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令和8年4月1日
厚生労働大臣
上野 賢一郎 殿
一般社団法人 日本小児リウマチ学会
理事長 清水 正樹
アナキンラ(遺伝子組換え)製剤の在宅自己注射指導管理料算定対象薬剤への追加に関する要望書
アナキンラ(遺伝子組換え)製剤は皮下投与のシリンジで、全身型若年性特発性関節炎(sJIA)、
成人発症スチル病(AOSD)を適応症として国内で医薬品製造販売承認申請がなされており、2026
年の6月頃の承認を目指していると承知しています。本剤を在宅自己注射指導管理料算定対象薬
剤の対象薬剤に加えていただくことを要望いたします。
AOSD(指定難病54)及びsJIA(若年性特発性関節炎(JIA)として指定難病107)は、原因不
明の全身性炎症性疾患であり、連日の弛張熱、典型的な一過性の皮疹、関節炎(痛)、リンパ節腫
脹、肝脾腫(肝酵素上昇を含む)及び漿膜炎(胸膜炎及び心膜炎)などの臨床症状、並びにCRP、
ESR、血小板数及び好中球数、血清フェリチンの高値などの検査所見を特徴とします。16歳以降
で発症した場合、AOSD、16歳未満で発症した場合、sJIAと診断されますが、発症年齢に関わら
ず、sJIA 及び AOSD は進行性の病態が認められた後に慢性疾患に移行し、sJIA においては、低
身長や低体重などの全身の成長障害に至ることが多い疾患です。
本邦においては、AOSD及びsJIAに対する主要な治療はグルココルチコイドですが、長期に
渡る使用が避けられず、特に小児においては成長障害・易感染性・肥満に伴う様々な代謝異常
(高血糖、高脂血症、高血圧など)などの様々な副作用が報告されています。本邦において
は、全身状態の寛解が認められた場合に、グルココルチコイドの副作用軽減のため、減量・離
脱が検討されますが、減量・離脱中に現疾患が再燃する恐れがあり、さらに治療が長期化する
可能性があります。日本では、使用可能な生物学的製剤として、トシリズマブやカナキヌマブ
が承認されていますが、これらはグルココルチコイドで効果不十分なsJIA及びAOSDに対して
の治療選択肢であり、早期に使用できる生物学的製剤のアンメットメディカルニーズがありま
す。
海外においては、sJIA及びAOSDの欧州リウマチ学会(EULAR)と欧州小児リウマチ学会
(PReS)の提言(2024年)及びsJIAの米国リウマチ学会(ACR)のガイドライン(2021年)
があり、いずれの提言・ガイドラインでも、スチル病の診断が確定したら、第一選択薬として
IL-1 阻害剤を含む生物学的製剤を使用することが推奨されています。また、海外における本剤
の使用状況は、2026年3月現在、スチル病(sJIA及びAOSDを含む)については、2015年3
月にオーストラリアでsJIAの治療薬として承認されて以降、EU/EEA、英国を含む、30以上の
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国又は地域で承認されており、1日1回の皮下注射で、ほとんどの患者は医師から指導を受けた
のち、在宅にて自己注射を行っています。
日本において、本剤は日本リウマチ学会、日本小児リウマチ学会、厚生労働科学研究「自己
免疫疾患に関する調査研究」研究班より、sJIA及びAOSDに対する未承認薬・適応外薬の要望
書が提出され、未承認薬・適応外薬検討会議にて医療上の必要性が高いと評価され、国内で製
造販売承認が取得されて医療現場で早期に使用できるよう、厚生労働省からSwedish Orphan
Biovitrum Japan 株式会社に開発要請が発出されています。国内で実施した第3相臨床試験であ
るSobi.ANAKIN-303試験(2週間の無作為化二重盲検期間、52週間の非盲検投与期間から成る
コア期と最長26週間の非盲検投与継続期間)において、参加した患者(その保護者)は、医師
の指導を受け1日1回皮下投与を自己注射で行いました。本試験には15名の患者が組み入れら
れ、主要評価項目である投与後2週時点のACR30反応で、プラセボに対するアナキンラの統計
学的な優越性が認められました。安全性の結果は、アナキンラの既知の安全性及び忍容性プロ
ファイルと一貫しており、新たな安全性の懸念は報告されませんでした。また、自己注射によ
る不具合は報告されませんでした。
以上の結果及び諸外国における豊富な臨床使用実績を踏まえると、本剤は長期の治療継続が
必要なsJIA及びAOSDの患者に対し、在宅においても安全に自己注射が可能であることが確認
されており、在宅自己注射の安全性に関する懸念は生じていません。
本剤の投与にあたっては、医療施設において必ずsJIA 及び AOSD に十分な知識・経験を持つ
医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行い、自己投与の適用については、医師がその
妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのちに患者若しくは介護者が本剤投与による
危険性と対処法について理解し、確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもと
で実施します。また、適用後に自己投与の継続が困難となる可能性がある場合には、直ちに自己
投与を中止させるなど、適切な処置を行い、また、本剤投与後に感染症の徴候や症状などの副作
用の発現が疑われる場合は、直ちに医療機関へ連絡するよう患者に指導を行います。
併せて、患者には医療器具を再使用しないように注意を促すこと、製剤及び医療器具の安全な
廃棄方法についても指導を徹底します。
また、本剤の製造販売業者は患者の安全性に最大限の注意を払うべく、本剤投与予定患者に対
して在宅自己注射に関する教育資材を提供し、製品の厳格な流通管理体制を構築して安全性確保
に向けた取り組みを実施します。
上記のとおり、患者に対して十分な安全管理を行うことで適切に在宅自己注射が可能と考えま
すので、当学会は本剤の在宅自己注射による治療を必要とする患者に対して適切な治療選択肢を
提供するために、アナキンラ製剤の在宅自己注射指導管理料算定対象薬剤の対象薬剤に加えてい
ただけるよう、強く要望いたします。
何卒、宜しくお願い申し上げます。
以上
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
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