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中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会(第 121 回) 議事次第
令和5年8月 30 日(水)9:30~
議 題
○医療機器業界からの意見聴取について
意見陳述者一覧
日本医療機器産業連合会 会長 山本 章雄
日本医療機器産業連合会 材料保険委員会 委員長 久保 明弘
日本医療機器産業連合会 機器保険委員会 副委員長 須賀 秀徳
日本医療機器産業連合会 機器保険委員会 副委員長 平尾 勇実
米国医療機器・IVD工業会 副会長 玉井 孝直
米国医療機器・IVD工業会 保険委員会 委員長 綿貫 友洋
欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会 委員長 森 秀顕
欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会 IVD部会担当副委員長 江田 信一
日本臨床検査薬協会 会長 小野 徳哉
日本医療機器販売業協会 会長 山下 尚登
日本医療機器販売業協会 副会長(流通研究部会 部会長) 阿部 篤仁
(敬称略)
中医協 材-1
5 . 8 . 3 0
中央社会保険医療協議会
保険医療材料専門部会
意見陳述資料
2023年8月30日
日本医療機器産業連合会(JFMDA) 日本医療機器テクノロジー協会(MTJAPAN)
先進医療技術工業会(AdvaMed) 米国医療機器・IVD工業会(AMDD)
欧州ビジネス協会(EBC)医療機器・IVD委員会
現在の環境認識
近年の物価、エネルギー、光熱費等の高騰は、各種産業や国民生活に大きな影響を
及ぼしている。
医機連にて医療機器の安定供給に関する調査を実施(2022年10月)したところ、
医療機器の原材料(樹脂材料、電子部品、金属等)、部材の価格、輸送費等の高
騰により、医療機器の安定供給への懸念が生じる状況であることが判明した(3ページ
参照) 。
さらに、特定保険医療材料における不採算の実態を調査(2023年5月、MTJAPAN
会員258企業)したところ、回答202社中、不採算製品のある会社は96社
(48%)、395製品であり、多くの製品について早急な対策が必要な状況であること
が判明した(4ページ参照 )。
2
医療機器を取り巻く環境:経済情勢
■2022年 安定供給に関するアンケート結果
・調査対象:医機連 正会員団体・会員企業(回答件数102件)
・調査期間: 2022年10月17日-11月4日
●製品の安定供給への影響への影響 ●主な原因 ●特に影響を受けている原材料・部材
分類 具体例(企業数)
5%
樹脂材料 シリコーン(13),樹脂 (10),PP(8), PC(5),
17%
フッ素樹脂(4), PE(3),プラスチック(2),
既に影響が出ている
PET(2),PVC(2)
25% 9%
46% 影響が懸念される
電気電子 半導体(15),コネクタ(9), CPU(5),電子
51%
部品 部品(3),電気部品(3),電線
影響はない
23% (3),IC(2),FPGA(2),モーター(2)
回答できない
24% 金属材料 ステンレス(4),アルミ(6),金属材料(4)
原材料・部材価格高騰
価格高騰以外の入手難 その他 滅菌包材(7),紙類 (5),包装材(4),ゴム
物流費高騰 (4),医療用ガーゼ(2), 原紙(2),溶剤(2),
影響が懸念されるを含めると70%を占める
その他 ラベル(2),フィルター(2), 容器(2)
■主な材料ごとの企業物価指数(月次推移)
アンケートにおいて価格高騰の影響を受けているとの回答があった原材料・部材は定量的に価格高騰している
【樹脂材料】熱可塑性樹脂(ポリプロピレンなど) 【電気電子部品】集積回路 【金属材料】アルミニウム
出典: 日本銀行「時系列統計データ 検索サイト」より医機連MDPRO作成 3
輸入物価指数(円ペース) 国内企業物価指数
2023年 不採算に関する調査結果
調査対象:MTJAPAN 正会員企業258社*(回答件数202社) 調査期間: 2023年4月22日~5月19日
*製造販売業を持つ正会員企業数
図1 不採算製品の有無 図2 不採算製品の状況(395製品) 図3 価格への転嫁
価格転嫁
9%
ある 42%
懸念あり
48%
66%
価格転嫁
逆ザヤ
できない
45%
48%
ない
52%
安定供給への懸念あり
保険償還価格より
高い販売(逆ザヤ)
① 回答202社中、不採算製品のある会社は96社(48%)、395製品であった。
② 不採算製品のうち66%で安定供給への懸念があり、45%は償還価格より高く販売していた。
③ 「価格に転嫁した、転嫁する予定」は42%、「価格転嫁したいができない」は48%であった。
4
本日の提案内容
1.安定供給の確保に向けた対応
(1) 不採算選定の基準の明確化
(2) 安定確保が求められる医療機器への対応
(3) 原材料・部材価格等の高騰への対応
(4) 外国価格調整の見直し
(5) 新規収載品の基準材料価格の算定ルールの見直し
(6) 安定供給に関するその他の保険医療材料等専門組織からの意見について
2.イノベーション評価の見直し
(1) チャレンジ申請について
(2) 医療費削減効果による価格調整
3.その他
その他の保険医療材料等専門組織からの意見について
5
1. 安定供給の確保に向けた対応
令和5年7月26日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より
1. イノベーションに対する評価等について
(1) 臨床上有用な医療機器等に対する評価について
特定保険医療材料のうち、保険医療上の必要性が特に高く代替するものがないにも関わらず、継
続的な安定供給に際して、材料価格が著しく低いために供給が著しく困難となるものについては、不
採算品再算定において適切に価格の改定を行うとともに、価格改定後も安定的な供給を維持でき
るよう、その後の価格の再算定においても配慮する仕組みについて検討してはどうか 。
保険医療材料等専門組織からの、①不採算品に対する適切な価格の改定、および②価格改定
後に安定的な供給を維持するためのその後の価格の再算定に配慮する仕組みの提案について、賛
同する。
①、②のそれぞれについて下記として提案させていただきたい。
(1) 不採算選定の基準の明確化(7~9ページ)
(2) 安定確保が求められる医療機器への対応(10ページ)
6
1. 安定供給の確保に向けた対応
(1) 不採算選定の基準の明確化
(1/3)
MTJAPAN会員企業 不採算に関する実態調査(2023年)
202社からの回答
図4 不採算要望の予定の有無 図5 不採算要望を出す予定がない理由(複数回答あり)
21%
79%
(製品)
(製品)
不採算に陥った395製品のうち、不採算要望を予定するものは84製品(21%)のみ
不採算要望の予定がない理由は、「機能区分内の他社製品の状況が分からない」が大多数であり、
次に「学会要望の取得が困難」が多かった。
次回改定に向けて、厚労省には提出書類の書式見直しや学会への要望提出に対する協力を依頼
いただいたことには大変感謝している。一方で、学会によっては、個社を支援することは学会としては
出来ない、と回答された事例がある。
業界としても、制度活用を促すための啓発活動の必要性を強く認識し、周知活動を実施しているが、
不採算要望を提出する予定のある製品は21%にとどまっており、更なる対応が必要と考えている。
7
1. 安定供給の確保に向けた対応
(1) 不採算選定の基準の明確化
(2/3)
過去3回の改定における不採算製品の引上げの実績
中医協総会資料より、MTJAPAN集計
不採算採用数 平成30年 令和2年 令和4年
実態のまとめ
引上げの理由 9区分 4区分 8区分
ほとんどが 「機能区分内に1社のみ」
販売会社が1社のみ 9/9 3*/4 7#/8
の区分
学会から供給継続の要望があ
9/9 4/4 8/8 全てが 「学会からの要望がある」 もの
る
市場実勢価格が償還価格を 全てが 「市場実勢価格が償還価格を
9/9 4/4 8/8
上回る 上回る」 区分
*:残る1区分は1社がシェア9割(販売3社)
#:残る1区分は1社がシェア7割(販売3社)
現在の不採算要望の実態は、「選定要件が厳しく運用され、採用実績が少ないため、企業は不採
算要望を提出しない」、「不採算要望を提出しないために採用実績が増えない」と悪循環が起きて
いると考える。
【提案】
業界調査の結果(7ページ)、令和6年度改定では一定数の不採算要望が想定されることから、不
採算選定の基準を明確化していただきたい(9ページ)。
企業が不採算要望を躊躇なく活用できるように、運用の見直しについて通知等に明示いただきたい。
急激な物価高騰等の影響により安定供給への懸念を生じさせないため、随時不採算要望を受け付
けていただきたい。
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1. 安定供給の確保に向けた対応
(1) 不採算選定の基準の明確化
(3/3)
不採算選定の基準の明確化についての提案
「ア 代替するものがない特定保険医療材料であること」
• 同一機能区分内に、複数の製品があった場合には、下記の対応をいただきたい
不採算となっている製品のシェアが高く、同一機能区分内の他社製品のみでは臨床での必要数量をカバーできない場合は、
「代替するものがない特定保険医療材料」であるとみなす
不採算となっている製品のシェアがそれほど高くなくとも、他社製品の生産余力によっては臨床での必要数量をカバーできない
場合もあり得るため、要望が提出されていない製品を扱う企業に対して採算性と生産余力の確認
機能区分として引き上げ対象とならない場合は、製品仕様の違いや医療現場の使い分けにより機能区分の細分化
「イ 保険医療上の必要性が高いこと(関係学会から医療上の必要性の観点からの継続供給要請があるもの等)」
• 要望書の入手が難しいがその他の要件は満たすことが明らかな場合には下記のいずれかをご了解いただきたい
厚労省から学会に対して働きかけていただく
ガイドライン上当該製品が標準治療として明記されている場合には、学会からの要望書に替えることができる
「ウ 材料価格が著しく低いこと(保険償還価格と市場実勢価格の乖離率が大きい場合を除く)」
• 償還価格を上回る価格での販売(逆ザヤ)が不採算選定の必須条件とはなっていないことを明確化していただきたい
• 逆ザヤの製品に限らず、以下のような製造企業において利益の確保が困難になり安定供給に支障が生じる場合ついても対象
となり得ることを明確化していただきたい
予期せぬ設備トラブルなどによる新たな投資が必要になる場合
生産継続のため設備老朽化に伴う設備更新が必要な場合
規制の変更等により原材料の変更が必要となり、薬事的な対応により生産コストが上がることが明確な場合 等
9
1. 安定供給の確保に向けた対応
(2) 安定確保が求められる医療機器への対応
【再掲】 令和5年7月26日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より
1. イノベーションに対する評価等について
(1) 臨床上有用な医療機器等に対する評価について
価格改定後も安定的な供給を維持できるよう、その後の価格の再算定においても配慮する仕組み
について検討してはどうか 。
特定保険医療材料は、医薬品の最低薬価や基礎的医薬品のような価格を下支えする制度がな
く、改定の度に継続的に償還価格が下がるため、安定供給確保の観点から保険医療材料等専
門組織の意見に賛同する。ただし、医療機器の特性に応じた制度の検討をお願いしたい。
【提案】
医療上必要な医療機器の安定供給を確保するため、不採算に陥って供給困難になる前に償還
価格を下支えする制度を検討いただきたい。
【安定確保特定保険医療材料(仮称)】
次のいずれかに該当する特定保険医療材料は「安定確保特定保険医療材料(仮称)」とし
て、償還価格の引下げを行わない。
⁻ 不採算要望が認められ、償還価格が引上げられたもの
⁻ 関係学会・業界等から要望されたもの
10
1. 安定供給の確保に向けた対応
(3) 原材料・部材価格等の高騰への対応
(1/2)
【現状・課題】
特定保険医療材料の医療機関への販売価格は、償還価格が上限目安となるため価格転嫁が難
しいが、安定供給を継続するために、原価高騰分を価格に転嫁する製品が多数みられている。
(価格に転嫁した、転嫁する予定:42%、償還価格より高く販売:45%)
物価高騰等による医療機関への影響も多く報告*される中、価格への転嫁は医療機関の負担に
もなっている。
一方で、値上げにより安定供給を確保したとしても基準材料価格改定の原則#により、改定前の
価格を超えることはできないとされているため、結果的に価格への転嫁は十分に反映されない。
*:国立大学病院長会議、全日本病院協会 等 #:「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について(保発0209第3号 令和4年2月9日)
図6-1
医療機関の負担あり
安定供給への懸念がなくなる程
度の利益を価格転嫁により確保
11
1. 安定供給の確保に向けた対応
(3) 原材料・部材価格等の高騰への対応
(2/2)
【提案】
実勢価格調査による改定価格の算出結果が改定前の償還価格を超える場合は、その算出結果
を改定後の基準材料価格としていただきたい。そのために、基準材料価格改定の原則#にある「た
だし、当該機能区分の基準材料価格改定前の基準材料価格を超えることはできない」を削除し
ていただきたい。
医療現場への影響を把握するために、実勢価格調査における逆ザヤとなる機能区分数等を公表
いただきたい。
#:「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について(保発0209第3号 令和4年2月9日)
図6-2
医療機関の負担を解消
安定供給への懸念がなくなる程
度の利益を価格転嫁により確保
12
1. 安定供給の確保に向けた対応
(4) 外国価格調整の見直し
(1/6)
令和5年7月26日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より
(1) 価格調整の比較水準について
新規収載品に係る外国価格調整の比較水準については、「外国価格の相加平均の 1.25倍を上
回る場合に 1.25 倍の価格」等としているが、イノベーションの適切な評価及び安定供給の維持に
配慮しつつ、医療保険財政及び患者負担の軽減の観点 から、比較水準や外国平均価格の算出
方法の見直しについて検討してはどうか。
(2) 再算定について
再算定に係る外国価格調整については、「外国平均価格の1.25倍を上回る場合に 1.25倍の価
格」等としつつ、引き下げ率について 50%の上限を設けているが、イノベーションの適切な評価及び
安定供給の維持に配慮しつつ、医療保険財政及び患者の負担の軽減の観点 から、比較水準や
外国平均価格の算出方法の見直しについて検討してはどうか。
いずれについても外国価格再算定の企業に対する影響を考慮すると賛同することは難しい。
13
1. 安定供給の確保に向けた対応
(4) 外国価格調整の見直し
(2/6)
【背景・課題】①
既収載品の外国価格による再算定制度は、継続的に厳格化(比較水準倍率の引下げ、外れ
値除外ルール*の導入および同ルール内の係数引下げ)が続いている。
導入当初の外国価格調整(外れ値除外ルールなし)下で算出した外国平均価格比は、2020
年に1.1倍以下となっており、内外価格差は減少している。
令和2年度の制度改定において、改定価格前の50%が引下げの下限値となり、大幅な引下げが
なされた場合の企業経営に対する負担は大きく、不採算になる企業や販売を終了(撤退)する
企業も発生した。また、一部企業では製品販売価格を償還価格まで引下げられず、結果として
医療機関の負担になると考えられる。
外国価格調整により不採算に陥った事例
(令和4年度改定)
再算定対象に 価格調整 不採算 企業対応
外れ値除外ルールが 50%の償還価格 企業は十分な利益 A社:不採算要望提出
適用 引下げ を得ることができず
B社:販売終了(撤退)
