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総会 第651回 / 2026-06-24 開催 / 14ページ

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中医協 総-5参考5 8 . 6 . 2 4 最適使用推進ガイドライン セマグルチド(遺伝子組換え) (販売名:ウゴービ皮下注) ~代謝機能障害関連脂肪肝炎~ 令和8年6月 厚生労働省 目次 1. はじめに P2 2. 本剤の特徴、作用機序 P3 3. 臨床成績 P4 4. 施設について P6 5. 投与対象となる患者 P8 6. 投与に際して留意すべき事項 P10 1 1.はじめに 医薬品の有効性・安全性の確保のためには、添付文書等に基づいた適正な使用が求め られる。さらに、近年の科学技術の進歩により、抗体医薬品等の革新的な新規作用機序 を有する医薬品が承認される中で、これらの医薬品を真に必要とする患者に適切に提供 することが喫緊の課題となっており、経済財政運営と改革の基本方針2016(平成28年 6月2日閣議決定)においても、革新的医薬品等の使用の最適化推進を図ることとされ ている。 新規作用機序を有する医薬品は、薬理作用や安全性プロファイルが既存の医薬品と明 らかに異なることがある。このため、有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積される までの間、当該医薬品の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとと もに、副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件を満たす医療機 関で使用することが重要である。 したがって、本ガイドラインでは、開発段階やこれまでに得られている医学薬学的・ 科学的見地に基づき、以下の医薬品の最適な使用を推進する観点から必要な要件、考え 方及び留意事項を示す。 なお、本ガイドラインは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、一般社団法人日本 肝臓学会、一般財団法人日本消化器病学会、一般社団法人日本肥満学会、日本肥満症治 療学会、一般社団法人日本糖尿病学会、一般社団法人日本内分泌学会、一般社団法人日 本循環器学会及び一般社団法人日本内科学会の協力のもと作成した。 対象となる医薬品:ウゴービ皮下注(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え)) 対象となる効能又は効果:肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎 ただし、中等度又は高度の線維化を有する場合に限る。 対象となる用法及び用量:通常、成人には、セマグルチド(遺伝子組換え)として0.25mgか ら投与を開始し、週 1 回皮下注射する。その後は 4 週間の間隔 で、週1回0.5mg、1.0mg、1.7mg及び2.4mgの順に増量し、以降 は2.4mgを週1回皮下注射する。なお、患者の状態に応じて適宜 減量する。 製 造 販 売 業 者:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 2 2.本剤の特徴、作用機序 代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)は重篤な進行性肝疾患であり、代謝機能障害関 連脂肪性肝疾患(MASLD)の一部である。MASLD患者の約20%において、脂肪性肝疾 患はMASHに進行する1。MASHは、肝細胞の5%以上に脂肪蓄積(脂肪化)がみられ、 炎症及び肝細胞傷害(肝細胞風船様変性)を伴うことが特徴で、肝線維化の所見の有無 は問わない2。MASH が進行すると、線維化による損傷が肝硬変を引き起こす可能性が あり、肝硬変は、代償不全性事象、肝不全、肝細胞癌などのさらなる合併症につながる 可能性がある3。MASH の進行は合併症のリスクの上昇と関連している。高度に線維化 が進行したMASH患者では、肝関連事象が最も頻度の高い合併症となる。 MASLDと心血管リスク上昇の間には強い相関があり、心血管系疾患は合併症や死因 の中で頻度が高い4。 MASLD及びMASHは、内臓肥満、脂質異常症、インスリン抵抗性などの代謝異常と 密接に関連している。さらに、MASH患者において肥満と2型糖尿病が存在すると、線 維化の進行リスクが高まる5,6。 MASLD及びMASHは多因子疾患である。その因子としては、脂質生合成経路の調節 異常、酸化ストレス、遺伝的素因、免疫応答の異常、腸内細菌叢の異常(ディスバイオ シス)などが挙げられる3,7,8,9。MASLD及びMASHの病因を、肝脂質蓄積、インスリン 抵抗性、炎症、アポトーシス及び肝線維化を介した代謝機能障害の機序と関連付けるエ ビデンスが増えつつある10。 セマグルチドは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬に分類されるGLP- 1アナログであり、ヒトGLP-1と94%のアミノ酸配列の相同性を示す。