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第63回費用対効果評価専門部会資料

費用対効果評価専門部会 第63回 / 2023-08-02 開催 / 70ページ

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中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第 63 回) 議事次第 令和5年8月2日(水)9:00~ 議 題 ○業界からの意見陳述 意見陳述者一覧 医薬品業界 団体名 役職 陳述者 日本製薬工業協会 会長 上野 裕明 日本製薬団体連合会 副会長 米国研究製薬工業協会 在日執行委員会委員 原田 明久 一般社団法人 欧州製薬団体連合会 理事長 諸岡 健雄 医療機器業界 団体名 役職 陳述者 (一社)日本医療機器産業連合会 副会長 高木 俊明 会長 小川 一弥 一般社団法人米国医療機器・IVD工業会(AMDD) 保険委員会委員長 綿貫 友洋 日本医療機器テクノロジー協会 欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会 (敬称略) 中医協 費-1-1 5 . 8 . 2 中央社会保険医療協議会 意見陳述資料 費用対効果評価制度に関する意見 2023年8月2日 日本製薬団体連合会 日本製薬工業協会 米国研究製薬工業協会 欧州製薬団体連合会 1 令和6年度 費用対効果評価制度の見直しに向けて 令和5年3月8日 中医協総-4 参考6 「費用対効果評価制度について(概要)」より ○ 費用対効果評価制度については、中央社会保険医療協議会での議論を踏まえ、2019年4 月から運用を開始した。 ○ 市場規模が大きい、又は著しく単価が高い医薬品・医療機器を評価の対象とする。ただし、 治療方法が十分に存在しない稀少疾患(指定難病等)や小児のみに用いられる品目は対象 外とする。 ○ 評価結果は保険償還の可否の判断に用いるのではなく、いったん保険収載したうえで価格 調整に用いる(薬価制度の補完)。 ○ 今後、体制の充実を図るとともに事例を集積し、制度のあり方や活用方法について検討する。 ◼ 費用対効果評価が制度化されて以降、安定的に運用されている状況を鑑みると、 令和6年度の制度見直しにおいては、上記の制度の基本的な枠組みを変える必要 性はない ◼ そのうえで、積み重ねられた評価結果や専門組織の議論を検証することで明らか になった個別の課題の対処を行うべきである 2 費用対効果評価制度の全体像(過程)における現状の課題認識 3月(90日) 9月(270日) 又は6月(180日) 2~3月 程度 企 業 中 分 中 中 分 医 析専 専 専 医 医 分 析 総 保 協 の門 企 公 門 門 協 協 価 析 及 再 合 険 枠組 業 的 組 組 格 前 び 分 的 収 品 組織 分 分 織 織 評 価 調 協 検 析 評 載 目 み( 析 析 ( ( 価 格 整 議 Ⅰ 証Ⅱ 価Ⅲ 指 決 決 決 ) の) ) 定 定 定 定 確 認 1 4 5 2 3 1 品目指定の運用 4 5 価格調整の範囲の在り方、運用 ◼ 希少疾病用医薬品の在り方について ◼ 費用対効果評価制度が薬価制度を補完する位置 づけであることについて 2 分析の枠組みの運用 ◼ 費用対効果に優れる品目について ◼ 比較対照技術の適切な選定について 3 総合的評価における配慮基準 ◼ QALYで捉えられない要素が評価された品目に ついて 3 ① 品目指定の運用見直し 専門組織意見書 ⅡA(1)に関連 品目の指定について ◼ 「開発阻害やアクセス制限につながる可能性が否定できないため、一定の配慮を行う」ものとして、「①対 象患者数が少ないために単価(薬価等)が高くなってしまう品目」が示された。これに該当するものとして 治療方法が十分に存在しない稀少な疾患(指定難病等)のみに用いられる品目が評価の対象から除外さ れた。 出典:中医協 費薬材-1 31.2.20 現状(問題点) ◼ 指定難病と同様に希少疾病用医薬品は、患者数が本邦において一定の人数に達してない稀少な疾患であ り、治療方法が確立していない疾患を対象としているにもかかわらず、特段の配慮はなされていない。 業界意見 ◼ 希少疾病用医薬品については指定難病等と同様に評価の対象から除外すべきである。 4 ② 分析枠組み決定の際の比較対照技術の適切な選定 専門組織意見書 ⅡA(1)に関連 比較対照技術の選定について ◼ 比較対照技術については、「臨床的に幅広く使用されており、評価対象技術によって代替されると想定さ れるもののうち、治療効果がより高いものを一つ選定することが原則的な考え方である」とされている。 出典:中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の分析ガイドライン 第3版 現状(問題点) ◼ 臨床での使用実態に関するデータや、企業の主張が考慮されず、分析ガイドラインの4.1.3の「費用対効果 の程度等」という記載を根拠に、「最も安価なもの」という理由で比較対照技術が選定された事例が報告 書、議事録等で確認されている。 「最も安価なもの」という理由で比較対照技術が選定されたことが報告書、議事録等で確認された品目 テリルジー、トリンテリックス、エンハーツ、リベルサス、エムガルティ、ポライビー、パドセブ (P14~16参照) 業界意見 ◼ 「最も安価なもの」だけではなく、原則である「実臨床において幅広く使用され評価対象技術 によって代替される医療技術」が比較対照技術に選定される必要がある。 ◼ 分析前協議及び専門組織での議論において、企業が示すデータや臨床の専門家等の意見も 十分に考慮されるべきである。 5 ③ 総合的評価の際の評価運用の見直し 総合的評価について ◼ 総合的評価について、開発阻害やアクセス制限につながる可能性が否定できないため、一定の配慮を行 う品目として「②ICER(QALY)では品目の有する価値を十分に評価出来ない品目」と記載されている。 出典:中医協 費薬材-1 31.2.20 現状(問題点) ◼ 利便性等の有用性はQOL値、例えばEQ-5D-5L(移動の速度、身の回りの管理、ふだんの活動、痛み/不 快感、不安/ふさぎ込み)では十分に評価できない。 薬価算定時に利便性、標準的治療法、侵襲性の軽減等が評価された品目 品目名 テリルジー ユルトミリス リベルサス ポライビー アリケイス ダラキューロ パドセブ 3成分を1回で吸 注射の頻度が 注射→経口投与 NCCNガイドライ 欧米ガイドライン 投与時間が大幅 ガイドラインで標 加算根拠 入可能 1/4 が可能 ンで推奨レジメン で標準的治療 に短縮 準的治療法 (利便性) (効果の持続性) (侵襲性の低減) (標準的治療法) (標準的治療法) (利便性) (標準的治療法) 業界意見 ◼ QALYで捉えられない要素(利便性等)が評価された品目については、総合的評価において 配慮されるべきである。 (配慮としては、価格調整における基準値(500万円/QALY)の変更、引下げ回避/緩和などが考えられる。) 6 ④ 価格調整の範囲の在り方 専門組織意見書 ⅡA(4)に関連 2)価格調整の範囲 ○ 類似薬効比較方式により算定された品目については、以下の点を踏まえ、比較薬の1日薬価を下回らないこととし、算定時の 補正加算に相当する部分を価格調整の対象範囲とする。 ① 加算を受けている品目を基本として選定されており、比較薬に対する臨床的有用性等があるものとして、薬価上の加算が 行われていること ② 比較薬に対して臨床的有用性等があるとされたにもかかわらず、比較薬の薬価よりも割り込むことは、類似薬効比較方式 の考え方を大きく逸脱すること ○ 原価計算方式により算定された品目については、薬価全体を価格調整の対象範囲とするが、試行的導入においては、営業利 益に補正が行われた品目のみを対象として選定しているため、価格調整後の価格は、営業利益本体、製品総原価及び流通経費の 合計額を下回らないこととする。 出典:中医協 薬-2 29.12.20 業界意見 ◼ 費用対効果評価制度は薬価制度を補完する位置付けであるため、追加的有用性やICERを 検証し、加算部分について調整を行うことが基本的な制度の仕組みである。よって、価格調 整の対象範囲は拡大させるべきではない。 ◼ また、前提や推計を多く伴って算出されるICERの値は不確実性が高いこと、及び薬価算定 ルールとの整合性や薬価制度を補完するという観点を踏まえれば、価格調整範囲は限定的 であるべきと考える。 7 ⑤ 価格調整の在り方 価格調整について ◼ 費用対効果評価の結果に応じて対象品目の価格を調整することとし、費用対効果の悪い品目は価格を引 下げ、医療費の減少につながる品目等は価格を引上げることが基本的な考え方となっている。 出典:中医協 総-2 参考4 4.8.10 「費用対効果評価制度の概要」 現状(問題点) ◼ 費用対効果に優れる結果(ドミナント、費用削減又はICER 200万円/QALY未満)が示された場合でも、 厳しい条件のために、価格調整に反映されない仕組みとなっている。 ◼ 評価が終了したH5(類似品目)を除く17品目中6品目は費用対効果に優れる結果を示しているにもかか わらず、以下の様な条件によって、いずれの品目も価格調整には反映されていない。 ➢ 分析ガイドラインに則り比較対照技術を選定し、分析したところ、費用対効果に優れる結果を示した6品目中5品目で、 価格引き上げ条件である「薬理作用等が比較対照技術と著しく異なること」を満たさなかった。 ➢ 同条件である「日本人を含むアジア人を対象とした集団において統計学的に示されていること」に関して、日本人を 含むアジア人集団だけでは統計解析が可能な症例数やイベント数を満たさないことが多い。 業界意見 ◼ 現行の価格引き上げに必要な条件の撤廃・緩和を検討すべきである。 8 その他の意見 7月12日 費用対効果評価専門組織からの意見について 【現状及び課題】 ・ 保険適用時には指定基準を満たさなかった品目において、市場拡大等により評価基準に該当する可能性がある場合も、対象 品目として指定する必要がある。 ・ 一度評価が終了した品目のうち、市場拡大や新たな科学的な知見等により評価基準に該当する可能性がある場合には、対象 品目として指定することとしている。 【対応案】 ・ 対象品目の具体的な選定の手順を明確化するとともに、今後の検証対象の増加に対応できるよう、運営体制について検討す る必要があるのではないか。 ◼ 市場拡大に伴う費用対効果評価制度への該当性について、既に各種再算定の仕組みがあるため、費用対 効果評価を改めて行う必要はないと考える。 