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中 医 協 費 - 2
2 5 . 9 . 4
議論の中間的な整理
(費用対効果評価専門部会)
【資料編】
1
1 医療技術の費用対効果評価の必要性に
ついて
2
中 医 協 費 - 2
1.中医協におけるこれまでの指摘
24.6.27(改)
○ これまで中医協において、革新的な医療技術の取り
扱いを議論した際等に、医療保険制度において費用対効
果の議論を行っていくべきとの指摘が複数回あったところ。
○ これらの指摘も踏まえ、平成24年診療報酬改定に係
る附帯意見において、「保険適用の評価に際し費用対効
果の観点を可能な範囲で導入することについて検討を行
う。」こととされた。
平成24年診療報酬改定に係る附帯意見(抜粋)
(中医協答申書 平成24年2月10日)
1 7 革新的な新規医療材料やその材料を用いる新規技術、革新的な医
薬品等の保険適用の評価に際し、算定ルールや審議のあり方も含め、費用
対効果の観点を可能な範囲で導入することについて検討を行うこと。
3
2.高額な医療技術の増加について 中医協 費-2
24.6.27
○ 医療分野のイノベーションの進展によって、より高い治
療効果等が期待される医療技術が選択できるように
なった。
○ 更に、高い治療効果等が期待される医療技術の中には、
費用が大きなものがあり、これらの増加による医療保険
財政への影響が懸念されるとの指摘もある。
○ 一方で、費用の大きな医療技術の中には、必ずしも治
療効果等が十分に高いとは言えないものがあるのでは
ないか、との指摘がある。
4
(参考2)国民医療費、高額療養費の指数変化 中医協 費-2
24.6.27
(平成10年度を100とした場合)
高額療養費
215.0
(平成10年度を100とした場合)
203.8
200.0
187.1
182.4
176.7
165.2
150.0
国民医療費
117.2
(平成10年度を100とした場合)
103.3 106.8 104.3
100.0 115.4 117.7
112.0 112.0
100.0 106.6 108.5
105.1 104.6
103.8 101.9
50.0
平成10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度
診療報酬等の確定額及び各制度の事業年報等を基に作成
(注1)平成13年度の支給額の減少の理由は、13年1月から医療保険の自己負担限度額に上位所得者の区分を設けたこと等による。
(注2)平成15年度の大幅な支給額の増加は、14年10月から老人保健制度に1割負担(すべての医療機関)を導入したこと、15年4月
から健保本人の自己負担割合を2割負担から3割負担に引き上げたこと等による。 5
中医協 費-2
3.現行の医療保険制度における医療技術の評価について
24.6.27
○ 現行の医療技術の評価においては、安全性・有効性を中心と
して総合的な評価を行っている。費用対効果については、保
険適用を希望する際に費用対効果に関する資料の提出等を
求める等の対応を行っているが、医薬品、医療材料、手術等
の手技の3分野で取り扱いが異なっている。
○ 費用対効果の評価結果を明示的な加算の要件とする等の具
体的な判断基準が設定されておらず、費用対効果の評価が
医療保険上の評価に必ずしも反映されていないという指摘が
ある。
○ さらに、費用対効果評価に関する資料の提出等を行った場合
であっても、保険導入後に提出資料の検証を行う等の対応は
行われていない。
6
3.(1)新規の手術等の手技の評価①
中医協 費-2
(医療技術評価分科会) 24.6.27
臨床研究
研研究究デデーータタのの蓄蓄積積
関係学会
○学会内で合意形成
○要望とりまとめ
関係学会
からの提案
○安全性
(中医協 調査専門組織)
○有効性
○技術の成熟度
医療技術評価分科会 ○普及性
○倫理性・社会的妥当性
○既存技術と比較した効率性
保険適用の是非について議論
等について評価
報告
中医協
個々の医療技術の保険導入・点数設定について議論
診療報酬
改定
保保険険診診療療
7
3.(1)新規の手術等の手技の評価② 中医協 費-2
24.6.27
医療技術評価提案書(抜粋)
・医療技術評価提案の際に、
当該技術の保険収載に伴い
減少又は増加が予想される
医療費 について、記載する
ことになっており、さらに費用
効果分析などの経済評価を
実施していれば記載可能。
保険未収載技術 評価票
・保険未収載技術評価票に
おいて、評価者が「効率性」
についてコメントを記載するこ
とができる。
8
3.(1)新規の手術等の手技の評価--先進医療① 中医協 費-2
24.6.27
臨床研究
研研究究デデーータタのの蓄蓄積積
医療機関からの提案
○安全性
○有効性
先進医療専門家会議
○社会的妥当性(社会倫理
的問題等)技術の成熟度
○有効性や安全性等の観点で検討し、総合評価と
○普及性
して先進医療としての適否を判断
○効率性
○安全な実施のため、施設基準を設定
○将来の保険収載の可能
性
等について評価
先進医療
保険診療
との併用が可能 既に保険導入されている
○実施医療機関でのデータ蓄積
医療技術に比較した
○定期的な実績報告
効率性を評価
○安全性
○有効性
先進医療専門家会議
○社会的妥当性(社会倫理
保険適用の是非について議論 的問題等)技術の成熟度
○普及性
○効率性
等について評価
診療報酬
改定
保保険険診診療療
9
