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中 医 協 総 - 1
7 . 1 2 . 1 0
医薬品等の費用対効果評価案について
うち有用性系 市場規模 総会での
品目名 効能・効果 収載時価格 費用対効果評価区分 頁
加算率 (ピーク時予測) 指定日
内分泌療法後に増悪したPIK3CA、
AKT1又はPTEN遺伝子変異を有す 9,263.50円(160mg1錠) 35% H1(市場規模が
① トルカプ錠 103億円 2024/5/15 2
るホルモン受容体陽性かつHER2 11,244.30円(200mg1錠) (加算係数1.0) 100億円以上)
陰性の手術不能又は再発乳癌
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医薬品・医療機器等の費用対効果の総合的評価案について
対象品目名:トルカプ錠(カピバセルチブ)
製造販売業者名:アストラゼネカ株式会社
効能・効果:内分泌療法後に増悪した PIK3CA、AKT1 又は PTEN 遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性
かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
ICER(円/QALY)の 患者割合
対象集団 比較対照技術
区分 (%)
内分泌療法後に増悪した
PIK3CA、AKT1 又は PTEN 遺伝
1,125万円/QALY以上
子変異を有するホルモン受容 フルベストラント+アベマシクリブ 100
1,500万円/QALY未満
体陽性かつ HER2 陰性の手術
不能又は再発乳癌
(補足)分析対象集団のICERの区分(有用性系加算の価格調整係数)
※営業利益の価格調整は今回対象外
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(参考)トルカプ錠(一般名:カピバセルチブ)の費用対効果評価案策定に係る主な検討事項
1. 分析枠組み
内分泌療法後に増悪した PIK3CA、AKT1 又は PTEN 遺伝子変異を有するホルモン受
分析対象集団
容体陽性かつ HER2陰性の手術不能又は再発乳癌
分析対象集団を設定し
た理由(適宜記載)
比較対照技術名 フルベストラント+CDK4/6阻害薬(CDK4/6阻害薬はより安価なもの)
乳癌診療ガイドライン2022年版によると二次内分泌療法として「強く」推奨されてい
る治療法は存在しない。アロマターゼ阻害薬と CDK4/6 阻害薬の併用療法を行っ
た場合の二次内分泌療法として最適な治療法は確立していないとされている。
臨床専門家への意見聴取等によると、アロマターゼ阻害薬+CDK4/6 阻害薬によ
る一次内分泌療法後の二次内分泌療法として、我が国においてはCDK4/6阻害薬
を切り替えたフルベストラントとの併用療法が多く使用されているとのことであった。
フルベストラント+CDK4/6 阻害薬(切り替え)と製造販売業者の提案するエベロリ
ムス+エキセメスタンについて、どちらの治療効果が高いかはエビデンスが十分で
比較対照技術を選定し なく判然としない。
た理由 費用対効果評価の分析ガイドライン「4.2」において、「4.1」で一意に決めることが難
しい場合は価格算定上の類似技術等も考慮に入れるとされている。カピバセルチブ
の価格算定上の最類似薬はCDK4/6阻害薬である。
また、分析ガイドライン「4.2」においては、無作為化比較試験(RCT)等における比
較対照技術も検討することとされている。カピバセルチブのピボタル試験
(CAPItello-291試験)における比較対照技術はフルベストラントである。フルベス
トラント+CDK4/6阻害薬はエベロリムス+エキセメスタンよりもRCTにおける比較
対照技術(フルベストラント)に近い。CDK4/6阻害薬の使用順や優劣は明らかでな
いことから、CDK4/6阻害薬はより安価なものとする。
「公的医療の立場」以
無
外の分析の希望
効果指標としてQALY
以外を使用する場合、 (該当せず)
その指標と理由
その他の分析として、以下の比較対照技術を用いた分析も実施する。
その他 (比較対照技術名)エキセメスタン+エベロリムス
本薬剤を用いるために実施される検査費用も考慮すること
※ 分析枠組みに係る専門組織での主な意見
(専門組織の見解)
企業の提示するエキセメスタン+エベロリムスは、作用機序という観点からは本品目と類
似しているが、臨床的な治療の代替となるかは疑問がある。
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CDK4/6阻害薬のリチャレンジは、効果や副作用等の観点からも検討してみることが臨床的
にはあり得る選択肢である。
最適な治療法が確立していない中で、内分泌療法が効かなくなった場合はフルベストラン
トを使用するため、今回は、フルベストラント+CDK4/6阻害薬を比較対照技術とした公的分
析が提案する内容がより臨床的に妥当ではないか。
一方で、薬の作用機序ということであれば企業の提案も一定程度妥当性はあるため、公的
分析の枠組みを基本分析としつつ、企業側の比較対照技術もその他の分析として実施しても
よいのではないか。
(企業の不服意見)
なし
2. トルカプ錠(一般名:カピバセルチブ)の費用対効果評価結果案の策定に係る専門組織での主な検討事
項
2-1. 公的分析から提示された論点
・ 薬剤費について
製造販売業者は評価対象技術並びに比較対照技術である各薬剤の費用を、令和6年4月時点の薬
価に基づき算出している。公的分析では、最新時点(令和7年7月時点)の価格を用いて分析を実施し
た。
OSについて
公的分析ではフルベストラント+アベマシクリブに対するカピバセルチブ+フルベストラントの OS、
PFS のハザード比を推定するために、CAPItello-291 試験と CDK4/6 阻害薬の「切り替え」の効果を
検討したpostMONARCH試験を使用した間接比較を行うことが妥当であると考えた。postMONARCH試験
では OS データが未成熟であったことから、OS に対する効果は報告されていなかった。公的分析で