分析ガイドラインの改訂について ◼ 前回制度見直し時は2022年始に関連通知とともに分析ガイドラインの改訂案が中医協に示され即日了 承されたが、改訂にあたっては事前の改訂案の提示、それに対する業界意見聴取の機会、議論のための十 分な期間の確保が必要である。 基準値の配慮要件について ◼ 指定難病等・小児疾患のほかには「抗がん剤」のみが対象とされているが、疾患の重症度等を考慮する仕 組みについて、国立保健医療科学院と業界の共通の中期的検討課題としていただきたい。 介護費用の取扱いについて ◼ 我が国において引き続き研究を行うとともに、費用対効果評価に限らず、介護負担の軽減等を評価する 仕組みを検討いただきたい。 9 費用対効果評価制度に対する業界意見(まとめ) 3月(90日) 9月(270日) 又は6月(180日) 2~3月 程度 企 業 中 分 中 中 分 医 析専 専 専 医 医 分 析 総 保 協 の門 企 公 門 門 協 協 価 析 及 再 合 険 枠組 業 的 組 組 格 前 び 分 的 収 品 組織 分 分 織 織 評 価 調 協 検 析 評 載 目 み( 析 析 ( ( 価 格 整 議 Ⅰ 証Ⅱ 価Ⅲ 指 決 決 決 ) の) ) 定 定 定 定 確 認 1 4 5 2 3 1 品目指定の運用 4 5 価格調整の範囲の在り方、運用 ◼ 希少疾病用医薬品については指定難病等と同様に評価の ◼ 費用対効果評価制度は薬価制度を補完する位置付けであ 対象から除外すべきである。 るため、追加的有用性やICERを検証し、加算部分につい て調整を行うことが基本的な制度の仕組みであり、価格 2 分析の枠組みの運用 調整の対象範囲は拡大させるべきではない。 ◼ 「最も安価なもの」だけではなく、原則である「実臨床に ◼ 現行の価格引上げに必要な条件の撤廃・緩和を検討すべ おいて幅広く使用され評価対象技術によって代替され きである。 る医療技術」が比較対照技術に選定される必要がある。 3 総合的評価における配慮基準 ◼ QALYで捉えられない要素(利便性等)が評価された品目 10 については、総合的評価において配慮されるべきである。 Appendix 11 ① 品目指定の運用見直し 評価対象除外基準及び配慮が必要な品目 <青字が業界提案に基づく修正案> 対象品目 • 治療方法が十分に存在しない疾病の • 適応症の一部に、治療方 • 抗がん剤(※3) み等(※1)に用いられる品目 法が十分に存在しない疾 • 小児のみに用いられる品目(※2) 病等(※1)や小児疾患(※2) が含まれ、分析対象集団 として分析を行った場合 対応 当該品目を費用対効果評価の対象から 価格調整における配慮の要否について総合的な評価を 除外する(※4) 行う(※5) (※1) 希少疾病用医薬品、希少疾病用再生医療等製品、指定難病に対する治療のみに用いるもの、血友病は HIV感染症を対象とする品目。 (※2) 日本における小児用法・用量承認が取得されている品目。 (※3) 承認された効能効果において悪性腫瘍が対象となっており、悪性腫瘍患者を対象に分析を行った場合 に配慮を行う。 (※4) ただし、市場規模の大きな品目(350億円以上)、単価が高い品目等については、中医協総会の判断に より費用対効果評価の対象とする。 (※5) 「公的介護費や生産性損失」を含めた分析結果については、国内の知見に基づき行われたものに限り、 併せて提出することは可能とする。価格調整には用いないが、提出された分析結果は公表し、事例を 集積した上で、今後の仕組みの参考とする。 12 ① 品目指定の運用見直し 「指定難病」、ならびに「希少疾病用医薬品」の指定基準 「指定難病」 https://www.mhlw.go.jp/content/000527525.pdf 1. 発病の機構が明らかでなく、 2.治療方法が確立していない、 3.希少な疾患であって、 4.長期の療養を必要とするもの、 5.患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと、 6.客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること 「希少疾病用医薬品」(抜粋) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html 1 対象者数 • 当該医薬品、医療機器又は再生医療等製品の用途に係る対象者の数が、本邦において5万人未満であること。 2 医療上の必要性 • 重篤な疾病を対象とするとともに、次のいずれかに該当するなど、特に医療上の必要性が高いものであること。 ✓代替する適切な医薬品・医療機器・再生医療等製品又は治療法がないこと。 ✓既存の医薬品・医療機器・再生医療等製品と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待されること。 3 開発の可能性 • 対象疾病に対して当該医薬品、医療機器又は再生医療等製品を使用する理論的根拠があるとともに、その開発 に係る計画が妥当であると認められること。 13 ② 分析枠組み決定の際の比較対照技術の適切な選定 比較対照技術選定に関する事例 公表情報をもとに製薬協作成 エムガルティ (ガルカネズマブ) 片頭痛予防薬の2剤目の治療又は3剤目の治療を行う患者と片頭痛予 防薬の3剤目の治療を中止した患者の割合(NDB共同解析) 分析対象 費用対効果評価専門組織において決定された比 集計項目 患者数 集団 較対照技術を選定する目的で、片頭痛予防薬の1 ロメリジン(中止) 91,418 人1日あたりの使用量に関するNDBの共同解析 ロメリジン(中止)→バルプロ酸(継続) 2,463 を実施した。 ロメリジン(中止)→プロプラノロール(継続) 439 2剤目の ロメリジン(中止)→バルプロ酸(中止) 11,417 治療又は ロメリジン(中止)→プロプラノロール(中止) 2,360 3剤目の 2nd, 3rd lineとして処方された割合はバルプロ ロメリジン(中止)→バルプロ酸(中止)→プロプラノ 治療を行 酸の方が圧倒的に多いにも関わらず、比較対照技 187 ロール(継続) う患者 術としては最も安価なプロプラノロールが選定さ ロメリジン(中止)→プロプラノロール(中止)→バル 137 れた。 プロ酸(継続) ロメリジン(中止)→バルプロ酸(中止)→プロプラノ 3剤目の 809 ロール(中止) 治療を中 ロメリジン(中止)→プロプラノロール(中止)→バル 止した患 498 プロ酸(中止) 者 総計 109,728 ポライビー 決定された分析枠組み 実際の分析での (ポラツズマブ 対象とする疾患 比較対照技術 比較対照技術 ベドチン) (A)再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 リツキシマブを含む救援化学療法 R-ICE療法 (2次治療) のうち最も費用対効果のよいもの (B) 再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 リツキシマブを含む救援化学療法 R-ICE療法 (3次治療以降) のうち最も費用対効果のよいもの • 比較対照技術は「最も費用対効果のよいもの」と合意しているが、専門組織の検討事項として「最も安価なレジメンを使用した としても予後に直接の影響がないと考えるものを比較対照技術としている」という見解が示されている • 結果的に比較対照技術として分析されたのは「R-ICE療法」だが、実臨床での使用割合は0.9%(2次治療)、1.3%(3次治療) という報告※1があり、専門組織の議論においても製造販売業者から「ほぼ数%、2~3%ぐらい」という陳述がなされている 14 ※1 fon-2021-0400.pdf (nih.gov) ② 分析枠組み決定の際の比較対照技術の適切な選定 比較対照技術選定に関する事例 公表情報をもとに製薬協作成 パドセブ (エンホルツマブ ベドチン) 企業の主張のポイント(専門組織議事録より) • 本試験において、各患者についてランダム化前に、本邦では、ドセタキセル、パクリタキセルの2剤のいずれかを医師が選択した。その後、ランダム化 によってパドセブ群、化学療法群に割り付けがなされ、化学療法群はさきに選択した薬剤が投与された。 • 1つの薬剤のみを選択することは、その薬剤が該当治療全体を代表していることになり、複数の代表的な治療オプションがある場合は、実臨床との乖 離が大きくなる。 • ドセタキセル、パクリタキセルの2剤の治療効果の差は明確でないことから、両剤を比較対照技術とし、使用実態に基づいた加重平均による評価が適 切ではないかと考えている。 専門組織委員の使用実態に関する意見(専門組織議事録より) • パクリタキセルとドセタキセルは同じ薬ではない。タキサン系ではあるのですけれども、同じ薬ではないですし、例えばパクリタキセルの場合はひまし 油が入っているので、いわゆるインフュージョン・リアクションの関係でいろいろな薬を前投与したり、ひまし油が入っていることによって回路を変え なければいけないということがあるので、どうしても実臨床ではドセタキセルを選んでしまうというのが多いと思います。ですから、今回の例を見て も、ドセタキセルのほうを選ぶ診療科というか、治験※の部分が多いということにはなると思います(※参考:国際共同第Ⅲ相試験 日本人集団にお ける化学療法群48例の内訳:ドセタキセル36例、パクリタキセル12例、パドセブ申請資料より抜粋)。 • ドセタキセルのほうが一般的により使われているということであれば、使われているほうを対象として考えるという考え方もあるのかなという気がし ております。 <最終的に選択された比較対照技術> 基本分析:パクリタキセル エンハーツ (トラスツズマブ デルクステカン) 「化学療法歴のあるHER2 陽性の手術不能又は再発乳癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」に係る主な論点 ○ 比較対照技術について (専門組織(1回目)の見解) ・ ラパチニブ+カペシタビン併用療法は選択肢の一つであるが、各レジメン間の有効性に関するエビデンスが十分に示されていない。比較対照技術に ついてはトラスツズマブ+化学療法の組み合わせは広くおこなわれていることから最も安価な抗HER2薬であるトラスツズマブ+化学療法の組み合 わせとするべき。 (企業からの不服意見) ・ 有効性に関するエビデンスが十分でない場合、比較対照技術は単一のレジメンとして最も広く使用されているラパチニブ+カペシタビンを選択する べき。 (専門組織(2回目)の見解) ・ 比較対照技術については、分析ガイドラインを踏まえ、比較対照技術については最も安価な抗HER2 薬であるトラスツズマブ+化学療法の組み合 ※ わせとするべき。 ※化学療法については、当該分析対象集団に対し、トラスツズマブと組み合わせて一般的に使用されることのあるもののうち、最も安価なものとする。 15 ② 分析枠組み決定の際の比較対照技術の適切な選定 比較対照技術選定に関する事例 公表情報をもとに製薬協作成 リベルサス (セマグルチド) 以下のようにすべての分析対象集団において「最も安価なもの」が比較対照技術に設定された。 • 分析対象集団(A):DPP-4阻害薬とSGLT2 阻害薬のうち最も安価な組み合わせのもの • 分析対象集団(B):SGLT2阻害薬のうち最も安価なもの • 分析対象集団(C):GLP-1受容体作動薬(注射剤)のうち最も安価なもの 4%2% 10% 特に分析対象集団(B)の比較対照技術に設定されたルセ ダパグリフロジンプロピレングリコール オグリフロジンはSGLT2阻害薬内の医師の処方シェア 37% エンパグリフロジン が最も低いものであった(2%) イプラグリフロジン L-プロリン 17% カナグリフロジン トホグリフロジン ルセオグリフロジン 30% 日経メディカル. SGLT2阻害薬 第5回調査. 2022年12月10日. https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/survey/202212/577659.html 16 ③ 総合的評価の際の評価運用の見直し 有用性系加算とEQ-5D-5Lは直接的に結び付くとは言えない 有用性系加算 イ. 臨床上有用な新規作用機序 ロ. 類似薬に費した高い有効性安全性 ハ. 対象疾患の治療方法の改善 ニ .製剤上の工夫による高い医療上の有用性 品目 加算理由 加算 品目 加算理由 加算 テリルジー 3成分を1回で吸入可能 等 ハ 10% アリケイス 欧米ガイドラインで標準的治療 ハ 5% ユルトミリス 注射の頻度が1/4 ハ 5% ダラキューロ 投与時間が3-7時間→3-5分へ短縮 等 ハ 10% リベルサス 注射→経口投与が可能 ニ 5% パドセブ ガイドラインで標準的治療法 等 ハ 10% NCCNガイドラインで推奨 ポライビー ハ 5% レジメン EQ-5D-5L 詳細 1.移動の程度 歩きまわること 2.身の回りの管理 着替え、体を洗う 3.ふだんの行動 仕事、勉強、家庭、余暇 4.痛み/不快感 同左 5.不安/ふさぎこみ 同左 17 ④ 価格調整範囲の在り方 価格調整の対象範囲について 出典:中医協 総-2 参考4 4.8.10 ○ 価格調整の範囲については、薬価・材料価格制度を補完する視点からの検討を踏まえ、以下の通りとする。 (ⅰ) 類似薬効比較方式(類似機能区分比較方式) ○ 有用性系加算部分を価格調整範囲とする。 (ⅱ) 原価計算方式 ○ 開示度が50%未満の品目(医薬品、医療機器) ・医薬品は営業利益および有用性系加算部分、医療機器は営業利益およびその補正部分を価格調整範囲とする(図の①、②)。 ○ 開示度が50%以上の品目(医薬品、医療機器) ・医薬品は有用性系加算部分、医療機器は営業利益率の補正部分を価格調整範囲とする(図の③)。 (※1) 開示度が低く、かつ、加算を受けた品目については、加算部分、営業利益のそれぞれについて費用対効果評価による価格調整を受ける。 (※2) 医療機器では、営業利益率の補正部分に相当。 (※3) 令和4年4月1日以降に保険収載される開示度50%未満の原価計算方式で算定される医薬品については、営業利益が価格調整対象となる。 18 ⑤ 価格調整の在り方 評価が終了した品目(H5(類似品目)を除く) 公表情報をもとに製薬協作成 希少疾病用 一部の集団で 評価終了 価格調整 医薬品/ 小児適応あり 費用対効果に 品目名 再生医療等製品 優れる結果※1 1 テリルジー H1 -0.5% 〇 2 キムリア H3 -4.3% 〇 〇 3 ユルトミリス H1 -4.3% 〇 4 トリンテリックス H1 -4.3% 5 コララン H2 なし 6 ノクサフィル H1 -0.5% 〇 7 エンハーツ H1 -2.2% 8 カボメティクス H1 なし 〇 9 リベルサス H1 -2.5% 〇 10 エムガルティ H1 -5.0% 11 ポライビー H1 なし 〇 12 アリケイス H1 -9.4% 13 レベスティブ H2 -7.1% 〇 〇 14 ベクルリー H1 -2.1% 〇 15 ダラキューロ H1 なし 〇※2 〇 16 パドセブ H1 -8.2% 17 リフヌア H1 (引下げ) ※1 ドミナント、費用削減又はICER 200万円/QALY未満 ※2 企業分析報告書提出前に追加された効能が希少疾病用医薬品に該当した ◼ 評価が終了したほとんどの品目において薬価が引き下げられた。一部の集団で費用対効果に 優れる結果が示された品目はあったが、価格調整では全く考慮されなかった。 ◼ 薬価が引き下げられた品目の中には、医療上特に必要性が高い希少疾病、小児疾患を適応に 持つ品目が含まれていた。 19 ⑤ 価格調整の在り方 20 ⑤ 価格調整の在り方 一部の集団で費用対効果に優れる結果が得られた品目 (ドミナント、費用削減、200万円/QALY未満) 公表資料および該当企業からの聞き取りを基にPhRMA作成 価格引上げ条件① 価格引上げ条件➁ 比較対照品目(技術)より効果が高い 比較対照品目(技術)と比べて、 こと(又は同等であること)が臨床試 薬価算定 全く異なる品目であること、又 品目名 分析対象集団 比較対照技術 評価結果 験等により示されていることが、メ 方式 は基本構造や作用原理が異な タ解析及びシステマチックレビュー るなど一般的な改良の範囲を を除く臨床試験により示されている 超えた品目であること こと(*1)、(*2) MITT ✕ テリルジー 類似 A、B 費用削減 〇 (2製剤吸入における3剤併用) 薬理作用等が同じ △ ✕ テリルジー 類似 J LAMA/LABA ドミナント アノーロとは直接比較の臨床試験があるが、最 薬理作用等が同じ も安価なウルティブロとは無し ✕ テリルジー 類似 K ICS/LABA ドミナント 〇 薬理作用等が同じ がん化学療法後に増悪した切 ✕ ✕ カボメティクス 類似 除不能な肝細胞癌(二次治療 レゴラフェニブ 費用削減 間接比較データしかない 薬理作用等が同じ 以降) 経口血糖降下薬で血糖コント ロールが不十分でGLP-1受 GLP-1受容体作動薬(注射 ✕ リベルサス 類似 ドミナント 〇 容体作動薬(注射剤)が投与対剤)のうち最も安価なもの 薬理作用等が同じ 象となる2型糖尿病患者 造血幹細胞移植の適応となら ✕ ダラキューロ 類似 ダラザレックス 費用削減 〇 ない未治療の多発性骨髄腫 薬理作用等が同じ × テリルジー 類似 G、H、L ICS/LABA 200万円/QALY未満 NEJM(IF >15)に臨床試験結果が掲載され ✕ ているが、日本人を含むアジア人集団のデータ 薬理作用等が同じ が示されていない × ノクサフィル 原価 好中球減少が予測される イトラコナゾール 200万円/QALY未満 NEJM(IF>15)に臨床試験結果が掲載され ✕ 血液悪性腫瘍患者 ているが、日本人を含むアジア人集団のデータ 薬理作用等が同じ は示されていない × ベクルリー 原価 中等症II 標準治療 200万円/QALY未満 LANCETおよびNEJM(共に、IF >15)に臨 〇 床試験結果が掲載されているが、日本人を含 むアジア人集団のデータは示されていない (*1)ICER 200万/QALY未満の品目では、「比較対照品目(技術)より効果が高いことが臨床試験等により示されていること」とする。 (*2) ICER 200万/QALY未満の品目に対する別に定める条件(以下のいずれも満たす臨床研究等) • (1) 受理あるいは掲載時点において、Clarivate analytics社の”InCitesJournal Citation Reports”により提供されているimpactfactor(5年平均)が15.0を超える学術誌に原著21 論文として受理されている(ただし、レビュー雑誌、創刊10年以内の雑誌はのぞく)。 • (2)(1)を満たす臨床研究等のうち、日本人を含むアジア人を対象とした集団において、費用対効果評価における比較対照品目(技術)よりも優れていることが統計学的に示されている 中医協 費-1-2 5 . 8 . 2 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 意見陳述資料 2023年8月2日 日本医療機器産業連合会(JFMDA) 日本医療機器テクノロジー協会(MTJAPAN) 米国医療機器・IVD工業会(AMDD) 欧州ビジネス協会(EBC)医療機器・IVD委員会 登録 医療機器2品目の評価を終えて 制度化以降に評価が終了した2品目の事例において、医療機 ⚫ 器の特性に起因する評価および運用上の課題が顕在化した 現在の費用対効果評価制度では、医療機器が社会に提供す ⚫ る多様な価値を反映できない 2品目の評価結果と医療機器の特性を改めてご説明したうえで、 ⚫ 課題に対する改善要望を申し述べたい あわせて、7月12日費用対効果評価専門部会にて提示された ⚫ 「費用対効果評価専門組織意見書」に対する業界の見解につ いても申し述べたい 2 医療機器の特性に応じた評価のあり方について検討を進める 必要性に言及された専門組織に感謝する 日本の制度環境に即した医療機器の分析ならびに評価のあり方が確立され ⚫ ることに期待する 医療機器の特性について十分な理解を担保する観点から、検討過程に業界 ⚫ が関与できるようにしていただきたい ➢ 費用対効果評価専門組織意見書 ➢ 「医療技術の費用対効果評価」(福田研究班)にお いて指摘された考慮すべき事項 「これまで費用対効果評価の対象となった医 • 「RCT のような比較試験が実施しにくい」 • 療機器については、事例を踏まえつつ、医療 「今後明確なエビデンスを示す研究が実施される 機器の特性に応じた評価のあり方について検 • ことを求めている」 討を進める必要があるのではないか。」 