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中医協 費-1-1
5 . 8 . 2
中央社会保険医療協議会 意見陳述資料
費用対効果評価制度に関する意見
2023年8月2日
日本製薬団体連合会
日本製薬工業協会
米国研究製薬工業協会
欧州製薬団体連合会
1
令和6年度 費用対効果評価制度の見直しに向けて
令和5年3月8日 中医協総-4 参考6 「費用対効果評価制度について(概要)」より
○ 費用対効果評価制度については、中央社会保険医療協議会での議論を踏まえ、2019年4
月から運用を開始した。
○ 市場規模が大きい、又は著しく単価が高い医薬品・医療機器を評価の対象とする。ただし、
治療方法が十分に存在しない稀少疾患(指定難病等)や小児のみに用いられる品目は対象
外とする。
○ 評価結果は保険償還の可否の判断に用いるのではなく、いったん保険収載したうえで価格
調整に用いる(薬価制度の補完)。
○ 今後、体制の充実を図るとともに事例を集積し、制度のあり方や活用方法について検討する。
◼ 費用対効果評価が制度化されて以降、安定的に運用されている状況を鑑みると、
令和6年度の制度見直しにおいては、上記の制度の基本的な枠組みを変える必要
性はない
◼ そのうえで、積み重ねられた評価結果や専門組織の議論を検証することで明らか
になった個別の課題の対処を行うべきである
2
費用対効果評価制度の全体像(過程)における現状の課題認識
3月(90日)
9月(270日) 又は6月(180日) 2~3月
程度
企
業
中 分 中 中
分
医 析専 専 専 医 医
分 析 総
保 協 の門 企 公 門 門 協 協 価
析 及 再 合
険 枠組 業 的 組 組 格
前 び 分 的
収 品 組織 分 分 織 織 評 価 調
協 検 析 評
載 目 み( 析 析 ( ( 価 格 整
議 Ⅰ 証Ⅱ 価Ⅲ
指 決 決 決
) の) )
定 定 定 定
確
認
1
4 5
2 3
1 品目指定の運用 4 5 価格調整の範囲の在り方、運用
◼ 希少疾病用医薬品の在り方について ◼ 費用対効果評価制度が薬価制度を補完する位置
づけであることについて
2 分析の枠組みの運用
◼ 費用対効果に優れる品目について
◼ 比較対照技術の適切な選定について
3 総合的評価における配慮基準
◼ QALYで捉えられない要素が評価された品目に
ついて
3
① 品目指定の運用見直し
専門組織意見書 ⅡA(1)に関連
品目の指定について
◼ 「開発阻害やアクセス制限につながる可能性が否定できないため、一定の配慮を行う」ものとして、「①対
象患者数が少ないために単価(薬価等)が高くなってしまう品目」が示された。これに該当するものとして
治療方法が十分に存在しない稀少な疾患(指定難病等)のみに用いられる品目が評価の対象から除外さ
れた。
出典:中医協 費薬材-1 31.2.20
現状(問題点)
◼ 指定難病と同様に希少疾病用医薬品は、患者数が本邦において一定の人数に達してない稀少な疾患であ
り、治療方法が確立していない疾患を対象としているにもかかわらず、特段の配慮はなされていない。
業界意見
◼ 希少疾病用医薬品については指定難病等と同様に評価の対象から除外すべきである。
4
② 分析枠組み決定の際の比較対照技術の適切な選定
専門組織意見書 ⅡA(1)に関連
比較対照技術の選定について
◼ 比較対照技術については、「臨床的に幅広く使用されており、評価対象技術によって代替されると想定さ
れるもののうち、治療効果がより高いものを一つ選定することが原則的な考え方である」とされている。
出典:中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の分析ガイドライン 第3版
現状(問題点)
◼ 臨床での使用実態に関するデータや、企業の主張が考慮されず、分析ガイドラインの4.1.3の「費用対効果
の程度等」という記載を根拠に、「最も安価なもの」という理由で比較対照技術が選定された事例が報告
書、議事録等で確認されている。
「最も安価なもの」という理由で比較対照技術が選定されたことが報告書、議事録等で確認された品目
テリルジー、トリンテリックス、エンハーツ、リベルサス、エムガルティ、ポライビー、パドセブ (P14~16参照)