は、フルベストラントに対するフルベストラント+アベマシクリブの効果は代理エンドポイントで
ある PFS において示されていることから、臨床試験においては後治療の影響等を受けて不明確な結
果しか得られない可能性はあるものの、PFS と OS の間に相関関係があるとする先行研究に基づき、
OS の推定を行った。一方で、製造販売業者の用いたアベマシクリブ(フルベストラントの上乗せ)の
OSに対する効果は、ハザード比で1.02であった。点推定値で見ると、アベマシクリブを上乗せする
ことにより、逆に生存期間が短くなるという設定であり、公的分析としては受け入れ困難であった。
そのため、公的分析におけるOSのハザード比としては、臨床専門家の見解などを踏まえて、十分に
保守的(ICERが小さくなる方向に働く)0.95と設定し、その値については感度分析の対象とした。
・ 検査費について
PIK3CA、AKT1、又はPTEN遺伝子変異を有することがすでに判明している患者が分析対象集団であ
ることから、公的分析では遺伝子検査にかかる費用を分析に含めないこととした。
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2-2. 製造販売業者から提示された論点
・ 再分析で実施されたOSデータの推定
専門組織Ⅰでは比較対照が一意に定まらず、フルベストラント+CDK4/6 阻害薬との比較が「基本
分析」となったが、エキセメスタン+エベロリムスとの比較も一定の妥当性が認められ、「その他分
析」として実施することとされた。しかし、フルベストラント+CDK4/6 阻害薬(切り替え)のOSデ
ータは存在せず、「基本分析」では適切な評価が不可能であることが判明した。一方、「その他分析」
では、比較対照技術の OS データを用いたネットワークメタアナリシスによって分析が可能であり、
英国NICEではエキセメスタン+エベロリムスを比較対照とした分析結果が受け入れられている。専
門組織Ⅰでの「実臨床では選択肢は複数あり、実臨床の実態と分析可能性を踏まえて検討するべきで
はないか」という意見を踏まえれば、PFSからOSを推定するという、他のHTA機関では否定されて
いる手法を強引に用いざるを得ない「基本分析」ではなく、標準的な方法に基づき実施した「その他
分析」を採用すべきと考える。
2-3. 専門組織の議論
以上を踏まえて、公的分析(基本分析)においてはOSのハザード比を1.0に十分近い値であると
して0.95と設定しているが、専門組織は再度臨床の立場からの意見も踏まえて、下記のとおり、公
的分析に対して追加分析を求めることとした。
製造販売業者は、基本分析の他に、その他の分析による費用対効果評価を採用すべきと主張
しているが、治療効果の観点からは分析対象集団に対するエベロリムスの有効性は限定的であ
り、より奏効率が高いと考えられる CDK4/6 阻害薬とトルカプの比較をすることが妥当と考え
られる。
PFSから OS の点推定値を一意に推定をすることが困難であることについては、十分に理解
をしている。しかしながら具体的なOSのデータが得られないのであれば、ハザード比が1を
下回る可能性が高いという設定に基づき、現状での最善のデータを用いて分析することが妥
当と考えており、公的分析の結果を支持したい。ただし、分析結果の頑健性を検討するため
に、ICERが基準値を下回るOSハザード比の値を算出するなど、感度分析や閾値分析の結果を
参照したい。
上記専門組織の決定について、公的分析より追加分析が実施された。専門組織では、以下のとおり
議論され、分析結果等については、公的分析による追加分析結果が妥当であると結論づけられた。
PFSからOSを推計する手法について、PFSで有効性が示されていれば、OSのハザード比が
1 を下回る可能性が高いという点で、本剤では臨床専門家の意見も踏まえると公的分析班に
よる追加分析を採用としてよいのではないか。
フルベストラント単剤と比較した際のCDK4/6 阻害薬併用療法のOSのハザード比について、
分析上の不確実性が大きい場合には、ICERを低めに算出する保守的な値として1.0を使用す
る選択肢もあり、その場合のICERの区分は異なる。一方で、感度分析において、わずかでも
ハザード比が1を下回れば、ICER は同一区分に含まれるため、分析結果が頑健であることは
理解できる。
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上記専門組織の決定について、製造販売業者から、以下のとおり不服意見が出された。
奏効率よりも重要なエンドポイントである PFS ハザード比においてより優れる「エベロリ
ムス+エキセメスタン併用療法」を比較対照技術とすべき。
「アベマシクリブ+フルベストラント併用療法」を比較対照技術とする場合、当該併用療法
のOSハザード比は、様々な推計手法を用いたとしても1以上となる可能性と1を下回る可能
性は同程度であり、臨床的観点からも 1 を下回ると判断することは出来ない。また、結果に
対する感度が高い重要なデータであり、推定に基づき総合評価を決定すべきものではないた
め、実際のOSデータの公表を待つべき。
専門組織では、以下の通り議論され、分析結果等については公的分析結果が妥当であると結論付け
られた。
製造販売業者は、「エベロリムス+エキセメスタン併用療法」と「アベマシクリブ+フルベ
ストラント併用療法」の治療効果について、プラセボ群との差では両併用療法とも同程度の
効果を示しているところ、PFS のハザード比を考慮するとエベロリムス+エキセメスタン併
用療法が優れていると主張しているが、両試験の実施時期が大きく異なるなどの理由から、
間接比較によるこのような評価は困難と考える。
<参考:本資料に係る留意事項>
・ 総合的評価では、企業分析及び公的分析双方とも一定の科学的妥当性が認められている。
・ 「専門組織での主な検討事項」は、双方の見解の主な相違部分を抜粋したものである。
・ 費用対効果評価の詳細については、国立保健医療科学院から公表される報告書を参照されたい。
(以上)
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
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