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〈参考1〉医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン (令和6年3月1日改訂)
医療用医薬品の流通改善に関する懇談会 第38回 / 2024-10-10 開催 / 8ページ
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施行 平成30年1月23日
改訂 令和3年11月30日
令和6年3月1日
医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が
遵守すべきガイドライン
第1 基本的考え方
1 策定の経緯及び目的等
(1)経緯及び目的
○ 薬価調査における適切な市場実勢価の把握を行うに当たっては、流通関
係者1が、公的医療保険制度における薬価基準で定められた公定価格を踏
まえつつ、透明な市場実勢価の形成に努めることが必要である。この原則
の下、厚生省(当時)は昭和 58 年3月に「医療用医薬品流通近代化協議
会」を設置し、昭和 62 年には流通関係者間の文書契約促進のためのモデ
ル契約書の策定等を、平成2年には「医療用医薬品の流通近代化と薬価に
ついて」のとりまとめを行い、継続した流通改善を求めてきた。
○ 平成 16 年6月には医療用医薬品流通近代化協議会を引き継ぐ形で「医
療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(流改懇)を発足させ、同年12月
に「中間とりまとめ」が行われた。平成19年9月には「医療用医薬品の流
通改善について(緊急提言)」において、一次売差マイナス等の改善、長期
にわたる未妥結・仮納入の改善、総価契約の改善が要請された。
あわせて流改懇の下に流通関係者から構成されるワーキングチームを発
足させ、これらの要請に対して流通改善のための取組を厚生労働省も行っ
てきたところである。
○ 平成27年9月に「医療用医薬品の流通改善の促進について(提言)」に
おいて、医薬品の価値に基づく単品単価交渉の更なる促進といった今後引
き続き取り組むべき事項が示されるなど、様々な取組を進めてきたところ
であり、長期の未妥結に関しては改善されたが、単品単価取引の状況等を
見ると原則に沿った状況にあるとは言い難い現状にある。
○ さらに、2年に1回行われる薬価調査・薬価改定の間の年(中間年)に
1 医療用医薬品製造販売業者(メーカー)、医薬品卸売販売業者(卸売業者)、
保険医療機関及び保険薬局
1
薬価調査・薬価改定を行われていることを考慮すれば、これまで以上の流
通改善の推進、薬価調査のための環境整備が必要である。
○ このような経緯から、これまで流通改善については流通当事者間の取組
として進めてきたが、今後は国が主導し、流通改善の取組を加速するため、
「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライ
ン」(以下「流通改善ガイドライン」という。)を作成し、遵守を求めると
ともに、流通改善ガイドラインの趣旨・内容を「未妥結減算制度」に取り
入れるなど、診療報酬等における対応を検討することを含め、保険制度上
の施策をはじめとする総合的な取組を実施することとした。
○ 流通改善の取組は、流通関係者が一体となって将来にわたる流通機能の
安定性を確保するため進めるべきものであり、当事者間での流通経費等の
負担の公平性の確保、適正な流通コストを念頭に置いた取組が必要である。
○ 医療保険制度の中で、品質の確保された医薬品が安定的に供給されると
ともに、国民が革新的新薬にアクセスできることも確保していかなければ
ならない。
原材料費の高騰や人件費の上昇などが、医薬品のサプライチェーンに影
響を及ぼしている中で、厚生労働省としても、より適正な医薬品流通のあ
り方について流改懇等で議論を行い、流通改善ガイドラインの改訂等の必
要な取組を進めていく。
(2)改訂について
○ 令和2年末に発覚した後発医薬品企業の不祥事を端緒とした一連の供
給不安や、いわゆるドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス2と呼ばれている事
象が顕在化した結果、国民に必要な医薬品が届かないという保健衛生上
極めて重大な問題が生じている現状を踏まえ、「革新的な医薬品や医療ニ