「習熟カーブがどう影響するかを検討することも重 • 要」 「高額な医療機器を用いる技術の場合には、機 • 器の設置に係る費用をどう扱うかも課題」 「わが国においても今後このような点を考慮した • 評価の実施および活用⽅法の議論が必要と思 われる」 出所:2021 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(政策科学総合研究事 業)「医薬品・医療機器等の費用対効果評価における公的分析と公的意思 決定方法に関する研究」2021年度総括研究報告書(研究代表 福田敬) 2022年3月 https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/ 出所:中医協 費用対効果評価専門部会 令和5年7月12日 資料1 202101016A-sonota1.pdf 3 異なる比較対照について、その構造的特性から高い蓋然性を以て 追加的有用性が見込める場合でも、費用最小化分析となりうる 【品目1】Expedium Verse Fenestrated Screwシステム (脊椎内固定器具) 保険収載時はチャレンジ申請を行い、最終的アウトカムである再手術率を有意に低下させるデータを ⚫ 示すことで、「構造等における工夫により」「合併症の発生が減少する」ことが「客観的に示されている」と して、改良加算(ハ)5%が認められた 一方、費用対効果評価で指定された比較対照品については比較研究がないことから、「現時点では ⚫ 追加的有用性についてのエビデンスに乏しく(中略)費用最小化分析は妥当」とされた (中医協5.6.14 総ー3) 異なる品目に対しても構造特性や優越性の程度から、高い蓋然性をもって追加的有用性が見込める ⚫ 場合であっても、エビデンスが認められないのであれば、世界的に比較試験が少ない植込み型医療機器 は間接比較が困難なことから、多くの場合に費用最小化分析となることが想定される 出所:中医協総会 令和3年12月8日資料 総ー1-1 4 公的分析が行った追加の解析について 詳細な説明と丁寧な議論がないと、見解の相違がなくならない 【品目2】Micra 経カテーテルペーシングシステム(Micra AV)(植込み型リードレス心臓ペースメーカ) 保険収載時は「効果発現のため」の「作用機序が類似材料と大きく異なる」「臨床上有用な新規の機序を ⚫ 有する」に該当するとして、有用性加算(イ)10%が認められた。 (下図参照) 費用対効果評価においては、植込み後12か月以降のQOL値が測定されていないことから、植込み後12 ⚫ か月以降のQOL値差分はないとする公的分析が採用された。 (中医協5.6.14 総ー3) 企業はQOL値に差分に繋がる事象として、慢性期合併症発生率の低減に加え、経静脈ペースメーカ患者 ⚫ の行動制限や不安感の低減等の様々な要素について説明した。公的分析はそれらの影響を分析レポート 提出後に確認したとのことだが、どのような確認を行ったかを企業へ説明し、質問する機会がなかった。 医療機器の特性としてデータが存在しないことが多いなか、医療機器の有用性を評価する上で、直接的な ⚫ データのみだけでなく、蓋然性に基づく仮定についても慎重な議論が必要である。公的分析が追加の解析を 行った場合はより詳細な説明と丁寧な議論が必要なのではないか。 5 出所:中医協総会 令和3年10月13日資料 総ー3-1 分析実施企業の考え方 医療機器が社会に提供する価値を評価に反映させるため、資源と知見を活 ⚫ 用し、できる限りの工夫をして分析を行っている 現状のプロセスでは下記が困難 ⚫ 企業が理解を深める – 公的分析班およびC2Hが有する科学的知見 • 本邦の制度環境における評価⽅針 • 公的分析班およびC2Hに理解していただく – 対象品目の臨床環境とそれがアウトカムに及ぼす影響 • 対象品目のエビデンスの状況 • どのような分析が実現可能か、公的分析班と丁寧な議論を重ねて分析を行 ⚫ いたい 6 医療機器の特性と費用対効果評価への影響 医薬品 特定保険医療材料 費用対効果評価への影響 • 約9兆円 • 約1兆円 • 高額品目数: • 高額区分数: • 製品ごとに試験を実施する余力 市場規模 500億円以上13品目 50億円以上約30区分 が小さい • 製品数:約16,000製品 • 製品数:1200機能区分約20万製品 • 銘柄別方式 • 機能区分別方式 (個別品目ごとに償還価格を (同様の機能を有する類似製品群に • 短期間に製品が置き換わるため、 価格算定ルール 設定) 同一の償還価格を設定) 比較研究を行いにくい →革新性を評価しやすい一方、 →価格競争が誘発され、 価格競争は起こりにくい 製品の置き換わりが起こりやすい • 多種多様な要素技術からなる • 基本的に薬理作用を有する 工業製品 • RCTによる優越性などに限らず、 開発プロセス 科学物質 • 臨床使用時に「モノの効果」+ 個別にリスクアセスメントが行われ • 評価方法が基本的に確立 「使用者の技量」 る(参考資料1) • 決まった開発プロセス・評価方法がない イノベーションの • 改良・改善が中心 • 比較試験を必ずしも要しない • 新規機序が中心 ⽅向性 (軽量化、操作性向上等) (参考資料2) • 医師の技術に影響を受ける • 患者自身が服用、 使用⽅法 • 主に医師等が使用 • 海外と使用方法が異なる場合が または医療機関での投薬 ある 出所:「令和2 年度厚生労働省医政局経済課委託事業医療機器・体外診断用医薬品 の保険適用に関するガイドブック」および「薬事政策」PMDA方眞美, 7 2018年10月」を基に一部改変 制度及び運用上の課題および改善要望(全体像) 分 総 企 公 価 析 合 業 的 格 前 的 分 分 決 協 評 析 析 定 議 価 A) C2H・公的分析班とのコミュニ ケーションについて B) 分析の流れについて C) 総合的評価について D) 価格調整について E) 分析および評価の実施について 8 A:C2H・公的分析班とのコミュニケーションについて (1/2) 【課題】 1. 分析前協議の内容と時間が限られており、限られたエビデンスでどのような分析手法や パラメータの推定方法が受け入れられるのか確認できないまま、企業分析を行うことに なる ⚫ 分析前協議の内容が以下のように決まっており、協議の時間がない • 第1回:製造業者による以下の説明と質疑応答 ①対象疾患・品目の概要、②主な臨床試験の 概要と結果、③諸外国のHTAの結果、④提案する分析枠組み、⑤その他相談事項(各10~15 分程度) • 第2回:C2Hからの見解と質疑応答 • 第3回:未合意事項 2. 公的分析の報告書提示から専門組織3までの期間が短く、十分な内容の確認ができ ない 3. 公的分析班との質疑応答が書面のみのため、公的分析班の考えを企業が適切に理 解することや、企業分析の真意を公的分析班に理解していただくことが困難 9 A:C2H・公的分析班とのコミュニケーションについて (2/2) 【改善要望】 ① 比較試験が存在しないことが明らかな場合など、必要に応じて分析前協議の対象と時間を拡大 して、想定されるエビデンスや検討しているパラメータの推定方法について協議させていただきたい ② 事実確認等を目的として、専門組織2・3の前に公的分析の結果を確認できる機会をいただきた い ③ 公的分析班との直接的なやりとりを可能としていただきたい(電話での問い合わせを含む) ⚫ 分析手法やエビデンスの適切性に関する質問 ⚫ 公的分析班からの質問・指摘事項に対する企業の説明 ① ② ② 専門組織1 専門組織2 公的分析 専門組織3 分析前 分析の 企業分析 企業分析 による 再分析 総合的 協議 枠組みの 及び検証 検証 評価 決定 の確認 ③ 10 B:分析の流れについて 【課題】 1. 公的分析による検証を経て、指摘を受けた企業分析の課題に対処し企業が分析をや り直しても、再提出することができない 2. 分析前協議の時点では認識されなかった課題が公的分析レビューで明らかになるなど 丁寧な説明が必要な場合でも、3月(90日)の期間内に公的分析を完了させる必 要があるため、十分な説明の時間をとれない可能性がある 【改善要望】 ① 公的分析の指摘を踏まえて企業分析をやり直した場合、再提出することを可能として いただきたい ② 公的分析の指摘に対して丁寧な議論ができるよう、必要に応じて公的分析期間の延 長を検討できるようにしていただきたい 11 C:総合的評価について (1/2) 【課題】 ◼ 医療機器のエビデンスの実情が考慮されずに評価が行われるため、医療機器が患者 にもたらす価値が適切に評価されない ⚫ 医療機器では臨床試験がほとんどなく、あっても単群試験が多いことから、エビデンスが不足す るため「追加的有用性がない」と評価されることが多くなるとみられる (参考資料1, 2, 3) ⚫ 臨床試験が少ないため十分なQOL値のデータがなく、ICERの不確実性が高い (参考資料4) ⚫ 低侵襲手術の特徴にはQOL値に直接影響を及ぼさない便益によるものが多い (参考資料5) 12 C:総合的評価について (2/2) 【改善要望】  保険適用希望においては高い蓋然性をもって臨床的有用性が認められたにも関わら ず、費用対効果評価においてはエビデンスが不足するものについて、価格調整におけ る配慮の要否について総合的評価で審議いただきたい ⚫ 該当要件(案) ➢ 保険適用希望の際に比較した技術と費用対効果評価の比較対照技術が異なり、かつ、保険適 用希望の際に比較した技術以外の十分な臨床データが存在しない場合 ➢ 単群試験の臨床データにより加算を取得した品目であって、その単群試験以外の臨床データが存 在しないために、ICERの算出が困難な場合(医療機器の有用性加算のイやハなど) ➢ 十分なQOL値のデータが存在しないために、ICERの不確実性が高い場合 ➢ QOL値に直接影響を及ぼさない便益により加算が認められている場合(医療機器の有用性加 算のイなど) (参考資料6) (参考)英国NICEでは閾値の緩和を検討する条件として、「『終末期における延命治療』(End of life)の条件を満 たす場合」、「技術の革新性が基本分析におけるQALY で十分に捉えられていない場合」、および「ICER の不確実性程度」を挙げている (参考資料7) 13 D:価格調整について 【課題】 ◼ 費用最小化分析では 「価格調整における配慮が必要とされたもの」であっても配慮が 行われない (参考資料8) • 「価格調整における配慮が必要とされたもの」については価格調整係数を決めるICERの閾値が緩和されて いるが、費用最小化分析ではICERが算出されない • 分析手法の違いによって必要な配慮が行われない場合があるのは望ましくない 【改善要望】  費用最小化分析の価格調整係数に「価格調整における配慮が必要とされたもの」の 区分を設定して、価格調整係数を緩和していただきたい 費用最小化分析の価格調整係数(案) 価格調整係数 ICERの区分 別に定める条件 β γ θ 下記に該当しないもの 0.1 0.1 0.5 比較対照技術に対し効果が同等であり、 かつ費用が増加するもの 価格調整における配慮が必要とされたもの 0.4 0.4 0.67 参照: 特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について 別表9(令和4年2月9日) 14 E:分析および評価の実施について (1/2) 【課題】 1. 