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会議資料全体版 第130回保険医療材料専門部会資料

保険医療材料専門部会 第130回 / 2025-08-27 開催 / 125ページ

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中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会(第 130 回)議事次第 令和7年8月 27 日(水) 9:00~ 議 題 ○医療機器業界からの意見聴取について 意見陳述者一覧 一般社団法人日本医療機器産業連合会 会長 山本 章雄 一般社団法人日本医療機器産業連合会 副会長 宮田 昌彦 一般社団法人日本医療機器産業連合会 材料保険委員会 委員長 久保 明弘 一般社団法人日本医療機器産業連合会 機器保険委員会 副委員長 須賀 秀徳 一般社団法人日本医療機器産業連合会 機器保険委員会 副委員長 深谷 恭平 一般社団法人米国医療機器・IVD工業会 会長 玉井 孝直 一般社団法人米国医療機器・IVD工業会 保険委員会 委員長 鴨川 幸子 欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会 委員長 森 秀顕 欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会 副委員長 田中 良一 欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会 副委員長 江田 信一 一般社団法人日本臨床検査薬協会会長 小野 徳哉 一般社団法人日本医療機器販売業協会・副会長 阿部 篤仁 一般社団法人日本医療機器販売業協会・理事 松本 学 (敬称略) 中医協 材-1 7 . 8 . 27 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 意見陳述資料 2025年8月27日 日本医療機器産業連合会(JFMDA) 日本医療機器テクノロジー協会(MTJAPAN) 先進医療技術工業会(AdvaMed) 米国医療機器・IVD工業会(AMDD) 欧州ビジネス協会(EBC)医療機器・IVD委員会 特定保険医療材料に関する提案内容 0. 医療機器を取り巻く状況について 1.安定供給の確保に向けた対応 (1) 原材料・部材価格等の高騰への対応 物価に連動した償還価格 (2) 原材料・部材価格等の高騰への対応 医療機関の負担軽減 (3) 不採算要望 製品単位での再算定 (4) 機能区分見直し 細分化時の適正な償還価格 (5) 外国価格調整 再算定制度の見直し (6) 外国価格調整 最大引き下げ幅の見直し 2.イノベーション評価の見直し (1) 経済性加算 技術料削減への拡充 (2) チャレンジ申請 製品固有のレセプトコードの付与 3.保険外併用療養費制度について (1) プログラム医療機器の評価療養制度の医療機器への活用 (2) 保険外併用療養費制度に関するその他の提案 4.その他 その他の保険医療材料等専門組織からの意見について 2 0. 医療機器を取り巻く状況について ① 原材料価格・製造経費の高騰 ◼ 医療機器の原材料・部材の価格は高 ◼ 2023年の原材料費は2019年に対し 騰しており、相変わらず医療機器の安定 平均で16ポイント上昇* 供給において厳しい状況が続いている。 *公益財団法人医療機器センターが2024年秋に実施した「特定保険医療材料に 関する物価高騰等による原材料費への影響調査」の結果より (7つの機能区分について製造販売業者からの調査結果) :参考資料① (プラスチック) (電子部品) 特定保険医療材料における原材料費の推移 原材料費の指数推移の平均値(2019年度を100とした比較値) ◼ 原材料・部材の仕入れ先からの値上げを受け入れざるを得ない状況にある • 下請け企業との望ましい取引慣行遵守を目指す「パートナーシップ構築宣言」(内閣府、中小企業庁)への宣言公表 • 下請け法の遵守(公正取引委員会、経済産業省) 3 0. 医療機器を取り巻く状況について ② 保険償還価格の下落 ◼ 平成5年の中医協建議制定から30年が経 ◼ 改定毎に市場実勢価に基づいて保険償還 過した現状において、当時からある多くの機 価格が継続的に下落* 能区分において保険償還価格は大きく下 落しており、採算性の限界となる価格となっ *公益財団法人医療機器センターが2024年秋に実施した「特定保険医療材料に 関する物価高騰等による原材料費への影響調査」の結果より ている。 (7つの機能区分について製造販売業者からの調査結果) :参考資料① 特定保険医療材料における保険償還価格の推移 特定保険医療材料における保険償還価格の推移 (長期の指数推移) (直近4年の指数推移) (年) 4つの機能区分の保険償還価格の指数推移の平均値(2002年度を100とした比較値) 7つの機能区分の保険償還価格の指数推移の平均値(2020年度を100とした比較値) ◼ 保険償還価格は、物価等に連動していない ◼ 市場実勢価格により保険償還価格は下落するが、物価高騰等により保険償還価格よりも高く販 売されていても保険償還価格は上がらない ◼ 供給が著しく困難で十分償還されていない場合(不採算要望)以外に保険償還価格は上がらない 4 0. 医療機器を取り巻く状況について ③ 収益性の悪化(不採算) ◼ 令和6年度診療報酬改定において不採算 ◼ 改定後の調査では、不採算製品**は、回答 要望数(機能区分*数)は増大していた。 全 7,294製品(販売名単位)中、1,064 製品(15%)であった。 ◼ 実際に価格が引上げられた区分は半分以下 **不採算:「赤字で販売、1年以内に赤字の恐れ、利益が不十分なため *機能区分:構造、使用目的、医療上の効能及び効果等からみて類似し 供給継続が困難」と定義して調査 ていると認められる特定保険医療材料の一群のこと。この定義に該当する 製品は同じ機能区分となり、同じ保険償還価格となる。 (医科材料:約1,000機能区分) ⚫ 回答数:162社(2024年9月9日付MTJAPAN正会員:266社) ⚫ 調査時期:2024年9月~10月 不採算 1,064製品 (15%) 要望:79機能区分 不採算でない 6,230製品 引き上げ:34機能区分 (85%) 回答全7,294製品(販売名単位) 「令和5年11月17日中医協保険医療材料専門部会 材-1」に追記 ◼ 不採算要望が認められるためのハードルは高い(価格の引上げ:34/79機能区分) (約2万品目となる医薬品については、1,943品目が不採算により引き上げられた) ◼ 不採算要望が認められても、企業の希望価格までの引き上げは1件のみ# (令和6年度改定) 5 #「令和6年1月26日中医協総会 中医協 総-3-2」より 0. 医療機器を取り巻く状況について ④ 安定供給確保への懸念 ◼ 令和6年度診療報酬改定において安定供給に関する報告の件数は増大していた。 ◼ 供給不安等の原因としては、「物価上昇等によるコストの上昇や原材料の入手困難」が多い。 「令和5年11月17日中医協保険医療材料専門部会 材-1」より 6 0. 医療機器を取り巻く状況について ⑤ 新規製品の未導入(デバイスロス) 1/3 ◼ 前述の通り、多くの機能区分において償還価格は大きく下落しており、採算性の限界となる価格と なっている機能区分が増加していることは、海外から日本への新規導入製品へも影響を与えている場 合がある。 ◼ MTJAPANの調査*により、「日本の償還価格が安いために日本に導入できない製品(販売名単 位)」が、 33社に102製品にあるとの回答であった。 ◼ 日本での償還価格の低さに起因したデバイスロスが生じている可能性がある(次ページに事例)。 ●日本の償還価格が安いために日本に導入できない製品(販売名単位)の企業数と製品数 分類 企業数 製品数 血液浄化関連製品 1 1 カテーテル汎用品 3 9 血管系カテーテル製品 18 56 体内植込み材料関連製品 7 10 整形インプラント材料関連製品 5 13 創傷被覆材料関連製品 3 3 ペーシング関連製品 2 3 内視鏡および外科用処置具関連製品 3 6 その他 1 1 合計 43# 102 7 *:2024年度MTJAPAN加盟企業に対する不採算に関する実態調査 #:重複回答あり 0. 医療機器を取り巻く状況について ⑤ 新規製品の未導入(デバイスロス) 2/3 【日本の償還価格が安いために日本に導入できない製品事例】① ➢ 胸腔・腹腔穿針ドレナージ(PleurX / PeritX:欧米発売から約20年間、日本未導入) 胸腔・腹腔穿針ドレナージ 製品の使用イメージ: 留置用カテーテルおよび専用のド 腹水または胸水の貯留部位に ドレナージキット レナージキットで構成される。 カテーテル先端を留置し、体外 にあるもう一方の先端に吸引 用ボトルを接続することで廃液 を行う。 カテーテル 対象疾患 末期の悪性腫瘍に起因した腹水または胸水の発生に伴う身体的症状を有する患者 第6回NDBを元にした推計によると、年間対象患者数は24,495人程度と考えられる。 製造企業名 Becton, Dickinson and Company 国内企業名 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 外国承認状況 米国:1997年6月27日(510K)、 欧州:2007年11月8日(CEマーク) • 欧米諸国においてPleurX/PeritXによる持続的カテーテル留置は、腹水・胸水に対する標準治療の一つとなっており、20年以上 の使用実績がある。日本のガイドラインでも国内未発売製品として紹介されている。 • 学会(日本緩和医療学会)からの要望もあり導入準備中であるが、現在実施されている治療に関連する償還価格ではカテー テル・ドレナージキットの価格が見合わないため導入が見送られてきており、欧米に比べて約20年間のデバイスロスの状況。 【既存の治療法との比較】 • 現在日本で実施されている穿刺ドレナージはドレナージ毎に穿刺(単純穿刺)が必要となるが、本品は持続的吸引のため廃液 用のカテーテルを長期留置し、廃液ボトルを接続して廃液を行うことで頻回の穿刺が不要となる。 • 対象の多くが終末期の患者であり、通院が困難な状況も多いが、本品を使えば在宅が管理が可能となる。 • 頻回の穿刺の苦痛を低減できる。また、胸腔の場合に気胸のリスクがあるため、頻回の穿刺を避ける必要がある。 8 0. 医療機器を取り巻く状況について ⑤ 新規製品の未導入(デバイスロス) 3/3 【日本に導入できない製品事例】②AccuFill BSM:欧米発売から約6年間、日本未導入 • 変形性関節症(OA)等により生じる慢性の骨髄損傷 (Bone Marrow Lesion: BML) に人工骨を補填する 低侵襲治療 (亜軟骨形成術: SCP®) システムの材料 • 海綿骨に注入された人工骨は徐々に吸収されて健康な 骨に置き換わり、欠損した骨を修復する。 • 70%の患者において、人工関節置換術を必要とする症 状の進行を2年間遅らせた 1。 【患者の健康課題】 【未導入の薬事的な要因】 • BMLは成人の急な運動等による大きな衝撃や、長期間の疲労等によって生 • USでは2019年に510(k)で承認(臨床 じる海面骨の小さなクラックが原因となり生じる。X線上では確認できず 試験不要)を得ているが、日本では臨床 MRIで骨髄浮腫と診断される。 評価報告書では受け入れられずに治験 • BMLは痛みや変形性関節症の進行と関連している 2。骨髄浮腫があると3 が必要になった。USの適応は広いが、日 年以内に全膝関節置換術が必要となるリスクが約9倍に高まる2 。疼痛によ 本での適応は狭まる可能性が高い。 り十分に荷重することができず、日常活動が制限される。やがて関節の機能 が低下して移動が困難となる。 【未導入の保険的な要因】 • 根治治療の侵襲性が高いことから重症化するまで対症療法が継続される。 • 原材料が類似する機能区分の製品は汎 結果として患者は長期間QOLの低い生活を送ることとなり、その間に他の健 用的材料で、単位あたり償還価格が低く 康問題のリスクも高まる。 本品は使用量も少ないため、1症例あたり • 変形性関節症の国際学会(OARSI)からBMLがOA治療に根本的変化を の販売額が低いと予想された。そのため、 もたらす可能性と、 SCP®を含む新規治療法のエビデンスへの期待が発表 治験費用を賄える市場規模ではないと されている 4。 判断され、日本では未導入になっている。 1: Cohen SB, et al. J Knee Surg 2016;29:555-63. 3: Scher C, et al. Skeltal Radiol2008;37:609-17. 9 2: Davies-Tuck ML, et al. Ann Rheum Dis 2009;68:904-8. 4: Walsh WA, et al. Osteoarthristis Cartilage 2023;Jan;31(1):11-17 0. 医療機器を取り巻く状況について ⑥ まとめ ② 保険償還価格 ④ ③ の下落 安定供給確保 への懸念 収益性の悪化 必要な医療が提供できない (不採算) 利益の減少 ⑤ 開発、設備維持 の原資減少 新規製品の未導入 ① (デバイスロス) 原材料価格・ 研究開発・製品改良 製造経費の高騰 の停滞 サプライヤーからの 最新医療が提供できない 値上げの受入 10 1. 安定供給の確保に向けた対応 (1) 原材料・部材価格等の高騰への対応 物価に連動した償還価格 【現状】 ➢ 医療機器の原材料、製造コスト、人件費、流通コスト等を 含め、物価は上昇しインフレとなっている。 ➢ 平成5年(1993年)のデフレ下に制定された中医協建 議から30年が経過し、インフレとなる現状において医療機 器の安定供給を継続するための制度への改正が必要となっ ている。 ➢ 骨太の方針2025においても物価上昇に合わせた公的制 度の点検・見直しを進めることが示された。 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 消費者物価指数の 統計表を基にAMDDで作成 【骨太の方針2025】 第3章 中長期的に持続可能な経済社会の実現 4.物価上昇に合わせた公的制度の点検・見直し】 物価上昇が継続していることを踏まえ、予算、税制における長年据え置かれたままの様々な公的制度に係る基準額や閾値について、国民生活へ深刻な影響が及ばないよう、省庁 横断的・網羅的に点検し、見直しを進める。その際、各項目の点検と併せ、政策効果を担保するため、制度の特性に応じた定期的な改定ルールを設け、足元の物価上昇に的確に 対応できるような仕組みづくりを行う。 同時に、本基本方針第2章及び第3章に記載している、・公定価格(医療・介護・保育・福祉等)の引上げ ・働き手の賃上げ原資を確保できる官公需における価格転嫁の 徹底 を省庁横断的に推進する。 【提案】 ➢ 診療報酬改定時に物価の変動に合わせた償還価格の算定を要望する ✓ 物価の変動性が+2%の場合、現在の一定幅に2%を加えた価格を新償還価格としてはどうか ✓ 市場実勢価格加重平均値一定幅方式は、「改定前の償還価格を超えないこと」となっているため、超えること が可能となるようにしてはどうか 11 1. 安定供給の確保に向けた対応 (2) 原材料・部材価格等の高騰への対応 医療機関負担の軽減 【現状①】 ➢ 令和6年度診療報酬改定における業界意見陳述にて、原材料の高騰への対応としてやむを得ず償還価格よりも 高くなる価格(逆ザヤ)で販売し、医療機関の負担になっていることに対して課題提起させていただいた。 ➢ 2023年12月には外科系学会社会保険委員会連合より、逆ザヤの製品が多いことから償還価格の増額を求め ることが報告されている。 【外保連ニュース号外 2023年12月】より 5) 診療材料・特定保険医療材料の値上げと欠品 物流コストの上昇、ロシア・ウクライナ情勢の影響などで全世界的なインフレとなっているが、円安の影響もあり診療材料の 値上げが始まっている。一方、我が国の物価は諸外国に比して安価であり、海外企業の売り渋りも始まっていることから、今 後多くの診療材料、特定保険医療材料で欠品の恐れが出てきている。外保連の加盟学会に対しての調査では、重複を 含め 4,788 点の材料が入手困難になりつつあること、特定保険医療材料の逆鞘が、同様に重複を含め 7,689 点と非 常に多く発生している。今後外保連としては、包括されている診療材料の価格据え置き、ならびに特定保険医療材料の 公定価格の増額を求めていきたい。 ➢ 本年7月には日本病院団体協議会より、特定保険医療材料の価格上昇に迅速に対応出来る仕組みの構築と 評価の見直しを要望されている。 【令和8年度(2026年度)診療報酬改定に係る要望書 第2報】より 12. 加算として取り扱われる医療材料等の評価の見直し 特定保険医療材料の価格については、昨今の急激な物価高により、定期的な見直しでは追い付いていない現状がありま す。また「無菌調剤処理」や「自動縫合器」、「自動吻合器」など加算として評価される材料に関しては、長期間評価の見直 しが行われないまま放置されているものも存在します。特定保険医療材料の価格上昇に迅速に対応出来る仕組みの構築と 評価の見直しを要望します。 12 1. 安定供給の確保に向けた対応 (2) 原材料・部材価格等の高騰への対応 医療機関負担の軽減 【現状②】 ➢ 2024年度MTJAPANの調査において、逆ザヤの製品が前年比約3.5倍(177→620製品)に増加していた。 ➢ 償還価格を引き上げる制度として、製造販売企業からは不採算再算定要望があるが、要望された区分すべてが 再算定の対象となる訳ではなく、また必ずしも要望した償還価格が認めらることはないため、製造販売業者は引き 続き不採算もしくは低収益での供給を余儀なくされ、医療機関側においては逆ザヤが解消されないケースもある。 不採算申請が認められたとしても、安定供給への懸念が完全には払しょくされない場合もある。 ➢ 製造販売企業からは不採算再算定要望が可能であるが、医療現場から逆ザヤ解消を要望する制度はない*。 【提案】 ➢ 関連学会等からの申し入れにより、逆ザヤとなっており安定供給の懸念がある製品については、市場 実勢価格一定幅方式で算出した価格が償還価格を超えた場合であっても、その算出価格を改定価 格として認めてはどうか。 (例えば、関連学会等より、「逆ザヤ改善要望書(仮)」を提出された機能区分等) ⚫ 機能区分全体を引き上げ対象とするのが困難な場合は、関連学会等から申し入れがあった逆ザ ヤの製品のみを実勢価格で再算定することを可能としてはどうか。 13 1. 安定供給の確保に向けた対応 (2) 原材料・部材価格等の高騰への対応 医療機関負担の軽減 令和7年8月6日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より 4.その他 (3) 不採算品再算定について ○ 償還価格が実勢価格を下回る特定保険医療材料の事例等を踏まえつつ、安定供給の観点にも配 慮しながら、不採算品再算定の対象の拡充を含めて検討してはどうか。 ◼ 保険医療材料等専門組織からのご提案に賛同する。 【提案】 ➢ 中医協においても診療側委員より逆ザヤ製品についての課題提起もされているため、逆ザヤとなる機 能区分数を調査の上、対応をご検討いただきたい。 ➢ 市場実勢価格加重平均値一定幅方式は、「改定前の償還価格を超えないこと」となっているため、 逆ザヤの状態が解消されない制度」となっている。安定供給の観点に加えて医療機関の負担軽減に 配慮した制度への見直しを検討いただきたい。 ➢ 不採算品再算定された製品については、安定供給の観点から一定期間においては実勢価格による 再算定を行わなず価格を維持していただきたい。 