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会議資料全体版 第134回保険医療材料専門部会

保険医療材料専門部会 第134回 / 2025-11-21 開催 / 108ページ

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中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会(第 134 回)議事次第 令和7年 11 月 21 日(金) 9:00~ 議 題 ○医療機器業界からの意見聴取について 意見陳述者一覧 日本医療機器産業連合会 副会長 宮田 昌彦 米国医療機器・IVD工業会 会長 玉井 孝直 日本医療機器産業連合会 副会長 瀧口 登志夫 欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会 委員長 森 秀顕 一般社団法人日本臨床検査薬協会 会長 小野 徳哉 (敬称略) 中 医 協 材 - 1 7 . 1 1 . 2 1 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 意見陳述資料 2025年11月21日 日本医療機器産業連合会(JFMDA) 日本医療機器テクノロジー協会(MTJAPAN) 先進医療技術工業会(AdvaMed) 米国医療機器・IVD工業会(AMDD) 欧州ビジネス協会(EBC)医療機器・IVD委員会 特定保険医療材料に関する提案内容 Ⅰ. 医療機器を取り巻く状況について Ⅱ.現状・課題と業界要望 1.安定供給の確保に向けた対応 (1) 原材料・部材価格等の高騰への対応 物価に連動した償還価格 (2) 原材料・部材価格等の高騰への対応 医療機関の負担軽減 (3) 不採算要望 製品単位での再算定 (4) 機能区分見直し 細分化時の適正な償還価格 (5) 外国価格調整 再算定制度の見直し (6) 外国価格調整 最大引き下げ幅の見直し 2.イノベーション評価の見直し (1) 経済性加算 技術料削減への拡充 (2) チャレンジ申請 製品固有のレセプトコードの付与 3.保険外併用療養費制度について (1) プログラム医療機器の評価療養制度の医療機器への活用 (2) 保険外併用療養費制度に関するその他の提案 Ⅲ.保険医療材料専門部会からの意見について 2 Ⅰ. 医療機器を取り巻く状況について 中医協 材-1 R7.8.27より ① 状況のまとめ 保険償還価格 の下落 安定供給確保 への懸念 収益性の悪化 必要な医療が提供できない (不採算) 利益の減少 開発、設備維持 の原資減少 新規製品の未導入 (デバイスロス) 原材料価格・ 研究開発・製品改良 製造経費の高騰 の停滞 サプライヤーからの 最新医療が提供できない 値上げの受入 3 Ⅰ. 医療機器を取り巻く状況について ② 医療機器の原材料・部材の高騰 ■主な原材料の企業物価指数(月次推移) 【樹脂材料】 熱可塑性樹脂(ポリプロピレン等) 出典:日本銀行「時系列統計データ検索サイト」より医機連MDPRO作成 縦軸:企業物価指数 2020年基準 : 輸入物価指数(円ベース) : 国内企業物価指数 【電気電子部品】 集積回路 【金属材料】アルミニウム ⚫ 企業物価指数は2020年に比較し、高騰 したままの状況である。 4 Ⅰ. 医療機器を取り巻く状況について ③ 事業に影響する原因について 医機連加盟企業における安定供給に関するアンケート調査 【医機連によるアンケート調査】 ➢ 調査対象 :医機連正会員団体・会員企業 事業に影響する原因の推移 n=85 n=86 n=93 ⚫ 原材料・部材の仕入れ価格高騰、物流費高騰による事業への影響は年々増加している。 5 Ⅰ. 医療機器を取り巻く状況について ④ 流通費用の高騰について MTJAPAN会員企業における物流コストの実態調査 【MTJAPAN流通委員会による調査】 ➢ 目的 :物流2024年問題による物流コスト(輸送、保管、荷役等)への影響の把握 ➢ 調査時期 :2025年9月 ➢ 調査対象 :MTJAPAN会員企業(63社) 2023年度対比の2024年度物流コストの上昇率 中央値:5.05% 平均値:5.77% ⚫ 2024年度の物流費は、2023年度対比で高騰しており、物流2024問題に対応(コストダウン、 効率化等)する中で上昇率は5%超であった。 6 Ⅰ. 医療機器を取り巻く状況について ⑤ 医療機器(特定保険医療材料)と医薬品の比較 【現状】 ➢ 医療機器(特定保険医療材料)は、医薬品と比較してその生産形態や原価構造の特徴から、売 上原価比率が医薬品よりも高く、物価上昇や人件費の高騰による影響を受けやすい。また包装形態 も比較的大きなものが多く、輸送・保管にコストを要する。 ➢ 医療機器は多品種少量生産で部材や人手による組立・検証工程が多く、また、高精度部品や外注 加工への依存度が高いため、原価価格の上昇が起きやすい。 ➢ さらに医療機器は設置・点検などサービスエンジニア業務も不可欠で、人件費高騰の影響が製造・保 守の双方に及び、物価上昇や人件費の高騰による影響を受けやすいと考えられる。 特定保険医療材料 医薬品 国内市場規模 約1兆円(約20万製品) 約9兆円(約16,000製品) ※医療機器全体は約4兆円(約85万品目) 生産形態 多品種少量生産 品種ごとの生産量は比較的大 輸送・保管 包装形態が大きいものが多く、輸送コスト、保管 比較的、包装形態が小さいものが多い コストを要する (一部の医薬品にはコールドチェーンが必要) 売上原価比率 66.3%1 52.4%2 原材料 部材多様・高精度部品使用 単一の原薬中心 製造労務 組立・検査・検証工程が多い 自動化が進み工数は比較的少ない 外注加工費 外部委託による部品の加工が多い 原薬や包装工程の一部委託 1 「医療機器産業実態調査報告書【医療機器製造販売業】」令和5年度製造販売業「表9 決算状況(2)損益計算書」における「売上原価」 2 「医療機器産業実態調査報告書【医薬品製造販売業】」令和5年度製造販売業「表12 決算状況(2)損益計算書」における「売上原価」 7 Ⅰ. 医療機器を取り巻く状況について ⑥ 事業状況の推移 医機連加盟企業における安定供給に関するアンケート調査 【医機連によるアンケート調査】 ➢ 調査対象 :医機連正会員団体・会員企業 事業への影響の推移(前年比較) n=118 n=109 n=105 ⚫ 原材料・部材の仕入れ価格高騰、物流費高騰等の影響により、製造販売業者の事業状況は 年々悪化している。 8 Ⅰ. 医療機器を取り巻く状況について ⑦ 国内価格と海外価格の推移 【現状】 ➢ 外国平均価格は消費者物価指数や円安と連動して2022年頃から急激に上昇している。 ➢ 一方で、日本の保険償還価格は徐々に下落している。 ➢ 2022年以降はインフレや円安の影響により、日本の保険償還価格と外国平均価格の差が大きく 開いている。 外国平均価格と保険償還価格の経時的変化(10機能区分*) 外国平均価格 (相加平均) 日本の償還価格 *2019年から2024年までに実施されたすべての外国価格調査で対象となった機能区分のうち、AMDD会員企業のデータが存在するものは 10機能区分であった。 これらについて、2019年を基準値1とし、外国平均価格(相加平均)と償還価格を、それぞれ2019年からの相対値で示した。 9 Ⅰ. 医療機器を取り巻く状況について ⑧ 2025年 不採算要望数 【現状】 ➢ 令和8年度改定に向けた不採算要望は、回答企業のうち35社から 125製品で提出された。 (2025年8月 MTJAPANの調査より) ➢ 前回改定で不採算要望が認められず今回も提出された製品(18製品)だけでなく、前回再算定され たものの希望価格は認められずに不採算が継続し、再提出された製品(3製品)があった。 分類 製品数 輸血・輸液器具類 1 血液透析関連製品 19 血液浄化関連製品 6 開心術関連製品 4 カテーテル汎用品 13 血管系カテーテル製品 22 体内植込み材料関連製品 15 整形インプラント材料関連製品 40 在宅医療関連製品 1 ペーシング関連製品 1 内視鏡および外科用処置具関連製品 1 その他 2 合計 125 10 Ⅰ. 医療機器を取り巻く状況について ⑨ 安定供給報告と不採算要望数 【現状】 ➢ 医療機器等の安定供給に支障が出た又は出るおそれがあるとして厚生労働省へ報告のあった件数 は年々増加していた(左図)。 ➢ 令和6年度改定で34機能区分で不採算要望により再算定いただいたが、令和8年度診療報酬改 定に向けた価格見直しの要望(不採算要望)があった機能区分数は、令和6年度改定とほぼ同数 であった(右図)。 R6年度要望:79 R8年度要望:78 「令和7年11月12日中医協保険医療材料専門部会 材-1」に追記 11 Ⅱ. 現状・課題と業界要望 第130回保険医療材料専門部会(令和7年8月27日)の資料まとめ 新規製品の未導入(デバイスロス) 現 安定供給確保への懸念 状 ・ 収益性の悪化 イノベーション 物価高騰 課 保険償還価格 (不採算) の評価 原材料価格 題 製造経費 の下落 物流費 等 逆ザヤ販売 全体のベースアップ 個別対応 逆ザヤ製品 外国価格再算定 経済性加算の 保険償還価格の の廃止 拡充 引き上げ 業 物価上昇分の Ⅱ-1(5)参照 Ⅱ-1(2)、1(4)参照 Ⅱ-2(1)参照 界 保険外併用 保険償還価格の 要 療養費の拡充 引き上げ 望 外国価格再算定 不採算製品 チャレンジ申請の 最大引き下げ幅 不採算要望の拡充 拡充 製品ごとの再算定 の見直し Ⅱ-1(1)参照 Ⅱ-1(6)参照 Ⅱ-1(3)参照 Ⅱ-2(2)参照 Ⅱ-3(1)、3(2)参照 安定供給のためには、全体のベースアップとともに逆ザヤ、不採算製品への対応が不可欠 12 Ⅱ-1. 安定供給の確保に向けた対応 中医協 材-1 R7.8.27より (1) 原材料・部材価格等の高騰への対応 物価に連動した償還価格 【現状】 ➢ 医療機器の原材料、製造コスト、人件費、流通コスト等を 含め、物価は上昇しインフレとなっている。 ➢ 平成5年(1993年)のデフレ下に制定された中医協建 議から30年が経過し、インフレとなる現状において医療機 器の安定供給を継続するための制度への改正が必要となっ ている。 ➢ 骨太の方針2025においても物価上昇に合わせた公的制 度の点検・見直しを進めることが示された。 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 消費者物価指数の 統計表を基にAMDDで作成 【骨太の方針2025】 第3章 中長期的に持続可能な経済社会の実現 4.物価上昇に合わせた公的制度の点検・見直し】 物価上昇が継続していることを踏まえ、予算、税制における長年据え置かれたままの様々な公的制度に係る基準額や閾値について、国民生活へ深刻な影響が及ばないよう、省庁 横断的・網羅的に点検し、見直しを進める。その際、各項目の点検と併せ、政策効果を担保するため、制度の特性に応じた定期的な改定ルールを設け、足元の物価上昇に的確に 対応できるような仕組みづくりを行う。 同時に、本基本方針第2章及び第3章に記載している、・公定価格(医療・介護・保育・福祉等)の引上げ ・働き手の賃上げ原資を確保できる官公需における価格転嫁の 徹底 を省庁横断的に推進する。 【提案】 ➢ 診療報酬改定時に物価の変動に合わせた償還価格の算定を要望する ✓ 物価の変動性が+2%の場合、現在の一定幅に2%を加えた価格を新償還価格としてはどうか ✓ 市場実勢価格加重平均値一定幅方式は、「改定前の償還価格を超えないこと」となっているため、超えること が可能となるようにしてはどうか 13 Ⅱ-1. 安定供給の確保に向けた対応 中医協 材-1 R7.8.27より (2) 原材料・部材価格等の高騰への対応 医療機関負担の軽減 一部改変 【現状】 ➢ 2023年12月には外科系学会社会保険委員会連合より、逆ザヤの製品が多いことから償還価格の増額を求め ることが報告されている。 ➢ 本年7月には日本病院団体協議会より、特定保険医療材料の価格上昇に迅速に対応出来る仕組みの構築と 評価の見直しを要望されている。 ➢ 2024年度MTJAPANの調査において、逆ザヤの製品が前年比約3.5倍(177→620製品)に増加していた。 ➢ 償還価格を引き上げる制度として、製造販売企業からは不採算再算定要望があるが、要望された区分すべてが 再算定の対象となる訳ではなく、また必ずしも要望した償還価格が認めらることはないため、製造販売業者は引き 続き不採算もしくは低収益での供給を余儀なくされ、医療機関側においては逆ザヤが解消されないケースもある。 不採算申請が認められたとしても、安定供給への懸念が完全には払しょくされない場合もある。 ➢ 製造販売企業からは不採算再算定要望が可能であるが、医療現場から逆ザヤ解消を要望する制度はない*。 【提案】 ➢ 関連学会等からの申し入れにより、逆ザヤとなっており安定供給の懸念がある製品については、市場 実勢価格一定幅方式で算出した価格が償還価格を超えた場合であっても、その算出価格を改定価 格として認めてはどうか。 (例えば、関連学会等より、「逆ザヤ改善要望書(仮)」を提出された機能区分等) ⚫ 機能区分全体を引き上げ対象とするのが困難な場合は、関連学会等から申し入れがあった逆ザ ヤの製品のみを実勢価格で再算定することを可能としてはどうか。 14 Ⅱ-1. 安定供給の確保に向けた対応 中医協 材-1 R7.8.27より (3) 不採算要望 製品単位での再算定 一部改変 【現状】 機能区分内に複数の製品がある場合、下記懸念により安定供給に支障が出る恐れがある。 ➢ 不採算基準への該当性判断の難しさ 細分化できる明確なエビデンスがないものの使い分けがされている製品や、シェアが高くなくとも他社の生産余 力の観点から必要となる製品等については、不採算基準の代替性要件*への該当性の判断が難しい。そのた め不採算要望が認められないことで供給が停止される可能性がある。 ➢ 再び不採算となる懸念 不採算要望が出されていない製品も償還価格が引き上げられることになるため、不採算要望を出した製品は 償還価格が引き上げられた後に価格を維持しても、他の製品が値下げした場合には、実勢価格が下がること になり、再び不採算になる恐れがある。 【銘柄別評価について】 ➢ 現在の材料保険制度のもととなる、平成5年中医協建議書「第4(4) 価格設定をすべき保険医療材料」には銘 柄別評価も可能であることが記載されている。 【提案】 ➢ 安定供給確保の必要性から、不採算要望については機能区分全体を再算定することが困難な場合は、中医協 建議の記載に基づき、不採算要望を提出した製品のみを再算定することも可能としたらどうか。それにより、以下の ような効果も期待できるのではないか。 • 差益依存の製品選択が解消されることで、最適な製品選択による治療が受けられる(患者) • 医療財源の無駄を低減できる(保険者) • 必要な製品を適正な価格で購入できる(医療機関) 15 Ⅱ-1. 安定供給の確保に向けた対応 中医協 材-1 R7.8.27より (4) 機能区分見直し 細分化時の適正な償還価格 【現状】 ➢ 同一機能区分内で対象疾患または機能性が異なる 製品(製品A)では、償還価格よりも高い実勢価格 となる場合がある。 ➢ 他の製品(製品B、C)の実勢価格の低下により償 還価格が下がった場合には、製品Aの実勢価格と償 還価格の差が拡がり、医療機関の負担が大きくなる。 【提案】 ➢ 細分化された機能区分は、市場実勢価格加重平均値一定幅方式により算定され、償還価格を超 えることもできるようにし、医療機関の負担を軽減してはどうか。 