医療機器の費用対効果分析は技術的難易度が高く、社外人材の質的・数的制約 があることから、社内人材が少ない企業では分析の遂行が不可能な場合がある • 諸外国のHTAでも医療機器の費用対効果分析の経験が少ないことから、業界およびアカデミアを通じて医 療機器の分析ノウハウが蓄積されていない (参考)臨床試験が限られる、習熟カーブの影響があるなどの理由から、イギリス、フランスでは医療機器のHTAは有効 性・安全性の評価を中心としたものとなっている(参考資料9) • 患者背景を調整した間接比較が求められるため、費用対効果分析、疫学、データ分析などのスペシャリスト のチームが必要となるが、求められる水準の知識・経験をもつ人材が限られる • 材料価格は銘柄別ではないことから、機器の費用データを適切に解析するには診療報酬請求と臨床使用に 関する深い理解が必要となるが、医療機器の特性を理解しているベンダーが少なく、キャパシティの制約がある 【改善要望】 (次ページのプロセスフロー図および参考資料10を参照) ① 「分析実施に必要な人員が不足する場合」についても「分析不能」としてご審議いただ きたい ※ 費用対効果評価未経験の企業にはプロセスの詳細を理解しづらいため、プロセスフロー図を含む説明資料をご用意いただきたい 15 プロセスフロー図の例:分析中断、評価中止及び分析再開に係る部分 (赤字の番号は参考資料10に対応) 評価中止のプロセス 分析中断・再開のプロセス 品目指定後 分析前協議~専門組織(i)を想定 数年後を想定(⑫は直後の可能性あり) ⑮ データ集 追加 積され 分析実施 分析実施 データ集積 分析再 製 ⑥ 分析人員 ① ④ ⑯ 積 デー され タ集 ず ⑲ データ集 開可能 造 販 売 販 大 販 売 幅 売 停 減 額 止 少 が 、 の よ 不 り分 足 析 に 不 よ デ り 足 ー 分 タ 等 析 の に 分 分 を理 析 析 由 不 を行 に 能 ⑫ 分 不 析 可 再 能 開 分 期 積 析 間 され 中 延 ず 断 長 困難(分 困難(分 データ収 で分析再 業 等 析不能) 析不能) わない 集の見 開 者 込みなし ⑧ ⑩ ② ⑪ 分析再開 評価中止を 評価中止 分析不能を 分析中断を までの期間 分析実施 申し出 を通知 申し出 申し出 を通知 国 立 不合意 分析可能 保 健 医 ⑦ ③ 療 評価中 分析可 科 止判断 否判断 学 院 合意 分析不可 ・ 公 ⑧ ② 的 評価中止を 分析中断を 分 申し出 申し出 析 ⑤ ⑭⑱ ⑩ 公的分析の ⑨ 最も低い価格 費 結果を用いて 調整係数を 用 評価継続 評価案を策 分析継続 決定 対 定 効 ⑩ 追加 ⑨ ⑫⑯ ⑲ ⑮ 果 審議 審議 審議 審議 審議 審議 評 価 ⑨⑪ ⑳ 専 ⑩ ⑬⑰ ⑮ 門 分析中断・ 分析中断 分析再開・ 組 評価中止 データ集積 評価中止 延長・ 分析期間 織 に要する期 延長期間 間 16 E:分析および評価の実施について (2/2) 【課題】 2. 費用対効果分析のための試験実施を企業が決断できるプロセスになっていない。 • H3区分の指定基準に「費用対効果評価終了後に~評価に重要な影響を与える知見が得られた」もの (いわゆる再評価)があるが、C2Hの意見に基づいた指定のみとなっており、企業が自ら希望して指定される プロセスがない • 上市後に積極的にエビデンスの創出や専門的人材の配置などの投資を行っても、再評価の機会がないと投 資回収できない 【改善要望】 ② H3の指定プロセスに企業の申し出によるものを追加していただきたい たとえば、対象品目の指定基準に以下を追加してはどうか ⚫ ➢ 費用対効果評価終了後に製造販売業者又は国立保健医療科学院から評価に重要な影響を与え る知見が得られたと申し出があり、費用対効果評価専門組織において再評価が適当と判断されたもの なお、数年後に再評価を行う際には、機能区分内に複数の製品が含まれたり、他の機能区分と統合(合理 ⚫ 化)されたりしている可能性があることから、価格調整方法については改めて検討が必要と考える 17 費用対効果評価専門組織意見書に対する 医療機器業界の見解 (1/2) 【専門組織の意見:A(4)その他】 • 費用対効果評価に係る評価及び価格調整においては、全体の費用を比較して効果の評価を行っているが、価 格調整の際には、当該品目の有用性加算等の範囲で実施しており、現状では、評価時点における分析対象と 価格調整として反映する対象の範囲が異なることとなっている。諸外国の事例も参考にしながら、価格調整の 対象範囲のあり方について検討する必要があるのではないか。 (中医協 費用対効果評価専門部会 令和5年7月12日 資料1) 【業界の見解】  機器では評価は現状2品目のみであり事例が十分ではないため、拙速な価格調整対 象の拡大は行うべきではない。 ⚫ 医療機器の評価について、評価側が課題を認識してこれから解決策を検討するとしている 段階で、加算を9割削減するだけでなく、類似品よりも低い価格に下げる可能性がある制 度に変えることは、日本はイノベーションを否定するというメッセージを発することになり、日本 市場における開発優先度の低下が懸念される。 18 費用対効果評価専門組織意見書に対する 医療機器業界の見解 (2/2) 【専門組織の意見:B 分析体制の充実に関する事項】 • 公的分析に携わる人員を確保するためには、公的分析の結果が研究実績として扱って欲しいとの希望が多く、 令和4年度骨子においても公的分析結果等の論文化に係る取扱いについては検討することとしている。現在、 国立保健医療科学院において、報告書としてホームページに公開されている分析結果を論文形式で公的刊行 物等に掲載することを検討しており、こうした取り組みを進めていくべきではないか。 • 引き続き、厚生労働省において、関係学会等に対する周知や人材育成並びに分析体制への支援を行い、公 的分析班に携わる人材の確保及び組織の充実に努めていくべきではないか。 (中医協 費用対効果評価専門部会 令和5年7月12日 資料1) 【業界の見解】  公的分析の体制を充実させる方向性については賛同したうえで、さらなる質向上のた めの踏み込んだ取り組みを期待する。 ⚫ C2Hのホームページに公開されている分析結果を論文形式で公的刊行物等に掲載する場 合は、公的分析結果だけでなく、企業提出の分析結果(公開分)も掲載いただきたい。 ⚫ 公的分析と企業分析双方の質向上の観点から、公開された分析結果に基づく意見交換 の場を設けていただきたい。限られた期間内に行う分析であることからミスを生じうる可能性 も念頭においたうえで、評価結果を覆すことはないとの前提に立ち、より良い分析のあり⽅ について議論できる場を希望する。 19 制度及び運用上の課題に対する改善要望(まとめ) A) C2H・公的分析班との ① 比較試験が存在しないことが明らかな場合など、必要に応じて分析前協議の対象と時 間を拡大して、想定されるエビデンスや検討しているパラメータの推定方法について協 コミュニケーションについて 議させていただきたい ② 事実確認等を目的として、専門組織2・3の前に公的分析の結果を確認できる機会を いただきたい ③ 公的分析班との直接的なやりとりを可能としていただきたい B) 分析の流れについて ① 公的分析の指摘を踏まえて企業分析をやり直した場合、再提出することを可能として いただきたい ② 公的分析の指摘に対して丁寧な議論ができるよう、必要に応じて公的分析期間の延 長を検討できるようにしていただきたい C) 総合的評価について  保険適用希望においては高い蓋然性をもって臨床的有用性が認められたにも関わら ず、費用対効果評価においてはエビデンスが不足するものについて、価格調整における 配慮の要否について総合的評価で審議いただきたい D) 価格調整について  費用最小化分析の価格調整係数に「価格調整における配慮が必要とされたもの」の 区分を設定して、価格調整係数を緩和していただきたい E) 分析および評価の実施 ① 「分析実施に必要な人員が不足する場合」についても「分析不能」としてご審議いただ きたい について ② H3の指定プロセスに企業の申し出によるものを追加していただきたい  機器では評価は現状2品目のみであり事例が十分ではないため、拙速な価格調整対 ◆ 専門組織の意見に対す 象の拡大は行うべきではない る見解  公的分析の体制を充実させる方向性については賛同したうえで、さらなる質向上のた めの踏み込んだ取り組みを期待する。 20 おわりに 本制度の改変により、日本市場にとってネガティブなメッセージを ⚫ 発することがないよう慎重な議論をお願いしたい 費用対効果分析の体制構築や質向上に取り組む企業を後押 ⚫ しするプロセスにしていただきたい 一方、分析に不慣れな企業にとっては過度な負担とならないよう ⚫ ご配慮いただきたい 多様な価値を評価に反映できるよう、医療機器の特性に応じた ⚫ 評価のあり方の検討に業界としても貢献したい 21 別添 Ⅰ. 費用対効果評価専門組織意見書に対する 医療機器業界の見解 Ⅱ. 参考資料 22 Ⅰ.費用対効果評価専門組織意見書に 対する医療機器業界の見解 23 Ⅰ. 費用対効果評価専門組織意見書に対する 医療機器業界の見解(全体像) 意見書の項目 業界の見解 1 A 分析方法に関する事項について 分析対象集団および比較対照技術の設定にあたっては、 (1)分析対象集団及び比較対照技術の設定 俯瞰的な視点での検討を求める。 2 (2)費用対効果の品目指定 対象品目の選定手順の明確化にあたっては、俯瞰的な視 点での検討を求める。 3 (3)分析プロセスの見直しについて 専門組織における審議については、より踏み込んだ見直し が必要と考える。 4 (4)その他 機器の適切な評価ができない現状、拙速な価格調整対 象の拡大は行うべきではない。 5 (4)その他 介護保険の取り扱いについて引き続き研究を行うことに賛 同する。 6 (4)その他 費用対効果評価の結果を、診療ガイドライン等への反映を 念頭に関係学会に情報提供する場合は、慎重な対応を 求める。 7 (4)その他 医療機器の特性に応じた評価のあり方を検討することに賛 同する。 8 B 分析体制の充実に関する事項 公的分析の体制を充実させる方向性については賛同したう えで、質向上のための踏み込んだ取り組みを期待する。 