119 機械弁 改定前 改定後 不採算に
772,000円 386,000円
*外れ値除外ルール:海外の参照国の価格のうち、一定の条件に該当する国の価格(比較的高い価格)を、平均値算出計算から除外する。これにより、一般的
には単純な相加平均と比較して、外れ値を除外した計算は外国平均価格が低い可能性が高い。 14
1. 安定供給の確保に向けた対応
(4) 外国価格調整の見直し
(3/6)
【背景・課題】②
外国価格調整の趣旨は、海外の製品価格と適正に比
較することであるが、製品販売数が多い米国のような国
が計算から除外されることが起こりうる外れ値除外ルール
により適正な比較となりえていない。
アメリカ :43.34%
イギリス、ドイツ、フランスの合計:13.63%
出典:令和5年5月25日 経済産業省「医療機器産業と取り巻く課題について」
【背景・課題】③
原材料等の価格高騰を販売価格に転嫁し、逆ザヤとな
ることにより、市場実勢価格/外国平均価格が1.25倍
を超える再算定による引下げを受けやすくなる。
逆ザヤでの販売が継続された場合、再び再算定の対象
となり、逆ザヤの幅が増大することになる。
その結果、医療機関の負担が大きくなることが懸念され
る。
15
1. 安定供給の確保に向けた対応
(4) 外国価格調整の見直し
(4/6)
【背景・課題】④
海外における日本との流通環境の違い
メーカー・販売業者が医療機関に対してさらなる安定供給の実現や適正使用支援を手厚くする
必要がある等の理由により、日本における製品提供コストが高くなっている。
医療機能の分散化等を背景として、メーカー・販売業者が医療機関に対して適正使用支援を手
厚くする必要がある等の理由により、日本における流通関連費用は海外に比較して高く、外国価
格の相加平均価格を下回ると製品供給が難しくなる可能性が高まる。
日欧における医療機器1個あたりのコスト比較(2009) 日欧における医療機関集約度および流通・適正使用支援の比較
出典;AMDD委託による三菱総研調査(2009)
16
出典;AMDD委託によるLEK調査(2015)
1. 安定供給の確保に向けた対応
(4) 外国価格調整の見直し
(5/6)
医療機器流通形態の特徴と費用負担の内外差(整形外科製品での事例)
国内)短期貸出*の場合、製品の出荷・使用・回収が繰り返され、物流費用が負担となっている。
整形領域では180製品が出荷されるも、使用されるのは4製品のみと報告されている(第84回中医協材料部会資料より)
「メーカー」→「代理店」→「病院」の一方通行ではなく、「病院」→「代理店」→「メーカー」の「戻り」
繰り返される検品業務・流通在庫の増加・使用期限切れによる年間廃棄等の費用はメーカー・代理店の負担
2024年問題**による物流費用の高騰が追加的な負担になることが懸念される。
欧州各国)製品は医療機関への売切りが中心であり、メーカーには在庫負担のリスクは基本的に
なく、また、短期貸出しのような多くの手間と費用が行われることはなされていない。その主な理由は、
症例の集約化である(16ページ参照)。
*短期貸し出し:症例に応じた貸出しで、使用されなかった製品は返送される。なお、医療材料の症例全てに当てはまるわけではなく、整形製品においてもその他の物流形態も存在する。
17
**2024年問題 トラックドライバー等の時間外労働時間の上限の制限による物流に発生する諸問題
1. 安定供給の確保に向けた対応
(4) 外国価格調整の見直し
(6/6)
【提案】
更なる価格の下落による企業経営の悪影響を回避し、安定的な製品供給を継続させるためにも、
外国価格調整は新規収載時を原則とし再算定制度は廃止を希望する。
廃止まで一定の時間が必要な場合においては、企業負担の軽減を図る目的で、外れ値除外ルー
ルを適用しない相加平均での外国価格比が1倍以下の場合は引下げを行わない、および50%
の引下げ上限の緩和を希望する。
日本の製品と同等の製品の海外で存在しない場合や、米国のような販売数量の大きい国を除い
て、比較的販売数量の小さい国のみの価格を比較することで外国での一般的な価格から乖離する
可能性がある場合など、適切な価格比較とならない外れ値除外ルールは廃止すること希望する。
病院納入価格が償還価格を超過している(逆ザヤ)機能区分は、安定供給の観点から外国価
格再算定制度の対象区分から除外することを希望する。
将来的な為替変動の可能性や集約度が海外と異なることによる追加的経費等が高まることなどを
踏まえて、比較水準である1.25倍の見直しを行わないことを希望する。
18
1. 安定供給の確保に向けた対応
(5) 新規収載品の基準材料価格の算定ルール見直し
新規収載品の基準材料価格は、原則として類似機能区分比較方式で算定されるが、その価格
が外国平均価格の0.5倍以下となる場合には、安定供給の観点から、原価計算方式での算定
を申請できる、ある種の救済ルールが存在する。
しかし、外国未発売の製品は外国価格が無いため、本ルールの適応とならない。
【提案】
外国で未発売の製品についても安定供給を確保するために、相応する救済ルールを設定して頂
きたい(例えば、類似機能区分比較方式では原価算定方式で算定される価格の0.5倍を下回
る場合など)。
【事例】 原価計算で申請したが、日本発の製品で外国価格が存在していなかったため類似比較方式が採用
された結果不採算となり、後に不採算申請で引上げられた。
審議結果 再算定結果
企業希望
(2021年新規収載時) 2022年
類似機能
算定方法 原価計算 算定方法 不採算 原価計算
区分比較
申請
①266,000円
希望価格 償還価格 ③91,500円 ③265,000円
②250,000円
製品例)Accurio 変形矯正システム 帝人ナカシマメディカル株式会社
①橈骨遠位端プレート及び上腕骨遠位端プレート、 ②橈尺骨骨幹プレート、 ③変形矯正プレート
19
1. 安定供給の確保に向けた対応
(6) 安定供給に関するその他の保険医療材料等専門組織からの意見について
令和5年7月26日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より
4. その他
(3) 医療機器の安定的な供給について
「医療機器の保険適用等に関する取扱いについて」において、製造販売業者は安定供給が困難な
事態に至るおそれがある場合には厚生労働省に対し遅滞なく報告することとされている。
患者に対し必要な医療機器が安定的に確保されるためには、速やかな報告に加えて、安定供給が
困難な事態に至るおそれがある場合等に代替品等が確保されることが重要であり、保険適用されて
いる代替品を製造する製造販売業者等が安定供給に協力する仕組みの在り方等について検討し
てはどうか。
保険医療材料等専門組織からの提案について、医療機器業界としても新たな仕組みの在り方等
の検討に協力したい。
20
2. イノベーション評価の見直し
(1) チャレンジ申請について
(1/2)
令和5年7月26日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より
1. イノベーションに対する評価等について
(2) チャレンジ申請について
保険収載後にチャレンジ申請を希望する医療機器の製造販売業者は、チャレンジ申請により再評
価を希望する内容のデータ収集方法及び評価方法に係る計画の参考となる資料について、新規
収載に係る保険適用希望書と併せて提出することとされている。
チャレンジ申請の対象については、既存品に対する追加的な臨床的有用性が期待されるものの、そ
れを検証するために長時間を要する場合など、使用実績を踏まえた再評価が真に必要なものについ
て再評価するという制度の趣旨を踏まえつつ、プログラム医療機器への対応の観点も含め、必要な
見直しについて検討してはどうか。
保険医療材料等専門組織からの意見に対し、賛同する。
医療機器においては治験が実施されないものが多く、保険申請時に試験実施への投資判断、試
験計画の立案が間に合わないことがあること、また、発売後に一部変更を伴わない新たな有用性の
知見がアカデミア等から出される場合に現行ルールではチャレンジ権が取得できない。
【提案】
保険申請時から一定期間は、チャレンジ権の希望が行える制度へ変更を希望する(22ページ)
既存製品(B1として希望する場合を含む)について、チャレンジ権の付与に係るプロセスおよび提
出資料を簡素化を検討頂きたい。
21
2. イノベーション評価の見直し
(1) チャレンジ申請について
(2/2)
<初回B1申請にチャレンジ権を希望する流れ>
保 チ
保 承 保
険 ャ
険 認 険 発 申
適 レ
申 取 申 売 請
用 ン
請 得 請
・ ジ
権チ
チ チ
現 のャ 保険申請までに投資の決定と 権ャ 権ャ 定
希レ 試験計画の作成必要だが、 希レ 取レ 期
行 報
望ン 完了させるのは困難 望ン 得ン
告
ジ ジ ジ
と企 試
臨
プ業 投 験 論
決 作 床
ロの 投資の検討 資 計 文
定 成 試
セ思 の 画 化
験
ス考 の
保 チ
保 承 保
険 ャ
険 認 険 発 申
適 レ
申 取 申 売 請
用 ン
請 得 請
・ ジ
権チ
チ チ
提 のャ 権ャ 権ャ 定
期
案 希レ 一定期間 希レ 取レ 報
望ン 望ン 得ン
告
ジ ジ ジ
と企
試
プ業 臨
投 験 論
ロの 決 作 床
投資の検討 資 計 文
セ思 定 の 成 画 試 化
験
ス考 の
22
2. イノベーション評価の見直し
(2) 医療費削減効果による価格調整
(1/4)
令和5年7月26日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より
1. イノベーションに対する評価等について
(1) 臨床上有用な医療機器等に対する評価について
既存の医療機器と比較して臨床的な有用性が同等以上であって効率性等の改善により費用を削
減するような画期的な医療機器や、再製造単回使用医療機器 について、医療保険財政の観点
も踏まえ市場導入が促進されるよう、評価のあり方について実態を踏まえつつ 検討することとしては
どうか。
効率性等の改善により費用を削減するような画期的な医療機器を適切に評価することについて賛
同する。
23
2. イノベーション評価の見直し
(2) 医療費削減効果による価格調整
(2/4)
【背景・課題】
一部の革新的な医療機器は、臨床的有用性のみならず、特定保険医療材料の費用を削減する
効果をもたらす
既存製品を類似製品とした場合、現行制度下では一定の加算が付与されたとしても、既存製品を
販売して得られていた利益に届かない場合も存在する。
材料価格の観点から、企業及び医療機関にとって既存の製品を継続して使用するほうが経済的メリ
ットをもたらす場合があり、革新的な医療機器の導入が進まない可能性がある。
【提案】
革新的医療機器の臨床的効果等を患者が速やかに享受するために、これらの機器がもたらす医療
費の削減効果を評価し、速やかな製品の切り替えを促す制度を希望する。
• 新規製品が既存製品と同等の臨床効果を得られ、かつ材料費用が一定金額以下に削減する場合、削減費用の一部を新
規製品へ加算。(以下、イメージ(図の「医療費削減効果からの加算」)
提案イメージ
利益
販管、流通費等 費用削減
医療費削減効果から加算
製造原価
利益 利益
(医療費削減効果がある製品の導入
2製品の価格
利益 販管、流通費等 販管、流通費等
に対する企業インセンティブ)
販管、流通費等
製造原価 製造原価
製造原価
既存製品 新規製品 新規製品
24
(現行制度下) (提案制度下)
2. イノベーション評価の見直し
(2) 医療費削減効果による価格調整
(3/4)
【事例①】日本導入済みの事例
087 植込型脳・脊髄電気刺激装置 (7) 振戦軽減用(16極以上用)充電式
パーキンソン病等の深部刺激療法(DBS)では、両側性の症状に2本のリードを使用する。以前は、刺激装
置2個が必要であったが、改良により、リード2本を刺激装置1個に接続することで治療が可能となった。
加算要件に経済性の要素がないことから、C申請では感染リスクの低減や患者の身体的負担の低減が評価
され、15%の加算がついたが企業の希望価格を大きく下回った。
既存材料を用いたシステム 新規材料を用いたシステム
2個の刺激装置及び2本のリード 1個の刺激装置及び2本のリード
<企業の収益への影響>
既存デバイスの償還価格は294万円(2個分)で、1個
になると15%加算でも207万円であった。
製品改良のための研究開発費用を要した事等による原価
の上昇や新製品導入のための医師トレーニング費用などが
生じることを考えると、企業にとって15%の加算は十分では
ない状況であった。
25
2. イノベーション評価の見直し
(2) 医療費削減効果による価格調整
(4/4)
【事例②】日本未導入の事例(側弯症の材料費比較)
医療機器のイノベーションにより、同等の効果を得つつ、医療材料の使用数を削減することが可能(側弯症のう
ち、特定の範囲の治療が適応)。
新製品は腹腔鏡下で手術が可能であることから、既存製品を用いた(開腹)手技に比較して患者の負荷が
軽減される。
革新的医療機器であるが、研究開発コストも追加的に必要となり、十分な価格評価が得られないと導入が進ま
ない可能性がある。
既存の機能区分製品を用いた場合 新しい製品を用いた場合(日本未導入)
償還価格 使用数
想定される
機能区分 償還価格 使用数 計 (加算が無い (米国での 計
機能区分
場合) 使用数)
脊椎ロッド
脊椎ロッド 36,500 ×2 73,000 36,500 ×1 36,500
(テザー)
脊椎スクリュー・
脊椎スクリュー・ 79,100 ×8 632,800
79,100 ×16 1,265,600 固定型
可動型
トランスバース 脊椎固定用材料
61,600 ×2 123,200 36,200 ×8 289,600
固定器 椎体ステープル
合計 1,461,800 合計 958,900
ロッド2本 テザー1本
26
3. その他
その他の保険医療材料等専門組織からの意見について
令和5年7月26日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より
1. イノベーションに対する評価等について
(1) 臨床上有用な医療機器等に対する評価について
臨床データ等を踏まえた実際の有用性に基づいた革新的な医療機器に対する評価を引き続き推
進するとともに、薬価制度も参考に、原価計算方式の際の研究開発費の取扱いのあり方について
検討を進めていくこととしてはどうか。
【業界意見】
原価計算方式の際の研究開発費の取扱いを検討する際には、イノベーションの促進にブレーキがか
かることのないように配慮いただきたい。
例えば、薬価の原価計算制度では、医薬品業界の平均値を参考に研究開発費を希望することに
なっているが、医療機器は臨床試験を行う場合と行わない場合等で、研究開発費に大きなバラツ
キがあるので、医療機器の特性に配慮した取扱いにしていただきたい。
27
3. その他
その他の保険医療材料等専門組織からの意見について
令和5年7月26日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より
4. その他
(1) 既存の機能区分の見直し
臨床上の位置づけや安定供給の観点等を踏まえ、市場実勢価格や市場規模等にも配慮しつつ、
機能区分の細分化、不採算、合理化及び定義の見直し等について、保険医療材料等専門組織
で検討することとしてはどうか。
C申請により新たに区分が設定されたものを、既存の区分と統合すること(合理化)は、イノベーテ
ィブな製品の価格を引下げ、そうではない製品の価格を引上げるというイノベーション評価と逆行した
制度と言える。
過去に合理的な根拠が示されないまま合理化された事例があった。
【提案】
合理的な根拠に基づく機能区分の見直しまで否定するものではない。合理化の検討に至った具体
的な理由を共有いただくことで、機能区分見直しの透明性・予見性の確保をお願いしたい。
C区分で新規に設定された機能区分は、一定期間を経るまでは区分の見直しは行わないでいただ
きたい。
28
3. その他
その他の保険医療材料等専門組織からの意見について
令和5年7月26日 材料専門部会 保険医療材料等専門組織からの意見より
4. その他
(4) 保険適用の手続きについて
