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総-5 参考3

総会 第651回 / 2026-06-24 開催 / 15ページ

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中医協 総-5参考3 8 . 6 . 2 4 最適使用推進ガイドライン チスレリズマブ(遺伝子組換え) ~胃癌~ 令和8年6月 厚生労働省 目次 1. はじめに P.2 2. 本剤の特徴、作用機序 P.3 3. 臨床成績 P.4 4. 施設について P.10 5. 投与対象となる患者 P.12 6. 投与に際して留意すべき事項 P.14 1 1.はじめに 医薬品の有効性・安全性の確保のためには、添付文書等に基づいた適正な使用が求め られる。さらに、近年の科学技術の進歩により、抗体医薬品などの革新的な新規作用機 序医薬品が承認される中で、これらの医薬品を真に必要な患者に提供することが喫緊の 課題となっており、経済財政運営と改革の基本方針2016(平成28年6月2日閣議決定) においても、革新的医薬品等の使用の最適化推進を図ることとされている。 新規作用機序医薬品は、薬理作用や安全性プロファイルが既存の医薬品と明らかに異 なることがある。このため、有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間、 当該医薬品の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに、副作 用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件を満たす医療機関で使用 することが重要である。 したがって、本ガイドラインでは、開発段階やこれまでに得られている医学薬学的・ 科学的見地に基づき、以下の医薬品の最適な使用を推進する観点から必要な要件、考え 方及び留意事項を示す。 なお、本ガイドラインは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、公益社団法人日本 臨床腫瘍学会、一般社団法人日本臨床内科医会及び一般社団法人日本胃癌学会の協力の もと作成した。 対象となる医薬品:チスレリズマブ(遺伝子組換え) 対象となる効能又は効果:治癒切除不能な進行・再発の胃癌 対象となる用法及び用量:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には、チスレリ ズマブ(遺伝子組換え)として、1回200 mgを3週間間隔で60 分かけて点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、 2回目以降の投与時間は30分まで短縮できる。 製 造 販 売 業 者:ビーワン・メディシンズ合同会社 2 2.本剤の特徴、作用機序 チスレリズマブ(遺伝子組換え)(以下、「本剤」という。)は、ヒトprogrammed cell death-1(以下、「PD-1」という。)に対するIgG4サブクラスのヒト化モノクローナル 抗体である。 PD-1は、抗原提示細胞に発現するPD-1リガンド(CD274(PD-L1)及びCD273(PD- L2))と結合し、免疫応答を負に制御すると考えられている(Immunol Rev 2010; 236: 219-42)。また、PD-L1及びPD-L2は、種々の腫瘍組織に発現していることが報告され ており(Nat Rev Immunol 2008; 8: 467-77)、PD-1/PD-L1経路は、腫瘍細胞が抗原特異的 なT細胞からの攻撃等を回避する機序の一つとして考えられている。 本剤は、PD-1の細胞外領域(PD-1リガンド結合領域)に結合し、PD-1とそのリガン ドであるPD-L1及びPD-L2との結合を阻害することにより、がん抗原特異的なT細胞 の活性化及びがん細胞に対する細胞傷害活性を増強することで、腫瘍の増殖を抑制する と考えられている。 本剤の作用機序に基づく過度の免疫反応による副作用等があらわれ、重篤又は死亡に 至る可能性がある。本剤の投与中及び投与後には、患者の観察を十分に行い、異常が認 められた場合には、発現した事象に応じた専門的な知識と経験を持つ医師と連携して適 切な鑑別診断を行い、過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホル モン剤の投与等の適切な処置を行う必要がある。 3 3.臨床成績 治癒切除不能な進行・再発の胃癌の承認時に評価を行った臨床試験の成績を示す。 【有効性】 国際共同第Ⅲ相試験(BGB-A317-305試験) 化学療法歴のないHER2陰性の切除不能な局所進行性又は遠隔転移を有する胃腺癌 又は食道胃接合部腺癌患者 997 例*1(日本人 101 例を含む)を対象に、治験担当医師 が選択した化学療法併用下で本剤とプラセボの有効性及び安全性を比較することを 目的とした無作為化二重盲検試験が実施された(図1)。主要評価項目であるPD-L1陽 性解析対象集団(PD-L1発現状況、TAP≧5%)及びITT解析対象集団における全生存 期間(OS)は、いずれの集団においても、プラセボと化学療法との併用(以下、「P+C」) 群と比較して本剤と化学療法との併用(以下、「T+C」)群で統計学的に有意な延長を 示した(表1、2、図2、3)。 *1:無作為化前に選択された治験担当医師が選択した化学療法は以下のとおり。 無作為化前に選択された治験担当医師が 投与群 例数 選択した化学療法 カペシタビンとオキサリプラチンとの併用 T+C群 466例 P+C群 465例 フルオロウラシルとシスプラチンとの併用 T+C群 35例 P+C群 31例 図1 BGB-A317-305試験のデザイン 4 表1 OSの中間解析結果(PD-L1陽性集団(TAP≧5%)、2021年10月8日データカットオフ) T+C P+C (274例) (272例) OS 中央値[カ月] 17.2 12.6 (95%信頼区間) (13.9, 21.3) (12.0, 14.4) ハザード比 0.74 - (95%信頼区間)*1 (0.59, 0.94) *2 P値(片側)*3 0.0056 - *1:地域(東アジア対その他の地域)及び腹膜転移の有無を層別因子とした層別Cox比例ハザードモデル *2:有意水準に対応した98.2%CIは[0.56, 0.98] *3:層別log-rank検定(層別Cox比例ハザードモデルと同一の層別因子)、有意水準(片側)0.0092 図2 OSの中間解析時のKaplan-Meier曲線(PD-L1陽性集団(TAP≧5%)、2021年10 月8日データカットオフ) *Arm A:T+C群、Arm B:P+Cプラセボ群 5 表2 OSの最終解析結果(ITT集団、2023年2月28日データカットオフ) T+C P+C (501例) (496例) OS 中央値[カ月] 15.0 12.9 (95%信頼区間) (13.6, 16.5) (12.1, 14.1) ハザード比 0.80 - (95%信頼区間)*1 (0.70, 0.92) *2 P値(片側)*3 0.0011 - *1:地域(東アジア対その他の地域)、PD-L1発現及び腹膜転移の有無を層別因子とした層別Cox比例 ハザードモデル *2:有意水準に対応した95.5%CIは[0.69, 0.93] *3:層別log-rank検定(層別Cox比例ハザードモデルと同一の層別因子)、有意水準(片側)0.0226 図3 OSの最終解析時のKaplan-Meier曲線(ITT集団、2023年2月28日データカットオ フ) *Arm A: T+C群、Arm B:P+C群 6 (PD-L1発現状況別の有効性) 国際共同第Ⅲ相試験(BGB-A317-305 試験)に組み入れられた患者のうち、腫瘍組 織検体におけるPD-L1の発現状況(TAP)に関する情報が得られた患者のデータに基 づき、PD-L1発現状況別の探索的な解析を行った有効性の結果は以下のとおりであっ た。 表3 PD-L1発現状況別のOSの最終解析結果(BGB-A317-305試験、2023年2月28日データカットオフ) OS イベント数 PD-L1発現 投与群 例数 中央値[95%CI] ハザード比*1, *2 (%) (カ月) [95%CI] T+C 227 178(78.4) 14.1[11.9, 15.6] 0.91 TAP<5% P+C 224 187(83.5) 12.9[11.3, 14.7] [0.74, 1.12] T+C 138 108(78.3) 13.8[10.8, 16.2] 0.91 5≦TAP<10% P+C 127 101(79.5) 13.3[12.0, 15.0] [0.70, 1.20] T+C 136 84(61.8) 22.5[16.4, 26.4] 0.57 TAP≧10% P+C 145 118(81.4) 12.3[11.3, 14.9] [0.43, 0.76] *1:PD-L1判定不能であった患者は除外された、*2:非層別Cox比例ハザードモデル 図4 PD-L1発現状況別のOSの最終解析時のKaplan-Meier曲線(BGB-A317-305試験、2023年2月28日データ カットオフ)(上段:TAP<5%、中段:5≦TAP<10%、下段:TAP≧10%) 7 【安全性】 国際共同第Ⅲ相試験(BGB-A317-305試験) 有害事象はT+C群495/498例(99.4%)、P+C群486/494例(98.4%)に認められ、治 験薬との因果関係が否定できない有害事象は、それぞれ483/498例(97.0%)及び476/494 例(96.4%)に認められた。いずれかの群で発現割合が5%以上の副作用は下表のとおり であった。 表4 いずれかの群で発現割合が5%以上の副作用(BGB-A317-305試験) 例数(%) 基本語 T+C群 P+C群 (PT: Preferred Term) (MedDRA ver.25.1) 498例 494例 全Grade Grade 3-4 Grade 5 全Grade Grade 3-4 Grade 5 全副作用 483 (97.0) 268 (53.8) 11 (2.2) 476 (96.4) 246 (49.8) 4 (0.8) 悪心 237 (47.6) 13 (2.6) 0 (0.0) 232 (47.0) 9 (1.8) 0 (0.0) 食欲減退 182 (36.5) 14 (2.8) 0 (0.0) 185 (37.4) 16 (3.2) 0 (0.0) 血小板数減少 175 (35.1) 56 (11.2) 0 (0.0) 183 (37.0) 57 (11.5) 0 (0.0) 好中球数減少 168 (33.7) 59 (11.8) 0 (0.0) 160 (32.4) 57 (11.5) 0 (0.0) 嘔吐 161 (32.3) 11 (2.2) 0 (0.0) 162 (32.8) 12 (2.4) 0 (0.0) 貧血 158 (31.7) 25 (5.0) 0 (0.0) 163 (33.0) 37 (7.5) 0 (0.0) アスパラギン酸アミノ 146 (29.3) 13 (2.6) 0 (0.0) 137 (27.7) 4 (0.8) 0 (0.0) トランスフェラーゼ増加 白血球数減少 119 (23.9) 15 (3.0) 0 (0.0) 134 (27.1) 8 (1.6) 0 (0.0) アラニンアミノトラン 113 (22.7) 8 (1.6) 0 (0.0) 97 (19.6) 4 (0.8) 0 (0.0) スフェラーゼ増加 下痢 111 (22.3) 12 (2.4) 0 (0.0) 126 (25.5) 11 (2.2) 0 (0.0) 末梢性感覚ニューロパ 106 (21.3) 1 (0.2) 0 (0.0) 116 (23.5) 3 (0.6) 0 (0.0) チー 手掌・足底発赤知覚不全 95 (19.1) 15 (3.0) 0 (0.0) 93 (18.8) 10 (2.0) 0 (0.0) 症候群 無力症 76 (15.3) 10 (2.0) 0 (0.0) 71 (14.4) 7 (1.4) 0 (0.0) 疲労 75 (15.1) 9 (1.8) 0 (0.0) 61 (12.3) 6 (1.2) 0 (0.0) 好中球減少症 74 (14.9) 33 (6.6) 0 (0.0) 80 (16.2) 34 (6.9) 0 (0.0) 感覚鈍麻 69 (13.9) 1 (0.2) 0 (0.0) 67 (13.6) 0 (0.0) 0 (0.0) 血中ビリルビン増加 61 (12.2) 7 (1.4) 0 (0.0) 58 (11.7) 3 (0.6) 0 (0.0) 血小板減少症 60 (12.0) 15 (3.0) 0 (0.0) 56 (11.3) 14 (2.8) 0 (0.0) 体重減少 58 (11.6) 0 (0.0) 0 (0.0) 54 (10.9) 0 (0.0) 0 (0.0) 甲状腺機能低下症 57 (11.4) 1 (0.2) 0 (0.0) 13 (2.6) 0 (0.0) 0 (0.0) そう痒症 45 (9.0) 1 (0.2) 0 (0.0) 9 (1.8) 0 (0.0) 0 (0.0) 8 例数(%) 基本語 T+C群 P+C群 (PT: Preferred Term) (MedDRA ver.25.1) 498例 494例 全Grade Grade 3-4 Grade 5 全Grade Grade 3-4 Grade 5 白血球減少症 44 (8.8) 6 (1.2) 0 (0.0) 44 (8.9) 7 (1.4) 0 (0.0) 発熱 44 (8.8) 3 (0.6) 0 (0.0) 25 (5.1) 2 (0.4) 0 (0.0) 便秘 40 (8.0) 1 (0.2) 0 (0.0) 46 (9.3) 1 (0.2) 0 (0.0) 低アルブミン血症 38 (7.6) 1 (0.2) 0 (0.0) 46 (9.3) 2 (0.4) 0 (0.0) 口内炎 36 (7.2) 7 (1.4) 0 (0.0) 35 (7.1) 7 (1.4) 0 (0.0) 倦怠感 34 (6.8) 2 (0.4) 0 (0.0) 36 (7.3) 0 (0.0) 0 (0.0) 発疹 34 (6.8) 0 (0.0) 0 (0.0) 9 (1.8) 0 (0.0) 0 (0.0) 低カリウム血症 28 (5.6) 6 (1.2) 0 (0.0) 33 (6.7) 9 (1.8) 0 (0.0) 浮動性めまい 27 (5.4) 1 (0.2) 0 (0.0) 27 (5.5) 0 (0.0) 0 (0.0) リンパ球数減少 26 (5.2) 5 (1.0) 0 (0.0) 20 (4.0) 5 (1.0) 0 (0.0) 腹痛 16 (3.2) 0 (0.0) 0 (0.0) 25 (5.1) 2 (0.4) 0 (0.0) なお、T+C群において間質性肺疾患16例(3.2%)、Infusion reaction 220例(44.2%)、 大腸炎 6 例(1.2%)、小腸炎 2 例(0.4%)、重度の下痢 12 例(2.4%)、肝不全 9 例 (1.8%)、肝機能障害199例(40.0%)、肝炎8例(1.6%)、心筋炎3例(0.6%)、重 度の皮膚障害20例(4.0%)、筋炎3例(0.6%)、横紋筋融解症1例(0.2%)、重症筋 無力症 1 例(0.2%)、内分泌障害(甲状腺機能障害、副腎機能障害、下垂体機能障害) 66例(13.3%)、1型糖尿病5例(1.0%)、膵炎1例(0.2%)、腎機能障害(尿細管間 質性腎炎、糸球体腎炎等)9例(1.8%)、脳炎14例(2.8%)、神経障害(ギラン・バレ ー症候群等)239 例(48.0%)、重篤な血液障害 22 例(4.4%)、静脈血栓塞栓症 5 例 (1.0%)、重度の胃炎49例(重篤5.8%)が認められた。また、心膜炎、髄膜炎、脊髄 炎、結核、ぶどう膜炎、硬化性胆管炎は認められなかった。本副作用発現状況は関連事 象(臨床検査値異常を含む)を含む集計結果を示す。 9 4.