業界意見
◼ 「最も安価なもの」だけではなく、原則である「実臨床において幅広く使用され評価対象技術
によって代替される医療技術」が比較対照技術に選定される必要がある。
◼ 分析前協議及び専門組織での議論において、企業が示すデータや臨床の専門家等の意見も
十分に考慮されるべきである。
5
③ 総合的評価の際の評価運用の見直し
総合的評価について
◼ 総合的評価について、開発阻害やアクセス制限につながる可能性が否定できないため、一定の配慮を行
う品目として「②ICER(QALY)では品目の有する価値を十分に評価出来ない品目」と記載されている。
出典:中医協 費薬材-1 31.2.20
現状(問題点)
◼ 利便性等の有用性はQOL値、例えばEQ-5D-5L(移動の速度、身の回りの管理、ふだんの活動、痛み/不
快感、不安/ふさぎ込み)では十分に評価できない。
薬価算定時に利便性、標準的治療法、侵襲性の軽減等が評価された品目
品目名 テリルジー ユルトミリス リベルサス ポライビー アリケイス ダラキューロ パドセブ
3成分を1回で吸 注射の頻度が 注射→経口投与 NCCNガイドライ 欧米ガイドライン 投与時間が大幅 ガイドラインで標
加算根拠 入可能 1/4 が可能 ンで推奨レジメン で標準的治療 に短縮 準的治療法
(利便性) (効果の持続性) (侵襲性の低減) (標準的治療法) (標準的治療法) (利便性) (標準的治療法)
業界意見
◼ QALYで捉えられない要素(利便性等)が評価された品目については、総合的評価において
配慮されるべきである。
(配慮としては、価格調整における基準値(500万円/QALY)の変更、引下げ回避/緩和などが考えられる。)
6
④ 価格調整の範囲の在り方
専門組織意見書 ⅡA(4)に関連
2)価格調整の範囲
○ 類似薬効比較方式により算定された品目については、以下の点を踏まえ、比較薬の1日薬価を下回らないこととし、算定時の
補正加算に相当する部分を価格調整の対象範囲とする。
① 加算を受けている品目を基本として選定されており、比較薬に対する臨床的有用性等があるものとして、薬価上の加算が
行われていること
② 比較薬に対して臨床的有用性等があるとされたにもかかわらず、比較薬の薬価よりも割り込むことは、類似薬効比較方式
の考え方を大きく逸脱すること
○ 原価計算方式により算定された品目については、薬価全体を価格調整の対象範囲とするが、試行的導入においては、営業利
益に補正が行われた品目のみを対象として選定しているため、価格調整後の価格は、営業利益本体、製品総原価及び流通経費の
合計額を下回らないこととする。
出典:中医協 薬-2 29.12.20
業界意見
◼ 費用対効果評価制度は薬価制度を補完する位置付けであるため、追加的有用性やICERを
検証し、加算部分について調整を行うことが基本的な制度の仕組みである。よって、価格調
整の対象範囲は拡大させるべきではない。
◼ また、前提や推計を多く伴って算出されるICERの値は不確実性が高いこと、及び薬価算定
ルールとの整合性や薬価制度を補完するという観点を踏まえれば、価格調整範囲は限定的
であるべきと考える。
7
⑤ 価格調整の在り方
価格調整について
◼ 費用対効果評価の結果に応じて対象品目の価格を調整することとし、費用対効果の悪い品目は価格を引
下げ、医療費の減少につながる品目等は価格を引上げることが基本的な考え方となっている。
出典:中医協 総-2 参考4 4.8.10 「費用対効果評価制度の概要」
現状(問題点)
◼ 費用対効果に優れる結果(ドミナント、費用削減又はICER 200万円/QALY未満)が示された場合でも、
厳しい条件のために、価格調整に反映されない仕組みとなっている。
◼ 評価が終了したH5(類似品目)を除く17品目中6品目は費用対効果に優れる結果を示しているにもかか
わらず、以下の様な条件によって、いずれの品目も価格調整には反映されていない。
➢ 分析ガイドラインに則り比較対照技術を選定し、分析したところ、費用対効果に優れる結果を示した6品目中5品目で、
価格引き上げ条件である「薬理作用等が比較対照技術と著しく異なること」を満たさなかった。
➢ 同条件である「日本人を含むアジア人を対象とした集団において統計学的に示されていること」に関して、日本人を
