として、各健康状態で得られる費用と効果を記載する。
5.2 感度分析(確率感度分析含む)
・ 不確実性を有するパラメータについては感度分析を行い、その結果を記載する。
・ 確率感度分析を行う場合は、費用効果平面上の散布図と費用効果受容曲線を記載する。
5.3(該当する場合は)サブグループ解析
・ サブグループ解析を行う場合は、この節に記載し、その実施を正当化する情報を記載する。
5.4 分析の妥当性の検討
・ 分析結果の妥当性について検討し記載する。特に、推計された効果や費用について既存の臨
床研究(論文)や統計、長期的な疫学調査との整合性等について記載する。
5.5 得られた分析結果の解釈
3.6) 解釈
結果の解釈及び解釈方法についても提示すること。効率性フロンティア法等による解釈が
可能な場合には、同時に提出してもよい。
・
・ 5.1節から5.4節で得られた結果をどのように解釈すべきか記載する。
・ 分析には数値として反映されていないが、結果を解釈する際に考慮すべきものがあれば記載
する。
・ 本分析の課題や限界、既存文献等との整合性について記載する。
12
6. 再分析用のデータ
・ 再分析用データについては、参考人らが結果の再現等可能になるよう電子ファイルの形式で提
出する。その際、入力するパラメータ等は操作可能な状態にしておく。
・ 使用したソフトウェアとバージョン、ファイル名、提出メディア形式(USBメモリ、CD-R等)につい
て記載する。
7.実施体制
・ 費用対効果評価を実施するにあたって研究機関に所属する医療経済学等の専門家に分析の
助言や実施を依頼した場合は、その名前と所属、役割等を記載すること。
・ 上記の協力を受けた研究者の個人名や所属については原則として公開しない。
8. 参考文献
・ 使用した参考文献について記載する。
13
別添
0.要旨
分析対象技術名 [1.1節]
対象とする疾患・集団 [2.1節]
比較対照技術名 [2.2節]
費用の範囲 [2.3節]
使用する効果指標 [2.4節]
設定した分析期間 [2.5節]
割引率 [2.6節]
システマティックレビュー実施の
有無 [3.1節]
分析に使用した主要な臨床研究
の概要 [3.2節]
費用対効果の分析方法の概要
[4.1.1項、4.1.3項、4.2節等]
費用のデータソース (単価や資
源消費量に関するもの) [4.3
節]
結果の概要 [5.1節~5.4節]
結果の解釈 [5.5節]
1.5 使用方法等
(例)
投与経路 経口
投与方法 医薬品Aと併用する
投与量 10mg~20mg
投与頻度 毎日
平均的な投与期間(あるいはサイクル数) 約半年
14
平均投与量 15mg/day
2.7 分析条件の設定の要約
(例)
分析対象とする集団 疾患Aをもち、標準療法(治療B)が
無効であった患者
比較対照 無治療
費用の範囲 公的医療費のみ
効果指標 QALY、生存年
分析期間 生涯
割引率 費用・効果ともに年率2%
3.1システマティックレビュー
・ システマティックレビューの詳細
(例)
対象集団 疾患Aで治療Bが無効になった患者
介入 医薬品C
比較対照 無治療 (プラセボ等)
アウトカム 生存期間
研究デザイン 無作為化比較試験
その他 観察期間が1年以上
・ 同定した臨床研究(論文)の一覧表
臨床試験名 対象集団 介入 比較対照 研究デザイン Reference
・ 同定した臨床研究(論文)の詳細表
【試験1】 (例)
試験を実施した場所 日本、米国等5カ国
参加者の募集期間 2001年4月から2002年12月
対象集団 疾患Aを持つ40歳以上の患者
15
主な除外基準 治療Bを受けている患者
医薬品C 10mgを1日2回、16週間に
介入方法の詳細
わたって投与する。
比較対照の詳細 プラセボ
無作為化比較試験。遺伝子型Dを層別
試験デザイン
因子として割り付け。
盲検化法 二重盲検法
主要評価項目 40週時点での臨床検査値E
主な副次評価項目 HRQOL、有害作用等
統計解析手法 ベースライン値を補正した共分散分析
医薬品C群: n=450、プラセボ群: n
