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中医協 費-1
28.4.27
費用対効果評価の試行的導入における対象品目等について(案)
1 既収載品にかかる対象品目について
○ 費用対効果評価の試行的導入における既収載品にかかる対象項目については、「医薬品
及び医療機器の費用対効果評価に関する取扱いについて」(平成28年2月10日医政発0210
第 10 号、保発 0210 第 9 号)において、以下の選定基準を定めているところ。(参考1)
<(参考1)既収載品にかかる選定基準>
「医薬品及び医療機器の費用対効果評価に関する取扱いについて」(平成28年2月10日)
次の全ての要件を満たす品目を対象品目とする。
① 以下のいずれにも該当しないこと。
イ 治療方法が十分に存在しない希少な疾患(指定難病、血友病及び HIV 感染症)に
対する治療にのみ用いるもの
ロ 「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」又は「医療ニーズの高い
医療機器等の早期導入に関する検討会」における検討結果を踏まえ厚生労働省が行っ
た開発要請又は公募に応じて開発されたもの
② 以下のいずれかに該当すること。
イ 平成 24 年度から平成 27 年度までの間に保険適用された品目であって、類似薬効
比較方式又は類似機能区分比較方式で算定されたもののうち、
ⅰ 補正加算の加算率が最も高いもの
ⅱ 10%以上の補正加算が認められたものの中で、医薬品についてはピーク時予測売
上高が最も高いもの、医療機器については保険償還価格が最も高いもの
ロ 平成 24 年度から平成 27 年度までの間に保険適用された品目であって、原価計算
方式で算定されたもののうち、
ⅰ 営業利益率の加算率が最も高いもの
ⅱ 10%以上の加算が認められたものの中で、医薬品についてはピーク時予測売上高
が最も高いもの、医療機器については保険償還価格が最も高いもの
これによって選定された品目の薬理作用類似薬及び同一機能区分に該当する医療機器も
対象とする。
1
○ 当該選定基準に基づくと、既収載品のうち、以下表のとおり、
・医薬品7品目
・医療機器5品目
が該当することとなる。
○ 今後、これらの品目について、費用対効果評価の試行的導入にかかる対象品目として定
め、製造販売業者にデータの提出を求めるとともに、評価の手続きを進めることとする。
【医薬品】(7品目)
(類似薬効比較方式:5品目)
販売名 主な 補正加算の ピーク時
選定理由
(製造販売業者名) 適応症 加算率 予測売上高
ソバルディ C型慢性 補正加算の加算率が最も高い
10%以上の補正加算が認められたも
(ギリアド・サイエンシ 肝炎 100% 987億円
のの中で、ピーク時予測売上高が
ズ)
最も高い
ハーボニー
(ギリアド・サイエンシ 0% 1,190億円 類似品
ズ)
ヴィキラックス
0% 608億円 類似品
(アッヴィ)
ダクルインザ
(ブリストル・マイヤー 40% 222億円 類似品
ズ)
スンベプラ
(ブリストル・マイヤー 0% 159億円 類似品
ズ)
(原価計算方式:2品目)
販売名 主な 営業利益率の ピーク時
選定理由
(製造販売業者名) 適応症 加算率 予測売上高
オプジーボ 悪性黒色腫
60% 31億円 営業利益率の加算率が最も高い
(小野薬品工業) 等
カドサイラ HER2陽性
10%以上の加算が認められたものの
(中外製薬) の再発乳癌 10% 170億円 中で、ピーク時予測売上高が最も高
い
等
2
【医療機器】(5品目)
(類似機能区分比較方式:3品目)
販売名 主な 補正加算の 保険償還価格
選定理由
(製造販売業者名) 適応症 加算率 (保険適用時点)
カワスミNajuta胸部ス 胸部大動
テントグラフトシステム 脈瘤 20% 1,850千円 補正加算の加算率が最も高い
(川澄化学工業)
アクティバRC 振戦等 10%以上の補正加算が認めら
15% 2,070千円 れたものの中で、保険償還価
(日本メドトロニック)
格が最も高い
バーサイスDBSシステ
ム
0% 2,070千円 類似品
(ボストン・サイエンティ
フィック ジャパン)
(原価計算方式:2品目)
販売名 主な 営業利益率の 保険償還価格
選定理由
(製造販売業者名) 適応症 加算率 (保険適用時点)
ジャック 外傷性軟
営業利益率の加算率が最も高
(ジャパン・ティッシュ・ 骨欠損症 50% 2,080千円