3.(1)新規の手術等の手技の評価--先進医療② 中医協 費-2
24.6.27
「先進医療としての適格性」届出票 (抜粋)
○先進医療としての適格
性について申請する際
に、効率性(患者負担の妥
当性)について記載を求め
ている。(様式左記)
「先進医療としての適格性」評価票 (抜粋)
○先進医療としての適格
性を評価する際に、既存
技術と比較した効率性に
ついて評価を行っている。
(様式左記)
10
3.(2)新医薬品の薬価算定方式① 中医協 費-2
24.6.27
~まとめ~
新医薬品
類似薬のあるもの 類似薬のないもの
① 類似薬効比較方式(Ⅰ) ② 類似薬効比較方式(Ⅱ) ③ 原価計算方式
(新規性に乏しい新薬)
製造(輸入)原価
① 補正加算
販売費、一般管理費
営業利益
画期性加算 70~120%
流通経費
有用性加算(Ⅰ) 35~ 60%
消費税等
有用性加算(Ⅱ) 5~ 30%
市場性加算(Ⅰ) 10~ 20%
市場性加算(Ⅱ) 5%
小 児 加 算 5~ 20%
④ 外国平均価格調整 ④ 外国平均価格調整 ④ 外国平均価格調整
・1.5倍を上回る場合は ・1.5倍を上回る場合は ・1.5倍を上回る場合は
引下げ調整 引下げ調整 引下げ調整
・0.75倍を下回る場合は ・0.75倍を下回る場合は
引上げ調整 引上げ調整
⑤ 規格間調整
(注)有用性の高いキット製品については、上記⑤の後、キット特徴部分の原材料費を加え、加算(5%) 11
3.(2)新医薬品の薬価算定方式⑤ 中医協 費-2
24.6.27
○ 医療用医薬品の薬価基準収載
希望書の提出の際に、医療経済学
的評価(費用対効果評価)について
の資料を提出することができる。
(様式左記)
12
新規医療材料の材料価格の算定方式①
原則:類似機能区分比較方式
補正加算なし
類似機能区分
のあるもの
補正加算あり
・画期性加算 50~100%
価格調整(※)
・有用性加算 5~ 30% 迅速な
・改良加算 1~ 20%
保険導入
(蓋然性が高い場合 1~ 10%) に係る
外国平均価格の
・市場性加算Ⅰ 10%
評価
1.5倍を超える場合は
・市場性加算Ⅱ 1~ 5%
新規材料 1.5倍に相当する額
特例:原価計算方式 一定の要件
※英、米、独、仏、豪の を満たす医
・製造(輸入)原価 療材料の場
医療材料の価格を相
合に限る。
・販売費
加平均した額と比較
・一般管理費
(市販後調査の費用を含む)
・営業利益※
・流通経費
・消費税 等
類似機能区分
※ 業界の実情を踏まえつつ、新規収載
のないもの
品の革新性の度合いに応じて±50%
の範囲内で営業利益率の調整を行う
13
新規医療材料の材料価格の算定方式②
画期性加算 50~100%
次の要件を全て満たす新規収載品の属する新規機能区分
イ 臨床上有用な新規の機序を有する医療機器であること
ロ 類似機能区分に属する既収載品に比して、高い有効性又は安全性を有することが、客観
的に示されていること
ハ 当該新規収載品により、当該新規収載品の対象となる疾病又は負傷の治療方法の改善
が客観的に示されていること
有用性加算 5~30% 市場性加算(Ⅰ) 10%
画期性加算の3つの要件のうちいずれか1つを満たす新規収載品の属する新規機能区分
薬事法第77条の2の規定に基づき、
改良加算 1~20%(高い蓋然性が示されている場合1~10%)
希少疾病用医療機器として指定された
改良加算とは、次のいずれかの要件を満たす新規収載品の属する新規機能区分
新規収載品の属する新規機能区分
+
なお、客観的に示されているとは、臨床的な知見が示されていることをいう。ただし、臨床的な
効果が直接的に示されていない場合であっても、臨床的な有用性が高い蓋然性をもって示され
ている場合には、別表1に別に定める算式により算定される額を加算する。
市場性加算(Ⅱ) 1~5%
イ 構造等における工夫により、類似機能区分に属する既収載品に比して、職業感染リスクの低
減など医療従事者への高い安全性を有することが、客観的に示されていること。 類似機能区分に属する既収載品に比
ロ 類似機能区分に属する既収載品に比して、当該新規収載品の使用後における廃棄処分等
して、当該新規収載品の推計対象患者
が環境に及ぼす影響が小さいことが、客観的に示されていること。
ハ 構造等における工夫により、類似機能区分に属する既収載品に比して、患者にとって低侵襲 数が少ないと認められる新規収載品の
な治療や合併症の発生が減少するなど、より安全かつ有効な治療をできることが、客観的に示
属する新規機能区分
されていること。
ニ 小型化、軽量化、設計等の工夫により、それまで類似機能区分に属する既収載品に比して、
小児等への適応の拡大が客観的に示されていること。
ホ 構造等の工夫により、類似機能区分に属する既収載品に比して、より安全かつ簡易な手技
が可能となること等が、客観的に示されていること。
ヘ 構造等の工夫により、類似機能区分に属する既収載品に比して、形状の保持が可能になる
といった耐久性の向上や長期使用が可能となることが、客観的に示されていること。
ト 構造等の工夫により、類似機能区分に属する既収載品に比して、操作性等が向上し、患者に
とって在宅での療養が安全かつ容易であることが、客観的に示されていること。
14
新規医療材料の材料価格の算定方式③
医療機器に係る保険適用希望書の
提出の際に、
・医療経済上の有用性を明らかにす
る文献
・医療経済上の有用性に関する資料
(左記)
を提出することになっている。
15
4.まとめ(医療技術の費用対効果評価に関する考え方) 中医協 費-2