含むアジア人集団だけでは統計解析が可能な症例数やイベント数を満たさないことが多い。
業界意見
◼ 現行の価格引き上げに必要な条件の撤廃・緩和を検討すべきである。
8
その他の意見
7月12日 費用対効果評価専門組織からの意見について
【現状及び課題】
・ 保険適用時には指定基準を満たさなかった品目において、市場拡大等により評価基準に該当する可能性がある場合も、対象
品目として指定する必要がある。
・ 一度評価が終了した品目のうち、市場拡大や新たな科学的な知見等により評価基準に該当する可能性がある場合には、対象
品目として指定することとしている。
【対応案】
・ 対象品目の具体的な選定の手順を明確化するとともに、今後の検証対象の増加に対応できるよう、運営体制について検討す
る必要があるのではないか。
◼ 市場拡大に伴う費用対効果評価制度への該当性について、既に各種再算定の仕組みがあるため、費用対
効果評価を改めて行う必要はないと考える。
分析ガイドラインの改訂について
◼ 前回制度見直し時は2022年始に関連通知とともに分析ガイドラインの改訂案が中医協に示され即日了
承されたが、改訂にあたっては事前の改訂案の提示、それに対する業界意見聴取の機会、議論のための十
分な期間の確保が必要である。
基準値の配慮要件について
◼ 指定難病等・小児疾患のほかには「抗がん剤」のみが対象とされているが、疾患の重症度等を考慮する仕
組みについて、国立保健医療科学院と業界の共通の中期的検討課題としていただきたい。
介護費用の取扱いについて
◼ 我が国において引き続き研究を行うとともに、費用対効果評価に限らず、介護負担の軽減等を評価する
仕組みを検討いただきたい。
9
費用対効果評価制度に対する業界意見(まとめ)
3月(90日)
9月(270日) 又は6月(180日) 2~3月
程度
企
業
中 分 中 中
分
医 析専 専 専 医 医
分 析 総
保 協 の門 企 公 門 門 協 協 価
析 及 再 合
険 枠組 業 的 組 組 格
前 び 分 的
収 品 組織 分 分 織 織 評 価 調
協 検 析 評
載 目 み( 析 析 ( ( 価 格 整
議 Ⅰ 証Ⅱ 価Ⅲ
指 決 決 決
) の) )
定 定 定 定
確
認
1
4 5
2 3
1 品目指定の運用 4 5 価格調整の範囲の在り方、運用
◼ 希少疾病用医薬品については指定難病等と同様に評価の ◼ 費用対効果評価制度は薬価制度を補完する位置付けであ
対象から除外すべきである。 るため、追加的有用性やICERを検証し、加算部分につい
て調整を行うことが基本的な制度の仕組みであり、価格
2 分析の枠組みの運用 調整の対象範囲は拡大させるべきではない。
◼ 「最も安価なもの」だけではなく、原則である「実臨床に ◼ 現行の価格引上げに必要な条件の撤廃・緩和を検討すべ
おいて幅広く使用され評価対象技術によって代替され きである。
る医療技術」が比較対照技術に選定される必要がある。
3 総合的評価における配慮基準
◼ QALYで捉えられない要素(利便性等)が評価された品目
10
については、総合的評価において配慮されるべきである。
Appendix
11
① 品目指定の運用見直し
評価対象除外基準及び配慮が必要な品目
<青字が業界提案に基づく修正案>
対象品目 • 治療方法が十分に存在しない疾病の • 適応症の一部に、治療方 • 抗がん剤(※3)
み等(※1)に用いられる品目 法が十分に存在しない疾
• 小児のみに用いられる品目(※2) 病等(※1)や小児疾患(※2)
が含まれ、分析対象集団
として分析を行った場合
対応 当該品目を費用対効果評価の対象から 価格調整における配慮の要否について総合的な評価を
除外する(※4) 行う(※5)
(※1) 希少疾病用医薬品、希少疾病用再生医療等製品、指定難病に対する治療のみに用いるもの、血友病は
HIV感染症を対象とする品目。
(※2) 日本における小児用法・用量承認が取得されている品目。
(※3) 承認された効能効果において悪性腫瘍が対象となっており、悪性腫瘍患者を対象に分析を行った場合
に配慮を行う。
(※4) ただし、市場規模の大きな品目(350億円以上)、単価が高い品目等については、中医協総会の判断に
より費用対効果評価の対象とする。
(※5) 「公的介護費や生産性損失」を含めた分析結果については、国内の知見に基づき行われたものに限り、