サンプル数
=442
フォローアップ期間 平均43週
主な人口統計学的性質 年齢: 平均55歳、性別: 男性 70%…
臨床検査値Eの群間差は-18 (95%
主要評価項目の結果
CI: -24 - -12)
HRQOL値の群間差は3 (95% CI: -5
主な副次評価項目の結果
- 12)。主な有害事象は有意差なし。
・ 比較的軽度の患者のみ含まれている。
試験の限界 ・ 臨床検査値では差があるが、HRQOL
では有意差がない。
4.1.2 分析で使用したパラメータ
(該当する場
変数名 値 分布 設定根拠
合) 95% CI
(例) 年齢 57 - - 2.1で設定した分析対象集団
(例) 全生存期間 25ヶ月 - ワイブル 3.2で同定した無作為化比較試験
(例) 評価対象技術の
0.65 0.54-0.76 対数正規 3.2で同定した無作為化比較試験
有効性(ハザード比)
(例) 健康状態Aの
0.71 0.62-0.77 正規
QOL値
(例) 評価対象技術の
100,000円 - 対数正規
一月あたり費用
16
4.2 (該当する場合は)QOL 評価の詳細
変数名 測定国 測定した集団の詳細 使用した尺度 測定者数 reference
疾患Aを持つ集団で、
(例)健康状態A
日本 治療法等には制限な EQ-5D n=60 [12]
のQOL値
し。平均年齢60歳。
4.3 費用の算出根拠
【治療Aの費用】
項目名 単価 個数 小計
(例) D007 血液化学検査 5. LDL-コレステロール 180 1 180
(例) D026 検体検査判断料 3 生化学的検査(I)判
1,440 1 1,440
断料
総計 9,690
5.1増分費用、増分効果、増分費用効果比
(例1) 生存年
効果 (年) 増分効果 (年) 費用 (円) 増分費用 (円) ICER
評価対象技術
比較対照技術
(例2) QALY
効果 (QALY) 増分効果 (QALY) 費用 (円) 増分費用 (円) ICER
評価対象技術
比較対照技術
・ (該当する場合は)各健康状態で得られる費用と効果
評価対象技術 比較対照技術
効果 (単位) 費用 (円) 効果 (単位) 費用 (円)
17
健康状態A
健康状態B
…
・ 費用の内訳の詳細
評価対象技術 比較対照技術
(例) 医薬品Aの投与費用
(例) 画像検査費用
(例) 有害事象への対処費用
(例) 手術費用
…
6. 再分析用のデータ
使用したソフトウェア バージョン ファイル名 提出メディア
18
中 医 協 費 - 3
2 7 . 5 . 2 7
今後の費用対効果評価に関する制度のあり方について(案)
1.費用対効果評価専門部会におけるこれまでの議論
○ 費用対効果評価については、平成 25 年 11 月6日に本部会において「中間的な整理」
について議論した際に、具体的な医薬品・医療機器に関するデータ等を用いて検討す
ることが必要とされたことを受け、平成 26 年度の取り組みとして、具体例の検討を
実施し、制度設計に向けた課題の抽出を進めているところ。
2.今後の議論について
○ 「中間的な整理」や、「具体例の検討」により抽出できた課題等を踏まえ、今後、以
下の主な論点ごとにさらに議論を深めることとしてはどうか。
論点(1)データ提出のあり方等について
・評価対象の選定基準の考え方
・データ提出のあり方 等
論点(2)分析の方法について
・分析ガイドライン
・効果指標の考え方 等
論点(3)評価の一連の流れのあり方について
・再分析のあり方
・アプレイザルのあり方 等
論点(4)評価結果の活用方法について
○ 費用対効果評価に関する制度のあり方については、上記の論点整理を踏まえ、以下
のスケジュールで議論を進めてはどうか。
5月27日(本日) 具体例の検討に係る議論を通じた課題等を報告
6月~ 個別の論点に沿って、さらに議論
夏(目途) 中間報告
夏以降 残る課題について引き続き議論
この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。