14 1. 安定供給の確保に向けた対応 (3) 不採算要望 製品単位での再算定 【現状】 機能区分内に複数の製品がある場合、下記懸念により安定供給に支障が出る恐れがある。 ➢ 不採算基準への該当性判断の難しさ 細分化できる明確なエビデンスがないものの使い分けがされている製品や、シェアが高くなくとも他 社の生産余力の観点から必要となる製品等については、不採算基準の代替性要件*への該当性 の判断が難しい。そのため不採算要望が認められないことで供給が停止される可能性がある。 ➢ 再び不採算となる懸念 (*:ア 代替するものがない特定保険医療材料であること) 不採算要望が出されていない製品も償還価格が引き上げられることになるため、不採算要望を出 した製品は償還価格が引き上げられた後に価格を維持しても、他の製品が値下げした場合には、 実勢価格が下がることになり、再び不採算になる恐れがある。 【銘柄別評価について】 ➢ 現在の材料保険制度のもととなる、平成5年中医協建議書「第4(4) 価格設定をすべき保険医療 材料」には以下の記載があり、銘柄別評価も可能であることが記載されている。 具体的な価格評価に当たっては、公的医療保険における資源の有効活用、速やかな保険導入、及び 実務上の対応の可能性などの観点から機能別評価を基本とするが、適正な価格競争が確保され、保険 医療材料の特性やその流通実態などに鑑み適当と認められる場合は銘柄別評価を行う。 15 1. 安定供給の確保に向けた対応 (3) 不採算要望 製品単位での再算定 【提案】 ➢ 安定供給確保の必要性から、不採算要望については機能区分全体を再算定することが困難な場合 は、中医協建議の記載に基づき、不採算要望を提出した製品のみを再算定することも可能としたらど うか。それにより、以下のような効果も期待できるのではないか。 • 差益依存の製品選択が解消されることで、最適な製品選択による治療が受けられる(患者) • 医療財源の無駄を低減できる(保険者) • 必要な製品を適正な価格で購入できる(医療機関) 16 1. 安定供給の確保に向けた対応 (4) 機能区分見直し 細分化時の適正な償還価格 【現状】 ➢ 同一機能区分内で対象疾患または機能性が異なる 製品(製品A)では、償還価格よりも高い実勢価格 となる場合がある。 ➢ 他の製品(製品B、C)の実勢価格の低下により償 還価格が下がった場合には、製品Aの実勢価格と償 還価格の差が拡がり、医療機関の負担が大きくなる。 【提案】 ➢ 細分化された機能区分は、市場実勢価格加重平均値一定幅方式により算定され、償還価格を超 えることもできるようにし、医療機関の負担を軽減してはどうか。 通知の変更案 (赤字の追記) 既存機能区分の見直しが行われ、当該機能区分に既収載品(第3章第4節に該当する新規収載品を除く 。)が属するものに係る基準材料価格については、市場実勢価格加重平均値一定幅方式 により算定される 額とする。ただし、当該機能区分に属する全ての既収載品の基準材料価格改定 前の保険償還価格を、当該 既収載品の年間販売量で加重平均した額を超えることはできない。(供給が著しく困難な特定保険医療材料 における機能区分の見直し、または細分化に係る場合を除く) 令和6年2月14日 保発0214第3号「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について」第5章 機能区分の見直しに伴う基準材料価格の算定 第1節 17 1. 安定供給の確保に向けた対応 (4) 機能区分見直し 細分化時の適正な償還価格(同一区分内で機能が異なる事例) (事例)大腿骨用ステム 再手術用 人工関節置換後は、インプラントの不具合や劣化などにより再置換を要することがある。再置換では、より重症化し た骨欠損の症例等に対応するため、初回手術用とは異なる構造や加工を施した再置換用のステムが必要である。 初回手術 再置換用 【再置換用ステムの有用性】 用 • 部品の組み合わせが可能なモジュラー構造に よって、患者の骨欠損や骨形状に合わせたイ ンプラントの選択が可能になる • ステムの遠位部分にも骨とインプラントの結合 を促進するポーラス加工がされているため、近 位の骨の欠損が顕著な症例においても、遠位 にて固定性の強化が期待できる • 初回手術用よりも長いステムにより遠位の骨ま でステムが到達して、インプラントの安定した固 定が可能となる *ステムとネックを合算した償還価格 **ジンマー・バイオメット社製再置換用ステムの希望小売価格 【コストの違い】 • 再置換用のステムは初回用よりも長尺であるなど、特殊な構造や加工により製造コストが高い • 再手術件数は初回手術の5%未満1であるため、使用期限による廃棄が多くなりやすいことから、1本あたりの コストが増大する。 以上により、償還価格が下落しても再置換用のステムは値下げは行えないため、償還価格と希望小売価格の 差額は広がっている。 1 日本整形外科学会 THAレジストリー2022年度症例統計 18 1. 安定供給の確保に向けた対応 (5) 外国価格調整の見直し 令和7年8月6日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より 3.内外価格差等の是正について (1) 価格調整の比較水準について ○ 新規収載品に係る外国価格調整の比較水準については、「外国価格の相加平均の1.25 倍を上 回る場合に1.25 倍の価格」等としている。イノベーションの適切な評価及び安定供給の維持に配 慮しつつ、医療保険財政及び患者の負担の軽減の観点から、比較水準や外国平均価格の算出 方法の見直しについて検討してはどうか。 (2) 外国価格再算定について ○ 令和6年度診療報酬改定において、外国価格再算定の算定式を見直したところ。医療保険財 政及び患者負担に配慮しつつ、安定供給の観点を踏まえ、比較水準や外国平均価格の算出方 法等の更なる見直しについて検討してはどうか。 ◼ いずれについても外国価格調整および再算定は、企業に対する影響を考慮すると賛同することは難 しい(20ページ参照)。 ◼ 後述する通り、再算定による最大引き下げ幅の緩和を希望する(21~23ページ参照)。 19 1. 安定供給の確保に向けた対応 (5) 外国価格調整 再算定制度の見直し 【現状】 ➢ 外国平均価格に基づく外国価格調整及び再算定はこれまで廃止または新規収載の1回限りの価格 調整を要望してきた ➢ 前回改定で逆ザヤとなっている医療機器に関する計算方法の改善をして頂いた ➢ しかしながら、製品の流通や供給状況等が海外と異なることなどを踏まえると、日本と海外では適切 な価格比較とならない ➢ 海外の医療機器流通コストに関しAMDDが調査したところ、海外では集約化が進み全体の流通の 効率化が進んでいるのに加えて、物流負担の分散化及び物流や病院での適正使用支援等の補助 を行うことで医療の物流インフラを下支えし、流通の低コスト化が進んでいる (参考資料②) ➢ 日本は患者様の医療機関へのフリーアクセスを確保すべくメーカー・卸で物流負担や病院の適正使 用支援を支えてきたため、流通が高コスト構造とならざるをえなかった 【提案】 ➢ 日本はフリーアクセスを確保するために流通コストが海外よりも高くなる構造のため、海外と日本とでは 適正な価格比較になりえず、外国価格による再算定は継続して廃止を希望する ➢ 速やかな廃止又は新規収載の1回限りの価格調整が難しい場合においては、外れ値除外ルールの 廃止及び比較水準の維持をすべき 20 1. 安定供給の確保に向けた対応 (6) 外国価格調整 最大引き下げ幅の見直し 【現状】 ➢ 日本と海外では流通構造が異なるにもかかわらず、外国価格再算定により大幅な引下げが行われる と、不採算に陥る場合があり、安定供給を阻害する懸念がある 【外国価格再算定により不採算に陥った事例①】 ➢ 令和4年度に119機械弁で外れ値ルールが適用された再算定により、償還価格が772,000円から 386,000円に最大50%下落した。 ➢ 大幅な償還価格下落のために、企業は不採算に陥り、不採算のため撤退する企業があった。 ➢ 令和6年度改定時に不採算要望により、再算定前の償還価格から15%下落の659,000円まで償 還価格が上昇した。 659,000円 令和6年度改定で元の 価格に近付いたが、1企 業は撤退 令和5年11月29日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 材―1 21 1. 安定供給の確保に向けた対応 (6) 外国価格調整 最大引き下げ幅の見直し 119 機械弁の価格改定 800,000 令和2年度改定時の保険償還価格 772,000 (±0%) 659,000 700,000 733,000 (-14.6%) (-5%) 供給困難・償還不十分な 償還価格の見直しライン 保 656,000 採算が取れなかった期間 険 600,000 (-15%) 償 579,000 還 (-25%) 500,000 価 502,000 格 (-35%) ( 400,000 円 386,000 ) (-50%) 300,000 保険償還価格の推移 200,000 2022/4/1 2023/1/1 4/1 2024/1/1 4/1 6/1 令和4年 令和5年1月 令和5年3-5月 令和6年 診療報酬改定 1社撤退表明 不採算要望提出 診療報酬改定 不採算再算定 外国価格再算定 価格改定開始 22 1. 安定供給の確保に向けた対応 (6) 外国価格調整 最大引き下げ幅の見直し 【外国価格再算定により不採算に陥った事例②】 ➢ 令和6年度改定において「034胆道ステントセット(2)自動装着システム付②一時留置型」の償還価 格が、外国価格再算定により45,600円から26,800円まで41.2%下落した。すべての企業で本体 (ステントセット)と構成品(ガイドワイヤ)を含めた外国価格になっていない疑義をもって不服申し 立てを行ったが認められず、償還価格が大幅に下落したことにより、複数社が不採算になり、不採算 要望を提出した。 再算定対象に 価格調整 不採算 企業対応 本体と構成品を含めた外 41.2%(18,800円) 複数の企業が不採算に 複数の企業が不採算 国価格ではない疑義 の償還価格引き下げ 要望提出済み (45,600円→26,800円) ガイドワイヤー(構成品) ステントセット(本体) 保険算定不可* 45,600円 *033 経皮的又は経内視鏡的胆管等ドレナージ 用材料(4)経鼻法用ワイヤー(18,800円)と 同じ製品 ➢ 機械弁の不採算再算定の事例に基づくと、継続的な安定供給を維持するための最大下げ幅は 15%が限度であった。 【提案】 ➢ 継続的な安定供給を維持をするために、外国価格再算定の最大下落幅を50%から15%に変更 して頂きたい。 23 2. イノベーション評価の見直し (1) 経済性加算 技術料削減への拡充 【現状】 ➢ 令和6年度診療報酬改定において経済性加算が新設され、現時点で3品目で実績がある。 ➢ 現行制度においては、費用削減の対象として、特定保険医療材料削減のみに限定されており、検 査など技術料の削減は対象となっていない。 ➢ 一部の革新的な医療機器には、検査料等の技術料を削減する効果をもたらすものがあり、現行制 度では、そういった製品の導入が進まない可能性がある。 【提案】 ➢ 経済性加算の予想費用削減額の算出の際に、特定保険医療材料だけでなく、検査料などといった 技術料についても、費用削減の対象にできる仕組みにしてはどうか。 24 2. イノベーション評価の見直し (2) チャレンジ申請 製品固有のレセプトコードの付与 【現状】 ➢ 医薬品では、個別にコードが付与されているため、レセプトによるリアルワールドデータを用いて、有効 性や安全性に関する多様なエビデンスが報告されている 。 (参考資料③) ➢ 一方で、医療機器では機能区分制度によって特定製品を区別できないことがデータ解析上の課題で ある。 ➢ チャレンジ申請を行う際、改良加算や経済性加算の根拠を示すために、長期の有効性や安全性の 確認、低頻度のイベントの捕捉など、RCTよりもレセプトデータが適している場合が考えられるものの、 既存のレセプトデータでは製品が特定されず製品ごとの解析ができない。 【提案】 ➢ 改良加算や経済性加算に対するチャレンジ権を付与いただく場合、希望する企業かつ一定の条件を 満たす製品*には固有のレセプトコードを付与することで、同一機能区分に属していても有効性・安全 性・経済性が比較できる仕組みにしてはどうか。 *上市後に比較試験が困難な場合など、専門組織が認める場合 25 2. イノベーション評価の見直し (2) チャレンジ申請 製品固有のレセプトコードの付与 【課題】 ➢ 同一機能区分内の製品はレセプトコードも同一であるため、個別製品のアウトカムが示せない 【製品固有のレセプトコードの活用イメージ】 (例:機能区分:133血管内手術用カテーテル・PTAバルーンカテーテル・再狭窄抑制型) (現状) 製品Aにレセプトコードを付与した場合 機能区分と製 レセプトコード: レセプトコード: 品の関係 レセプトコード:710011022 71001102x 710011022 製品A 製品B 製品C 製品A 製品B 製品C チャレンジ権取得 特徴 同じレセプトコードとしてまとめられるため製品ご 異なるレセプトコードとなるため との臨床アウトカムは示せない 製品Aの臨床アウトカムを示せる 治療 末梢動脈疾患発症 初回入院 再発・再治療 プロセス 時間 アウトカム 再治療率 再治療率 イメージ 製品A,B,C 製品B,C 製品A 時間 時間 26 3. 保険外併用療養費制度について (1) プログラム医療機器の評価療養制度の医療機器への活用 【現状】 ➢ 令和6年度診療報酬改定において、以下が規定された。 1) 第1段階承認を取得したプログラム医療機器に関する評価療養 2) 保険適用外の使用に係るチャレンジ申請を行うプログラム医療機器に関する評価療養 (参考資料④) ✓ 本制度が規定された背景に、プログラム医療機器は低侵襲であることが挙げられている。 プログラム医療機器だけでなく既存の医療機器開発のイノベーションも加速し、その成果を医療現場、 患者により早く届けるために、上記2) のチャレンジ申請に係る評価療養制度については、既存の医療 機器でも活用できると考えられる。 【提案】 ➢ プログラム医療機器のチャレンジ申請における評価療養のような制度を既存の医療機器にも設け られないか。 ✓ 医療機器は薬事承認範囲内の使用においては、患者へのベネフィットがリスクを上回るため、例えば、『保険適 用範囲外の使用に係るチャレンジ申請の場合、学会の合意が必要とした上で評価療養を行うことが出来る』 等の考え方について検討出来ないか。 ✓ または、企業が希望する場合には、チャレンジ権の申請時に評価療養の対応可否を保材専で検討していただ けないか(保材専が了承した場合は中医協で審議する)。 27 3. 保険外併用療養費制度について (2) 保険外併用療養費制度に関するその他の提案 テーマ 提案 選定療養 選定療養の検討プロセスをより透明性の高いものにするため、以下について検討い (プロセスの透明化) ただけないか ◆ パブコメにおいて、技術/製品の特徴をより詳細に説明できるようなフォーマットへ の変更 ◆ 医療技術評価要望の結果のように、個別の判断結果を出す ◆ 学会や患者団体から要望されている等、特に要望の高いと考えられる技術/製 品については、ヒアリングの機会を設ける 選定療養 「保険適用の範囲が、薬事承認範囲より狭いもの」 を選定療養にできるしくみを (類型化)* 検討いただけないか ◆ 閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改 訂版」に記載された、選定療養に関する内容に賛同する 評価療養 患者が必要な医療に容易にアクセスできるよう、将来の保険適用を見据えた制度 (先進医療の拡充)** である評価療養について先進医療の以外のものについても広く対象としてはどうか。 ◆ 例えば、薬事承認において性能の評価が確定している医療機器については、そ の性能に対応した保険上の評価が行われるべきという原則の下で、科学的知見 や医療現場の考え方等の諸事情により制約がある場合などにおいては、制約が 解消されるまでの間は、評価療養の対象とすること ◆ 評価療養の対象とすることの選定に際しては、現行の先進医療等のような選定 プロセスを簡素化し、また、企業が主体的に対応できることも含め、選定基準等 を柔軟化すること。 *AMDDからの提案 **医機連からの提案 28 4. その他 その他の保険医療材料等専門組織からの意見について 令和7年8月6日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より 1.イノベーションに対する評価等について (1) 臨床上有用な医療機器等に対する評価について ○ 特定保険医療材料の補正加算については、平成27 年の研究班において定量的な評価方法が 検討され、試行案として導入された。これまでの保険医療材料等専門組織での運用を踏まえつつ、 補正加算における評価項目の考え方の明確化を検討してはどうか。 ◼ 補正加算における評価項目の考え方の明確化においては、改善改良の多い医療機器の特性にあ ったイノベーションが適切に評価されるようご検討いただきたい。 29 4. その他 その他の保険医療材料等専門組織からの意見について 令和7年8月6日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より 1.イノベーションに対する評価等について (2)使用実績を踏まえた再評価に係る申請(チャレンジ申請)について ○ 平成30 年度にチャレンジ申請の仕組みが新設されて以降、その後の診療報酬改定において、チャ レンジ申請の対象範囲の拡大が行われてきたところ。 今後、申請件数の増加が想定されることか ら、適切かつ迅速に審議を進める必要がある。 チャレンジ権の付与に係る審議について、保険医 療材料等専門組織への報告をもって決定案とすることができること等を含め、手続きの明確化を検 討してはどうか。 ○ チャレンジ申請に係る審議の効率化の観点から、申請に当たっての具体的なデータ収集方法及び 評価方法について、更なる明確化を検討してはどうか。 また、これまでのチャレンジ申請に係る事例 を踏まえつつ、引き続きチャレンジ申請の在り方について検討してはどうか。 ◼ チャレンジ申請の有効活用のために、適切かつ迅速な審議のための手続きの明確化、申請に当たっ ての具体的なデータ収集方法及び評価方法について更なる明確化をご検討いただきたい。 30 4. その他 その他の保険医療材料等専門組織からの意見について 令和7年8月6日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より 4.その他 (1) 既存の機能区分等に係る事項 ○ 臨床上の位置づけや安定供給の観点等を踏まえ、市場実勢価格や市場規模等にも配慮しつつ、 機能区分の細分化、合理化及び定義変更等について、保険医療材料等専門組織で検討しては どうか。 また、それらに伴い、該当する機能区分の変更を製造販売業者が希望する製品の取扱に ついて、対応を検討してはどうか。 ○ 既に保険収載されている特定保険医療材料で、薬事上の軽微変更が適切に行われたもののうち、 製造販売業者が構成品追加等を希望する場合の取扱について、対応を検討してはどうか。 ◼ 機能区分の細分化、合理化及び定義変更等の検討にあたっては、イノベーションについて十分にご 配慮いただきたい。 31 4. その他 その他の保険医療材料等専門組織からの意見について 令和7年8月6日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より 4.