通知の変更案 (赤字の追記) 既存機能区分の見直しが行われ、当該機能区分に既収載品(第3章第4節に該当する新規収載品を除く 。)が属するものに係る基準材料価格については、市場実勢価格加重平均値一定幅方式 により算定される 額とする。ただし、当該機能区分に属する全ての既収載品の基準材料価格改定 前の保険償還価格を、当該 既収載品の年間販売量で加重平均した額を超えることはできない。(供給が著しく困難な特定保険医療材料 における機能区分の見直し、または細分化に係る場合を除く) 令和6年2月14日 保発0214第3号「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について」第5章 機能区分の見直しに伴う基準材料価格の算定 第1節 16 Ⅱ-1. 安定供給の確保に向けた対応 中医協 材-1 R7.8.27より (5) 外国価格調整 再算定制度の見直し 【現状】 ➢ 外国平均価格に基づく外国価格調整及び再算定はこれまで廃止または新規収載の1回限りの価格 調整を要望してきた ➢ 前回改定で逆ザヤとなっている医療機器に関する計算方法の改善をして頂いた ➢ しかしながら、製品の流通や供給状況等が海外と異なることなどを踏まえると、日本と海外では適切 な価格比較とならない ➢ 海外の医療機器流通コストに関しAMDDが調査したところ、海外では集約化が進み全体の流通の 効率化が進んでいるのに加えて、物流負担の分散化及び物流や病院での適正使用支援等の補助 を行うことで医療の物流インフラを下支えし、流通の低コスト化が進んでいる (参考資料②) ➢ 日本は患者様の医療機関へのフリーアクセスを確保すべくメーカー・卸で物流負担や病院の適正使 用支援を支えてきたため、流通が高コスト構造とならざるをえなかった 【提案】 ➢ 日本はフリーアクセスを確保するために流通コストが海外よりも高くなる構造のため、海外と日本とでは 適正な価格比較になりえず、外国価格による再算定は継続して廃止を希望する ➢ 速やかな廃止又は新規収載の1回限りの価格調整が難しい場合においては、外れ値除外ルールの 廃止及び比較水準の維持をすべき 17 Ⅱ-1. 安定供給の確保に向けた対応 中医協 材-1 R7.8.27より (6) 外国価格調整 最大引き下げ幅の見直し 一部改変 【現状】 ➢ 日本と海外では流通構造が異なるにもかかわらず、外国価格再算定により大幅な引下げが行われる と、不採算に陥る場合があり、安定供給を阻害する懸念がある 【外国価格再算定により不採算に陥った事例】 ➢ 令和4年度に119機械弁で外れ値ルールが適用された再算定により、償還価格が772,000円から 386,000円に最大50%下落した。 ➢ 大幅な償還価格下落のために、企業は不採算に陥り、不採算のため撤退する企業があった。 ➢ 令和6年度改定時に不採算要望により、再算定前の償還価格から15%下落の659,000円まで償 還価格が上昇した。 ➢ 機械弁の不採算再算定の事例に基づくと、継続的な安定供給を維持するための最大下げ幅は 15%が限度であった。 【提案】 ➢ 継続的な安定供給を維持をするために、外国価格再算定の最大下落幅を50%から15%に変更 して頂きたい。 18 Ⅱ-2. イノベーション評価の見直し 中医協 材-1 R7.8.27より (1) 経済性加算 技術料削減への拡充 【現状】 ➢ 令和6年度診療報酬改定において経済性加算が新設され、現時点で3品目で実績がある。 ➢ 現行制度においては、費用削減の対象として、特定保険医療材料削減のみに限定されており、検 査など技術料の削減は対象となっていない。 ➢ 一部の革新的な医療機器には、検査料等の技術料を削減する効果をもたらすものがあり、現行制 度では、そういった製品の導入が進まない可能性がある。 【提案】 ➢ 経済性加算の予想費用削減額の算出の際に、特定保険医療材料だけでなく、検査料などといった 技術料についても、費用削減の対象にできる仕組みにしてはどうか。 19 Ⅱ-2. イノベーション評価の見直し 中医協 材-1 R7.8.27より (2) チャレンジ申請 製品固有のレセプトコードの付与 【現状】 ➢ 医薬品では、個別にコードが付与されているため、レセプトによるリアルワールドデータを用いて、有効 性や安全性に関する多様なエビデンスが報告されている 。 (参考資料③) ➢ 一方で、医療機器では機能区分制度によって特定製品を区別できないことがデータ解析上の課題で ある。 ➢ チャレンジ申請を行う際、改良加算や経済性加算の根拠を示すために、長期の有効性や安全性の 確認、低頻度のイベントの捕捉など、RCTよりもレセプトデータが適している場合が考えられるものの、 既存のレセプトデータでは製品が特定されず製品ごとの解析ができない。 【提案】 ➢ 改良加算や経済性加算に対するチャレンジ権を付与いただく場合、希望する企業かつ一定の条件を 満たす製品*には固有のレセプトコードを付与することで、同一機能区分に属していても有効性・安全 性・経済性が比較できる仕組みにしてはどうか。 *上市後に比較試験が困難な場合など、専門組織が認める場合 20 Ⅱ-3. 保険外併用療養費制度について 中医協 材-1 R7.8.27より (1) プログラム医療機器の評価療養制度の医療機器への活用 【現状】 ➢ 令和6年度診療報酬改定において、以下が規定された。 1) 第1段階承認を取得したプログラム医療機器に関する評価療養 2) 保険適用外の使用に係るチャレンジ申請を行うプログラム医療機器に関する評価療養 (参考資料④) ✓ 本制度が規定された背景に、プログラム医療機器は低侵襲であることが挙げられている。 プログラム医療機器だけでなく既存の医療機器開発のイノベーションも加速し、その成果を医療現場、 患者により早く届けるために、上記2) のチャレンジ申請に係る評価療養制度については、既存の医療 機器でも活用できると考えられる。 【提案】 ➢ プログラム医療機器のチャレンジ申請における評価療養のような制度を既存の医療機器にも設け られないか。 ✓ 医療機器は薬事承認範囲内の使用においては、患者へのベネフィットがリスクを上回るため、例えば、『保険適 用範囲外の使用に係るチャレンジ申請の場合、学会の合意が必要とした上で評価療養を行うことが出来る』 等の考え方について検討出来ないか。 ✓ または、企業が希望する場合には、チャレンジ権の申請時に評価療養の対応可否を保材専で検討していただ けないか(保材専が了承した場合は中医協で審議する)。 21 Ⅱ-3. 保険外併用療養費制度について 中医協 材-1 R7.8.27より (2) 保険外併用療養費制度に関するその他の提案 テーマ 提案 選定療養 選定療養の検討プロセスをより透明性の高いものにするため、以下について検討い (プロセスの透明化) ただけないか ◆ パブコメにおいて、技術/製品の特徴をより詳細に説明できるようなフォーマットへ の変更 ◆ 医療技術評価要望の結果のように、個別の判断結果を出す ◆ 学会や患者団体から要望されている等、特に要望の高いと考えられる技術/製 品については、ヒアリングの機会を設ける 選定療養 「保険適用の範囲が、薬事承認範囲より狭いもの」 を選定療養にできるしくみを (類型化)* 検討いただけないか ◆ 閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改 訂版」に記載された、選定療養に関する内容に賛同する 評価療養 患者が必要な医療に容易にアクセスできるよう、将来の保険適用を見据えた制度 (先進医療の拡充)** である評価療養について先進医療の以外のものについても広く対象としてはどうか。 ◆ 例えば、薬事承認において性能の評価が確定している医療機器については、そ の性能に対応した保険上の評価が行われるべきという原則の下で、科学的知見 や医療現場の考え方等の諸事情により制約がある場合などにおいては、制約が 解消されるまでの間は、評価療養の対象とすること ◆ 評価療養の対象とすることの選定に際しては、現行の先進医療等のような選定 プロセスを簡素化し、また、企業が主体的に対応できることも含め、選定基準等 を柔軟化すること。 *AMDDからの提案 **医機連からの提案 22 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ① 特定保険医療材料の補正加算 令和7年10月15日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ○ 画期性加算、有用性加算及び改良加算の項目について、イノベーションの推進の取組を周知する 観点から、令和8年度保険医療材料制度改革の骨子において明確化してはどうか。 ○ 改良加算の「ロ」、「ト」、「チ」については、該当する品目がみられなかったことから、引き続き「試行案 」として該当する事例を待ちつつ、項目の在り方について検討することとしてはどうか。 改良加算の項目と定量的評価の要件と配点 「平成26年11月19日中医協保険医療材料専門部会 研究班提出資料2」より抜粋 23 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ① 特定保険医療材料の補正加算 【改良加算 ロ、 ト、 チ の設置背景と今後】 項目 背景 今後 ロ 類似機能区分に属する既収載品に比して、当該 平成14年度改定の補正加 SDGsやEHS*への取組みの一環とし 新規収載品の使用後における廃棄処分等が環 算の設定当初から有用性加 て、環境への配慮は、今後さらに重要 境に及ぼす影響が小さいことが、客観的に示され 算(Ⅱ)ニ として設定。 課題として取り組む必要がある。 ていること。 平成20年度改定で有用性 加算(Ⅰ)(Ⅱ)の統合 再編により改良加算に変更。 ト 構造等の工夫により、類似機能区分に属する既 平成24年度改定で追加。 高齢化ピークと医療の担い手不足が 収載品に比して、操作性等が向上し、患者にとっ 在宅で使用する医療機器の 同時に起こる2040年問題に向けて、 て在宅での療養が安全かつ容易であることが、客 開発や実用化のインセンティ 在宅医療の提供体制を整備するため、 観的に示されていること。 ブを高めるために設定。 在宅で使用可能な医療機器の開発 が必要である。 チ 人その他生物(植物を除く)に由来するものを原 平成26年度改定で追加。 近年においてもウロキナーゼの入手困 料又は材料(以下、生物由来原料等)として用 生物由来原料を用いる製品 難が発生。生物由来原料を使用した いた類似機能区分に属する既収載品に比して、 の安定供給や未知の感染症 医療機器は、安定供給等のリスクがあ 全ての生物由来原料等を除いた場合で、かつ、同 等のリスクへの対応を評価す るため、非生物由来原料を使用したも 等の機能を有することが客観的に示されていること。 るために設定。 のへの置き換えが必要である。 *EHS:Environment(環境)、Health(健康)、Safety(安全) 24 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ① 特定保険医療材料の補正加算 【業界意見】 ➢ イノベーションの推進の取組を周知する観点から、画期性加算、有用性加算及び改良加算の算出 について、定量的な手法を用いることを明確化することに賛同する。 ➢ 改良加算の「ロ」、「ト」、「チ」については、企業から希望されているものの認められていない案件が見 られる。企業としての取り組みは継続されていることから、引き続き継続することを希望する。 ➢ 今後も医療環境の変化に応じて、新たな項目を追加することもご検討いただきたい。 ⚫ 改良加算「ロ(環境へ配慮)」、「ト(在宅で安全・容易)」、「チ(生物由来原料を使用しない)」の企業の希望状況 改良加算 販売名 企業 中医協審議 ロ Navvus カテーテル アシスト・ジャパン 平成27年12月25日 ロ サーフローMidela テルモ 令和7年8月6日 ト イレスト7 ICD Pro 他2品目 バイオトロニックジャパン 平成25年8月21日 ト エヴィア HF-T Pro バイオトロニックジャパン 平成25年10月23日 ト メドトロニック iPro 2 日本メドトロニック 平成25年12月25日 ト バーサイス PC DBS システム ボストン・サイエンティフィックジャパン 平成29年1月25日 チ 該当案件あったが公表情報なし※ - - 平成16年10月~現在までの中医協総会資料より、企業希望の加算項目の記載のあるものを集計(医機連材料保険委員会調べ) ※ 「チ」については、中医協資料には記載はないが、MTJAPAN医療保険委員会の聞き取り調査において、C1申請にて補正加算「チ」を希望した が、結果的にB2申請になった事例があった。 25 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ② 小児用医療機器 令和7年10月15日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ○ 小児用医療機器について、業界等の要望を踏まえつつ、機能区分の細分化(例. 成人用と機能 区分を分ける等)を引き続き行ってはどうか。 ○ 小児用医療機器の償還価格算定については、類似機能区分比較方式を原則としつつ、当該新 規収載品の属する新規機能区分の基準材料価格が外国平均価格の0.8倍以下となる場合は、 原価計算方式による算定を製造販売業者が希望できることとしてはどうか。 【業界意見】 ➢ 1点目については、小児用医療機器の開発を促進する観点から、賛同する。 ➢ 2点目については、基本的には賛同するが、国内発で外国平均価格が存在しない小児用医療機 器には適用できないため、同様の趣旨で原価計算方式による算定を製造販売業者が希望できる 制度を設定していただきたい。 26 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ③ 不採算品再算定 令和7年11月12日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ○ 代替困難性に関する要件について、以下のような同一機能区分内のシェア状況を踏まえつつ、考え方を整理し てはどうか。 ⚫ パターン1(1社でシェアの大半を占める場合)については、令和6年度改定において、代替困難性に関する要件を満たす ことが明確化された。 ⚫ パターン2 (パターン1に該当せず、上位2社で同一機能区分内のシェアの大半を占める場合)は、両者が供給困難となっ た場合においては安定供給に支障をきたすと考えられるため、代替困難性に関する要件を満たすこととしてはどうか。 ⚫ パターン3(パターン1及び2に該当せず、シェアが分散している場合)については、製造販売業者が供給困難となった場合 に他の製造販売業者が不足分を供給できないとまではいえないため、不採算品再算定での対応は困難ではないか。 【業界意見】 ➢ 代替困難性について前回に引き続き、整理、明確化いただいたことに感謝申し上げる。 ➢ パターン3において、不採算要望を提出した製品の合計シェアが他の製造販売業者が不足分を供給できない場 合は、パターン2と同等になることとしていただきたい。 27 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ④ 逆ザヤへの対応 令和7年11月12日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ○ 同一機能区分内においてシェアが独占的である場合(パターン1及び2)は、供給側の価格決定力が強く、実 勢価格に基づいて保険償還価格を引き上げることは困難ではないか(不採算品再算定による対応を検討)。 ○ 同一機能区分内においてシェアが分散している場合(パターン3)は、競争的市場であり、実勢価格は市場均 衡価格を示している可能性が高く、実勢価格に基づいて保険償還価格を引き上げることを検討してはどうか。 ○ また、この場合の保険償還価格の引き上げにおいては、市場実勢価格の加重平均値や物価上昇等を参考に して保険償還価格を設定することを検討してはどうか。 【業界意見】 ➢ 逆ザヤの解消について、実勢価格を反映する新たな制度を検討いただいたことに感謝申し上げる。 ➢ 医療機器業界としても、不採算要望が拡充されたことをふまえ逆ザヤの縮小に向けて取り組みたい。 28 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ⑤ 新規収載品に係る外国価格調整 令和7年11月12日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ○ 令和6年度改定以降の新規収載品目において、ルール①及び②に該当する品目がみられたことを 踏まえ、引き続き外国平均価格を適切に算出することを目的として、ルール①及び②を含め、外国 平均価格の算出方法は変更しないこととしてはどうか。 ○ 令和6年度改定以降の新規収載品目において、外国価格調整の対象となる品目はなかったが、 償還価格の外国平均価格に対する比が低下傾向であることから、外国価格調整における比較水 準は変更しないこととしてはどうか。 【業界意見】 ➢ 外国平均価格の算出方法及び外国価格調整における比較水準を維持いただくことに賛同する。 ➢ これまで要望してきたように、引き続き外国価格調整及び再算定の廃止を希望する。 29 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ⑥ 既収載品に係る外国価格再算定 令和7年11月12日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ○ 既収載品の外国価格再算定における外国平均価格については、外国価格調査の結果に加えて、 国内での使用状況等を考慮して加重平均等により算出することとしてはどうか。 ○ 最大引き下げ幅については、内外価格差の是正の観点から引き続き50%のままとすることとしてはど うか。 【業界意見】 ➢ 国内での使用状況を考慮した加重平均により算出する方法について賛同する。これにより、大幅な 引下げにより不採算となる事例がなくなることを期待する。 ➢ これまで要望してきたように、引下げにより不採算となる事例が生じる可能性は残るため、引き続き、 最大引き下げ幅の見直しを希望する。 30 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ⑦ 承認事項の一部変更承認等後の保険適用希望に係る取扱い 令和7年11月12日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ○ 製造販売業者等が承認事項の一部変更承認等を行った後に保険適用希望書を提出する場合 において、重複した議論を避けるため、保険適用希望が可能な内容は当該一部変更承認等に係 る事項に限ることを明確化してはどうか。 【業界意見】 ➢ 賛同する。 31 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ⑥ 軽微変更届に伴う保険適用希望書の提出 令和7年11月12日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ○ 軽微変更届は届出申請であることから、簡易相談結果要旨により、PMDAの確認を経ているか確 認すべきではないか。 ○ PMDAへの簡易相談を経て適切に軽微変更届が行われたもののうち、構成品やサイズバリエーショ ンの追加、一般的名称の変更等に伴い該当する機能区分の変更を希望する場合等(決定区分 B1(既存機能区分)に該当する場合に限る。)については、保険適用希望書を提出できることと してはどうか。 【業界意見】 ➢ 軽微変更に伴い機能区分が変更となる場合のB1申請が可能となることについて、賛同する。 ➢ 上記以外の軽微変更による保険申請についても、引き続き検討いただきたい。 32 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ⑥ 保険適用希望書の様式の見直し 令和7年11月12日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ○ 適切なイノベーションの評価及び保険適用に係る迅速な手続の促進の観点から、保険適用希望 書においては、特に重要な論点(例えば、製品の有効性・安全性に係るデータ、加算項目への該 当性等)を踏まえつつ、簡潔に要点を整理して記載することとしてはどうか。 【業界意見】 ➢ 賛同する。 33 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ⑥ 製造販売業者からの不服意見の取扱い及び同意が得られない場合の取扱い 令和7年11月12日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ○ 公正な手続を進める観点から、製造販売業者が保材専の決定に対して不服を申し立てる場合は 、原則として、不服意見書が提出された月の翌月の保材専で審議することとしてはどうか。 ○ やむを得ず翌月の保材専に追加資料の準備等が間に合わずに保険適用希望書を取り下げた場 合であって、再度保険適用希望書を提出した場合には、1回目の保材専の決定案を踏まえ、手続 を進めることとしてはどうか。 ○ 2回目の保材専後に企業からの同意が得られない場合は、保険適用希望書を取り下げたものとし て取り扱うこととしてはどうか。 【業界意見】 ➢ 1点目、3点目について:賛同する ➢ 2点目について:やむを得ず翌月の保材専に追加資料の準備等が間に合わずに保険適用希望書 を取り下げた場合においては、薬事上の変更手続きがなくとも再度保険適用希望書を提出でき、再 度保材専で審議されることを明確化していただきたい。 34 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ⑦ 市場拡大再算定 令和7年11月12日 保険医療材料専門部会より 【論点】 ⚫ 機能区分の見直しにおいて単に機能区分の名称のみが変更された場合(当該機能区分に該当する特 定保険医療材料に変更がない場合)は、名称変更前の機能区分の設定時期や予想年間販売額等 を確認することとしてはどうか。 ⚫ 機能区分の見直しにより機能区分が新設された場合(機能区分の名称のみ変更した場合は除く。)は 、機能区分の見直しを実施した年度の年間算定額を基準年間販売額としてはどうか。 ⚫ 機能区分が設定された日から10 年を経過した後の最初の材料価格改定以前の場合であって、予想年 間販売額が不明である場合は、機能区分が設定された年の翌年度の年間算定額を基準年間販売額 とすることとしてはどうか。 ⚫ チャレンジ申請により再評価を受け、機能区分が設定される際に原価計算方式以外の方式により算定さ れた特定保険医療材料については、市場拡大再算定の対象となり得ることを明確化してはどうか。 【上記論点に対する現状と課題】 ➢ 従来の市場拡大再算定は、当初予測した市場規模に比べて実際の販売大きく上回る場合に行われる。 ➢ 機能区分の新設に対する基準年間販売額は、推定適用患者数に基づきその製品が使用され得る市場 規模を基礎として算出されるものである。しかしながら、論点2および3に示された年間算定額(実績)を 基準年間販売額とする方法は、導入初期で市場浸透率が低い段階での実績販売額を基準とするもの であり、制度本来の趣旨及び従来の考え方から乖離している(参考資料①)。 35 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ⑦ 市場拡大再算定 【2点目の論点】 ⚫ 機能区分の見直しにより機能区分が新設された場合(機能区分の名称のみ変更した場合は除 く。)は、機能区分の見直しを実施した年度の年間算定額を基準年間販売額としてはどうか。 【業界意見】 ➢ 機能区分の見直し時に提出する保険適用希望書に記載された推定適用患者数をもとに算出し た予想年間販売額を、基準年間販売額としてはどうか。 36 Ⅲ. 保険医療材料専門部会からの意見について ⑦ 市場拡大再算定 【3点目の論点】 ⚫ 機能区分が設定された日から10 年を経過した後の最初の材料価格改定以前の場合であって、 予想年間販売額が不明である場合は、機能区分が設定された年の翌年度の年間算定額を基準 年間販売額とすることとしてはどうか。 【業界意見】 ➢ 機能区分が設定された日から10 年を経過した後の 最初の材料価格改定以前の場合は、基準年間販 売額は推定適用患者数を基に算出されている。 基準年間販売額に対する考え方のギャップは大きい ➢ 機能区分が設定された翌年度は、市場浸透率が低 く、予想年間販売額を作成していた場合でも、それを 大きく下回る可能性が高い(右図)。特に承認条 件として市販後調査や適正使用指針などが求められ る製品においては、機能区分が設定された翌年度の 市場浸透率はさらに低くなるため、基準年間販売額 としては適切ではない。 ➢ 予想年間販売額が不明である場合は、機能区分が 新設されたときの「推定適用患者数」を当該製造販 売業者が算出、提出することとしていただきたい。 37 参考資料① 令和6年2月14日 保発0214第3号 「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について」 より抜粋 第3節 市場拡大再算定 38 中 医 協 材 - 2 7 . 1 1 . 2 1 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 意見陳述資料 医療機器・医療技術 2025年11月21日 (一社)日本医療機器産業連合会(JFMDA) (一社)米国医療機器・IVD工業会(AMDD) 欧州ビジネス協会(EBC)医療機器・IVD委員会 1 本日の提案内容 1.プログラム医療機器の評価に関して P.2-P.12 (1)9/26 第131回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会の論点 に対する業界の意見 (2)8/27 第130回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会で ご指摘頂いた点に関する補足 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について P.13-P.22 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上 (2)チャレンジ申請の要件緩和について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 【追加】11月12日 保険医療材料専門部会における論点について 3.PET検査の保険適用区分に関して P.23-P.28 (1)診断を目的としたPET検査の保険適用区分の再構築について 2 (1) 9/26 保険医療材料専門部会の「論点」に対する業界の意見 ○ プログラム医療機器の診療報酬上の評価基準について ・ プログラム医療機器の診療報酬上の評価については、令和6年度改定で示された考え方や 海外調査の結果等を踏まえ、引き続き、患者の臨床アウトカムの向上が示された場合に限り 加算による評価を検討してはどうか。 ・ 医療従事者の労働時間短縮や人員削減等を実現するプログラム医療機器については、 引き続き、施設基準の緩和等による評価を検討することとしてはどうか。 【業界意見】 ○ 「医療従事者の労働時間短縮に加えて患者メリットを示した場合」また「医療従事者の労働時間短縮が医療上の 課題(患者の検査・治療待ち期間の延長等)を改善すると中医協が認めた場合」には、改めて加算として評価を 行うことを検討頂きたい。 【ポイント】 1) 「医療従事者の労働時間短縮」や「患者の検査・治療待ち期間の改善」は、プログラム医療機器が医療の質の向上に 幅広く貢献する、医薬品とは異なる医療機器の特性のひとつと考える。 2) 診療報酬は、患者の臨床アウトカムの向上が示された場合に限定されず、医療の質の向上に対して評価されうるもの と考える。 3) 我が国のがん対策推進基本計画における中間アウトカムにも「必要な患者に対する、最適な放射線治療のタイムリー かつ安全な実施」が設定され、適時性による医療の質の向上が重視されている。 3 1) 医療の質の向上とプログラム医療機器の貢献 ○ 米国医学研究所によると、医療の質は、「個人と集団への医療行為が望ましい健康状態をもたらす確率 (最新の知識と一致する程度)」とされ、以下の6つの目標を挙げている。 ①有効性 ②安全性 ③患者中心 ④適時性 ⑤効率性 ⑥公平性 ○ プログラム医療機器は ④適時性 ⑤効率性など 幅広く医療の質向上に貢献する(医薬品と異なる特性)。 意義 プログラム医療機器の貢献 有効性 エビデンスに基づいた医療を効果が得られる可能性のある者に正しく提供し、 効果を得られ ない者には提供しないこと 安全性 医療に関連した不要な害のリスクを許容可能な最小限の水準まで減らすこと 患者中心 患者・利用者を中心に据えた医療システムを機能させ、患者・利用者の意向、 ニーズ、価 値を尊重した医療を提供すること 適時性 待ち時間や患者さんにとって不利益となるような診療の遅れをなくすこと 患者の治療待ち期間を短縮するプロ グラム医療機器は、本項目に該当する と考えられる 効率性 限られた医療資源から最大限の成果を得ること 医療従事者の労働時間短縮に寄与 するプログラム医療機器は、本項目に 該当すると考えられる 公平性 すべての人が、経済状況、身分、リスク要因、国籍、障害などに関係なく、同等の医療への アクセスと質の高い医療を受けられるようにすること 出典:厚生労働省補助事業「医療の質指標基本ガイド」第1.2版https://jq-qiconf.jcqhc.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/04/Quality_Indicator_Guide.pdf 4 日本医療安全学会https://www.jpscs.org/?p=1725 より引用 2) 評価のポイントが 患者の臨床アウトカムの向上 に限定されない診療報酬の例 区分番号 診療報酬項目 評価のポイント(通知等より引用) A207 診療録管理体制加算(30~140点) 適切な診療記録の管理を行っている体制を評価するもの。 医師の負担の軽減及び処遇の改善に対する体制を確保することを目的として、医師、医療関係職員、事務 A207-2 医師事務作業補助体制加算(280~1070点) 職員等との間での業務の役割分担を推進し、医師の事務作業を補助する専従者(以下「医師事務作業補 助者」という。)を配置している体制を評価するもの。 厚生労働省が実施する「DPCの評価・検証等に係る調査」(以下「DPC調査」という。)の退院患者調 A245 データ提出加算(145~225点) 査に準拠したデータを正確に作成し、継続して提出されることを評価したもの。 地域の救急医療体制、周産期医療体制又は小児救急医療体制において重要な機能を担うとともに、病院 A252 地域医療体制確保加算(620点) 勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する取組を実施する体制を評価するもの。 