24.6.27
① 高度な医療技術が増加し、高い治療効果や安全性が
期待できる一方で、これらのうち費用の大きな医療技術が
増加することによる医療保険財政への影響が懸念されると
いう指摘がある。
② 我が国の医療保険制度においては、従来から、医療技
術の安全性・有効性を中心に評価を行ってきたが、費用対
効果については、評価結果を用いた加算要件等、具体的な
判断基準を設けずに、保険収載や保険償還価格を決定して
きた。
以上を踏まえ、医療保険上の評価を行うにあたり、著しく
従来技術よりも高額な費用を要する技術等一定の要件を満
たす医療技術を対象として、効果(安全性・有効性等)のみ
ならず、費用も考慮した評価を行うため、医療技術の費用対
効果評価について導入を検討する。
16
2 制度の基本的な考え方
17
中 医 協 費 - 3
24.6.27(改)
2-1 対象技術の原則について
18
中 医 協 費 - 3
24.6.27(改)
結果活用の原則
2-2
19
3 分析(ASSESSMENT)と評価
(APPRAISAL)の区分について
20
中 医 協 費 - 2
2 5 . 2 . 2 7
Appraisalについて
一般的な費用対効果評価を用いた意思決定のプロセス
Assessment Appraisal Decision
(分析) (評価) (最終決定)
・ 費用対効果評価の実行 ・ 分析結果の解釈 ・ 最終的な意思決定
・ その他(臨床的、倫理
的、社会的…)影響の考慮
Appraisalにおいては、様々な要素を
考慮して評価を行う。
21
中 医 協 費 - 2
2 5 . 2 . 2 7
(評価)(まとめ)
Appraisal
• 医療技術の評価のプロセスには、
「Appraisal(評価)」を設けることが一般的
• Appraisalにおいては、下記のような様々な
要素を考慮して評価を行う。
– 臨床的背景
– 倫理的背景
– 社会的背景
22
中 医 協 費 - 1
24.7.18(改)
用語の定義について
○ 医療技術
医薬品、医療材料及び医療者等の技術の
3分野に係る技術。
医療者等の技術ー検査・診断・治療等に係る医療者が行う技術
23
4 具体的な評価の運用手法について
24
(1) 効果指標の取り扱い
25
中 医 協 費 - 2
効果指標の取り扱いについて 24.8.22(改)
(検討の背景)
○ 幅広い医療技術を効果という視点で評価できる指標について検討することから、様々な観点から
の検討が必要である。
(例えば、従来の医療保険制度における価格評価は、類似する医療技術との比較又は当該技術に関する原価計算方式が基本と
されてきたが、仮に費用対効果評価を考慮するとした際に、類似技術との比較のみならず、異なる治療方法や疾患分野との
比較等、横断的で幅広い評価を行うこと等についての検討)
○ 諸外国の先行事例では、評価手法を定めたガイドライン等において、殆どの国が効果指標として
質調整生存年(QALY)を採用している。しかし、QALYの具体的な活用方法については、必須
とする、推奨する、選択肢の一つとする等、国により取り扱いが異なっている。
○ QALY以外の効果指標についても、考え方や使用可能な指標が国により異なっており、国際標準と
なる唯一の指標があるわけではない。
○ このような諸外国における先行事例の特徴や課題等を踏まえ、我が国の費用対効果評価における
効果指標の取り扱いについて、慎重な検討を行う必要がある。
(基本的考え方)
○ 医療技術の多様性(対象疾患や治療方法等の多様性)に対応可能なよう、一定の普遍性を有す
るとともに、比較可能性等に留意した評価指標を用いることが求められる。
○ 更に、分析結果の評価を明確なものとするよう、評価の実施に当たっては、原則として単一の
指標を予め設定して実施することが求められる。(必要があれば、単一の指標による評価を補
う手法についての検討も求められる。)
26
中医協 費-2
医療技術の効果の多様性
25.2.27
○個々の医療技術ごとに、得られる効果は異なる。
○一定の普遍性・比較可能性等を有する評価指標を用い
ることが必要である。
・脂質異常症(コレステロール等の異常)の効果指標の例
血中LDLコレステ 血中HDLコレステ
ロール値 ロール値
どの効果指
標を優先し
て考慮する
べきか?
心筋梗塞の発生率 死亡率
脳卒中の発生率
27
中医協 費-2
25.2.27
医療におけるゴールの考え方(具体論)
○ 前頁のGoals of Medicineを受け、より具体的に医療におけるゴールの考え方
がまとめられている。
(スウェーデン ヨーテボリ大学)BENGT BRÜLDE Health Care Analysis 9: 1–13, 2001.
The Goals of Medicine. Towards a Unified Theory
○ 最も重要視されるもの
1. 寿命の保持・延長(特に、若年期の死を予防することによる。)
2. QoLの維持・向上(特に苦痛の除去による)
○ 上記を達成するための医療的手段
1. 健康関連の機能・能力の維持・向上
2. 構造的・機能的な健康状態の維持(特に疾病・負傷の予防及び治療による。)
3. (一定の症状・状態においては、)自分の症状・状態と調和できるようにすること。
4. (一定の症状・状態においては)疾病・負傷を予防するため、または自立した環境を維持・
向上させるため、外的環境を向上させること。
5. 小児の成長・発達の促進
これらのゴールの達成度を測るための医療技術の
効果指標はどのように設定するべきか?