い
エンジニアリング)
サピエンXT 重度大動
10%以上の加算が認められたも
(エドワーズライフサイ 脈弁狭窄 47.5% 4,310千円 のの中で、保険償還価格が最
エンス) 症 も高い
3
2 新規収載品の選定基準について
○ 新規収載品については、試行的導入の評価結果は価格算定に用いず、今後の制度にかか
る検討の際に用いることとしているが、既収載品と同様に、「医薬品及び医療機器の費用
対効果評価に関する取扱いについて」(平成28年2月10日医政発0210第10号、保発0210
第 9 号)において、選定基準を定めており(参考2)、保険適用希望時に企業の希望する
取扱いが既収載品の選定基準と同程度の水準以上である場合に、データの提出を求めるこ
ととしているところ。
<(参考2)新規収載品の選定基準>
「医薬品及び医療機器の費用対効果評価に関する取扱いについて」(平成28年2月10 日)
次の全ての要件を満たす品目を対象品目とする。
① 以下のいずれにも該当しないこと
略(参考1と同)
② 以下のいずれかに該当すること
イ 類似薬効比較方式又は類似機能区分比較方式で 10%以上の補正加算を希望する品目
であって、別に中央社会保険医療協議会で定めるピーク時予測売上高以上のもの
ロ 原価計算方式で10%以上の営業利益率の加算を希望する品目であって、別に中央社会
保険医療協議会で定めるピーク時予測売上高以上のもの
○ 当該選定基準における「別に中央社会保険医療協議会で定めるピーク時予測売上高」の
額については、対象となった既収載品のピーク時予測売上高の水準等を踏まえて設定する。
(※)ただし、医療機器については、
・平成28年度改定以前までは、企業の提出する保険適用希望書においてピーク時予測売上高が
明らかになる様式とはなっていないこと
・既収載品の選定基準においても、ピーク時予測売上高に代わり償還価格を用いていること
等を踏まえ、より幅広い品目に関して推定された予測売上高を踏まえて設定する。
予測売上高 予測売上高
(類似機能区分比較方式で算定した品目) (原価計算方式で算定した品目)
(億円) (億円)
60 8
50
6
40
30
4
20
2
10
0
0
0 2,000,000 4,000,000 6,000,000
0 2,000,000 4,000,000 6,000,000
償還価格(円) 償還価格(円)
(平成26年度改定以降に保険適用された新規医療材料について、償還価格及び保険適用希望書に記載さ
れた予測販売数から医療課で試算)
(平成27年11月25日中医協保険医療材料専門部会資料「材-1」より抜粋・改変)
4
○ これらを踏まえ、新規収載品の選定基準における「別に中央社会保険医療協議会で定め
るピーク時予測売上高」の具体の額については、以下のとおりとすることとする。なお、
当該額については、今後の状況を踏まえつつ、必要に応じて見直すものとする。
【医薬品】
類似薬効比較方式 :500億円 原価計算方式:100億円
【医療機器】
類似機能区分比較方式:50億円 原価計算方式:10億円
○ 選定基準を満たす新規収載品についてのデータ提出の開始時期については、すでに保険
適用希望書をほぼ作成し終えている場合があることも考慮し、事前相談等も含めた一定の
準備期間を確保しておく観点から、平成28年10月以降に保険適用希望書が提出されるも
のについて、選定基準を満たす場合に対象とする。
3 今後のスケジュールについて
○ 今後、以下のスケジュールを目安として検討を進めることとする。
(既収載品)
平成28年4月以降 • 再算定に係る品目を指定し、該当企業においてデータ提出の準
備を開始
• 再分析グループにおいて再分析に係る準備を開始
平成28年夏頃 • 費用対効果評価専門組織において、分析方法等の事前確認
(新規収載品)
平成28年10 月 • 選定基準を満たす新規収載品についてデータ提出を開始
(既収載品)
平成28年度内 • 該当企業によるデータ提出の締め切り
• 再分析グループによる再分析を開始
平成29年度以降 • 費用対効果評価専門組織において、総合的評価(アプレイザル)
を実施
• 薬価算定組織及び保険医療材料専門組織において、評価結果に
基づく再算定を実施し、価格算定案を作成
• 費用対効果評価再算定の実施
5
中医協 費-1参考
2 8 . 4 . 2 7
費用対効果評価の試行的導入について(概要)
1
費用対効果評価に係る議論の経緯
1.