その他 (5) 保険適用希望の手続きについて ○ 区分A3(既存技術・変更あり)として保険適用希望書が提出されたもののうち、特定診療報酬 算定医療機器の定義における一般的名称の追加のみ等の希望内容が軽微な変更にとどまる場合 は、保険医療材料等専門組織への報告によって保険適用することを検討してはどうか。 ○ 薬事承認事項の一部変更承認等に伴い製造販売業者が保険適用希望書を提出する場合につ いて、当該一部変更承認等とは関連のない内容を含む保険適用希望書が提出される可能性があ ることを踏まえ、保険医療材料等専門組織における検討の対象となる内容を明確化してはどうか。 ○ 保険適用希望書について、製造販売業者の負担に配慮しつつ、保険医療材料等専門組織での 議論に沿った形式の記載となるように、様式の見直しを検討してはどうか。 ○ 手続をより円滑に進めるため、保険医療材料等専門組織審議後の手続(例えば、保険医療材 料等専門組織での再審議を経た後の手続等)について、更なる明確化を検討してはどうか。 ◼ 保険医療材料等専門組織からのご提案に賛同する。 32 参考資料 33 参考資料① 0. ① 原材料価格・製造経費の高騰、 ② 保険償還価格の下落 「新時代の医療機器償還制度のあり方に関する検討会 ~イノベーション促進と安定供給確保の両面から~ 報告書」より 34 参考資料② 1.(5) 外国価格調整 再算定制度の見直し 【海外の医療機器流通コストの特徴】 ➢ 海外では、医療機能の集約化が進み患者が特定の施設に集中している • 海外の集約度の比率は日本に比較し、PCIステント:1.7~6.5倍、アブレーションカテーテル:1.2~2.8倍と なっている。 ➢ 海外は日本と比べて、物流負担の分散化が進んでいる • ドイツでは、在庫管理・配送をGPO*が主導し、GPO*の運営費は病院とメーカーとで負担している。 • フランスでは、政府補助金により整備された医療物流網を介し、安価な直送が主流となっている。 • アメリカでは、在庫管理・配送を3社程の大手物流業者が担い効率化が進んでいる。病院側が在庫管理・配 送を自前化する動きもみられるが、欧州と比べると、日本と比較的近い物流負担構造となっている。 • 日本では、メーカー及び数千ある卸・代理店が在庫管理・配送の物流負担をしており、補助金や医療機関の 負担はない。 * :Group Purchasing Organization ➢ 海外は日本と比べて、卸・メーカーが行う病院への機能提供を最小限にしている • ドイツでは、公的補助金により院内の専門スタッフを育成し、医療機器を取り扱うために必要なトレーニングやメ ンテナンスも病院が自前で実施している。 • フランスでは、メーカーが運用保守・サポートをコールセンター化してコスト削減することを病院が協力している。 • アメリカでは、製品の特長及び契約内容によってメーカーが適正使用の現場支援を行っており、日本と比較的 近い現場支援を行っている。 • 日本では、手術立ち合い、緊急対応、臨床サポート、技術支援などをメーカー及び卸が実施し、病院への現場 支援が非常に手厚い。 35 参考資料③ 2.(2) チャレンジ申請 製品固有のレセプトコードの付与 <レセプトデータ解析の実例> ◼ レセプトデータを活用することで、約10年間で約1万人という大規模かつ長期的なデータが解析可能となった。 ◼ 下肢切断率やステント血栓症といった発生頻度の非常に低い有害事象(下表の事例ではいずれも発生率が 2-3%未満)についても、解析することができた。 項目 内容 研究タイトル 末梢血管インターベンションにおける血管内超音波ガイダンス:日本における長期臨床アウトカム及びコスト 使用されたレセプト メディカル・データ・ビジョン(MDV)保険請求データベース データ 解析概要 末梢動脈疾患患者の内、血管内超音波(IVUS)を使用する又は使用しない末梢血管インターベンション治 療を行った患者の術後約1-11年間の死亡率、下肢切断率、ステント血栓症、再介入率、主要心血管下肢イ ベント(MACLE)等を評価した。 結果概要 本研究ではIVUS使用群(3,956人)及びIVUS未使用群(5,889人)が解析対象となり、IVUS使用群は、 IVUS非使用群と比較して、再介入率及びMACLEのリスクを有意に減少させた。 IVUS使用群 IVUS不使用群 p値 (N=3,956) (N=5,889) 死亡率 8.97% 10.04% 0.0812 下肢切断率 2.88% 2.51% 0.1443 ステント血栓症 1.7% 2.0% 0.1163 再介入率 11% 30% <0.0001 MACLE 55% 65% <0.0001 引用元 Soga Y, et al. Journal of Endovascular Therapy.2023;0(0) doi:10.1177/15266028231182382 36 参考資料④ 3.(1) プログラム医療機器の評価療養制度の医療機器への活用 37 2025年8月13日 本登録資料 中医協 材-2 7 . 8 . 27 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 意見陳述資料 医療機器・医療技術 2025年8月27日 (一社)日本医療機器産業連合会(JFMDA) (一社)米国医療機器・IVD工業会(AMDD) 欧州ビジネス協会(EBC)医療機器・IVD委員会 1 本日の提案内容 1.プログラム医療機器の評価に関して P.4-P.13 (1)治療・検査待ち期間の延長を生じさせないことによって医療の質の 維持・向上を支援するプログラム医療機器等の評価 (2)プログラム医療機器の保険外併用療養費制度において臨床研究で有効性が 認められなかった場合等の取り扱い 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について P.15-P.26 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上 (2)チャレンジ申請の要件緩和について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 3.在宅医療に関する診療報酬関連提案事項 P.28-P.30 (1)在宅医療の保険構造に起因する課題の改善 4.PET検査の保険適用区分に関して P.32-P.34 (1)診断を目的としたPET検査の保険適用区分の再構築について 5.安全確保を推進するために P.36-P.41 (1)医療機関と連携したサージカルスモーク対策の推進について (2)画像診断に使用するディスプレイの品質管理に関する評価について 2 本日の提案内容(プログラム医療機器) (1) 治療・検査待ち期間の延長を生じさせないことによって医療の質の維持・向上を支援する プログラム医療機器等の評価 (2) プログラム医療機器の保険外併用療養費制度において臨床研究で有効性が認められ なかった場合等の取り扱い P.4~P.10 8/6 第129回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会の論点 (保険医療材料等専門組織からの意見)について P.11~12 (1) 評価基準の更なる明確化に関する検討 (2) 原価計算に含めるべき費用の対象範囲の検討 (3) 保険適用期間の終了後、患者の求めに基づき選定療養として活用されるものの運用 方法の検討 3 (1)治療・検査待ち期間の延長を生じさせないことによって医療の質の維持・向上を 支援するプログラム医療機器等の評価 【背景・現状】 ① 令和6年診療報酬改定において、医療従事者の労働時間が短縮するようなもの(プログラム医療機器)に ついては、原則としてそれのみでは加算としての評価は行わないことが明確化された。 ② 勤務医のおよそ4人に1人が週に60時間以上の勤務(年間960時間以上の超勤に相当)を行っている 調査結果があり、時間外労働の上限規制により診療制限の拡大が懸念される。 ③ がん放射線治療の待ち期間が2~3か月に至る例があり、患者の余命への影響が懸念される。 ④ 放射線治療計画時の「コンツーリング」は、何百枚に渡るCT画像へ病変や周辺臓器の輪郭を入力して いく膨大かつ複雑な作業であり、治療待ち期間長期化の一因となっている。イギリスNICEは、放射線 治療開始までの待ち期間を短縮することが期待されるコンツーリング支援AIの使用推奨を期間限定で 発出し、追加的なエビデンスの収集を行っている。 →P.5 【提案】 ① 「医療従事者の労働時間短縮に加えて患者メリットを示した場合」、また「医療従事者の労働時間短縮 が医療上の課題(患者の検査・治療待ち期間の延長等)を改善すると中医協が認めた場合」には 改めて加算として評価を行うことを検討頂きたい。 【事例】 • 放射線治療計画支援プログラム →P.5 4 (1)-① 英国で治療・検査待ち期間の延長抑制が評価された背景と事例 ● 放射線治療計画で膨大な時間を要する「コンツーリング」を支援AIに担わせ、治療待ち時間を短縮 ● 英国NICEでは、支援AIの使用を推奨するガイダンスを発出 CT撮影 ターゲットの設定 放射線照射 コンツーリング マージンの設定 1) 重要臓器の入力 何百枚ものCT画像に病変と周辺臓器の輪郭を入力する、治療計画時の「コンツーリング」は膨大かつ複雑な作業であり、1患者あたり数時間を要する ことがある 1)イングランド、スコットランド、北アイルランドにおけるがん治療待ち期間の目標2) • がんが疑われる緊急の紹介状を病院が受け取ってから治療開始までの待ち期間が2カ月(62日)を超えない • 患者と担当医が治療プランに合意してから治療を開始するまでの待ち期間が1か月(31日)を超えない 2)イギリスでは、放射線治療医の業務のひっ迫とそれによって生じる患者の放射線治療の待ち期間が問題となっており、コンツーリング支援 AIによる改善が期待されている。そのような中、NICEは、3年のデータ収集と分析の結果報告を行うことを企業に義務付け、将来再評価 を行うことを条件に、9種類のコンツーリング支援AIの使用を推奨するガイダンスを発出3)。 1) 蔵書No.06 WJTOG肺がん市民公開講座 in 北九州-肺がんになったらどうする?- https://www.wjog.jp/library/library06-3.html 2) Cancer research UK、Cancer waiting times、https://www.cancerresearchuk.org/about-cancer/worried-about-cancer/cancer-waiting-times 3) NICE、Artificial intelligence technologies to aid contouring for radiotherapy treatment planning: early value assessment、27 September 2023、 5 https://www.nice.org.uk/guidance/hte11/resources/artificial-intelligence-technologies-to-aid-contouring-for-radiotherapy-treatment-planning-early-value-assessment-pdf-50261966238661 (1)-② 待ち期間延長の患者アウトカムへの影響とコンツーリング支援AIのエビデンス (1)乳がん、頭頸部がん、子宮頸がん、結腸・直腸がんにおいて、治療開始の遅延が患者予後に影響するとの報告がある (2)放射線治療を受ける患者数の増加が見込まれる中、コンツーリングがボトルネックとなり治療開始までの待ち期間 延長が生じた場合、患者の予後に影響が出る可能性 (3)国内外の実臨床で、コンツーリング支援AIがコンツーリング時間を短縮したことが報告されている (1)放射線治療開始の遅延の影響 がん腫 遅延の影響 乳がん 術後補助放射線治療が8週以上遅れると5年局所再発率が1.62倍(OR 1.21-2.16)に1) 頭頸部がん 術後補助放射線治療が6週以上遅れると5年局所再発率が2.89倍(OR 1.60-5.21)に1) 子宮頸がん 放射線治療開始が4週遅延で5年死亡リスクが1.27倍(HR 1.12–1.45)、再発リスクは1.72倍(HR 1.25–2.35)に2) 結腸・直腸がん 4、8、12週の遅延に対して全死亡HRはそれぞれ1.14(1.09-1.18)、1.29(1.20-1.39)、1.47(1.31-1.64)3) (2)放射線治療の増加4) (3)NICEが推奨するコンツーリングAI使用による時間削減(CurtiseK. C. Ng(2024)5)のシステマティックレビューで引用された論文より) コンツーリング時間 コンツーリング時間 著者(発表年)、国 対象AI 比較対照 削減率 【比較対照技術】 【対象AI】 Hu et al. (2023), Australia AI-Rad companion organs RT Manual contouring 16分 2.9分 82.2% Atlas-based auto- Yamauchi et al. (2024), Japan AI-Rad companion organs RT 18.6分 10.1分 45.4% segmentation Almberg et al. (2022), NorwayRayStation v9B Manual contouring 60.0分 15.0分 75.0% Bakxet al. (2023), RayStation v9B/10B-SP1 Manual contouring 58.6分 24.5分 58.2% The Netherlands Mikalsen et al. (2023), RayStation v11B-SP2 Manual contouring 47.2分 15.1分 68.0% Norway 出典: 1) Huang J, et Al.,. Does delay in starting treatment affect the outcomes of radiotherapy? A systematic review. J Clin Oncol.2003 Feb 1;21(3):555-63. 2) Tariku Shimels, et al.,Associationbetween delayed initiation of treatment indications and survival in patients with cervical cancer: a systematic review and meta-analysis, Eur. J. Gynaecol. Oncol. 2024 vol.45(3), 4-15 3) Ungvari, Z., et al. Treatment delay significantly increases mortality in colorectal cancer: a meta-analysis. GeroScience47, 5337–5353 (2025). 4)厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課、2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化に関する参考資料、(がん診療提供体制のあり方に関する検討会、令和7年8月1日) 5) https://www.researchgate.net/publication/387273502_Performance_of_Commercial_Deep_Learning-Based_Auto-Segmentation_Software_for_Breast_Cancer_Radiation_Therapy_Planning_A_Systematic_Review 6 (2)プログラム医療機器の保険外併用療養費制度において臨床研究で有効性が 認められなかった場合等の取り扱い 【背景・現状】 ① 2024年改定で、第一段階目の承認を得たプログラム医療機器、もしくは薬事承認の適応範囲と保険 適用の範囲に解離がありチャレンジ申請の権利を獲得したプログラム医療機器は、評価療養とできる制度 が新設された。 ② 第一段階目の承認を得て評価療養の対象となったプログラム医療機器等を医師や患者が使用し、その 後の臨床研究で有効性が認められず、診療報酬上の加算の見込みがないなど企業が保険適用を希望 しない中で患者が継続利用を希望するような場合、当該プログラム医療機器についての保険外併用 療養費制度上の取扱いが明確に規定されていない。 ③ 多焦点眼内レンズのケースでは、先進医療において既存治療に対する優越性は示されなかったものの、 患者の利便性向上につながる「眼鏡装用率の軽減効果」が示されたことで、評価療養から選定療養に 移行した。 【提案】 ① 第一段階目の承認を得て評価療養の対象となったプログラム医療機器を医師や患者が使用し、その後 当該プログラム医療機器の臨床研究で有効性が認められず、診療報酬上の加算の見込みがないなど 企業が保険適用を希望しない中で患者が継続利用を希望するような場合、多焦点眼内レンズのケース と同様に、評価療養から選定療養に移行しうることを手続きと併せて明確化できないか? 7 (2)ー① プログラム医療機器版リバランス通知に基づくプログラム医療機器の保険外併用療養費制度 評価療養の結果、もしくは保材専での審議の結果を踏まえて、多焦点眼内レンズのように最終的に選定療養が選択されること がありうる 保険で評価され得る 対応済 上乗せ効果あり ⇒選定療養 臨床研究で有効性が 示されず、A1/A2申請を 希望する 決定区分A1/A2 (希望書取り下げ) 臨床研究で有効性が 対応済 示されず、保険適用を 選定療養 希望しない 8 (2)ー② 選定療養の手続きの明確化 ・評価療養で有効性が有意差をもって示されなかった場合は、二段階承認申請を行わないことが想定される ・評価療養で有効性が示され、二段階承認を取得した場合でも、A1/A2落ちやC1/C2で評価が不十分な結果 となる場合があると想定される。 →このような場合に、患者の使用意向を踏まえて、切れ目なく安定供給を継続する観点から、企業が選定 療養で製品を供給する場合の手続きを明確にして頂きたい。 評価療養 二段階承認 保険申請 選定療養 保険適用: A1/A2受諾 内示:決定区 選定療養:保険適 分A1/A2 用希望書取り下げ 有効性に有 二段階承認 保険適用希望書提 意差あり 申請実施 出(C1/C2) 保険適用: 手 C1/C2受諾(評 続 価が十分) き 選定療養:保険適 内示:決定区 の 用希望書取り下げ 分C1/C2 明 (評価が不十分) 確 評価療養 化 実施 保険適用希望書提 保険適用: 出(A1/A2) A1/A2申請 有効性に有 二段階承認 意差なし 申請断念 保険適用を希望し 選定療養 ない 9 2.参考資料:継続検討中の業界要望・提案 テーマ 備考 医療従事者の労働時間短縮に寄与するプログラム医療 医師の働き方改革は、猶予期間満了後も課題が残る状況。 機器への加算評価 人材不足により、タスクシフトへの診療報酬付与も決め手とならず、機械化、 AI化なども検討すべき状況。 特材では加算評価の対象だが技術料包括の医療機器は評価の対象外。 技術料包括のプログラム医療機器のさらなる予見性向上に 重複部分は「イノベーションの評価」で提案。 ついて ただし、プログラム医療機器と有体物の医療機器では評価軸の有無など 異なることから、継続検討中。 技術料包括のプログラム医療機器への経済性加算の新設 「イノベーションの評価」に集約して提案。 体内植込み機器の交換が不要となる制御SaMDの評価 具体事例を継続検討中。 