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中医協 総-6参考2
8 . 8 . 5
中 医 協 総 - 2
医薬品の費用対効果評価案について
8 . 6 . 2 4
うち有用性系 市場規模 総会での
品目名 効能・効果 収載時価格 費用対効果評価区分 頁
加算率 (ピーク時予測) 指定日
12,538.60円(300 1シート) H1(市場規模が
① パキロビッドパック SARS-CoV-2による感染症 5% 281億円 2023/3/8 2
19,805.50円(600 1シート) 100億円以上)
アウィクリ注 インスリン療法が適応となる H1(市場規模が
② 2,081円(300単位1キット) 5% 131億円 2024/11/13 6
フレックスタッチ 糖尿病 100億円以上)
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医薬品の費用対効果の総合的評価案について
対象品目名:パキロビッドパック(ニルマトレルビル/リトナビル)
製造販売業者名:ファイザー株式会社
使用目的又は効果:SARS-CoV-2による感染症
ICER(円/QALY) 患者割合
対象集団 比較対照技術
の区分 (%)
重症化リスク因子を有するSARS-CoV-2 に
モルヌピラビル 費用増加※1 100
よる感染症患者(小児を除く)
※1 比較対照技術に対し効果が同等であり、かつ費用が増加するもの
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(参考)パキロビッドパック(ルマトレルビル/リトナビル)の費用対効果評価案策定に係る主な検討
事項
1. 分析枠組み
重症化リスク因子*を有するSARS-CoV-2 による感染症患者(小児を除く)
なお、本邦のSARS-CoV-2 変異株流行状況(オミクロン株流行以降)やワクチン接種
分析対象集団 状況を考慮する。
*重症化リスク因子の定義は新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引
き・第9.0 版に準ずる。
比較対照技術名 モルヌピラビル
その他 該当せず
2. 分析枠組みに係る専門組織での主な検討事項
(専門組織の見解)
提案された分析枠組みは妥当である。
新型コロナウイルス感染症の治療薬の分析は、これまでの品目の分析と合わせ、パラメータ等の
整合性について考慮が必要ではないか。企業分析の結果を可能な限り尊重したうえで、科学的な
モデルを再構築しつつ、公的分析を進めていくのが良いのではないか。
オミクロン株流行以降を考慮するということであるが、EPIC-HR 試験のデータはオミクロン流行
前のデータであるため、リアルワールドデータも参照しながら再分析を進めるべきではないか。
(企業の不服意見)
なし
3. 費用対効果評価結果案策定に係る専門組織での主な検討事項
公的分析が再分析を行った主な点は以下の通りである。
追加的有用性の評価
製造販売業者は、評価対象技術および比較対照技術の第3相試験であるEPIC-HR試験とMOVe-OUT
試験の間接比較により、ニルマトレルビル/リトナビルがモルヌピラビルに対して、入院および死亡
の減少について追加的有用性を有すると評価した。しかしながら、これらの臨床試験はデルタ株流
行以前にワクチン未接種者を対象に行われたため、対象患者は分析枠組みの分析対象集団とは合致
していない。公的分析は、公的分析期間中に公表された EPIC-SR 試験に基づいて追加的有用性を評
価した。同試験の、デルタ株流行下で重症化リスク因子を有するワクチン接種者の集団においては、
主要評価項目である COVID-19 関連症状の回復までの時間はニルマトレルビル/リトナビルとプラセ
ボで有意差が認められなかった。副次評価項目である入院および死亡については、両群で有意差は
認められなかったものの、点推定値ではニルマトレルビル/リトナビルで改善傾向がみられた。この
結果より、デルタ株においてはニルマトレルビル/リトナビルが一定の重症化予防効果を有した可能
性は示唆される。しかしながら、前述の通り症状持続期間で群間に有意差がなく、点推定値で見て
もほぼ差がないことが示されており、検証的試験における主要評価項目で当初期待されていた程度
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の有効性が検出できなかったことと併せ考えれば、現時点においてオミクロン株流行時期のワクチ
ン接種環境下におけるニルマトレルビル/リトナビルのモルヌピラビルに対する追加的有用性は示