地域で新型コロナウイルス感染症に係る医療など一定の役割を担う保険医療機関に勤務する保健師、助産 O000 看護職員処遇改善評価料(1~340点) 師、看護師及び准看護師の賃金を改善するための措置を実施することを評価したもの。 O102 入院ベースアップ評価料(1~165点) 当該保険医療機関に勤務する対象職員の賃金の改善を実施することについて評価したもの。 オンライン資格確認により取得した診療情報・薬剤情報等を実際の診療に活用できる体制を有するとともに、 A000、 医療DX推進体制整備加算(8~12点) 電子処方箋及び電子カルテ情報共有サービスを導入するなど、質の高い医療を提供するため医療DXに対 B000 応する体制を評価するもの。 A000、 オンライン資格確認を導入している保険医療機関において、初診時に患者の薬剤情報や特定健診情報等の A001、 医療情報取得加算(1点) 診療情報を活用して質の高い診療を実施する体制を評価するもの。 A002 プログラム医療機器による幅広い医療の質向上への貢献に対しても、限定的でない診療報酬の評価基準を検討頂けないか。 5 3)ー1 がん対策推進基本計画等でも課題とされる、診断から治療開始までの期間 ★ 第4期がん対策推進基本計画の中で、「必要な患者に対する、最適な放射線治療のタイムリーかつ安全な実施」が 中間アウトカムに設定され、C判定(=ベースライン値に対し後退傾向)と課題として評価されている。 ★ 患者体験調査報告書(令和 5 年度調査)において、「確定診断から治療開始までの期間」が医療の個別の問題として 指摘されている。 【分野別施策と個別目標】2. 患者本位で持続可能ながん医療の提供 1) (1)がん医療提供体制等③手術療法・放射線療法・薬物療法について (イ)放射線療法について A:ベースライン値に対し、改善傾向にある B:ベースライン値から変化なし C:ベースライン値に対し、後退傾向にある D:判定不能 2) 低下している 出典: 1) 厚生労働省、「がん医療」分野の中間評価(案)について(令和7年10月6日、第92回がん対策推進協議会) https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001574121.pdf 2) 患者体験調査報告書令和5年度調査 https://www.ncc.go.jp/jp/icc/policy-evaluation/project/010/2023/R5_all.pdf 6 3)-2 放射線治療計画支援プログラムの事例 ー医療従事者の労働時間短縮に加え、患者アウトカムの向上についてー ★がん治療開始までの期間(=患者の待ち期間)は、患者アウトカムに関連する重要な指標である。 ・がん治療開始の遅延は死亡リスクを上昇するとの報告がある。1)2) ・術後放射線治療開始の遅延は、局所再発率を上昇させるとの報告がある。3) ・治療遅延は、患者の心理的苦痛(GPDおよびPTSD)を有意に増加させるとの報告がある。4) ・放射線治療は、放射線治療計画策定前に撮影したCT画像に基づいて放射線照射を行うが、腫瘍の形状や位置に変化が 生じると再計画が必要となり5) 、治療が遅延することがある。 Day 1 Day n:放射線照射(予定) Dayn+m:放射線照射(後日) マニュアル 腫瘍形状等の変化 再計画 コンツーリング 放射線治療計画支援 プログラムの活用 Reference; 1) Tariku Shimels, et al.,Associationbetween delayed initiation of treatment indications and survival in patients with cervical cancer: a systematic review and meta-analysis, Eur. J. Gynaecol. Oncol. 2024 vol.45(3), 4-15 2) Ungvari, Z., et al. Treatment delay significantly increases mortality in colorectal cancer: a meta-analysis. 再計画 GeroScience47, 5337–5353 (2025). 3) Huang J, et Al.,. Does delay in starting treatment affect the outcomes of radiotherapy? A systematic review. J Clin Oncol. 2003 Feb 1;21(3):555-63 4) Ye Y, Wang J, Cai S, Fu X, Ji Y. Psychological distress of cancer patients caused by treatment delay during the Dayn:放射線照射 COVID-19 pandemic in China: A cross-sectional study. Psychooncology. 2022 Sep;31(9):1607-1615. 5) Schwartz, David L. et al. , Adaptive Radiotherapy for Head-and-Neck Cancer: Initial Clinical Outcomes From a (予定通り) Prospective Trial, International Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics, Volume 83, Issue 3, 986 -993 ● 文献に基づくと、診断から治療開始までの患者の待ち期間の短縮が、患者アウトカム改善に資する蓋然性は高い。 ● ただし、それを臨床研究によって直接立証することは困難(RCTは不適切、観察研究では大規模な臨床研究が必要)。 7 (1) 9/26 保険医療材料専門部会の「論点」に対する業界の意見 ○ 特定保険医療材料として評価されるプログラム医療機器の算定 ・ 特定保険医療材料として評価されるプログラム医療機器については、初・再診料、プログラ ム医療機器指導管理料(導入期加算を含む)、その他の医学管理料等、特定保険医療材料料 を以下のとおり組み合わせて算定できることを明確化してはどうか。 ○ 賛同します。 ○ 原価計算に含めるべき費用の対象範囲 ・ 現時点において、プログラム医療機器に係る費用構造についての一般的な考え方を示すこ とは困難ではないか。 ・ 特定保険医療材料として原価計算方式で算定されるプログラム医療機器については、引き 続き事例を蓄積しつつ、費用構造について調査することとしてはどうか。 ・ 特定保険医療材料として算定されるもの以外のプログラム医療機器等についても、調査の 対象とし、プログラム医療機器の費用構造について実態を把握することとしてはどうか。 ○ 賛同します。 特定保険医療材料として算定されるもの以外のプログラム医療機器等も調査対象とされるに際し、例えば治療支援用プ ログラム、診断支援用プログラムなど、各々のプログラム医療機器の特性に則した適切な評価方法を検討頂きたい。 8 (1) 9/26 保険医療材料専門部会の「論点」に対する業界の意見 ○ 選定療養の活用方法 ・ 各医療機関が設定する特別の料金の徴収についての患者への説明は、患者が使用するプログ ラム医療機器のアプリケーション内で行うことも可能であることを明確化してはどうか。 ○ 賛同します。 ○ なお、プログラム医療機器リバランス通知の活用による第1段階承認後の評価療養で追加的有効性が示されなかった 場合、既収載技術による保険適用または選定療養を希望できること、およびその手続きを明示頂きたい。 9 第2段階承認と保険適用、選定療養の希望について 第1段階承認で評価療養として患者に提供された技術の扱いについて ・患者が継続利用を希望する場合、既収載技術での保険適用、もしくは選定療養として提供される方法が 考えられるが、手続き等が明確化されていない。 ・選定療養での提供についてパブリックコメントによる手続きを取る場合、パブコメ提出までの空白期間 及びパブコメ審査期間(下記①及び②)の間、患者が継続利用できなくなる。 ・選定療養が認められなかった場合(下記③)、保険適用希望の扱いが明確化されていない。 図)SaMDリバランス通知における評価療養の結果を踏まえた保険適用と選定療養の流れ(例) 1) 第二段階 専門医超:6機能 薬事申請 保険申請:6機能 決定区分C2 承認 専門医未満:0機能 選定療養承認 第一段階 2) 保険申請:4機能 決定区分C2 第二段階 承認 評価療養 専門医 超:4機能 薬事申請 承認 6種類の機能 専門医 未満:2機能 空白期間 選定療養パブコメ:2機能 選定療養非承認 例) ① ② 非専門医が ③ 使った時の 保険申請:6機能 決定区分A1 上乗せ効果 3) を検証 (薬事申請しない) 専門医超:0機能 or 専門医未満:6機能 選定療養承認 空白期間 選定療養パブコメ:6機能 ① ② 選定療養非承認 ③ 提案 評価療養終了後、もしくは二段階承認後に、企業が希望する場合は「保険適用希望書」もしくは「選定療養 希望書」あるいは複数の機能を有する場合はその両方を提出できること、そして選定療養希望書が提出された 場合は遅滞なく審査が行われる旨を明示頂きたい。 10 (2) 8/27 保険医療材料専門部会でご指摘頂いた点に関する補足 ○ 保険外併用療養費制度において臨床研究で有効性が認められなかった場合で、患者が 継続利用を希望する場合等の取り扱い(選定療養化)について 【ご指摘】 ・臨床研究で有用性が認められず、けれども患者が希望する場合の選定療養というスキームの 道筋を考えていただけないかということなのですが、具体的に今、プログラム医療機器で 考えられている中で、この流れに乗っていく可能性のあるもの、また、これの適用になる のではないかと想定されているものはどのようなものか。 【8/27席上でのご説明のポイント】 ・ 複数の臓器もしくは複数の疾患を一度に画像診断できるようなCTの診断支援プログラムを 想定例として挙げさせて頂いた。 ・1つの臓器について有用性が示せたことで第1段階目の承認を得て、残りの臓器や疾患に ついて評価療養で有用性を示して2段階承認を目指す場合、以下の3パターンが考えうる。 a)例えば残りの臓器もしくは疾患について全て有用性が示せた場合。 b)一部しか有用性が示せなかった場合 c)一つも追加で有用性が示せなかった場合 ・b)c)の場合、2段階の承認は難しいことも想定されるが、患者さんが継続利用を希望する 場合、評価療養から選定療養へ移行しうることを明確化頂きたい。 11 複数機能を有するSaMD(想定事例)の評価について (選定療養とされた多焦点眼内レンズの事例とSaMDの類似点) ・多焦点眼内レンズでは、先進医療の結果、水晶体再建にかかる部分は医療保険で給付、眼鏡装用率の軽減にかかる部分は 患者負担と整理された。 ・「患者中心」の観点から、複数機能を有する画像診断支援SaMDで追加的有用性が示された機能は保険給付、患者の安心感に つながるものの追加的有用性が示されなかった機能は患者負担という選択があり得るのではないか。 ● 眼内レンズ(多焦点)のケース ● 画像診断支援SaMD(6種類の診断支援を行うCT読影支援SaMDの場合) 臨床研究(先進医療) SaMD費用(施 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 設持ち出し) 放射線診断専 画像診断管理加算(70~340点) 門医の読影に 対する報酬 診断料(450点) 読影に対する 報酬 ① マニュアル読影 SaMD支援下読影 ターゲット臓器・疾患 (右は専門医が読影した場合の報酬) ②~⑥ 非ターゲット臓器/疾患 臨床研究 【結果1】 【結果2】 【結果3】 6種類全てで 一部機能に 追加的有用性なし 追加的有用性あり 追加的有用性あり ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ -追加的有用性を示した -追加的有用性が示 一部機能を保険で評価 されず保険で評価 -全ての機能を保険で することに合理性あり する合理性なし 評価することに合理 性あり -患者の安心感につなが -患者の安心感につ る機能は患者負担? ながる機能として 患者負担? 12 本日の提案内容 1.プログラム医療機器の評価に関して P.2-P.12 (1)9/26 第131回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会の論点 に対する業界の意見 (2)8/27 第130回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会で ご指摘頂いた点に関する補足 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について P.13-P.22 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上 (2)チャレンジ申請の要件緩和について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 【追加】11月12日 保険医療材料専門部会における論点について 3.PET検査の保険適用区分に関して P.23-P.28 (1)診断を目的としたPET検査の保険適用区分の再構築について 13 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について 技術料包括医療機器と特定保険医療材料の評価ルール 技術料包括医療機器 特定保険医療材料 【イノベーション評価】 【イノベーション評価】 ・チャレンジ申請 ・チャレンジ申請 ・画期性加算、有用性加算、改良加算 ・ニーズ選定品への対応評価 ・経済性加算 ・市場性加算Ⅰ・Ⅱ、先駆加算、特定用途加算 ・機能区分特例 ・不採算要望 ・費用対効果評価 ・迅速な保険導入に係る評価 【点数調整】 【価格調整】 ・市場拡大再算定 ・市場拡大再算定 ・外国平均価格に基づく価格調整 ・市場実勢価格調整 ・外国平均価格に基づく再算定 ・費用対効果評価 14 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上 10/15 保険医療材料専門部会の「論点」に対する業界の意見 新たな医療機器や体外診断用医薬品を用いた医療技術の評価 【論点】 ○ 新技術の評価方法については、手術で用いられる医療機器、検査で用いられる医療機器、 体外診断用医薬品等の類型化を行った上で、検討してはどうか。 ○ 新技術の評価においては、重複した評価を避けるため、特定保険医療材料として評価すべ き項目と技術料として評価すべき項目の整理が必要ではないか。 ○ 新技術の評価については、医療技術評価分科会でも行われていることから、評価の考え方 や方法について、保険医療材料等専門組織と医療技術評価分科会の間で齟齬がないようにす べきではないか。 ○ 令和7年度から厚生労働行政推進調査事業費として研究を実施しているところであり、同 研究の報告等を踏まえつつ、引き続き検討することとしてはどうか。 ○ 上記論点について異論ございません。 令和7年8月27日業界意見陳述資料における、業界の意見を考慮頂きありがと うございます。 