シングルモーダルAIとマルチモーダルAIにおけるプログラム医療機 同上。 器に対する評価 類似の承認品がある場合や認証基準があるプログラム医 同上。 療機器の保険外併用療養費制度の活用について プログラム医療機器版リバランスにおける既収載品の特 同上。 例について アウトカム評価(P4P)の考え方の積極活用 馴染みやすい医療機器の類型化などを継続検討中。 10 8/6中医協材料部会の「論点」に対する業界の意見 2.プログラム医療機器について ○ 令和6年度診療報酬改定において、プログラム医療機器の評価基準について明確化を 行ったところ。今後もプログラム医療機器がさらに上市されることも想定し、評価基準の 更なる明確化について検討してはどうか。 ○ プログラム医療機器を特定保険医療材料として原価計算方式で評価する場合において、 原価計算に含めるべき費用の対象範囲については、これまでに原価計算で評価された プログラム医療機器の事例等を分析しつつ、検討してはどうか。 ○ 主として患者が操作等を行うプログラム医療機器であって、保険適用期間の終了後に おいて患者の希望に基づき使用することが適当と認められるものについて、選定療養 を活用するに当たり、医療現場においてより活用しやすい運用方法を検討してはどうか。 ○ 上記論点について異論ございません。 11 3.-(1) 原価計算、及び継続的に提供するために必要な費用 ● 薬事承認によって認められた性能に基づく機能を提供するために、継続的な費用が発生するケース、物価上昇を 上回ってコスト上昇するケースなどへの留意が必要。 12 出典:中医協材-2 5.8.30 P.26より プログラム医療機器の評価に関して(まとめ) 1) ・生産年齢人口の減少 様々な医療上の課題を、様々な形で改 ・入院患者数の増加 善する多様なSaMDが広く普及することが ・複合ニーズをもつ高齢者の増加 望まれる ・死亡数の増加 1) 厚生労働省、かかりつけ医機能報告制度に係る第1回自治体向け説明会、2024年、https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001452509.pdf 13 本日の提案内容 1.プログラム医療機器の評価に関して P.4-P.13 (1)治療・検査待ち期間の延長を生じさせないことによって医療の質の 維持・向上を支援するプログラム医療機器等の評価 (2)プログラム医療機器の保険外併用療養費制度において臨床研究で有効性が 認められなかった場合等の取り扱い 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について P.15-P.26 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上 (2)チャレンジ申請の要件緩和について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 3.在宅医療に関する診療報酬関連提案事項 P.28-P.30 (1)在宅医療の保険構造に起因する課題の改善 4.PET検査の保険適用区分に関して P.32-P.34 (1)診断を目的としたPET検査の保険適用区分の再構築について 5.安全確保を推進するために P.36-P.41 (1)医療機関と連携したサージカルスモーク対策の推進について (2)画像診断に使用するディスプレイの品質管理に関する評価について 14 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について 技術料包括医療機器と特定保険医療材料の評価ルール 技術料包括医療機器 特定保険医療材料 【イノベーション評価】 【イノベーション評価】 ・チャレンジ申請 ・チャレンジ申請 ・画期性加算、有用性加算、改良加算 ・ニーズ選定品への対応評価 ・経済性加算 ・市場性加算Ⅰ・Ⅱ、先駆加算、特定用途加算 ・機能区分特例 ・不採算要望 ・費用対効果評価 ・迅速な保険導入に係る評価 【点数調整】 【価格調整】 ・市場拡大再算定 ・市場拡大再算定 ・外国平均価格に基づく価格調整 ・市場実勢価格調整 ・外国平均価格に基づく再算定 ・費用対効果評価 15 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上 【背景・現状】 ① 特定保険医療材料は、平成26年に中医協による議論の中で、定量的評価を行うよう求められた事から、 厚労科研により研究班を立ち上げ、画期性・有効性・改良に関する加算の考え方が示された。 ②この事を受け、平成27年より業界からは、技術料包括医療機器においても同様な検討を要求してきたが、 未だC2(新規技術)への該当性の考え方、技術料(価格)の考え方が示されておらず、C2申請が妥当 であるかの判断や、準用技術料で設定される価格の予見性を立てることが困難である。 【提案】 プログラム医療機器も含めた技術料包括機器に関する下記の点について、令和7年3月に発行された「新時代 の医療機器償還制度のあり方に関する検討会」の報告書(P.17参照_参考資料)も参考とし、特材とは異なる 技術評価における評価の視点の明確化や評価ポイントの定量化、加算シート作成等を検討する為の検討の場 (公的研究班の立ち上げ等)を設定頂けないか。 [検討頂きたい内容] ・画期性加算、有用性加算、改良加算 (P.18参照_提案例) ・ニーズ選定品への評価および経済性加算 (P.19ー21参照_提案例) ・迅速な保険導入に係る評価等 なお、研究班立ち上げに際しては、企業所有のデータを必要とするケースもある事を想定し、産業界からも 積極的に下記のような点で研究班に貢献できると考えるため、研究班で意見を述べさせていただきたい。 ①各種統計情報の提供 ②各種アンケート調査等の実施 ③分析および資料作成 16 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上_参考資料 ①制度的に手当てすべき医療機器を層別化する考え方 ②民間保険の活用に関する考え方 ③新たな給付制度にたいする考え方 17 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上_提案例 <技術料の改良技術評価の視点(案)> イ 構造等における工夫により、当該医療機器を使用した技術が類似技術に比して、職業感染リスクの低減な ど医療従事者への高い安全性を有することが、客観的に示されていること。 ロ 類似技術に比して、当該新規収載品の使用における環境に及ぼす影響が小さいことが、客観的に示されて いること。 ハ 構造等における工夫により、当該医療機器を使用した技術が類似技術に比して、患者にとって低侵襲な治 療が可能となることや合併症の発生の減少、検査・診断性能の向上により患者の負担が少ない治療選択が 可能となること、リスク等の情報共有の推進、医療過誤の防止などにより、より安全かつ有効な検査・診 断・治療をできることが、客観的に示されていること。 ニ 小型化、軽量化、設計等の工夫により、当該医療機器を使用した技術がそれまでの技術に比して、小児等 への適応の拡大が客観的に示されていること。 ホ 構造等の工夫により、当該医療機器を使用した技術が類似技術に比して、より安全かつ簡易な手技、術者 の身体的・精神的負担軽減や術者の技術レベルの均てん化が可能となること、医療提供体制の維持のため に診療時間の短縮や検査の削減や入院日数の短縮など医療の生産性向上が可能となること等、医療従事者 の働き方改革に資することが、客観的に示されていること。 ヘ 構造等の工夫により、当該医療機器を使用した技術が類似技術に比して、形状の保持が可能になるといっ た耐久性の向上や長期使用が可能となること、客観的に示されていること。 ト 構造等の工夫により、当該医療機器を使用した技術が類似技術に比して、操作性等が向上し、患者にとっ て在宅での療養を安全かつ容易とすることが、客観的に示されていること。 チ 人その他生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料(以下「生物由来原料等」という。)とし て用いた類似医療機器に比して、全ての生物由来原料等を除いた場合で、かつ、同等の機能を有すること が客観的に示されていること。 等 ※ 構造等にはソフトウェアも含む 18 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について 参考資料 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上_ニーズ品事例 【参考】「超音波内視鏡下胆道ドレナージ」ニーズ品選定品 ①ディスポーザブル吸引生検針(A社) ②Medi-Globe 内視鏡用吸引生検針(B社) ③ES ダイレータ(C社) ④ディスポーザブル内視鏡通電ダイレータ(B社) ⑤ディスポーザブルCysto ガストロセット(D社) ⑥カネカ胆管拡張バルーンREN(E社) ⑦造影用カニューレ(F社) ⑧Niti-S 胆管用シリコーンカバードステント(G社) ⑨ウォールフレックスビリアリー フルカバーステント(H社) ⑩ウォールフレックスビリアリー パーシャルカバード ステント(H社) ⑪ERBD ステント(Zimmon Biliary Stent)(I社) ⑫GF ステントセット(Through and Pass stent Series)(J社) ※上記リストには現状(R7.3月時点)承認申請検討中、対応不要となっている製品も含まれる。 《出典:「第31,第39回 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」資料より抜粋・改編 》 ・一連の手技において複数社の多種多様な内視鏡処置具が使用される手技であり、特材で扱 われるものと技術料包括医療機器で扱われるものが混在する ⇒ 対応製品や対応企業により、採算性の確保のための措置にバラツキが生じる可能性あり ※ 選定品リスト赤枠内の製品は特材のため採算性確保の措置対象となる一方その他は技術料包括医療機器のため 措置の対象外となっている。 19 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について 参考資料 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上_経済性評価事例 冠動脈疾患が疑われる患者において、本来、不要であった機能検査や侵襲的冠動脈造影検査を、 フォトンカウンティングCTの高精細な画像診断技術によって削減 CAD-RADTM 2.0 では、50%以上の狭窄率を有する患者に追加の機能評価等が必要1) Sankeydiagramを用いたUHRによるCAD-RADSの再分類3) 標準的な解像度と高精細な解像度による同一の石灰病変画像の比較2) • 安定狭心症が疑われる114名の患者(石灰化スコア≧10) を対象 • Standard resolution(SR)の画像を用いた判定とUltra-high resolution(UHR)の画像を用いた判定の比較において、UHRでは 54%の患者で狭窄度がより低いカテゴリーへ再分類された。 (SR画像では、49人において機能評価やカテーテル検査を考慮 すべきとするカテゴリー3,4と判定されたが、UHR画像では27人 であり、22人は機能評価不要と再分類された。) ⇒石灰化スコア≧10の患者において、約半数で本来不要な機能検査 やCAGが回避される 1)高木、冠動脈CT での動脈硬化評価、冠疾患誌2022; 4: 5-8、https://www.jstage.jst.go.jp/article/njcoron/4/0/4_5/_pdf/-char/ja 2)サウスカロライナ医科大学提供 3)Halfmann, et. al., Ultra-spatial resolution photon counting detector CT angiography of coronary artery disease for stenosis assessment, Radiology 2024; 310(2), https://pubs.rsna.org/doi/10.1148/radiol.231956 20 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について 参考資料 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上_経済性評価事例 7833人を対象とした国内の後ろ向き研究1)で、フォトンカウンティングCT(PCD-CT )は従来型CT(EID-CT,energy-integrating detector computed tomography)と比較して、患者を侵襲的冠動脈造影(ICA, invasive coronary angiography)に紹介する割合が低 く、さらに、フォトンカウンティングCTをへてICAを受けた患者では血行再建手術が必要であった割合が多く、不要なICAを削減 したことが示された。 高精細画像によって狭窄度の過大評価が改善し、不必要な機能検査や、侵襲的なカテーテル検査を回避。患者1人あたり約800ド ルのコスト削減に繋がることがシミュレーションで示された。2) ⚫ 費用対効果: 過去に撮影された15,000件の冠動脈CT患者(生命予後10年超)で試算 従来CT PCCT 侵襲カテ $11.9M 不要な追加検査の費用削減 $794.50 患者1人あたりの平均費用節約額 ⚫ 不要な検査や合併症を回避 機能評価を目的とした追加検査の削減率 18.9% 手技関連合併症の減少率 9.4% 侵襲的カテーテル検査の削減率 6% 1) K Sakai, et al. J Am Coll Cardiol.2025 Feb 4;85(4):339-348. 21 2) M Vecsey-Nagy, et al., J Cardiovasc ComputTomogr. 2024 Nov 4:S1934-5925(24)00461-1. 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (2)チャレンジ申請の要件緩和について 8/6中医協材料部会の「論点」に対する業界の意見 1.イノベーションに対する評価等について (2)使用実績を踏まえた再評価に係る申請(チャレンジ申請)について ○ 平成30 年度にチャレンジ申請の仕組みが新設されて以降、その後の診療報酬改定におい て、チャレンジ申請の対象範囲の拡大が行われてきたところ。今後、申請件数の増加が想定さ れることから、適切かつ迅速に審議を進める必要がある。チャレンジ権の付与に係る審議につ いて、保険医療材料等専門組織への報告をもって決定案とすることができること等を含め、手 続きの明確化を検討してはどうか。 ○ チャレンジ申請に係る審議の効率化の観点から、申請に当たっての具体的なデータ収集方 法及び評価方法について、更なる明確化を検討してはどうか。また、これまでのチャレンジ申 請に係る事例を踏まえつつ、引き続きチャレンジ申請の在り方について検討してはどうか。 ○ 上記論点について異論ございません。 ・チャレンジ権の付与時点で、既に海外にて臨床研究などが開始されている場合 において、同じリサーチクエスチョンの研究を重複して実施する事は現実的では ない点や、申請に要する期間について、実態に即したチャレンジ申請のあり方に ついて検討をお願いします。 22 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (2)チャレンジ申請の要件緩和について 下記表の1)~4)に該当する臨床研究をチャレンジ申請で活用できるようにして頂きたい。 要望の背景; ・ケースによって、望ましい研究デザインや研究実施体制は様々。 ・既に海外で後ろ向き研究が開始されているような場合、日本のために別途研究を実施するとの判断には 中々ならない現状がある。 ・入口を狭めるのではなく、保材専で専門的見地から審議・判断をして頂くことが望ましい。 ・入口を広げることで、デバイス・ロス、デバイス・ラグのリスク回避につながると期待。 チャレンジ申請で活用したい臨床研究の例 チャレンジ申請での活用が妥当である理由 通常、同じリサーチクエスチョンの研究を重複して別途実施 1)国内導入時点で既に開始されている することは困難。これの活用が認められないと、日本への導 海外の臨床研究 入が後回しとなり、海外の研究終了後に改めて導入の是非を 検討することになる恐れがある 幅広く一般的に行われている研究手法であり、過去のチャレ 2)後ろ向き観察研究 ンジ申請でもエビデンスとして認められている。これの活用 (リアルワールドデータ分析を含む) が認められないと、日本のために別途前向き研究を行うかど うかといった議論になる。 3)過去に撮影された画像等を用いて 画像診断領域で一般的に行われている研究手法であり、薬事 正解データを作った上で検証する場合等に 申請の添付資料として認められていて、研究デザインの科学 実施される後ろ向き研究 的妥当性がある 医療機器の使用方法のトレーニングやSaMD解析結果の集計方 法の助言などで企業がサポートすることも多い。 4)医師主導研究 また、薬事申請の添付資料や、通常のC1/C2申請での活用が 認められていて、研究実施体制として確立している 23 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (2)チャレンジ申請の要件緩和について ⚫ 後ろ向き研究でチャレンジ申請が認められた過去事例; 資料 製品名 資料の記載抜粋 Claria MRI CRT-D シリーズ 大規模後ろ向き観察研究において、 Viva CRT-D シリーズ Reactive ATP群はコントロール群 と比較して心房性頻拍イベントの持 続化リスクを低減させた。 (7日以上持続する心房性頻拍イベ ントを27%低減) ⚫ 後ろ向きの研究デザインが妥当な事例; ➢ 画像診断等の領域で、正解データを作成した上で、当該医療技術の検証を行 うようなケース 24 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (2)チャレンジ申請の要件緩和について 複数臓器を対象とする医療技術や先行研究が少ない最先端の領域を対象した医療技術等では、評価のための臨床研究デザインを策定する際 に必要となる疫学データ等が揃っていないことがある。そのような場合はチャレンジ権獲得のための申請までに3年程度を要すると想定 プレスタディーの準備(1年程度) プレスタディーの実施(1年程度) 本スタディーの準備(1年) ①保険申請ストーリーと研究 アイデア検討 ②本スタディーのデザインの検討お よび足りない情報の洗い出し ③プレスタディーの計画書案作成 プ ④研究実施者、実施施設の検討 レ ⑤研究プロトコール確定 ス タ ⑥タイムライン策定、研究予算確保 デ ⑦研究実施施設との委託 ィ 研究/共同研究契約締結 ー ⑧倫理員会/IRB 承認 ⑨研究実施 ⑩統計解析 ⑪報告書作成 ⑫保険申請ストーリーと研究 アイデア検討 本 ⑬本スタディーの計画書案作成 ス ⑭研究実施者、実施施設の検討 タ デ ⑮研究プロトコール確定 ィ ⑯タイムライン策定、研究予算確保 ー ⑰チャレンジ権獲得のための申請準備 25 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 8/6中医協材料部会の「論点」に対する業界の意見 1.イノベーションに対する評価等について (3) 医療技術評価分科会における検討を要する技術について ○ 予見可能性を高める観点から、保険医療材料等専門組織から医療技術評価分科会での審議 を求める対象について、更なる明確化を行ってはどうか。 ○ また、医療技術評価分科会での検討を要することとなった技術について、患者アクセスの 観点も踏まえ、保険適用希望書の受理から2年までとされている評価療養の対象期間について 見直しを行ってはどうか。 ○ 上記論点について異論ございません。 ・医療提供体制のあり方とは何を指すのか等、条件や基準、考え方に関して更なる明確化を お願いします。 ・また、評価療養の対象期間について「医療技術評価分科会での審議の対象となった後、 直近の診療報酬改定において保険適用されるまでの間」に改めて頂く事をお願します。 ・医療技術評価分科会での検討を要することとなった後は、必要に応じて、学会や企業等に ヒアリングを行って頂きたい。 26 本日の提案内容 1.プログラム医療機器の評価に関して P.4-P.13 (1)治療・検査待ち期間の延長を生じさせないことによって医療の質の 維持・向上を支援するプログラム医療機器等の評価 (2)プログラム医療機器の保険外併用療養費制度において臨床研究で有効性が 認められなかった場合等の取り扱い 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について P.15-P.26 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上 (2)チャレンジ申請の要件緩和について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 3.在宅医療に関する診療報酬関連提案事項 P.28-P.30 (1)在宅医療の保険構造に起因する課題の改善 4.PET検査の保険適用区分に関して P.32-P.34 (1)診断を目的としたPET検査の保険適用区分の再構築について 5.安全確保を推進するために P.36-P.41 (1)医療機関と連携したサージカルスモーク対策の推進について (2)画像診断に使用するディスプレイの品質管理に関する評価について 27 3.(1)在宅医療の保険構造に起因する課題の改善 【現状・背景】 ⚫ 在宅医療の「第1款 在宅療養指導管理料」と「第2款 在宅療養指導管理材料加算」 は「患者1人が1台、医療機器を在宅で使用する」という、在宅医療独特の状況を 実施するための優れた保険構造 ⚫ 原則月1回、指導管理料を算定する場合に材料加算を加算して算定するものであり、 指導管理料が算定できない月は使用中の機器の材料加算も算定できないことが課題 → 過去の課題提起に対し、在宅酸素療法と在宅CPAP療法の材料加算については 「2月に2回に限り算定」と改定され、状況は大きく改善 ⚫ また一部の材料加算では患者利便性の観点等から「2月に2回算定可」等が適用 ⚫ 結果的に原則である「1月に1回に限り算定」以外にも、「2月に2回算定可」、 「3月に3回算定可」が混在している現状(別紙資料参照) 【提案】 ⚫ 医療上の必要性などを踏まえて、具体的にあげる一部の在宅療養指導管理材料加算 について「n月にn回に限り算定」の適用を拡大することを提案する。 (C164 人工呼吸器加算、C175 在宅抗菌薬吸入療法用ネブライザ加算、C152 間歇注入シリンジポンプ加算等) ⚫ 長期的には、全ての在宅療養指導管理材料加算を「3月に3回算定」に統一するこ とについてもご検討いただきたい。 28 「n月にn回に限り算定」の適用拡大を提案する具体事例 ① C164 人工呼吸器加算 (現行1月に1回 → 3月に3回に) 【理由】 *在宅人工呼吸患者の半数以上が在宅酸素療法を併用(日本呼吸器学会「呼吸ケア白書2010」) そのような患者に未外来月が発生した場合、酸素濃縮装置加算(3月に3回)などは算定できるが 人工呼吸器加算(1月に1回)は算定できない ことになり、現場での算定に混乱を生じている *感染流行時など、感染リスク回避のため外来診療を控える指示が出た過去事例あり、対応が必要 ② C175 在宅抗菌薬吸入療法用ネブライザ加算 (現行1月に1回 → 2月に2回に) 【理由】 *本治療法の対象は治療期間が年単位となり専門病院で治療を行う感染症であり、数ヵ月の治療の後、 原因菌の陰性化が認められてから、さらに12か月後まで投与することとされている。 陰性化後は症状も 安定し毎月通院の必要性は低く、毎月の専門病院への外来は患者にとって負担なるケースがありうる。 *投与薬は長期処方可能で、2月毎の診療にも対応可。 *関連学会や患者からも要望がある ③ C152 間歇注入シリンジポンプ加算(現行2月に2回 → 3月に3回に) C152-2 持続血糖測定器加算 (現行2月に2回 → 3月に3回に) C152-4持続皮下注入シリンジポンプ加算 (現行2月に2回 → 3月に3回に) 【理由】 *糖尿病インスリン治療下の患者が行う在宅自己注射に係る、「C150 自己血糖測定器加算」 は 「3月に3回算定可」であり インスリンポンプ治療に関する材料加算(C152、C152-2、C152-4) にも 「3月に3回」を適用することが妥当と考えられる。 *関連学会や患者会からも同様の要望が出ている 29 【参考】「在宅療養指導管理材料加算」の算定に関する主な経緯と現状 <主な経緯> ➢ 平成23年9月;中医協・材料専門部会で課題提起:両側委員から改善すべきとの意見 ➢ 平成24年度改定:HOT・CPAPの材料加算 「2月に2回算定可」(⇒問題が大きく改善) ➢ 平成26年度改定:間歇注入シリンジポンプ加算 「2月に2回」算定可(業界・学会要望による) ➢ 平成28年度改定: HOT・CPAPの材料加算 「3月に3回算定可」(中医協総会の議論を経て) ➢ 患者利便性や診療実態等の視点で新設時から「2月に2回」「3月に3回」算定可とされたものもあり、 現在、「1月に1回」が原則ながら、「2月に2回」、「3月に3回」算定可が増加している <令和6年度改定後の状況> 【2月に2回に限り算定可】 青字:令和2、 紫字:令和4、赤字:令和6 新設 C152 間歇注入シリンジポンプ加算 *新設時から「2月に2回」「3月に3回」のものもある C152-2 持続血糖測定器加算 C152-3 経腸投薬用ポンプ加算 【月1回に限り算定】 C152-4 持続皮下注入シリンジポンプ加算 C151 注入器加算 C161 注入ポンプ加算 C153 注入器用注射針加算 C154 紫外線殺菌器加算 【3月に3回に限り算定可】 C155 自動腹膜灌流装置加算 通則3 乳幼児呼吸管理材料加算 C156 透析液供給装置加算 C150 自己血糖測定器加算 C160 在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算 C157 酸素ボンベ加算 C162 在宅経管栄養法用栄養管セット加算 C158 酸素濃縮装置加算 C164 人工呼吸器加算 C159 液化酸素装置加算 C166 携帯型ディスポーザブル注入ポンプ加算 C159-2 呼吸同調式デマンドバルブ加算 C167 疼痛管理用送信器加算 C163 特殊カテーテル加算 C168 携帯型精密輸液ポンプ加算 C165 在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算 C168-2 携帯型精密ネブライザー加算 C171 在宅酸素療法材料加算 C169 気管切開患者用人工鼻加算 C171-2 在宅持続陽圧呼吸療法材料加算 C170 排痰補助装置加算 C172 在宅経肛門的自己洗腸用材料加算 C173 横隔神経電気刺激装置加算 C171-3 在宅ハイフローセラピー材料加算 C175 在宅抗菌薬吸入療法用ネブライザ加算 C174 在宅ハイフローセラピー装置加算 30 本日の提案内容 1.プログラム医療機器の評価に関して P.4-P.13 (1)治療・検査待ち期間の延長を生じさせないことによって医療の質の 維持・向上を支援するプログラム医療機器等の評価 (2)プログラム医療機器の保険外併用療養費制度において臨床研究で有効性が 認められなかった場合等の取り扱い 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について P.15-P.26 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上 (2)チャレンジ申請の要件緩和について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 3.在宅医療に関する診療報酬関連提案事項 P.28-P.30 (1)在宅医療の保険構造に起因する課題の改善 4.PET検査の保険適用区分に関して P.32-P.34 (1)診断を目的としたPET検査の保険適用区分の再構築について 5.安全確保を推進するために P.36-P.41 (1)医療機関と連携したサージカルスモーク対策の推進について (2)画像診断に使用するディスプレイの品質管理に関する評価について 31 4.(1)診断を目的としたPET検査の保険適用区分の再構築について 【背景】 ○ PET検査は、撮像等に係る技術と医薬品を組み合わせることで診療可能となる(個別では検査 にならない)。そのため、臨床でのPET検査実施には、PET検査(撮像等に係る技術料)の診 療報酬と医薬品の薬価収載の両方が設定されている必要がある。 ○ 現状、PET医薬品の保険適用は2年に1回の学会からの医療技術評価提案書による保険申請のみ が選択肢であり、さらに、必ずしもその提案が通るとは限らない。 ○ 関連学会(日本核医学会)から撮像等に係る技術料の設定を医療技術評価分科会にR4/R6年度 に要望したが、保険制度上の問題であることを理由に、PET診断薬が薬事承認されているにも 拘らず、PET検査に係る技術料が採択されず、患者アクセスが3年遅れた。 ○ PET検査の撮像等に係る技術料が設定されていないものは、PET診断薬の保険適用申請もでき ない状態であり、今後上市予定の前立腺がんのPET診断剤等が国内で広く使われず国内患者へ の不利益が見込まれる。 ○ 100名を超える国内の前立腺がん患者が、前立腺がんの検査であるPSMA-PET検査を求めて、 海外へ渡航しています。 論点・提案 ○ 診断を目的としたPET検査の保険適用区分の新設について、PET診断薬の承認を得た企業が、例えばC2申請や治療薬の適応判定の 補助の場合のPET検査のように保険医療材料等専門組織を経る枠組みで保険適用申請ができる制度の再構築を希望する。 32 (参考資料1) 診断を目的としたPET診断薬(医薬品)の保険適用制度がないことによる PET検査ラグ事例(ドラッグラグ/診療ラグ) 検査ラグ事例:アミノ酸PET(アキュミン静注;2021年3月承認) MRI(造影)領域外の腫瘍を描出 切除範囲の変更 60.9% しかし、薬事承認後、3年間 薬価収載されず MRI(造影) MRI(FLAIR法) アミノ酸PET MRI造影領域 < PET集積領域 Annals of Nuclear Medicine (2021) 35:1279–1292 検査ラグ事例;PSMA-PET;国内治験中 国内 既存診断 海外 PSMA-PET (骨シンチ) 2020年12月以降、3 *保険診療にて実施 剤が承認販売済 *診療ガイドライン位置づけ 治療方針の変更 63.9%※ 承認後、2年以上、薬価収載されない可能性 米 CONDOR試験 Clin Cancer Res. 2021 Feb 23;27(13):3674–3682 本邦の前立腺癌患者は、適切な治療選択の機会を逸す る。 British Journal of Radiology, Volume 95, Issue 1131, 1 March 2022, 20210728 33 (参考資料2) 今後承認申請が見込まれるPET検査(診断目的)の事例 現行 の学会プロセス (医療技術評価提案書申請) 2028年? 2030年? 2032年? 2年に1回の機会のみ、かつ必ずしも採用されない。 薬事承認 2年 2年 2年 新 プロセス 新制度 (保険適用希望書申請) 薬事承認と連動した保険適用が出来る仕組み 薬事承認 ← 数か月 → 大幅な患者アクセス改善 MRI/CT/SPECTなどの診断薬は保険適用申請が可能 国内企業が開発中のPET診断薬 対象 製剤 国内開発状況 海外開発状況 前立腺がん 68Ga-PSMA-11 ・Locametz(ノバルティス) 申請中:CDx 承認(2022年):Dx/CDx ・Illuccix(テリックス) P1:Dx/CDx 承認(2021年):Dx/CDx 18F-PSMA-1007(住友重機) P3:Dx(合成装置) 承認(2021年):Dx 64Cu-PSMA-I&T(PDR) P1/2:Dx P3:Dx 神経内分泌腫瘍 68Ga-DOTATATE(ノバルティス) P3:Dx 承認(2016年):Dx 腎がん 89Zr-Girentuximab(テリックス) P1:Dx P3:Dx 64Cu-PD-32766(PDR) P0:Dx - 心筋血流 18F-Flurpiridaz(NMP) P2:Dx 承認(2024年):Dx アルツハイマー病 18F-APN-1607(APPRINOIA) P2:Dx P2:Dx 企業ホームページ、jRCTから抜粋(放射性医薬品協会調査) 34 本日の提案内容 1.プログラム医療機器の評価に関して P.4-P.13 (1)治療・検査待ち期間の延長を生じさせないことによって医療の質の 維持・向上を支援するプログラム医療機器等の評価 (2)プログラム医療機器の保険外併用療養費制度において臨床研究で有効性が 認められなかった場合等の取り扱い 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について P.15-P.26 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上 (2)チャレンジ申請の要件緩和について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 3.在宅医療に関する診療報酬関連提案事項 P.28-P.30 (1)在宅医療の保険構造に起因する課題の改善 4.PET検査の保険適用区分に関して P.32-P.34 (1)診断を目的としたPET検査の保険適用区分の再構築について 5.安全確保を推進するために P.36-P.41 (1)医療機関と連携したサージカルスモーク対策の推進について (2)画像診断に使用するディスプレイの品質管理に関する評価について 35 5.(1)医療機関と連携したサージカルスモーク対策の推進について 【現状・背景】 サージカルスモークの患者・医療従事者への危険性や医療従事者に対する健康被害が多いことが 報告されており、手術医療の実践ガイドライン(改訂第三版)においてもその対策が必要と されている ・1gの組織焼灼にて発生したサージカルスモークには、フィルターなしのタバコ 6 本分と同等の毒性、変異原性物質が含まれ、また 形成外科手術で1日あたりに発生するサージカルスモークの有害物質の量は、フィルターなしのタバコ約27~30本分に相当する※1 ・手術室看護師は、一般人の約2倍の頻度で呼吸器症状を訴えており※2、また内視鏡下胆嚢摘出術を受けた患者の術後の尿中において サージカルスモークに起因すると考えられるベンゼン等の揮発性有害物質の排泄濃度が上昇することが知られている※3 ・米国の 20 の州で手術室に排煙装置を設置することが義務付けられている ※4 【提案】 サージカルスモークを低減する措置を行った場合の「手術医療機器等加算」による加算、もしく は、サージカルスモーク対策のための体制の構築と管理維持を要件とした施設基準を満たすこと による加算。 手術医療機器等加算 <サージカルスモークの発生> 医療安全対策手術機器加算の新設 電気メス等のエネルギーデバイ (或いはサージカルスモーク対策機器加算) (特掲診療料「手術」第3節への追加) スを使用する手術 ・開腹手術 医療機器安全管理料4を新設* ・内視鏡手術 管理料の新設 *B011-4医療機器安全管理料に追加 エネルギー機器使用時に発生するサージカルスモークを低減するための体制が整えられている 保険医療機関においてエネルギー機器を使用して治療する場合(一連につき) ※1 HILL, D. S., et al. Surgical smoke–a health hazard in the operating theatre: a study to quantify exposure and a survey of the use of smoke extractor systems in UK plastic surgery units. Journal of plastic, reconstructive & aesthetic surgery, 2012, 65.7: 911-916. ※2 BALL, Kay; GILDER, Richard E. A mixed method survey on the impact of exposure to surgical smoke on perioperative nurses. Perioperative Care and Operating Room Management, 2022, 26: 100232. ※3 DOBROGOWSKI, Miłosz, et al. Chemical composition of surgical smoke formed in the abdominal cavity during laparoscopic cholecystectomy–assessment of the risk to the patient. International journal of occupational medicine and environmental health, 2014, 27.2: 314-325. ※4 The Association of periOperativeRegistered Nurses (AORN) Smoke Evacuation News 36 米国の20州で手術室に排煙装置を設置することが義務付けられているほか欧州や オーストラリアなど様々な地域の行政機関から、サージカルスモークについてのリスク 喚起と排煙対策を推奨するガイドラインが発出されている。 イギリスの安全衛生庁(Health and Safety Executive): サージカルスモークへの暴露や有害な影響に関するエビデンスレ ビューに基づくリスク喚起(2012年) https://www.hse.gov.uk/research/rrpdf/rr922.pdf https://www.aorn.org/get-involved/government-affairs/policy- agenda/surgical-smoke-free-or/smoke-bills ウェストバージニア州: オーストラリアNSW州の保健省 (NSW Health) : サージカルスモークへの暴露を適切に管理し、同スモークに関連 2025年1月1日より、手術時の煙が発生する可能性のあるあらゆる処置中に医療施設が煙排出システムを するリスクを排除するためのガイドライン(2015) 使用することが義務付けられる。違反した医療施設は1,000ドルから5,000ドルの罰金 https://www1.health.nsw.gov.au/pds/ActivePDSDocuments/GL https://www.aorn.org/about-aorn/aorn-newsroom/health-policy-news/article/west-virginia-hb-4376-enacted 2023_018.pdf 37 5.