セマグルチドは 肥満症及び2型糖尿病の治療において豊富な臨床使用経験を有する。国内において、セ マグルチド2.4 mg週1回皮下投与(販売名:ウゴービ)は、肥満症の適応で承認されて いる。また、セマグルチド0.5及び1.0 mg週1回皮下投与(販売名:オゼンピック)及 び経口セマグルチド1日1回投与(販売名:リベルサス)は2型糖尿病の治療薬として 承認されている。今般、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の効果的な治療選択肢を 提供する薬剤としてセマグルチド2.4 mg週1回皮下投与の開発を行った。 GLP-1 受容体は、心臓、血管、腎細胞及び免疫系の細胞にも発現するが11、肝細胞上 でのGLP-1受容体の発現は確認されていない12。よって、肝臓に対するセマグルチドの 効果は間接的なものであり、主に、代謝因子の改善 12(体重減少13、血圧低下 13及び炎 症抑制14,15)、ならびに糖及び脂質代謝の改善 13 によるところが大きいと考えられてい る。なお、本剤によるMASHの病態改善の機序には、体重減少の寄与に加え、MASHに おける炎症や線維化に関わる複数の蛋白質やシグナル経路の変化が観察されたことか ら、非体重依存の要素がある可能性が示唆されている16,17。 3 3.臨床成績 1. 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試 験(国際共同第III相試験:NN9931-4553) 【試験の概要】 non-alcoholic steatohepatitis clinical research network(NASH CRN)分類に基づく肝線 維化ステージがF2又はF3、non-alcoholic fatty liver disease Activity Score(NAS)が4 以上かつ脂肪化、小葉内炎症及び肝細胞風船様変性のいずれのスコアも1以上(病理 専門医による中央評価に基づく)の参加者1197例を無作為割り付けし、本剤2.4 mg 又はプラセボを投与した〔本剤群:802例(日本人:95例)及びプラセボ群:395例 (日本人:46例)〕。注1) 注1)組み入れられた参加者のBMI中央値は33.6 kg/m2であった。なお、19.0 kg/m2未満の参加者は 組み入れられなかった。 本剤は、週1回0.25 mgで投与を開始し、4週間ごとに段階的に0.5 mg、1.0 mg、 1.7 mg、2.4 mgへ増量した。 【有効性】 主要評価項目は、72週時点の「肝線維化の悪化を伴わないNASHの消失」が認め られた参加者の割合及び「NASHの悪化を伴わない肝線維化の改善」が認められた参 加者の割合とされ、少なくともどちらか1つの評価項目で優越性が示されれば試験成 功とみなすこととされた。無作為割り付けされた最初の800例(中間評価)〔本剤 群:534例(日本人:78例)及びプラセボ群:266例(日本人:38例)〕を対象とし た中間解析の結果、両方の主要評価項目でプラセボに対する本剤の優越性が示された (下表参照)。 なお、肝疾患関連アウトカムに対する本剤の有効性を評価することを目的として、 試験を継続中である(予定総投与期間:240週間)。 本剤群 プラセボ群 (534例) (266例) 肝線維化の悪化を伴わないNASHの消 62.9 34.3 失の達成割合(%)a) プラセボ群との群間差 28.7[21.1;36.2]、p<0.0001 [95%信頼区間]、p値b, c) NASHの悪化を伴わない肝線維化の改 36.8 22.4 善の達成割合(%)d) プラセボ群との群間差 14.4[7.5;21.3]、p<0.0001 [95%信頼区間]、p値b, e) プラセボ群のデータに基づく多重補完により欠測値を補完した。72週より前に肝関連事象 (死亡を含む)を発現した参加者は、非達成として取り扱った。 4 a) NASHの消失は、NASH CRNの基準でNASが小葉内炎症0~1、肝細胞風船様変性なし (0)と定義し、脂肪化の数値は問わない。肝線維化はNASH CRNの線維化分類で0~4に分 類した。 b) ベースラインの2型糖尿病の有無及び肝線維化ステージ(2又は3)を層別因子とした Mantel-Haenszel法により推定。72週の2つの主要評価項目の中間評価(無作為割り付けされ た最初の800例)では、それぞれ片側有意水準0.00225が用いられた。 c) 有意水準に対応する信頼区間(99.55%CI):[17.7, 39.6] d) 肝線維化の改善は、NASH CRNの線維化分類で1ステージ以上の改善と定義した。 「NASHの悪化を伴わない」とは、NASの肝細胞風船様変性、小葉内炎症又は脂肪化のスコ アにベースラインからの増加がみられないことと定義した。 e) 有意水準に対応する信頼区間(99.55%CI):[4.4, 24.4] 【安全性】 安全性に関連する評価は、中間解析に係るデータカットオフ日までに本剤又はプラセ ボの投与を受けたすべての参加者〔1,195例(セマグルチド群:800例、プラセボ群:395 例)のデータに基づいている。