されていないと判断した。なお、ワクチン接種/オミクロン株流行下でニルマトレルビル/リトナビ
ルを評価した PANORAMIC 試験について、公開されていたアブストラクトに基づけば、ニルマトレル
ビル/リトナビル群の標準治療群に対する28 日以内の入院または死亡の調整オッズ比は1.18 [95%
信用区間 0.55–2.62]であり、統計的有意差を認めなかった。
費用最小化分析の実施
上記の通り、公的分析は現時点で利用可能なエビデンスに基づくと、ニルマトレルビル/リトナビ
ルの比較対照技術に対する追加的有用性は示されていないと判断したため、費用最小化分析を実施
した。
製造販売業者から提示された論点は以下の通りである。
追加的有用性について
合意されている比較対照技術は「標準治療」ではなく「モルヌピラビル」である。したがって、
「モルヌピラビルに対する追加的有用性の有無」を評価するべきである。公的分析の追加のSRで
新たに特定された2報のRCTは1報がデルタ株期のもの(EPIC-SR)、もう1報が他剤のもの(モル
ヌピラビルのPANORAMIC試験のフォローアップ研究)であり、本評価を中断する前と状況が何も変
わっていない。かつ、「ニルマトレルビル/リトナビルに関する追加分析の結果」で引用されてい
る、ニルマトレルビル/リトナビルのPANORAMIC試験の結果はThe New England Journal of
Medicine (NEJM)誌にはまだ正式には公開されていない。中医協の分析ガイドラインでは、「SRの
結果、適切なものが存在しない場合、「5.2」のプロセスに基づき、アウトカムを比較した非RCT
(観察研究等)のSRを実施し、追加的有用性を評価する。」と記載されている。ニルマトレルビル
/リトナビルにはモルヌピラビルに対して有意性を示した観察研究のNMA/MAが存在する。以上のこ
とから、ニルマトレルビル/リトナビルはモルヌピラビルに対して追加的有用性が示されていると
し、費用効果分析の結果によって、ニルマトレルビル/リトナビルの費用対効果の良否を評価すべ
きである。
以上を踏まえ、専門組織で議論し、追加的有用性の評価及び費用最小化分析の実施について、下記
の通り、公的分析結果が妥当であると考えられた。
今回の評価は分析中断後の再開であり、意思決定が求められる状況にあることから、公的分析
における費用最小化分析を基軸として評価を行うことが妥当である。
公的分析は利用可能なエビデンスに基づき適切に実施されており、費用最小化分析の採用は妥
当である。
PANORAMIC試験の要旨を踏まえて評価することについて異論は無い。重症化しやすい患者に対
して使用する薬剤であり、費用対効果評価の結果によって現在の位置づけは変わらないと考え
ている。
臨床的には費用対効果評価の結果に依らず使用されるべき薬剤である。コロナウイルス感染症
においては疫学が変化しており、患者数も少なくなってきている。新たな変異株が出た際には
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さらに変化する可能性があり、抗ウイルス薬の位置づけは重要である。短期成績としての効果
は限定的ではあるが、長期的な視点も引き続き注視が必要である。
上記専門組織の決定について、製造販売業者から、ニルマトレルビル/リトナビルと標準治療が比
較されたRCTを用いて追加的有用性の有無を評価するのではなく、ニルマトレルビル/リトナビルと
モルヌピラビルとの間接比較を実施して追加的有用性を評価すべきであるという趣旨の不服意見が出
された。専門組織では、以下の通り議論され、分析結果等については公的分析結果が妥当であると結
論付けられた。
報告時期が遅れることを踏まえると、追加分析は不要と思われる。
本剤は、ワクチン未接種、未感染かつ/または複数の重症化因子を持つ患者、免疫抑制患者に
は選択すべき有用な薬剤であるものの、現状はワクチン接種者、既感染者が大部分であること
に加え、オミクロン株では肺炎の発症も減少している。そのため、本剤の重症化・死亡の改善
を示す科学的合理性が得られていないのではないか。
PANORAMIC試験においては、RCTで全体の入院、死亡に対する本剤の効果が示されていないため、
公的分析は妥当な結果と考える。
令和8年4月23日にNEJM誌にて公表された当該試験に関する論文を拝見したが、ウイルスの
減少の速さ、症状の改善の速さは傾向があるものの、本剤の臨床現場での使用方法などは変わ
らないと考えられる。
<参考:本資料に係る留意事項>
・ 総合的評価では、企業分析及び公的分析双方とも一定の科学的妥当性が認められている。