分析方法
2.
試行的導入に向けたとりまとめ
3.
試行的導入の運用と本格的な導入に向けた議論
4.
2
医療技術の費用対効果評価の必要性
① 高額な医療技術の増加による医療保険財政への影響につい
ての懸念
② これまでは医療技術の保険収載や保険償還価格の判断材料
に費用対効果は重視されてこなかった
医療技術の費用対効果評価の導入の検討が必要
年 月に中医協費用対効果評価専門部会を設置
2012 5
3
中央社会保険医療協議会の関連組織
中央社会保険医療協議会 総会
報 報 報 報
告 告 告 告
保険医療材料 費用対効果評価専門部会 薬価専門部会
専門部会 (2012.5設置)
そ
所掌:薬価の価格
所掌:医療保険制度における費用 の
算定ルールを
所掌:保険医療材 対効果評価導入の在り方につ 他
審議
料の価格算定 いて審議 の
委員:支払4, 診療4,
ルールを審議 委員:支払6, 診療6, 公益4, 専門委 部
公益4
委員:支払4, 診療4, 員4 会
開催:改定の議論
公益4 開催:改定の議論に応じて開催 等
に応じて開催
開催:改定の議論
に応じて開催
4
費用対効果評価に係る検討の経緯
2012.5 費用対効果評価専門部会の創設
・対象技術
・分析方法(効果指標の取り扱い等)
・評価結果の活用方法 等
について、海外の事例も参考にしながら、月に一回程度のペースで議論
2013.11 議論の中間的な整理をとりまとめ
2014.4~12 具体例を用いた検討の方法等について議論
2015.1~4 具体例の分析結果等について非公開で議論
2015.5~11 具体例の検討に係る議論を通じた課題等を報告し、試行的導入を目指して個別
の論点に沿って議論
2015.12 試行的導入の在り方についてとりまとめ(「費用対効果の試行的導入について」)
2016.4 費用対効果評価の試行的導入
経済財政運営と改革の基本方針2015(2015年6月30日閣議決定)
医療の高度化への対応として、医薬品や医療機器等の保険適用に際して費用対効果を考慮
することについて、2016年度診療報酬改定において試行的に導入した上で、速やかに本格的
な導入をすることを目指す
5
費用対効果評価の試行的導入について(概要)
中医協における議論を踏まえ、平成28年度診療報酬改定において、医薬品・医療機器の評
価について、費用対効果評価の観点を試行的に導入する。
<費用効果分析の手順> <評価の一連の流れ(イメージ)>
b-a (費用がどのくらい増加するか) 保険収載
増分費用効果比
=
※医薬品、医療機器について、
(ICER)
B-A (効果がどのくらい増加するか)
品目を選定基準に基づき指定
評価対象の
費用
医療技術
b 企業によるデータ提出
再分析
a
総合的評価(アプレイザル)
A B
効果
比較対照技術
中医協の了承
費用対効果の評価結果に
基づく価格調整を実施
6
費用対効果評価に係る議論の経緯
1.
分析方法
2.
試行的導入に向けたとりまとめ
3.