(1)医療機関と連携したサージカルスモーク対策の推進について サージカルスモークとは主に手術時における電気メスやレーザー等の 排煙装置無し エネルギーデバイス使用時に発生する煙状の副産物である。 サージカルスモークには揮発性有機化合物 (シアン化水素、ホルムアルデ ヒド)を含む150種類以上の化学物質が含有され、1gの組織焼灼にて発生 したサージカルスモークにはフィルターなしのタバコ6本分と同等の毒性、 変異原性物質が含まれ、形成外科手術で1日に発生するサージカルスモーク の変異原性はタバコ30本分に相当すると言われている。※1 サージカルスモークの粒子径は小さく一般的な医療用マスクで吸入を防ぐ ことができない。また目や皮膚への暴露も防ぐことができない。 手術室看護師は、一般人の約2倍の頻度で呼吸器症状を訴えており、これは サージカルスモークへの曝露による影響が示唆される結果とされている※2 排煙装置有り 内視鏡下胆嚢摘出術をうけた患者では、2時間以内の短時間の手術でも、 サージカルスモークが腹膜から吸収され、ベンゼンやトルエンの術後尿中 の排泄濃度が上昇することが知られている。※3 日本手術医学会より発行されている手術医療の実践ガイドライン(改訂 第三版)においても「サージカルスモークに対して,排煙装置の配備が 望ましい。」と謳われている。 サージカルスモークの有害性に関する懸念は、手術に従事する看護師・ 麻酔科医・医師・臨床工学技士など、多職種の医療従事者によって示唆 されており、実際の医療現場での問題として認識されている。 ※1 HILL, D. S., et al. Surgical smoke–a health hazard in the operating theatre: a study to quantify exposure and a survey of the use of smoke extractor systems in UK plastic surgery units. Journal of plastic, reconstructive & aesthetic surgery, 2012, 65.7: 911-916. ※2BALL, Kay; GILDER, Richard E. A mixed method survey on the impact of exposure to surgical smoke on perioperative nurses. Perioperative Care and Operating Room Management, 2022, 26: 100232. ※3 DOBROGOWSKI, Miłosz, et al. Chemical composition of surgical smoke formed in the abdominal cavity during laparoscopic cholecystectomy–assessment of the risk to the patient. International journal of occupational medicine and environmental health, 2014, 27.2: 314-325. 38 5.(2)画像診断に使用するディスプレイ(モノクロ医用画像表示)の品質管理に関する評価について 【現状・背景】 ※モニタ(原文等をそのまま引用)=ディスプレイ 液晶ディスプレイの表示特性の違いで同一の病変が異なって見える、経年変化で表示品質が保て ない等の問題が起こりうるが、モニタ診断が普及している一方で、画像診断に使用するディスプ レイの品質管理の重要性が十分に認識されておらず、実施していない施設が多い 。 ① 日本医学放射線学会発行の「デジタル画像の取り扱いに関するガイドライン 3.0版」では表 示部位や診断内容に応じて適切なモニタを選択することや適切に管理・整備されていなけれ ばならないことが明記されている。 ② 国会参議院での答弁などが発端となり、維持・保守・管理の対象とするため、2024年7月に モノクロ画像表示を対象とする「GSDFキャリブレーション機能付き画像診断用ディスプレ イ」が特定保守管理医療機器として告示された。また、世界各国で国際規格が反映されてお り、日本でも整合を取った品質管理規格の「JIS T 62563-2」が2024年2月に制定された。 ③ ディスプレイの品質管理の実態について、アンケート調査結果から品質管理が十分に普及し ているとはいえず、管理に必要な人・時間・機器・ツール等の費用の確保ができず、実施が 困難な状況の医療施設が多い。 【提案】 ① 画像診断に使用するディスプレイ(モノクロ医用画像表示)について、適正な画像診断および 医療安全のために品質管理が必要であることを明確に示すとともに、医師の指示のもと、診療 放射線技師などが適切な規格等に基づいて品質管理を実施していることを評価して頂きたい。 ② 品質管理の実施を明確にする方策として「画像診断に使用するディスプレイが基準を満たして いることを示す試験結果と履歴の保存」を要件化することなどをご検討頂きたい。 39 5.(2)画像診断に使用するディスプレイ(モノクロ医用画像表示)の品質管理に関する評価について モノクロ医用画像表示用と情報機器・事務用(ノートPC含む)との違い モノクロ医用画像 情報機器・事務用 主な特長の比較 品質管理の必要性 表示用 (ノートPC含む) デジタル画像の取り扱いに関するガイドライン 3.0版 階調特性 GSDF ガンマ2.2など 公益社団法人 日本医学放射線学会 キャリブレーション 可能 不可 http://www.radiology.jp/content/files/20150417.pdf (輝度・階調調整) モニタは経年変化で劣化し、特に輝度が低下するの 品質管理 可能 不可 で、正確な読影診断ができるよう留意すること。単純 (ツール・アプリ含む) 写真を例にとると、コントラストの低い信号の検出に 輝度安定化機能 あり なし 影響が認められた。 (経年変化の補償) GSDF(Grayscale Standard Display Function): DICOM規格で定義されたモノクロ画像用の表示関数 知覚的にリニアな特性を持ち、画像表示の再現性が高い 「ディスプレイの階調特性」と「見え方」ついて JND(弁別できる最小の差異)で科学的に説明可能 JND:Just Noticeable Difference GSDFの見え方は どの階調でも同じ ガンマ GSDFよりも識別しくい 第54回報告書「再発・類似事例の分析」の 記載事例には、「X 線撮影後の画像の確認 をノートパソコンの画面で行っていた」も 識別しにくい のがあった。スペックは不明だが、GSDFで なくガンマ2.2だった可能性が高く、識別し ガンマ2.2 イメージ図 にくかった可能性がある。 40 5.(2)画像診断に使用するディスプレイ(モノクロ医用画像表示)の品質管理に関する評価について 日本画像医療システム工業会では毎年実態調査を実施しているが、診断に使用しているモニタの品質管理状 況に大きな変化は見られず、「実施している」が40%程度(1番+2番)、「実施不十分」が60%弱(3番 +4番)と品質管理の普及が進んでいない実態が明らかになっている ◆ 診断に使用しているモニタの品質管理状況(%) 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 1. 全てのモニタの品質管理を行っている 28.2 29.2 27.3 27.7 29.1 2. ほとんどのモニタの品質管理を行っている 13.7 10.2 12.2 12.0 13.1 3. 一部のモニタのみ、品質管理を行っている 31.5 26.1 25.9 26.8 21.6 4. 品質管理を行っていない 24.9 32.3 30.7 30.9 28.2 *無回答を含むため、合計値は100%となりません。 この調査は、全国の医療施設を99 床以下、100 床~299 床、300 床~499 床、500 床以上の4 つの病床群別に分類し、その中から無作為に抽出した 1,000 施設の放射線部 門技師長宛にアンケート用紙を郵送し、郵送調査票あるいは WEB アンケート画面のいずれかにて締切日までに回答いた だいた有効回答数より得られた回答を集計・分析して報 告書としています。2024年度の調査期間は2024年11月1日~2025年1月6日 日本診療放射線技師会及び日本画像医療システム工業会の共同で2019年に実施したアンケート調査結果紹介 ディスプレイ診断において選択肢に示す経験をされたこ 品質管理を行っていない理由は何ですか? モニタ品質管理を実施し、インシデント、アクシデントの とがありますか?(複数回答可)n=890 (複数回答可)n=796 防止につながると感じた事例はどのような事例でしたか? (複数回答可)n=396 アンケート調査は、公益社団法人 日本診療放射線技師会および一般社団法人 日本画像医療システム工業会が共同で実施。 41 調査期間:2019年3月1日~4月20日 調査対象:日本全国の日本診療放射線技師会 会員が所属する医療施設 回答施設数613施設 中医協 材-3 7 . 8 . 27 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 意見陳述資料 【医療機器流通】 2025年8月27日 一般社団法人 日本医療機器販売業協会(医器販協) 本日の内容 1. 物価に連動した材料価格制度への見直し 2. 医療機器流通のDX推進に向けた対応 参考資料1 償還価格と希望小売価格の乖離状況 参考資料2 メーカーからの価格改定の案内 参考資料3 ガソリン価格の推移/販売業の在庫の推移 参考資料4 特材の粗利率の推移/平均乖離率の推移 参考資料5 標準コード化後のデータフロー 参考資料6 医療材料管理室の設置について 適 正 流 使 通 用 支 援 1 1.物価に連動した材料価格制度への見直し① ① 希望小売価格が償還価格を上回る特定保険医療材料が増加している(参考資料1) ➢ 償還価格と希望小売価格が同一であった製品において、償還価格が下がっても希望小売価格が据え置かれた り、逆に値上げとなる製品がある(ケース①) ➢ 再算定により償還価格が大きく下がった場合でも希望小売価格が変わらない製品がある(ケース②) ➢ 償還価格に変更がなくても希望小売価格が値上げされる製品がある(ケース③) ② 販売業者の仕入価格や流通経費は上昇傾向にある(参考資料2,3) ➢ 希望小売価格の値上げのほか、仕入価格は上がっている ➢ 製品価格以外にも、メーカーの作業料や送料が上昇している ➢ 人件費やガソリン代、電気代等の高騰により、販売業者の流通経費は増加している 現 ➢ 「物流の2024年問題」対策のため、販売業者の在庫負担は増加している 状 ③ 特定保険医療材料の粗利率は下がり続けている(参考資料4) ➢ 一般材料とは異なり、特定保険医療材料は償還価格が定められているため、仕入価格や流通経費が上昇して もコスト増加分を販売価格に転嫁することは容易ではない ➢ 価格交渉代行業者(価格コンサルタント)や全国一律のベンチマークにより、医療機関との価格交渉が頻回 化・長期化し、粗利率の低下に拍車がかかるだけでなく、営業担当者は交渉業務に忙殺されている ④ 材料価格調査の平均乖離率は減少し続けている(参考資料4) ➢ 希望小売価格が償還価格を上回る特定保険医療材料の場合、償還価格よりも高く販売せざるを得ない場合 がある ➢ 材料価格調査の結果、市場実勢価格加重平均値が償還価格を超えている機能区分が存在するのではないか 2 1.物価に連動した材料価格制度への見直し② ① 安定供給の阻害要因 ➢ 特定保険医療材料は適正使用支援業務を必要とする製品が多数ある ➢ 価格交渉の頻回化や長期化は、販売業の本来の役割である安定供給や適正使用支援業務の妨げとなる恐 れがある ➢ 粗利率の低下により、政府や経済界が求める水準での賃上げが困難となり、人手不足や人材育成に支障をき たすことで、結果として医療機器の安定供給が困難になる恐れがある 課 ②インフレ下における材料価格改定の在り方 題 ➢ 基準材料価格改定の原則※では、『当該機能区分の基準材料価格改定前の基準材料価格を超えることはで きない』となっているため、材料価格調査結果に関わらず(一部の例外を除き)償還価格が上がる制度設計に はなっていない ➢ 経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太方針2025)において、「物価上昇に合わせた公的制度の点 検・見直し」として「公定価格(医療・介護・保育・福祉等)の引上げ」が謳われている ➢ インフレ下における現行の材料価格改定ルールは物価上昇が反映される仕組みとは言い難いのではないか ※ 特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について(保発0209第3号 令和4年2月9日)第4章1節 インフレ下においても市場実勢価格を反映し、物価連動が可能な材料価格制度への見直しをご検 要 望 討いただきたい 3 参考資料1 償還価格と希望小売価格の乖離状況 ケース② 再算定により償還価格が下がった場合でも ケース① 希望小売価格が償還価格と同一であったが 希望小売価格が下がらない製品例 近年乖離した製品例 ケース③ 償還価格に変更がなくても希望小売価格が 値上げされる製品例 循環器領域製品 整形領域製品 ガイドワイヤー 人工股関節(2) 大腿骨側材料 ①大腿骨ステム ア標準型 (円) (円) ケース② ケース③ 2,200 360,000 2,130 345,700 337,900 337,900 337,900 337,900 2,020 2,000 1,970 320,000 1,950 1,950 310,000 310,000 305,000 外国平均価格調整 による再算定 1,870 消費税引き上げに伴う 1,880 材料価格改定 1,800 280,000 266,000 266,000 希望小売価格 希望小売価格 償還価格 償還価格 1,600 240,000 ※ 日本医療機器販売業協会調べ 4 参考資料2 メーカーからの価格改定の案内 前回調査(2022年)同様、現在も製品価格の値上げは続いており、依然多い状況にある。製品以外にも、作業料 や送料などの値上げ通知文を出したメーカーは全体の約24%を占めている。また、複数回の値上げを通知してきたメー カーも72社から144社と大きく増えており、メーカーの厳しさも顕著にうかがえる。医療機器流通の現場は通常業務に 加え、度重なる値上げによるメーカーおよび医療機関との価格交渉に忙殺され、営業担当者は疲弊しきっている 医療機器販売業者(会員企業1社)に届いたメーカーからの値上げ通知文書(赤字:2022年、青字:2024年) • 値上げの通知文書が送られてきたメーカー数・・・542社(863通) → 406社(769通) うち、製品の値上げ以外に作業料・送料などの値上げとして通知文書が送られてきたメーカー数・・・97社(112通) うち、複数月(複数回)の値上げが届いたメーカー数・・・72社 → 144社 値上げ通知文の一例 価格改定の案内件数(2024年) 2024年2月 300 お客様 各位 35 価格改定のご案内 その他(作業料・送料など)の改定案内 拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。また、毎々格別のお引き立てを賜 り厚く御礼申し上げます。 200 弊社におきましては、取り扱い製品の品質を損なうことなくお客様に安定して製品を供 製品価格の改定案内 給することを目指し、製造効率の改善や製造経費の削減に最大限努めてまいりました。しか しながら昨今の世界情勢や原材料費およびエネルギーコストの高騰による各種コストの大 幅な増加により、企業努力のみの対応では価格維持が極めて困難となりました。このため一 部の製品に関しまして価格を改定させていただくことと致しましたので、ご案内申し上げ ます。 100 214 14 誠に心苦しい限りではございますが、何卒事情御賢察のうえ御了承くださいますようお願 8 い申し上げます。 8 今後ともご支援お引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 6 敬具 6 6 59 5 6 10 74 83 5 3 記 48 0 20 23 23 32 34 22 25 以上 ◼ 価格改定日:2024年4月1日出荷分から 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 ◼ 対象製品:・・・・・・・ 5 参考資料3 ガソリン価格の推移/販売業の在庫の推移 ガソリン小売価格の推移 在庫金額と売上高在庫比率の推移 (東京都区部、レギュラー1L当たり) (対象企業54社) (円) (在庫金額:億円) (在庫比率) 200 1200 6% 全在庫額 2025年4月 187円 売上高在庫比率 1000 4.6% 5% 180 4.3% 4.1% 800 4% 160 767 708 600 3% 630 140 400 2% 120 2020年5月 200 1% 126円 100 0 0% 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 2020年度 2022年度 2024年度 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 2018年 2020年 2022年 2024年 ※ 出典:総務省統計局 小売物価統計調査 資料:日本医療機器販売業協会アンケート(2022、2024) 資料:日本医療機器販売業協会アンケート(2024、2025) 6 参考資料4 特材の粗利率の推移/平均乖離率の推移 特定保険医療材料の粗利率の推移 平均乖離率の推移 10% 12% 医薬品 10% 9.1% 医療機器 9% 8.0% 8.0% 7.6% 8% 7.0% 7.2% 7.0% 8% 7.7% 7.6% 7.5% 7.4% 5.8% 6.0% 6% 5.2% 7.0% 7% 3.8% 4% 4.2% 2.5% 6% 2% 5% 0% 2020 2021 2022 2023 2024 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 資料:日本医療機器販売業協会アンケート(2022、2024) 回答企業 70社(2020、2021) 71社(2022) 78社(2023、2024) 7 2.医療機器流通のDX推進に向けた対応 ① 製造販売業者と販売業者間の受発注はEDI※化が進んでいるが、医療機関から販売業者への 発注はいまだにFAX、電話、電子メール等が大半である ※ EDI(Electronic Data Interchange:企業間電子商取引) 現 ② 販売業者と医療機関間では受発注のEDI化のためのプラットフォームが存在しない 状 ③ 医療機関が使用する医療機器のコードと製造販売業や販売業が使用するコードが異なる ④ ほとんどの医療機関では、医療機器や医療材料を一元管理する部署は存在しない STEP1.医薬品・医療機器等の製品DBの確立 STEP2.