医療機器の保険適用希望のうち区分B2(既存機能区分・変更あり)として希望のあったもの及
び体外診断用医薬品の保険適用希望のうち区分E2(既存項目・変更あり)として希望のあった
ものについて、内容が軽微な変更にとどまる場合は、保険医療材料等専門組織への報告によって
保険適用される場合があることについて明確化してはどうか 。
保険医療材料等専門組織からのご提案に賛同する。
【提案】
区分A3(既存技術・変更あり)も区分B2と同様の検討をお願いしたい。
保険医療材料等専門組織へは基本的に報告とし、例外的なもののみ審議される仕組みにしてい
ただきたい。
29
中医協 材-2
5 . 8 . 3 0
中央社会保険医療協議会
保険医療材料専門部会
意見陳述資料
医療機器・医療技術
2023年8月30日
(一社)日本医療機器産業連合会(JFMDA)
(一社)米国医療機器・IVD工業会(AMDD)
欧州ビジネス協会(EBC)医療機器・IVD委員会
1
本日の提案内容
P.2-P.16
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上
(2)技術料包括医療機器のニーズ検討会等に係る評価
(3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について
2.プログラム医療機器等の保険上の評価について
P.17-P.40
(1)技術料での評価:予見性の向上(評価の観点等の明確化)
(2)特定保険医療材料としての評価①:要件の明確化
(3)特定保険医療材料としての評価②:原価計算等における扱い
(4)医療従事者の労働時間を短縮させるプログラムの普及への制度的後押し
(5)保険外併用療養費制度の活用等
2
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上
【背景・現状】
① 革新的医療機器を早期に国内へ上市するためには、企業にとって収益の予見性、投資回収の
見込みの向上は必要不可欠である。【参考資料P.5、P.6参照】
② 特定保険医療材料については、既存の機能区分の定義が示されており、新規機能区分への該
当性の判断をしやすい。また価格設定や加算の考え方、定量的評価方法が通知等で明示されて
おり、価格の予見性が立てやすい。
③ 一方、技術料包括医療機器の場合は、C2(新規技術)への該当性の考え方や、技術料(価
格)の考え方が示されておらず、特に改良医療機器の場合、どの程度の改良であればC2申請
が妥当であるかの判断や、準用技術料で設定される価格の予見性を立てることが困難である。
④ 「令和4年度医療機器・体外診断用医薬品の保険適用に関するガイドブック」で技術料の
予見性に関連して、準用技術の選定に関する考え方の追記を行って頂いたところ。(P.4)
【提案】
① C2(新規技術)への該当性について、機器に係るどのような有用性ポイントが認められれ
ばC2新技術として評価されるのか、考え方を通知等でお示しいただけないか。
例)特材定量的評価に相当する有用性ポイントや技術料包括機器特有のポイントを明示
(デジタル化・均てん化等) 【参考資料P.7参照】
② ガイドブックでお示し頂いた準用技術の選定の妥当性に関する考え方や、またアウトカム向
上等により見込める準用技術料への上乗せ評価の基準について、通知で発出して頂きたい。
特に有用性が客観的に示されている場合等は既存技術料の上乗せの可能性があることを明示し
て頂きたい。
③ 過去のC2評価事例や有用性の評価方法等をもとに、どういった点の有用性がどのように評価
されるのか等、予見性向上に資する情報提供、情報開示をご検討頂きたい。
3
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上
令和4年度 医療機器・体外診断用医薬品の保険適用に関するガイドブック(抜粋)
(準用技術)
●準用技術の選択については、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の「外保連
試案2020」、内科系学会社会保険連合(内保連)の「内科系技術についての診療
報酬評価に関する提案ver.1」等をふまえてコストを試算し、近い内容の技術を準
用先とするのが基本的な考え方となります。
●また、申請製品を用いた臨床試験成績等が既存治療より高い治療成績等により申請
製品の有用性が客観的に示されている場合には、それらの成績等を踏まえ、既存治
療とは異なる技術料を準用先として希望するという考え方もあります。
●加えて、既収載品とは原理等が異なる医療機器であったとしても、手技としては同
様の手技が実施される場合もあり、申請製品の有用性も考慮した上で、手技の類似
性を踏まえ既存治療の技術料を準用先として希望するという考え方もあります。
●以上を踏まえ、申請製品における治療成績、対象患者や手技等の類似性、コスト等
を踏まえて、適切と考える準用先を設定します。
4
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
参考資料
(1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上
予見性の向上、イノベーションの適切な評価により、日本発医療機器の
普及・促進に繋がる
一般的な医療機器開発プロセス
製品 マーケ 申請 薬事申請
ニーズ 開発
コンセプト ティング データ 製品立ち 保険申請 販売
探索 試作
立案 調査 取得 上げ
市場導入判断
・疾患動向、競合状況、診療報酬情報等をもとに事業性を予測
・採算性の悪いテーマ、見通しが悪いテーマは市場導入を断念
⇒ イノベーションが医療現場へ届かない結果となる
5
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
参考資料
(1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上
6
《出典:「「国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する基本計画」の変更について」令和4年5月31日より抜粋 》
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
参考資料
(1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上
<改良技術評価の視点(例)>
イ 構造等における工夫により、当該医療機器を使用した技術が類似技術に比して、職業感染リスクの低減な
ど医療従事者への高い安全性を有することが、客観的に示されていること。
ロ 類似技術に比して、当該新規収載品の使用における環境に及ぼす影響が小さいことが、客観的に示されて
いること。
ハ 構造等における工夫により、当該医療機器を使用した技術が類似技術に比して、患者にとって低侵襲な治
療が可能となることや合併症の発生の減少、検査・診断性能の向上により患者の負担が少ない治療選択が
可能となること、リスク等の情報共有の推進、医療過誤の防止などにより、より安全かつ有効な検査・診
断・治療をできることが、客観的に示されていること。
ニ 小型化、軽量化、設計等の工夫により、当該医療機器を使用した技術がそれまでの技術に比して、小児等
への適応の拡大が客観的に示されていること。
ホ 構造等の工夫により、当該医療機器を使用した技術が類似技術に比して、より安全かつ簡易な手技、術者
の身体的・精神的負担軽減や術者の技術レベルの均てん化が可能となること、医療提供体制の維持のため
に診療時間の短縮や検査の削減や入院日数の短縮など医療の生産性向上が可能となること等、医療従事者
の働き方改革に資することが、客観的に示されていること。
ヘ 構造等の工夫により、当該医療機器を使用した技術が類似技術に比して、形状の保持が可能になるといっ
た耐久性の向上や長期使用が可能となること、客観的に示されていること。
ト 構造等の工夫により、当該医療機器を使用した技術が類似技術に比して、操作性等が向上し、患者にとっ
て在宅での療養を安全かつ容易とすることが、客観的に示されていること。
チ 人その他生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料(以下「生物由来原料等」という。)とし
て用いた類似医療機器に比して、全ての生物由来原料等を除いた場合で、かつ、同等の機能を有すること
が客観的に示されていること。 等 ※ 構造等にはソフトウェアも含む
7
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(2)技術料包括医療機器のニーズ検討会等に係る評価
【背景・現状】
① 「医療ニーズの高い医療機器」として開発公募・要請が行われる医療機器には、小児を対象
とした製品など、対象症例が少ないケースも多く、企業が開発に応じるには、開発コストが回
収でき、安定的な供給が可能となる技術料、償還価格が設定される見込みが立つことが必要で
ある。
② 特定保険医療材料については、外国価格調整の比較水準の緩和、原価計算方式の適用の緩和
(外国価格比0.8)、機能区分の特例の設定などの配慮が行われているが、技術料包括医療機
器については、こうした採算性の確保のための措置がされていない。同様に先駆的医療機器、
特定用途医療機器として指定された品目についても、特定保険医療材料では加算等の配慮が
行われている。
③ アンメットニーズに対応し小児や症例数が少ないケースにも適切な診断・治療機器を安定的
に供給し、また画期性の高い製品を適正に評価する観点から、技術料包括医療機器についても
開発公募・要請に応じて開発された製品の評価に配慮いただくとともに、採算性確保の観点か
ら加算等がなされることを明示いただけないか。
④ 第120 回中医協保険医療材料専門部会にて、臨床上有用な希少疾患等に用いる医療機器及び
体外診断用医薬品の採算性確保に向けた評価の検討について論点をお示し頂いたところ。
【提案】
① ニーズ検討会における検討結果を踏まえ厚生労働省が行った公募に応じて開発された技術料
包括医療機器、また同製造販売業者から一定条件(P.10特材と同条件)を満たし当該公募
品目の次に保険適用希望書が提出されたもの、また先駆的医療機器、特定用途医療機器と
して指定された品目に関し、採算性確保、安定供給、イノベーション評価の観点から、当該
品目が算定する対象技術に加算等の評価の仕組みを構築いただけないか。
② 本評価が対象となる品目に関し、「特定診療報酬算定医療機器の定義等」の通知で明示し、
運用いただけないか。
8
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(2)技術料包括医療機器のニーズ検討会等に係る評価
【参考】「超音波内視鏡下胆道ドレナージ」ニーズ品選定品
①ディスポーザブル吸引生検針(A社)
穿刺針
②Medi-Globe 内視鏡用吸引生検針(B社)
③ES ダイレータ(C社)
④ディスポーザブル内視鏡通電ダイレータ(B社)
ダイレーター
⑤ディスポーザブルCysto ガストロセット(D社)
⑥カネカ胆管拡張バルーンREN(E社)
⑦造影用カニューレ(F社) カテーテル
⑧Niti-S 胆管用シリコーンカバードステント(G社)
⑨ウォールフレックスビリアリーフルカバーステント(H社)
⑩ウォールフレックスビリアリーパーシャルカバード ステント(H社)
⑪ERBD ステント(Zimmon Biliary Stent)(I社)
瘻孔補綴材
⑫GF ステントセット(Through and Pass stent Series)(J社)
《出典:「第31回 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する 検討会」令和3年1月22日より抜粋・改編 》
・一連の手技において複数社の多種多様な内視鏡処置具が使用される手技であり、ニーズ品
対応前の適応において、特材で扱われるものと技術料包括医療機器で扱われるものが混在
・一変等の薬機承認対応、保険申請後も特材と技術料包括医療機器が混在すると予測
⇒ 対応製品や対応企業により、採算性の確保のための措置にバラツキが生じる可能性あり
9
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
参考資料
(2)技術料包括医療機器のニーズ検討会等に係る評価
(※)ニーズ検討会に係る特定保険医療材料の評価要件
《出典:「平成28年度 保険医療材料制度改革の概要」厚生労働省資料より抜粋 》
10
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について
【背景・現状】
① 医療技術評価の審議を行う場の明確化として、保険適用希望内容のうち全部又は一部を
医療技術評価分科会で審議を行うこととなった。
② 本制度の導入は「審議を行う場の明確化」との認識。しかし現状は試行段階であり、どのよ
うな条件のものが医技評の審議対象となるか、また従前の基準でA3、C2区分で処理されて
いたものの取り扱いに変更が生じる可能性等が必ずしも明確になっていない。
(業界懸念事項 P.12~P.14参照)
③ 本件は医療機器に関わる申請であり、保材専では企業の意見陳述の場が設定されている。
一方で医技評分科会ではそのような場は設定されない予定と伺っている。
【提案】
① 本制度の対象となる「保材専において医技評分科会にて審議することが適当とされるもの」
の条件や基準に関して、申請前に企業が予見できるよう通知で明確化して頂きたい。
② 従前の基準でA3、C2区分で処理されていたものに関し、保険適用時期等において、患者へ
のイノベーション提供がこれまでと比べ遅延や不都合が生じないよう制度設計頂きたい。
(案)「保材専審議での準用技術料による保険適用は従前のように年4回の収載機会を維持しつ
つ、当該医療技術を正規の技術料として評価する際には改定前に医技評の審議にかける」
③ 医技評分科会での審議対象品は企業から医療技術評価提案書を提出すると伺っており、
審議体とのコミュニケーション機会を設けることで建設的な運用になると考えられ、医技評分
科会での企業意見表明や不服時に取り下げだけでなく再申請等の取り扱いをご検討頂きたい。
11
業界懸念事項
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について
(分科会での審議を求める技術として想定されるもの)
① 当該医療機器等を用いた技術を評価する場合に、類似する既存技術に対する評価と
の整合性の観点から、当該既存技術に対する評価を同時に見直す必要があるもの
② 当該医療機器等を用いた医療に関する医療提供体制(オンライン診療、在宅医療等)
のあり方について検討が 必要なもの(医科点数表第2章第2部第2節「在宅療養指導管
理料」に新たな技術料を設定するものを含む。)
《出典:「中央社会保険医療協議会 総会(第538回) 令和5年2月15日 」より抜粋 》
これまで保材専審議により、期中に適宜準用技術料で保険適用されていた
「C118 在宅腫瘍治療電場療法指導管理料」「C173 横隔神経電気刺激装置加算」、
「C175 在宅抗菌薬吸入療法用ネブライザ加算」などの対象医療機器に関し、
今後保険適用時期の遅延など取扱いに変更が生じることを懸念。
12
業界懸念事項
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について
(想定事例①)準用技術保険適用の比較
(1)従前のタイムスケジュール
・保材専審議の翌月に中医協総会で審議され、承認されれば
改定① 改定②
年4回のタイミングで準用技術として保険適用
20☓☓年4月 20 年4月
◎◎
保材専 (6月) 新規
製品A 審議 準用技術保険適用 保険適用
(4月)
(4月)
(2)本制度導入後のタイムスケジュール(一部が医技評分科会での審議対象)
改定①
・保材専審議部分は年4回のタイミングで準用技術で保険適用
改定②
・医技評審議分は直近の改定まで保険未適用
20☓☓年4月
20 年4月
◎◎
保材専 (6月) (保材専審議部分)準用技術保険適用 新規
審議 保険適用
製製品品AA
(4月) (医技評審議部分)約22ヶ月間保険未適用(>240日)
(4月)
(240日間のみ保険外併用療養費?)