24 出所:中医協 費用対効果評価専門部会 令和5年7月12日 資料1 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 専門組織の対応案 業界の見解 • 比較対照技術のあり方について検討が必 分析対象集団および比較対照技術の設定にあ 要ではないか。例えば、比較対照技術とし たっては、俯瞰的な視点での検討を求める。 て、積極的な治療を行わずに症状緩和の ① ガイドラインに則って分析対象集団と比較対 みを行う治療(Best supportive care A(1) 照技術を決めてから分析を行うと、データ不足 等)も含め、最も妥当性のある評価結果 分析対象集団 で分析不能となったり、追加的有用性がなく を採用できる方策の検討が必要ではない 及び なったりすることがある。エビデンスが極めて限 か。 比較対照技術の 定的なことが明らかな場合は、分析の枠組み 設定 • 分析不能となった要因(例:単なるデー を決める際に、エビデンスのない分析対象集 タ不足なのか、希少疾患によるデータ不 団や比較対照技術を設定しないように考慮 足)も踏まえて、取り扱いを明確化すべき する必要があるのではないか。 ではないか。 • 対象品目の具体的な選定の手順を明確 対象品目の選定手順の明確化にあたっては、俯 化するとともに、今後の検証対象の増加 瞰的な視点での検討を求める。 に対応できるよう、運営体制について検討 ① 医療機器は同一機能区分内に複数の製品 する必要があるのではないか。 A(2) が含まれることがあり、上市後数年が経過して 費用対効果の から品目指定を行うと、当該品目の市場拡 品目指定 大によるものか判断できない可能性がある。 ② 企業が自ら手上げして指定されることも可能 としていただきたい。 25 出所:中医協 費用対効果評価専門部会 令和5年7月12日 資料1 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 専門組織の対応案 業界の見解 • 令和4年度改定による見直しの影響に関す 専門組織における審議については、より踏み込 る検証については、引き続き事例の集積を進 んだ見直しが必要と考える。 めることとし、運用上で明確にすべき事項が ① 公的分析レビュー後の双方向のやりとりが あった場合には、個別の事例ごとに対応を検 可能になれば、企業と公的分析班の見解 討することとしてはどうか。 の違いを残したまま専門組織の審議にか • 今後、専門組織において充実した審議に資 けることが減り、分析結果を分かりやすく提 するよう、専門組織に提出される分析結果を 示できるようになることが期待できる。 踏まえた意見を分かりやすく示すことができる よう、様式などの見直しについて検討する必 A(3) 要があるのではないか。 分析プロセスの見 直しについて 26 出所:中医協 費用対効果評価専門部会 令和5年7月12日 資料1 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 専門組織の意見 業界の見解 • 費用対効果評価に係る評価及び価 機器の適切な評価ができない現状、拙速な価格調整 格調整においては、全体の費用を比 対象の拡大は行うべきではない。 較して効果の評価を行っているが、価 ⚫ 保険適用時のエビデンスと評価は長年の経験で 格調整の際には、当該品目の有用 安定感と相場感が共有されているが、費用対効 性加算等の範囲で実施しており、現 果では2例ともその評価を否定する結果となった。 状では、評価時点における分析対象 と価格調整として反映する対象の範 ⚫ しかも医療機器の評価について、評価する側が課 囲が異なることとなっている。諸外国 題を認識して解決策をこれから検討すると言ってい の事例も参考にしながら、価格調整 る段階で、加算を9割削減するだけでなく、類似品 A(4) の対象範囲のあり方について検討す よりも低い価格に下げる可能性がある制度に変え その他 る必要があるのではないか。 るというのは、日本はイノベーションを否定するという メッセージを発することになり、開発優先度の低下 が懸念される。 27 出所:中医協 費用対効果評価専門部会 令和5年7月12日 資料1 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 専門組織の意見 業界の見解 • 介護費用の取り扱いについては、国立保健 介護保険の取り扱いについて引き続き研究を 医療科学院において諸外国での取組みなど 行うことに賛同する。 の情報収集を行っているが、具体的な事例 A(4) が少なく参考となる情報は限定的となってい その他 る。我が国の介護データーベースの使用実績 も少なく、データ蓄積期間も短いことから、引 き続き研究を行う必要があるのではないか。 • 費用対効果評価の結果については、診療ガ 費用対効果評価の結果を、診療ガイドライン イドライン等の作成の参考となるよう、関係学 等への反映を念頭に関係学会に情報提供す 会や関係機関に対して情報提供を行い、反 る場合は、慎重な対応を求める。 映できるようにしていく必要があるのではない ① 診療ガイドライン等を管掌する関係学会 か。 に情報提供を行う場合は、公的分析結 果の内容、エビデンスの採用理由、モデル A(4) 分析の考え方、EQ-5D等の特性等につ その他 いて、公的分析班から関係学会や関係 機関に丁寧な説明を行っていただくことを 強く希望する。特に企業分析と公的分析 に見解の相違がある場合、関係学会から 企業に問い合わせがあっても適切な回答 ができず、混乱を来すことが予想される。 28 出所:中医協 費用対効果評価専門部会 令和5年7月12日 資料1 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 専門組織の意見 業界の見解 • これまで費用対効果評価の対象と 医療機器の特性に応じた評価のあり方を検討すること なった医療機器については、事例を に賛同する。 踏まえつつ、医療機器の特性に応じ ① 日本の制度環境に即した医療機器の分析ならび た評価のあり方について検討を進める に評価のあり方が確立されることに期待する 必要があるのではないか。 ② 医療機器の特性について十分な理解を担保する 観点から、検討過程に業界が関与できるようにし ていただきたい A(4) その他 29 出所:中医協 費用対効果評価専門部会 令和5年7月12日 資料1 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 専門組織の意見 業界の見解 • 公的分析に携わる人員を確保するためには、 公的分析の体制を充実させる方向性について 公的分析の結果が研究実績として扱って欲 は賛同したうえで、質向上のための踏み込んだ しいとの希望が多く、令和4年度骨子におい 取り組みを期待する。 ても公的分析結果等の論文化に係る取扱 ① 国立保健医療科学院のホームページに公 いについては検討することとしている。現在、 開されている分析結果を論文形式で公的 国立保健医療科学院において、報告書とし 刊行物等に掲載する場合は、公的分析 てホームページに公開されている分析結果を 結果だけでなく、企業提出の分析結果 論文形式で公的刊行物等に掲載することを (公開分)も掲載いただきたい。 検討しており、こうした取り組みを進めていくべ B きではないか。 ② 公的分析と企業分析双方の質向上のた 分析体制の めに、公的分析結果および企業提出の分 充実に関する • 引き続き、厚生労働省において、関係学会 析結果の事後的なピアレビューを可能とし 事項 等に対する周知や人材育成並びに分析体 ていただきたい。限られた期間内に行った 制への支援を行い、公的分析班に携わる人 分析であることからミスがあった可能性も念 材の確保及び組織の充実に努めていくべきで 頭においたうえで、評価結果を覆すことは はないか。 ないとの前提に立ち、より良い分析のあり 方について議論できる場を希望する。 30 出所:中医協 費用対効果評価専門部会 令和5年7月12日 資料1 Ⅱ. 参考資料 31 参考資料1 医療機器はその特性により、比較試験の実施が困難 手術手技を含む治療では、倫理上の 低侵襲性等の効果が明確な場合、 ⚫ ⚫ 問題からプラセボ対照試験の実施が 無作為化すると試験の実施が困難と 困難*1 なる 手術の場合、試験デザインの工夫によ 患者リクルートや症例集積が困難 – – り被験者負担を軽減することが困難 患者の同意が得られなかったり、 – • 例:上乗せ試験、置き換え試験、 割付後の脱落が多かったりする 早期離脱・レスキュー治療、 現場の医療者からの抵抗が大きい – 短期的なプラセボ群設定、 治験審査委員会が承認しない 実薬治療のランダム化による中止 – 比較試験を実施するにはシャム手術 – (偽手術)*2が必要となる場合がある 【例】 が、シャム手術のような試験デザインの 倫理的妥当性については専門家の間 でもコンセンサスを得られていない 開胸手術と小開胸手術を無作為化すると 患者の同意を得られない 提供:エドワーズライフサイエンス(株) *1 「プラセボ対照試験の現状と考え方」 PMDA科学委員会 プラセボ対照試験に関する専門部会. 2016年3月9日 *2 シャム手術(偽手術):患部切除や組織再建などの本来なすべき外科的医療行為を行わずに、麻酔と皮膚切開を施す見せかけの手術 32 参考資料2 医療機器の薬事承認では臨床試験を求められないことが多い 「新医療機器」と「改良医療機器(臨床あ 製品改良が頻回なため、評価対象に選 ⚫ ⚫ り)」は年38~65品目程度で、年103~ 定されるか分からない品目も含め、費用対 155品目ある新医薬品の半数以下 効果分析のために比較試験を実施するこ とは非現実的 「改良医療機器(臨床なし)」と「後発医 ⚫ 療機器」は年323~502品目で、臨床あり の10倍近い 新規承認品目数 180 1200 160 155 1000 140 137 131 126 126 120 800 805 100 109 103 108 731 705 80 65 600 502 635 483 497 485 620 461 466 638 415 59 60 48 49 400 323 44 44 44 40 43 41 38 351 329 344 332 283 273 277 299 164 285 38 36 33 36 31 27 200 20 22 10 13 18 11 8 13 11 151 154 153 153 178 193 138 159 0 0 H27年度H28年度H29年度H30年度 R1年度 R2年度 R3年度 R4年度 H27年度H28年度H29年度H30年度 R1年度 R2年度 R3年度 R4年度 (2015) (2016) (2017) (2018) (2019) (2020) (2021) (2022) (2015) (2016) (2017) (2018) (2019) (2020) (2021) (2022) 新医療機器 改良医療機器 新医薬品 改良医療機器 後発医療機器 後発医療用医薬品 (臨床あり) (臨床なし) 出所:PMDA 業務実績報告書(令和元年度、令和4年度)数値データ集 33 参考資料3 医療機器はその特性から、研究の質に課題があると評価されやすい 費用対効果評価の分析ガイドライン(第3版)の関連個所の記載 医療機器の場合、以下の理 ⚫ 5 追加的有用性 由から「研究の質に課題があ 5.2 (略)比較対照技術に対するRCTのシステマティックレビュー(Systematic る」との評価になりやすい review: SR)を実施し、追加的有用性の有無を評価する。