有害事象は、本剤群690例(86.3%)、プラセボ群311例 (78.7%)に認められた。副作用は、本剤群549例(68.6%)、プラセボ群161例(40.8%) で報告された。主な副作用(発現した参加者の割合5%以上)は、本剤群では悪心34.1%、 下痢20.3%、便秘17.3%、嘔吐15.9%、食欲減退13.6%、消化不良6.9%、腹部膨満6.5%、 疲労6.4%、胃食道逆流性疾患5.9%、腹痛5.6%、プラセボ群では悪心10.9%、下痢10.4%、 便秘5.3%、腹痛5.1%であった。 2 型糖尿病を有さない参加者において、本剤群で 1 例(0.3%)1 件、プラセボ群で 1 例(0.6%)1 件の低血糖に関する有害事象が報告された。2型糖尿病を有する参加者に おいては、ADA 2023分類18に従って評価した結果、本剤群で10例(2.2%)11件、プラ セボ群で1例(0.5%)1件の重大な低血糖(レベル 3)が報告された。また、本剤群で 33 例(7.4%)62 件、プラセボ群で 12 例(5.4%)43 件の重大な低血糖又は臨床的に問 題となる低血糖(レベル3又はレベル2)が報告された。 5 4.施設について 本剤が適応となる患者の選択、投与継続/中止及び再投与の判断は、適切に行われるこ とが求められる。また、本剤が適応となる MASH の患者では、心理的なケアやサポー トが必要であることが知られていることから、必要なサポートが受けられるよう留意す ること。 本剤を MASH の治療以外での、例えば、痩身・ダイエットなどを目的に本剤を投与 してはならない。また、本剤の投与により重篤な副作用が発現した際にも適切な対応を することが必要であるため、以下の①~③のすべてを満たす施設において使用するべき である。 ① 施設について  消化器内科、肝臓内科、内科のいずれかを標榜している保険医療機関であること。  MASHの病態、経過と予後、診断、治療(参考:国内外の最新の診療ガイドライ ン等)を熟知し、本剤についての十分な知識を有している医師(以下の<医師要 件>参照)の指導のもとで本剤の処方が可能な医療機関であること。  「5.投与対象となる患者」の【患者選択について】及び【投与の継続・中止につ いて】に記載した検査を適切に実施でき、患者選択、投与継続/中止及び再投与を 適切に判断出来る医師がいる医療機関であること。  施設内に、以下の<医師要件>(1)に掲げる学会専門医又は(2)に掲げる学 会専門医いずれかを有する常勤医師がおり、本剤による治療に携われる体制が整 っていること。  以下の<医師要件>(1)に掲げる学会専門医及び(2)に掲げる学会専門医の それぞれから最低1分野に係る学会専門医の関与が必要であるため、自施設に所 属していない専門医がいる場合は、当該専門医が所属する施設と適切に連携がと れる体制を有していること。  以下の<医師要件>(1)又は(2)に掲げる各学会のいずれかにより教育研修 施設として認定された施設であること。  常勤の管理栄養士による適切な栄養指導を行うことができる体制が整っている 施設であること。実施した栄養指導については診療録等に記録をとること。 <医師要件> 指導の要件として以下の基準を満たすこと。 医師免許取得後 2 年の初期研修を修了した後に、MASH 又は NASH の診療を 5 年以上行っていること。 又は 医師免許取得後、満 7 年以上の臨床経験を有し、そのうち 5 年以上は MASH 又 はNASHの臨床研修を行っていること。 その上で、以下の(1)、(2)のいずれかを満たすこと。 6 (1)MASH又はNASHの診療に関連する以下のいずれかの専門医を有していること。 ・ 日本肝臓学会(肝臓専門医) ・ 日本消化器病学会(消化器病専門医) (2)MASH 又は NASH の心代謝系危険因子の診療に関連する以下のいずれかの学会 の専門医を有していること。 ・ 日本内分泌学会(注 1) ・ 日本糖尿病学会(注 1) ・ 日本循環器学会 なお、日本肥満学会の専門医を有していることが望ましい。 (注 1)日本内分泌学会又は日本糖尿病学会の専門医には、両学会が認定する専 門医(内分泌代謝・糖尿病内科専門医)も含まれる。 ② 院内の医薬品情報管理の体制について  製薬企業等からの有効性・安全性等の薬学的情報の管理や、有害事象が発生した 場合に適切な対応と報告業務などを速やかに行うこと等の医薬品情報管理、活用 の体制が整っていること。 ③ 副作用への対応について  医薬品リスク管理計画(RMP)の安全性検討事項に記載された副作用や、使用上 の注意に記載された副作用に対して、当該施設又は近隣医療機関の専門性を有す る医師と連携し、副作用の診断や対応に関して指導及び支援を受け、直ちに適切 な処置ができる体制が整っていること。 7 5.投与対象となる患者 【患者選択について】 投与の要否の判断にあたっては、以下を満たすMASH患者であることを確認する。 • 最新の診療ガイドラインの診断基準に基づき、下記の効能又は効果を満たす患者で あること。 ・肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎 ただし、中等度又は高度の線維化を有する場合に限る。 • 本剤の処方を検討する際、NASH CRN分類に基づく肝線維化ステージがF2又はF3 に線維化が進行した患者であることを、生検によって確認すること。なお、肝生検 ガイダンス(日本肝臓学会編)19の禁忌の項を参考に、生検の実施が適切ではない と判断された場合には、非侵襲的検査(NIT)に基づき判定すること。NITを用いて 肝線維化ステージを判定する場合、最新の診療ガイドライン(MASLD診療ガイド ライン等)及び以下の2つの要件も参考に、VCTE、2D-SWE又はMRE、血液学的バ イオマーカー等の検査所見に加え、臨床所見、心代謝系危険因子及び画像所見等を 踏まえ、F2又はF3の患者であることを肝臓専門医又は消化器病専門医が総合的に 判断すること。 <除外基準(参考値)> ➢ 肝線維化ステージF0又はF1:VCTE 8 kPa未満,FIB-4 1.3(66歳以上では2.0) 未満,血小板数20万/µL以上の全てを満たす症例 ➢ 肝線維化ステージF4:VCTE 15 kPa以上ないし血小板数15万/µL未満 • 臨床試験においてBMI 19.0 kg/m2未満の患者は組入れられなかったことから、BMI 19.0 kg/m2未満の患者には投与しないこと。 • BMI 19.0 kg/m2以上23.0 kg/m2未満の患者については、臨床試験において、BMIが 低い患者において本剤の効果(特に NASH の悪化を伴わない線維化の改善)が小 さい傾向が認められたこと、組入れ患者のBMIの中央値は33.6 kg/m2であり、BMI 23.0 kg/m2未満の患者は限られている(プラセボ群8/266例、本剤群14/534例)こ とから、原則BMI 23.0 kg/m2以上の患者を対象とすること。19.0 kg/m2以上BMI 23.0 kg/m2未満の患者への適用を考慮する場合は、MASHに関する最新の診療ガイドラ インを参考に、本剤の有効性及び安全性を十分に理解し、患者に説明した上で、そ の必要性を慎重に判断すること。 【投与の継続・中止について】 • MASH や肥満症に関する最新の診療ガイドライン(MASLD 診療ガイドライン等) 等を参考に、本剤投与中も適切な食事療法・運動療法を継続するとともに、2ヶ月 に1回以上の頻度で管理栄養士又は主治医(4.①の<医師要件>(1)に掲げる 学会専門医に限る)による栄養指導を受けたことが管理記録等で確認できること。 • 本剤の投与開始後及び投与期間中においては、下記のとおり、肝臓の状態(肝硬変 の有無、肝酵素、肝硬度等)及び代謝関連指標(体重、血糖、血圧、脂質等)を確 8 認し、患者の状態を十分に観察した上で、MASLD 診療ガイドライン等を参考に、 肝臓専門医又は消化器病専門医による総合的な判断の下で、投与継続の必要性を判 断すること。 ➢ 本剤を 3~4 ヶ月間投与しても改善傾向が認められない場合は、本剤の投与中 止を検討すること。 ➢ 本剤投与開始12ヶ月後を目安に生検若しくはNIT(VCTE、2D-SWE又はMRE、 FIB-4 等)による肝臓の状態の確認を行うこと。確認の結果、肝臓の状態に改 善が認められない場合及び肝疾患の増悪(F4への進行等)が認められた場合に は、本剤の投与を原則として中止すること。また、肝線維化の十分な改善効果 (F0、F1 への改善)が認められた場合には、投与継続の必要性を慎重に判断 し、本剤の中止と食事療法・運動療法による管理を考慮すること。その後も本 剤を投与継続する場合は、12 ヶ月に 1 回を目安に生検又は NIT による肝臓の 状態の確認を行い、投与継続の必要性を慎重に判断すること。 • 本剤の投与中止後、肝線維化の状態の悪化が認められ、投与再開を検討する際には、 本剤の処方を検討する際の要件に従い、その必要性について十分に検討し、治療計 画を作成したうえで本剤の投与を再開すること。 9 6.投与に際して留意すべき事項 1) 下記の該当する患者については本剤の投与が禁忌とされていることから投与を行 わないこと。 ・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 ・糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者 ・2型糖尿病を有する患者における重症感染症、手術等の緊急の場合 2) 妊婦、妊娠している可能性のある女性には本剤を投与しないこと。また、2ヶ月以 内に妊娠を予定する女性では本剤の投与を中止すること。 3) 下記に該当する患者に対する投与の必要性は、慎重に判断すること。 ・膵炎の既往歴のある患者 ・重度胃不全麻痺等、重度の胃腸障害のある患者 ・低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態 ➢脳下垂体機能不全又は副腎機能不全 ➢栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状 態 ➢激しい筋肉運動 ➢過度のアルコール摂取者 ・腹部手術の既往又はイレウスの既往のある患者 ・全身麻酔又は深い鎮静下の患者 ・高齢者 4) 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。 