医療機器流通に必要な情報の付加とプラットフォームの確立(参考資料5) 対 STEP3.3次救急施設において流通DXの検証(参考資料6) 策 ✓ 検証する施設に医療材料管理室を設置 ✓ 医療機器等製品DBと連携した流通プラットフォームを利用したEDIによる検証開始 STEP3の検証により医療安全の向上や流通効率化が認められた場合、医療機関に対し医療材 提 案 料管理料等の加点により導入を進めてはどうか 8 参考資料5 標準コード化後のデータフロー 製造販売業 販売業 医療機関 4 に医 出庫 入庫 出庫 入庫 入出荷・在庫管理 よ療 物流単位 購入・販売単位 る材 受注 発注 受注 発注 一料 元管 発注・仕入管理 販売 仕入 販売 仕入 管理 EDI EDI 1 理室 (@MD-Net等) 発注、売上、請求等 3 院内配送 の電子化 社内 2 標準コードに 院内 EDIのプラットフォーム 統一 商品マスタ 商品マスタ が存在する 治療・検査 承認後、速やかに登録 ダウンロード ダウンロード 承認申請 承認 電子カルテ データ登録 使用実績管理 流通に必要な 情報を付加 医薬品医療機器総合機構 レセプト請求 (PMDA) 医療機器等製品DB 標準コードのデータフロー 物流フロー 9 参考資料6 医療材料管理室の設置について 医療機器の安定供給維持のためには、医療機関で「医療材料管理室」のような部門の創設と医療機関 ~販売業者間の受発注のEDI化が重要であると考える 医療機器 医薬品 製造販売業 販売業者 SPD 医療機関 医薬品卸 医薬品メーカー 用度 注 文 各部署 の 流 薬剤部 れ 医師 EDI FAX EDI EDI ( 看護師 現 電話 状 技士・技師 ) EDI 医師 適正使用支援の依頼 看護師 医療材料管理室 技士・技師 現状 対策 • 「医療材料管理室(仮称)」のような部門が緊急発注や院 • 医療機器流通においてメーカー~販売業間のEDIは実装さ 内在庫の管理を行う事により薬剤部のように一元管理が出 れているが、医療機関~販売業者間の受発注はFAXと電 来て、EDI等の導入への足掛かりとなる 話、メールなど約79%を占めており、DX化は進んでいない • 3次救急施設のような大規模医療機関には定期在庫を発 • 医療機関には医薬品を一元集中管理する薬剤部、ME機 注する外注先のSPDとは別に、緊急発注や貸出依頼、院 器を管理するME機器室は存在するが、医療材料等を管理 内在庫の管理を行う部署として「医療材料管理室(仮 していた中央材料室などの部署はSPDや滅菌代行といったア 称)」の設置が望まれる ウトソーシングに移行してしまい、医療材料等を管理する部 • 上記の機能を有する「医療材料管理室」を設置する医療機 署が存在しない医療機関が増えている 関に対し、診療報酬上の加算をお願いしたい 10 中医協 材-4 7 . 8 . 27 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 意見陳述資料 体外診断用医薬品 令和7年8月27日 (一社)日本臨床検査薬協会 (一社)米国医療機器・IVD 工業(AMDD) IVD委員会 欧州ビジネス協会(EBC) 医療機器・IVD委員会 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. 感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-3.POCT検査の有用性 B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 2 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. 感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-3.POCT検査の有用性 B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 3 A. 安定供給の確保に向けた対応(物価高騰・コスト増大対応) ※ 「安定供給・不採算に関するアンケート調査」の結果参照(p.5~6) 背景・現状 技術料は引下げ、一方で原材料費は高騰 物流コストも高騰 • 技術料(保険点数)の下落 • 2024年物流問題(労働時間規制) • 原材料・部材の入手困難、高騰 • ドライバー不足・トラック不足 • 製品コストも上昇 • 燃料費が高騰、航空輸送費も高騰 • 企業のコスト削減努力も既に限界 • コンテナ不足等から海上輸送費も高騰 ◆人件費 ◆材料費 検査は技術料として設定されているが、人件費 ◆分析機器 医療機関側 のコスト等 および製造・流通経費等の企業側コストと、人 コスト 既存 ◆経費 件費等の医療機関側のコストの総和であり、 項目 「持続的な医療提供体制の確保」という観点か 企業側 ◆人件費 点数 試薬費 製品コスト ら、原材料費等の高騰によるコスト増を適時適 ◆原材料費 切に、技術料に反映できる仕組みが重要である ◆光熱費 積み上げ原価 準用技術料 ◆流通経費 医療に必要な検査キットの安定供給が困難になる可能性 提 案 公的保険制度下において、コスト増を適時適切に技術料に反映できる仕組みの創出 • 【例】 ・ 物価指数の変動に応じた診療報酬換算レートの変更 ・ 体外診断用医薬品への不採算品目の技術料を再算定する制度の創設 4 A. 安定供給の確保に向けた対応(物価高騰・コスト増大対応) ■ 安定供給に関するアンケート調査 • 調査対象:臨薬協 会員企業(回答件数:48件) • 調査期間:2025年2月10日~3月5日 ほとんどの企業が物価高騰、人件費高騰、物流費高騰による影響を受けている <原材料・資材等の仕入価格> <人件費高騰の影響> <物流費高騰の影響> 製品の安定供給への影響 「影響が懸念される」を含めると約70%を占める 5 A. 安定供給の確保に向けた対応(物価高騰・コスト増大対応) ■ 不採算に関するアンケート調査 • 調査対象:臨薬協 会員企業(回答件数:48件) • 調査期間:2025年2月10日~3月5日 図1 不採算製品の有無 図2 不採算製品の状況 図3 価格への転嫁 (795製品) 54% 27% 安定供給への懸念あり(100%) <価格転嫁後の状況> <内訳> 40%:供給継続可能 赤字で販売 15%:供給継続困難 1年以内に赤字の恐れ 35%:赤字 10%:その他 利益が不十分なため供給継続が困難 ①回答48社中、不採算製品のある会社は20社(42%)、795製品であった ②不採算製品すべてにおいて、安定供給への懸念があるとの回答であった ③「価格に転嫁した、転嫁する予定」は54%、「価格転嫁する予定はない」は27%であった また、価格転嫁済み製品の半数は、十分に転嫁できていない(赤字販売継続を含む) 6 A. 安定供給の確保に向けた対応(物価高騰・コスト増大対応) 【イメージ図:価格転嫁の影響】 医療機関側の物価高騰・コスト増大に対しては、「初診料・再診料UP」による手当てがなされているのに対し、 企業側への手当ては無い 初診料・再診料 医療機関の負担増大 UPで手当て UP 検査実施料 医療機関の負担 解消 •人件費 •人件費 •人件費 医 •人件費 •材料費 •材料費 療 •材料費 機 •材料費 •分析機器 •分析機器 •分析機器 関 •分析機器 のコスト等 のコスト等 側 のコスト等 のコスト等 コ •経費 •経費 •経費 ス •経費 ト 改定 企 試薬費 物価高騰 試薬費 試薬費 業 ( 人件費 ) 側 ( 人件費 ) ( 人件費 ) ( 人件費 ) (原材料費) ・ (原材料費) (原材料費) (原材料費) ( 光熱費 ) 製 ( 光熱費 ) ( 光熱費 ) UP ( 光熱費 ) (流通経費) 品 (流通経費) (流通経費) (流通経費) コ 企業の利益 安定供給への懸念 ス ト 企業の利益 を圧迫 価格転嫁 価格転嫁 がなくなる程度の 利益を価格転嫁に 従前 原価高騰 価格転嫁 実情を反映 より確保 収益悪化 安定供給に懸念 7 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. 感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-3.POCT検査の有用性 B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 8 B-1-1.市場性評価 希少疾病等の検査に用いるものとして配慮が必要な体外診断用医薬品 「令和6年度診療報酬改定において、体外診断 用医薬品の希少な検査について、市場性加算の 制度(希少疾病等技術料係数)を導入いただ いた 想定される検査回数が少ない医薬品の適応判 定に用いる体外診断用医薬品を保険適用する 場合、加算が可能となった(別紙7(2)) 現状では、加算の対象が実質的にコンパニオン診 断薬に限定されており、それ以外の希少な検査 への適用が困難である 対象の拡大を提案したい 体外診断用医薬品の保険適用に関する取扱いについて 産情 発 0214 第6号、令和 6年 2月14日 対象の候補: 希少疾病等において、治療方法等が発見されたが、検査が薬事承認されていない*、医薬 品及び再生医療等製品の適応判定に用いる体外診断用医薬品(IVD) *対象となる場合、薬事承認取得後の保険適用を想定 9 B-1-1. 希少疾病等で治療は存在するが、検査が体外診断用 医薬品(IVD)として薬事承認されていない事例(検査センタ ーで開発、実施) 検査数はさらに少ないと想定される 日本の 検 査 方 法 点 数 疾 患 治 療 総患者数 ヌシネルセンナトリウム 遺伝学的検査 デジタルPCR法 5,000 D006-4 SMN1/2遺伝子検査 1,000人 脊髄性筋萎縮症(SMA) リスジプラム 2 処理が複雑なもの (BMLで実施) 点 オナセムノゲンアベパルボベク 遺伝学的検査 ダイレクトシーケンス法 5,000 1000~ D006-4 SOD1遺伝子検査 筋萎縮性側索硬化症(ALS) トフェルセン 2 処理が複雑なもの (SRLで実施) 点 2000人 遺伝学的検査 MLPA法 3,880 3000~ デュシェンヌ型筋ジストロフィー D006-4 DMD遺伝子検査 ビルトラルセン 1 処理が容易なもの (SRL, LSIMで実施) 点 4000人 (DMD) 遺伝学的検査 MLPA法 3,880 3500~ デュシェンヌ型筋ジストロフィー デランジストロゲン モキセパル D006-4 DMD遺伝子検査 1 処理が容易なもの (SRL, LSIMで実施) 点 4200人 (DMD) ボベク(薬価未収載) • 上記は医薬品及び再生医療等製品の適応判定に用いられる検査であるが、IVDは存在していない • 仮にIVDを開発しようと考えても、現在の技術料の準用では点数が低く、年間検査数も数百以下と想定さ れるため、IVDの開発が困難である • IVDとして薬事承認した場合には、希少疾病等技術料係数を活用し、E3区分としての提出が可能になれ ば開発参入のハードルが下がるのではないか • JAK2遺伝子検査は薬事承認された体外診断用医薬品がなかったものの「造血器腫瘍遺伝子検査 (D006-2 /2,100点)」として算定されていたが、薬事承認を取得したことで、新たに「JAK2遺伝子検 査(D006-16 / 2,504点)」として算定できるようになった。このように薬事承認を取得した検査が別項 目として設定されることが明確になることが望ましい。 10 B-1-1.市場性評価(希少疾病等の検査) : 検査回数 検査数が少なく、医技評経由で増点いただいた事例 対象患者数が少ない検査について、令和2年改定時に、日本臨床検査専門医会から医療技術再評価提案書が提出 された 対象疾患 患者数 検査 改定前 改定後 血栓性血小板減少 約500人 ADAMTS13活性 400点 400点 性紫斑病 ADAMTS13インヒビター 600点 1000点 • 上記検査の対象疾患である血栓性血小板減少性紫斑病の治療薬(リツキサンとアジンマ)は希少疾病用医薬 品の指定を受けている • 医技評での要望においては、増点後2000回を想定している(B-1参考資料 参照) ≪提 案≫ ◆ 希少疾病等の検査に用いるものとして配慮が必要な体外診断用医薬品(IVD)について、再生医療 を含む治療法等が発見された場合など新たにIVDを開発した場合に適用される仕組みとできないか • LDT(薬事承認されていない検査等)が保険適用されている場合においても、IVDとして薬事承認された場合には、 E3区分としての提出が可能であることを明確化していただけないか • 患者数が少なく、既存検査の準用ではIVDの開発が困難である場合がある。希少疾病等技術料係数を活用し、希 少疾患を対象とした検査の充実化に繋げられないか ◆ 現在規定されている年間検査回数については、開発そのものを躊躇する件数である。回数を緩和いた だけないか 11 B-1-2.体外診断用医薬品のチャレンジ申請について 【背景・現状】 体外診断用医薬品のチャレンジ申請に関しては、「チャレンジ申請を行うことが妥当であると判断され た後に、製造販売業者が関与の上で、収集したデータに基づくものに限られること」と規定されている。 【課題】 IVDにおいてバイオバンクや施設の保管検体を使う場合、契約やIRB承認、プロトコルの最終 化などに時間がかかり、チャレンジ権が未取得の段階ではこれらの手続きを進めることは困難で ある。さらに保管検体の確認、臨床データの提供にも多くの時間を要するためチャレンジ権取得 時にデータを提出することができない 【提案】 保管検体に関して、バイオバンクなどからチャレンジ権取得前に既に蓄積されていた検体を用い る場合であっても、チャレンジ権取得後に試験デザインを確定し、当該データを解析対象として 明確に位置づけたうえで保管検体を用いて測定や評価を実施されたものについては、それらも 「チャレンジ申請を行うことが妥当であると判断された後に、製造販売業者が関与の上で、収 集したデータ」として見なすことが可能と考える。 体外診断用医薬品の保険適用に関する取扱いについて(産情発 0214 第6号、保発 0214第6号 、令和6年2月 14日)を以下のように修正頂きたい。 <変更案> ただし、チャレンジ申請による再評価は、チャレンジ申請を行うことが妥当であると判断された後 に、製造販売業者が関与の上で、解析したデータに基づくものに限られること 12 B-1-2チャレンジ申請:癌診断補助IVD(体外診断用医薬品) ― バイオバンクの保管検体を用いたケース ― ■ 前提 • 対象となるバイオマーカーは、癌の診断補助としてPMDAから「経過観察目的での使 用」について承認は得ているものの、保険適用は診断時の使用に限られている。 • 本事例では、バイオバンクに保管された過去の検体を活用し、チャレンジ申請を通じて 「経過観察時」の保険適用の追加取得を目指す。 • チャレンジ権取得後に検体収集から始める場合、非常に時間を要する。また、経過観 察のような何年も要するデータ収集については対象疾患における保管検体を活用する ことは妥当であると考える。 保 険 適 チャレンジ権 チャレンジ権 チャレンジ 用 保険適用希望 保険収載 希望 取得 申請 の 動 1年間 き 結果公表 企 データ収集 解析・比較 業 の バイオバンク・試験施設 動 き 保管検体 新検体 13 B-1-3.経済性評価 ≪提 案≫ ◆ 体外診断用医薬品は、適切な診断・治療を行うために不可欠であり、適切な診断により、最適な治 療・処置を実施することが可能になる ◆ 適切な検査は、医療費全体の適正化にも貢献しており、検査により、これまで必要だった検査や治 療が不要となり、医療費の削減等が可能となる場合に、「経済性評価」を導入していただきたい ◆ また、上記のような技術料のイノベーションの評価を適切に行うため、研究班の立ち上げをご検討いた だけないか。なお、技術料の中でも検体検査は、固有の特性があり検体検査技術料に関する事例 収集については、検査業界として貢献できるため、研究班で意見を述べさせていただきたい 事例:卵巣がんマーカーTFPI2(組織因子経路インヒビター2) ※参考資料参照(P29) 卵巣は体深部に存在するため腫瘍の組織型を術前に判別することは困難であるが、TFPI2は化学療 法抵抗性の高い明細胞癌への特異性が高く、非侵襲的な方法であらかじめ卵巣がんの組織型を鑑別 することが可能である ⚫ 卵巣癌の治療では、術前化学療法が施行される場合が多いが、明細胞癌に関しては他の組織型と比べて奏効 率が低い。TFPI2の検査により、明細胞癌であると推測される場合は、術前化学療法や施設によっては試験開腹 は省略し*、明細胞癌に適した手術を速やかに検討することが可能になる TFPI2によって術前に明細胞癌判別が可能となることによる医療費削減額:約2億円 • <偽陰性>卵巣明細胞がんに関する医療経済効果は、TFPI2による明細胞がん検出感度(43.5%)を考慮に入れた算出方法となっており、偽陰性症例分 は含まない額として算出 • <偽陽性>偽陽性症例の多くは比較的頻度の高い高異型度漿液性癌 であり、臨床医の見解ではCA125などと組み合わせることで推察可能なため、追加の 検査は不要と見込まれる • *試験開腹について:診療密度の高い病院(=日常的に試験開腹が実施されている施設)は、試験開腹省略の可能性が低いと推察 →対象となる明細胞がん患者数は、大学病院・DPC特定病院群以外で試験開腹を施行された割合(49.7%)を勘案して算出 14 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. 感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-3.POCT検査の有用性 B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 15 B-2. 感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について 休日における微生物検査実施体制に対する加算要望 背 景 • 薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2023-2027 *1に微生物検査の重要性についての記載あり • 『感染対策向上加算』等の施設基準の抗菌薬適正使用支援に関連する加算には、「微生物学的検査の適宜利用」、 「微生物検査・臨床検査の利用の適性化」が含まれている*2 現 状 課 題 • 血液培養検査で陽性の場合の入院患者の死亡率: • 検査結果報告のタイミングが施設方針に左右されている → 重症感染症の迅速な治療開始 平日日勤帯のみASTが介入する場合:33.3% → 医療の施設間差の低減 休日もASTが介入する場合:12.9%*3 • 広域抗菌薬選択後、適切な薬剤への変更無く、投与継続 • 休日に微生物検査が対応可能な施設: 33% → AMRの増加防止 と限られている*4 • 24時間365日対応するための人員が不足 → 適切かつ、迅速な患者治療の確保 *AST = 抗菌薬適正使用支援チーム 提 案・要 望 休日も微生物検査を実施している施設を評価するために、感染対策向上加算1, 2, 3の 注(6)として、 下記の加算を要望したい: 休日における微生物検査の実施、結果報告体制を有する場合 【参考文献】 *1: AMR対策アクションプラン2023-2027: 目標2, 戦略2.4 *2 : 令和6年度診療報酬改定 診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 医科点数表 *3 : Yamada K., et al, Blood culture reports by infectious disease physicians can improve prognosis of bacteremia, including weekend-onset cases, Int J Infect. Dis. 2020; 100: 174-179 *4 : 救急部門における微生物検査に関する多施設調査, 志馬伸朗、他、日本臨床微生物学会 2019 16 ① 休日の微生物検査の実施、結果報告の重要性 血液培養検査で陽性となった場合に、 週末も検査結果を受け、抗菌薬適正使用チームが介入 入院患者における死亡率:33.3% から12.9%に減少 (p = 0.01) *3 ② 24時間365日対応可能な微生物検査部門を有する施設は限られている 日本臨床微生物学会認定微生物検査技師登録者施設 370施設へのアンケート結果(2017年時) 不明 24時間365日対応可能 10% 15% 24時間365日対応への障壁: 日勤帯のみ365日対応可能 回答: 23% 人員= 82% 229施設 教育= 88% 52% 平日、日勤帯のみ対応可能 17 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. 