28
中 医 協 費 - 2
効果指標の具体例について①
24.8.22(改)
(生存期間に関連する指標)
A.生存年
① 概要
○ 生存年の延長を効果指標とする。
① 利点及び欠点
○ 致死的な疾患においては、確立された指標と言え、諸外国でも幅広く利用されている。
○ 致死的な疾患同士での比較においては、疾患に依存しない。(異なる疾患間での比較が可能)
○ 臨床試験等での指標を活用可能である。
○ QOLが考慮されない。(包括的な評価とならない可能性がある)
○ データの収集が困難な場合がある。
B.質調整生存年(QALY)
① 概要
○ 生存年と生活の質(QOL)の双方を考慮する。
○ QOLについては、1を完全な健康、0を死亡とする「効用値」を用いる。
(ある健康状態でのQALY =【効用値】 × 【生存年数】)
②利点及び欠点
○ 疾患に依存しない。(異なる疾患間での比較が可能)
○ 生存年及びQOLの評価が可能である。(包括的な評価が可能)
○ QOLの定量的な評価が可能である。
○ 諸外国で幅広く利用されており、既に一定の運用実績がある。更に、海
外事例(データ)の活用も考慮可能である。
○ データの収集が困難な場合がある。
○ データの収集や分析に多くの労力を要する。
29
中 医 協 費 - 2
効果指標の具体例について②
24.8.22(改)
C 治癒(治療目的達成)率
① 概要
○ 疾患毎に定められた「治癒(治療目的)」の定義を達成した割合を指標とする。
① 利点及び欠点
○ 疾患等に応じた指標が利用可能である。
○ 臨床試験等での指標を活用可能である。
○ 疾患によって、「治癒(治療目的)」への健康アウトカムの反映の程度に幅がある。(包括
的な評価とならない可能性がある。)
○ 疾患によって「治癒」の定義が異なるため、再現性、透明性等の程度に幅がある。
○ 異なる指標間での比較が困難である。
○ 判断基準を個々の疾患に応じて設ける必要がある。
D 臨床検査値等
① 概要
当該技術の対象疾患の状態を表す指標を用いる。(例えば、糖尿病におけるHbA1C等)
① 利点及び欠点
○ 疾患等に応じた指標が利用可能である。
○ データの入手が容易である。(臨床試験等での指標も活用可能)
○ 異なる指標間での比較が困難である。
○ 当該医療技術がもたらす効果を包括しているとは限らない。
○ 判断基準を個々の指標に応じて設ける必要がある。
30
中医協 費-2
25.2.27
真の健康アウトカムとして用いられる指標と
代理の健康アウトカムとして用いられる指標
• 真の健康アウトカムとして用いられることが多い指標
生存期間、Quality of life (QoL)、主要なイベント(心筋梗塞等)発生率、治癒
率など
• 代理の健康アウトカムとして用いられることが多い指標
脂質異常症におけるLDLコレステロール値、糖尿病性合併症に対するHbA1c
値、痛風の血清尿酸値、HIVにおけるCD4細胞数など
○脂質異常症(コレステロール等の異常)の場合
血中LDLコレ 死亡率
ステロール値 寿命の
脳卒中の発生率
保持・延長
脳卒中後遺
症の程度
血中HDLコレ 心筋梗塞の発生率
QoLの
ステロール値
維持・向上
心機能障害
の程度
代理の 真の
健康アウトカム 健康アウトカム
重要性 大
31
QALY(質調整生存年)の計算方法
○生存年数と生活の質
(QoL)
の双方を考慮する。
○QoL については、 1 を完全な健康、 0 を死亡とする「 QoL スコア
(効用値)」を用いる。
ある健康状態での =【 スコア】 【生存年数】
- QALY QoL ×
【健康状態が一定のとき】
1
0.7
QoLが0.7の状
態で2年間生存
している。
(年)
2
「QALY = 0.7 x 2 =1.4」と計算できる。
QoL
中 医 協 費 - 2
2 5 . 2 . 2 7
【健康状態が変化するとき】
U(t)
ス
コ
ア
T
曲線下の面積で計算できる。
T
QALY u(t)dt
0 32
中 医 協 費 - 2
2 5 . 2 . 2 7
QALYが費用対効果評価において汎用される理由(1)
(a) 多くの疾患においてQALYを用いて評価できる。
• 例えば、逆流性食道炎における胸焼けの改善等(特異的指標:GERD-
HRQL- Questionnaire等)と過敏性腸症候群における腹痛の改善等
(特異的指標:IBS-SSS等)とは、いずれもQoLによる評価であるが、
指標が異なり、直接は比較できない。
→ 逆流性食道炎も過敏性腸症候群も同じQALYで評価可能。
• 多くの疾患で共通の効果指標としては、生存期間がある。しかし、生存
期間の改善が少なく、QoL改善が重要な場合(例えば関節リウマチ、過
敏性腸症候群など)は、生存期間を指標としても、医療技術の価値が十
分に評価できない。
→ QALYであれば、生存期間が変化せずとも、QoLが改善する
医療技術の価値を評価可能。
33
中 医 協 費 - 2
2 5 . 2 . 2 7
QALYが費用対効果評価において汎用される理由 (2)
(b) 複数の効果を同時に評価できる
• 複数の重要な効果指標(例えば、糖尿病で「HbA1Cの低下」と「低血糖
発作頻度の低下」)がある場合、それぞれの指標ごとに複数の費用対効
果評価を行っても、その医療技術を総体として評価することが困難であ
る。
• 効果指標間に何らかのトレードオフ(有効性は大きいが、副作用も大きい
など)がある場合、複数の指標を用いる評価の解釈はさらに難しくなる。