施設について 本剤の投与が適切な患者を診断・特定し、本剤の投与により重篤な副作用を発現した 際に対応することが必要なため、以下の①~③のすべてを満たす施設において使用する べきである。 ① 施設について ①-1 下記の(1)~(5)のいずれかに該当する施設であること。 (1) 厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等(都道府県がん診療連携拠点病院、 地域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院など) (2) 特定機能病院 (3) 都道府県知事が指定するがん診療連携病院(がん診療連携指定病院、がん診療連携 協力病院、がん診療連携推進病院など) (4) 外来化学療法室を設置し、外来腫瘍化学療法診療料 1、外来腫瘍化学療法診療料 2 又は外来腫瘍化学療法診療料3の施設基準に係る届出を行っている施設 (5) 抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出を行っている施設 ①-2 胃癌の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師(下表の いずれかに該当する医師)が、当該診療科の本剤に関する治療の責任者として配置され ていること。 表  医師免許取得後 2 年の初期研修を修了した後に 5 年以上のがん治療の臨床研修 を行っていること。うち、2年以上は、がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研 修を行っていること。  医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に消化器癌のがん薬物療法を含む5 年以上の消化器外科学の修練を行っていること。  医師免許取得後 2 年の初期研修を修了した後に 4 年以上の臨床経験を有してい ること。うち、3年以上は、消化器癌のがん薬物療法を含む消化器病学の臨床研 修を行っていること。 ②院内の医薬品情報管理の体制について 医薬品情報管理に従事する専任者が配置され、製薬企業からの情報窓口、有効性・安 全性等薬学的情報の管理及び医師等に対する情報提供、有害事象が発生した場合の報告 業務等が速やかに行われる体制が整っていること。 10 ➂ 副作用への対応について ③-1 施設体制に関する要件 間質性肺疾患等の重篤な副作用が発生した際に、24 時間診療体制の下、当該施設又 は連携施設において、発現した副作用に応じて入院管理及びCT等の副作用の鑑別に必 要な検査の結果が当日中に得られ、直ちに対応可能な体制が整っていること。 ③-2 医療従事者による有害事象対応に関する要件 がん診療に携わる専門的な知識及び技能を有する医療従事者が副作用モニタリング を含めた苦痛のスクリーニングを行い主治医と情報を共有できるチーム医療体制が整 備されていること。なお、整備体制について、がん患者とその家族に十分に周知されて いること。 ③-3 副作用の診断や対応に関して 副作用(間質性肺疾患に加え、infusion reaction、大腸炎・小腸炎・重度の下痢、肝 不全・肝機能障害・肝炎、心筋炎・心膜炎、重度の皮膚障害、筋炎・横紋筋融解症・ 重症筋無力症、内分泌障害(甲状腺機能障害、副腎機能障害、下垂体機能障害)、1型 糖尿病、膵炎、腎機能障害(尿細管間質性腎炎、糸球体腎炎等)、脳炎・髄膜炎・脊髄 炎、神経障害(ギラン・バレー症候群等)、重篤な血液障害、静脈血栓塞栓症、結核、 ぶどう膜炎、重度の胃炎、硬化性胆管炎、臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)の ある患者への使用、胚・胎児毒性及び免疫原性等)に対して、当該施設又は近隣医療 機関の専門性を有する医師と連携し(副作用の診断や対応に関して指導及び支援を受 けられる条件にあること)、直ちに適切な処置ができる体制が整っていること。 11 5.投与対象となる患者 【有効性に関する事項】 ① 下記の患者において、本剤と化学療法との併用投与*の有効性が示されている。  HER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌患者 *:併用された化学療法は以下のとおり。  オキサリプラチン及びカペシタビン  シスプラチン及び5-FU ② 下記に該当する患者に対する本剤の投与及び使用方法については、本剤の有効性が確 立されておらず、本剤の投与対象とならない。  ①で本剤の有効性が示されていない他の抗悪性腫瘍剤との併用投与  手術の補助療法  HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌 ③ 国際共同第Ⅲ相試験(BGB-A317-305試験)において、PD-L1発現率(TAP)により 本剤と化学療法との併用投与の有効性が異なる傾向が示唆されている(p7参照)こ とから、本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用投与に際しては、TAPも確認した上で投 与可否の判断をすることが望ましい。TAP が 10 未満であることが確認された患者 においては、本剤以外の治療選択肢も考慮すること。 12 【安全性に関する事項】 ① 下記に該当する患者については本剤の投与が禁忌とされていることから、投与を行 わないこと。  