感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-3.POCT検査の有用性 B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 18 B-3.POCT※検査の有用性 ※POCT: Point of Care Testing(臨床現場即時検査) 現 状 • 診療所で活用できるPOCT対応検査機器・試薬が販売され、臨床検査結果に基づく即時診療が可能と なり、質の高い検査を普及させることにより「質の高い医療」の提供が可能となっている • POCT検査は中央検査で実施されるハイスループット検査と診療報酬上同一扱いだが、検査に用いられ る検査機器、試薬はそれぞれ異なっており、1検査あたりの実施コストはPOCTの方が高い 課 題 • POCT検査は、迅速診断による早期治療、早期病態把握に貢献できるが、1検査あたりの 検査コストが高いため活用されない状況になっている 小 大 検体測定処理能力 大きさ/重量 簡便性/迅速性 装置の価格 1検体測定あたりのコスト 高 低 19 B-3. 救急外来におけるPOCT検査の重要性と評価について 1) 血液ガス分析検査に関する評価の見直し 現 状 ⚫血液ガス分析は呼吸や酸・塩基平衡障害の判定に不可欠の検査である。つまり、生命を脅かすかどうか を測るための必須の検査であり、迅速かつ的確でなければならない ⚫検体安定性が悪く、迅速測定が必須の検査である ⚫同一患者に対して、同一日に2回以上、外来で緊急の検査を行った場合でも、1日につき1回しか算定 できない(131点) 血液ガス検査を複数回実施する場合がある病態例 気管挿管をする場合:挿管後や呼吸器設定後などに複数回検査を行うことがある 体外循環を行う場合:心肺停止蘇生後などで緊急でPCPSなどの体外循環を行う場合、複数回実施する 出血を伴う場合 :輸血の必要性、輸血後のヘモグロビンや酸素化の確認のため複数回検査を行う(出血量や輸血量に依存) <具体例> • 意識障害 :救急搬入時に1回検査。血圧、脈拍、意識、SpO2等のバイタルサインが不安定な場合は複数回検査することがある • 心疾患症例:カテ中に複数回行うことがある。心不全症例で気管挿管、NPPV等の呼吸デバイスを利用する場合、複数回実施する • 重症感染症:肺炎などから呼吸不全が疑われる症例では呼吸状態の確認のため複数回実施することもある • 熱 傷 :火災によるCO中毒が疑われる場合はCOHb分画を複数回確認する必要がある 課 題 救命救急のため、緊急かつ同日中に複数回行われることもある必須の検査だが、外来では単回の算定 しかできず赤字状態となっている 提 案 同日中に複数回実施した場合にも算定可能とする算定要件の見直しを提案する 20 B-3. Primary Careにおける検査の重要性と評価制度について 2) 生活習慣病管理に関わる項目の即日検査実施に対する評価 背 景 ⚫ かかりつけ医機能の強化が施策としてなされている(厚労省:かかりつけ医制度が発揮される制度の 施行に向けた検討) ⚫ 検査数値に基づいた治療方針を立てることは、患者の生活習慣改善のモチベーション向上につながり、 患者QOLの向上が期待できる ※本提案での生活習慣病等は高血圧症、糖尿病、脂質異常症、慢性心不全、慢性腎臓病とする。(地域包括診療料の対象患者) 現 状 ⚫ 一般診療所の多くは生活習慣病関連の検体検査を外注しており、診療当日に結果を確認することが 難しい ➢ POCT検査に用いられる検査機器、試薬は中央検査室で実施されるハイスループット検査と異なり、POCTの1検 査あたりの実施コストおよび精度管理費用はハイスループット検査と比較し高額である ➢ そのため、経済的理由から検査の外部委託をする一般診療所も存在し、診療日の即日検査が普及していない 課 題 ⚫ 診療当日の状態を示す検査結果が得られない場合、前回来院時の状態(過去の検査結果)を 基に治療方針が判断されることになり、最適な疾病管理に課題が残る。また、患者の生活習慣の振 り返り・改善に結びつけにくい可能性がある 21 B-3. Primary Careにおける検査の重要性と評価制度について 2) 生活習慣病管理に関わる項目の即日検査実施に対する評価 健康日本21(第三次)推進より ⚫ 高血圧、脂質異常症、糖尿病などの 生活習慣病は循環器病のリスク因子 である 心不全のステージ別に求め ⚫ これらのリスク因子を適切に管理し、循 られる地域連携のケアモデル 環器病を予防することが重要 「心不全診療ガイドライン(2025年改訂 版)」より引用 心不全 連係の目的 連係の内容 生活習慣病管理に関わる検査を即日報 ステージ 高血圧,糖尿病,肥満の是正や運動の促進,慢性腎 告し、その時の状態に応じた治療介入を 心不全発症予 A 臓病の進展予防などを地域で推進し,心不全発症のリス 防 することで、より適切な生活習慣病管理が クを減らす 実現可能 BNP/NT-proBNPを用いてスクリーニングを行い,かかりつ 心不全早期診 B-C け医と循環器専門医が連携して心不全の早期診断と治 断・治療 療介入を行う 生活習慣病管理に関わる検査項目例 心不全入院後 地域のかかりつけ医・福祉・介護と連携した退院後の包括 ⚫ 脂質異常症(TC, TG, HDL, LDL) C の包括的ケア 的なケア ⚫ 糖尿病(HbA1c, GLU) 専門施設と連携した高度心不全治療の提供(心臓移 治療抵抗性心 ⚫ 慢性心不全(BNP or NT-proBNP) 植・左室補助人工心臓・肺高血圧治療・成人先天性心 不全のケア ⚫ 慢性腎臓病(CRE, BUN, ALB, TP) D 疾患 人生の最終段 在宅の緩和ケア 階のケア 提 案 ◆ 生活習慣病管理に関わる項目の即日検査実施に対する評価をしていただきたい 生活習慣病管理料における迅速検体検査加算の創設を提案いたします 22 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. 感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-3.POCT検査の有用性 B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 23 B-4. 悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 背 景 ⚫ 悪性腫瘍遺伝子検査は、治療法選択のみならず悪性腫瘍の診断、病型分類/鑑別など様々な医療上の用途で活用 されている ⚫ 多項目同時遺伝子検査やがんパネル検査、がんゲノムプロファイリング(CGP)検査等、検査技術の発展により革新的 な検査が次々と臨床で実用化されている ⚫ 新たな治療薬/治療法の開発に伴い個別化医療が進展し、それに連動して検査対象遺伝子や検査の位置づけ、検査 タイミングなど検査形態がますます多様化していく 現 状 ⚫ 使用用途、技術、コストが異なる多種多様な悪性腫瘍遺伝子検査が、「D004-2 悪性腫瘍組織検査」の「処理が 容易なもの」「処理が複雑なもの」のわずか2項目にまとめられている ⚫ 測定技術及び臨床的有用性が異なるにもかかわらず、単項目検出検査と多項目同時検出検査が同じ取扱いとなって いる ⚫ 次世代シークエンス法やリアルタイムPCR法が「処理が容易」「処理が複雑」 の両方に含まれており、「処理が容易」「処 理が複雑」の定義、運用基準が不明瞭 ⚫ がんパネル検査やCGP検査等、バイオインフォマティクス技術を用いた解析が必要な検査がある ⚫ コンパニオン診断に代表される必須の検査の場合、医療への影響が大きく、不採算品目となっても供給維持を強く求め られる 課 題 ⚫ 臨床的意義や測定技術などが異なる多種多様な悪性腫瘍遺伝子検査が存在するにもかかわらず、2個4 々の検査の 価値や技術に基づいた適切な評価がされにくい仕組みとなっている ⚫ 治療方針の決定や診断に関わる必須の検査であるにもかかわらず、開発/製造/流通に係るコスト及び品質確保さ れた製品の供給体制維持に必要なコストの評価が不十分なため、市場導入後、安定供給が困難となる検査がある ⚫ CGP検査のタイミングが遅れ患者の治療機会喪失に繋がっている 24 要望と提案① :D004-2の評価制度の見直し 悪性腫瘍遺伝子検査項目(D004-2 1)のコスト調査 2024年コスト調査結果* 2025年1月24日時点 内) 内) D004-2 悪性腫瘍遺伝子検査 総計 試薬/消耗品費/装置 労務費およびその他経費 イ 処理が容易なもの (1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの 2,500点 27,766-43,211円 13,180-40,811円 1,800-15,860円 (2項目)4,000点 40,000円超 ー ー (2)その他のもの 2,100点 11,820-120,317円 7,500-102,717円 1,800-17,884円 ロ 処理が複雑なもの 5,000点 52,275-53,499円 43,284-51,260円 1,015-10,215円 (2項目)8,000点 80,000円超 ー ー イ 処理が容易なもの + ロ 処理が複雑なもの (6項目)18,000~ (7項目)20,000点 92,724-160,139円 90,528円-117,659円 2,196-42,480円 2024年 JPCLT悪性腫瘍検査コスト調査結果より_一部改変 25 要望と提案① :D004-2の評価制度の見直し 検査を構成する工程 ⚫ 検査は『分析前プロセス』『分析プロセス』『分析後プロセス』の3つのプロセスから構成される ⚫ 検査実施料は、これら3つのプロセスに関わる費用がカバーされる 例)がん遺伝子パネル検査の工程(がん遺伝子パネル検査の品質・精度の確保に関する基本的考え方(第2.1 版)抜粋) 分析前プロセス 分析プロセス 分析後プロセス エキス 検 検体採取 核酸抽出 ライブラリ調製 シークエンシング 解析/分析 パート 結 査 依 • • ホ ブロ ル ッ マ ク リ 作 ン固 製 定 • • 核 抽 酸 出 の 核 抽 酸 出 の 法 品 • • D バ N ー A コ 断 ード 片 付 化 加 • • シ シ ー ー ク ク エ エ ン ン ス ス 法 リード • • マ カバ ッピ レ ン ッ グ ジ パネル 果 説 頼 •病理組織診断 質確認 •ターゲット濃縮 •シークエンスデータ •バリアントコール (EP 明 •腫瘍細胞比率 •ライブラリの品質 の品質確認 •アノテーション ) •検体確定 確認 •結果報告 抽出された核酸の質・量が適切でなけ れば、検体再提出、もしくは中止 検査技術により、 分析後プロセスの詳細 それぞれのプロセスにかかる工数/コストが異なるため 検査コストのバリエーションが大きくなっている 提 案 ◆D004-2 1 悪性腫瘍遺伝子検査については、検査工程を細分化し、分析後プロ セス(バイオインフォマティクス)を別途評価する仕組みをご検討いただきたい 26 要望と提案②: D006-19がんゲノムプロファイリング(CGP)検査の 算定留意事項見直し 業界の課題 ⚫ がんゲノムプロファイリング(CGP)検査は適切な治療を適切なタイミングで患者に届ける ことが重要であるが、本検査の算定留意事項に標準治療終了後(および終了見込 み)に実施する旨が記載されている ⚫ 令和元年8月26日の疑義解釈および令和7年3月にがんゲノム医療中核拠点病等 連絡会議診療ワーキンググループにより「標準治療終了を見込む患者」に対する解釈 が発出されているものの分かりにくく、必ずしも周知徹底されていない ➝ 結果としてCGP検査のタイミングが遅れ、患者の治療機会喪失に繋がっている 提 案 ◆CGP検査実施のタイミングは算定留意事項において、「医学的判断に基づき、主治医 が適切と考える時期(一次治療開始前を含む)」に変更していただきたい ◆上記に伴い、より多くの患者に本検査を届けるため、がんゲノム拠点・連携病院の増加 やエキスパートパネルを更に簡略化するなど、運用面の要件緩和を検討いただきたい 27 参考資料 28 参考資料 A. 安定供給の確保に向けた対応(物価高騰・コスト増大対応) ■ 安定供給に関するアンケート調査 • 調査対象:臨薬協 会員企業(回答件数:48件) • 調査期間:2025年2月10日~3月5日 <特に影響を受けている原材料・資材等> 分類 具体例(企業数) 製品素材・製品容器 プラスチック容器(17)、プラスチック素材・用品(7)、 検体採取器具(5)、ガラス(3) 包装資材 パルプ・紙・紙製品:段ボール(5)、梱包・包装資材(紙)(5)、紙資材・紙 製品(4)、紙箱(3) その他:発泡スチロール(2)、ドライアイス(2) その他 抗体(14)、酵素(10)、基質(8) ■ 主な材料ごとの企業物価指数(月次推移) 仕入価格が高騰しているとの回答があった原材料・資材は恒常的に価格が高騰している 【プラスチック容器・素材・用品】 【パルプ・紙・紙製品】 2020年を100とした場合 2020年を100とした場合 出典: 日本銀行「時系列統計データ 検索サイト」(出力データよりグラフ作成) 輸入物価指数(円ベース) 企業物価指数 29 参考資料 B-1-1. 医技評 30 参考資料 B-1-2. 経済性評価: 事例 *)婦人科診療ガイドラインおよび卵巣がん・卵管癌・腹膜 TFPI2検査導入による効果(診療フロー*) 癌治療ガイドラインを参考に、卵巣がんにおける診 断・治療の流れの概略を図式化 【参考文献一覧】 1. 日本産婦人科学会日産婦誌72巻7号(2018年度患者年報) 2. 日本産婦人科学会日産婦誌69巻3号(2015年度患者年報) 3. 日本産婦人科学会日産婦誌70巻4号(2016年度患者年報) 4. 日本産婦人科学会日産婦誌71巻5号(2017年度患者年報) 5. 政府統計患者調査(2008、2011、2014、2017) 6. 日本婦人科腫瘍学会卵巣がん治療ガイドライン2015 7. 日経メディカル処方薬事典 8. 国民健康・栄養調査(平成29年度) 9. DPC導入の影響評価に係る調査(厚生労働省平成30年度) 10. 社会医療診療行為別統計(厚生労働省平成30年度) 11. 生活保障に関する調査(公益財団法人 生命保険文化センター 平成28年 度) TFPI2導入による卵巣明細胞癌の治療に対する医療経済効果 項目 (対象患者数) × (1例あたりの医療費削減額) = (医療費削減額) (1) 明細胞癌症例におけ 約40人 × 約140万円 = 約6,000万円 る術前化学療法の省略 (2) 明細胞癌症例に 約400人 × 約35万円 = 約1億4,000万円 おける試験開腹の省略 合計 (1) + (2) = 約2億円 TFPI2によって術前に明細胞癌判別が → 約2億円/年 可能となることによる医療費削減額 31 参考資料 B-3:生活習慣病管理料/療養計画書 令和4年度診療報酬での留意事項通知より引用 療養計画書は、当該患者の治療管理において必要な項目のみを記載することで差し支えな いが、糖尿病の患者については血糖値及びHbA1cの値を、高血圧症の患者については 血圧の値を必ず記載すること (中略) 療養計画書には血糖・HbA1c・脂質の記載欄があるが、必ずしも交 付当日の検査結果であることを求められていない しかし、循環器病リスク管理を目的とした、より適切な生活習慣病管 理の実現のためには、生活習慣病管理に関わる検査項目(血糖、 HbA1c、脂質、BNP/NT-proBNP)など、現在の患者状態を表 す当日の検査結果を基に説明/治療介入することが望ましい 中医協 総-8 5. 6. 21より抜粋 32 参考資料 B-3:HbA1c即日報告の効果 検査結果の即日報告は、当日に治療方針を立てて治療を実施することができる 患者の治療に対するモチベーションの向上にもつながり、治療効果が上昇する イメージ 診療への効果 患者への効果 ➢ 直近の検査結果に基づいて ➢ 生活習慣の改善効果を早 治療方針が決定できる く体感することができる ➢ 血液検査で客観的な診断 ➢ 検査数値を示されることで 情報を得ることができる 自覚症状の裏付けができる 糖尿病診療マスター Vo19 2011年3月 「糖尿病外来診療におけるPOCTの活用と問題点」より作成 33 参考資料 B-3:心不全のステージ別に求められる地域連携のケアモデル 「心不全診療ガイドライン(2025年改訂版)」より引用 心不全ス 連係の目的 連係の内容 テージ 高血圧,糖尿病,肥満の是正や運動の促進,慢性腎臓病の A 心不全発症予防 進展予防などを地域で推進し,心不全発症のリスクを減らす BNP/NT-proBNPを用いてスクリーニングを行い,かかりつけ医 心不全早期診 B-C と循環器専門医が連携して心不全の早期診断と治療介入を 断・治療 行う 心不全入院後の 地域のかかりつけ医・福祉・介護と連携した退院後の包括的な C 包括的ケア ケア 治療抵抗性心不 専門施設と連携した高度心不全治療の提供(心臓移植・左 全のケア 室補助人工心臓・肺高血圧治療・成人先天性心疾患 D 人生の最終段階 在宅の緩和ケア のケア ステージB-C 「前心不全」以降への進展を見逃さないために、 ステージC 地域のかかりつけ医・福祉・介護と連携した退院後の包括 BNP、NT-proBNPの定期的な測定が推奨される 的なケアが推奨される • 日本心不全学会の「血中BNPやNT-proBNPを用いた心不全診療に関する • 連携の中でも心不全増悪で入院した患者の退院後の移行期ケアは, ステートメント 2023年改訂版」では、心不全の可能性があるカットオフ値とし 地域で包括的な疾病管理が求められる。…(中略)…したがって, てBNP35 pg/mL,NT-proBNP 125 pg/mL以上としている。このカッ 循環器専門医とプライマリーケアを担う地域のかかりつけ医や医療・ トオフ値以上では、構造的あるいは機能的異常の進行予防、心不全の発症 福祉・介護従事者との連携が不可欠である。 予防や治療が必要となる可能性があるため、心不全の危険因子を有する症例 • 日本では,心不全で入院した高齢者の多くは,病院の循環器医で では、胸部X線、心電図、心エコー図検査を実施することが推奨される。対応 はなく,地域のかかりつけ医によって退院後のケアを受けることが報 が難しい場合は循環器専門医への紹介も検討することが提唱される。 告されている。 • 慢性心不全においては過去のBNP/NT-proBNP値を参照しつつ、個々の症 例に最適なBNP/NT-proBNP値を見つけ、その値を目標として、定期的に測 • 日本のレジストリー研究では,心不全入院患者の退院後の外来を, 定をし心不全管理を行うべきである。前回に較べてBNPが40%以上, NT- 病院の循環器医が単独で診るよりも,病院の循環器医とかかりつけ proBNPが30%以上上昇した時には、心不全の増悪の可能性を考慮し、 医が連携して診るほうが心不全再入院は少なかった。 その原因を探索し、早期介入することが必要である。 34

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