試行的導入の運用と本格的な導入に向けた議論
4.
7
費用効果分析の手順
① 評価対象の医療技術及び比較対照の医療技術について、「費用」と「効果」 を別々に積算
② 増分費用効果比(ICER; Incremental Cost-Effectiveness Ratio)を評価
(1)
b - a (費用がどのくらい増加するか) それぞれの
増分費用効果比
= 計算方法を
(ICER)
B – A (効果がどのくらい増加するか) 定義付け
(2)
評価対象の
費用
医療技術
b
b – a
(比較対照よりどのくらい費
用が増加するか)
a
B - A
A B
比較対照技術 (比較対照よりど 効果
のくらい健康状態
が改善するか) 8
(1) 「費用」の取扱い
公的医療費のみを費用に含めることを原則とし、公的介護費用や当該疾患によって仕事等
ができない結果生じる生産性損失は、基本分析においては含めない。
ただし、公的介護費や生産性損失を含めた分析を同時に提出してもよい。
原則として費用に含めるもの 必要に応じて費用に含めるもの
公的医療費 公的介護費
その他の支出(受診のための交通費等)
家族等による介護等の費用
原則①:公的医療費は医療技術だけでなく、関連
する医療費も考慮する。 本人の生産性損失
その他の関連する医療費
(生産性損失について)
医療技術 外来・入 検査の 他の治療
その他
• 生産性損失は、含める範囲や推計方法により、値
の費用 院の費用 費用 の費用
が異なってしまい、データ提出者にとって有利な分
析が行われる可能性もある。
費用=関連する医療費も全て含む
• 生産性損失を含めた分析を行うとされている国で
原則②:経時的な費用も考慮する。 も、実際には分析に含めていないことが多い。
費 • 生産性損失が医療費と比べて大きすぎる場合、費
費用=1年目+2年目+3年目+
用 用のほとんどを生産性損失を占めることになり、医
10万円 … +n年目
療費の効率性の観点での評価が困難になる。
7万円 5万円
……
9
0 1 2 3 n年
医療費積算の例
例)薬剤費、入院費、検査費等 薬剤A = 薬剤B
再発予防効果 薬剤A > 薬剤B
※再発率は薬剤Bの方が高い(下記では3年目に再発と仮定)
単位:円
薬剤費・入院費・検査費等
再発による医療費 合計
1年目 2年目 3年目
薬剤A 100万 70万 50万 0万(再発なし) 220万
薬剤B 100万 70万 50万 70万 290万
再発が多い分、薬剤Bの
費用 薬剤A 費用 薬剤B 医療費が高くなる。
合計
(万円) (万円)
費用
薬剤B
再発による
70 追加医療費
薬剤A
再発による
追加医療費
100
100
70 薬剤費・
…… 70 ……
50 入院費・
50
検査費等
10
0 1 2 3 n年 0 1 2 3 n年
(QALYの利点)
ある健康状態でのQALY =【QoLスコア】 × 【生存年数】
• 多くの疾患で使用できる。
• 生存年数と生活の質(QoL)の双方を考慮する。 • 複数の効果やトレードオフ
を同時に評価できる。
• QoLについては、1を完全な健康、0を死亡とする「QoLスコア(効用値)」
を用いる。 • 結果の解釈がしやすい。
【健康状態が一定のとき】
1
0.7
QoLが0.7の状態で
2年間生存
2 (年)
QALY = 0.7 x 2 =1.4
QoL
(2) 「効果」の取扱い
効果指標は質調整生存年 (QALY; Quality-adjusted life year) を基本としつつ、疾患や医薬
品・医療機器等の特性等に応じて、その他の指標も用いることができる。
QALYの計算方法
【健康状態が変化するとき】
ス
コ
U(t)
ア
T
T
QALY u(t)dt (曲線下の面積) 11
0
費用対効果評価に係る議論の経緯
1.
分析方法
2.
試行的導入に向けたとりまとめ
3.
試行的導入の運用と本格的な導入に向けた議論
4.