・ 「専門組織での主な検討事項」は、双方の主な見解の相違部分を抜粋したものである。
・ 費用対効果評価の詳細については、国立保健医療科学院から公表される報告書を参照されたい。
(以上)
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医薬品の費用対効果の総合的評価案について
対象品目名:アウィクリ注 フレックスタッチ(インスリン イコデク)
製造販売業者名:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
使用目的又は効果:インスリン療法が適応となる糖尿病
ICER(円/QALY)の区 患者割合
対象集団 比較対照技術
分 (%)
インスリン グラルギン U300+追加イ
(a) 1型糖尿病患者 費用増加※1 5.0
ンスリン製剤
(b) 2 型糖尿病患者のうち、
インスリン療法の治療歴がな インスリン グラルギンU300 費用同等※2 71.4
い患者
(c) 2 型糖尿病患者のうち、
基礎インスリン療法の治療歴 インスリン グラルギンU300 費用同等※2 16.9
がある患者
(d) 2 型糖尿病患者のうち、
インスリン グラルギン U300+追加イ
基礎-追加インスリン療法の 費用増加※1 6.7
ンスリン製剤
治療歴がある患者
※1 比較対照技術に対し効果が同等であり、かつ費用が増加するもの
※2 比較対照技術に対し効果が同等であり、かつ費用が同等であるもの
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(参考)アウィクリの費用対効果評価案策定に係る主な検討事項
1. 分析枠組み
インスリン療法が適応となる糖尿病のうち、以下の患者を分析対象集団とする。
(a) 1型糖尿病患者
分析対象集団 (b) 2型糖尿病患者のうち、インスリン療法の治療歴がない患者
(c) 2型糖尿病患者のうち、基礎インスリン療法の治療歴がある患者
(d) 2型糖尿病患者のうち、基礎-追加インスリン療法の治療歴がある患者
分析対象集団(a)、(d): インスリン グラルギンU300+追加インスリン製剤
(評価対象技術: インスリン イコデク+追加インスリン製剤)
比較対照技術名
分析対象集団(b)、(c): インスリン グラルギンU300
その他 該当せず
2. 分析枠組みに係る専門組織での主な検討事項
(専門組織の見解)
本薬剤の投与を中止した場合の影響や高齢者に投与した場合の安全性等も含め、検討する必要が
あるのではないか。
治療満足度やアドヒアランスの改善に寄与するとのことであるが、実際の評価にどのように反映
するのか。
週1回の投与で良いという利便性は評価できるが、感染症などのsick dayでの対応や比較対照技
術に比べて入院等が増えるのかなど、データがあるかどうかも含め、安全性については慎重な検
討が必要である。
提案された分析枠組みは妥当であると考える。
(企業の不服意見)
なし
3. 費用対効果評価結果案策定に係る専門組織での主な検討事項
公的分析が再分析を行った主な点は以下の通りである。
分析対象集団(a)、(b)、(c)の追加的有用性について
製造販売業者は、インスリン イコデクとインスリン グラルギンU300との直接比較試験がないこ
とから、分析枠組みの設定時にインスリン グラルギンU300と「有効性、安全性の観点から明確な差
がないと考えられる」とされたインスリン デグルデクとの直接比較試験を用いて追加的有用性の評
価を行った。分析対象集団(a)では ONWARDS 6 を用いて評価し、インスリン デグルデクに対するイ
ンスリン イコデクの HbA1c 変化量の差がベースラインから 26 週時点で 0.05% (95%CI: −0.13 to
0.23)、52週時点で0.17% (95%CI: 0.02 to 0.31)と劣ること、及び臨床的に重要又は重大(レベル2
又は 3)な低血糖が統計学的に有意に多いことから、インスリン グラルギン U300 に対するインスリ
ン イコデクの追加的有用性を「効果が劣る」あるいは「同等とはみなせない」と判断した。分析対
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象集団(b)ではONWARDS 3を用いて評価し、インスリン デグルデクに対するインスリン イコデクの
HbA1c変化量の差が−0.2% (95%CI: −0.3 to −0.1)と統計学的な優越性が示されたことからインスリ
ン グラルギンU300に対するインスリン イコデクの追加的有用性が示されていると評価した。分析