・従前は保材専と中医協総会の審議後、原則年4回の頻度で準用技術として新規保険適用。
・本制度導入後、医技評分科会の審議部分に関しては直近の改定タイミングまで新規保険適用
とならず、イノベーション提供遅延、患者負担増、企業の市場導入判断への影響等も懸念。
13
業界懸念事項
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について
(想定事例②)改定直前審議案件の保険適用時期比較
(1)従前のタイムスケジュール
改定① 改定②
保険適用まで約3ヶ月間
20☓☓年4月 20▲▲年4月 20 年4月 20■■年4月
◎◎
保材専 新規保険適用
製品B 審議
(4月)
(11月)
(2)本制度導入後のタイムスケジュール(全部が医技評分科会での審議対象)
改定① 改定②
20☓☓年4月 20▲▲年4月 20 年4月 20■■年4月
◎◎
保材専 保険適用まで約27ヶ月間(>240日) 新規
製品B 審議 保険適用
(11月)
(240日間のみ保険外併用療養費?) (4月)
・本制度導入後、保材専審議時期により新規保険適用まで従前より2年以上追加期間を要する。
・保険外併用療養費も活用できるが、最大240日間の期限を越えてしまうケースが発生。
・イノベーション提供遅延、患者負担増、企業の市場導入判断への影響等も懸念される。
14
参考資料
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について
《出典:「中央社会保険医療協議会 総会(第538回) 令和5年2月15日 」より抜粋 》 15
参考資料
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について
平成18年度実施の保険医療材料制度見直しの内容(案)
《出典:「中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会(第26回) 平成18年1月25日 」より抜粋 》 16
本日の提案内容
P.2-P.16
1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について
(1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上
(2)技術料包括医療機器のニーズ検討会等に係る評価
(3)保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について
2.プログラム医療機器等の保険上の評価について
P.17-P.40
(1)技術料での評価:予見性の向上(評価の観点等の明確化)
(2)特定保険医療材料としての評価①:要件の明確化
(3)特定保険医療材料としての評価②:原価計算等における扱い
(4)医療従事者の労働時間を短縮させるプログラムの普及への制度的後押し
(5)保険外併用療養費制度の活用等
17
2.プログラム医療機器等の保険上の評価について
(1)技術料での評価:予見性の向上(評価の観点等の明確化)
【背景・現状】
① 令和4年度診療報酬改定において、プログラム医療機器の評価方法に関し、いくつかの具体
例を挙げた上で、「加算として評価しうる」など評価の考え方についてお示し頂いた。
② 併せて「専門医と同等の能力を有するもの」、「医師の働き方改革の視点を踏まえて、医師
の診療をサポートすることにより、より少ない医療従事者で同等の質が確保できる場合には、
施設基準等に反映することもありうる。」とお示し頂いたが、そもそも施設基準等が存在
しない技術(内視鏡検査等)に対する評価方法は明確になっていない。
③ 特に予見性の低い技術料での診療報酬上の評価に関するさらなる予見性向上が不可欠であり、
前回改定において業界団体より評価軸や評価係数などの例示が行われている。
④ 第120回保険医療材料専門部会にて、「臨床上の有用性を含め、どのような観点で評価が
されるのかについて明確化していくことは重要ではないか。」とお示し頂いたところ。
【提案】
① 多額の投資を要する革新度の高い医療機器開発を加速するため、特に予見性の低い、技術料での診療
報酬上の評価において「加算として評価」されるための、具体的な評価軸、評価係数等を明確化して
頂きたい。
18
(1)-① 技術料包括のSaMDとアウトカム評価
出典:中医協 材-2 3.8.25 P.24 19
(1)-② 特材の評価軸の準用による予見性の向上
出典:中医協 材-2 3.11.26 P.8 20
(1)-③ 特材の評価係数の準用による予見性の向上
出典:中医協 材-2 3.11.26 P.10 21
2.プログラム医療機器等の保険上の評価について
(2)特定保険医療材料としての評価①:要件の明確化
【背景・現状】
① 第120回保険医療材料専門部会にて、「治療用として患者が主に自宅等で自ら使用するプロ
グラム医療機器については、特定保険医療材料として評価することも考えられるのではない
か。」とお示し頂いたところ。
② 同部会の出席委員より、「技術料での評価を念頭に置いた点数における加算など全体の仕組
みと調和を持って考えるべき」「治療用で患者が主に自宅等で自ら使用するプログラム医療
機器は特定保険医療材料として評価するべき」といった意見が寄せられた。
③ 特定保険医療材料の定義については、平成5年中医協建議「保険医療材料の評価方法の考え
方」に示されており、現状、関連技術料と比較して相対的に高額な単回使用医療機器が収載
されている。
【提案】
① 更新頻度の比較的頻繁なプログラム医療機器を特定保険医療材料として評価する際、機能
区分別収載における個別品目の革新性を十分に勘案頂きたい。
② 治療用として患者が主に自宅等で自ら使用するプログラム医療機器で、既に技術料で評価
される製品が利用されている実態も勘案し、これまでの評価方法との整合性から以下の製品
は技術料で評価されることを明確化頂きたい。
・使用される技術が限られているもの
・医療機関からの貸し出しの形態をとるもの
・医師による指導や管理など、技術と一体化しているもの
22
(2)-① 技術料包括の医療機器と特定保険医療材料
技
術
料
包
括
特
材
出典:令和3年1月29日 厚生労働省医政局経済課医療機器政策室「医療機器の保険適用について」 P.15に一部加筆 23
https://www.med-device.jp/pdf/20210218-kaigi_14_mhlw.pdf
(2)ー② 既収載の治療用プログラム医療機器(患者が主に自宅等で使用)
●医師による指導や管理など、技術と一体化しているプログラム医療機器は、技術料包括で
保険適用済み
24
出典:中医協 総-1-1 4.8.3
2.プログラム医療機器等の保険上の評価について
(3)特定保険医療材料としての評価②:原価計算等における扱い
【背景・現状】
① 第120回保険医療材料専門部会にて、「プログラム医療機器の特性を踏まえた原価計算の方法
の検討には、製造販売業者における、研究開発のプロセスや費用、製造に係る費用、上市後
に当該プログラム医療機器を用いた医療を保険診療において継続的に提供するために必要な
費用について他の医療機器との違いを明らかにすべきではないか。」とお示し頂いたところ。
② プログラム医療機器は、有体物である医療機器に比して、コスト構造上以下のような特徴が
知られている。
・ 製品上市後も、製品の性能・質を維持するために、インストールするデバイスのOSや外部クラウドの
断続的更新、サイバーセキュリティ対応等の開発コストが必要になる。
・ 原料費や包装材料費等、1製品を追加的に生産する費用(限界費用)が有体物に比して著しく低い場合
が多いため、研究開発費を十分に含めないと実態を適切に表すことができない。
・ 有体物の医療機器とは異なり提供方法が多様で、顧客への引渡しを伴わない媒体(USBメモリ等)を使用
する場合は、その媒体費用についても原材料費に計上する必要がある。
【提案】
① プログラム医療機器に対し、
有体物とは原価構成が大幅に異なる 「特定保険医療材料の基準材料
価格の算定における原価計算方式の係数の更新」に示される一般管理販売費等の係数の当て
はめを行わず、一定期間もしくは一定数の事例集積に基づき、適切な原材料費や研究開発費
の計上項目が勘案された係数を設定頂きたい。
25
(3)ー① 原価計算、及び継続的に提供するために必要な費用
● インフレ率を大幅に上回るSaaSコスト等の上昇
出典:https://www.vertice.one/inside-saas/saas-inflation
● プログラム医療機器に特徴的なコストの扱いに関する要望
問題点 要望・提案
原材料費 顧客への引き渡しを伴わない媒体 引渡されないUSBメモリ等も原材料費に計上可能
一般管理販売費等 研究開発費への計上が認められない販管費 一定の事例積上げ期間は一般管理販売費の係数を使用しない
上市後も継続して発生する機能向上等費用 製品販売期間におけるOSやクラウドの更新、サイバーセキュリティ対
応などの機能向上等費用を見積り、研究開発費に計上可能
AI技術開発にかかる人件費 データサイエンティスト等高額な人件費単価を実態に即し計上可能
研究開発費
他国導入後一定期間経過後の製品 日本国内の上市時に研究開発費を計上可能
1製品あたりの研究開発費の算定 税務上の償却期間である3年間の本医療機器使用患者数、もしく
は企業より提示された決裁済み企画台数により按分
26
上記問題点及び要望・提案は最重要項目です(これらに限定されません)。
2.プログラム医療機器等の保険上の評価について
(4)医療従事者の労働時間を短縮させるプログラムの普及への制度的後押し
【背景・現状】
① 第120回保険医療材料専門部会にて、「医療従事者の労働時間を短縮させるプログラム医療
機器をどのように評価すべきかについては、当該プログラム医療機器の使用により医療機関
にとっては、
・短縮した時間の分の人件費が減少しうること
・短縮した分の時間を別の診療行為に費やすことで別の報酬を得る機会を得うること
などの側面を考慮すべきではないか。」とお示し頂いたところ。
② 同部会の出席委員より、「短縮した時間の分の人件費が減少しうること、短縮した分の時間
を別の診療行為に費やすことで別の報酬を得る機会を得うることなどの側面は、働き方改革
がうたわれている中で今後重要となる視点」といった意見が寄せられた。
③ 他方で、医師の過重労働により起因して患者が死亡した例や、医療機関受診に際しての患者
の待ち時間や、緊急搬送時の受け入れ困難事例など、医療従事者の過重労働により患者の
不利益が生じている。
【提案】
① 別の診療報酬を得る機会を得うる一方で、医師の過重労働による病変見逃し等で患者死亡例が出ている
実態も勘案し、患者視点での医師の働き方改革対策へ寄与する医療機器を増点・加算等評価頂くなど、
普及を制度的に後押し頂けないか。
② 患者の待ち時間短縮や救急搬送時の受け入れ困難の解消など、患者メリットへの評価を勘案頂けないか。
27
(4)ー① 医師の働き方改革への貢献による、重要な患者不利益の解消について
事例1:医師の過重労働に起因した患者死亡 事例2:患者の待ち時間、救急搬送受入困難
2007.5 A病院泌尿器科で左腎癌摘除術
手術や検査の予約が取れず
2007.6 B病院泌尿器科外来通院開始 入院までに1週間以上かかっ
2007.11 胸部から下腹部の造影CT撮影 たとの回答
特定機能病院28.3%、大
左前肺底区(S8)の陰影の拡大傾向、長期間に渡り
病院27.6%、中病院
所見として指摘なく経過
23.2%、小病院12.4%
2012.6 所見の指摘
2014.3 肺癌により患者死亡
※関係者は泌尿器科外来医師2名、放射線科一次
救急搬送困難事案は、
読影医9名、二次読影医2名。
コロナ疑い事案数を除い
ても増加傾向が伺える
※B病院の放射線科医は、医師1人あたり国立大学
病院全国平均の約1.5倍の件数の読影を実施。
出典:令和5年度第4回 プログラム医療機器等専門ワーキンググループ資料
重要な患者不利益を解決する有力な手段として、働き方改革に寄与する
SaMDへの診療報酬上の加算等評価による普及拡大が必要
28
(4)ー②医師の働き方改革へ寄与し、病変見逃しを低減するプログラム医療機器の例
出典:中医協 材-2 3.11.26 P.15 29
2.プログラム医療機器等の保険上の評価について
(5)保険外併用療養費制度の活用等
【背景・現状】
① 第120回保険医療材料専門部会にて、「第一段階承認後においては、第二段階承認及びそれを
踏まえた保険適用に向けて、臨床現場で活用されながら、迅速なデータ収集を行うことが
重要であることを踏まえつつ、第二段階承認のためのデータ収集に係るコストは依然として
高額となる状況も考慮すると、迅速に保険診療において使用できるようにすることが必要で
はないか。 その際、現時点の二段階承認の考え方によれば、第一段階承認時点では有用性に
関する評価が限定的であり、企業が最終的に希望する保険償還価格での評価は難しいと考え
られることから、保険外併用療養費制度の活用についても検討が必要ではないか。」と
お示し頂いたところ。
② 併せて「プログラム医療機器の保険適用の期間が終了した後において、患者の希望に基づく
継続使用が考えられる場合や、診療報酬上の評価の見直しを目指して、チャレンジ申請を
行いつつリアルワールドデータの収集を行う場合について、保険外併用療養費制度の活用に
ついても検討が必要ではないか。」とお示し頂いたところ。
【提案】
① 比較的更新頻度が頻繁なプログラム医療機器に適した、柔軟な保険収載の制度運用をお願いしたい。
・第一段階承認取得時の保険外併用療養費制度の利用
・第二段階承認に向けたデータ収集コストの低減にかかる制度的後押し
・保険適用期間満了後の、保険外併用療養による継続利用
・チャレンジ申請の柔軟な運用(保険適用希望時から一定期間をおいた受付、複数回の受付)
・保険適用を受けられない製品の、開発企業の申請による保険外併用療養費制度の利用
30
