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資料2 次期医療保険制度改革に向けて

医療保険部会 第215回 / 2026-09-11 開催 / 34ページ

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令和8年9月11日 第215回社会保障審議会医療保険部会 資料2 次期医療保険制度改革に向けて 厚生労働省 保険局 経済財政運営と改革の基本方針2026 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋①) 第3章 責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」 1.「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」の実現 (経済の成長力強化と名目の経済規模の拡大にふさわしい予算編成への転換) 「責任ある積極財政」の下、デフレ・低成長時代の一律抑制型の予算編成から、物価・賃金上昇を的確に反映し、経済の成長力強化と 名目の経済規模の拡大にふさわしい予算編成へ転換する。このため、令和8年度当初予算114から実現した経済・物価動向等の的確な反映 を更に進めるなど、必要な財政需要に確実に対応する。 その際、官公需における適切な価格転嫁を徹底するとともに、医療・介護・保育・福祉等の公定価格について、現場の人材確保、経営 の安定、サービスの質の確保に必要な対応を進める。あわせて、予算・税制における各種基準額や閾値について、物価・賃金上昇や経済 社会の変化を踏まえ、必要な点検・見直しを進める。 歳出規模の総額は、物価・賃金、名目経済規模、歳入見通し、政策効果、財政目標との整合性を踏まえ、経済の成長力強化と名目の経 済規模の拡大にふさわしいものとする。その上で、歳出の目安については、一律抑制型の上限としてではなく、予算全般において歳出改 革努力を継続する中で、伸ばすべき歳出と見直すべき歳出を峻別する、規律ある資源配分を実現する枠組みとする。 このため、租税特別措置や補助金等の点検・見直し115を進め、施策の優先順位を洗い直し、大胆に重点化する。危機管理投資・成長投 資を強化するとともに、予算編成プロセスにおいて、成長への寄与、民間投資の誘発効果等を精査し、我が国の予算を成長力強化に資す るものに変革していく。 社会保障関係費については、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくとの方針の下、国費だけではなく、給付費全体、公 費・保険料負担、現役世代の可処分所得などを踏まえ、給付と負担の改革を継続していく。非社会保障関係費については、物価・賃金上 昇を適切に反映しつつ、上記の方針を踏まえ、PDCA・EBPMに基づき、既存事業の見直しと政策効果の高い分野への重点化を徹底 する。 ※114 令和8年度地方財政計画を含む。 ※115 見直しに当たっては、各府省庁は自己点検を反映して概算要求を行うとともに、見直し内容を予算編成プロセスにおいて精査した上で、具体化する。 1 経済財政運営と改革の基本方針2026 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋②) 第3章 責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」 2.全世代型社会保障の構築 (1)社会保障と税の一体改革の推進 (「給付付き税額控除」とそのつなぎ) 「給付付き税額控除」とそのつなぎ(飲食料品の消費税率等)については、今後予定されている社会保障国民会議の中間とりまとめを 踏まえ、本年8月上旬までを目途に、その方針を決定する。 (2)成長型経済に合わせた持続可能な社会保障制度 「強い経済」では、経済成長によって、物価と賃金が上昇していく。我が国の社会保障制度も、成長型経済に合わせて、持続可能な設 計に変えなければならない。 国民皆保険・皆年金を堅持し、年齢に関わらず能力に応じて公平に負担し合い、必要な方に必要なサービスが適切に提供される全世代 型社会保障を構築することによって、国民の命と健康、生活を守り、安心して働き、活躍し、挑戦できる基盤を整備する。働き方の多様 化や女性・高齢者の就労増加に対応し、働くことが報われる社会保障制度を目指す。給付と負担の全体像を含む全世代型社会保障の将来 的な姿を若者も含め国民に分かりやすく情報提供する。 連立政権合意書(令和7年10月20日)に盛り込まれた13の社会保障改革項目について合意された具体的な骨子118に基づき、2026年度中 に具体的な制度設計を行い、順次実行する。 具体的には、経済・物価動向等に適切に対応し、安心して医療・介護・福祉サービスを受けられる体制を整備することとあわせて、医 療・介護を中心とした社会保障制度改革を着実に実行することにより、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す。 このため、骨太方針2025と同様、経済・物価動向等を踏まえ、的確な対応を行いつつ、これまでの歳出改革努力を継続し、2027年度の社 会保障負担率が2025年度と比較して上昇しないよう取り組む。また、社会保障制度が果たす機能を損なわないよう配慮しつつ、社会保障 負担率の目標の検討を進め、これとあわせて、社会保障改革について2026年度中に改革項目の具体化と工程の明確化を図り、順次実施す る119。 ※118 「社会保障改革項目に関する具体的な骨子」(令和8年7月7日自由民主党・日本維新の会 社会保障制度改革協議体)。 ※119 特に、高齢化や高度化等への対応が必要な医療給付費については、経済が成長し賃上げが継続する「強い経済」の構築に向けた取組を進める中で、診療報 酬に経済・物価動向等を基本的に反映しつつも、医療給付費の対GDP比や雇用者報酬の伸びとの関係などを参照しつつ、医療費適正化計画の次期改定に向 けて抜本的な見直しを行うことを含め、改革を継続する。 2 経済財政運営と改革の基本方針2026 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋③) 第3章 責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」 2.全世代型社会保障の構築 (医療・介護等) 医療・介護・障害福祉等の分野の技術の発展と普及を支援し、DX/AX、多職種連携を含むチーム医療等による生産性の向上と職員 配置の柔軟化に向けた一層の取組を図るとともに、経営情報の見える化を進め、経営実態を把握した上で、物価と賃金の変動に適切に対 応し、経営の安定、処遇改善を図りつつ、社会保障制度改革を着実に実行する120。 その際、経済・物価の動向が2026年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、令 和9年度予算編成過程で診療報酬上の加減算を含む更なる必要な調整を行う。(中略)あわせて、医療・介護・保育・福祉等分野の必要 なエッセンシャルワーカーの確保を含めたサービス提供体制の全国的維持を図るための制度改革に速やかに着手する。 2040年に向けて、病床数の適正化を着実に実施した上で、2027年度以降の地域医療構想を踏まえた医療機関の連携・再編・集約化121を 促進するとともに、地域包括ケアシステムの深化を図り、地域の実情に応じた質の高い効率的な医療・介護サービス提供体制を構築する。 妊娠・出産の経済的負担軽減と安心・安全な小児・周産期医療提供体制の両立、救急医療体制の確保、ドクターヘリの安全で持続可能な 運航の確保、看取りなど人生の最終段階における患者中心の適切な医療・ケア、精神医療に関する地域医療構想を踏まえた取組、訪問看 護の適切な実施、中山間・人口減少地域での柔軟な介護・障害福祉サービスの提供を推進する。かかりつけ医機能の発揮や医師の地域・ 診療科偏在の更なる是正策、大学病院等からの医師派遣の推進を含めた総合的な医師偏在対策、地域の実情を考慮した2028年度以降の医 学部定員の削減に取り組む。歯科専門職の偏在対策等122の歯科医療提供体制の構築を図る。医療人材の実効的な養成・確保の方策につい て検討する123とともに、看護職員の質の向上124や潜在人材の活用を含む偏在対策等を推進する。介護・福祉分野の人材の養成・確保・定 着に取り組み125、業務効率化や、安全対策を始め勤務環境改善、経営の協働化・大規模化を支援する。医療分野においては、新たな地域 医療構想の下、将来需要を踏まえ、老朽化・災害対策を含む地域に不可欠な施設・設備の計画的な整備への必要な支援の在り方を検討す る。介護・福祉分野においても、老朽化・災害対策を含む施設・設備の計画的な整備を支援する。 ※120 具体的には、社会保障関係費については、給付と負担の改革努力を継続しつつ、高齢化による増加分に相当する伸びに経済・物価動向等を踏まえた対応に 相当する増加分を加算する。 ※121 有床診療所も含めて医療機関の役割分担の明確化を図ることを含む。 ※122 医歯薬連携等の推進、障害者等への歯科保健医療の充実、歯科技工所の質の向上・連携強化、歯科衛生士・歯科技工士の就労・離職対策を含む。 ※123 その際、医療人材の専門性の維持・向上につながる育成の在り方についても検討する。 ※124 特定行為研修の推進を含む。 ※125 社会福祉施設職員等退職手当共済制度の在り方の検討を含む。 3 経済財政運営と改革の基本方針2026 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋④) 第3章 責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」 2.全世代型社会保障の構築 (医療・介護等) 医療保険制度では、70歳以上の高齢者の医療費窓口負担割合について、低所得者等の必要な受診が確保されるよう適切に配慮すること を前提として、原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行う。そのため の改革工程表を2026年末までに策定する126 127。介護保険制度では、2割負担の判断基準の見直しについて2026年度中に結論を得る。さら に、医療・介護保険における金融所得・資産の扱い、OTC類似薬の保険給付の見直しの施行とその状況等を踏まえた2027年度以降の対 象範囲の拡大に向けた検討など、「改革工程」128等に基づく取組を進める。先行バイオ医薬品について、バイオ後続品の普及促進に向け た環境整備の状況を踏まえ、保険給付の在り方の見直しを検討する。