対象集団(c)ではONWARDS 2を用いて評価し、インスリン デグルデクに対するインスリン イコデク
のHbA1c変化量の差が−0.22% (95%CI: −0.37 to −0.08)と統計学的な優越性が示されたことから、
インスリン グラルギンU300に対するインスリン イコデクの追加的有用性が示されていると評価し
た。
公的分析では、分析対象集団ごとに HbA1c 変化量と低血糖の発現状況のそれぞれについて追加的
有用性の評価を行った。HbA1c 変化量については、製造販売業者が追加的有用性評価に使用した
ONWARDS 2, 3, 6はHbA1c変化量を主要評価項目とした非劣性試験であり、各試験におけるHbA1c変
化量の群間差の点推定値は非劣性マージン 0.3%を下回っている。臨床専門家への意見聴取において
も、この点推定値が臨床的に意味のある差であるとは必ずしもみなせないことが支持されているこ
とから、分析対象集団(a)、(b)及び(c)のいずれも、インスリン グラルギンU300に対するインスリ
ン イコデクの追加的有用性が示されていないと評価した。低血糖の発現状況について、分析対象集
団(a)ではインスリン デグルデクに対するインスリン イコデクの臨床的に重要又は重大(レベル 2
又は3)な低血糖のestimated rate ratio (ERR)がベースラインから26週時点で1.89 (95%CI: 1.54
to 2.33)、ベースラインから 57週時点で1.80 (95%CI: 1.48 to 2.18)とインスリン イコデクで
統計学的に有意に多かった。分析対象集団(b)では、インスリン デグルデクに対するインスリン イ
コデクの臨床的に重要又は重大(レベル2又は3)な低血糖のERRがベースラインから投与26週時ま
ででは3.12 (95%CI: 1.30 to 7.51)、ベースラインから31週では1.82 (95%CI: 0.87 to 3.80)と
インスリン イコデクで多い傾向がみられた。分析対象集団(c)においても、臨床的に重要又は重大
(レベル2又は3)な低血糖のERRが1.93 (95%CI: 0.93 to 4.02)と統計学的な有意差がないものの、
インスリン イコデクで多い傾向がみられた。したがって、公的分析ではインスリン グラルギンU300
に対するインスリン イコデクの追加的有用性が「効果が劣る」あるいは「同等とはみなせない」と
評価した。公的分析では、主要なアウトカムであるHbA1c変化量についてインスリン イコデクの追
加的有用性が示されていないと評価したことから、分析対象集団(a)、(b)及び(c)において費用最小
化分析を実施した。
SGLT2阻害薬の薬価について
製造販売業者は、薬剤費用の算出にあたり、評価対象技術及び比較対照技術の費用に加えて、併用
する血糖降下薬の費用も計上した。血糖降下薬のうち、SGLT2阻害薬の薬価が2025年8月1日に改
定されたため、公的分析は最新の薬価を用いて再分析を行った。
血糖降下薬の併用割合について
製造販売業者は、血糖降下薬の費用算出において、ONWARDS試験の日本人集団における各群のベー
スライン時の血糖降下薬の使用割合を用いており、併用薬の割合が評価対象技術と比較対照技術で
異なる設定であった。しかし、臨床試験のベースライン時点では潜在的に両群で同一の患者集団を想
定することから、併用薬の使用割合が両群間で明確に異なるとする根拠はない。公的分析では
ONWARDS試験における各群の併用薬の使用割合をそのまま用いるのではなく、両群で同じ使用割合と
して再分析を行った。
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製造販売業者から提示された論点は以下の通りである。
追加的有用性の評価について
低血糖の発症率は「2-6年で1回多く起きる」程度の差であり、臨床的に意味のある差とは言え
ない。また、本剤の臨床試験は非劣性試験で行われており、臨床的に意味のある差を示すことは、デ
ザイン上困難であると言う点について、カナダ HTA 機関は「比較対照と十分に区別できる初の週1
回のインスリンである」と評価し、HbA1c変化量の差を分析に反映した費用効果分析が行われている。
そのため、「HbA1c7.0%未満の達成率」や「利便性の向上(QOLの改善)」といった臨床的に重要な指
標を含め、追加的有用性の有無を判断することが適切と考える。また、週1回製剤は毎日投与の製剤
にくらべ利便性が高く、服薬順守率・治療忍容性が向上し、自己投与・管理が難しい高齢者の家族・