• QALYであれば両者の関係がQoLを通して一つの尺度となるため、その
医療技術を総体として取り扱うことができる。
【スライド11及び12 「健康アウトカムにトレードオフがあるとき」参照】
34
中 医 協 費 - 2
2 5 . 2 . 2 7
QALYが費用対効果評価において汎用される理由 (3)
(c) 結果の解釈がしやすい
• 例えば、「C型肝炎ウイルスの除去率が10%改善する」といわれても解
釈が難しい。
→ QALYに換算すると、判断がしやすい。
(イギリスNICEにおける例)
– C型肝炎治療における、「ペグインターフェロンα/リバビリン併用療法」への
「ボセプレビル」の上乗せ治療の評価
• 「ペグインターフェロンα /リバビリン併用療法」のみと比較して、1QALY
獲得するのに£11,601かかると推計された。(未治療の患者を対象とす
る場合)
• これは、NICEの基準(£20,000 ~ £30,000/QALY)に照らして、
費用対効果がよいとされた。
35
中 医 協 費 - 2
2 5 . 2 . 2 7
(質調整生存年)(まとめ)
QALY
• QALYには、医療技術の効果指標として以下
のような利点がある。
– 多くの疾患で使用できる。
– 複数の効果を同時に評価できる。
(トレードオフがあっても、一つの指標に統合して
判断が可能)
– 結果の解釈がしやすい。
36
中 医 協 費 - 2
2 5 . 2 . 2 7
各国のガイドラインにおけるQALYの取り扱い
イギリス、アイルランド、ノルウェー、
第1選択としてQALYを推奨
ニュージーランドなど
オーストラリア、カナダ、スウェーデ
QALYも含めて推奨 ン、オランダ、ベルギー、フィンラン
ド、韓国、台湾など
費用対効果評価を意思決定に活用している国で、QALYを選択肢とし
て排除している国は、ほぼ存在しない。
37
(2) 費用の範囲や取り扱い
38
中 医 協 費 - 2
2 4 . 1 2 . 1 9
費用の種類(主なもの)
(公的)医療費
保険者 医療機関
(保険負担分)
本人の生産性損失
(公的)医療費
(患者負担分)
(仕事や家事ができな
いことによる損失)
患者
家族等による介護
やケアの費用
その他 (公的)介護費
)
(自己負担分+保険負担分
39
中医協 費-2
24.12.19
医療費の範囲や取り扱い①
原則①:公的医療費は医療技術だけでなく、
関連する医療費も考慮する。
その他の関連する医療費
外来・入 検査の 他の治療の
医療技術の費用 その他
院の費用 費用 費用
費用=関連する医療費も全て含む
40
中医協 費-2
医療費の範囲や取り扱い② 24.12.19
原則②:経時的な費用も考慮する。
費用=1年目+2年目+3年目+ … n年目
費用
10万円
7万円 ……
5万円
0 1 2 3 n年
41
中 医 協 費 - 2
費用の範囲と取り扱い
2 4 . 1 2 . 1 9
(原則等の考え方)
– 原則として費用に含めるもの
公的医療費: 公的医療保険制度における医療費(自己負担分含む)
– 状況に応じて含めることも検討されるもの
公的介護費: 公的介護保険制度における介護費(自己負担分含む)
その他の支出: 交通費、補装具等の公的医療保険制度によらない支出
家族等による介護等の費用: 家族等が介護やケアを行うことによる費用
本人の生産性損失: 仕事や家事ができないことによる生産性の損失
42
中 医 協 費 - 2
2 4 . 1 2 . 1 9
生産性損失
• 生産性損失とは
– 病気によって仕事や家事ができない/減少することは、社会
全体で見れば損失である。
– 一方で、医療費に直接の関連はない。
(実際に金銭のやりとりが生じるわけではない。)
– そのため、医療の立場では、費用に含まないことが基本と
なる。
• 推計方法
– 生産性損失は賃金を用いて推計することが多い。
43
中 医 協 費 - 2
2 4 . 1 2 . 1 9
生産性損失の取り扱い
• 推計上の留意点
– 生産性損失は「ばらつき」や「推計方法による差」が大き
い。
• 各国のガイドラインでも取り扱いは分かれている。
– 生産性損失を費用に含める国でも、「生産性損失を含まな
い費用」も同時に提出させることが一般的。
44
中 医 協 費 - 2
2 4 . 1 2 . 1 9
諸外国における生産性損失の取り扱い
イギリス、フランス、カナダ、オースト
生産性損失を含めない
ラリア、アイルランド、など
スウェーデン、ノルウェー、タイ、
生産性損失を含める
フィンランド、オランダ、韓国、など
• 生産性損失を分析に含めるとしている国(上記表の下段)で
も、「生産性損失を含まない分析結果」も同時に提出させてい
る。
→ 生産性損失を含まない費用を用いた分析
は、いずれにせよ実施している。
45
中医協 費-2
25.1.23
生産性損失を含む費用の
積算について(総論)
• 生産性損失を含めた分析を行うとされている国でも、実際に
は分析に含めていないことが多い。
• 生産性損失は、含める範囲や推計方法により、値が異なる 。
• データ提出者にとって有利な分析が行われる可能性もある。
• 生産性損失が医療費と比べて大きすぎる場合、費用のほと
んどを生産性損失を占めることになり、医療費の効率性の観
点での評価が困難になる。
46
中 医 協 費 - 3
24.12.19(改)
費用の範囲や取り扱い について
論点
費用の範囲や取り扱い :公的医療費のみか、他の費用を含めるか