ーズの高い医薬品の日本への早期上市」、「医薬品の安定供給」を確保す
る観点から、流通や薬価制度、産業構造の検証などの幅広い議論を行うた
め、令和4年9月、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関
する有識者検討会」(以下「有識者検討会」という。)を立ち上げ、13 回
にわたり検討を行い、令和5年6月、それまでの検討結果をまとめた報告
書が提出された。
○ 報告書では、医薬品の取引において、メーカー、卸売業者、保険医療機
関及び保険薬局といった流通関係者全員が、流通改善ガイドラインを遵
守し、医薬品特有の取引慣行や過度な薬価差、薬価差の偏在の是正を図り、
2 海外では承認されているが、日本では承認されていない医薬品が発生してい
る事象のことをいい、このうち、特に日本での開発に着手されていない事象
をドラッグ・ロスという。
2
適切な流通取引が行われる環境を整備していくべきであるとされており、
さらなる流通改善を図るため、今般、流通改善ガイドラインの改訂を行う。
2 メーカーと卸売業者との関係において留意する事項
(1)仕切価の設定と割戻し等のあり方
○ 一次売差マイナス3の解消に向け、医薬品の価値に基づく早期妥結・単
品単価契約を進めるため、卸売業者と保険医療機関・保険薬局との川下
取引の妥結価格(市場実勢価)水準を踏まえた適切な一次仕切価の提示
に基づく適切な最終原価を設定すること。
○ 割戻し(リベート)は卸機能の適切な評価に基づくものとし、割戻
し、アローアンスのうち仕切価に反映可能なものについては仕切価へ反
映した上で、整理・縮小を行うとともに、契約により運用基準を明確化
すること。4
○ 仕切価の提示は、薬価告示後、早期に行うこと。
○ 割戻し、アローアンスの決定は、メーカーと卸売業者との間での十分
な協議を踏まえ、書面により運用基準を明確化すること。
3 卸売業者と保険医療機関・保険薬局との関係において留意する事項
(1)早期妥結と単品単価交渉5に基づく単品単価契約の推進
○ 未妥結減算制度の趣旨を踏まえ、原則として全ての品目について単品
単価交渉とすることとし、契約に当たっては、単品ごとの価格を明示し
た覚書を利用する等により行うこと。
○ 銘柄別収載を基本とする薬価基準制度の趣旨を踏まえ、価格交渉の段
階から個々の医薬品の価値を踏まえた単品単価交渉を行うことを基本と
し、前年度より単品単価交渉の範囲を拡大していくこと。
3 納入価が仕切価よりも低い状況。
4 「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」(平成3年7月11日公正
取引委員会事務局)においても、「リベートの供与自体が直ちに独占禁止法
上問題となるものではない」としつつも、「リベートの供与の方法によって
は、取引先事業者の事業活動を制限することとなり、独占禁止法上問題とな
る場合がある」とし、「リベートの供与の基準を明確にし、これを取引の相
手方に示すことが望ましい」としている。
5 他の医薬品の価格の影響を受けず、地域差や個々の取引条件等により生じる
安定供給に必要なコストを踏まえ、取引先と個別品目ごとに取引価格を決め
る交渉。
3
○ 「医薬品の安定供給」を確保する観点から、特に医療上の必要性の高
い医薬品として基礎的医薬品、安定確保医薬品(カテゴリーA)、不採
算品再算定品、血液製剤、麻薬、覚醒剤及び覚醒剤原料については、価
格交渉の段階から別枠とし、個々の医薬品の価値を踏まえた単品単価交
渉とすること。
○ これまでも単品単価交渉を行ってきた新薬創出等加算品等について
も、引き続き単品単価交渉を行うものとし、流通改善が後戻りすること
のないようにすること。
(2)医薬品の価値を無視した過大な値引き交渉及び不当廉売の禁止
○ 医薬品の価値を無視した過大な値引き交渉は、個々の医薬品の価値を
反映した銘柄別の薬価収載を行う現行の薬価制度とは相容れない行為で
ある。また、安定供給に必要な流通コストを考慮しない値引き交渉6を行
うことは、一次売差マイナスの一因となり、医薬品の安定供給や卸売業
者の経営に影響を及ぼしかねない。
○ こうした観点から、卸売業者は、個々の医薬品の仕切価に安定供給に
必要なコスト(地域差や物価上昇等を考慮した人件費や流通コスト等)
を踏まえた適切な価格設定を行うとともに、交渉を行う双方が、その根
拠と妥当性を説明するなどにより、価格交渉を進めること。