長期処方やリフィル処方箋の活用、地域フォーミュラリの全国展開、 休薬・減薬などの効果的・効率的な治療の促進等により、給付の効率化や適正化を図りつつ、質の高いサービスを提供する。セルフメ ディケーション推進の観点からの更なる医薬品・検査薬のスイッチOTC化に向けた実効的な方策を検討し、必要な措置を行う。 医療情報化推進方針を策定し、医療機関の情報システムの刷新、特定機能病院等の緊急的な対応を含めたサイバーセキュリティ対策を 進め、電子カルテ・電子処方箋の普及と情報連携、医薬品等のデータベースの構築、公費負担医療や予防接種・母子保健のデジタル化等、 医療・介護に関する情報の連携と二次利用を含む利活用の基盤を構築し、切れ目なく最適なサービスを効率的に提供する。 (略) ※126 その際、高齢者の就業率の上昇や健康寿命の延伸、医療費水準や受診状況の動向、高齢者に低所得が多いといった家計の状況等も踏まえ、必要な受診が確 保されるよう適切な配慮措置を講じつつ、外来特例の在り方や、負担割合の区切りとなる所得の見直し、年齢の引き上げなど窓口負担の抜本的な見直しにつ いて、現役世代の負担軽減の観点からの公費負担のあり方とともに総合的に検討を行い、その速やかな実現について令和8年末までに一定の結論を得る。ま た、マイナンバー制度を活用した所得・資産情報の把握基盤の整備を早急に進め、制度への反映を進める。 ※127 「社会保障改革項目に関する具体的な骨子」(令和8年7月7日自由民主党・日本維新の会 社会保障制度改革協議体)による。 ※128 「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」(令和5年12月22日閣議決定)。 4 経済財政運営と改革の基本方針2026 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋⑤) 第3章 責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」 2.全世代型社会保障の構築 (創薬・先端医療イノベーション) 創薬・先端医療への官民投資を拡大し、健康医療安全保障を実現する。「健康・医療戦略」130等を踏まえ、革新的な医薬品・医療機器 等の創出、例えば、米国の医薬品に係る最恵国待遇(MFN)価格政策など、足元、諸外国の医薬品をめぐる政策の動きがある中でも必 要な医薬品等が確実に上市される環境整備、特定重要物資を含む供給確保の必要性が高い医薬品等の国産化等による安定供給、先端技術 の実用化を目指す。バイオ後続品の国内生産体制の整備等を着実に進める。産業構造改革の推進による後発医薬品等の安定供給を図る。 創薬・先端医療を成長経済の牽引役として、研究開発力や製造・供給の強化、流通体制の強靱化、スタートアップ支援、人材育成、先 進医療の対象拡大、国際展開を総合的に推進する。全ゲノム解析131やiPS細胞等を活用した再生・細胞医療・遺伝子治療、免疫治療、 小児・希少疾病用医薬品やRI132、薬剤耐性菌を含む感染症対応の医薬品等の研究開発・生産等133とともに、創薬・医療機器開発・診断 へのAI利活用を推進する。国際水準の治験・臨床試験体制を整備し、国際共同治験の倍増を目指す。血しょう分画製剤の国内自給と小 中学生を含めた献血への理解促進に取り組む。 経済・物価動向等の影響を受ける市場実勢価格を薬価調査等により的確に把握した上で、創薬イノベーション、医薬品の安定供給と国 民負担の軽減の観点から、2027年度薬価改定を実施する。その際、費用対効果評価制度について、客観的な検証を進め、これも踏まえ、 制度の発展に向けた更なる見直しについて具体的に検討し、一定の結論を出す。我が国の医薬品市場の魅力を高める観点から、医薬品の 画期性に対する初収載時における適切な評価や特許期間中の薬価の在り方134を含め、革新的新薬のイノベーションの更なる評価について 検討を進める。 ※130 令和7年2月18日閣議決定。 ※131 日本ゲノム医療推進機構(GeMJ)による全ゲノムデータ・マルチオミクスデータ・臨床情報等を搭載した質の高いゲノム情報基盤の整備と、解析データの 利活用の取組を進める。 ※132 RI(ラジオアイソトープ)については、「医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプラン」(令和4年5月31日原子力委員会決定)を踏 まえ、開発・製造・安定供給・医療提供体制等の整備に必要な取組を進める。 ※133 「感染症危機対応医薬品等(ワクチン、治療薬、診断薬等)開発・生産体制強化戦略」(令和8年3月24日閣議決定)を踏まえた必要な法制度等の在り方 の検討。 ※134 市場拡大再算定及び持続可能性特例価格調整等。 5 経済財政運営と改革の基本方針2026 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋⑥) 第3章 責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」 2.全世代型社会保障の構築 (攻めの予防医療と疾病対策) 国民のWell-beingの向上と健康寿命の延伸を図り、誰もが社会の担い手として活躍できる日本を実現する。「攻めの予防医療」を推進 し、健康増進、肥満症を含む疾病予防、早期発見、早期介入及び行動変容に関係機関が連携して取り組む。栄養・食生活を含む健康リテ ラシーの向上、地域住民の健康増進に資する薬局機能及び薬剤師の果たす役割の強化、学齢期の健康診断の在り方の見直し135、予防接種、 HIVや性感染症の予防、下水サーベイランス等の感染症対策、がん検診や精密検査の受診率向上、循環器病・糖尿病を含む生活習慣病 等の予防、いわゆる国民皆歯科健診の具体化(歯周病検診の対象拡大や就労世代の歯科健診の更なる充実)、口腔と全身の健康の関係に 基づく歯科疾患対策・口腔健康管理136、認知症の早期診断・早期対応、予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーション137、 PHRの利活用と情報連携を推進する。更年期世代の女性への医療の推進や女性の健康総合センターの機能強化、「プレコンセプション ケア推進5か年計画」138の工程表の策定と実行、企業と保険者のコラボヘルス、睡眠対策を含む健康経営の推進等139、予防・健康づくり を支えるヘルスケア産業の育成等140を図る141。 がん、脳卒中・心臓病その他の循環器病、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、慢性疼痛、難病、アレルギー、依存症、難聴、睡眠障害等 の疾病対策142や移植医療対策を推進する。 ※135 小児期からの切れ目のない予防医療の観点を含む。 ※136 オーラルフレイル対策等を含む。 ※137 効果的な訪問リハビリテーションの充実を含む。 ※138 令和7年5月22日プレコンセプションケアの提供のあり方に関する検討会決定。性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊 娠・出産を含めたライフデザイン(将来設計)や将来の健康を考えて健康管理を行う概念であるプレコンセプションケアについて、5か年計画を決定。 ※139 運送業での睡眠時無呼吸対策、睡眠障害の医療アクセス向上と睡眠研究の推進、睡眠ガイド等の普及啓発、睡眠等のデータを活用したサービス創出のため のエビデンス構築支援など睡眠関連の市場拡大や企業支援も併せて一層取り組む。 ※140 いわゆる「統合医療」の研究及び普及啓発を含む。 ※141 「性差に由来する健康課題等への対応を推進するための論点整理」(令和8年5月25日攻めの予防医療に向けた性差に由来するヘルスケアに関する副大臣 等会議取りまとめ)を踏まえて取組を推進する。 ※142 先進医療で実施しているがん遺伝子パネル検査の標準治療開始前からの受診機会の拡大を含む。 6 経済財政運営と改革の基本方針2026 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋⑦) 第4章 当面の経済財政運営と令和9年度予算編成に向けた考え方 2.新たな予算編成の在り方と令和9年度の基本方針 (略) なお、社会保障関係費については、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくとの方針の下、現場の人材確保、経営の安定、 サービスの質の確保等の観点から、医療、介護、保育、福祉等の公定価格等における適切な対応を図りつつ、国費だけではなく、給付費 全体、公費・保険料負担、現役世代の可処分所得などを踏まえ、給付と負担の改革を継続する。 (略) 7 経済財政運営と改革の基本方針2026 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋⑧) 第1章 マクロ経済運営の基本的考え方 2.将来世代への責任を果たす持続可能な経済社会の構築 (略) 強い経済、持続可能な財政と、質の高い全世代型社会保障とを同時に実現する社会保障改革を強化する。現役世代の保険料率の上昇を止 め、引き下げていくとの方針の下、給付と負担の見直しの検討、安心して必要なサービスを受けることのできる医療・介護提供体制の構 築、DXやAI・ロボティクスの活用を通じたサービスの質の向上、攻めの予防医療等に取り組む。 (略) 第2章 日本の成長力強化と安全・安心の確保 1.「強い経済」の実現 (AX/DXの推進、フロンティアの開拓) (略) 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」21に基づき、技術革新に対応した自動運転社会の早期実現に向けた環境整備、信頼性あるデー タの利活用に関する環境整備、政府のデジタル基盤の強靱化・自律性向上やデジタル行財政改革を進める。 (略) ※21 令和8年7月21日閣議決定。 第2章 日本の成長力強化と安全・安心の確保 3.国民の安全・安心の確保 (4)外国人政策の推進 「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」109に基づき、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱など問題のあ る行為に毅然と対応し、国民の不安や不公平感への対処に向けた取組を一層進める。 (略) ※109 令和8年1月23日外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議決定。 