費用の範囲や取り扱い
(案)
費用の範囲は公的医療費を原則としてはどうか。(当該医療技術の費用のみならず関連
する医療費を含む)。ただし、評価対象の医療技術のもたらす効果が介護にも影響が大き
い場合には、公的介護費用を含めることにしてはどうか。
生産性損失等は、原則として含めずに評価を行うものとしてはどうか。ただし、治療
直後の休養期間など、ばらつきや推計方法による差が小さい等の場合は、参考デー
タとして生産性損失を含めた費用を添付することができることとしてはどうか。
(理由)
諸外国においては生産性損失を含めない分析の提出を求めており、生産性損失等を含
めると、ばらつきや推計方法による差が大きいと考えられるため。
47
(3) 比較対照のあり方
48
中 医 協 費 - 2
2 4 . 1 2 . 1 9
比較対照の選定
• 前提
– 費用対効果評価では、臨床試験における比較と同じく、比較対
照の取り方によって結果が変わることが多い。
– 諸外国の取り扱いにおいても、比較対照については、予め考
え方を定めていることが多い。
• 考え方
– 比較対照とする医療技術は、既に医療保険制度で利用されて
いるものであることが必要である。(比較対照が「無治療」であ
る場合を除く。)
– 診療現場での使用実態を踏まえて検討する必要がある。
49
中 医 協 費 - 2
2 4 . 1 2 . 1 9
諸外国における取り扱い
• 多くのガイドラインでは、「評価対象の医療技術が
導入されることにより最も代替されうる医療技術
(標準治療等)等を比較対照とする」ことを推奨し
ている。
例(オランダの記載)
有効性が立証されている日常診療で第一選択とみなさ
れる治療(標準治療)と比較されるべきであり、そうした治
療がない場合は通常の治療と比較されるべきである。
50
比較対照の検討の例 中 医 協 費 - 2
2 4 . 1 2 . 1 9
○ 評価対象の医療技術(X)が導入されることにより、置き換えられる医療技術
が何であるかによって導入による影響の程度が決まる。
○ 通常、最も医療現場で実施されている医療技術が、導入により置き換えられ
る医療技術である。
最も医療現場で実施されている医療技術とは
・最も効果が高い医療技術(A)が,最も医療現場で実施されていることが多い。
・何らかの要因で、最も医療現場で実施されている医療技術が他にある場合も
ある。(例えば、医療技術(B)が非常に安価で、幅広く実施されている場合等)
費用
評価対象の
医療技術(X)
比較対照候補の
医療技術(A)
比較対照候補の
医療技術(B)
効果
51
中医協 費-2
医療技術の置き換え(例)
24.12.19
医療技術Aが最も置き換えられる場合、
医療技術Xの比較対照は、医療技術Aとなる。
ある疾患に対する医療技術のシェア
医療
医療技術Xの
医療技術A 医療技術B 技術
導入前
C
医療技術Aが最も置き換えられる場合
医
療
医療技術Xの 医療技
医療技術X 医療技術A 技
導入後 術B
術
C
52
中 医 協 費 - 2
24.12.19
諸外国のガイドラインにおける
比較対照の例
NHSで日常的に用いられている治療で、現在のところ最善
イギリス
の技術を含む。
最も日常的にあるいは高頻度に用いられており、評価対象
カナダ
の技術によって置換されるもの
オーストラリア 置換される医薬品のうち最も財政的な影響の大きいもの
スウェーデン 最も適切な治療
オランダ 標準治療、それが存在しない場合は日常治療
ノルウェー 新しい治療が最も置換する可能性の高いもの
韓国 比較対照が複数ある場合は、最も多く使用されているもの
53
中 医 協 費 - 3
24.12.19(改)
比較対照のあり方について
(論点)
比較対照の選択 :複数の既存医療技術からどれを選択するか
(案)
評価対象の医療技術が導入されることにより最も代替され得る医療技術を比較対照とするこ
とを原則としてはどうか。
なお、上記の比較対照技術に関するデータが入手困難である場合には、別の比較対照の選
定について柔軟な取り扱いとしてはどうか。
(理由)
最も代替され得る医療技術を比較対照とすることにより医療全体への影響が的確に把握でき
るため。
54
(4) データの取り扱い
55
中 医 協 費 - 3
2 5 . 1 . 2 3
効果データの取り扱い
• 国内外に多数のデータがある等、使用できるデータが複数ある場合、ど
のような「データ」を用いて評価を行うか検討が必要である。
• システマティックレビューなど、エビデンスレベルが高いものを優先的に
考慮することが重要である。
高
システマティックレビュー データ統合型研究
一つ以上のRCT (ランダム化比較試験)
介入研究
非ランダム化比較試験
コホート研究
ケース・コントロール研究など 観察研究
低 症例報告やケース・シリーズ
エビデンスレベル
「Minds. 診療ガイドライン作成の手引き 2007」より
56
中 医 協 費 - 3
2 5 . 1 . 2 3
研究デザインの分類
疫学研究/臨床研究
実験的な介入の有無
Yes No
介入研究 観察研究
ランダム化の
Yes No 時間軸
有無 前向き 後向き
ランダム化 非ランダム化 コホート ケース・コント
比較試験 比較試験 研究 ロール研究
① ② ③ ④
強← エビデンスの強さ →弱
「Minds. 診療ガイドライン作成の手引き 2007」を元に作成
57
中 医 協 費 - 3
2 5 . 1 . 2 3