一方で、課題で示されている、「新技術を保険適用する際に、特定保険医療材 料の原価計算方式のように、新技術に係る費用等も含めて技術料に反映する仕組 みを検討する必要があるのではないか。」については、材料価格や人件費の高騰 を適切に厚生労働行政推進調査事業にて評価いただき、産業界へのアンケート等、 実施いただきたく要望いたします。 15 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (2)チャレンジ申請の要件緩和について 9/26 保険医療材料専門部会の「論点」に対する業界の意見 チャレンジ申請におけるデータ収集及び提出方法について 【論点】 ○チャレンジ申請におけるデータ収集等について •製造販売業者が提出する研究計画については、比較試験を求めることとしてはどうか。具体 的にはランダム化比較試験(RCT)が望ましいが、RCTが困難な場合はバイアスのリスクを軽減 する方法等を十分に検討した研究計画を示すことを求めることとしてはどうか。 •チャレンジ権取得を希望する時点で既に開始されている臨床研究等についても、研究計画等 の妥当性が示されれば、チャレンジ申請における評価対象となり得ることを明確化してはどう か。 ○チャレンジ申請におけるデータ提出方法について •チャレンジ申請時に提出するデータについては、データの客観性を担保する観点から、査読 付き論文として公表されたものの提出を求めること及び製造販売業者等による独自の解析等に ついては評価対象としないことを明確化してはどうか。 ○ 上記論点について異論ございません。 ・令和7年8月27日業界意見陳述資料における、業界の意見を考慮頂きありがと うございます。 ・RCTに限らない、比較試験について、どの様な試験を意味するのか、また比較試 験が適さないケースについても明確化することをご検討いただきたい。 16 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (2)チャレンジ申請の要件緩和について 下記表の1)~4)に該当する臨床研究をチャレンジ申請で活用できるようにして頂きたい。 要望の背景; ・ケースによって、望ましい研究デザインや研究実施体制は様々。 ・既に海外で後ろ向き研究が開始されているような場合、日本のために別途研究を実施するとの判断には 中々ならない現状がある。 ・入口を狭めるのではなく、保材専で専門的見地から審議・判断をして頂くことが望ましい。 ・入口を広げることで、デバイス・ロス、デバイス・ラグのリスク回避につながると期待。 チャレンジ申請で活用したい臨床研究の例 チャレンジ申請での活用が妥当である理由 通常、同じリサーチクエスチョンの研究を重複して別途実施 1)国内導入時点で既に開始されている することは困難。これの活用が認められないと、日本への導 海外の臨床研究 入が後回しとなり、海外の研究終了後に改めて導入の是非を 検討することになる恐れがある 幅広く一般的に行われている研究手法であり、過去のチャレ 2)後ろ向き観察研究 ンジ申請でもエビデンスとして認められている。これの活用 (リアルワールドデータ分析を含む) が認められないと、日本のために別途前向き研究を行うかど うかといった議論になる。 3)過去に撮影された画像等を用いて 画像診断領域で一般的に行われている研究手法であり、薬事 正解データを作った上で検証する場合等に 申請の添付資料として認められていて、研究デザインの科学 実施される後ろ向き研究 的妥当性がある 医療機器の使用方法のトレーニングやSaMD解析結果の集計方 法の助言などで企業がサポートすることも多い。 4)医師主導研究 また、薬事申請の添付資料や、通常のC1/C2申請での活用が 認められていて、研究実施体制として確立している 17 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (2)チャレンジ申請の要件緩和について 9/26 保険医療材料専門部会の「論点」に対する業界の意見 チャレンジ申請に係る手続 【論点】 • 既存治療との比較等により新たな知見を得られることが十分に期待でき、実現可能性も高い と考えられる研究計画(RCTであり実現可能性も高いもの等)については、事務局による事前 確認を経て保険医療材料等専門組織委員長が認めた場合に限り、保険医療材料等専門組織への 報告をもってチャレンジ権を付与できることとしてはどうか。 • そうでない場合は、研究計画について保険医療材料等専門組織で検討し、既存治療との比較 が困難と判断されるもの(対照が明確でないもの、バイアスが排除されていないもの等)や実 現可能性が認められないもの等については、チャレンジ権を付与しないこととし、製造販売業 者にその理由を伝達することとしてはどうか。 ○ 上記論点について異論ございません。 18 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 10/15 保険医療材料専門部会の「論点」に対する業界の意見 医療技術評価分科会における検討を要する技術について ー医療技術評価分科会での審議を求める要件の明確化についてー 【論点】 ○ これまで医療技術評価分科会での審議が求められた事例、現在の通知の趣旨等を踏まえ、「新たな技術 料の設定や技術料の見直しに当たり、分野横断的な幅広い観点からの評価や他の既存技術に対する評価の見 直しがあわせて必要と考えられる場合」の例示を以下のとおり見直してはどうか。 ➢ 類似する既存技術に対する評価との整合性の観点から、当該既存技術に対する評価を同時に見直す必要があるもの。 ➢ 保険適用されていない医療技術(基本診療料等で包括的に評価されている医療技術を除く)を実施する目的で使用す る医療機器等(プログラム医療機器を含む。)。 ➢ オンライン診療での実施に係る技術料がない医療技術(基本診療料等で包括的に評価されている医療技術を除く)を オンライン診療で実施することを目的とする医療機器等。 ➢ 複数分野で使用される医療機器等を用いた技術であり、分野毎に異なる診療報酬点数が算定されるもの。 ➢ 管理料(医学管理料、在宅療養指導管理料等を含む)の新設についての審議が必要なもの。 (注)上記のうち、情報通信機器を用いた診療を含む、制度や指導管理料、基本診療料等に係るもの等であって、医療技 術評価分科会における評価対象とならない場合は、必要に応じて総会での議論を検討する。 ○ 上記論点について基本的には、異論ございません。 令和7年8月27日業界意見陳述資料における、業界の意見を考慮頂きありがとうございます。 患者の保険診療への迅速なアクセスを維持する観点から、保険医療材料等専門組織の審議による 準用技術料付与をあくまでも第一義とし、医療技術評価分科会での審議が求められる事例は極 小化された上で上記の基準にて運用されることを明確化頂きたい。 19 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 10/15 保険医療材料専門部会の「論点」に対する業界の意見 医療技術評価分科会における検討を要する技術について ー医療技術評価分科会での審議を求める要件の明確化についてー 【論点】 複数分野で使用される医療機器等を用いた技術であり、分野毎に異なる診療報酬点数が算定されるもの。 【要望】 「複数分野で使用される医療機器等を用いた技術であり、分野毎に異なる診療報酬点数が算定されるもの」 はこれまで保険医療材料等専門組織で準用技術料が設定されてきてた。無心体双胎の適応拡大のように治療 の重篤性や緊急性が高い技術では、2年に1度の保険収載では患者アクセスに与える影響は大きい。そのた め、適応拡大で分野毎に異なる診療報酬点数を希望する場合でも、重篤性や緊急性の高い技術は、引き続き 準用技術料を設定して頂けないか。 肝臓癌 無心体双胎 適応 拡大 無心体双胎のラジオ波焼灼術実施群(80.8%)では、待機的 既存技術料 既存とな異なる診療報酬点数 管理群(42.9%)に比べて、ポンプ児の生存率が良好であり、緊 K697-3 肝悪性腫瘍 準用技術料:K910-2 内視鏡 急性の高い迅速な患者アクセスが必要である技術であった ラジオ波焼灼療法 的胎盤吻合血管レーザー焼灼術20 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 10/15 保険医療材料専門部会の「論点」に対する業界の意見 医療技術評価分科会における検討を要する技術について ー評価療養の対象期間について見直しー 【論点】 ○ 上記の評価療養の期間は、直近の診療報酬改定の次の診療報酬改定での保険適用を想定し た期間としてはどうか。 ○ 上記論点について異論ございません。 令和7年8月27日業界意見陳述資料における、業界の意見を考慮頂きありがと うございます。 21 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について 【追加】 11月12日 保険医療材料専門部会における論点について A3区分(既存技術・変更あり)の保険適用希望の取扱い ○行政側・業界側ともに利点のある提案であり、賛同致します。 市場拡大再算定(技術料包括の医療機器及び体外診断用医薬品) 〇技術料包括の医療機器は特定保険医療材料と異なり、技術料のうち「医療機器に係る金額」の算出には 様々なケースが考えられ、簡単な課題ではございませんので、業界の意見等もご配慮頂き、慎重なご検討 をお願い致します。 〇注の1点目の「改定前の技術料の85/100の場合」との記載について、特定保険医療材料に準じる考え方 であれば、技術料全体ではなく「医療機器に係る金額(技術料の中で包括されている医療機器に係る費用 部分の金額)」が対象であるべきと考えます。 22 (※特定保険医療材料の場合、それを用いる技術料は再算定の対象外であるため) 本日の提案内容 1.プログラム医療機器の評価に関して P.2-P.12 (1)9/26 第131回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会の論点 に対する業界の意見 (2)8/27 第130回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会で ご指摘頂いた点に関する補足 2.医療機器(医療技術)イノベーション評価について P.13-P.22 (1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上 (2)チャレンジ申請の要件緩和について (3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について 【追加】11月12日 保険医療材料専門部会における論点について 3.PET検査の保険適用区分に関して P.23-P.28 (1)診断を目的としたPET検査の保険適用区分の再構築について 23 医薬品の適応判定の補助に必要なポジトロン断層撮影(PET)の保険適用について 令和7年11月12日 保険医療材料専門部会(25頁) 【課題】 ○ 再生医療等製品が治療に用いられる場合があることから、再生医療等製品の適応判定を 目的として使用される医療機器、体外診断用医薬品、PETについても、医療現場への円 滑な導入を見据えた保険適用時期の検討が必要なのではないか。 【論点】 ○ 医薬品等(再生医療等製品を含む。)の適応判定を目的として使用される医療機器、体 外診断用医薬品、PETについて、中医協総会において了承された保険適用日から保険適 用することができることとしてはどうか。 【業界意見】 ➢上記の論点について賛同する。 ➢放射性医薬品が治療方針の決定等の診断を目的としたPETに用いられているが、放射性医薬品に関 する当該PET技術の保険適用は未整備の状態であり、診断を目的としたPET検査の保険適用に ついても医薬品の適用判定の補助と同様な制度構築を検討いただきたい。 【参考】 ○ 2024年度の診療報酬改定にかかる中医協での審議(2023年11月22日)では、主にデリ バリーPET診断薬を用いたPET検査技術料(フルシクロビンPET)の新設が承認され、 2024年診療報酬改定(2024年2月14日通知文)では、アミロイドPET検査を『治療薬の 適応判定の補助』を目的としたPET検査技術料の設定が制度化された。 24 3.(1)診断を目的としたPET検査の保険適用区分の再構築について 【背景】 ○ PET検査は、撮像等に係る技術と医薬品を組み合わせることで診療可能となる(個別では検査 にならない)。そのため、臨床でのPET検査実施には、PET検査(撮像等に係る技術料)の診 療報酬と医薬品の薬価収載の両方が設定されている必要がある。 ○ 現状、PET医薬品の保険適用は2年に1回の学会からの医療技術評価提案書による保険申請のみ が選択肢であり、さらに、必ずしもその提案が通るとは限らない。 ○ 関連学会(日本核医学会)から撮像等に係る技術料の設定を医療技術評価分科会にR4/R6年度 に要望したが、保険制度上の問題であることを理由に、PET診断薬が薬事承認されているにも 拘らず、PET検査に係る技術料が採択されず、患者アクセスが3年遅れた。 ○ PET検査の撮像等に係る技術料が設定されていないものは、PET診断薬の保険適用申請もでき ない状態であり、今後上市予定の前立腺がんのPET診断剤等が国内で広く使われず国内患者へ の不利益が見込まれる。 ○ 100名を超える国内の前立腺がん患者が、前立腺がんの検査であるPSMA-PET検査を求めて、 海外へ渡航しています。 論点・提案 ○ 診断を目的としたPET検査の保険適用区分の新設について、PET診断薬の承認を得た 企業が迅速に保険適用できるために、例えばC2申請や治療薬の適応判定の補助の場 合のPET検査のように、もしくは学会が要望している共通のPET技術料の新設を希望 します。 25 (参考資料1) 学会からの要望 新薬の薬事承認後速やかな保険適用のための技術料 R8年度 医療技術評価提案書 内保連HP(https://www.naihoren.jp/activity/1551/)の令和8年度医療技術評価提案書(既収載)より 提案番号(6桁) 申請技術名 申請学会名 216201 画像検査技術の技術料 項目設定の見直し 日本核医学会 現状の課題 新薬の薬事承認後、速やかな保険適用ができず、患者が保険診療でPET検査を受けることができない 海外では広く臨床利用されていても、国内で今後承認が見込まれるPET検査薬の導入に遅れが生じる 提案 薬事承認後に薬価収載されるPET検査薬を対象とした、PET検査薬の成分に因らない撮像等に係る 共通の技術料として集約することで、速やかな保険診療につながる PET検査の診療報酬上の取扱いについて 技術料が設定されていない 薬剤料 と、薬価申請が出来ず、 (薬価算定) PET検査は実施できない ※薬剤毎に技術料を審査するの PET検査薬 は。患者を約2年以上待たせる。 デリバリーPET医薬品 撮影等に係る技術料 PET検査薬の成分に因らない 撮像等に係る共通の技術料 の設定が必要 • デリバリーの場合における、PET検査の ※CT/MRI造影剤、SPECT検査薬 撮影等に係る技術料を新設する。 には共通の技術料がある。 • PET用放射性医薬品について薬価算定を 行う。 PETカメラ 26 (参考資料2) 今後承認申請が見込まれるPET検査(診断目的)の事例 現行 の学会プロセス (医療技術評価提案書申請) 2028年? 2030年? 2032年? 2年に1回の機会のみ、かつ必ずしも採用されない。 