8 社会保障改革項目に関する具体的な骨子 (令和8年7月7日 署名)(①) 自由民主党・日本維新の会 社会保障制度改革協議体は、持続可能な社会保障制度のための改革を実行し、良質な医療・介護サービスを提 供しつつ、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減を実現するため、連立政権合意書に盛り込まれた13の社会保障改革項目に関する具体 的な骨子について、以下の通り合意し、その内容の趣旨を「骨太方針2026」に反映する。 その上で、令和8年度中に具体的な制度設計を行い、順次実施するため、引き続き、本協議体における社会保障改革に関する真摯な協議を 継続する。 (1)保険財政健全化策推進(インフレ下での医療給付費の在り方と、現役世代の保険料負担抑制との整合性を図るための制度的対応) 経済・物価動向等に適切に対応し、安心して医療・介護・福祉サービスを受けられる体制を整備することとあわせて、医療・介護を中 心とした社会保障制度改革を着実に実行することにより、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す。このため、骨 太方針2025 と同様、経済・物価動向等を踏まえ、的確な対応を行いつつ、これまでの歳出改革努力を継続し、令和9年度の社会保障負担 率が令和7年度と比較して上昇しないよう取り組む。 また、社会保障制度が果たす機能を損なわないよう配慮しつつ、社会保障負担率の目標の検討を進め、これとあわせて、社会保障改革 について令和8年度中に改革項目の具体化と工程の明確化を図り、順次実施する。 特に、高齢化や高度化等への対応が必要な医療給付費については、経済が成長し賃上げが継続する「強い経済」の構築に向けた取組を 進める中で、診療報酬に経済・物価動向等を基本的に反映しつつも、医療給付費の対GDP比や雇用者報酬の伸びとの関係などを参照しつつ、 医療費適正化計画の次期改定に向けて抜本的な見直しを行うことを含め、改革を継続する。 (2)医療介護分野における保険者の権限及び機能の強化並びに都道府県の役割強化(①保険者の再編統合、②医療介護保険システムの全国 統合プラットフォームの構築、③介護保険サービスに係る基盤整備の責任主体を都道府県とする等) データに基づく効率的な保険運営体制を構築するため、保険者機能の強化、国民健康保険における都道府県内の保険料水準の完全統一 及び市町村の事務負担軽減や後期高齢者医療制度の運営主体のあり方などの保険者の再編統合(①)、医療・介護情報の共有等を実現する ための医療介護保険システムの全国統合プラットフォームの構築(②)及び介護保険サービスの基盤整備に関する責任主体の市町村から都 道府県への移行(③)について検討の上、実行することを中核として、医療介護分野における保険者の権限及び機能の強化、事務の広域化 並びに都道府県の役割強化を行う。 また、「効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療」等について、データに基づいて保険者機能がより発揮でき るような環境整備を進める。 国民健康保険については、被保険者間の受益と負担の公平性を確保する観点から、都道府県内の保険料水準の完全統一について、令和 9年度に予定されている国保運営方針の中間改定において、全ての都道府県が具体的な実現時期を明記するための措置を講じるとともに、 現行「遅くとも令和18年度まで」としている完全統一時期を前倒して全国で達成できるよう必要な方策を行う。併せて、市町村の事務負担 軽減に向けた取組を進める。後期高齢者医療制度については、医療提供体制の構築や医療費適正化の取組の推進の主体が都道府県であるこ と、また、効率的な制度運営の観点から、その財政運営を含む運営主体の在り方について、地方自治体等の意見を踏まえて具体的な検討を 進め、令和10年末までに結論を得る。 9 9 社会保障改革項目に関する具体的な骨子 (令和8年7月7日 署名)(②) (3)病院機能の強化、創薬機能の強化、患者の声の反映及びデータに基づく制度設計を実現するための中央社会保険医療協議会の改革 データに基づく客観的かつ合理的な診療報酬決定プロセスを確立するため、中央社会保険医療協議会の機能を見直す。 具体的には、病院機能の強化の観点から、日本社会の各種医療機能を適切に反映した形での委員構成の見直しを含めた検討を行う。 また創薬機能の強化の観点から、令和8年度末までに社会保険医療協議会法の改正を含め、製薬、医療機器及び卸等の産業界の法令上 の位置づけを明確化するよう結論を得る。 更に、患者の声の反映及びデータに基づく制度設計の観点から、情報分析体制の強化や、医療経済系学会からの直接的な技術評価提案 を可能とする制度設計を検討する。 (4)医療費窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担の実現 70 歳以上の高齢者の医療費窓口負担割合について、低所得者等の必要な受診が確保されるよう適切に配慮することを前提として、原則 3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行う。そのための改革工程表を令和8 年末までに策定する。 その際、高齢者の就業率の上昇や健康寿命の延伸、医療費水準や受診状況の動向、高齢者に低所得が多いといった家計の状況等も踏ま え、必要な受診が確保されるよう適切な配慮措置を講じつつ、外来特例の在り方や、負担割合の区切りとなる所得の見直し、年齢の引き上 げなど窓口負担の抜本的な見直しについて、現役世代の負担軽減の観点からの公費負担のあり方とともに総合的に検討を行い、その速やか な実現について令和8年末までに一定の結論を得る。 また、マイナンバー制度を活用した所得・資産情報の把握基盤の整備を早急に進め、制度への反映を進める。 (5)年齢に関わらず働き続けることが可能な社会を実現するための「高齢者」の定義見直し 健康寿命の延伸や人口構造の変化を踏まえ、年齢に関わらず意欲ある者が働き続けられる生涯現役社会の実現を目指す。 このため、人口構造、健康状態、就労実態との整合性を踏まえ、社会保障及び労働分野の制度ごとに設けられている高齢者の年齢区分 等について、それぞれの趣旨や目的を踏まえつつ制度横断的に総点検を行い、有識者の意見を聴いた上で、必要に応じて引き上げ等を行う 方向で検討を行い、その結果を踏まえて、所要の措置を講ずる。そのための改革工程表を令和8年度末までに策定する。 10 10 社会保障改革項目に関する具体的な骨子 (令和8年7月7日 署名)(③) (6)人口減少下でも地方の医療介護サービスが持続的に提供されるための制度設計 人口減少により患者数が構造的に減少する地域においても、限られた人員・人材で質の高い医療・介護サービスを持続的に提供可能な 体制を構築する。 このため、医療・介護現場における生産性向上の取組等を加速するほか、職員配置基準の一層の柔軟化とともに、現行の出来高の診療 報酬体系では医療機関の運営が困難な地方の課題を踏まえ、アウトカム評価の充実と併せ、地域における提供体制の維持、予防・健康管理、 在宅医療、介護との連携等の評価の観点も含め、外来の包括報酬の在り方を検討し、所要の措置を講ずる。 併せて、医療保険制度を活用した医師確保支援や保険者が運営する医療機関の活用も含めた総合的な対応を検討する。 AI技術の活用も含めた医療・介護テクノロジーの社会実装に向けて、省力化投資プランも踏まえ、継続的に医療・介護分野の生産性向 上・省力化を実現し、職員の負担軽減や資質向上にもつなげることができるよう、実証・導入・伴走支援を行うとともに、介護における居 宅サービス等も含めた適切な評価のあり方を検討する。併せて、医療DX・介護DXを通じて、プラットフォームを整備し、地域における業務 の効率化を推進する。 (7)国民皆保険制度の中核を守るための公的保険の在り方及び民間保険の活用に関する検討 国民皆保険制度の理念を堅持しつつ、高度化・高額化する医療へのアクセスを確保するため、公的保険と民間保険の役割分担を検討す る。このため、公的保険を補完する民間保険の活用可能性、先進医療等の対象拡大、民間保険による補完が有効な領域(一部保険外療養と 民間保険の相互補完を含む)、利用者保護の在り方について財務省、厚労省、金融庁を含む関係省庁で検討を行う。具体的には、公的保険 を補完する民間保険の活用について、生命保険業界及び損害保険業界等を含む有識者の意見を聴取し、検討を行う。 (8)大学病院機能の強化(教育、研究及び臨床を行う医療従事者として適切な給与体系の構築等) 高度な医療を担いつつ教育研究を行うという大学病院の本来の役割・機能を踏まえた教育・研究・診療のバランスの在り方や診療規 模・医療機能の適正化など、大学病院のあるべき姿(コンセプト)の明確化について、文部科学省及び厚生労働省において検討し、令和8 年度中に結論を得る。 また、大学病院の機能強化に向けて、当初予算を通じて教育・研究を支援しつつ、各大学病院における手当創設等を通じた医療従事者 の抜本的な処遇改善の取組を推進する。 加えて、教育・研究・臨床の中核である大学病院の経営力強化や、医療従事者の適切な給与体系 の構築に向けては、大学病院の組織形態(法人形態を含む)や処遇改善の在り方等について、調査研究の結果を踏まえて検討し、令和8年 度中に結論を得る。なお、教育・研究・臨床が一体的に行われる大学病院として質の高い医療を提供している医療従事者としても適切な水 準と言える処遇体系となるよう環境を整備する。 大学病院が果たす機能を踏まえた診療報酬上の評価を充実させる。あわせて、患者が医師を選択することに関する選定療養の新設につ いて、次期診療報酬改定までに検討し、結論を得る。 1111 社会保障改革項目に関する具体的な骨子 (令和8年7月7日 署名)(④) (9)高度機能医療を担う病院の経営安定化と従事者の処遇改善(診療報酬体系の抜本的見直し) 昨年の自由民主党と日本維新の会の協議を踏まえ、令和7年度補正予算及び令和8年度診療報酬改定において、高度機能医療を担う病 院への支援の重点化を図ったところ。 救急医療、高度急性期医療、難病・先進医療等を担う病院の経営安定化と従事者の処遇改善を図るため、経営の安定化や従事者の処遇 改善等の効果検証を行い、それを踏まえた必要な対応として、医療機関の機能に応じた診療報酬体系の抜本的な見直しを行う。 具体的には、施設類型ごとにメリハリある評価など、医療機関の機能に応じた診療報酬体系について検討する。また、これらの報酬が、 病院の医療従事者の賃上げや人材確保に適切に結び付く仕組みを検討する。 (10)配偶者の社会保険加入率上昇及び生涯非婚率上昇等をも踏まえた第3号被保険者制度等の見直し 共働き世帯の増加など家族構成や働き方の多様化に適合した、働き方に中立的かつ公平な社会保障制度を早期に構築する。 