適切なものであれば公開され RCTがない ていない臨床研究や治験の結果等を含めてよい。 • 観察研究やレジストリーデータの • 5.3 (略)適切なものが存在しない場合、(略)アウトカムを比較した非RCT(観察研 再解析は患者背景の調整が不 究等) のSRを実施し、追加的有用性を評価する。ただし、研究の質(研究デザイン、群間 十分となりやすい での患者背景の差異、統計解析手法、サンプル数や施設数等)について十分に説明しな ければならない。 単群試験が多く、間接比較が困 • 難 5.4 (略)協議の上で適切と判断されれば、既存の観察研究やレジストリーデータなどを 再解析した結果をもって、追加的有用性の有無を評価してもよい。ただし、研究の質(研究 「研究の質に課題がある」と費 ⚫ デザイン、群間での患者背景の差異、統計解析手法、サンプル数や施設数等)について十 用最小化分析となりやすい 分に説明しなければならない。 5.6 単群試験しか存在しない場合は、評価対象技術と比較対照技術それぞれについての SRに基づき、間接比較を実施する。 5.7.4 間接比較を行う場合は、間接比較を可能とする前提条件(疾患、重症度、患者 背景等の異質性や試験の同質性など)についても十分に説明しなければならない。 5.8 (略)研究の質に課題があると判断されるものの治療効果が劣っているとは考えられ ない場合には、評価対象技術のアウトカムが比較対照技術と同等であるという前提で、 「6.」の分析を実施する。 6 分析手法 6.3.2 「5.」の分析により、追加的有用性が示されていないものの、アウトカムは同等と考え られる場合には、比較対照技術と費用を比較する(いわゆる「費用最小化分析(Cost- minimization analysis :CMA)」)。このとき、結果は費用削減あるいは費用増加とする。 34 参考資料4 臨床試験が少ないため、分析に使用可能な QOLデータが少ない 日常診療ではQOLの測定は行われないため、レジストリに診療アウトカムは集積されて ⚫ も、QOL値は集積されない データは当該技術の分析のみならず、比較対照となる時にも必要となる ⚫ PMDAは臨床試験による市販前評価から、レジストリ等のReal World Evidenceを ⚫ 活用した市販後評価にシフトしており、今後さらにQOLデータの取得が困難となると予 想される 35 参考資料5 ICERに過度に依存した評価では 低侵襲手術が患者にもたらす価値を十分に反映できない 医療機器の特徴の一つである低侵襲手術では、一般的に認識される周術期のベネ ⚫ フィットが大きい一方、QOL値として補足することが難しいため、ICERを用いた分析で は十分な評価ができない 低侵襲性がもたらす価値のうち、次の 一方、次のような身体・精神・生活上 – – ものはICERに反映される のベネフィットはEQ-5Dでは測定が困 難なため、ICERには十分に反映され 入院日数や合併症の削減 • ない ・・・医療費の削減 手術に対する恐怖の軽減 • 短期的な痛みや不安の低下 • ・・・QOL値の上昇 休業・体力低下等による収入減少・ • 支出増加の抑止 スポーツができないことによるアイデン • ティティ喪失や機会損失の抑止 目立つところに残る手術の傷跡による • コンプレックスの軽減 36 参考資料6 有用性系加算の対象 出所:令和4年度保険医療材料制度改革の概要(厚生労働省保険局医療課) 37 参考資料7 諸外国における費用対効果の閾値設定の動向 (研究分担者 池田俊也 国際医療福祉大学) 3.英国 英国NICE では、Technology Appraisal において永らく20,000 ポンド~30,000 ポンド/QALY と、幅を持たせた閾値が使用され ていた。2013 年4 月の「Guide to the methods of technologyappraisal 2013」では、閾値を20,000 ポンドよりも緩和する ことを検討する条件として、1、推計された増分費用効果比(ICER)の不確実性程度、2、健康関連QOL の変化の評価が不十 分であり、そのため得られる健康上の有用性を誤って表現している可能性、3、技術の革新性が基本分析におけるQALY で十分に捉 えられていない場合、4、「終末期における延命治療」(End of life)の条件を満たす場合、5、NHS の非健康目標に関連する側面、 の5 点を挙げている。 「終末期における延命治療」の条件には、その治療法の平均余命が短く、通常24 ヶ月未満であること、その治療が、現在のNHS の治 療と比較して、通常、少なくとも3 ヶ月の平均値の延命を提供する見込みがあること、などが含まれていた。 2020 年11 月6 日に「The NICE methods of health technology evaluation: the case for change」が公表され、これま でのガイダンスの変更が提案された。この中で、重症度に応じて閾値を緩和するための閾値緩和係数(modifier)を導入することが提案 された。 QALY 不足量は、ある疾患を持つ人々が現在の治療によって残りの生涯に得られると期待されるQALY の合計から、同じ年齢と性別に 分布する一般集団が得られると期待されるQALY の合計を差し引いたものとして計算される。現在の治療で期待されるQALYs は、 NHS で確立された診療で得られるQALYs の合計のことである。QALY 不足割合は、その疾患と共に生きる人々が失う、人生の質と長 さを含む将来の健康の割合を表す。これはQALY 不足量を、「同じ年齢と性別の分布を持つ一般集団が残りの生涯に期待される QALY」で割って算出される。 この提案に対し同年10 月13 日までコンサルテーションが行われ、これを踏まえ2022 年1 月31日に 「NICE health technology evaluations:the manual」が公表された。本マニュアルでは、標準的な閾値は20,000 ポンド~30,000 ポンド/QALY として上で、 表1に示すように、QALY 不足量とQALY 不足割合で評価された重症度に応じてQALY に調整係数を乗じ、閾値を緩和することとし ている。QALY 不足量が12~18 の場合は調整係数を1.2、QALY 不足量が18 以上の場合は調整係数を1.7 とする。また、QALY 不足割合が0.85~0.95の場合は調整係数を1.2、QALY 不足量が0.95 以上の場合は調整係数を1.7 とする。いずれにも当ては まる場合には調整係数は大きい方が採用される。 なお、Technology appraisal ではなくHighly specialized technology で評価される医療技術については、100,000 ポンド /QALY の閾値が適用される。 38 出所: 2021 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(政策科学総合研究事業)「医薬品・医療機器等の費用対効果評価における公的分析と公的意思決定方法に関する研究」2021年度総括 研究報告書(研究代表 福田敬)2022年3月 https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202101016A-buntan1_0.pdf 参考資料8 出所: 「令和4年度診療報酬改定の概要 費用対効果評価制度」(令和4年3月4日版)厚生労働省保険局医療課 39 参考資料9 医療技術の費用対効果評価 (福田 敬 国立保健医療科学院) 諸外国の費用対効果評価制度では医薬品を中心に実施されており、高額な医療機器を用いる医療技 術の評価は主に有効性・安全性の観点から実施されている。イギリスのNICE においては、以前はTA のプ ログラムで外科的処置についても費用対効果を含む評価が試みられていたものの、近年では有効性・安 全性を評価するIPG での評価に移行している。フランスでも有効性・安全性の評価に留まっている。この中 で、オーストラリアのMSAC においては、費用対効果を含む評価を実施しており、興味深い。いずれの国に おいてもまず有効性・安全性についてのエビデンスレビューを実施しているが、ここで議論されているのが、こ のような医療技術に関して従来の方法と比較する臨床試験が限られている点である。医薬品の場合と異 なり、RCT のような比較試験が実施しにくい(特にblind 下で行うことができない)ことなどが影響している ものと考えられる。そのため、どの国においても今後明確なエビデンスを示す研究が実施されることを求めて いるが具体的な方法などは示されていない。また、これも医薬品の場合と異なり、医療技術においては習 熟カーブ(learning curve)の影響も議論されている。特に手術のような手技の場合にはこの点は大きく 影響するものと考えられる。従来の方法との比較が適切に行われることとともに、実際の臨床の場面を想 定して、習熟カーブがどう影響数するかを検討することも重要である。さらに、特に高額な医療機器を用い る技術の場合には、機器の設置に係る費用をどう扱うかも課題となる。設置に係る費用の位置づけは国 によって違いがあるが、仮に機器の設置自体は特別な財源で行い、通常の診療においては運営費用だけ の負担であれば、機器そのものの費用は考える必要がないが、設置するための費用まで考慮すると、手技 を1件実施するための平均費用は年間の実施件数に依存することになるため、これにより費用対効果も 影響されることになると考えられる。わが国においても今後このような点を考慮した評価の実施および活用 方法の議論が必要と思われる。 