併せて提出することは可能とする。価格調整には用いないが、提出された分析結果は公表し、事例を
集積した上で、今後の仕組みの参考とする。
12
① 品目指定の運用見直し
「指定難病」、ならびに「希少疾病用医薬品」の指定基準
「指定難病」
https://www.mhlw.go.jp/content/000527525.pdf
1. 発病の機構が明らかでなく、
2.治療方法が確立していない、
3.希少な疾患であって、
4.長期の療養を必要とするもの、
5.患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと、
6.客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること
「希少疾病用医薬品」(抜粋)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html
1 対象者数
• 当該医薬品、医療機器又は再生医療等製品の用途に係る対象者の数が、本邦において5万人未満であること。
2 医療上の必要性
• 重篤な疾病を対象とするとともに、次のいずれかに該当するなど、特に医療上の必要性が高いものであること。
✓代替する適切な医薬品・医療機器・再生医療等製品又は治療法がないこと。
✓既存の医薬品・医療機器・再生医療等製品と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待されること。
3 開発の可能性
• 対象疾病に対して当該医薬品、医療機器又は再生医療等製品を使用する理論的根拠があるとともに、その開発
に係る計画が妥当であると認められること。
13
② 分析枠組み決定の際の比較対照技術の適切な選定
比較対照技術選定に関する事例
公表情報をもとに製薬協作成
エムガルティ (ガルカネズマブ) 片頭痛予防薬の2剤目の治療又は3剤目の治療を行う患者と片頭痛予
防薬の3剤目の治療を中止した患者の割合(NDB共同解析)
分析対象
費用対効果評価専門組織において決定された比 集計項目 患者数
集団
較対照技術を選定する目的で、片頭痛予防薬の1 ロメリジン(中止) 91,418
人1日あたりの使用量に関するNDBの共同解析 ロメリジン(中止)→バルプロ酸(継続) 2,463
を実施した。 ロメリジン(中止)→プロプラノロール(継続) 439 2剤目の
ロメリジン(中止)→バルプロ酸(中止) 11,417 治療又は
ロメリジン(中止)→プロプラノロール(中止) 2,360 3剤目の
2nd, 3rd lineとして処方された割合はバルプロ
ロメリジン(中止)→バルプロ酸(中止)→プロプラノ 治療を行
酸の方が圧倒的に多いにも関わらず、比較対照技 187
ロール(継続) う患者
術としては最も安価なプロプラノロールが選定さ
ロメリジン(中止)→プロプラノロール(中止)→バル
137
れた。 プロ酸(継続)
ロメリジン(中止)→バルプロ酸(中止)→プロプラノ 3剤目の
809
ロール(中止) 治療を中
ロメリジン(中止)→プロプラノロール(中止)→バル 止した患
498
プロ酸(中止) 者
総計 109,728
ポライビー 決定された分析枠組み
実際の分析での
(ポラツズマブ 対象とする疾患 比較対照技術 比較対照技術
ベドチン)
(A)再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 リツキシマブを含む救援化学療法
R-ICE療法
(2次治療) のうち最も費用対効果のよいもの
(B) 再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 リツキシマブを含む救援化学療法
R-ICE療法
(3次治療以降) のうち最も費用対効果のよいもの
• 比較対照技術は「最も費用対効果のよいもの」と合意しているが、専門組織の検討事項として「最も安価なレジメンを使用した
としても予後に直接の影響がないと考えるものを比較対照技術としている」という見解が示されている
• 結果的に比較対照技術として分析されたのは「R-ICE療法」だが、実臨床での使用割合は0.9%(2次治療)、1.3%(3次治療)
という報告※1があり、専門組織の議論においても製造販売業者から「ほぼ数%、2~3%ぐらい」という陳述がなされている