12
試行的導入に向けたとりまとめ(概要)
平成27年12月16日の中医協において、それまでの議論を踏まえて、平成28年度診
療報酬改定時における試行的導入の在り方についてとりまとめが行われた。
<②及び③の概要(イメージ)>
「費用対効果評価の試行的導入について」
保険収載 ※医薬品、医療機器について、品目を
(平成27年12月16日中央社会保険医療協議会了承) 選定基準に基づき指定
①はじめに
②試行的導入における再算定の流れ
企業によるデータ提出
③新規保険収載時に求める取り組み 公的な専門体制により
中立的な立場から再分
④費用対効果評価専門組織の在り方
再分析 析を実施
⑤本格的な導入に向けて検討すべき課題
分析結果の妥当性を
総合的評価(アプレイザル)
⑥今後のスケジュール 科学的な観点から検証
することに加え、分析結
果に基づき倫理的、社
中医協の了承
会的影響等に関する観
点から総合的に評価
費用対効果の評価結果に
基づく価格調整を実施
※ 新規収載品についても、今後の検討に用いるためデータ提出を求めるが、価格調整には用いない。
13
企業によるデータ提出について
① 選定基準に基づき選定された対象品目について、製造販売業者は、分析ガイドライ
ン(※)に基づき分析を実施し、分析方法、条件及び分析結果を示すデータを提出
(任意での提出も可)
② 分析を開始する前に、分析手法等について事前相談を実施
③ ガイドラインに基づく標準的な分析方法以外の分析方法を取る場合等には、必要に
応じて、費用対効果評価専門組織において分析方法等の妥当性等について予め
確認
※ 平成27年度厚生労働科学研究費補助金(政策科学総合研究事業)
「医療経済 評価の政策応用に向けた評価手法およびデータの標準化
と評価のしくみの構築に関する研究」
(研究代表者:国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部部長
福田敬)により作成
14
再分析の実施について
①企業が提出したデータについて、公的な専門体制により中立的な立場から再分析を
実施することとする。再分析の実施に当たっては、公的な専門体制と連携した外部の
専門家らが主として再分析を実施
②再分析の実施に当たっては、利益相反に関する規定を定め、再分析グループの構成
員は、この規定に従って再分析の実施に参加
<再分析のイメージ>
厚生労働省
大学A 大学C
再分析結果を
再分析業務を委託
とりまとめて報告
大学B
15
総合的評価(アプレイザル)の実施について
①費用対効果評価専門組織において、企業及び再分析グループにより示された
増分費用効果比(ICER)等の分析結果を踏まえ、専門的見地から総合的評価
(アプレイザル)を行い、評価結果案を策定(非公開で開催)
②データを提出した製造販売業者は、費用対効果評価専門組織に出席して直接
の意見表明を行うことが可能
(データ作成に関与した者の同行も可)
③総合的評価(アプレイザル)の結果、
対象患者や使用方法をより詳細にした分析や
生産性損失等を含めた分析など
など、さらに別の分析方法での分析についても検討を行う必要があると判断され
た場合は、改めて分析を実施
16
総合的評価(アプレイザル)における観点について
総合的評価(アプレイザル)における2つの観点
1)分析結果の妥当性を科学的な観点から検証する観点
2)倫理的、社会的影響等に関する観点
<参考:諸外国における考慮要素>
イギリス スウェーデン オーストラリア フランス
• 疾患の重症度 医薬品償還3原則 • 比較対照技術からの追加的 「公正性」コンセプトの例:
• 致死的な疾患での延命治 • すべての人間が平等に 有用性の大きさ • 効能