このため、第3号被保険者制度については、その縮小に向け、マルチワーカーへの対応等を含めた短時間労働者等への被用者保険適用 拡大を早期に進展させるとともに、第3号被保険者に係る実態調査を実施し、令和8年度中にその結果をとりまとめ、課題の整理を行う。 同整理及びそれに関する具体的施策の企画立案等のため、第3号被保険者制度に関する検討会を令和8年夏頃を目途に立ち上げ、政策を推 進する。 (11)医療の費用対効果分析に係る指標の確立 医療技術や医薬品の革新と保険財政の持続可能性を両立させるため、費用対効果評価制度の発展に向けた更なる見直しについて具体的 な検討を進め、費用対効果分析の指標と活用方法を再構築する。 具体的には、これまでの評価手法のみならず、新たな評価手法等を含め、医療の費用対効果分析に係る指標を確立すべく、対象品目や 価格調整の範囲の拡大、診療ガイドラインへの反映を含めた医療現場での普及などについて、令和8年度末までに結論を出す。 更に、分析データの迅速かつ徹底的な情報公開や学会等を含む第三者による検証を含め、技術的・制度的課題を継続的に検証する仕組 みを構築する。 以上の検証を進めつつ、費用対効果にすぐれる品目については薬価を引き上げることで創薬環境の改善を図りつつ、追加的有用性(比 較技術に対する健康アウトカム指標での改善)が示されず費用が増加する品目は、令和8年9月までの検証結果を踏まえた価格調整を速や かに実施する。 また、医療DXによる価値を定量的に評価する方策の具体化に向けた検討を進める。 1212 社会保障改革項目に関する具体的な骨子 (令和8年7月7日 署名)(⑤) (12)医療機関の収益構造の増強及び経営の安定化を図るための医療機関の営利事業の在り方の見直し 医療法人の経営基盤を強化するため、医療機関の公益性を保ちつつ、経営安定化や地域課題解決に資する事業範囲の拡充につながるよ う、いわゆる医療機関の営利事業(附帯業務・附随業務等)に関する現行規制の見直しを行う。 具体的には、医療機関が保有する医学的知見や人材を活かし、地域の健康増進に貢献する事業等、地域の患者・住民の多様なニーズに 寄り添ったサービスを幅広く提供する事業を新たな収益源として位置づけられるよう、資金調達手段の多角化を促進するため、経営安定化 や地域課題解決に資する事業範囲の拡充について整理し、制度改正に向けた検討を進め、所要の措置を講ずる。 また、医療法人の理事長要件については、当該要件に係る国家戦略特別区域法の特例措置の全国展開を含め、事業経営に長け、かつ、 医療倫理を理解する人材も理事長に据えられるよう、一定要件下で非医師の理事長就任を速やかに可能とする。さらに、医療機関の経営情 報の見える化を推進するとともに、医療機関経営を支える人材の育成や、医療機関経営に関する資金・経営支援事業者の健全性を確保する 方策等、我が国における医療機関経営の健全化を推進する。 (13)医療機関における高度医療機器及び設備の更新等に係る現在の消費税負担の在り方の見直し 持続的かつ効率的な地域の医療提供体制の構築の観点から必要と認められる高度医療機器や設備更新、医療DX投資等について、医療機 関における控除対象外消費税の負担が一時的に大きくなる場合があることを念頭に、対応策を検討する。 具体的には、補助金、診療報酬及び税制上の措置による対応を含め、必要な支援の在り方を検討し、令和8年度末までに結論を得る。 特に、新たな地域医療構想の下、将来需要を踏まえ、地域に不可欠な施設の建て替え及び改修が計画的に進むよう、必要な支援の在り 方を検討する。 (以上) 13 日本成長戦略 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋①) Ⅱ.17の戦略分野における官民投資の促進 2.62の主要な製品・技術等の官民投資ロードマップの実行 (2)デジタル・サイバーセキュリティ 地方の社会経済を支える行政サービスやエッセンシャルサービスも含めたAX/DXの実現には、自律的なデジタル・エコシステム の実現が不可欠である。企業や公共領域等で管理されるデータを産業戦略上の焦点としてデータ基盤の高度化を推進するとともに、ク ラウド基盤の高度化を進めるほか、これらを支えるデジタル人材の育成と、新たな脅威に対応するセキュリティ産業基盤を強化する。 ⑤クラウドネイティブに最適化された医療DX基盤 ⅰ)重要性 大量のデータを必要とする創薬・医療機器の開発の基盤であるとともに、医療提供体制の効率化・質の向上、サイバー攻撃等に対 する強靱性確保が不可欠である。 ⅱ)勝ち筋・方向性 オンプレミス型10の医療機関情報システムをクラウドネイティブ型に刷新することにより、サイバーセキュリティ対策の強化、全国 的なデータ連携基盤の構築を図る。 ⅲ)主な目標 ・2028年度までに、電子カルテ未導入の200床以上の病院(療養病床等が中心の病院を除く。)について電子カルテ普及率100%を目 指す。 ・2030年までに、電子カルテ普及率約100%、地域の拠点病院のサイバーセキュリティ対策100%、大病院向けクラウドネイティブ型 製品の提供を目指す。 ⅳ)主な施策 ・認証されたクラウドネイティブ型電子カルテ製品の普及を促進する。また、大病院向けのクラウドネイティブ型製品の一体的・集 中的な開発・普及を支援する。 ・ネットワークの外部接続点の監視やサーバ等の管理強化など、サイバーセキュリティ対策を強化する。 ・全国医療情報プラットフォームの拡充など、ゲノムを含むデータ連携基盤・TRE環境11を整備するとともに、業務効率化のための病 院DXの推進、医療提供体制のDX化を進める。 ※10 院内に設置したサーバでシステムを管理・運用する方式。 ※11 Trusted Research Environment。機微なデータを安全に管理・分析するための隔離された解析環境。 14 日本成長戦略 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋②) Ⅱ.17の戦略分野における官民投資の促進 2.62の主要な製品・技術等の官民投資ロードマップの実行 (10)合成生物学・バイオ 合成生物学・バイオは、従来の生産プロセスを生物の力を活用して転換することで、健康医療・経済・食料安全保障やGX・循環型 経済の実現と、経済成長の両立に貢献することが期待される。「バイオエコノミー戦略」も踏まえながら、高付加価値領域での事業創 出を加速しつつ、政策的に合理性の高い汎用領域についても、市場創出を含めた産業化支援を並行して進めていく。 ②バイオ医薬品・再生医療等製品等 ⅰ)重要性 拡大する世界の医薬品市場は2022年に約200兆円の規模であり、バイオ分野は約4割を占める。国民の健康や生命に直結する分野で あり、健康医療安全保障上、供給途絶リスクを低減する自律性の確保が急務である。 ⅱ)勝ち筋・方向性 iPS細胞や抗体薬物複合体等の技術的強みをいかし、国内生産基盤を維持・構築し、製造受託実績を積み上げるとともに、新領域の 国産基盤技術開発、創薬ベンチャーのグローバル展開を促進して海外市場を獲得する。 ⅲ)主な目標 ・2040年の我が国企業の売上げについて、世界シェア10%、33.4兆円を目指す。 ⅳ)主な施策 ・創薬ベンチャーや新薬候補を生むプラットフォーム技術開発の支援を強化36する。 ・医薬品市場の魅力度向上による患者アクセスの改善に向けた、革新的新薬のイノベーションの更なる評価の検討、多様なモダリ ティのライフサイクルに配慮した薬事制度の柔軟な運用、先進医療制度を活用した新技術社会実装を進める。 ・革新的な基盤技術開発やバイオ人材の育成、AI・ロボティクスの活用等を含む国内製造拠点の整備37や製造受託実績獲得を支援 する。 ※36 医療上・技術上のニーズに沿った研究課題の設定、プロジェクトマネージャー配置、多段階選抜方式の導入、製薬企業とのM&A推進や医療・経済安全保障 の観点も踏まえた社会実装支援の強化。 ※37 重要品質特性を踏まえた評価・量産体制の構築を含む。 15 日本成長戦略 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋③) Ⅱ.17の戦略分野における官民投資の促進 2.62の主要な製品・技術等の官民投資ロードマップの実行 (11)創薬・先端医療 創薬・先端医療分野は、国民の健康に直結し、経済活動を支えるものであり、健康医療安全保障の構築に向け、医薬品産業を成長・ 基幹産業と位置付け、官民が一体となって取組を進める。あわせて、医療機器の研究開発エコシステムを確立する。また、健康寿命の 延伸や社会保障の担い手の確保につながる「攻めの予防医療」の徹底に取り組んでいく。 ①ファーストインクラス38製品・ベストインクラス39製品(医薬品、再生医療等製品) ⅰ)重要性 世界の医薬品市場は2022年に約200兆円の規模であり、ファーストインクラス製品・ベストインクラス製品を含む特許品の世界市場 は年平均9.6%で拡大している。同製品の供給確保を通じ、治療法が未確立の疾病にも対処することは、国民の健康の維持や健康医 療安全保障の実現に直結する。 ⅱ)勝ち筋・方向性 基礎研究力の強みや近年の治験への取組をいかし、実用化を担う人材の育成や、スタートアップ・国際共同治験における資金・制 度面の課題解消を図り、創薬シーズ創出から実用化まで一気通貫で進める環境を整備し、「世界直行型」の開発を実現する。 ⅲ)主な目標 ・我が国の医薬品市場の魅力度向上に向け、我が国の特許品の市場規模について、特許品の世界の成長に比肩する成長を目指す。 ・我が国企業の特許品市場規模について、世界市場と同水準の成長の実現を目指す。 ⅳ)主な施策 ・実用化を担う人材の育成や流動化を支援する。カーブアウト40シーズの活用や投資の呼び込み、製薬企業とのM&A支援など、スター トアップ支援を強化する。 ・免疫・再生医療等の基礎研究力強化、国際水準の治験実施体制整備、AMED41による研究開発資金の使途改善・大学と製薬企業との 橋渡し・実用化推進、対照群のデータ蓄積を含む難病・希少疾患領域の支援、データ連携基盤整備を含めたデータ利活用やAIに よる研究開発プロセスの高度化・効率化、新薬の国際展開42を図る。 ・患者アクセスの改善に向け革新的新薬のイノベーションの更なる評価を検討する。 ※38 全く新しい作用で世界で初めて承認されるもの。 ※39 同じ作用の製品の中で有用性が最も優れるもの。 ※40 製薬企業等の創薬シーズを切り分け、外部資本の導入等により新会社等で実用化する取組。 ※41 日本医療研究開発機構。 ※42 国際機関による国際調達やPMDAアジア医薬品・医療機器トレーニングセンター・海外事務所の活用を含む。 