出所:2021 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(政策科学総合研究事業)「医薬品・医療機器等の 費用対効果評価における公的分析と公的意思決定方法に 関する研究」2021年度総括研究報告書(研究代表 福田敬)2022年3月 https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202101016A-sonota1.pdf 40 参考資料10-i 分析中断、評価中止及び分析再開に係る通知該当部分 ① ② ① ③ ①と②の間に追加 「また、製造販売業者に ③ ④ おいて費用対効果分析 ⑤ の実施に必要な人員が 不足する場合には、製 造販売業者は対象品 ⑥ ⑦ 目の「分析不能」を申し 出ることができる。この際、 ⑧ 製造販売業者は自らが 保有し、分析のために必 要となるデータを提供し ② て公的分析の実施に協 ⑧ 力することとし、費用対 ⑨ ⑩ 効果専門組織は、公的 分析結果のみを用いて 費用対効果評価案を ⑨ ⑩ 策定するか、対象品目 ⑪ は最も小さな価格調整 係数に該当するものとみ なして価格調整を行うか を審議する。」 出所: 医薬品、医療機器及び再生医療等製品の費用対効果評価に関する取扱いについて(令和4年2月9日) 41 参考資料10-ii 分析中断、評価中止及び分析再開に係る通知該当部分 ⑨ ⑩ ⑪ ⑨⑩⑪ ⑫ ⑬ ⑭ 出所: 医薬品、医療機器及び再生医療等製品の費用対効果評価に関する取扱いについて(令和4年2月9日) 42 参考資料10-iii 分析中断、評価中止及び分析再開に係る通知該当部分 ⑮ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ ⑳ 出所: 医薬品、医療機器及び再生医療等製品の費用対効果評価に関する取扱いについて(令和4年2月9日) 43 中 医 協 費 - 1 5.7.12(改) 中医協 費-1参考 費用対効果評価専門組織意見書 5 . 8 . 2 Ⅰ 総論 ○ 平成 31 年の中央社会保険医療協議会での議論を踏まえて、費用対効果評価制度におい ては、市場規模が大きい、又は著しく単価が高い医薬品・医療機器を評価の対象とし、評価 結果は保険償還の可否の判断に用いるのではなく、いったん保険収載した上で価格調整に 用いることとしている。 ○ 令和5年7月1日現在までに、43 品目が評価の対象となり、28 品目が評価を終了したとこ ろである。令和4年度改定の見直しに係る影響については、見直し後の分析プロセスでの対 象品目が少ないことから今後の実績を踏まえて検討する必要があることや、今後の対象品 目の増加が予想されることから分析体制の充実に取り組むべきとの意見があった。 ○ 費用対効果評価専門組織においては、各品目について、企業分析及び公的分析の分析 結果等を踏まえて費用対効果評価を行っている。薬価・材料価格制度を補完する観点で価 格調整を行うという趣旨を踏まえ、費用対効果評価制度のあり方を検討するにあたり、まず、 技術的観点から費用対効果評価専門組織において議論を行った。各品目の評価の過程等 で明らかとなった分析方法及び分析体制等の課題等について、公的分析班や国立保健医 療科学院からの意見も踏まえ、専門組織で議論し、意見書として取りまとめた。 Ⅱ 各論 A 分析方法に関する事項について (1)分析対象集団及び比較対照技術の設定 【現状及び課題】 ・ 現行の比較対照技術は「臨床的に幅広く使用されており、評価対象技術によって代替さ れると想定されるもののうち、治療効果がより高いもの」を一つ選定することとされている が、様々な選択肢の中から「幅広く使用されているもの」「代替されるもの」「治療効果がよ り高いもの」が一致せずに、一つを選定することが困難な事例がある。また、比較対照技 術の費用対効果が著しく悪い場合に、結果を単純に解釈することは適切ではないという 指摘がある。 ガイドラインでの位置付け ・ 評価を行う際の比較対照技術は、評価対象技術が分析対象集団への治療として導入された時点で、 臨床的に幅広く使用されており、評価対象技術によって代替されると想定されるもののうち、治療効 果がより高いものを一つ選定することが原則的な考え方である。 ・ 分析対象集団の一部について、効果等のデータが不足しており、分析できない場合の 1 取り扱いについて、分析対象から除外するのか、効果等はないとするのか明確化されて いない。 通知※での位置付け ・ 製造販売業者及び国立保健医療科学院が合意の上、対象品目の分析中断を申し出ることができる こと。 ・ 対象品目が販売を停止した場合や年間販売額が大幅に減少した場合等であって、製造販売業者及 び国立保健医療科学院が合意した場合には、対象品目の評価中止を申し出ることができること。 ・ 費用対効果評価専門組織は、上記の申出を受けた場合その他必要があると認める場合には、分析 中断又は評価中止の要否を専門的見地から審議(※)し、中央社会保険医療協議会総会に報告する こと。 (※分析中断又は評価中止とする科学的妥当性、分析中断の場合、分析再開のために必要なデー タ、集積方法及び集積に要する期間等) ・ 分析中断とされた品目について、定められた期間内に必要なデータが集積されず、分析の再開が 見込まれない場合、製造販売業者は、費用対効果評価専門組織にその旨を報告すること。 ・ 費用対効果評価専門組織は、製造販売業者の報告を踏まえ、評価中止の要否にかかる決定案を策 定し、中央社会保険医療協議会総会に報告すること。 ・ 評価中止が認められない場合、対象品目は最も小さな価格調整係数に該当するものとみなして価 格調整を行うこと。 ※令和4年2月9日保発0209第6号「医薬品、医療機器及び再生医療等製品の費用対効果評価に関す る取扱いについて」 【対応案】 ・ 比較対照技術のあり方について検討が必要ではないか。例えば、比較対照技術として、 積極的な治療を行わずに症状緩和のみを行う治療(Best supportive care 等)も含め、最 も妥当性のある評価結果を採用できる方策の検討が必要ではないか。 ・ 分析不能となった要因(例:単なるデータ不足なのか、希少疾患によるデータ不足)も踏 まえて、取り扱いを明確化すべきではないか。 (2)費用対効果の品目指定 【現状及び課題】 ・ 保険適用時には指定基準を満たさなかった品目において、市場拡大等により評価基準 に該当する可能性がある場合も、対象品目として指定する必要がある。 ・ 一度評価が終了した品目のうち、市場拡大や新たな科学的な知見等により評価基準に 該当する可能性がある場合には、対象品目として指定することとしている。 2 通知※での位置付け ・ 保険適用時に指定基準を満たさない品目のうち、保険適用後に使用方法、適用疾病等の変化によ り市場拡大したこと、費用対効果評価終了後に、海外評価機関での評価結果等を踏まえた国立保健 医療科学院の意見を参考にして評価に重要な影響を与える知見が得られたこと等の理由によりH1 区分、H3区分、H4区分若しくはH5区分又は評価候補品目の指定基準を満たす可能性のある品 目については、「医療用医薬品の薬価基準収載等に係る取扱いについて」又は「医療機器の保険適用 等に関する取扱いについて」に規定する手続により、費用対効果評価専門組織において対象品目案 及び評価候補品目案を決定し、中央社会保険医療協議会総会に報告する。中央社会保険医療協議会 総会において当該報告内容を審議し、費用対効果評価の対象品目及び評価候補品目を指定する。 【対応案】 ・ 対象品目の具体的な選定の手順を明確化するとともに、今後の検証対象の増加に対 応できるよう、運営体制について検討する必要があるのではないか。 (3)分析プロセスの見直しについて 【現状及び課題】 ・ 令和4年度改定において専門組織(ⅱ)の前倒し等の分析プロセスの見直しを行ったと ころであるが、現時点では当該運用によって指定されたのは 14 品目となっており、評価 が終了した品目は 1品目である。 【対応案】 ・ 令和4年度改定による見直しの影響に関する検証については、引き続き事例の集積を 進めることとし、運用上で明確にすべき事項があった場合には、個別の事例ごとに対応を 検討することとしてはどうか。 ・ 今後、専門組織において充実した審議に資するよう、専門組織に提出される分析結果を 踏まえた意見を分かりやすく示すことができるよう、様式などの見直しについて検討する 必要があるのではないか。 (4)その他 ○ 費用対効果分析を行う上で、その他に以下の意見があった。 ・ 費用対効果評価に係る評価及び価格調整においては、全体の費用を比較して効果の 評価を行っているが、価格調整の際には、当該品目の有用性加算等の範囲で実施して おり、現状では、評価時点における分析対象と価格調整として反映する対象の範囲が異 なることとなっている。諸外国の事例も参考にしながら、価格調整の対象範囲のあり方に ついて検討する必要があるのではないか。 3 現行の規定 ・ 介護費用の取り扱いについては、国立保健医療科学院において諸外国での取組みな どの情報収集を行っているが、具体的な事例が少なく参考となる情報は限定的となって いる。我が国の介護データベースの使用実績も少なく、データ蓄積期間も短いことから、 引き続き研究を行う必要があるのではないか。 ・ 費用対効果評価の結果については、学会等が診療ガイドライン等を作成する際に参考 となるよう、厚生労働省は、関係学会や関係機関に対して情報提供を行う必要があるの ではないか。 ・ これまで費用対効果評価の対象となった医療機器については、事例を踏まえつつ、医 療機器の特性に応じた評価のあり方について検討を進める必要があるのではないか。 B 分析体制の充実に関する事項 【現状及び課題】 ・ 現在は、2大学(立命館大学及び慶應義塾大学)が公的分析班として分析を担当してい るが、今後も対象品目の増加が予想される中で公的分析に係る体制の充実が課題であ る。 【対応案】 ・ 公的分析に携わる人員を確保するためには、公的分析の結果が研究実績として扱って 欲しいとの希望が多く、令和4年度骨子においても公的分析結果等の論文化に係る取扱 いについては検討することとしている。現在、国立保健医療科学院において、報告書とし てホームページに公開されている分析結果を論文形式で公的刊行物等に掲載することを 検討しており、こうした取り組みを進めていくべきではないか。 ・ 引き続き、厚生労働省において、関係学会等に対する周知や人材育成並びに分析体 制への支援を行い、公的分析班に携わる人材の確保及び組織の充実に努めていくべき ではないか。 4

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