療 取り扱われる、年齢や • 保険で償還しなかったときの • 公平性
• 関係者からの意見 人種、性別等による差 患者負担額の大きさ • 差別
• イノベーションの大きさ 別を受けない • 保険予算全体へのインパクト • 地理的不均衡
• 障害者などの集団への配 • 重症度の高い人は優先 等 • 社会的不公平
慮 的に償還される • 利用の容易さ
• 小児の疾患 • 費用対効果のよい医薬 • 代償/補償
品を償還する ※HASの一般的な行動原則に
ついて示した資料から引用
償還の可否の判断/価格 償還の可否の判断 償還の可否の判断/価格への 価格への反映
への反映 反映
17
総合的評価(アプレイザル)における評価結果について
① 最終的には、分析結果として示された増分費用効果比(ICER)等を踏まえ、「費用対
効果が良い」又は「費用対効果が悪い」のような定性的な評価結果を示す
② 評価の際に目安となる増分費用効果比(ICER)の値については、今回の試行的導入に
おいては定めず、研究班から示された考え方を参考として用いながら判断を進めていく
こととし、試行的導入で事例を蓄積することでさらに検討
ICER
費用対効果が悪い 例A
とされる領域
例B
評価結果に基づ
定性的な評価
参考として用いる
例C き価格算定(再
結果を提示
目安となる額の一定幅
算定)を実施
例B
費用対効果が良い
とされる領域
例A : 一意の値で上限額を上回るもの
例B : 幅のある値で上限額又は下限額をまたいで結果が示されるもの
例C : 幅のある値で上限額及び下限額双方をまたいで結果が示されるもの
18
中医協 費-1参考
2 7 . 6 . 2 4
【参考】増分費用効果比(ICER)の解釈について
• 1QALYあたりの増分費用効果比(ICER)の解釈方法の一つとして、基準となる値と比較して、医
療技術の費用対効果を評価することがある。
• 一律の値を機械的に運用している国はないが、目安となる値を保持している国もある。
• およそ目安となる値の設定方法としては下記の方法などが考えられる。
(Value Health. 2004;7(5):518-
28.)
①一般的に広く受け入れられている既存の医療にかかる費用を目安とする。
② 国民がいくらまでなら支払ってもよいと考えるか(=支払意思額)
例えば日本では1QALYあたり500~600万円程度という調査がある。(大日ら(2006),
Shiroiwa et al. (2010) )
③ 一人あたりGDP等の経済指標
例えばWHOでは一人あたりGDPの1~3倍程度と提示されている。(WHO (2002))
日本の一人あたりGDPの大きさは380万円 (内閣府 (2013))
例えば、イギリスNICEの20,000~30000ポンドの基準値は、イギリスの一人あたり
GDPが25,000ポンド(2013年)であることから、0.8~1.2倍程度である。
アメリカでしばしば参照される50,000~100,000ドルはアメリカの一人あたりGDP
が53,000ドル(2013年)であることから、0.9~1.9倍程度である。
19
試行的導入における流れについて
費用対効果評価専門組織による評価結果は、通常の薬価又は特定保険医療材料
の価格算定(再算定)方法を用いた後に、さらに価格調整に用いる位置付けとする。
価格調整の具体的な方法は、平成30年度診療報酬改定時に併せて検討する。
<試行的導入における取組の流れ(概要)>
費用対効果評価ルール
※ 新規収載品についても、
※新たに開催
費用対効果評価専門組織 今後の検討に用いるため
※28年度初頭に対象品目を指定
データ提出を求めるが、価格
費用対効果評価
企業が 第三者が 総合的評価 調整には用いない。
専門組織による
データ提出 再分析を実施 を実施