薬事承認 2年 2年 2年 新 プロセス 新制度 (保険適用希望書申請) 薬事承認と連動した保険適用が出来る仕組み 薬事承認 ← 数か月 → 大幅な患者アクセス改善 MRI/CT/SPECTなどの診断薬は保険適用申請が可能 国内企業が開発中のPET診断薬 対象 製剤 国内開発状況 海外開発状況 前立腺がん 68Ga-PSMA-11 ・Locametz(ノバルティス) 承認 (2025年9月):CDx 承認(2022年):Dx/CDx ・Illuccix(テリックス) P3:Dx/CDx 承認(2021年):Dx/CDx 18F-PSMA-1007(住友重機) P3:Dx(合成装置) 承認(2021年):Dx 64Cu-PSMA-I&T(PDRファーマ) P1/2:Dx P3:Dx PYLARIFY(GE/日本メジフィジックス) 開始前 承認 (2021年) :Dx 神経内分泌腫瘍 68Ga-DOTATATE(ノバルティス) P3:Dx 承認(2016年):Dx 腎がん 89Zr-Girentuximab(テリックス) P1:Dx P3:Dx 64Cu-PD-32766(PDRファーマ) P0:Dx - 心筋血流 18F-Flurpiridaz(日本メジフィジックス) P2:Dx 承認(2024年):Dx アルツハイマー病 18F-APN-1607(APPRINOIA) P2:Dx P2:Dx 企業ホームページ、jRCTから抜粋(放射性医薬品協会調査) 27 (参考資料3) 診断を目的としたPET診断薬(医薬品)の保険適用制度がないことによる PET検査ラグ事例(ドラッグラグ/診療ラグ) 検査ラグ事例:アミノ酸PET(アキュミン静注;2021年3月承認) MRI(造影)領域外の腫瘍を描出 切除範囲の変更 60.9% しかし、薬事承認後、3年間 薬価収載されず MRI(造影) MRI(FLAIR法) アミノ酸PET MRI造影領域 < PET集積領域 Annals of Nuclear Medicine (2021) 35:1279–1292 検査ラグ事例;PSMA-PET;国内治験中 国内 既存診断 海外 PSMA-PET (骨シンチ) 2020年12月以降、 *保険診療にて実施 3剤が承認販売済 *診療ガイドライン位置づけ 治療方針の変更 63.9%※ 承認後、2年以上、薬価収載されない可能性 米 CONDOR試験 Clin Cancer Res. 2021 Feb 23;27(13):3674–3682 本邦の前立腺癌患者は、適切な治療選択の機会を逸する。 British Journal of Radiology, Volume 95, Issue 1131, 1 March 2022, 20210728 28 中 医 協 材 - 3 7 . 1 1 . 2 1 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 意見陳述資料 体外診断用医薬品 令和7年11月21日 (一社)日本臨床検査薬協会(JACRI) (一社)米国医療機器・IVD 工業会(AMDD) IVD委員会 欧州ビジネス協会(EBC) 医療機器・IVD委員会 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. POCT検査の有用性 B-3.感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 2 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. POCT検査の有用性 B-3.感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 3 A. 安定供給の確保に向けた対応(物価高騰・コスト増大対応) ※ 「安定供給・不採算に関するアンケート調査」の結果参照(p.6~7) 背景・現状 技術料は引下げ、一方で原材料費は高騰 物流コストも高騰 • 技術料(保険点数)の下落 • ドライバー不足・トラック不足 • 原材料・部材の入手困難、高騰 • 燃料費が高騰、航空輸送費も高騰 • 製品コストも上昇 • コンテナ不足等から海上輸送費も高騰 • 企業のコスト削減努力も既に限界 ◆人件費 ◆材料費 原材料費等の高騰によるコスト増を適時適切に、 ◆分析機器 医療機関側 のコスト等 技術料に反映できる仕組みが重要である。企業 コスト 既存 ◆経費 が価格転嫁すると、医療機関で逆ザヤが生じて 項目 しまう。 企業側 ◆人件費 点数 試薬費 製品コスト ◆原材料費 ◆光熱費 積み上げ原価 準用技術料 ◆流通経費 医療に必要な検査キットの安定供給が困難になる可能性 提 案 公的保険制度下において、コスト増を適時適切に技術料に反映できる仕組みの創出 • 【例】 ・ 物価指数の変動に応じた診療報酬換算レートの変更 ・ 体外診断用医薬品への不採算品目の技術料を再算定する制度の創設 4 A. 安定供給の確保に向けた対応(物価高騰・コスト増大対応) 【イメージ図:価格転嫁/逆ザヤの影響】 医療機関側の物価高騰・コスト増大に対しては、「初診料・再診料UP」、「ベースアップ評価料」による手当てが なされているのに対し、企業側への手当ては無い。 初診料・再診料 医療機関の負担増大 UPで手当て UP 医療機関における 検査実施料 逆ザヤ解消 •人件費 •人件費 •人件費 医 •人件費 •材料費 •材料費 療 •材料費 機 •材料費 •分析機器 •分析機器 •分析機器 関 •分析機器 のコスト等 のコスト等 側 のコスト等 のコスト等 コ •経費 •経費 •経費 ス •経費 ト 改定 企 試薬費 物価高騰 試薬費 試薬費 業 ( 人件費 ) 側 ( 人件費 ) ( 人件費 ) ( 人件費 ) (原材料費) ・ (原材料費) (原材料費) (原材料費) ( 光熱費 ) 製 ( 光熱費 ) ( 光熱費 ) UP ( 光熱費 ) (流通経費) 品 (流通経費) (流通経費) (流通経費) コ 企業の利益 安定供給への懸念 ス ト 企業の利益 を圧迫 価格転嫁 価格転嫁 がなくなる程度の 利益を価格転嫁に 従前 原価高騰 価格転嫁/逆ザヤ 実情を反映 より確保 収益悪化 安定供給に懸念 5 A. 安定供給の確保に向けた対応(物価高騰・コスト増大対応) ■ 安定供給に関するアンケート調査 • 調査対象:臨薬協 会員企業(回答件数:48件) • 調査期間:2025年2月10日~3月5日 ほとんどの企業が物価高騰、人件費高騰、物流費高騰による影響を受けている <原材料・資材等の仕入価格> <人件費高騰の影響> <物流費高騰の影響> 製品の安定供給への影響 「影響が懸念される」を含めると約70%を占める 6 A. 安定供給の確保に向けた対応(物価高騰・コスト増大対応) ■ 不採算に関するアンケート調査 • 調査対象:臨薬協 会員企業(回答件数:48件) • 調査期間:2025年2月10日~3月5日 図1 不採算製品の有無 図2 不採算製品の状況 図3 価格への転嫁 (795製品) 54% 27% 安定供給への懸念あり(100%) <価格転嫁後の状況> <内訳> 40%:供給継続可能 赤字で販売 15%:供給継続困難 1年以内に赤字の恐れ 35%:赤字 10%:その他 利益が不十分なため供給継続が困難 ①回答48社中、不採算製品のある会社は20社(42%)、795製品であった ②不採算製品すべてにおいて、安定供給への懸念があるとの回答であった ③「価格に転嫁した、転嫁する予定」は54%、「価格転嫁する予定はない」は27%であった また、価格転嫁済み製品の半数は、十分に転嫁できていない(赤字販売継続を含む) 7 A. 安定供給の確保に向けた対応(物価高騰・コスト増大対応) 令和7年8月27日 保険医療材料専門部会における質問について ➢ 人件費高騰の影響に関して、働く方がどうなっているかといった状況について、もう少し 現場の状況を補足いただけないか。 【業界回答】 ➢ 医療従事者の昇給率が他業種に比べて低いことから、人材流出や人材不足による労 働環境の悪化が生じている。延いては、安定的な医療提供に支障をきたす可能性も あるため、医療従事者のさらなる賃上げは急務と言われている※。(人件費はさらに高 騰する見込み) ※ 令和6年診療報酬改定の際に、賃上げを目的として「ベースアップ評価料」が導入されたが、患者減や物 価高騰等の影響で医療機関の収支は最終的に赤字。また、2025年度賃上げ率は一般産業の半分 程度の約2.5%に留まる見込みのため、さらなる対策を要望中。 (参考:「2025年度 医療機関における賃金引き上げの状況に関する緊急調査」(四病院団体協議会)) ⇒この状況に対し、企業としては検査の迅速化、並びに検査結果の判定ソフトウエ アの普及等により、検査を省力化・自動化し、医療従事者の負担軽減に貢献し ていくことを考えている。 ➢ 一方、企業側でも人件費高騰及び物価高騰の影響を受け、製品コストが上昇してお り、利益を圧迫している。企業努力によるコスト低減、医療機関への価格転嫁も限 界に達している。そのため、企業側でも物価高騰に見合った対応が困難な状況である。 8 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. POCT検査の有用性 B-3.感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 9 B-1-1.市場性評価 希少疾病等の検査に用いるものとして配慮が必要な体外診断用医薬品 「令和6年度診療報酬改定において、体外診断 用医薬品の希少な検査について、市場性加算の 制度(希少疾病等技術料係数)を導入いただ いた 想定される検査回数が少ない医薬品の適応判 定に用いる体外診断用医薬品を保険適用する 場合、加算が可能となった(別紙7(2)) 現状では、加算の対象が実質的にコンパニオン診 断薬に限定されており、それ以外の希少な検査 への適用が困難である 対象の拡大を提案したい 体外診断用医薬品の保険適用に関する取扱いについて 産情 発 0214 第6号、令和 6年 2月14日 対象の候補: 希少疾病等において、治療方法等が発見されたが、検査が薬事承認されていない*、医薬 品及び再生医療等製品の適応判定に用いる体外診断用医薬品(IVD) *対象となる場合、薬事承認取得後の保険適用を想定 10 B-1-1. 希少疾病等で治療は存在するが、検査が体外診断用医薬品 (IVD)として薬事承認されていない事例(検査センターで開発、実施) 検査数はさらに少ないと想定される 日本の 検 査 方 法 点 数 疾 患 治 療 総患者数 ヌシネルセンナトリウム 遺伝学的検査 デジタルPCR法 5,000 D006-4 SMN1/2遺伝子検査 1,000人 脊髄性筋萎縮症(SMA) リスジプラム 2 処理が複雑なもの (BMLで実施) 点 オナセムノゲンアベパルボベク 遺伝学的検査 ダイレクトシーケンス法 5,000 1000~ D006-4 SOD1遺伝子検査 筋萎縮性側索硬化症(ALS) トフェルセン 2 処理が複雑なもの (SRLで実施) 点 2000人 遺伝学的検査 MLPA法 3,880 3000~ デュシェンヌ型筋ジストロフィー D006-4 DMD遺伝子検査 ビルトラルセン 1 処理が容易なもの (SRL, LSIMで実施) 点 4000人 (DMD) 遺伝学的検査 MLPA法 3,880 3500~ デュシェンヌ型筋ジストロフィー デランジストロゲン モキセパル D006-4 DMD遺伝子検査 1 処理が容易なもの (SRL, LSIMで実施) 点 4200人 (DMD) ボベク(薬価未収載) • 上記は医薬品及び再生医療等製品の適応判定に用いられる検査であるが、IVDは存在していない • IVDを開発する場合も、現在の技術料の準用では点数が低く、年間検査数も数百以下との想定のため、開発が困難であ る。診療報酬において、「検査に当たって施用される薬剤(検査用試薬を含む。)は、原則として医薬品として承認され たものであることを要する。」とされている*。IVDとして承認を受けているものは、性能が臨床での使用に耐えうるものである ことがPMDA等によって評価・審査されているものであり、製造販売業者として製品品質の維持管理、安定供給の維持の 責任も負っており、品質・制度管理の維持の負担は検査数によらず発生する。一方で、IVDではない製品は、そうではない (次ページ) 。最適な医療を継続的に維持するため、IVDを使用することを推進する制度設計は重要であると考える。 * 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)令和6年3月5日 保医発0305第4号 • IVDとして薬事承認した場合には、希少疾病等技術料係数を活用し、E3区分としての提出が可能になれば開発参入のハ ードルが下がるのではないか • JAK2遺伝子検査は薬事承認された体外診断用医薬品がなかったものの「造血器腫瘍遺伝子検査(D006-2 /2,100 点)」として算定されていたが、薬事承認を取得したことで、新たに「JAK2遺伝子検査(D006-16 / 2,504点)」として 算定できるようになった。このように薬事承認を取得した検査が別項目として設定されることが明確になることが望ましい。 11 体外診断用医薬品における品質・精度の確保の状況 ⚫ 体外診断用医薬品は、「品質・有効性・安全性」の確保を目的としている薬機法により規制 され、性能(精度)・品質の確保が実現されている ⚫ 性能(精度)・品質の確保については、第三者(PMDA、登録認証機関、都道府県)に よる審査・調査を受けている 製品に対する要件(規制) 組織に対する要件(規制) 製造販売業による、 許可・届出・登録 承認取得・認証取得・自己認証(届出) 製造販売業許可 基本要件 QMS省令 製造業登録・外国製造業者登録 承認基準 適合 適合 等適合 販売業許可・届出 製品規格の要件 体制の要件 体制の要件 人に関する要件 ⚫ QMS省令:製品の製造管理及び品質管理 ⚫ 体制省令: 製造管理及び品質管理に係る 業務体制 ⚫ GVP省令: 製造販売後安全管理の方法 ⚫ 体外診断用医薬品は、これらの審査・評価を経て一定の品質・精度が適切に担保さ れている。 ⚫ 一方、LDTは、このような評価を経ていない 12 抗体検査の例と案 B-1-1. 希少疾病等で治療は存在するが、検査が体外診断用 医薬品(IVD)として薬事承認されていない事例 日本の 検 査 方 法 点 数 疾 患 治 療 総患者数 ステロイド療法、血漿交換療法、 抗VII型コラーゲン抗体 ELISA N/A 250 後天性表皮水疱症 免疫グロブリン大量静注療法、 ステロイドパルス療法 • 上記は希少疾病等の診断に用いられる検査であるが、IVDは存在していない • 仮にIVDを開発しようと考えても、類天疱瘡の患者は、7,100人とされているが、後天性表皮水疱症は、患者数が 250と想定されるため、IVDの開発に躊躇する件数である。 • IVDとして薬事承認した場合には、市場性加算を活用することが可能になれば開発参入のハードルが下がるのでは ないか 提案: このような検査についても患者数が少なく、治療法は存在するため、希少疾病等の検査 に用いるものとして配慮が必要な体外診断用医薬品として対象とできないか? 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。)(指定難病162) – 難病情報センター 13 B-1-1.