○ 取引条件等を考慮せずにベンチマークを用いての一方的な値引き交渉
や取引品目等の相違を無視して同一の総値引率を用いた交渉、取引条件
等を考慮せずに同一の納入単価での取引を各卸売業者に求める交渉など
は厳に慎むこと。
○ 価格交渉を代行する者に価格交渉を依頼するに当たっては、価格交渉
を代行する者がこうした交渉を行うことがないよう流通改善ガイドライ
ンを遵守させること。
○ 正当な理由がないのに、医薬品をその供給に要する費用を著しく下回
る対価で継続して供給することにより、他の卸売業者の事業活動を困難
にさせるおそれがある場合には、独占禁止法上の不当廉売に該当する可
能性があることに留意すること。
6 流通コストを考慮しない値引き交渉とは、薬価に含まれている流通経費や、
薬価改定において考慮されている安定的な医薬品流通のための調整幅(改定
前薬価の2%)を踏まえた価格設定を無視した交渉をいう。
なお、原価計算方式には医薬品産業実態調査の直近3か年分の平均率の流
通経費を盛り込んでいる。
4
(3)頻繁な価格交渉の改善
○ 頻繁な価格交渉は、卸売業者の使命である安定供給に支障を来すとと
もに購入側にも負担増となることや、未妥結減算制度の趣旨を踏まえ、
当年度内は妥結価格の変更を原則行わないこととし、変更を行うのは期
中で薬価改定(再算定等)があるなど医薬品の価値に変動がある場合と
すること。
4 流通当事者間で共通して留意する事項
(1)返品の扱い
○ 品質の確保された医薬品の安定供給、不動在庫・廃棄コスト増による経
営への影響、さらに偽造品流通防止の観点から、返品の取扱いに関する流
改懇の提言(平成 18年)を踏まえた対応を行うこと。
○ 特に、以下に該当する医薬品の返品は、卸売業者及び保険医療機関・保
険薬局等とも互いに慎むこと。
① 厳格な温度管理を要する医薬品の返品
② 有効期限を経過した医薬品の返品
③ 開封された医薬品の返品
④ 汚損、破損した医薬品の返品
⑤ 卸売業者と保険医療機関・保険薬局等との契約により「返品不能」
と指定されている医薬品の返品
⑥ その他、価値、安全性等が棄損されている又はそのおそれがあると
合理的に認められる医薬品の返品7
⑦ 在庫調整を目的とした医薬品の返品8
(2)回収の扱い
○ メーカーは、医薬品の回収等により供給不足が生じ、又は生じるおそれ
がある場合、「医療用医薬品の供給不足に係る適切な情報提供について」
(令和 2 年 12 月 18 日付医政経発 1218 第 3 号厚生労働省医政局経済課長
通知)に従い、適宜、保険医療機関・保険薬局、卸売業者及び関係団体に
7 特に温度管理を要する医薬品、有効期限を経過した医薬品、開封された医薬
品、汚損、破損した医薬品の返品は「医療用医薬品卸売業における景品類の
提供の制限に関する公正競争規約運用基準」において制限しているが、これ
ら以外にも医療機関等から返品されても、卸売業者にて再販売ができず廃棄
前提となる医薬品があることを想定。
8 例えば月末に返品して、翌月に買い戻す行為。
5
対して早急に必要な情報提供を行うこと。また、回収等に伴い生じる経費
負担については、当事者間で十分に協議すること。
(3)公正な競争の確保と法令の遵守
○ 全ての流通関係者は公正かつ適正な取引に努め、独占禁止法をはじめ、
不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)に基づく「医
療用医薬品製造販売業における景品類の提供の制限に関する公正競争規
約」及び「医療用医薬品卸売業における景品類の提供の制限に関する公正
競争規約」などの関係法令等を遵守すること。このため、全ての取引当事
者は企業又は団体等が主催する研修を定期的に受講すること等により、
その実効性の担保に努めること。
(4)カテゴリーごとの流通のあり方
○ 流通当事者は、特別な管理が必要な医薬品、長期収載品、後発医薬品な
ど、カテゴリーごとの特徴を踏まえた、流通改善の取組を進めること。
5 流通の効率化と安全性・安定供給の確保
○ 卸売業者は、頻回配送・急配の回数やコスト負担等について、取引先の
保険医療機関・保険薬局に対し、かかるコストの根拠等に基づき説明を行
い理解を求めること。また、安定供給に支障を来す場合や、卸売業者が費
用負担を求める場合には、当事者間で契約を締結すること。
○ 流通関係者全体が、流通の効率化と安定供給の確保のため、常に適正な
在庫量を維持し、卸売業者は必要な提案等を行うこと。