16 日本成長戦略 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋④) Ⅱ.17の戦略分野における官民投資の促進 2.62の主要な製品・技術等の官民投資ロードマップの実行 ⑤ライフログデータ等を活用したヘルスケア関連サービス) ⅰ)重要性 ウェアラブルデバイス等を用いたデジタルヘルスサービスの世界市場規模は現在約70兆円であり、2034年には350兆円規模になると の予測がある。健康医療安全保障の観点から、「攻めの予防医療」により国民が生涯にわたり元気に活躍できる社会を実現し、社会 保障制度を含めた社会の支え手を確保することが必要である。また、個人の健康データの情報保護の観点から、セキュリティの確保 が必要である。 ⅱ)勝ち筋・方向性 ヘルスケアサービスの効果に係るエビデンス構築による企業・保険者がサービスを選びやすい環境整備やサービス活用のインセン ティブ強化など、需給両面で対策に取り組み質の高いサービスの社会実装を進め、中長期的には海外市場に展開する。 ⅲ)主な目標 ・デジタルヘルスサービスの国内市場を拡大するため、企業・保険者による健康投資額を2025年の約1兆円から2040年までに約2倍 に拡大することを目指す。 ⅳ)主な施策 ・サービス効果のエビデンス構築、一定の質を担保したサービスの明確化、臨床での活用を目指した睡眠等のライフログデータ活用 のユースケース創出支援を行う。 ・地域拠点整備等のスタートアップ支援、女性の健康やがん検診・歯科健診のデータ等の利用基盤整備、国際展開、民間保険のヘル スケアサービス活用を推進する。 ・健康経営の普及促進、健康経営優良法人制度の評価手法や保険者インセンティブの在り方の検討、データヘルスに基づく効率的・ 効果的な保健事業の促進を行う。 17 日本成長戦略 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋⑤) Ⅲ.8つの分野横断的な課題の解決 5.労働市場改革 (1)現状と課題 労働供給制約下にある中、労働生産性の向上を図るとともに、労働者の希望に応じて、労働移動の円滑化や、心身の健康の維持を前 提とした労働参加の拡大を図る労働市場改革が必要である。中でも、17の戦略分野における投資を加速し、持続的成長につなげるため には、17の戦略分野にとどまらず、これらを支える建設や医療・介護・障害福祉を始めとした社会インフラ関連分野を含め、現場人材 から高度人材に至る幅広い人材の育成・確保や、省力化を含めた生産性向上に向けた取組を進めることが極めて重要である。そのため、 以下のような人材育成の取組を進めるとともに、建設や医療・介護・障害福祉等の分野において、持続的な賃上げを図り、必要な担い 手の確保を進めていく必要がある。 (2)対応の方向性 ①対応の方向性 労働市場改革と、新たな付加価値を生む投資や事業再編、イノベーションの促進等の産業構造改革とを一体で進める必要がある。こ うした観点から、ⅰ)処遇向上に向けたリ・スキリング支援や労働生産性向上、ⅱ)円滑な労働移動の促進、ⅲ)多様な人材の労働参 加の促進の3つの柱に取り組むことで、成長投資を牽引する専門人材と、投資の実行を支える現場人材の育成・確保を図る。 ②目標(KPI) ・総合的な指標として、5年間で労働生産性を15%上昇させる(2024年度:5,592.7円)とともに、労働供給量(マンアワーベース)の推 移が生産年齢人口の推移を上回るようにする。 ・ⅰ)に関して、人的資本投資を2029年度までに2.2万円とする(2024年度:1.9万円)。 ・ⅱ)に関して、パートタイムを除く一般労働者の転職入職率を2029年までに9.0%とする(2024年:8.3%)。また、転職により賃金が 増加した者の割合を2029年までに42.3%とする(2024年:40.5%)。 ・ⅲ)に関して、第一子出産前後の女性の継続就業率を2030年までに80.0%とする(2021年:69.5%)。また、70歳までの高年齢者就業 確保措置の実施率を2029年までに40.0%とする(2025年:34.8%)。 ③講ずるべき施策パッケージ ⅲ)多様な人材の労働参加の促進 (外国人の出入国在留管理の一体的な高度化) 外国人については、適正かつ円滑な受入れや秩序ある共生社会の実現に向け、出入国在留管理行政を担う職員の増員や地方出入国在 留管理局の組織の拡充を含めた体制強化を行う。また、入国・在留する外国人の実態把握、分析、関係機関との情報連携のため、2028 年度中の電子渡航認証制度(JESTA)の導入、2027年3月以降のマイナンバー等による情報連携の実施など、情報の電子化の徹底等の DXに取り組み、在留許可手数料の見直しやJESTA導入による手数料収入により確保した財源を継続的かつ安定的に活用しながら、出 入国在留管理の一体的な高度化を実現する。 18 日本成長戦略 (令和8年7月21日 閣議決定)(主な箇所抜粋⑥) Ⅲ.8つの分野横断的な課題の解決 7.賃上げ環境整備 (1)現状と課題 春季労使交渉での賃上げ率は3年連続で5%台の高水準だが、物価高騰による不確実性が続く中、実質賃金のプラス定着が課題であ る。 中小企業は雇用の7割、付加価値の5割を占める日本経済の屋台骨であり、中小企業の成長こそ日本の成長である。賃上げと成長投 資の好循環を生み出すことで地域の消費を喚起し、そして次の投資へとつながるメカニズムを早急に構築する必要がある。また、中小 企業は、地域経済を牽引し、17の戦略分野を始めとした成長産業のサプライチェーンを支える基盤的な存在でもあり、「地域未来戦 略」で形成される産業クラスターにおいても中小企業が連携していくことが必要である。こうした視点を踏まえ、政策スキームは、中 小企業経営者の目線に立ったものとする。一方で、今般の中東情勢やそれによる原油価格高騰などにより、中小企業の賃上げへの影響 が懸念される中、不確実性への不安を払拭し、賃上げを持続させるため、全国の中小企業の「稼ぐ力」の強化が不可欠である。 (2)対応の方向性 ①対応の方向性 国内投資を促進し、賃上げを通じて消費と企業収益の拡大、更なる投資拡大につなげる、「投資と賃上げの好循環」を加速させる。 そのために、17の戦略分野への投資やサプライチェーンへの参入や、地方を出発点としたAXに取り組み、変化に挑む中堅・中小企業 の「稼ぐ力」を強化していく必要がある。地政学リスクの高まりや大幅な物価高等のこれまでにない厳しい経営環境の中で、こうした 中堅・中小企業の経営者が予見可能性を確保し、「投資と賃上げの好循環」を実現できるよう、政府は、賃上げの責任を事業者に丸投 げせず、中堅・中小企業の「稼ぐ力」の強化を強力に後押ししていく。「労働供給制約社会における中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化 戦略」にのっとり、政府として必要な予算を確保し、従来よりも力強い支援を安定的かつ切れ目なく行う用意がある姿勢を示す。 なお、労働供給制約社会においては、賃上げは単なる分配ではなく、人材を惹き付け、消費の拡大を通じた生産性向上投資を促し、 企業の行動変容を促進する「供給力強化」そのものであり、成長戦略の起点であることに留意しなければならない。 ②目標(KPI) ・2029年度までの間で、日本経済全体で、実質賃金で年1%程度の上昇、すなわち、持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年 1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルム(社会通念)として我が国に定着させる。 ・中小企業の労働生産性(「稼ぐ力」)を2030年度までの5年間で15%増加させる。 ③講ずるべき施策パッケージ ⅵ)医療・介護・保育・福祉等における人材確保と賃上げの対応 令和7年度補正予算による医療・介護等支援パッケージや、令和8年度診療報酬改定、介護・障害福祉サービス等報酬改定による賃 上げ措置、保育士・幼稚園教諭等の処遇改善を着実に実施するとともに、今後の経済・物価動向等も踏まえつつ、2027年度以降も医 療・介護・保育・福祉等分野の現場職員の他職種と遜色のない処遇改善を推進する。あわせて、必要なエッセンシャルワーカーの確保 を含めたサービス提供体制の全国的維持を図るための制度改革に速やかに着手する。 19 規制改革実施計画 (令和8年7月21日 閣議決定) (主な箇所抜粋) 2.地方を伸ばし、暮らしを守る (2)健康・医療・介護 4 地域におけるオンライン診療の更なる普及・円滑化 前文 (略) a 厚生労働省は、オンライン診療受診施設でD to P with N を実施する場合における看護師等による診療の補助について、現状のD to P with N の運用状況に関する調査研究の結果を取りまとめ、その結果を踏まえつつ、以下の事項を含めて必要な留意事項の周知 及びガイドライン等の整備を行う。 ・オンライン診療受診施設として届出されたオンライン診療専用車両等においても、点滴、注射、血液検査、尿検査、超音波検査、心 電図検査などの一定の診療の補助行為が可能であることを明確化すること。 ・診療の補助行為を行うに当たって、オンライン診療受診施設やオンライン診療を実施する医療機関等に求める設備、体制等について は、医療の安全性を確保することを前提に、必要最小限のものとすること。 ・オンライン診療受診施設において診療の補助行為を行うに当たって前提となる医薬品及び医療機器の看護師等による一時的な保管・ 運搬を、医師・医療機関の管理責任の下、医療の安全性を確保することを前提に、必要最小限の条件の下で可能であることを明確 化すること。 b 厚生労働省は、a の措置等を踏まえ、適正なオンライン診療の更なる普及及び円滑化を実現するため、オンライン診療受診施設に おけるD to P with N 時の診療の補助行為について診療報酬上の取扱いを明確化することを含め、所要の措置を講ずる。 【a:引き続き検討を進め、令和9年上期までに調査研究結果を取りまとめ、令和9年結論・措置、b: 令和9年度結論・措置】 20 デジタル社会の実現に向けた重点計画 (令和8年7月21日 閣議決定) (主な箇所抜粋①) 第1 目指す社会の姿、取組の方向性と重点的な取組 4.取組の方向性と重点的な取組 (1)国のAX/DX基盤の高度化・強靭化 ⑤ 外国人政策を支える情報基盤 イ 在留審査・入国審査等に係る納付状況等の連携・活用 ○ 令和9年3月以降から順次、出入国在留管理庁が関係機関から国民健康保険料、国民年金保険料、地方税等の情報につい て、マイナンバー等を活用した情報連携により取得し、未納がある場合の納付勧奨や在留審査・入国審査に活用する仕組み を検討する。あわせて、まずは出入国在留管理庁において、出国時においてもこれらの情報を活用するための具体的な方策 や課題について検討を開始する。 (3)国民の暮らしのAX/DX推進(安全で便利な地域の暮らし) ① マイナンバーカードの普及・利用拡大及びマイナポータルの利便性向上等 イ マイナポータルの利便性向上・利用拡大等 ○ マイナポータルAPIについて、官民の様々なサービスにおけるデータ利用促進や適切なデータ利用を進め、さらには、デ ジタルヘルスサービスの拡大も図るため、令和8年度中の電子カルテ情報共有サービスの全国的な運用開始等を踏まえた利 用可能な機能や取得可能な情報の拡充や、これに伴う利活用の範囲や審査の適格性を担保するための審査体制の拡充や審査 プロセスの改善に取り組む。 (3)国民の暮らしのAX/DX推進(安全で便利な地域の暮らし) ③ 医療DXの推進 ア 電子カルテの推進・普及等 ○ 電子カルテ情報共有サービスについては、令和7年から開始したモデル事業を通じて把握した課題に対応し、令和8年度 中に、全国的な運用を開始する。また、令和9年度以降は、共有可能な情報の拡大(医療介護の連携、歯科医療機関や薬局 が有する情報の活用等)及びマイナポータルを活用した利便性向上に係る検討を進め、運用状況を踏まえつつ更なる改善を 図ることや、医療DXの基盤となるマイナ保険証の利便性の向上等を含め 、全国医療情報プラットフォームの機能拡充等に 取り組む。 21 デジタル社会の実現に向けた重点計画 (令和8年7月21日 閣議決定) (主な箇所抜粋②) 第1 目指す社会の姿、取組の方向性と重点的な取組 4.取組の方向性と重点的な取組 (3)国民の暮らしのAX/DX推進(安全で便利な地域の暮らし) ③ 医療DXの推進 ウ 電子処方箋の推進 ○ 電子処方箋利用者のUX向上による利用促進を目的として、マイナポータルを活用した電子処方箋の薬局への事前送付の方策 について、令和8年度中に必要な検討を行い、結論を得た上で、令和9年度以降に必要なシステム改修を行う。また、電子 処方箋を含む医療DXの推進に合わせて、保健医療福祉分野において公的資格の確認機能を有する電子署名・電子認証を行う 基盤である公開鍵基盤(HPKI)の継続的な安定稼働及び更なる普及に向けて令和8年度以降順次検討を進める。 (3)国民の暮らしのAX/DX推進(安全で便利な地域の暮らし) ③ 医療DXの推進 ク 医療費助成の受給者証とマイナンバーカードの一体化 ○ 法律にその実施根拠がある公費負担医療や子ども医療費等の地方公共団体が単独で設けた医療費等の助成制度の受給者証と してマイナンバーカードを利用可能とするため、令和8年度においては、新たに原子爆弾被爆者に対する医療の給付等を対 象制度に追加するためのマスタ整備・周知に取り組むとともに、全国規模での導入に向け参加自治体が1,400団体程度(都道 府県は全都道府県)となることを目指し、取組を進める。令和9年度以降も、未導入となる自治体や制度について早期の導 入を進める。 【施策例】 ・3-31 マイナンバーカードと健康保険証の一体化 ・3-34 診療報酬改定DX ・3-40 マイナポータルAPI接続による健診等情報の利活用 ・3-43 医療等情報の二次利用 22 デジタル社会の実現に向けた重点計画 (令和8年7月21日 閣議決定) (主な箇所抜粋③) 第1 目指す社会の姿、取組の方向性と重点的な取組 4.取組の方向性と重点的な取組 (3)国民の暮らしのAX/DX推進(安全で便利な地域の暮らし) ⑤ こども・子育て・教育DXの推進 ア 子育て支援施策など必要な情報をプッシュ型配信するための仕組みの構築 ○ 自治体が、居住する子育て世帯に対し、必要な情報をプッシュ型で届けることを可能とするため、自治体及び国の子育て支 援制度に係る情報を集約した子育て支援制度レジストリを整備する。具体的には、当該レジストリにおいて、令和7年度ま でに800を超える自治体の制度情報データを整備しているが、令和8年度中に全自治体分を整備するとともに、子育てアプリ との更なる連携を進める。 【施策例】 ・3-71 トータルデザインで目指す姿(スマートフォンで60秒で手続きが完結) (3)国民の暮らしのAX/DX推進(安全で便利な地域の暮らし) ⑦ 各分野におけるDX化の推進 ア 税務 (a)マイナンバーカード・マイナポータルを活用した確定申告の利便性向上 ○ UI、操作性等の改善により確定申告の一層の利便性向上を図るため、マイナポータル連携(控除証明書等のデータを一括 取得し、各種申告書の該当項目へ自動入力する機能)に必要な外部サービスとの連携設定の簡素化について、令和8年度中 を目途に要件を整理し、令和9年度以降の実現を目指す。あわせて、社会保険料控除の対象となる医療・介護保険料をマイ ナポータル連携の対象とするため、国税庁は厚生労働省等と連携し、令和8年度中を目途に要件を整理した上で、令和9年 度以降の実現を目指す。なお、マイナンバーカード・マイナポータルを用いたe-Taxの推進を図るため、マイナンバーカー ドが普及するまでの暫定的な措置である「ID・パスワードによる申告」は、令和8年分確定申告期における納税者への周知 の後、令和9年の早期に終了することとする。 ○ また、令和9年1月以降、給与支払報告書を市区町村に提出した場合、税務署に給与所得の源泉徴収票を提出したものと みなされ、eLTAXで提出された給与支払報告書が給与情報のマイナポータル連携の対象となることについて、政府を挙げて 企業等へ周知し、マイナポータル連携の利用拡大を図る。 【施策例】 ・3-119 社会保険・税手続のオンライン・デジタル化 23 U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~ 概要(1) : Understand, Exercise, Nourish and Optimize for Better Health ⚫ 「がん、循環器病をはじめとした生活習慣病」は、死因の約5割、一般医療費の約3割を占めており、「栄養・食生活」も含めた対策が必要。他方で、健康 寿命が延伸し、死因に占める老衰の割合の増加に伴い、人生100年時代をよりよく生きるために「認知症対策」や「リハビリテーションの推進」も重要であ る。また、全身の健康にもつながる「歯と口腔の健康」や就労やキャリア形成に影響を与える「更年期症状」など女性の健康課題への対策も求められている。 ⚫ 健康寿命の更なる延伸に向けて、国民一人ひとりが自身の健康を「自分ごと」として捉え、主体的に健康づくりに取り組むことができるよう、健康リテラ シーの向上を図るとともに、行政や保険者等による能動的な介入を強化し、実効的な行動変容を促進する「攻め」の取組を具体化するため、6つの領域を重 点領域として位置づける。これらの取組により就労や地域活動への参画が促進され、社会保障を支える基盤の維持・強化につなげていく。 歯科保健 いわゆる国民皆歯科健診の具体化 <歯周病で治療を受けている患者数> 1,135万4,000人(男性445万4,000人、女性689万9,000人) ⚫ 希望する国民が毎年、歯科健診を受けられるよう、自治体・医療保険者の双方で、簡易検査ツールを活用した 方法を「簡易歯科健診」として位置づけ、制度化 • 自治体:歯周病検診を5歳ごとに拡大するとともに、節目年齢に関わらず、未受診者等に対して簡易歯科健診等 を実施する自治体を支援 • 職域:簡易歯科健診を推進する観点から、予防の取組実績に応じて医療保険者の負担金を加算・減算する制度 見 に簡易歯科健診を追加 発 期 早 健康寿命の延伸 性差に由来するヘルスケア 更年期世代の女性を診療する一般診療医向けわが国初のガイダンス作成 社会保障制度を含めた 社会の支え手拡大 <更年期症状を自覚し始めてから3か月以内程度で医療機関を受診した人の割合> 40歳代・50歳代で約1割(女性) 受 診 ⚫ 関係学会の協力を得て作成した更年期世代の女性を診療する一般診療医向けのガイダンス(※男性中高年期の 勧 奨 健康課題についても同様に作成)を用いて、研修等を通じて共通的な考え方を周知するとともに、対応医療機関 を検索可能とする取組を進め、適切な医療につなげる。 ⚫ 心身の不調を抱える女性が、自らの症状や状態を記録するツールを開発するなどの取組を進める。 栄養・食生活 生活習慣病等の疾病リスク低減のためのわが国初の「食事ガイド」作成 <食塩摂取量(令和6年) > 男性:10.5g/日、女性:8.9g/日 ※日本は主要先進国の中で食塩摂取量が最も多い。 <野菜摂取量が350g未満の者の割合(令和6年) > 男性:73.8% 女性:78.0% ⚫ 生活習慣病リスク低減のための食事のポイントをまとめた「食事ガイド」を作成し、国民に周知 24 *令和9年度予算に関する事業の詳細については、今後の予算編成過程で検討。 U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~ 概要(2) : Understand, Exercise, Nourish and Optimize for Better Health がん・循環器病等 未受診者の原因究明と個人の就業状況に応じた受診勧奨 <がんの死亡者数(2024年)> 年間約38.4万人(男性約22.2万人、女性約16.2万人) <循環器病(心疾患及び脳血管疾患)の死亡者数(2024年) > 年間約32.9万人(男性約16.3万人、女性約16.7万人) がん ⚫ 令和10年度までに受診率60%、精密検査受診率90%の達成 ✓ 職場におけるがん検診の受診勧奨等の強化(大臣指針の改正) ✓ 保険者による取組を推進するため、事業者ー保険者連携の促進 ✓ 自治体による職域を含めた受診状況の把握、未受診者への受診勧奨の徹底 循環器病 ⚫ 令和11年度までに特定健診受診率70%の達成及び受診勧奨の促進 ✓ 特定健診等の生活習慣病に関する健診の受診促進 見 ✓ 保険者による健診、職場健診、後期高齢者健診等の場を活用した積極的な受診勧奨 発 期 ✓ 国立循環器病研究センターにおいて、情報の一元化及びポータルサイトを用いた情報発信 早 健康寿命の延伸 リハビリテーション 科学的分析を活用したリハビリテーションへの主体的な参加への支援 社会保障制度を含めた 社会の支え手拡大 <介護保険におけるリハビリテーションサービスの受給者数(令和7年)> 受 通所リハビリテーション:60.0万人 訪問リハビリテーション:15.3万人 診 勧 ⚫ リハビリテーションへの主体的な参加を支援するポータルサイト等の作成 奨 ⚫ 予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーションの推進 認知症 新たな検査技術を活用し、早期診断・早期対応等を推進 <認知症及び軽度認知障害(MCI)の高齢者数の将来推計(2040年)> 認知症:584.2万人 MCI:612.8万人 ⚫ 早期診断・早期対応の社会実装に向けたモデル構築を進める ✓ 新たな検査技術(バイオマーカー)をモデル的に活用し、抗体薬投与の検査負担軽減と早期の治療開始の実現 を目指す ✓ (早期診断により)支援(福祉的支援・社会参加等)に早期につなぐ 共通した基盤となる取組 デデーータタヘヘルルススをを基基盤盤ととししたた「「AAII予予防防医医療療モモデデルル」」のの構構築築 ⚫ 保険者・地域の中小企業等における、がん・循環器病対策をはじめとした予防・健康づくりの取組を推進するた め、データヘルスを基盤とした「AI予防医療モデル」の構築・成果創出へ向けた保険者へのインセンティブの 在り方を検討する。 ⚫ 個人インセンティブに係る取組の推進 ⚫ 健康経営の視点にも立った「事業主・保険者連携」(コラボヘルス)の推進 25 *令和9年度予算に関する事業の詳細については、今後の予算編成過程で検討。 健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の検討規定 ◎健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)(抄) 附 則 (検討) 第二条 政府は、この法律の公布後において、持続可能な医療保険制度を実現する観点から、社会経済情 勢の変化及び社会の要請に対応し、必要な保険給付等の適切な実施並びに世代間及び世代内の負担の公 平性の確保を図るための更なる改革について速やかに検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講 ずるものとする。 2 政府は、第一条の規定(前条第四号に掲げる改正規定に限る。次条第一項及び附則第十一条において 同じ。)による改正後の健康保険法第六十三条第二項第六号及び第八十六条第三項第一号の規定並びに 第八条の規定(前条第四号に掲げる改正規定に限る。次条第二項及び附則第二十五条において同じ。) による改正後の高齢者の医療の確保に関する法律第六十四条第二項第六号及び第七十六条第三項第一号 の規定について、軽度の疾病等に係る要指導医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の 確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第四条第五項第三号に規定する要指導医薬品を いう。以下この項において同じ。)及び一般用医薬品(同項第四号に規定する一般用医薬品をいう。) (以下この項において「要指導医薬品等」という。)の服用に関する国民の理解並びに要指導医薬品等 に関する医師、歯科医師及び薬剤師の理解を深めるための取組の状況、医師若しくは歯科医師によって 使用され又はこれらの者の処方箋の交付を受けて使用すべき医薬品に係る要指導医薬品への転用に係る 状況等を勘案し、これらの規定に係る厚生労働大臣の定めの在り方等について検討し、その結果に基づ いて所要の措置を講ずるものとする。 3 前項に定める事項のほか、政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそ れぞれの法律(以下この項において「改正後の各法律」という。)の施行の状況等を勘案し、必要があ ると認めるときは、改正後の各法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ず るものとする。 2626 附帯決議について①(衆議院厚生労働委員会) 健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議 令和八年四月二十四日 衆議院厚生労働委員会 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一 出産の標準的な費用に係る給付体系の見直しに当たっては、妊産婦の経済的負担の軽減や妊産婦が納得感を持ってサービスを選択できる環境整備が重 要であり、その前提となるサービス内容と費用の見える化、それに基づく標準化を確実に実施し、安全・安心な出産ができる環境整備に向け、周産期医 療提供体制の確保に最大限努めること。また、当分の間、出産育児一時金の適用を受けることを可能とする経過措置については、妊産婦の選択に不利 益・不公平が生じたり、保険者に過度な事務負担が生じたりすることのないようにしつつ、厳しい労働・経営環境に置かれた分娩施設の状況と意向を十 分に踏まえること。さらに、新たな給付体系へ速やかに移行できるよう、国から分娩施設への丁寧な説明など、所要の措置を講ずること。 二 分娩施設の体制維持・確保、産科医の確保や地域偏在の解消など、周産期医療提供体制の整備は、国のインフラ整備に関わる問題であり、公費による 支援を含む必要な対応策を検討すること。 三 分娩費、出産時一時金等の金額の設定に当たっては、医療保険財政及び保険料負担への影響を十分に考慮するとともに、分娩施設を始めとする関係者 の意見を十分に踏まえること。とりわけ、地域における分娩施設の経営実態を踏まえた標準的費用の設定、加算措置その他必要な措置を講ずること。ま た、物価動向や人件費その他の経済状況の変化に適切に対応する観点から、関係者の意見も踏まえつつ、不断に見直すこと。 四 妊婦の希望に応じて安全・安心な出産ができる環境整備に向け、麻酔を実施する医師の確保や安全管理体制の標準化など、安全で質の高い無痛分娩や 痛みの緩和を目的とした処置の提供体制確保のための方策を講ずること。 五 多胎妊婦に対する妊婦健康診査について、単胎妊娠を前提とした現行制度との間に生じている経済的負担及び支援の地域間格差の実態を踏まえ、多胎 妊娠の医学的特性に応じた標準的な健診内容の在り方の検討を行うとともに、多胎妊婦健康診査支援事業の全国的な実施率向上に向けた具体的な方策や 国の関与の在り方を含め検討すること。また、民間団体等との連携による周知・支援体制の強化及び申請手続による当事者の負担の軽減に必要な措置を 検討すること。 27 附帯決議について②(衆議院厚生労働委員会) 六 医療機関における業務効率化・勤務環境改善への責務明確化に当たっては、医療機関における業務効率化・勤務環境改善への取組推進に向けて適切に 支援するとともに、現場の実態を幅広く把握・検証し、医療の安全性や質の担保、患者のプライバシー・個人情報の保護への留意とともに、現場労働者 の負担軽減に資する取組となるよう留意すること。 七 一部保険外療養の施行に当たっては、薬剤の支給において、要指導医薬品又は一般用医薬品との代替性の高いものであっても、配慮が必要な者への措 置は将来にわたって維持すること。また、国民の受診機会の確保、重症化の防止及び医療費への影響等を総合的に勘案し、患者に過度な負担を生じさせ ることのないよう十分配慮すること。さらに、制度導入後の影響について実態を把握・検証し、適時、ホームページ等で広く公表しつつ可逆的な見直し を含む必要に応じた見直しを行うこと。 八 一部保険外療養の対象範囲については、薬剤以外の診療行為を含めるべきではないという指摘もあったこと等を踏まえ、十分に検討すること。 九 一部保険外療養に係る対象薬剤や要配慮者の範囲、患者負担割合の検討に当たっては、患者・国民及び関係者に対して丁寧な説明を行い、その意見を 十分に踏まえること。また、検討過程の透明性を確保する観点から、検討のための資料及びデータ、前提条件等について出来る限り詳細に関係審議会等 に提出し、議論の内容を明らかにすること。 十 医療保険制度において、高額療養費等の制度が国民の生命及び生活を守る上で欠くことのできない中核的な役割を果たしていることに鑑み、将来の見 直しに際しても、高額療養費等の支給を受ける者が療養等に必要な費用の負担により生活に困窮することのないよう、高額療養費等の支給要件、支給額 その他高額療養費等の支給に関する事項は、高額療養費等の支給を受ける者の「療養等に必要な費用の負担が家計に与える影響」及び「必要かつ適切な 受診に与える影響」を考慮して定めること。また、その際には、高額療養費等の支給を受ける者の「給与等の収入の状況及び当該収入の変動状況」、 「子等の扶養に係る支出、とりわけ教育費に係る支出等の状況」及び「療養等の状況等の生活の実態」など、高額療養費等の支給を受ける者の多様性に 留意すること。さらに、高額療養費等の支給を受ける者の収入の状況等に応じ、きめ細かく、かつ、できる限り利便性に配慮した支給要件とすること。 加えて、高額療養費等の支給要件、支給額その他高額療養費等の支給に関する事項を定めるに当たっては、引き続き、その手続に当たり、高額療養費等 の支給額の算定に関する資料その他の必要な資料を提示して、高額療養費等の支給を受ける者、高額療養費等の支給を受ける者に対する医療に従事する 者、高額療養費等に関して学識経験を有する者、保険者や保険料納付者である労使等を社会保障審議会に参画させ、その意見を聴くための措置を講ずる こと。 十一 高額療養費制度の支給要件等の見直しに当たっては、多数回該当や年間上限に該当しない患者であっても必要な医療へのアクセスが阻害されないよ うに留意すること。また、制度の見直しによって、国民の健康状態の悪化や医療費の増大につながることのないよう、所得区分別、年齢別、疾病別など 詳細な影響を継続的に検証し、必要に応じて速やかに見直しを行うこと。さらに、制度の一層の機能強化に向け、保険者間の情報連携などの方策につい て検討を進めること。個人事業主の長期の療養の保障に向け、被用者保険との格差是正に向けて検討を進めること。 十二 高額療養費制度において、現役世代の負担軽減に向け、保険者変更に関わる多数回該当の初期化、合算可能レセプトに係る金額要件や歴月単位判定、 償還払いによる一時的負担など制度運用の改善に向けて継続的に検討を進めること。 28 附帯決議について③(衆議院厚生労働委員会) 十三 後期高齢者医療制度における金融所得の勘案に当たっては、公平な負担及び支払い能力に応じた負担の実現という観点から、持続可能な医療保険制 度の在り方を検討すること。制度導入後の後期高齢者の受診などへの影響について実態を把握・検証し、必要な見直しを行うこと。また、同制度にお いては、現在、現役並み所得の被保険者の給付費が公費負担の対象とならないことも踏まえ、高齢者の窓口負担割合の検討の中で現役世代の保険料負 担への配慮も含めた制度の在り方を検討し、所要の措置を講ずること。 十四 金融所得の公平な反映を目指す後期高齢者医療制度や国民健康保険の事務の実施について、デジタル技術の活用や都道府県国民健康保険団体連合会 の活用を推進するなど自治体の事務負担の軽減に努めること。その際、自治体支援を進めるため、同連合会の全国組織である公益社団法人国民健康保 険中央会の強化について、その在り方も含めて検討し、必要な措置を講ずること。 