5) 本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、異常が認められた場合には、 専門医を受診するよう指導すること。ラット及びマウスにおける 2 年間がん原性 試験おいて、臨床用量を下回る用量(最大臨床用量でのAUC比較においてラット では定量下限未満のため算出できず、マウスで約 0.5 倍)で、甲状腺 C 細胞腫瘍 の発生頻度の増加が認められたとの報告がある。甲状腺髄様癌の既往のある患者 及び甲状腺髄様癌又は多発性内分泌腫瘍症 2 型の家族歴のある患者に対する、本 剤の安全性は確立していない。 6) 急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、 使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。 7) 胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて画像検査等 による原因精査を考慮する等、慎重に対応すること。 8) 下痢、嘔吐から脱水を続発し、急性腎障害に至るおそれがあるので、患者の状態 に注意すること。 9) 胆嚢炎、胆石症等の急性胆道系疾患が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部 症状や肝・胆道系酵素の異常がみられた場合には、必要に応じて画像検査等によ る原因精査を考慮するなど、適切に対応すること。 10) 急激な血糖コントロールの改善に伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪があらわ れることがあるので、注意すること。 10 11) 本剤の使用にあたっては、患者に対し、低血糖症状及びその対処方法について十 分説明すること。低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転 等に従事している患者に投与するときは注意すること。 12) 本剤はMASH治療薬であり、効能又は効果以外の美容・痩身・ダイエットなどの 目的では使用しないこと。 13) 本剤はMASH治療薬であり、2型糖尿病の治療を主たる目的として使用しないこ と。本剤の他の効能又は効果である肥満症の治療を目的として使用する場合には、 該当する最適使用推進ガイドライン等に従って使用すること。 14) 本剤は血糖降下作用を有するが、インスリンの代替薬ではない。2 型糖尿病を有 する患者に対する本剤の投与に際しては、患者のインスリン依存状態を確認し、 インスリン依存状態の患者には投与しないこと。インスリン依存状態の患者で、 インスリンからGLP-1受容体作動薬に切り替え、急激な高血糖及び糖尿病性ケト アシドーシスが発現した症例が報告されている。 15) 本剤はセマグルチド(遺伝子組換え)を含有しているため、オゼンピック等他の セマグルチド(遺伝子組換え)含有製剤あるいはその他のGLP-1受容体作動薬等 のGLP-1受容体に対するアゴニスト作用を有する薬剤と併用しないこと。本剤の 処方にあたっては、他のセマグルチド(遺伝子組換え)含有製剤あるいはその他 のGLP-1受容体作動薬等が処方されていないことを確認すること。 16) 本剤と DPP-4 阻害剤はいずれも GLP-1 受容体を介した血糖降下作用を有してい る。2 型糖尿病を有する患者において両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、 有効性及び安全性は確立されていない。 17) 2型糖尿病を有する患者において、1.0 mgを超えるセマグルチド(遺伝子組換え) 皮下投与製剤とインスリン製剤との併用における有効性及び安全性は検討されて いない。 18) 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。 ・投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できるこ とを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。 ・全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。 ・添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。 19) 添付文書に加え、製造販売業者が提供する資料等に基づき本剤の特性及び適正使 用のために必要な情報を十分に理解してから使用すること。 20) 本剤のRMPを熟読し、安全性検討事項を確認すること。 11 参考文献 1 Estes C, Razavi H, Loomba R, Younossi Z, Sanyal AJ. 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