市場性評価(希少疾病等の検査) : 検査回数 検査数が少なく、医技評経由で増点いただいた事例 対象患者数が少ない検査について、令和2年改定時に、日本臨床検査専門医会から医療技術再評価提案書が提出 された 対象疾患 患者数 検査 改定前 改定後 血栓性血小板減少 約500人 ADAMTS13活性 400点 400点 性紫斑病 ADAMTS13インヒビター 600点 1000点 • 上記検査の対象疾患である血栓性血小板減少性紫斑病の治療薬(リツキサンとアジンマ)は希少疾病用医薬 品の指定を受けている • 医技評での要望においては、増点後2000回を想定している ※B-1-1参考資料(P35参照) 提 案 ◆ 希少疾病等の検査に用いるものとして配慮が必要な体外診断用医薬品(IVD)について、再生医療 を含む治療法等が発見された場合など新たにIVDを開発した場合に適用される仕組みとできないか • LDT(薬事承認されていない検査等)が保険適用されている場合においても、IVDとして薬事承認された場合には、 E3区分としての提出が可能であることを明確化していただけないか • 患者数が少なく、既存検査の準用ではIVDの開発が困難である場合がある。希少疾病等技術料係数を活用し、希 少疾患を対象とした検査の充実化に繋げられないか • 令和7年10月15日の保険医療材料専門部会(第132回)において提案されている「想定される検査回数が少 ない再生医療等製品の適応判定の補助に必要な検査についても、希少疾病等技術料係数を適用できるように記 載を見直してはどうか」とのご提案に賛同いたします。 ◆ 現在規定されている年間検査回数については、開発そのものを躊躇する件数である。回数を緩和いた だけないか 14 B-1-2.体外診断用医薬品のチャレンジ申請について 【背 景・現 状】 体外診断用医薬品のチャレンジ申請に関しては、「チャレンジ申請を行うことが妥当であると判断された後に、 製造販売業者が関与の上で、収集したデータに基づくものに限られること」と規定されている。 【課 題】 IVDにおいてバイオバンクや施設の保管検体を使う場合、契約やIRB承認、プロトコルの最終化など に時間がかかり、チャレンジ権が未取得の段階ではこれらの手続きを進めることは困難である。さらに 保管検体の確認、臨床データの提供にも多くの時間を要するためチャレンジ権取得時にデータを提 出することができない 提 案 保管検体に関して、バイオバンクなどからチャレンジ権取得前に既に蓄積されていた検体を用いる場 合であっても、チャレンジ権取得後に試験デザインを確定し、当該データを解析対象として明確に位 置づけたうえで保管検体を用いて測定や評価を実施されたものについては、それらも「チャレンジ申請 を行うことが妥当であると判断された後に、製造販売業者が関与の上で、収集したデータ」として見な すことが可能と考える。 体外診断用医薬品の保険適用に関する取扱いについて(産情発 0214 第6号、保発0214第 6号 、令和6年2月 14日)を以下のように修正頂きたい。 <変更案> ただし、チャレンジ申請による再評価は、チャレンジ申請を行うことが妥当であると判断された後に、製 造販売業者が関与の上で、解析したデータに基づくものに限られること 15 B-1-2 チャレンジ申請:癌診断補助IVD(体外診断用医薬品) ― バイオバンクの保管検体を用いたケース ― ■ 前提 • 対象となるバイオマーカーは、がんの診断補助として、診断時に加えて経過観察目的で の使用についても薬事承認を得ているが、保険適用は診断時の使用に限られている。 • 本事例では、バイオバンクに保管された過去の検体を活用し、チャレンジ申請を通じて 「経過観察時」の保険適用の追加取得を目指す。 • チャレンジ権取得後に検体収集から始める場合、非常に時間を要する。また、経過観 察のような収集に何年も要するデータ収集については対象疾患における保管検体を活 用することは妥当であると考える。 保 険 適 チャレンジ権 チャレンジ権 チャレンジ 用 保険適用希望 保険収載 希望 取得 申請 の 動 1年間 き 結果公表 企 データ収集 解析・比較 業 の バイオバンク・試験施設 動 き 保管検体 新検体 16 B-1-3.イノベーションの評価:経済性評価 令和7年8月27日 保険医療材料専門部会における質問について 1. 研究班の立ち上げ要望をしているが、どのようなことを想定しているか? 2. 体外診断用医薬品の経済性評価として、腫瘍マーカーの事例を示しているが、進め方 についてどう考えているか 業界回答: • 令和7年10月15日の保険医療材料専門部会(第132回)にて、新技術にも、特 定保険医療材料の原価計算方式のように、新技術に係る費用等も含めて技術料に反 映する仕組みを検討する必要があるのではないか、厚生労働行政推進調査事業費とし て研究の報告等を踏まえ検討するよう意見が出されている。 • 体外診断薬の技術料のイノベーションの評価を適切に行うため、技術料の中でも検体検 査は、固有の特性があり検体検査技術料に関する検討については、検査業界として貢 献できるため、研究班で意見を述べさせていただきたい。 • 評価指標が確立した時点で、経済性評価についても、本研究の中でご検討いただきた い。 ※ 参考資料参照(P36) 17 B-1-3.イノベーションの評価:経済性評価 提 案 ◆ 体外診断用医薬品は、適切な診断・治療を行うために不可欠であり、適切な診断により、最適な治 療・処置を実施することが可能になる ◆ 適切な検査は、医療費全体の適正化にも貢献しており、検査により、これまで必要だった検査や治 療が不要となり、医療費の削減等が可能となる場合に、「経済性評価」を導入していただきたい 事例:卵巣がんマーカーTFPI2(組織因子経路インヒビター2) ※参考資料参照(P37) 卵巣は体深部に存在するため腫瘍の組織型を術前に判別することは困難であるが、TFPI2は化学療 法抵抗性の高い明細胞癌への特異性が高く、非侵襲的な方法であらかじめ卵巣がんの組織型を鑑別 することが可能である ⚫ 卵巣癌の治療では、術前化学療法が施行される場合が多いが、明細胞癌に関しては他の組織型と比べて奏効 率が低い。TFPI2の検査により、明細胞癌であると推測される場合は、術前化学療法や施設によっては試験開腹 は省略し*、明細胞癌に適した手術を速やかに検討することが可能になる TFPI2によって術前に明細胞癌判別が可能となることによる医療費削減額:約2億円 • <偽陰性>卵巣明細胞がんに関する医療経済効果は、TFPI2による明細胞がん検出感度(43.5%)を考慮に入れた算出方法となっており、偽陰性症例分 は含まない額として算出 • <偽陽性>偽陽性症例の多くは比較的頻度の高い高異型度漿液性癌 であり、臨床医の見解ではCA125などと組み合わせることで推察可能なため、追加の 検査は不要と見込まれる • *試験開腹について:診療密度の高い病院(=日常的に試験開腹が実施されている施設)は、試験開腹省略の可能性が低いと推察 →対象となる明細胞がん患者数は、大学病院・DPC特定病院群以外で試験開腹を施行された割合(49.7%)を勘案して算出 18 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. POCT検査の有用性 B-3.感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 19 B-2.POCT※検査の有用性 ※POCT: Point of Care Testing(臨床現場即時検査) 現 状 • 診療所で活用できるPOCT対応検査機器・試薬が販売され、臨床検査結果に基づく即時診療が可能と なり、質の高い検査を普及させることにより「質の高い医療」の提供が可能となっている • POCT検査は中央検査で実施されるハイスループット検査と診療報酬上同一扱いだが、検査に用いられ る検査機器、試薬はそれぞれ異なっており、1検査あたりの実施コストはPOCTの方が高い 課 題 • POCT検査は、迅速診断による早期治療、早期病態把握に貢献できるが、1検査あたりの 検査コストが高いため活用されない状況になっている 小 大 検体測定処理能力 大きさ/重量 簡便性/迅速性 装置の価格 1検体測定あたりのコスト 高 低 20 B-2.POCT検査の有用性 令和7年8月27日 保険医療材料専門部会における質問について ➢ 診療所において検査を即日に返すためのインフラ整備が十分とは言えないと感じており ます。業界としてどのような貢献をされますか。 【業界回答】 ➢ 生活習慣病を始めとした地域医療に有用なPOCT対応検査機器、検査試薬の提供 【現在、利用可能なPOCT検査項目例】 生化学 Glu, UA, T-CHO, HDL-CHO, TG, BUN, T-Bil, Ca, TP, Alb, AST, ALT, LDH, CK, Amy, GGT, ALP, etc 糖尿病関連 HbA1c, Glu 心疾患関連 トロポニンT, トロポニンI, CK-MB, D-ダイマー, NT-proBNP, etc 感染症関連 インフルエンザ, SARS-CoV-2, RSV, StrepA, マイコプラズマ, etc ⇒ 引き続き、診療所で活用可能なPOCT検査の開発及び供給をすることでインフラ整備に貢献 ➢ 学会等と連携し、臨床実装(地域医療連携等)を支えるエビデンス作りに貢献 心不全診療ガイドライン(2025年改訂版)において、BNP、NT-proBNP検査を活用したか かりつけ医との連携について記載されています。 ※参考資料B-2参照(P40) ⇒ この事例のように、学会と連携してエビデンスを構築し、臨床実装の整備に貢献 提 案 診療所において即日検査実施に資するPOCT検査が適切に実施できるよう、POCT検 査を適正に評価する仕組みをご検討いただきたい 21 B-2. Primary Careにおける検査の重要性と評価制度について 1) 生活習慣病管理に関わる項目の即日検査実施に対する評価 背 景 ⚫ かかりつけ医機能の強化が施策としてなされている(厚労省:かかりつけ医制度が発揮される制度の施 行に向けた検討) ⚫ 検査数値に基づいた治療方針を立てることは、患者の生活習慣改善のモチベーション向上につながり、患 者QOLの向上が期待できる ※本提案での生活習慣病等は高血圧症、糖尿病、脂質異常症、慢性心不全、慢性腎臓病とする。(地域包括診療料の対象患者) 現 状 ⚫ 一般診療所の多くは生活習慣病関連の検体検査を外注しており、診療当日に結果を確認することが 難しい ➢ POCT検査に用いられる検査機器、試薬は中央検査室で実施されるハイスループット検査と異なり、POCTの1検 査あたりの実施コストおよび精度管理費用はハイスループット検査と比較し高額である ➢ そのため、経済的理由から検査の外部委託をする一般診療所も存在し、診療日の即日検査が普及していない 課 題 ⚫ 診療当日の状態を示す検査結果が得られない場合、前回来院時の状態(過去の検査結果)を基 に治療方針が判断されることになり、最適な疾病管理に課題が残る。また、患者の生活習慣の振り返 り・改善に結びつけにくい可能性がある 22 B-2. Primary Careにおける検査の重要性と評価制度について 1) 生活習慣病管理に関わる項目の即日検査実施に対する評価 健康日本21(第三次)推進より ⚫ 高血圧、脂質異常症、糖尿病などの 生活習慣病は循環器病のリスク因子 である 心不全のステージ別に求め ⚫ これらのリスク因子を適切に管理し、循 られる地域連携のケアモデル 環器病を予防することが重要 「心不全診療ガイドライン(2025年改訂 版)」より引用 心不全 連係の目的 連係の内容 生活習慣病管理に関わる検査を即日報 ステージ 高血圧,糖尿病,肥満の是正や運動の促進,慢性腎 告し、その時の状態に応じた治療介入を 心不全発症予 A 臓病の進展予防などを地域で推進し,心不全発症のリス 防 することで、より適切な生活習慣病管理が クを減らす 実現可能 BNP/NT-proBNPを用いてスクリーニングを行い,かかりつ 心不全早期診 B-C け医と循環器専門医が連携して心不全の早期診断と治 断・治療 療介入を行う 生活習慣病管理に関わる検査項目例 心不全入院後 地域のかかりつけ医・福祉・介護と連携した退院後の包括 ⚫ 脂質異常症(TC, TG, HDL, LDL) C の包括的ケア 的なケア ⚫ 糖尿病(HbA1c, GLU) 専門施設と連携した高度心不全治療の提供(心臓移 治療抵抗性心 ⚫ 慢性心不全(BNP or NT-proBNP) 植・左室補助人工心臓・肺高血圧治療・成人先天性心 不全のケア ⚫ 慢性腎臓病(CRE, BUN, ALB, TP) D 疾患 人生の最終段 在宅の緩和ケア 階のケア 提 案 ◆ 生活習慣病管理に関わる項目の即日検査実施に対する評価をしていただきたい 生活習慣病管理料における迅速検体検査加算の創設を提案いたします 23 B-2. 救急外来におけるPOCT検査の重要性と評価について 2) 血液ガス分析検査に関する評価の見直し 現 状 ⚫血液ガス分析は呼吸や酸・塩基平衡障害の判定に不可欠の検査である。つまり、生命を脅かすかどうか を測るための必須の検査であり、迅速かつ的確でなければならない ⚫検体安定性が悪く、迅速測定が必須の検査である ⚫同一患者に対して、同一日に2回以上、外来で緊急の検査を行った場合でも、1日につき1回しか算定 できない(131点) 血液ガス検査を複数回実施する場合がある病態例 気管挿管をする場合:挿管後や呼吸器設定後などに複数回検査を行うことがある 体外循環を行う場合:心肺停止蘇生後などで緊急でPCPSなどの体外循環を行う場合、複数回実施する 出血を伴う場合 :輸血の必要性、輸血後のヘモグロビンや酸素化の確認のため複数回検査を行う(出血量や輸血量に依存) <具体例> • 意識障害 :救急搬入時に1回検査。血圧、脈拍、意識、SpO2等のバイタルサインが不安定な場合は複数回検査することがある • 心疾患症例:カテ中に複数回行うことがある。心不全症例で気管挿管、NPPV等の呼吸デバイスを利用する場合、複数回実施する • 重症感染症:肺炎などから呼吸不全が疑われる症例では呼吸状態の確認のため複数回実施することもある • 熱 傷 :火災によるCO中毒が疑われる場合はCOHb分画を複数回確認する必要がある 課 題 救命救急のため、緊急かつ同日中に複数回行われることもある必須の検査だが、外来では単回の算定 しかできず赤字状態となっている 提 案 同日中に複数回実施した場合にも算定可能とする算定要件の見直しを提案いたします 24 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. POCT検査の有用性 B-3.感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 25 B-3. 感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について 休日における微生物検査実施体制に対する加算要望 背 景 • 薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2023-2027 *1に微生物検査の重要性についての記載あり • 『感染対策向上加算』等の施設基準の抗菌薬適正使用支援に関連する加算には、「微生物学的検査の適宜利用」、 「微生物検査・臨床検査の利用の適性化」が含まれている*2 現 状 課 題 • 血液培養検査で陽性の場合の入院患者の死亡率: • 検査結果報告のタイミングが施設方針に左右されている → 重症感染症の迅速な治療開始 平日日勤帯のみASTが介入する場合:33.3% → 医療の施設間差の低減 休日もASTが介入する場合:12.9%*3 • 広域抗菌薬選択後、適切な薬剤への変更無く、投与継続 • 休日に微生物検査が対応可能な施設: 33% → AMRの増加防止 と限られている*4 • 24時間365日対応するための人員が不足 → 適切かつ、迅速な患者治療の確保 *AST = 抗菌薬適正使用支援チーム 提 案 休日も微生物検査を実施している施設を評価するために、感染対策向上加算1, 2, 3の 注(6)として、 下記の加算を要望したい: 休日における微生物検査の実施、結果報告体制を有する場合 【参考文献】 *1: AMR対策アクションプラン2023-2027: 目標2, 戦略2.4 *2 : 令和6年度診療報酬改定 診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 医科点数表 *3 : Yamada K., et al, Blood culture reports by infectious disease physicians can improve prognosis of bacteremia, including weekend-onset cases, Int J Infect. Dis. 2020; 100: 174-179 *4 : 救急部門における微生物検査に関する多施設調査, 志馬伸朗、他、日本臨床微生物学会 2019 26 B-3. 