14
※1 fon-2021-0400.pdf (nih.gov)
② 分析枠組み決定の際の比較対照技術の適切な選定
比較対照技術選定に関する事例
公表情報をもとに製薬協作成
パドセブ (エンホルツマブ ベドチン)
企業の主張のポイント(専門組織議事録より)
• 本試験において、各患者についてランダム化前に、本邦では、ドセタキセル、パクリタキセルの2剤のいずれかを医師が選択した。その後、ランダム化
によってパドセブ群、化学療法群に割り付けがなされ、化学療法群はさきに選択した薬剤が投与された。
• 1つの薬剤のみを選択することは、その薬剤が該当治療全体を代表していることになり、複数の代表的な治療オプションがある場合は、実臨床との乖
離が大きくなる。
• ドセタキセル、パクリタキセルの2剤の治療効果の差は明確でないことから、両剤を比較対照技術とし、使用実態に基づいた加重平均による評価が適
切ではないかと考えている。
専門組織委員の使用実態に関する意見(専門組織議事録より)
• パクリタキセルとドセタキセルは同じ薬ではない。タキサン系ではあるのですけれども、同じ薬ではないですし、例えばパクリタキセルの場合はひまし
油が入っているので、いわゆるインフュージョン・リアクションの関係でいろいろな薬を前投与したり、ひまし油が入っていることによって回路を変え
なければいけないということがあるので、どうしても実臨床ではドセタキセルを選んでしまうというのが多いと思います。ですから、今回の例を見て
も、ドセタキセルのほうを選ぶ診療科というか、治験※の部分が多いということにはなると思います(※参考:国際共同第Ⅲ相試験 日本人集団にお
ける化学療法群48例の内訳:ドセタキセル36例、パクリタキセル12例、パドセブ申請資料より抜粋)。
• ドセタキセルのほうが一般的により使われているということであれば、使われているほうを対象として考えるという考え方もあるのかなという気がし
ております。
<最終的に選択された比較対照技術> 基本分析:パクリタキセル
エンハーツ (トラスツズマブ デルクステカン)
「化学療法歴のあるHER2 陽性の手術不能又は再発乳癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」に係る主な論点
○ 比較対照技術について
(専門組織(1回目)の見解)
・ ラパチニブ+カペシタビン併用療法は選択肢の一つであるが、各レジメン間の有効性に関するエビデンスが十分に示されていない。比較対照技術に
ついてはトラスツズマブ+化学療法の組み合わせは広くおこなわれていることから最も安価な抗HER2薬であるトラスツズマブ+化学療法の組み合
わせとするべき。
(企業からの不服意見)
・ 有効性に関するエビデンスが十分でない場合、比較対照技術は単一のレジメンとして最も広く使用されているラパチニブ+カペシタビンを選択する
べき。
(専門組織(2回目)の見解)
・ 比較対照技術については、分析ガイドラインを踏まえ、比較対照技術については最も安価な抗HER2 薬であるトラスツズマブ+化学療法の組み合
※
わせとするべき。
※化学療法については、当該分析対象集団に対し、トラスツズマブと組み合わせて一般的に使用されることのあるもののうち、最も安価なものとする。 15
② 分析枠組み決定の際の比較対照技術の適切な選定
比較対照技術選定に関する事例
公表情報をもとに製薬協作成
リベルサス (セマグルチド)
以下のようにすべての分析対象集団において「最も安価なもの」が比較対照技術に設定された。
• 分析対象集団(A):DPP-4阻害薬とSGLT2 阻害薬のうち最も安価な組み合わせのもの
• 分析対象集団(B):SGLT2阻害薬のうち最も安価なもの
• 分析対象集団(C):GLP-1受容体作動薬(注射剤)のうち最も安価なもの
4%2%
10%
特に分析対象集団(B)の比較対照技術に設定されたルセ
ダパグリフロジンプロピレングリコール
オグリフロジンはSGLT2阻害薬内の医師の処方シェア 37%
エンパグリフロジン
が最も低いものであった(2%) イプラグリフロジン L-プロリン
17%
カナグリフロジン
トホグリフロジン
ルセオグリフロジン
30%
日経メディカル. SGLT2阻害薬 第5回調査. 2022年12月10日.