システマティックレビュー
• 臨床研究は類似のテーマのものが複数存在する。
• 既存研究を用いて医療技術の評価(レビュー)をする場合、網羅性がない
と「都合のよい結果のみを用いる」あるいは「選んだ研究によって結果が
偏る」可能性がある。
• 対象となるすべての研究を漏らさず収集し、レビューすることを「システマ
ティックレビュー(systematic review)」という。
全体で見ると無効
システマティックレビュー
研究1 研究2 研究3 研究4 … 研究i
有効 有効 無効 有効 無効
部分的なレビュー
網羅性がないと有効にも見える
58
中 医 協 費 - 3
2 5 . 1 . 2 3
留意すべき点
• エビデンスレベルが高いデータを優先するという原則は重要
である。
• ただし、対象集団や診療実態の違い等についても留意して
データを分析することが必要である。(海外データの場合、
医療技術の使用実態のわが国との違いに留意する等)
• システマティックレビューを行っても、データが少数しか存在
しない場合もある。
59
中医協 費-3
効果データについての海外の 25.1.23
ガイドラインでの取り扱い
システマティックレビューという記載がない国においても、実際はシステマティッ
クレビューに準じた対応を行っていると考えられる。
■ イギリス: システマィックレビューに基づく
■ オーストラリア: すべてのランダム化比較試験を含め
る。
■ カナダ: システマティックレビューに基づく
■ 韓国:システマティックレビューに基づく
■ ドイツ: 入手可能なエビデンスを検索すること
60
中 医 協 費 - 3
2 5 . 1 . 2 3
費用データ
• 費用の算定は、「単価」に「回数」をかけることにより得られる。
• 「単価」としては、公定価格等実際に現場で使用されている
価格を用いるのが一般的である。(日本の場合は、診療報
酬点数表や薬価基準で定められた価格等)
• 回数は、「ガイドライン等に示された標準的な診療過程」や
「実際の診療を分析したデータ」等に基づき計算するこ
とが多いが、いずれにせよ日本国内の診療実態を適切に
反映している必要がある。
61
中 医 協 費 - 3
2 5 . 1 . 2 3
費用積算のイメージ
• (例)インフルエンザ治療の費用
診療行為/薬剤名 単価(円) 回数 小計(円)
初診料 2,700 1 (回) 2,700
インフルエンザウイルス抗原定性 1,500 1 (回) 1,500
免疫学的検査判断料 1,440 1 (回) 1,440
処方せん料 680 1 (回) 680
調剤基本料 400 1 (回) 400
調剤料(内服薬) 50 5 (日分) 250
調剤料(頓服薬) 210 1 (回) 210
薬剤服用歴管理指導料 410 1 (回) 410
オセルタミビル(2カプセル×5日) 309.10 10 (カプセル) 3,100注)
アセトアミノフェン(頓服) 9.30 5 (錠) 50注)
合計 10,740
(*)単価は2012年の診療報酬点数表と薬価基準に基づく
注)薬剤料として記載
62
中 医 協 費 - 4
25.1.23(改)
データの取り扱いについて
1.効果データについて
(取り扱い案)
幅広に関連する効果データの検索を行う等、網羅性を担保することとしてはどうか
複数の効果データが存在する場合は、対象集団や診療実態の違い(例えば海外
データの場合、医療技術の使用実態のわが国との違い等)等に留意しつつ、原則とし
てエビデンスレベルが高いデータを優先することとしてはどうか。
2.費用データについて
(取り扱い案)
単価データについては、原則として、診療報酬点数表、薬価基準、特定保険医療材
料価格基準等を用いることとしてはどうか。
回数データについては、わが国の診療実態を適切に反映していると考えられるデータ
を用いることとしてはどうか。(例:「ガイドライン等に示された標準的な診療過程」、
「実際の診療を分析したデータ」)
63
4-2 具体的な評価の活用手法
64
中 医 協 費 - 2
2 5 . 5 . 2 9
Ⅰ.費用対効果評価の活用方法の種類(1)
○ 諸外国の実態を参考にすると、大きく分けて下記のような2
つ方法がある。
① 保険償還の可否の判断を行う。
② 保険償還価格への反映を行う。
なお、患者アクセス確保のための調整等を行う場合(スライド10-12参
照)がある。
65
中 医 協 費 - 2 中 医 協 費 - 2
2 5 . 5 . 2 9
25.4.10(改)
Ⅰ.費用対効果評価の活用方法の種類(2)
1.スウェーデン 2.英国 3.オーストラリア 4.フランス 5.ドイツ 6.オランダ
(現時点で
①償還の可否の
○ ○ ○
(活用せず) (活用せず) 活用せず)
判断材料
(※)
(現時点で
△
②償還価格への
○ ○ ○
(活用せず) 活用せず)
反映
(実施予定)
(※)
③患者アクセス
確保のための
○ ○
(実施せず) (実施せず) (実施せず) (実施せず)
調整等
(スライド10~12参照)
(※)オランダでは、現在のところ償還の可否や償還価格等への反映は行っていない
が、費用対効果評価結果の提出を求めており、反映方法を検討中である。
66
中医協 費-2
①償還の可否の判断材料に用いる場合
25.4.10
医療技術を公的医療保障制度で給付するかどうかを検討し、費用対
効果が劣る場合、下記のような対応を行う。
(a) 償還を行わない(非推奨)とする