感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について 休日における微生物検査実施体制に対する加算要望 ① 休日の微生物検査の実施、結果報告の重要性 血液培養検査で陽性となった場合に、 週末も検査結果を受け、抗菌薬適正使用チームが介入 入院患者における死亡率:33.3% から12.9%に減少 (p = 0.01) *3 ② 24時間365日対応可能な微生物検査部門を有する施設は限られている 日本臨床微生物学会認定微生物検査技師登録者施設 370施設へのアンケート結果(2017年時) 不明 24時間365日対応可能 10% 15% 24時間365日対応への障壁: 回答: 23% 日勤帯のみ365日対応可能 人員= 82% 229施設 教育= 88% 52% 平日、日勤帯のみ対応可能 27 本日の提案事項 A.物価高騰、コスト増大対応について B.技術的評価について B-1. イノベーション評価について B-1-1. 市場性評価 B-1-2. チャレンジ申請 B-1-3. 経済性評価 B-2. POCT検査の有用性 B-3.感染症・AMR対策における検査の重要性と評価制度について B-4.悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 28 B-4. 悪性腫瘍関連遺伝子検査項目上の取扱い 背 景 ⚫ 悪性腫瘍遺伝子検査は、治療法選択のみならず悪性腫瘍の診断、病型分類/鑑別など様々な医療上の用途で活用 されている ⚫ 多項目同時遺伝子検査やがんパネル検査、がんゲノムプロファイリング(CGP)検査等、検査技術の発展により革新的 な検査が次々と臨床で実用化されている ⚫ 新たな治療薬/治療法の開発に伴い個別化医療が進展し、それに連動して検査対象遺伝子や検査の位置づけ、検査 タイミングなど検査形態がますます多様化していく 現 状 ⚫ 使用用途、技術、コストが異なる多種多様な悪性腫瘍遺伝子検査が、「D004-2 悪性腫瘍組織検査」の「処理が 容易なもの」「処理が複雑なもの」のわずか2項目にまとめられている ⚫ 測定技術及び臨床的有用性が異なるにもかかわらず、単項目検出検査と多項目同時検出検査が同じ取扱いとなって いる ⚫ 次世代シークエンス法やリアルタイムPCR法が「処理が容易」「処理が複雑」 の両方に含まれており、「処理が容易」「処 理が複雑」の定義、運用基準が不明瞭 ⚫ がんパネル検査やCGP検査等、バイオインフォマティクス技術を用いた解析が必要な検査がある ⚫ コンパニオン診断に代表される必須の検査の場合、医療への影響が大きく、不採算品目となっても供給維持を強く求め られる 課 題 ⚫ 臨床的意義や測定技術などが異なる多種多様な悪性腫瘍遺伝子検査が存在するにもかかわらず、2個9 々の検査の 価値や技術に基づいた適切な評価がされにくい仕組みとなっている ⚫ 治療方針の決定や診断に関わる必須の検査であるにもかかわらず、開発/製造/流通に係るコスト及び品質確保さ れた製品の供給体制維持に必要なコストの評価が不十分なため、市場導入後、安定供給が困難となる検査がある ⚫ CGP検査のタイミングが遅れ患者の治療機会喪失に繋がっている 29 要望と提案① :D004-2の評価制度の見直し 悪性腫瘍遺伝子検査項目(D004-2 1)のコスト調査 2024年コスト調査結果* 2025年1月24日時点 内) 内) D004-2 悪性腫瘍遺伝子検査 総計 試薬/消耗品費/装置 労務費およびその他経費 イ 処理が容易なもの (1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの 2,500点 27,766-43,211円 13,180-40,811円 1,800-15,860円 (2項目)4,000点 40,000円超 ー ー (2)その他のもの 2,100点 11,820-120,317円 7,500-102,717円 1,800-17,884円 ロ 処理が複雑なもの 5,000点 52,275-53,499円 43,284-51,260円 1,015-10,215円 (2項目)8,000点 80,000円超 ー ー イ 処理が容易なもの + ロ 処理が複雑なもの (6項目)18,000~ (7項目)20,000点 92,724-160,139円 90,528円-117,659円 2,196-42,480円 2024年 JPCLT悪性腫瘍検査コスト調査結果より_一部改変 30 要望と提案① :D004-2の評価制度の見直し 検査を構成する工程 ⚫ 検査は『分析前プロセス』『分析プロセス』『分析後プロセス』の3つのプロセスから構成される ⚫ 検査実施料は、これら3つのプロセスに関わる費用がカバーされる 例)がん遺伝子パネル検査の工程(がん遺伝子パネル検査の品質・精度の確保に関する基本的考え方(第2.1 版)抜粋) 分析前プロセス 分析プロセス 分析後プロセス エキス 検 検体採取 核酸抽出 ライブラリ調製 シークエンシング 解析/分析 パート 結 査 依 • • ホ ブロ ル ッ マ ク リ 作 ン固 製 定 • • 核 抽 酸 出 の 核 抽 酸 出 の 法 品 • • D バ N ー A コ 断 ード 片 付 化 加 • • シ シ ー ー ク ク エ エ ン ン ス ス 法 リード • • マ カバ ッピ レ ン ッ グ ジ パネル 果 説 頼 •病理組織診断 質確認 •ターゲット濃縮 •シークエンスデータ •バリアントコール (EP 明 •腫瘍細胞比率 •ライブラリの品質 の品質確認 •アノテーション ) •検体確定 確認 •結果報告 抽出された核酸の質・量が適切でなけ れば、検体再提出、もしくは中止 分析後プロセスの詳細 検査技術により、 それぞれのプロセスにかかる工数/コストが異なるため 検査コストのバリエーションが大きくなっている 提 案 ◆D004-2 1 悪性腫瘍遺伝子検査については、検査工程を細分化し、分析後プロセ ス(バイオインフォマティクス)を別途評価する仕組みをご検討いただきたい 31 要望と提案②: D006-19がんゲノムプロファイリング(CGP)検査の 算定留意事項見直し 業界の課題 ⚫ がんゲノムプロファイリング(CGP)検査は適切な治療を適切なタイミングで患者に届ける ことが重要であるが、本検査の算定留意事項に標準治療終了後(および終了見込 み)に実施する旨が記載されている ⚫ 令和元年8月26日の疑義解釈および令和7年3月にがんゲノム医療中核拠点病等 連絡会議診療ワーキンググループにより「標準治療終了を見込む患者」に対する解釈 が発出されているものの分かりにくく、必ずしも周知徹底されていない ➝ 結果としてCGP検査のタイミングが遅れ、患者の治療機会喪失に繋がっている 提 案 ◆CGP検査実施のタイミングは算定留意事項において、「医学的判断に基づき、主治医 が適切と考える時期(一次治療開始前を含む)」に変更していただきたい ◆上記に伴い、より多くの患者に本検査を届けるため、がんゲノム拠点・連携病院の増加 やエキスパートパネルを更に簡略化するなど、運用面の要件緩和を検討いただきたい 32 参考資料 33 参考資料 A. 物価高騰・コスト増大対応:安定供給の確保に向けた対応 ■ 安定供給に関するアンケート調査 • 調査対象:臨薬協 会員企業(回答件数:48件) • 調査期間:2025年2月10日~3月5日 <特に影響を受けている原材料・資材等> 分類 具体例(企業数) 製品素材・製品容器 プラスチック容器(17)、プラスチック素材・用品(7)、 検体採取器具(5)、ガラス(3) 包装資材 パルプ・紙・紙製品:段ボール(5)、梱包・包装資材(紙)(5)、紙資材・紙 製品(4)、紙箱(3) その他:発泡スチロール(2)、ドライアイス(2) その他 抗体(14)、酵素(10)、基質(8) ■ 主な材料ごとの企業物価指数(月次推移) 仕入価格が高騰しているとの回答があった原材料・資材は恒常的に価格が高騰している 【プラスチック容器・素材・用品】 【パルプ・紙・紙製品】 2020年を100とした場合 2020年を100とした場合 出典: 日本銀行「時系列統計データ 検索サイト」(出力データよりグラフ作成) 輸入物価指数(円ベース) 企業物価指数 34 参考資料 B-1-1. 市場性評価:医技評 35 参考資料 B-1-3. イノベーションの評価 経済性評価 中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会(第132回) 令和7年10月15日 36 参考資料 B-1-3. イノベーションの評価 経済性評価:事例 TFPI2検査導入による効果(診療フロー*) *)婦人科診療ガイドラインおよび卵巣がん・卵管癌・腹膜癌 治療ガイドラインを参考に、卵巣がんにおける診断・治療の 流れの概略を図式化 【参考文献一覧】 1. 日本産婦人科学会日産婦誌72巻7号(2018年度患者年報) 2. 日本産婦人科学会日産婦誌69巻3号(2015年度患者年報) 3. 日本産婦人科学会日産婦誌70巻4号(2016年度患者年報) 4. 日本産婦人科学会日産婦誌71巻5号(2017年度患者年報) 5. 政府統計患者調査(2008、2011、2014、2017) 6. 日本婦人科腫瘍学会卵巣がん治療ガイドライン2015 7. 日経メディカル処方薬事典 8. 国民健康・栄養調査(平成29年度) 9. DPC導入の影響評価に係る調査(厚生労働省平成30年度) 10. 社会医療診療行為別統計(厚生労働省平成30年度) 11. 生活保障に関する調査(公益財団法人生命保険文化センター平成28年度) TFPI2導入による卵巣明細胞癌の治療に対する医療経済効果 項目 (対象患者数) × (1例あたりの医療費削減額) = (医療費削減額) (1) 明細胞癌症例におけ 約40人 × 約140万円 = 約6,000万円 る術前化学療法の省略 (2) 明細胞癌症例に 約400人 × 約35万円 = 約1億4,000万円 おける試験開腹の省略 合計 (1) + (2) = 約2億円 TFPI2によって術前に明細胞癌判別が → 約2億円/年 可能となることによる医療費削減額 37 参考資料 B-2.POCT検査の有用性:生活習慣病管理料/療養計画書 令和4年度診療報酬での留意事項通知より引用 療養計画書は、当該患者の治療管理において必要な項目のみを記載することで差し支えな いが、糖尿病の患者については血糖値及びHbA1cの値を、高血圧症の患者については 血圧の値を必ず記載すること (中略) 療養計画書には血糖・HbA1c・脂質の記載欄があるが、必ずしも交 付当日の検査結果であることを求められていない しかし、循環器病リスク管理を目的とした、より適切な生活習慣病管 理の実現のためには、生活習慣病管理に関わる検査項目(血糖、 HbA1c、脂質、BNP/NT-proBNP)など、現在の患者状態を表 す当日の検査結果を基に説明/治療介入することが望ましい 中医協 総-8 5. 6. 21より抜粋 38 参考資料 B-2. POCT検査の有用性:HbA1c即日報告の効果 検査結果の即日報告は、当日に治療方針を立てて治療を実施することができる 患者の治療に対するモチベーションの向上にもつながり、治療効果が上昇する イメージ 診療への効果 患者への効果 ➢ 直近の検査結果に基づいて ➢ 生活習慣の改善効果を早 治療方針が決定できる く体感することができる ➢ 血液検査で客観的な診断 ➢ 検査数値を示されることで 情報を得ることができる 自覚症状の裏付けができる 糖尿病診療マスター Vo19 2011年3月 「糖尿病外来診療におけるPOCTの活用と問題点」より作成 39 参考資料 B-2. POCT検査の有用性:心不全のステージ別に求められる地域連携のケアモデル 「心不全診療ガイドライン(2025年改訂版)」より引用 心不全ス 連係の目的 連係の内容 テージ 高血圧,糖尿病,肥満の是正や運動の促進,慢性腎臓病の A 心不全発症予防 進展予防などを地域で推進し,心不全発症のリスクを減らす BNP/NT-proBNPを用いてスクリーニングを行い,かかりつけ医 心不全早期診 B-C と循環器専門医が連携して心不全の早期診断と治療介入を 断・治療 行う 心不全入院後の 地域のかかりつけ医・福祉・介護と連携した退院後の包括的な C 包括的ケア ケア 治療抵抗性心不 専門施設と連携した高度心不全治療の提供(心臓移植・左 全のケア 室補助人工心臓・肺高血圧治療・成人先天性心疾患 D 人生の最終段階 在宅の緩和ケア のケア ステージB-C 「前心不全」以降への進展を見逃さないために、 ステージC 地域のかかりつけ医・福祉・介護と連携した退院後の包括 BNP、NT-proBNPの定期的な測定が推奨される 的なケアが推奨される • 日本心不全学会の「血中BNPやNT-proBNPを用いた心不全診療に関する • 連携の中でも心不全増悪で入院した患者の退院後の移行期ケアは, ステートメント 2023年改訂版」では、心不全の可能性があるカットオフ値とし 地域で包括的な疾病管理が求められる。…(中略)…したがって, てBNP35 pg/mL,NT-proBNP 125 pg/mL以上としている。このカッ 循環器専門医とプライマリーケアを担う地域のかかりつけ医や医療・ トオフ値以上では、構造的あるいは機能的異常の進行予防、心不全の発症 福祉・介護従事者との連携が不可欠である。 予防や治療が必要となる可能性があるため、心不全の危険因子を有する症例 • 日本では,心不全で入院した高齢者の多くは,病院の循環器医で では、胸部X線、心電図、心エコー図検査を実施することが推奨される。対応 はなく,地域のかかりつけ医によって退院後のケアを受けることが報 が難しい場合は循環器専門医への紹介も検討することが提唱される。 告されている。 • 慢性心不全においては過去のBNP/NT-proBNP値を参照しつつ、個々の症 例に最適なBNP/NT-proBNP値を見つけ、その値を目標として、定期的に測 • 日本のレジストリー研究では,心不全入院患者の退院後の外来を, 定をし心不全管理を行うべきである。前回に較べてBNPが40%以上, NT- 病院の循環器医が単独で診るよりも,病院の循環器医とかかりつけ proBNPが30%以上上昇した時には、心不全の増悪の可能性を考慮し、 医が連携して診るほうが心不全再入院は少なかった。 その原因を探索し、早期介入することが必要である。 40

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