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/survey/202212/577659.html
16
③ 総合的評価の際の評価運用の見直し
有用性系加算とEQ-5D-5Lは直接的に結び付くとは言えない
有用性系加算
イ. 臨床上有用な新規作用機序
ロ. 類似薬に費した高い有効性安全性
ハ. 対象疾患の治療方法の改善
ニ .製剤上の工夫による高い医療上の有用性
品目 加算理由 加算 品目 加算理由 加算
テリルジー 3成分を1回で吸入可能 等 ハ 10% アリケイス 欧米ガイドラインで標準的治療 ハ 5%
ユルトミリス 注射の頻度が1/4 ハ 5% ダラキューロ 投与時間が3-7時間→3-5分へ短縮 等 ハ 10%
リベルサス 注射→経口投与が可能 ニ 5% パドセブ ガイドラインで標準的治療法 等 ハ 10%
NCCNガイドラインで推奨
ポライビー ハ 5%
レジメン
EQ-5D-5L 詳細
1.移動の程度 歩きまわること
2.身の回りの管理 着替え、体を洗う
3.ふだんの行動 仕事、勉強、家庭、余暇
4.痛み/不快感 同左
5.不安/ふさぎこみ 同左
17
④ 価格調整範囲の在り方
価格調整の対象範囲について
出典:中医協 総-2 参考4 4.8.10
○ 価格調整の範囲については、薬価・材料価格制度を補完する視点からの検討を踏まえ、以下の通りとする。
(ⅰ) 類似薬効比較方式(類似機能区分比較方式)
○ 有用性系加算部分を価格調整範囲とする。
(ⅱ) 原価計算方式
○ 開示度が50%未満の品目(医薬品、医療機器)
・医薬品は営業利益および有用性系加算部分、医療機器は営業利益およびその補正部分を価格調整範囲とする(図の①、②)。
○ 開示度が50%以上の品目(医薬品、医療機器)
・医薬品は有用性系加算部分、医療機器は営業利益率の補正部分を価格調整範囲とする(図の③)。
(※1) 開示度が低く、かつ、加算を受けた品目については、加算部分、営業利益のそれぞれについて費用対効果評価による価格調整を受ける。
(※2) 医療機器では、営業利益率の補正部分に相当。
(※3) 令和4年4月1日以降に保険収載される開示度50%未満の原価計算方式で算定される医薬品については、営業利益が価格調整対象となる。
18
⑤ 価格調整の在り方
評価が終了した品目(H5(類似品目)を除く)
公表情報をもとに製薬協作成
希少疾病用 一部の集団で
評価終了
価格調整 医薬品/ 小児適応あり 費用対効果に
品目名
再生医療等製品 優れる結果※1
1 テリルジー H1 -0.5% 〇
2 キムリア H3 -4.3% 〇 〇
3 ユルトミリス H1 -4.3% 〇
4 トリンテリックス H1 -4.3%
5 コララン H2 なし
6 ノクサフィル H1 -0.5% 〇
7 エンハーツ H1 -2.2%
8 カボメティクス H1 なし 〇
9 リベルサス H1 -2.5% 〇
10 エムガルティ H1 -5.0%
11 ポライビー H1 なし 〇
12 アリケイス H1 -9.4%
13 レベスティブ H2 -7.1% 〇 〇
14 ベクルリー H1 -2.1% 〇
15 ダラキューロ H1 なし 〇※2 〇
16 パドセブ H1 -8.2%
17 リフヌア H1 (引下げ)
※1 ドミナント、費用削減又はICER 200万円/QALY未満 ※2 企業分析報告書提出前に追加された効能が希少疾病用医薬品に該当した
◼ 評価が終了したほとんどの品目において薬価が引き下げられた。一部の集団で費用対効果に
優れる結果が示された品目はあったが、価格調整では全く考慮されなかった。