(b) 費用対効果が良い使用方法のみ適用とする 等
費用対効果が劣る 例)
技術A
ICER 技術B
費用対効果が劣るため本来であれば、非推奨と
非推奨 なるような技術であっても、Appraisalの意見を考
慮する等により推奨されることがある
または
ICER
使用方法
の基準値 技術C
の限定
(明確な基準を設けない国も 等 推奨
ある。)
技術D
推奨
費用対効果が優れる
67
中医協 費-2
② 償還価格への反映に用いる場合
25.4.10
費用対効果が優れるとされる範囲に償還予定価格
が収まっているか確認し、収まらない場合、償還価
格を調整する。
費用対効果が劣る
技術A
ICER
技術B
ICER
の基準値
(明確な基準を設けない国も
ある。)
技術C
技術D
費用対効果が優れる
68
中 医 協 費 - 2
2 5 . 5 . 2 9
③ 患者アクセス確保のための調整等
○ オーストラリアや英国では、費用対効果に優れないと評価さ
れた医療技術について、 以下のような取り組みを通して償還
が可とされる範囲まで費用対効果を改善させることで、患者ア
クセスを確保する調整を行っている。
• 予め定めた患者数までは償還し、上回った部分は、公的医療保険以外によ
る提供とする。
• 予め定めた投与量・投与期間までは償還し、上回った部分は、公的医療保
険以外による提供とする。
• 治療効果が得られた症例は、償還とする。得られなかった症例は、公的医
療保険以外による提供とする。 (いったん償還された費用を返還する。)
69
中 医 協 費 - 2 中 医 協 費 - 2
2 5 . 5 . 2 9
25.4.10(改)
患者アクセス確保のための調整等の具体例(1)
(オーストラリアの場合)
調整の例
予め定めた患者数までは償還し、上回った部分は企業負
担とする。
予め定めた投与量・投与期間までは償還し、上回った部
分は企業負担とする。
その他(公的病院のモニタリングコストの肩代わりなど)
70
中 医 協 費 - 2 中 医 協 費 - 2
2 5 . 5 . 2 9
2 5 . 4 . 1 0 ( 改 )
患者アクセス確保のための調整等の具体例(2)
(英国の場合)
・ 治療効果が得られた症例は、償還する。得られなかった
症例は、企業負担とする。
・ 予め定めた投与量・投与期間までは償還し、上回った部
分は企業負担とする。
71
中 医 協 費 - 2
Ⅱ.結果活用の時期
2 5 . 5 . 2 9
費用対効果評価の結果を活用する時期については、諸外国でも下記のよう
に取り扱っている。
(1)上市の前後
(2)上市後一年程度経過した後
等
1.スウェーデン 2.英国 3.オーストラリア 4.フランス 5.ドイツ 6.オランダ
結果活用
上市の前後 上市の約一年後
上市の前後 上市の前後 上市の前後 上市の前後
の時期
(STAの場合) (※1)
Managed
Entry
Schemeが適
用される場合
MTAの場合 高額な入院用
備考 は、上市後評
は、上市して 医薬品は上市
価データが
数年経過後 後4年
揃ってから
正式に評価
(※2)
※1 費-2(参考) (前回 第9回部会(平成25年4月10日)資料 費-2) スライド47 参照
※2 費-2(参考) (前回 第9回部会(平成25年4月10日)資料 費-2) スライド25 参照
72
結果活用の時期のイメージ(価格への反映の場合の例)
結果活用の時期のイメージを「価格への反映」を例に図示すると以下のようにな
る。
保険
収載後1~2年をめど 収載後、数年経過後
収載
例(1) 臨床開発
中 医 協 費 - 2
価格 2 5 . 5 . 2 9
データ提出
費用対効果 優
提出データ等のレ
ビュー期間・ 費用対効果 劣
appraisal
例(2)
提出データ等のレ
価格
データ提出 ビュー期間・
費用対効果 優
appraisal
既存の仕組みで
決定された価格
費用対効果 劣
例(3)
提出データ等のレ
価格
データ提出 ビュー期間・
appraisal 費用対効果 優
既存の仕組みで
決定された価格
費用対効果 劣
時間 73
中 医 協 費 - 2
【論点】
2 5 . 5 . 2 9
費用対効果評価の結果活用について
• わが国の医療保険制度において、費用対効果評価を用いた医療技術評価を検討
する際には下記のような論点がある。
– 費用対効果評価の活用方法(大きく分けて下記の2つの方法がある。)について、どう考えるか。
• 保険償還の可否の判断を行う。
• 保険償還価格への反映を行う。
– 下記のような様々な調整等により、患者のアクセスを確保することを行うことをどう考えるか。
(例)
• 予め定めた患者数までは償還し、上回った部分は公的医療保険以外による提供とする。
• 予め定めた投与量・投与期間までは償還し、上回った部分は公的医療保険以外による提供とする。
• 治療効果が得られた症例は、償還とする。得られなかった症例は、公的医療保険以外による提供とする。(いったん償還
された費用を返還する。)
– 結果活用の時期はどのようにするか。
(例)
• 保険収載の前後
• 保険収載後、1~2年を経過した後
• 保険収載後、数年経過後(例えば5~7年後など)
– その他
• わが国の医療保険制度において、費用対効果評価を用いた医療技術評価を検討する際に、上記以外にどのような検討
を行うか。
74
この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。