本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 ② 治療前の評価において下記に該当する患者については、本剤の投与は推奨されない が、他の治療選択肢がない場合に限り、慎重に本剤を使用することを考慮できる。  間質性肺疾患の合併又は既往のある患者  胸部画像検査で間質影を認める患者及び活動性の放射線肺臓炎や感染性肺炎等 の肺に炎症性変化がみられる患者  自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある 患者  臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者  結核の感染又は既往を有する患者  ECOG Performance Status 3-4(注1)の患者 (注1) ECOGのPerformance Status(PS) Score 定義 0 全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限なく行える。 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。 1 例:軽い家事、事務作業 2 歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。 3 限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。 4 全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす。 13 6.投与に際して留意すべき事項 ① 添付文書等に加え、製造販売業者が提供する資料等に基づき本剤の特性及び適正使 用のために必要な情報を十分に理解してから使用すること。 ② 治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得 てから投与すること。 ③ 主な副作用のマネジメントについて  本剤の投与により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態 があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、過 度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度 の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を 考慮すること。また、本剤投与終了後に重篤な副作用があらわれることがある ので、本剤投与終了後も観察を十分に行うこと。  間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳 嗽等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、必要 に応じて胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。  Infusion reactionがあらわれることがある。Infusion reactionが認められた場合に は、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察 すること。  肝不全、肝機能障害、肝炎があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び 投与期間中は定期的に肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP、Al-P、ビリルビン等の 測定)を行うこと。  甲状腺機能障害、下垂体機能障害及び副腎機能障害があらわれることがあるの で、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離 T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を実施すること。  1 型糖尿病(劇症 1 型糖尿病を含む)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス に至ることがあるので、口渇、悪心、嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十 分注意すること。1 型糖尿病が疑われた場合には投与を中止し、インスリン製 剤の投与等の適切な処置を行うこと。  投与終了後、数週間から数カ月経過してから副作用が発現することがあるため、 本剤の投与終了後にも副作用の発現に十分に注意する。 ④ BGB-A317-305試験では投与開始から48週間後までは6週間間隔、その後は9週間 間隔で有効性評価を行っていたことを参考に、本剤投与中は定期的に画像検査で効 果の確認を行うこと。 14

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出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)

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