評価結果
薬価算定組織又は保険医療材料専門組織 平成30年度
診療報酬改定
市場実勢価格 対象品目について
一部の品目について、市場拡大再算定 中医協総会に
一定幅方式を 評価結果に基づき 価格算定案
等により価格算定案を作成 おいて了承
適用 価格調整
20
中医協 費-2(改)
諸外国の活用方法の例(一覧)
2 5 . 4 . 1 0
1.スウェーデン 2.英国 3.オーストラリア 4.フランス 5.ドイツ 6.オランダ
(現時点で活
①償還の可否の
○ ○ ○
(活用せず) (活用せず) 用せず)
判断材料
(※)
(現時点で活
②償還価格への
○ ○ ○ △
(活用せず) 用せず)
反映
(※)
(※)オランダでは、現在のところ償還の可否や償還価格等への反映は行っていないが、費
用対効果評価結果の提出を求めており、反映方法を検討中である。
21
中医協 費-2(改)
2 5 . 4 . 1 0
諸外国における医療技術等の費用対効果評価の状況
評価機関名 概要
NICE ・評価対象は、政府が指定する。
(1)イギリス (National Institute for Health ・評価方法を定めたガイドラインに基づき、効果指標はQALYに統一する。
・評価を元に、「推奨」等の勧告を行う。
and Clinical Excellence)
IQWiG
・評価方法を定めたガイドラインがあり、効果指標にQALYは用いない。
(2)ドイツ (Institutfur Qualitatund ・価格交渉の際に、必要に応じて費用対効果評価を用いる予定として
Wirtschaftlichkeitim
いる。
Gesundheitswesen)
・評価方法を定めたガイドラインがあり、QALYを用いてもよい。
HAS
(3)フランス ・費用対効果評価を行うことで、価格設定において有利になるインセン
(Haute Autorité de Santé)
ティブを設けている。
・連邦単位では、ワクチン政策等に費用対効果評価を実施している。
(4)アメリカ なし ・州政府所管のメディケイド(低所得者向け医療保障)や民間保険等に
おいても、費用対効果評価を実施している場合がある。
PBAC ・評価対象については、医薬品は全ての新薬。医療機器・手技は、申
(5)オースト 請または政府が指定
(Pharmaceutical Benefits
ラリア Advisory Committee) ・評価方法を定めたガイドラインがあり、QALYを用いてもよい。
MSAC ・評価を元に、「推奨」等の勧告を行う。
22
新規収載品に係る取組
新規収載品については、選定基準を満たす場合にデータ提出を求めることとす
るが、試行的導入の際には、評価結果は価格算定に用いない。
提出されたデータや費用対効果評価専門組織による評価結果は、費用対効果評
価専門部会において、本格的な導入に向けた検討を行う際に活用する。
<新規収載品に係る取組の流れ(概要)>
費用対効果評価ルール
※新たに開催
本格的な導入に向け
費用対効果評価専門組織
て検証を行い、費用対
費用対効果評価
企業が 第三者が 総合的評価 効果評価専門部会に
専門組織による
データ提出 再分析を実施 を実施
評価結果 おける検討を進める
同時 評価結果は価格算定に用いない
薬価算定組織又は保険医療材料専門組織
保険適用希 薬価(材料)ルールにより
中医協総会に
価格算定案
望書提出 価格算定案を作成
おいて了承
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費用対効果評価に係る議論の経緯
1.
分析方法
2.
試行的導入に向けたとりまとめ
3.
試行的導入の運用と本格的な導入に向けた議論
4.