(5)ー① 保険外併用療養費制度の活用等
● 柔軟性のある保険収載について
第一段階 市販;市販後に有効性、 第二段階承認申請 第二段階 保険適用期間満了後
保険適用 の保険外併用療養(*)
承認 更なる安全性を検証 有効性、安全性の再評価 承認
制度の活用
チ一試
データ収集コストの低減
ャ定験
レ期計
ン間画
保険外併用療養(評価療養) ジを策
申お定
による利用 請い等
たで
保険適用を受けら
れない製品の選定 複数回の
療養等での利用
チャレンジ申請
プログラム医療機器の扱い
第一段階承認取得時 ・保険外併用療養(評価療養)による利用
(既収載技術の存在する製品は、A1A2等での保険収載を妨げない)
第二段階承認取得時 ・臨床上の有用性を裏付けるデータ収集コストの低減にかかる制度的後押し
保険適用後の再評価 ・保険適用期間満了後の、保険外併用療養による継続利用
・保険適用希望時から一定期間をおいたチャレンジ申請受付
・複数回のチャレンジ申請受付
保険適用を受けられない製品 ・開発企業の申請による選定療養等での利用
31
参考資料
1.一般的な医療機器とプログラム医療機器の相違点
2.中医協「保材専からの意見」に対する業界の意見
32
1.一般的な医療機器とプログラム医療機器の相違点
従来の医療機器
プログラム医療機器
特定保険医療材料 技術料包括の医療機器
診断系医療機器 ・内視鏡画像診断支援ソフトウェア
・ペースメーカー
・画像診断(CT、MRI、X線、超音波等)
・生体現象計測(体温計、心電計、呼吸機能検査等) ・X線画像診断装置ワークステーション用プログラム
・PTCAカテーテル
・検体検査、光学(血液検査機器、遺伝子解析装置、
内視鏡等)
・解析機能付きセントラルモニタ用プログラム
・冠動脈ステント
製品例 治療系医療機器
・腹膜透析用治療計画プログラム
・人工骨、人工関節 ・鋼製器具(医療用メス、剪刀、鉗子等)
・治療/手術(粒子線治療装置、手術用ロボット手術
ユニット、内視鏡、電気メス、レーザ治療器、麻酔器、 ・禁煙治療補助システム
・カプセル型内視鏡
人工心肺装置、医療用ガス供給器等)
など など など
形態、構造 有体物 無体物
比較的頻繁
・有体物部分がない分更新が容易
更新頻度 - ・AIなど、学習により性能が変化しうる
・周辺機器やサーバ接続等、機器連携が多様
・患者ごとに使用される機器環境が異なる場合あり
・基本ソフトの更新が頻繁 など
比較的高度な支援(人工知能等)
・医師の事務処理等の一部代替
診療支援 -
・より少数の医療従事者で従来と同等以上の
安全性、有効性の確保
・患者への関与頻度の向上 など
流通での形態変更あり
流通での形態変更なし
販売形態
CD等の記録媒体、ダウンロード販売により販売され、
実際使用される形態にて販売される
PCタブレットなどにインストールして使用する
診療現場にない医療機器も使用
利用形態 診療の現場に存在する医療機器を使用 クラウド上に存在するプログラムにアクセスして使用され
ることがある
33
医機連機器保険委員会まとめ
2.「保材専からの意見」に対する業界の意見
診療報酬上の評価のあり方については、診断用か、治療用かという観点や、主に医療従事者が使うものか、
主に患者が使うものかという観点など、用途や使用目的、使用形態に応じた分類ごとに検討すべきではない
か。
○ 賛同致します。
臨床上の有用性を含め、どのような観点で評価がされるのかについて明確化していくことは重要ではないか。
○ 賛同致します。
・前回改定から例示含め提案してきたとおり、アウトカム向上に対する技術料の増額・加算等の評価について、特定保険
医療材料の評価制度同様に、評価軸や評価係数を明確化して下さいますよう、お願い致します。
34
2.「保材専からの意見」に対する業界の意見
個々のプログラム医療機器の性質に基づく一定の基準より、特定保険医療材料、技術料への加算、既存技術
料への包括、施設基準の緩和等のうちいずれの形式で評価されるかについてより具体的に整理していくべき
ではないか。例えば、治療用として患者が主に自宅等で自ら使用するプログラム医療機器については、特定
保険医療材料として評価することも考えられるのではないか。
○ 慎重かつ丁寧な議論をお願い致します。
・
患者が主に自宅等で自ら使用するプログラム医療機器においても、既に技術料で評価される製品が利用
これまでの評価方法の考え方や、機能区分別収載における個別品目の革新性の評価など、製品ごと
されており、
の特徴や有用性が十分に勘案され評価される制度をご検討頂きたい。
医療従事者の労働時間を短縮させるプログラム医療機器をどのように評価すべきかについては、当該プログ
ラム医療機器の使用により医療機関にとっては、
・ 短縮した時間の分の人件費が減少しうること
・ 短縮した分の時間を別の診療行為に費やすことで別の報酬を得る機会を得うること
などの側面を考慮すべきではないか。
○慎重かつ丁寧な議論をお願い致します。
・「別の診療報酬を得る機会を得うる」以前に、医師の過重労働(病変見逃し)による患者死亡例が出ており、次
の死亡例が出る前に、患者視点での働き方改革が必要と考えます。
・健康な状態での1時間2時間待ちとは異なり、痛い、苦しい、致命的な疾病の不安などを抱えた患者が長時間待ちや
救急受け入れ拒否に遭っている実態の解消に向けて、患者メリットと負担増もセットで勘案頂きたい。
35
2.「保材専からの意見」に対する業界の意見
治療や診断の補助により、専門医でない医師が行う場合の医療の質を、専門医が行う場合に近づけるような
プログラム医療機器については、特に医療資源の少ない地域等においては有用な場合があるのではないか。
○基本的に賛同致します。
・医療の均てん化(高位平準化)は、地域性の観点に加え、専門医の偏在や不足などの実態も勘案頂き、技術料の
増額や加算評価など導入加速への制度的な後押しをお願い致します。
プログラム医療機器の特性を踏まえた原価計算の方法の検討には、製造販売業者における、研究開発のプロ
セスや費用、製造に係る費用、上市後に当該プログラム医療機器を用いた医療を保険診療において継続的に
提供するために必要な費用について他の医療機器との違いを明らかにすべきではないか。
○賛同致します。
・プログラム医療機器は、
有体物である医療機器とはと原価構成が大幅に異なることから、特定保険医療
材料の基準材料価格の算定における原価計算方式の係数の更新」に示される一般管理販売費等の係数、
及び原材料費や研究開発費の計上については、一定期間もしくは一定数の事例を集積し、プログラム
医療機器の評価に適切な係数及び計上項目を設定頂きたい。
36
2.「保材専からの意見」に対する業界の意見
安定供給の観点からもプログラム医療機器のコスト構造を考慮する必要はあるが、そのためには企業におい
ても製品毎のコストや収支についてより透明性を高める取組が必要ではないか。
○基本的に賛同致します。
・もっぱら開発、製造機能を有しない製造販売業者(輸入品の国内販売等を行う企業等)は、プログラムの研究開発費、
工場での製造原価の内訳等を開示不能であることについて、ご留意下さいますようお願い致します。
データの学習により性能を高めるようなプログラムについても、永続的に性能が向上していくわけではな
く、通常は一定程度のデータが蓄積した段階以降は性能の向上は限定的になる点を考慮した評価とすべきで
はないか。
○慎重かつ丁寧な議論をお願いします。
・データの追加だけによる精度改善は限定的になっていくものの、AIのアルゴリズムやパラメータ調整による精度向上はあり
得ます。精度が高まるほど精度向上に要する労力が高まる中、既存技術よりも医療上の有用性を高めた場合は、
評価に関する限定を解除できるよう配慮頂きたい。
37
2.「保材専からの意見」に対する業界の意見
プログラム医療機器の性能が向上した場合には、新たな薬事承認の取得が必要となる場合を含め、診療報酬
上の取扱いについて改めて評価を受けられる仕組みがあるため、当該機器を稼働するための費用と、性能を
向上させるための費用は分けて考えるべきではないか。
○基本的に賛同致します。
・プログラム医療機器のコストを積算して評価するにあたり、臨床上の有用性を示すために要した投資(コスト)が漏れ
や抜け等なく適切に計上されるよう制度上の配慮をお願い致します。
第一段階承認後においては、第二段階承認及びそれを踏まえた保険適用に向けて、臨床現場で活用されなが
ら、迅速なデータ収集を行うことが重要であることを踏まえつつ、第二段階承認のためのデータ収集に係る
コストは依然として高額となる状況も考慮すると、迅速に保険診療において使用できるようにすることが必
要ではないか。 その際、現時点の二段階承認の考え方によれば、第一段階承認時点では有用性に関する評価
が限定的であり、企業が最終的に希望する保険償還価格での評価は難しいと考えられることから、保険外併
用療養費制度の活用についても検討が必要ではないか。
○基本的に賛同致します。
・データの収集費用、使用料等、価格転嫁が不可避なイノベーション技術の開発・検証コストの低減についてご配慮
下さいますようお願いいたします。
・また、第一段階承認時点における保険外併用療養費制度の活用は選択肢のひとつであって、同等の有用性を有する
既収載技術に包括して保険適用されうることも明確化下さいますようお願い致します。
38
2.「保材専からの意見」に対する業界の意見
イノベーションの評価を推進する観点からも、プログラムのアップデートにより性能が向上しうること等の
特性を踏まえ、チャレンジ申請のほか、その他の制度の活用も含めた再評価のあり方について検討が必要で
はないか。
○賛同致します。
医家向け医療機器であるプログラム医療機器の中にも、使用にあたり医師による管理が必須なものと、患者
自身の健康管理に用いる場合など、診療の一環として用いないのであれば医師が直接管理することは不要な
ものがあると考えられる。後者については、保健事業や患者自らの選択による使用など医療機関外での活用
できるよう検討が必要ではないか。
○丁寧な議論を希望します。
・医家向け医療機器であるプログラム医療機器で、医師が直接管理することは不要なものの具体例、もしくは想定される
例など、例示に基づく検討を希望します。
39
2.「保材専からの意見」に対する業界の意見
プログラム医療機器の保険適用の期間が終了した後において、患者の希望に基づく継続使用が考えられる場
合や、診療報酬上の評価の見直しを目指して、チャレンジ申請を行いつつリアルワールドデータの収集を行
う場合について、保険外併用療養費制度の活用についても検討が必要ではないか。
○ 賛同致します。
40
中医協 材-3
5 . 8 . 3 0
中央社会保険医療協議会
保険医療材料専門部会
意見陳述資料
【医療機器流通】
令和5年8月30日
一般社団法人 日本医療機器販売業協会(医器販協)
本日の内容
1. 医療機器販売業の現状と今後の見通し
2. 物流の2024年問題
3. 医療機器流通の現状と「物流の2024問題」からの要望
4. 医療機器流通のDX推進について
参考資料1 ガソリン価格、電気料金の推移
参考資料2 製品価格値上げの現状
参考資料3 製品循環型ビジネスモデル(短期貸出)|チャーター便
参考資料4 償還価格を超えて特定保険医療材料を販売している実態
1
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
1. 医療機器販売業の現状と今後の見通し
販売業者の現状と今後の見通し(参考資料1,2) 医療機関へ予想される影響
• 製造コスト、物流コスト等の上昇により医療機器の仕入価格は
• メーカー、運送業者、販売業者におけるコスト増分が医
すでに上昇。販売業者のコスト増分も加味し医療機関に対して
療機器の購入価格に反映される
販売価格の値上げを行っているが、経営環境は非常に厳しい
• 特定保険医療材料においても購入価格が償還価格
• 医療機器の流通安定化のために人材確保と人材育成は重要
を超える製品が増加していく
であるが、人材確保は年々厳しくなっている
• 特定保険医療材料は購入価格が償還価格を超えた
• 経営状況悪化により安定供給のための設備や人材への投資が
場合、医療機関は赤字での対応となり経営状況に悪
困難になると、非常時の医療機器流通に対応できなくなるだけ
影響を及ぼす
ではなく、平常時の安定供給にも影響を及ぼす恐れがある
販売価格にコスト 償還価格に実勢 2024問題コスト上昇
上昇分を反映 価格を反映 を考慮した議論が必要
医療機関の負担増 医療機関の負担解消
物流2024問題に
改定 起因するコスト上昇
償還価格 人件費上昇 逆ザヤ
物流コスト上昇
販売価格
利益
販売管理費
流通の効率化 収益悪化 収益改善
販売業者
流通コストの低減 安定供給に懸念 安定供給を継続
物流2024問題に
仕入高騰 起因するコスト上昇
仕入価格
仕入分
2022改定以前 現在 2024改定 物流2024問題
2
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
参考資料1 ガソリン価格、電気料金の推移(2018~2022)
【ガソリン小売価格の推移(東京都区部、レギュラー1L当たり)】 【電気料金の推移(全国平均、441kWh当たり)】
(円) (円)
180 16,000
2022年3月
173円 2022年11月
15,279円
170
15,000
160
14,000
150
140 13,000
130
12,000
2020年5月 2021年1月
120
126円 11,936円
11,000
110
100 10,000
1月 7月 1月 7月 1月 7月 1月 7月 1月 7月 1月 7月 1月 7月 1月 7月 1月 7月 1月 7月
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
※ 出典:総務省統計局 小売物価統計調査
3
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