介護者の負担が大きく軽減される。特に、訪問診療等において、1日1回インスリン投与が難しい患
者さんにもインスリンの使用が可能となる。実臨床での使用実績においても、本剤の週1回投与に
よる利便性から高齢者で広く使用されており治療継続率が高い。これらから、本品に係る追加的有
用性の再評価を希望する。
以上を踏まえ、専門組織で議論し、分析対象集団(a)、(b)、(c)の追加的有用性について、SGLT2 阻害
薬の薬価について、血糖降下薬の併用割合について、下記の通り、公的分析結果が妥当であると考えられ
た。
治療方法の改善(利便性)などで加算を得た医薬品については、その利便性が実臨床で患者にとっ
てどのような健康上のメリットがあるかを示すためにどのようなデータを提出すればよいかを検
討すべきである。
本品の HbA1c 低下は、統計的有意差を示すものの臨床的意義を示す程度の差があるとは認められ
ず、低血糖の増加も踏まえると追加的有用性は認め難いと考えられる。
QOL値については、企業が用いたDTSQは、プロファイル型のQOL尺度ではなく、満足度を測る尺
度である。費用対効果評価に使用可能なインデックス型の QOL 尺度ではなく、マッピングによる
評価も困難である。さらには、今回の対象集団とは異なる治療を行っている集団での調査であり、
この数値を使用することは認められない。追加的有用性については、HbA1cの変化量の観点からは
示されていないとする公的分析結果を受け入れる。
企業が根拠とするDTSQは治療満足度評価尺度であり、QOL尺度ではない。利便性によりQOLが改
善したとする企業側の主張を受け入れることは難しいと考えられる。
本剤の投与対象患者の一部として想定される高齢者では、HbA1c7%未満を目指さず、8%未満を
目標値とされていることも多い。7%未満達成率により有用性を主張することは十分なエビデン
スをともなっているとは言いがたい。
週1回投与が可能な本剤は、高齢者や自己注射困難例の治療選択肢として、実臨床では大変歓迎
される薬剤である。ただし、今回の評価軸は HbA1c や低血糖の発現状況であり、現時点では公的
分析の整理が妥当である。
上記専門組織の決定について、製造販売業者から、利便性の評価、HbA1c<7.0%達成率、QOL値を分析
に用いることについて不服意見が出された。専門組織では、以下の通り議論され、公的分析に対して追加
分析を求めることとした。
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DTSQ は患者満足度の尺度であり、健康アウトカム指標には含まれないと判断するのが妥当であ
る。またQOL値についての議論は前回の専門組織で実施している。
本剤の利便性に基づき治療継続率の向上やアドヒアランスの改善が得られる可能性があること
に対しては一定の理解をするが、このことは、費用対効果評価にも優れるということに必ずしも
直結しない。特に、QOL値に関しては、利便性が健康アウトカムにどのように影響したかという視
点が重要であり、企業が提示したものでは不十分である。
製造販売業者が不服意見で提示した費用最小化分析において、全患者が訪問看護を受ける設定
については再検討されるべきである。本剤の使用患者の8割は65歳以上とはいえ、臨床の実感と
は乖離しているのではないか。NDB等のデータに基づいて訪問看護を受ける患者の割合を設定して
はどうか。
費用最小化分析において、企業が主張する、「血糖自己測定の回数の設定が、本剤と比較対照技術
とで異なる点」について再評価されるべきである。追加インスリンや混合製剤を使用している患
者は測定回数が異なるため、その点も考慮して設定してはどうか。
以上を踏まえ、公的分析より追加分析が実施された。専門組織では、以下の通り議論され、分析結果等
については、公的分析による追加分析結果が妥当であると結論づけられた。
訪問看護によるインスリン注射を受けている患者割合は、傍証的なエビデンスに基づく推定値
であると考えられるが、臨床的な観点からは実態に沿ったものといえる。
「訪問看護が月1~2回減少する」という推定は、毎日のインスリン注射が必要だができない患
者がいることを考慮すると妥当である。
<参考:本資料に係る留意事項>
・ 総合的評価では、企業分析及び公的分析双方とも一定の科学的妥当性が認められている。
・ 「専門組織での主な検討事項」は、双方の主な見解の相違部分を抜粋したものである。
・ 費用対効果評価の詳細については、国立保健医療科学院から公表される報告書を参照されたい。
(以上)
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。