十五 全国健康保険協会への国庫補助の在り方については、国庫補助が財政基盤の安定につながってきたことや、保険者機能の十分な発揮の観点、その財 政運営の実態等も勘案しつつ検討するとともに、今回の改正による時限措置終了後における保険財政運営の在り方については、中長期的な視点で検討 すること。その際、きめ細かく有効な疾病予防・健康づくりの推進を可能とする体制を確立するよう努めること。 十六 子育て世帯の保険料負担の更なる軽減について、軽減措置の更なる拡充を含めた検討を進めること。 十七 国民健康保険制度の財政安定化基金の運用見直しについて、保険料抑制に向けて、制度導入後の影響について実態を把握・検証し、必要な見直しを 行うこと。 29 附帯決議について①(参議院厚生労働委員会) 健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議 令和八年五月二十八日 参議院厚生労働委員会 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一 医療保険制度の見直しに当たっては、給付と負担の在り方の見直しに加えて、医療機能の維持や医療従事者の確保といった医療提供体制の在り方、医 療の質の向上への対応を含め、医療全体をどのように維持し、国民皆保険制度を堅持していくかとの観点から、議論を行うこと。 二 出産の標準的な費用に係る給付体系の見直しに当たっては、妊産婦の経済的負担の軽減や妊産婦が納得感を持ってサービスを選択できる環境整備が重 要であり、その前提となるサービス内容と費用の見える化、それに基づく標準化を確実に実施し、安全・安心な出産ができる環境整備に向け、周産期医 療提供体制の確保に最大限努めること。また、当分の間、出産育児一時金の適用を受けることを可能とする経過措置については、できる限り多くの分娩 施設が新たな給付体系を選択するよう促すとともに、妊産婦の選択に不利益・不公平が生じたり、保険者に過度な事務負担が生じたりすることのないよ うにしつつ、厳しい労働・経営環境に置かれた分娩施設の状況と意向を十分に踏まえること。さらに、新たな制度の下で地域の周産期医療体制を維持・ 確保できるよう、国から分娩施設への支援や丁寧な説明など、所要の措置を講ずること。 三 分娩施設の体制維持・確保、産科医の確保や地域偏在の解消など、周産期医療提供体制の整備は、国のインフラ整備に関わる問題であり、公費による 支援を含む必要な対応策を検討すること。 四 分娩費、出産時一時金等の金額の設定に当たっては、医療保険財政及び保険料負担への影響を十分に考慮するとともに、分娩施設を始めとする関係者 の意見を十分に踏まえること。とりわけ、分娩経過が多様であることや、地域における分娩施設の経営実態を踏まえた標準的費用の設定、加算措置その 他必要な措置を講ずること。また、物価動向や人件費その他の経済状況の変化に適切に対応する観点から、関係者の意見も踏まえつつ、不断に見直すこ と。 五 妊婦の希望に応じて安全・安心な出産ができる環境整備に向け、麻酔を実施する医師の確保や安全管理体制の標準化など、安全で質の高い無痛分娩や 痛みの緩和を目的とした処置の提供体制確保のための方策を講ずること。 30 附帯決議について②(参議院厚生労働委員会) 六 医療機関における業務効率化・勤務環境改善への責務明確化に当たっては、医療機関における業務効率化・勤務環境改善への取組推進に向けて適切に 支援するとともに、現場の実態を幅広く把握・検証し、医療の安全性や質の担保、患者のプライバシー・個人情報の保護に留意し、幅広い医療機関にお いて適切に業務効率化・勤務環境改善が推進され、現場労働者の負担軽減に資する取組となるよう留意すること。 七 一部保険外療養の施行に当たっては、薬剤の支給において、要指導医薬品又は一般用医薬品との代替性の高いものであっても、適正な医療の提供を確 保するために必要なものについては、将来にわたって保険給付の対象とするとともに、配慮が必要な者への措置は将来にわたって維持すること。さらに、 国民の受診機会の確保、重症化の防止及び医療費への影響等を総合的に勘案し、患者に過度な負担を生じさせ、又は必要かつ適切な受診が抑制されるこ とのないようにするとともに、制度導入後の影響について実態を把握・検証し、適時、ホームページ等で広く公表しつつ可逆的な見直しを含む必要に応 じた見直しを行うこと。 八 一部保険外療養の対象範囲については、薬剤以外の診療行為を含めるべきではないという指摘もあったこと等を踏まえ、十分に検討すること。 九 一部保険外療養の導入に当たっては、医療用医薬品の給付を受ける患者とOTC医薬品で対応している患者との公平性の確保の観点から、イトプリド の妊婦に対する使用上の注意等を精査、検討すべきとの指摘があったことを踏まえ、イトプリドを妊婦に使用する際に別途の負担を求めない方向で整理 すること。 十 一部保険外療養の導入に当たっては、対象薬剤や要配慮者の範囲、患者負担割合を有効成分、効能効果、最大用量等を踏まえ精査、検討するとともに、 患者・国民及び関係者に対して丁寧な説明を行い、その意見を十分に踏まえること。また、検討過程の透明性を確保する観点から、検討のための資料及 びデータ、前提条件等について出来る限り詳細に関係審議会等に提出し、議論の内容を明らかにすること。 31 附帯決議について③(参議院厚生労働委員会) 十一 高額療養費等の制度は、重い疾病等に直面した場合であっても、日本国憲法第十三条が保障する個人の尊厳及び同第二十五条が保障する生存権が著 しく毀損されることのないよう、国民皆保険制度において国民の生命及び生活を守る上で欠くことのできない中核的な役割を果たしていることに鑑み、 将来の見直しに際しても、高額療養費等の支給を受ける者が療養等に必要な費用の負担により生活に困窮することのないよう、高額療養費等の支給要 件、支給額その他高額療養費等の支給に関する事項は、高額療養費等の支給を受ける者の「療養等に必要な費用の負担が家計に与える影響」及び「必 要かつ適切な受診に与える影響」を考慮して定めることとし、長期療養者をはじめ療養等に必要な費用の負担が家計の負担能力に応じたものとなるよ う配慮すること。また、その際には、高額療養費等の支給を受ける者の「給与等の収入の状況及び当該収入の変動状況」、「子等の扶養に係る支出、 とりわけ教育費に係る支出等の状況」及び「療養等の状況等の生活の実態」など、可能な限り受給者の多様性を把握しこれを踏まえた検討を行うこと。 さらに、高額療養費等の支給を受ける者の収入の状況等に応じ、きめ細かく、かつ、できる限り利便性に配慮した支給要件、支給方法等とすること。 加えて、高額療養費等の支給要件、支給額その他高額療養費等の支給に関する事項を定めるに当たっては、引き続き、その手続に当たり、高額療養費 等の支給額の算定に関する資料その他の必要な資料を提示して、高額療養費等の支給を受ける者、高額療養費等の支給を受ける者に対する医療に従事 する者、高額療養費等に関して学識経験を有する者、保険者や保険料納付者である労使等を社会保障審議会に参画させ、その意見を聴くための措置を 講ずること。 十二 高額療養費制度の支給要件等の見直しに当たっては、多数回該当や年間上限に該当しない患者であっても必要な医療へのアクセスが阻害されないよ うに留意すること。また、制度の見直しによって、国民の健康状態の悪化や医療費の増大につながることのないよう、所得区分別、年齢別、疾病別な ど詳細な影響を継続的に検証し、必要に応じて速やかに見直しを行うこと。さらに、制度の一層の機能強化に向け、保険者間の情報連携などの方策に ついて検討を進めること。個人事業主の長期の療養の保障に向け、被用者保険との格差是正に向けて検討を進めること。 十三 高額療養費制度において、現役世代の負担軽減に向け、保険者変更に関わる多数回該当の初期化、合算可能レセプトに係る金額要件や歴月単位判定、 償還払いによる一時的負担など制度運用の改善に向けて継続的に検討を進めること。 十四 高額療養費制度は、患者の医療費負担を軽減する政策であるとともに、家計消費への影響を緩和する効果のある政策であり、自己負担引上げは、医 療費を公的保険で支えるのか、患者負担や民間保険の比重を増やすのか等という問題であることを踏まえ、将来の見直しに際しては、医療保障の観点 に基づき、財政・経済全体の中における高額療養費制度の在り方という視点も踏まえた議論を進めること。 十五 高額な医療費や、疾病・治療の影響による収入減少・就業困難によって生活困窮や経済的に不安な状況に陥ることで、治療の継続、家族を含めた生 活の維持、子の養育等に大きく影響が出る事態に直面した患者やその家族を支援する観点から、相談支援窓口の整備及びアクセスの確保等に取り組む とともに、支援制度の十分な周知を図ること。 十六 後期高齢者医療制度における金融所得の勘案に当たっては、公平な負担及び支払い能力に応じた負担の実現という観点から、持続可能な医療保険制 度の在り方を検討するとともに、把握されていない所得を正確に捕捉する方策についても検討すること。制度導入後の後期高齢者の受診などへの影響 について実態を把握・検証し、必要な見直しを行うこと。また、同制度においては、現在、現役並み所得の被保険者の給付費が公費負担の対象となら ないことも踏まえ、高齢者の窓口負担割合の検討の中で現役世代の保険料負担への配慮も含めた制度の在り方を検討し、所要の措置を講ずること。 32 附帯決議について④(参議院厚生労働委員会) 十七 全国健康保険協会への国庫補助の在り方については、国庫補助が財政基盤の安定につながってきたことや、保険者機能の十分な発揮の観点、その財 政運営の実態等も勘案しつつ検討するとともに、今回の改正による時限措置終了後における保険財政運営の在り方については、中長期的な視点で検討 すること。その際、きめ細かく有効な疾病予防・健康づくりの推進を可能とする体制を確立するよう努めること。 十八 子育て世帯の保険料負担の更なる軽減について、軽減措置の更なる拡充を含めた検討を進めること。 十九 社会保障制度を将来にわたって持続可能なものにするため、近年の急激な社会・経済状況の変化に応じた、あるべき社会保障の理念とグランドデザ インに基づく、社会保障と税が一体となった改革の実現に向けて検討を進めること。 33

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出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)

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