参考資料2 製品価格値上げの現状
社会情勢の変化による製品価格の値上げは昨年より続いており、医療機器流通の現場は通常業務に加え、度重なる製
品価格の値上げによるメーカーおよび医療機関との価格交渉に忙殺され、営業担当者は疲弊しきっている
国立大学病院長会議でのメーカーからの値上げに関する発表内容(2022年12月7日)
• 全国の国立大学病院と取引きのある930メーカー中、533メーカーから値上げの案内あり(2022年10月時点)
• 値上げ率は平均15.2%
• 値上げ要請に応じた場合、全国の国立大学病院全体で年間約206億円の負担増(令和3年度購入金額をもとに算出)
• 光熱費の増加分も合わせた試算では、年間約330億円の負担増(その他、医薬品や外部委託費の値上げ分は別途)
値上げ通知文の一例
医療機器販売業者(会員企業1社)に届いたメーカーからの値上げ通知
文書(2022年1月~12月の集計)
• 値上げの通知文書が送られてきたメーカー数・・・542社
うち、複数月(複数回)の値上げが届いたメーカー数・・・72社
2023年1月以降に値上することを通知してきたメーカー数・・・62社
製品別の値上がり事例
排尿ケア関連製品フォーリーカテーテル製品群(特材)
• 2023年1月より・・・製品価格5%値上げ
分離バック(非特材)
• 2022年11月より・・・製品価格平均44%値上げ
4
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
2. 物流の2024年問題(概要)
『物流2024年問題』とは、自動車運転業務についても適用開始となる働き方関連法「時間外労働の上限規制」(2024
年4月1日施行)に伴って発生する物流課題のことをいう。医療機器の安定供給を脅かす要因となることが懸念される
• トラックドライバーの年間労働時間は全産業平均に比べ2割程度長く、労災請求件数、支給決定件数ともに最も
多い業種となっており、労働環境を改善する必要がある
• 2024年度からトラックドライバーに時間外労働の上限(休日を除く年960時間)規制が適用される
概要
• トラックドライバーの労働時間等の労働条件の向上を図るため拘束時間、休息時間等の基準を定める「自動車運
転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」についても、上記を踏まえて見直しが行われる
• 中小企業においても時間外労働が月60時間を超えた場合、50%以上の割増賃金の支払い義務が適用される
(2023年4月から開始済み) ※ 日本の運送業者の99.9%は中小企業
時間外労働上限の規制 「改善基準告示」の見直し内容(抜粋)
出所:厚生労働省「トラック運転者の長時間労働改善に向けた改善ハンドブック」(2023)(一部改変) 出所:厚生労働省「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」HP
5
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
2-①. 医療機器業界の各主体への影響|配送/納品に対する影響
医療機関が必要な医療機器を発注してから、納品されるまでには多くの物流が関与しているため、2024年問題において
「輸送力の低下」による様々な影響を受ける
製造販売業 運送業者 販売業者 医療機関
物流リードタイムの延長
運送会社による配送 販売業者による自社納品
モ
ノ
の
流
れ
緊急対応・・・チャーター便の増加
輸送品質の低下・・・返品の増加
要因 課題 医療機器流通への影響 結果
• 予定していた製品到着が遅延する事により患者の治療や診断が
• 残業時間規制に伴う運転手の 遅れる可能性があり、特に緊急時に対応が困難になる恐れがある
2 不足により、トラックなどが不足し、
• 輸送に携わる人材不足より輸送品質の維持が難しく、外装ダ
0 国内輸送手段の確保が困難と 安定供給の
メージによる返品の増加が予想される
2 なる
阻害
4 • 納品タイミングの柔軟性が損なわれる
• 残業時間規制により、1日に運
年 輸送力の
行できるトラック便数が減り、1日
問 • 短期貸出、長期預託等の製品循環型ビジネスモデルでは、片道
低下
題 あたりの納品回数が減少する だけでなく往復での輸送時間増大の影響が懸念され、輸送中の
に
• 残業時間規制により、長距離 在庫を補うための在庫確保(在庫増量)が求められる(参考
起
区間での輸送において、荷物を 資料3)
因 医療機器の
1日で運ぶことができず、物流
リードタイムが長期化する • 緊急時には通常運送便では間に合わず、チャーター便を手配する 価格高騰
必要があるなど、物流コストの増加が予想される(参考資料3)
6
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
2-②. 医療機器業界の各主体への影響|コストに対する影響
医療機器のサプライチェーン上の各所で発生するコスト上昇は「物流2024年問題」だけでなく、社会情勢の変化(燃料
費高騰、円安、インフレ、人件費の上昇等)によるコスト上昇も大きく影響を受けている
製造販売業 運送業者 販売業者 医療機関
• 原材料の高騰 • 運送コストの上昇 • 仕入価格の上昇 • 購入価格の上昇
• 製造コストの上昇 • 人件費の上昇 • 在庫増加によるコスト負担増
モ
赤字:2024問題に起因
ノ • 在庫増加によるコスト負担増 青字:社会情勢に起因 • 在庫増加によるコスト負担増
の 黒字:複合的 • 緊急対応にかかる費用負担増
流
価格上昇 価格上昇 価格上昇
れ
要因 課題 医療機器流通への影響 結果
2 • 運送会社の法令順守やトラック
0 • 運送業者の運賃への転嫁により、医療機器の製造や販売に関わ
ドライバー確保のための賃金負
2
る各社の物流コストが上昇し、製品の値上げを実施せざるを得な
4 担増が物流コストにも反映され、
い
年
物流コストが増加する
問
• 比較的に安価で嵩が張る製品(例えば、創傷被覆材料やディス
題 • 運送業者が自社の経営を維持 医療機器の
に ポ医療器等)は、製造原価に対して輸送コストが高くなり、製品
起 するため、増加コストを運賃に転 価格高騰
価格への転嫁幅が大きくなる
因 物流コストの 嫁する
増加
社 • 昨年からの燃料費の急騰による
会 製品価格の値上げは引き続き • 特定保険医療材料を含むすべての医療機器や医療材料の仕入
情 行われている 価格の高騰により、販売業者は医療機関への販売価格を値上
勢
げしていくが、償還価格や診療報酬が上がらなければ、メーカー、
に • 円安による輸入品の高騰
販売業者、医療機関の経営は成り立たず、安定供給に影響が 安定供給の
起
• 日本国内におけるインフレ転換 出る
阻害
因
(物価上昇、人件費上昇等)
7
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
参考資料3 製品循環型ビジネスモデル(短期貸出)|チャーター便
製造販売業 運送業者 販売業者 医療機関
• 発注情報を受領 • 以下2種類の手配を実施 • 医師等から直接の依頼
注
社内手配 「○日に、△△の手術をするので必要な
文
メーカーへ貸出依頼 物を揃えて欲しい・・・よろしくね!」
の
流
FAX 電話
れ
口頭
納品リードタイムの延長 販売業者による自社納品
モ
ノ
の
• 返却された貸出器械を洗 返却リードタイムの延長 • 使用品・未使用品の確認 販売業者による • 貸出器械は医療機関で
流
れ 浄し、検品をして次のオー 運送会社による配送 • 未使用品は、自社の商品は 未使用品、貸出器械 手術前に洗浄滅菌し、手
ダーに備える の引き上げ 術終了後に再び洗浄して
• 現在より2日の延長 自社の倉庫へ戻し、メーカー
返却してもらう
から借りた商品は返却する
【短期貸出品在庫増によるコスト増】
短期貸出品の配送/回収リードタイムが5日から7日に延長した場合、これまでの月6症例(6回転)から月4症例(4回転)
へと減少し、現在の短期貸出品在庫では足りず、短期貸出品在庫の積み増しが必要になる。
【チャーター便によるコスト増】
緊急手術に使用される医療機器については、前日に手術依頼が入るなど緊
急性が高く、現在においても緊急対応のためにチャーター便を使用している。
チャーター便の運賃は6~8万円と高額であり、その症例は販売業者にとって赤
字となる。2024年度以降、その頻度の増加とチャーター便運賃の値上げが
予想され、場合によってはチャーター便が手配できない事態も起こりうる。 医療機器メーカー チャーター便 販売業者
8
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
3. 医療機器流通の現状と「物流の2024問題」からの要望
• 「償還価格を超えて販売している特定保険医療材料がある」と回答した販売業者は36社のうちの78%に当たる28社
現状 • 「償還価格を超えて販売している特定保険医療材料が増えている」と回答した販売業者は上記の28社のうちの71%に
(参考資料4) 当たる20社
• 「物流の2024年問題」は遠距離輸送のリードタイムが伸びる等、一部ではすでに影響が出始めている
• 材料価格調査結果において、実勢価格の加重平均値が償還価格を超えている(いわゆる逆ザヤ)機能区分が多数
存在し、その数は増えているのではないか
• 特定保険医療材料を償還価格を超えて購入している医療機関は多数あり、経営を圧迫する一因になっているのではな
仮説
いか
• 「物流の2024問題」の配送リードタイムの延長により、緊急配送の増加やチャーター便の利用、在庫増量等、様々な物
流コストが増加するのではないか
• 材料価格調査結果は平均乖離率のみが公表され、逆ザヤとなっている機能区分の情報は不明である
• 基準材料価格改定の原則※では『当該機能区分の基準材料価格改定前の基準材料価格を超えることはできない』と
課題 あり、実勢価格が償還価格を超えて取り引きされても償還価格が上がる制度設計になっておらず、今後さらに実勢価格
が上がると医療機関の経営状況はさらに悪化する
• 「物流の2024年問題」は医療機器の安定供給を脅かす要因となり、医療機器の価格高騰の原因にもなる
• 材料価格調査結果の公表は現在の平均乖離率に加え、逆ザヤとなっている機能区分の情報を公開してはどうか
• 実勢価格調査による改定価格の算出結果が改定前の償還価格を超える場合は、その算出結果を改定後の基準材
要望 料価格としていただきたい。そのために、基準材料価格改定の原則にある「ただし、当該機能区分の基準材料価格改
定前の基準材料価格を超えることはできない」を削除していただきたい
• 「物流の2024年問題」に焦点を当てた議論の場を設ける等、医療機器の安定供給維持のための議論をお願いしたい
※ 特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について(保発0209第3号 令和4年2月9日)
9
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
参考資料4 償還価格を超えて特定保険医療材料を販売している実態
【償還価格を超えて販売している特材がある販売業者(n=36社)】 【償還価格を超えて販売している製品数の経年変化(n=28社)】
減った
3
なし 11%
8
22%
変わらない
5
18%
企業数 企業数
36社 28社
あり 増えた
28 20
78% 71%
「償還価格を超えて販売している特材がある」と回答した28社対象
2023年4月~6月と2021年4月~6月の販売実績を比較した
※ 日本医療機器販売業協会アンケート(2023年8月実施)
10
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
4. 医療機器流通のDX推進について
医療機器 医薬品
製造販売業 販売業者 SPD 医療機関 医薬品卸 医薬品メーカー
注 用度
文
の 各部署
流
薬剤部
れ 医師
( EDI FAX EDI EDI
現 看護師
電話
状
技士・技師
)
EDI 医師
適正使用支援の依頼 看護師
医療材料管理室 技士・技師
現状 対策と要望
• 「医療材料管理室(仮称)」のような部門が緊急発注や院
• 医療機器流通においてメーカー~販売業間のEDIは実装さ
内在庫の管理を行う事により薬剤部のように一元管理が出
れているが、医療機関~販売業者間の受発注はFAXと電
来て、EDI等の導入への足掛かりとなる
話で79%を占めており、DX化は進んでいない
• 3次救急施設のような大規模医療機関には定期在庫を発
• 医療機関には医薬品を一元集中管理する薬剤部、ME機
注する外注先のSPDとは別に、緊急発注や貸出依頼、院
器を管理するME機器室は存在するが、医療材料等を管理
内在庫の管理を行う部署として「医療材料管理室(仮
していた中央材料室などの部署はSPDや滅菌代行といったア
称)」の設置が望まれる
ウトソーシングに移行してしまい、医療材料等を管理する部
• 上記の機能を有する「医療材料管理室」を設置する医療
署が存在しない医療機関が増えている
機関に対し、診療報酬上の加算をお願いしたい
11
一般社団法人 日本医療機器販売業協会
中医協 材-4
5 . 8 . 3 0
中央社会保険医療協議会
保険医療材料専門部会
意見陳述資料
体外診断用医薬品
令和5年8月30日
(一社)日本臨床検査薬協会
(一社)米国医療機器・IVD 工業(AMDD)
IVD委員会
欧州ビジネス協会(EBC)
医療機器・IVD委員会
本日の提案事項
企業の開発意欲を維持するため、有用性の高い検査を適切に評価する
有用性の高い検査の早期市場導入の実現
必要性の高い検査が持続的かつ安定的に供給可能な点数を維持して
下支えする
A.検査のイノベーション評価の仕組みの整備
① 検査における有用性・革新性の評価方法の検討
② チャレンジ申請制度の導入
B.保険適用審査の適正化(「保材専」待ちの解消)