◼ 薬価が引き下げられた品目の中には、医療上特に必要性が高い希少疾病、小児疾患を適応に
持つ品目が含まれていた。
19
⑤ 価格調整の在り方
20
⑤ 価格調整の在り方
一部の集団で費用対効果に優れる結果が得られた品目
(ドミナント、費用削減、200万円/QALY未満) 公表資料および該当企業からの聞き取りを基にPhRMA作成
価格引上げ条件①
価格引上げ条件➁
比較対照品目(技術)より効果が高い
比較対照品目(技術)と比べて、
こと(又は同等であること)が臨床試
薬価算定 全く異なる品目であること、又
品目名 分析対象集団 比較対照技術 評価結果 験等により示されていることが、メ
方式 は基本構造や作用原理が異な
タ解析及びシステマチックレビュー
るなど一般的な改良の範囲を
を除く臨床試験により示されている
超えた品目であること
こと(*1)、(*2)
MITT ✕
テリルジー 類似 A、B 費用削減 〇
(2製剤吸入における3剤併用) 薬理作用等が同じ
△
✕
テリルジー 類似 J LAMA/LABA ドミナント アノーロとは直接比較の臨床試験があるが、最
薬理作用等が同じ
も安価なウルティブロとは無し
✕
テリルジー 類似 K ICS/LABA ドミナント 〇
薬理作用等が同じ
がん化学療法後に増悪した切
✕ ✕
カボメティクス 類似 除不能な肝細胞癌(二次治療 レゴラフェニブ 費用削減
間接比較データしかない 薬理作用等が同じ
以降)
経口血糖降下薬で血糖コント
ロールが不十分でGLP-1受 GLP-1受容体作動薬(注射 ✕
リベルサス 類似 ドミナント 〇
容体作動薬(注射剤)が投与対剤)のうち最も安価なもの 薬理作用等が同じ
象となる2型糖尿病患者
造血幹細胞移植の適応となら ✕
ダラキューロ 類似 ダラザレックス 費用削減 〇
ない未治療の多発性骨髄腫 薬理作用等が同じ
×
テリルジー 類似 G、H、L ICS/LABA 200万円/QALY未満 NEJM(IF >15)に臨床試験結果が掲載され ✕
ているが、日本人を含むアジア人集団のデータ 薬理作用等が同じ
が示されていない
×
ノクサフィル 原価 好中球減少が予測される イトラコナゾール 200万円/QALY未満 NEJM(IF>15)に臨床試験結果が掲載され ✕
血液悪性腫瘍患者 ているが、日本人を含むアジア人集団のデータ 薬理作用等が同じ
は示されていない
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ベクルリー 原価 中等症II 標準治療 200万円/QALY未満 LANCETおよびNEJM(共に、IF >15)に臨 〇
床試験結果が掲載されているが、日本人を含
むアジア人集団のデータは示されていない
(*1)ICER 200万/QALY未満の品目では、「比較対照品目(技術)より効果が高いことが臨床試験等により示されていること」とする。
(*2) ICER 200万/QALY未満の品目に対する別に定める条件(以下のいずれも満たす臨床研究等)
• (1) 受理あるいは掲載時点において、Clarivate analytics社の”InCitesJournal Citation Reports”により提供されているimpactfactor(5年平均)が15.0を超える学術誌に原著21
論文として受理されている(ただし、レビュー雑誌、創刊10年以内の雑誌はのぞく)。
• (2)(1)を満たす臨床研究等のうち、日本人を含むアジア人を対象とした集団において、費用対効果評価における比較対照品目(技術)よりも優れていることが統計学的に示されている
この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。