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対象品目の選定基準の要点(医薬品の場合)
<既収載品の選定基準>
① 除外要件
イ 指定難病、血友病及びHIV感染症
ロ 未承認薬等検討会議を踏まえた開発要請等
② 抽出要件
イ 平成24年度から平成27年度、かつ、類似薬効比較方式のうち、
ⅰ 補正加算の加算率が最高
ⅱ 10%以上の補正加算が認められたものの中で、ピーク時予測売上高が最高
ロ 平成24年度から平成27年度、かつ、原価計算方式のうち、
ⅰ 営業利益率の加算率が最高
ⅱ 10%以上の加算が認められたものの中で、ピーク時予測売上高が最高
※ これによって選定された品目の薬理作用類似薬も対象
※ ②においてイのⅰ、イのⅱ、ロのⅰ及びロのⅱは、それぞれ1品目が該当するものとし、複数該当する場合は、ピーク時予測売上高がより高いものとする。また、
②においてイのⅰとⅱに該当する品目が一致する場合は当該1品目とし、また、ロのⅰとⅱに該当する品目が一致する場合も当該1品目とする。
<新規収載品の選定基準>
① 以下のいずれにも該当しないこと (既収載品と同様)
② 以下のいずれかに該当すること
イ 類似薬効比較方式で10%以上の補正加算を希望、かつ、別に中医協で定めるピーク時予測売上高(※)以
上
ロ 原価計算方式で10%以上の営業利益率の加算を希望、かつ、別に中医協で定めるピーク時予測売上高
(※)以上
※ 新規収載品の評価結果は、今後の制度に係る検討の際に用いるが、価格の調整には用いない。
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※ 中医協において再算定に係る対象品目を指定する際に併せて定められる予定。
対象品目の選定基準の要点(医療機器の場合)
<既収載品の選定基準>
① 除外要件
イ 指定難病、血友病及びHIV感染症
ロ ニーズ検討会を踏まえた開発要請等
② 抽出要件
イ 平成24年度から平成27年度、かつ、類似機能区分比較方式のうち、
ⅰ 補正加算の加算率が最高
ⅱ 10%以上の補正加算が認められたものの中で、保険償還価格が最高
ロ 平成24年度から平成27年度、かつ、原価計算方式のうち、
ⅰ 営業利益率の加算率が最高
ⅱ 10%以上の加算が認められたものの中で、保険償還価格が最高
※ これによって選定された品目の同一機能区分に該当する医療機器も対象
※ ②においてイのⅰ、イのⅱ、ロのⅰ及びロのⅱは、それぞれ1品目が該当するものとし、複数該当する場合は、償還価格がより高いものとする。また、②におい
てイのⅰとⅱに該当する品目が一致する場合は当該1品目とし、また、ロのⅰとⅱに該当する品目が一致する場合も当該1品目とする。
<新規収載品の選定基準>
① 以下のいずれにも該当しないこと (既収載品と同様)
② 以下のいずれかに該当すること
イ 類似機能区分比較方式で10%以上の補正加算を希望、かつ、別に中医協で定めるピーク時予測売上高
(※)以上
ロ 原価計算方式で10%以上の営業利益率の加算を希望、かつ、別に中医協で定めるピーク時予測売上高
(※)以上
※ 新規収載品の評価結果は、今後の制度に係る検討の際に用いるが、価格の調整には用いない。
※ 中医協において再算定に係る対象品目を指定する際に併せて定められる予定。 26
今後のスケジュール(概要)
H28.4 費用対効果評価の試行的導入
<再算定>
• 再算定に係る品目を指定し、該当企業においてデータ提出の準備を開始
• 再分析グループにおいて再分析の準備を開始
• 費用対効果評価専門組織において事前協議(夏頃〆切)
<新規>
• 提出されたデータの再分析を実施
H28年度内 • 企業による分析結果の提出〆切
• 再分析グループによる再分析の開始
H29年度内
• 費用対効果評価専門組織において、総合的評価(アプレイザル)を実施
• 薬価算定組織及び保険医療材料専門組織において、評価結果に基づく価格調整を
実施し、価格算定案を作成
H30.4 費用対効果評価再算定の実施
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本格的な導入に向けた今後の議論について
平成28年度診療報酬改定に係る附帯意見
医薬品・医療機器の評価の在り方に費用対効果の観点を試行的に導入することを踏ま
え、本格的な導入について引き続き検討すること。あわせて、著しく高額な医療機器を用い
る医療技術の評価に際して費用対効果の観点を導入する場合の考え方について検討す
ること。
本格的な導入に向けて検討すべき事項
将来的な本格的な導入に向けては、体制等の整備に加え、以下のような事項について議論を
引き続き行うこととする。
① 選定基準の見直し
② 倫理的、社会的影響等に関する観点から総合的評価(アプレイザル)を行う際の、本邦にお
ける具体的な要素
③ 迅速な評価に必要な体制や、新規収載時に提出が行われるデータの質や内容等
④ 日本におけるデータ整備に係る取組の推進
⑤ 評価結果に基づき償還の可否の判断を行う場合の具体的な取扱
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。