C. 悪性腫瘍遺伝子検査における「包括的な評価の見直し」および「下
支え制度の導入」
D. その他の検査を取り巻く課題
1. 「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」の実効性を高めるために
2.POCT検査による充実した地域医療への貢献
2
A.イノベーション評価 ①有用性・革新性の評価
状 況
• 体外診断用医薬品においては、保険適用希望書作成にあたり、「特定保険医療材料における基準
材料価格の算定における原価計算方式」の係数を用いて、「様式2-2:試薬の価格」に従い、積
み上げ方式にて点数計算を行っている。しかしながら、特定保険医療材料のような、画期性加算、有
用性加算、改良加算、市場性加算などの加算の仕組みがない。そのため、革新的な体外診断用医
薬品を開発しても現行のルールの中ではイノベーション評価がなされていない。
• 近年の科学技術の進歩に伴う患者や医療施設に貢献できる革新的な体外診断用医薬品を開発し
続けるための開発コストの確保、開発のインセンティブの予見性等が担保されないことから、次世代製
品開発のモチベーションが維持できない。
課 題
中医協資料 抜粋
開発モチベーションを担保し、革新的な体外診
断用医薬品を早期に国内導入するためには、
臨床検査においても、革新性・有用性・市場性
評価をする必要がある
イノベーション評価システムの確立
→
3
A.イノベーション評価 ①有用性・革新性の評価
提 案 ①
• 体外診断用医薬品に関して、有用性・革新性を評価する仕組みを要望する。
• 評価する仕組みとして特定保険医療材料の「新規機能区分に係る補正加算について」に
倣い、体外診断用医薬品に適応させたイノベーションの評価基準を検討頂きたい。
「有効性安全性」「社会的必要性」「経済性・効率性」への評価軸を有する特材の補正加算制度を元に作成した、
体外診断用医薬品の保険上の付加的準用技術料の評価軸(案)を参考資料(p.21~23)に記載。
1.画期性・有用性評価
診断・治療に顕著な進歩・改善をもたらす
新規項目
2.改良評価
既存収載品に比べて検査プロセスが改善
される項目
3.市場性評価
医療的アンメットニーズであるが検体数が
少ないことが想定されている項目
※ 評価イメージ図 :具体的な評価軸は参考資料(p.21~23)参照
4
A.イノベーション評価 ①有用性・革新性の評価
ー 市場性評価について ー
提 案 ②
医療的アンメットニーズである、測定検体数が少ないことが想定される項目の開発・上市を
推進するため、市場性評価を行い、加算を要望する。
開発促進の障害になる事象に関する検証(アンケートより)
• 点数に対する予見性がない
• 利益が多く見込めない項目に対する開発投資には慎重にならざるをえない
(市場規模が小さく企業規模が小さいため、検体数が多いことが想定される製品の開発を優先)
• 加算は上限10%等ではなく、予測される販売数も考慮したインセンティブがつくことが必要
(検査数が極端に少ない項目もあることから、測定数に応じた加算が必要)
• 実際に想定より検査数が少なかったとしても販売中止も困難 (1社のみで販売する可能性が高い)
市場性加算とその後の推察
• 検査数が少なく企業が開発してこなかった検査は予見性等が高まることにより一部開発の可能性あり
• 市場性加算があっても開発に躊躇する場合
• 緊急対応 (エボラ出血熱、ジカ熱、エムポックス等々)
• 承認申請などに対し、手当をされている場合もあるが、時限的対応の場合も多く企業側の負担が多いため、何らかの
保証(国の買い取り等)が重要。→ ほとんど販売されなくても販売中止も困難:抗原等原料、ラインの確保等々
5
A.イノベーション評価 ①有用性・革新性の評価
ー 市場性評価について ー
開発導入を躊躇・断念した項目について
国内導入・開発を断念した事例について、前回の調査で「躊躇・断念した事例がある」と回答
があった42社に改めて追加調査(2023/5/25-6/8)を行った。
今後の開発の方向性等が他社に知られる懸念もある中で具体的な回答をいただけた背景に
は、市場性加算導入に対する各企業の関心・期待が非常に高いものがあると考えている。
感染症分類 疾患・診断目的 内 容 検 体 数
新 1類 エボラ出血熱 ウイルス検出 国内発症例 なし
興
感
ジカ熱:実績2013年
染 4類 ジカ熱 ウイルス検出
症 3例(発症例)
感染状況が不透明なため、
4類 サル痘 抗原検査
具体的な想定に至らず
分 類 疾患・診断目的 内 容 検 体 数
感 がんの分子標的薬について標的分子の検査(抗原検査)
希少疾患 希少がん 50-100テスト/年
染 その治療を受けられるかというコンパニオン診断
症
以
真性多血症(PV)
外 5-6千人の対象疾患から
希少疾患 本態性血小板血症(ET) 診断補助(CALR遺伝子、MPL遺伝子検出)
さらに絞り込まれたテスト数
原発性骨髄線維症(PMF)
アアンンメメッットトニニーーズズででああるる製製品品のの開開発発がが実実際際にに躊躊躇躇・・断断念念さされれてていいるる。。
6
A.イノベーション評価
② 使用実績を踏まえた評価(チャレンジ申請)
背景・現状
1. 特材について新規C1申請に対し、使用実績を踏まえて保険収載後に再度評価を行うことができる仕組み(チャ
レンジ申請)が創設され、令和4年度には技術料に一体として包括して評価される医療機器に関してもチャレン
ジ申請が導入された(以下参照)。
2. 一方、同様に技術料である体外診断用医薬品の再評価は学会提案に基づき行われるが、体外診断用医薬品
においても検査による患者への臨床的効果等が示される診療報酬項目も存在する(p.9)。 当該技術に関し、
臨床上の有用性が市販後に証明された際は、イノベーションを適切かつ迅速に評価する観点や、体外診断用医
薬品に関する保有情報、関連学会の技術取り扱い状況を総合的に判断し、技術料の再評価を企業から申請す
る方が望ましい場合もある。
C2チャレンジ申請に関する前回改定時の議論
保険医療材料専門部会(令和3年9月22日) 中医協(令和3年12月22日)
令和4年度保険医療材料
制度改革の骨子(案)
技術料に一体として包括して評価される
医療機器についても、製造販売業者が
チャレンジ申請を希望する場合には、保
険医療材料等専門組織でチャレンジ申
請の権利の付与に関する審議を行うこと
ができるようにすることとする。
7
A.イノベーション評価
② 使用実績を踏まえた評価(チャレンジ申請)
課 題
体外診断用医薬品においても、収載時には医療アウトカムに対するエビデンスが不十分であり、収載後
にデータを集積することでエビデンスを確立できる場合がある。
提 案
• 医療機器のC2チャレンジに準ずるかたちで、技術料に包括される体外診断用医薬品においても、イノベーシ
ョンを適切に評価し、よりよい検査の開発につなげる観点から、チャレンジ申請の制度を設けていただけないか。
• チャレンジ申請制度を適用するにあたっては、企業の臨床試験以外の多様なエビデンス(文献報告等)を
用いた申請も認めていただきたい。
チャレンジ申請対象:検査による患者への臨床的効果等が収載後に示される例
チャレンジ申請の観点(案) 該当するケースの例
収載後に、新規および既存の検査方法に基づく運用方法(検査プロセス)の改善により、医療ア
算定要件の変更
ウトカムを向上。治療成績のデータ蓄積後に、算定要件の見直しを行う(低侵襲な検査など)
収載後に従来の同一項目の検査と異なるもしくは追加的な有用性(早期診断など)が示された
別項目の算定 場合に、その差分が認められる検査法を対象とした新たな技術料を新設
具体的事例:心筋トロポニン I, T(次スライド参照)
収載後に、患者アウトカムに直結した有用性が認められた場合、臨床的有用性に対する価値を再
臨床的有用性の評価に伴う増点
評価し、増点する
8
具体的な有用性等については参考資料(p.21~23)参照
使用実績を踏まえた評価が必要な事例:
検査項目名:心筋トロポニンI、心筋トロポニンT(TnT)定性・定量
≪検査の概要≫
トロポニンは心筋の構成成分であり、心筋特異性が高い。これが血液中に出現する場合には、急性心筋梗塞や不安
定狭心症などによって、心筋が傷害されていることを意味する。
従来品 新製品(高感度) 新製品(高感度)
高感度化前の 高感度化による 高感度化による
トロポニン 有用性が確立しておらず 有用性が確立
E3申請 E1申請 チャレンジ申請相当
E3申請相当だが、
新規薬事申請には
従来製品:
当たらない
通常感度のトロポニン
発症後6時間
2009年 新製品:
での診断に有用
高感度トロポニン
製造販売承認
発症後2時間
発症後6時間
での診断に有用
での診断に有用 臨床的意義に関するエビデンスが集積し、患者の診療フ
ローが変化するとともに、患者アウトカムと関連性も確立
2013年: 2014年: 2018年:
ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関す 経皮的冠動脈形成術・冠動脈ステン 急性冠症候群ガイドライン
るガイドライン ト留置術の算定要件 •「搬入時の数値が高値で
•「超急性期(発症後2時間以内)の •心筋トロポニンが高値であることが要
あるほど死亡リスクが高い」
診断に有用であることが示されている」 件として追加(詳細は参考資料)
検査の高感度化により、超急性期(発症後2時間以内)の診断にも有用であることが示された。
エビデンス集積後に「別項目での算定」について、チャレンジ申請を考慮可能な事例
9
チャレンジ申請の流れ
【通常のスキーム+チャレンジ申請の妥当性判断スキーム】 チャレンジ申請の権利が認められた後のスキーム
薬事承認
保険医療材料等専門組織
(データ収集の進捗状況について定期的な報告)
「保険適用希望書」の提出 (将来的な再評価の希望)
チャレンジ申請 評価の見直し チャレンジ申請
(再評価の希望) (収載時の評価を下回る場合) の権利の放棄
E1(既存), E2(新方法), E3(新項目、改良項目)
第1回保険医療材料等専門組織
第1回保険医療材料等専門組織
(決定区分の判断)
(
製造販売業者
追 製造販売業者は
は収載後のデ 加 審議の内容及び結果
意見を述べること
決定案の通知
ータ収集及び の
評価軸に対する採用、不採用の通知 エ ができる
その評価計画
ビ
を提示 デ 不服がない場合 不服がある場合
ン
ス
収
不服がない場合 不服がある場合 集 第2回保険医療材料等専門組織
)
医療技術評価分科会 審議の内容及び結果
第2回保険医療材料等専門組織
第二回があるか不明
中医協の了承
将来的な再評価
決定案の通知 の希望
中医協の了承 点数の変更 点数の変更なし
保険適用
10
B. 保険適用審査の適正化(「保材専」待ちの解消)
背景・現状
• 診療報酬改定前の1月~3月は保険医療材料等専門組織(保材専)での審査がされない
• 保材専での審査枠に限りがあるため、審査の順番待ちにより保険適用が遅れることがある(特に、診
療報酬改定後は非常に混み合い、数ヶ月待たされることもある)
• 現行通知における標準的な事務処理期間はE3、E2ともに5ヶ月となっており、実情と合っていない。
保険適用時期が予見できない 当該製品の事業性に影響を及ぼす・事業性が不透明
(事業化を断念するケースも・・・)
保険適用の遅延 有用な検査が医療現場に届くのが遅れる(患者の不利益)
「保材専での審議」の待ち時間の解消が必要
提 案
• 「保材専」待ちの状況を緩和するための対策を検討いただきたい(例:保材専が開催されない期
間前後の月の審査枠を追加する等)
• 保材専で審議が必要な案件を整理し、審査期間の予見性をより向上させていただきたい
区分E2(既存項目・変更あり)として希望のあったものについて、内容が軽微な変更にとどま
る場合に実施されている “E2軽微” について明確化(フローの明文化、該当性基準の明
示等)いただきたい 該当性基準(案):
・ 区分E2として希望のあったもののうち、測定方法のみが新しい品目
審査期間の予見性向上のため、E2軽微についても ”標準的な事務処理期間”を明示いただき
たい (例:E3・5ヶ月、E2・4ヶ月、E2軽微・2ヶ月)
11
B. 保険適用審査の適正化(「保材専」待ちの解消)
課 題
• 保材専での審査枠に限りがあるため、審査の順番待ちにより保険適用が遅れることがある。
• 保材専での審議のタイミングが、保材専未開催時期に重なってしまった場合、数ヶ月間の保材専待ちの状況が
発生している。
• 診療報酬改定後は非常に混み合い、さらに数ヶ月待たされることもある。
「保材専」待ちの状況 <例年の状況>
診療報酬改定
9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8
保材専 保材専 保材専 保材専 保材専未開催時期 保材専 保材専 保材専 保材専 保材専
混 混
◎ ◎ ◎ ◎ さらに、待たされる ◎ ◎ ◎
薬 保 医 保 可能性も・・・ 保 中 保
事 険 療 材 材 医 険
事前相談 保材専待ち 保材専待ち
承 適 課 専 専 協 収
認 用 ヒ で で 載
希 ア の の
望 リ 審 審
書 ン 議 有用な検査が医療現場 議
受 グ
に届くのが遅れる
理
有用な検査が医療現場に届くのが遅れないようにするため、「保材専」待ちの状況を緩和するための対策
を検討いただきたい(例:保材専が開催されない期間前後の月の審査枠を追加する等)
12
B. 保険適用審査の適正化(「保材専」待ちの解消)
“E2軽微”のフロー及び該当性基準を明示していただきたい
課 題
※該当性基準(案)
事前相談
実際にE2軽微のフローは運 区分E2(既存項目・変更あ
用されているものの、該当性 り)として希望のあったもののう
基準及びフローが明示されて ち、測定方法のみが新しい品目
保険適用希望書の受理
いない (対象患者、対象検体種等の
変更を伴わないもの)
YES NO
内容が軽微な変更にとどまっているか?
E2軽微
測定方法のみが新しい品目※か?