○ 「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討
会」最終とりまとめを踏まえ、医薬品の流通過程において、高額な医薬品
の増加などに伴う偽造品の混入防止のため、我が国の医薬品取引における
返品、不動在庫や回収コスト等に係る課題についても解決を図っていく必
要があることから、一連のサプライチェーンの下で、流通関係者間におい
て更なる取組を進めること。
○ 「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」の取りまとめを踏ま
え、サプライチェーンの安定性確保のため、過剰な在庫確保や不必要な急
配を控えるとともに、実際に供給不安が生じた際には、「医療用医薬品の
供給不足が生じる場合の対応スキーム」(令和3年5月28日付医政経発
0528第3号厚生労働省医政局経済課長通知)を実施するなど、安定供給の
6
確保のための取組を行うこと。また、安定確保医薬品については、医療上
の重要性に鑑み、特に安定供給の確保に配慮すること。
○ 一社流通9を行うメーカーは、自ら又は卸売業者と協力し、その理由について、
保険医療機関・保険薬局に対して丁寧に情報提供を行うこと。また、一社流通を
行うメーカー及び卸売業者は、その医薬品の安定供給を行うこと。
○ 医薬品の供給量が不足している状況においては、流通関係者は、以下の項目
について留意すること。
・ メーカー及び卸売業者は、在庫の偏在防止に努める。
・ 卸売業者及び保険医療機関・保険薬局は、必要な患者に必要な医薬品が行
き渡るよう、過剰な発注は控え、当面の必要量に見合う量のみの購入を行う。
・ 保険薬局は、自らの店舗で不足している医薬品について、系列店舗や地域
における連携により、可能な限り不足している医薬品の調整に努める。
○ 変動情報を含んだ医療用医薬品特定用符号表示について、医療安全(取り違
え防止)、トレーサビリティ確保(回収等)、流通効率化、さらに偽造品流通防止
の観点から、変動情報を含むGS1識別コードを適切に表示するとともに、製品
の商品コードを一般財団法人医療情報システム開発センターに登録すること。
流通関係者は、医療安全の観点から GS1 識別コードの利活用を推進するこ
と。
第2 厚生労働省による関与
(1)厚生労働省への相談
○ 流通当事者間で交渉が行き詰まり、改善の見込みがない場合又は流通
改善ガイドラインの趣旨に沿わない事例については、厚生労働省医政局
医薬産業振興・医療情報企画課に設置した窓口10に相談することができる。
○ 厚生労働省では相談内容を流通改善ガイドラインの事項ごとにまとめ、
流改懇等や厚生労働省のウェブサイトで公表し、事案の見える化を通じ
て流通改善ガイドラインの遵守を促す。
○ 公表後に同様の事案を繰り返し行うなど改善の見込が無く、適正な医
薬品流通に支障を来すものと厚生労働省が判断した事案については、ヒ
9 メーカーが自社の医薬品を卸売業者1社または、同一グループに限定して
流通させること(地域ごとに担当の卸売業者を1社決めて流通させている場
合も該当する。)。
10 宛先:厚生労働省医政局 医薬産業振興・医療情報企画課
相談票の提出フォーム:mhlw.go.jp/form/pub/mhlw01/202004_01_ryutsugl
メールアドレス:souki-daketu@mhlw.go.jp
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アリングや指導を行い、その詳細について流改懇への報告や厚生労働省
のウェブサイトで公表するなど必要な措置をとる。
(2)流通改善ガイドラインの遵守状況の確認
○ 単品単価交渉の状況等については、流改懇とともに中央社会保険医療
協議会にも報告する。
(3)流通改善の推進に向けた取組の実施
○ 厚生労働省は、モデル契約書の見直しや、流通改善の推進のために必要
なデータを収集・分析し流改懇等に報告を行う等の必要な取組を行う。
第3 流通改善ガイドラインの適用日等
○ この流通改善ガイドラインは平成30年4月1日から適用する。
○ 流改懇等における流通改善ガイドラインの遵守状況の確認にあわせて、
必要に応じて流通改善ガイドラインを見直す。
○ 改訂後流通改善ガイドラインは令和6年3月1日から適用する。
8
この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。