通常E2
医療課ヒアリング(省略) 医療課ヒアリング
保材専(報告) 保材専(審議)
翌月1日~ 翌月
保険収載 中医協(E2では省略)
期
間 「審査期間」の短縮 (約2ヶ月) 翌月1日~
短 (医療課ヒアリングの省略、保材専の報告事項化)
保険収載
縮
現状の所用時間 E2軽微:1.7ヶ月 通常E2:3.6ヶ月
13
(中央値、業界調べ)
“軽微フロー”(E2軽微)による審査期間の短縮
~ 業界調べ:タイムクロック調査の結果 ~
6
0
審査期間の予見性向上のため、E2軽微についても ”標準的な事務処理期間”を
明示いただきたい (例:E3・5ヶ月、E2・4ヶ月、E2軽微・2ヶ月)
14
]
月
[
間
期
た
し
や
費
B. 保険適用審査の適正化(「保材専」待ちの解消)
9
ヒ
ア
リ
ン
グ E2
(n=7)
最小値 2.233
25% パーセンタイル 2.533
中央値 3.633
3 75% パーセンタイル 5.133
最大値 8.067
審査に係る事務処理期間
E2軽微
(n=5)
(保険適用希望書受理~保険収載)
最小値 1.567
E2 > E2軽微 25% パーセンタイル 1.650
中央値 1.733
E2 E2軽微
75% パーセンタイル 1.900
(n=7) (n=5)
最大値 1.933
C. 悪性腫瘍遺伝子検査における「包括的な評価の見直し」および
「下支え制度の導入」
背 景
悪性腫瘍遺伝子検査は、治療法選択のみならず悪性腫瘍の診断、病型分類/鑑別など様々な
医療上の用途で活用されている
多項目同時遺伝子検査やがんパネル検査等、検査技術の発展により革新的な検査が次々と臨
床で実用化されている
新たな治療薬/治療法の開発に伴い個別化医療が進展し、それに連動して検査対象遺伝子や
検査の位置づけ、検査タイミングなど検査形態がますます多様化していく
⇒ 革新的な検査の実臨床での応用が期待される分野
現 状
多種多様な悪性腫瘍遺伝子検査が、「D004-2 悪性腫瘍組織検査」の「処理が容易なもの」
「処理が複雑なもの」のわずか2項目にまとめられている。そのため、それぞれの項目に含まれて
いる検査のバラつき(使用用途、コスト)が大きくなっている。
測定技術及び臨床的有用性が異なるにもかかわらず、単項目検出検査と多項目同時検出検
査が同じ取扱いとなっている。
次世代シークエンス法やリアルタイムPCR法が「処理が容易」「処理が複雑」 の両方に含まれてお
り、「処理が容易」「処理が複雑」の定義があいまい。
コンパニオン診断に代表される必須の検査の場合、供給停止となった場合の医療への影響が大き
いため供給維持を強く求められる。
事業性・採算性の悪化により、供給停止あるいは供給困難となるリスクの高い製品がある。
⇒ 保険点数の予見性が低く、事業計画が立てられない
15
C. 悪性腫瘍遺伝子検査における「包括的な評価の見直し」および
「下支え制度の導入」
課 題
1. 臨床的意義や測定技術などが異なる多種多様な悪性腫瘍遺伝子検査が存在するにもかかわら
ず、個々の検査の価値に基づいた適切な評価がされにくい仕組みとなっている
2. 治療方針の決定や診断に関わる必須の検査であるにもかかわらず、開発/製造/流通に係るコス
ト及び品質確保された製品の供給体制維持に必要なコストの評価が不十分なため、事業性/
採算性が悪化し安定供給リスクが高くなる検査がある
⇒ 先進的、革新的技術を用いた製品(検査)が提供されなくなる/できなくなる
提 案
① 「悪性腫瘍遺伝子検査」に含まれる様々な検査を適切に評価するために、個々の検査
項目/技術に対して適切に価値/意義を評価する仕組みが必要ではないか
第1案:他の検査項目と同様、個々の検査項目を個別に評価する
第2案:「処理が容易」「処理が複雑」の定義を明確化し、点数表を見直す
② コンパニオン診断をはじめとして、治療方針の決定や診断に関わる必須の検査が安定供
給できるよう、不採算品目再算定の制度導入が必要ではないか
16
D-1. 「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」の実効性を高めるために
背 景
• 薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが改定され、微生物検査の重要性が改めて記載された。
• 抗微生物薬の適正使用において微生物検査、特に感受性検査は有用であることから、『感染対策向上加
算』等のAMR対策の推進を意図した加算の算定要件には、「微生物学的検査の適宜利用」「微生物検
査・臨床検査の利用の適性化」が盛り込まれている。
課 題
• アクションプラン、感染対策向上加算には、迅速な薬剤感受性検査等の報告をどのようにAMR対策、適正
な薬剤選択に活用するか等の具体的な記載がない
• 耐性菌検査が不採算のため感染対策に十分に活用されていない
• 迅速薬剤感受性検査が保険上で重要視されておらず、迅速感受性検査の研究開発投資が進んでいない
• 施設によっては実施体制が整っておらず、「新興・再興感染症対策」「AMR対策」に資する微生物検査を開
発・市場提供しても、本来の性能を発揮できないことがある。
薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの実効性を高めるために診療報酬改定で具体的施策が必要
提 案
耐性菌検出検査実施料の増点を図る
迅速な薬剤感受性検査報告に加算を設ける
感染対策向上加算の施設基準に「微生物検査の院内実施」の要件を追加する
重症化の恐れのある微生物感染症に対して積極的検査(監視培養含め)を行った場
合は保険適用とし、かつ出来高算定とする
17
D-1. 「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」の実効性を高めるために
“迅速な微生物検査の活用” と “積極的検査” の必要性
AMR対策に対応できる製品を供給しているので、耐性菌発生の抑制・拡散
防止及び患者アウトカムの向上にもっと有効活用して頂きたい
提 案① 耐性菌検出検査、迅速感受性検査の迅速活用推進
耐性菌検出検査実施料の増点/迅速な薬剤感受性検査報告に加算
提 案② 微生物検査の院内実施体制の充実
感染対策向上加算の施設基準に「微生物検査の院内実施」の要件を追加
提 案➂ 積極的検査(入院前検査、術前検査等)の実施
重症化の恐れのある微生物感染症に対して積極的検査(監視培養含め)を
行った場合は保険適用とし、かつ出来高算定とする
院
随時報告
内
微 抗菌薬の選択 迅速かつ 耐性菌発生の抑制
生 適切な
・起因菌の特定 耐性菌拡散の防止
感染防止対策の
診療・感染
物
・薬剤感受性
選択
対策
患者アウトカムの向上
検 ・耐性菌の検出
査
18
D-2.POCT※検査による充実した地域医療への貢献
※ Point of Care Testing
≪背 景≫
• 地域包括ケアシステムの構築のためには、「地域医療の充実」が必要であり、かつ地域の病院で行われ
る医療と診療所のシームレスな連携が不可欠である。
≪状 況≫
• クリニック、在宅で活用できるPOCT対応検査機器・試薬が販売され、臨床検査に基づく診療が可能と
なり、クリニック、在宅医療の現場においても質の高い検査を普及させることにより「質の高い医療」の提
供が可能となっている。
• クリニック、在宅医療の現場でPOCT検査を行うことは、早期の病態把握に貢献でき、医療資源の有効
活用という面においても貢献できる。
≪課 題≫
• クリニック、在宅で使用されるPOCT検査は病院で行われる検査と診療報酬上同一扱いだが、検査に
用いられる検査機器、試薬はそれぞれ異なっており、検査を実施するコストがPOCTの方が高い。
• 医療法においては、診療所において検体検査の精度の確保を求められているが診療報酬上病院での
検査に対しては検査の精度を確保するための手当があるが、クリニック、在宅には現行制度がない
提 案
品質精度が担保されたPOCT検査をクリニック、在宅領域で行うために届けるため、POCT検査
に現行検査とは異なる仕組みを考慮頂きたい。
⇒ 例)POCT検体管理加算(精度が担保された検査)、院外迅速検体加算
19
参考資料
20
p.4 参考資料
A.イノベーション評価 ①有用性・革新性の評価
1.画期性・有用性評価:
既存収載品と比して診断・治療に顕著な進歩・改善をもたらす項目
要 件 内 容 イノベーションの例示
従来検出できなかった異常を検知し、疾患等を診断でき
新規の体外診断用
イ 新規項目 る検査。治療薬選択を可能にする検査
医薬品(画期性)
検査法の無かった疾患に対する検査 sFlt-1/PlGF比
診断精度の向上による早期発見:
感染症におけるウインドピリオドの短縮、
疾病の早期発見 高感度化による早期発見 ※資料:p.9
心筋トロポニンI、心筋トロポニンT(TnT)定性・定量
新生児マススクリーニング検査(先天代謝異常症など)
診断精度の向上:
疾病見落としの減少
感染症におけるサブタイプの追加
ロ 既収載検査に比して
高い有用性、革新性
新たな病型分類(鑑 従来の診断の細分化が可能であり、細分化された診断に
(有用性)
別) 基づいた治療を選択できる。
既存の検査方法が適用できない患者への新たな検査方
患者不利益の解消
法の提示、非侵襲性検体の使用
緊急性 心筋等の緊急検査
TATの短縮などによる早期治療の開始
時間の短縮・即時検査
ベットサイド、在宅等小型、軽量、簡易検査
21
p.4 参考資料
A.イノベーション評価 ①有用性・革新性の評価
2.改良評価:
既存収載品で検査プロセスが改善される項目
要 件 内 容 イノベーションの例示
血液→尿、
患者への貢献 患者負担の軽減
子宮頸管スメア→尿道スメア
(非侵襲検査)
• 患者の負担低減、低侵
尿、血液→唾液等 ※資料:p.26
襲な検査
組織 → 血液 RAS遺伝子変異(血漿)
検体の変更
イ • 操作性等が向上し、在宅 脊髄液 → 血液・尿
での診断(療養)を安全
患者負担の軽減
かつ容易とする
新生児、小児等への適用の追加
(使用検体量の削減)
技術向上等により ベッドサイド、在宅、開業医の行う簡易検査に
可能になった即時検査 よる時間の短縮・即時検査
医療従事者への貢献 施設の規模に関わらず客観的な診断、
自動化 検査技師以外の看護師等でも夜間などに検
• 自動化による業務効率化
査が可能
• 医療従事者の働き方改
ロ
革に資する 非放射線化
• 医療従事者の安全に対し
感染性廃棄物等への
て留意されている
暴露の軽減
22
p.4 参考資料
A.イノベーション評価 ①有用性・革新性の評価
3.市場性評価:
医療的アンメットニーズである検体数が少ないことが想定されている項目
要 件 内 容 説 明
希少疾病に対する検査
ただし希少疾病のスクリーニング検査等検査数は多いものは対
希少疾病
象外。
(例示:メープルシロップ尿症、年間100例。スクリーニングにおい
検体数が少ない検査 ては、乳幼児80万人全員に検査)
2次検査や3次検査等に使用する場合や重症者の
検査数の少ない項目
みに使用する等により検査数が少ない項目
23
p.9 参考資料
使用実績を踏まえた評価が必要な事例:
検査項目名:心筋トロポニンI、心筋トロポニンT(TnT)定性・定量
2014年:経皮的冠動脈形成術、経皮的冠動脈ステント留置術 について、
心筋トロポニンT(TnT)又は心筋トロポニンIが高値であることが条件として追加された
24
診断精度(95% CI), %
25
JuilicherP,etal.BMJ2017;7:e013653. より一部改変
ルド
,)IC
%59(費療医
高感度トロポニン検査による診断精度の向上は医療費
の削減をもたらした
診断精度は94%に向上
医療費は
標準(従来感度):
約500ドル
患者到着6時間後に
削減 トロポニンIを従来感度の
製品で測定
短期入院は7.5%削減、
心臓病棟への入院は
高感度:患者到着2時間後に
25%削減された トロポニンI を高感度製品で測定
※ LoD(検出限界)以下の患者・ADP*該
当患者を除外
積面下線曲COR
)citsiretcarahc-gnitarepo-revieceR(
pp..99 参参考考資資料料
使用実績を踏まえた評価が必要な事例:
心筋トロポニンI、心筋トロポニンT(TnT)定性・定量の有用性
高感度のトロポニン測定系は、発症後2~4時間以内で
救急搬送された胸部痛患者を、来院時及び1時間後
あっても、優れた検出感度・特異性を示す
の高感度トロポニン値で分類すれば、30日後・2年後
までの予後(生存率)が想定できる(心筋梗塞の
診断)
Abbott Architect Troponin I
RocheHigh-SensitiveTroponinT
高感度
Roche Troponin I
Siemens Troponin I Ultra
Roche Troponin T 標準(従来)測定系
胸部痛発症後の時間経過[hours]
Tobias Reichlin et al. N Engl J Med 2009;361:858より一部改変
*ADP(早期診断プロトコル):
血栓溶解心筋梗塞(TIMI)リスクスコアが1以下、
ベースラインおよび2時間 トロポニンが診断用カットオ
フ値以下、かつ来院時の心電図が正常であれば、
その患者は対象外として除外する
)%(率存生
時間経過[days]
除外群
(0h:<12ng/mL かつDelta 1h:<3ng/mL)
経過観察群
(他群に当てはまらない中間値)
陽性群(0h:≧52ng/mL かつDelta 1h:≧5ng/mL)
時間経過[months]
)%(率存生
0hは救急外来受診時、Delta 1hは最初の1時間以内の高感度トロポニンの絶対変化
Fred S. Apple, Clinical Chemistry 55:7 1303-1306, 2009
p.22 参考資料
使用実績を踏まえた評価が必要な事例:
RAS遺伝子変異(血漿)
≪検査の概要≫
進行再発大腸がん患者において、抗EGFR抗体薬は1st lineで用いられているが、RAS変異があると治療効果が無い
ことから、投与判断前にRAS変異を検査することが推奨されている(例:セツキシマブの効能又は効果(RAS遺伝子
野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌)
≪保険適用申請時に評価された臨床上の有用性≫
デジタル PCR 法とフローサイトメトリー法を組み合わせた高感度な血漿中のRAS遺伝子変異検査であり、組織検体の
入手が困難な患者や再生検による合併症のリスクが高い患者で、低侵襲かつ迅速に治療薬投与判断が可能
改良評価 イ. 患者への貢献
≪現状と課題≫
従来の分子標的薬開発は、組織検査の結果を元に適用患者
の選択をしてきた。
そのため技術的な改良により血液を用いた検査が開発されても、
保険上の扱いは「組織を用いた検査が困難な場合」であり評価は限定的
(初回保険適用時は組織と血液の分析学的な同等性を示せても、介入に
よる長期予後のアウトカムの説明は困難)
迅速かつ低侵襲なメリットは医師も理解しており、血液検査に基づく治療選択の前向きなエビデンス蓄積も開始され始め
ている。
リキッドバイオプシーによるゲノム解析の有用性を証明|国立がん研究センター (ncc.go.jp)
血漿と組織のそれぞれのRAS遺伝子変異に基づいた治療成績が変わらない又は勝っているというエ
ビデンス蓄積後に「組織検査が困難な場合」という制限の見直しのチャレンジ申請を考慮可能な事例
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。