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中 医 協 費 - 2
2 9 . 5 . 3 1
総合的評価(アプレイザル)について(2)
1.費用対効果評価に関するこれまでの議論について
○ 平成29年2月8日の費用対効果評価専門部会において、医薬品、医療機器
(高額な医療機器を用いる医療技術を含む)について、平成30 年度診療報酬
改定時に、試行的導入の検討結果を踏まえ制度化の検討を進めることとし、
平成29年夏を目途に費用対効果評価のあり方に関する中間的なとりまとめを
行うこととされている。
○ 同年3月15日の同部会において、総合的評価(アプレイザル)等のあり方
について検討した。その際に、倫理的、社会的影響等に関する観点の最終的
な反映方法等について、さらに検討が必要との指摘があったところ。
(平成29年2月8日 費用対効果評価専門部会 費-1(抄))
3.検討事項
〇 費用対効果評価の制度化に向けては、これまでに実施している試行的導入の実施にお
ける実績や高額な医療機器を用いる医療技術に関する当部会における議論、「薬価制度
の抜本改革に向けた基本方針」等を踏まえ、以下のように整理し、具体化のための検討
を進めることとしてはどうか。
(1)対象品目、医療技術の選定のあり方
〇 試行的導入における選定基準、これまでの医薬品、医療機器の新規収載品目数、諸外
国の状況、事務局体制等を踏まえ検討。
(2)総合的評価(アプレイザル)等のあり方
〇 倫理的、社会的影響等に関する観点から総合的評価(アプレイザル)を行う際の要素
について、諸外国の取組も参考としつつ、我が国でのあり方を検討。
〇 研究班の報告や調査等を参考とした、費用対効果評価(「費用対効果が良い」「費用対
効果が悪い」等)のあり方を検討。
(3)費用対効果評価の反映方法
〇 総合的評価(アプレイザル)による評価結果案については、通常の価格算定方法を用
いた後にさらに価格調整に用いる位置づけとされ、具体的な反映方法については平成
30年度診療報酬改定時に併せて検討することとされている。
1
〇 「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」で示された、費用対効果の高い医薬品等の
価格の引き上げを含めた、価格への反映方法のあり方。
〇 これらの事項についての薬価専門部会、保険医療材料専門部会への反映方法。
(4)その他の検討事項
〇 新規収載品の費用対効果評価に向け必要な評価体制等。
〇 費用対効果評価の円滑な実施のために必要なデータ整備。
〇 費用対効果評価を活用した制度化に十分に対応するための組織・体制。
2.総合的評価(アプレイザル)について
○ 平成29年3月 15日の費用対効果評価専門部会における主な指摘は以下の
通り。
<部会における指摘>(平成29年3月15日費用対効果評価専門部会)
○ 倫理的・社会的影響等の観点での評価を最終的にどのように反映するのか、さらに検
討が必要ではないか。
○ 増分費用効果比(ICER)の値があまり数字としては良くなくても、倫理的・社会的影
響が大きい場合には、数字だけをもってマイナスの評価はしない、費用対効果は受け入
れ可能であるというように評価する、そういう仕組みにすべきではないか。
○ これらを踏まえ、総合的評価(アプレイザル)の過程のうち、「倫理的、社
会的影響等に関する観点からの検証」及び「総合評価」について、以下の通
り検討してはどうか。
【参考】総合的評価(アプレイザル)の過程
① 分析結果の妥当性に関する科学的な観点からの検証
② 倫理的、社会的影響等に関する観点からの検証
③ ①②を踏まえた総合評価
2
(1)倫理的、社会的影響等に関する観点
○ 倫理的、社会的影響等に関する観点から考慮すべき要素について、平成 29
年3月15日の費用対効果評価専門部会において、以下の通りとされている。
(平成29年3月15 日 費用対効果評価専門部会 費-2(抄))
分析結果に基づき、倫理的、社会的影響等に関する観点から評価を行う。その
際に考慮すべき要素については、増分費用効果比(ICER)等の分析結果のみでは
評価が困難と考えられる要素、具体的には、感染症対策といった公衆衛生上の課
題等について検討することとし、今後の事例の蓄積の中で更に検討することとす
る。
また、イギリスやフランス、スウェーデン、オーストラリアといった諸外国に
おける多岐にわたる項目を広く参考にしつつ、議論を続けていくこととする。
○ 諸外国における項目(費-2参考を参照)等を参考にし、以下の要素につ
いて、考慮することとしてはどうか。
要素として考慮することが
番号 考慮すべき要素の案
妥当であると考えられる理由
ICERによる分析の特性を踏まえた要素
感染症対策といった 医薬品、医療機器が持つ、患者本人以外や状況の変化等に対
1 公衆衛生的観点での する有用性については、ICER の値等の分析結果のみでは評
有用性※ 価困難であると考えられるため。
公的医療の立場から 公的介護費用・生産性損失については、分析手法の問題から
2 の分析には含まれな 基本分析には含めないこととしているが、これを評価すべき
い追加的な費用 場合もあると考えられるため。
長期にわたり重症の 重症な疾患等でQOLが低い場合は、延命につながる治療の費
3 状態が続く疾患での 用対効果が適切に評価できない場合があると考えられるた
延命治療 め。
その他の要素
代替治療が十分に存 安全で有効な代替治療がない疾患に対する治療の開発を阻
4
在しない疾患の治療 害しないため。
画期性、新規性に富む医薬品、医療機器の開発を阻害しない
5 イノベーション
ため。
小児の疾患を対象と 成人の疾患と比較して一般に市場規模が小さい小児の疾患
6
する治療 に対する治療の開発を阻害しないため。
※ 平成29年3月15日の費用対効果評価専門部会で検討した要素
3
○ 個別の品目を評価する中で、考慮すべきと考えられる要素が新たに出てき
た場合には、適宜検討することとしてはどうか。
(2)総合評価について
○ ICERの値の評価軸として、「支払い意思額」を基本とし、5段階で評価する
こととされている。
(平成29年3月 15日 費用対効果評価専門部会 費-2(抄))
○ 科学的な観点からの増分費用効果比(ICER)の評価軸として、「支払い意
思額」を基本とすることとする。支払い意思額については、厚生労働科学研
究費補助金(政策総合科学研究事業) で実施される国内の支払い意思額に関
する調査(研究代表者: 福田敬)の結果を参考とすることとする。
○ 増分費用効果比(ICER)の評価について、具体的には、支払い意思額を基
本とし、国民1人あたりの GDP等の他の目安も勘案しつつ、次のとおり多段
階の評価とすることとする。また、増分費用効果比(ICER)の値にばらつき
が大きい場合には、代表的な値を評価することを基本としつつ、分析結果の
妥当性等を踏まえて評価することとする。
1.費用対効果がとても良い
2.費用対効果が良い
3.費用対効果は受け入れ可能である(支払い意思額等の観点から受け入
れ可能な範囲の中にある)
4.費用対効果が悪い
5.費用対効果がとても悪い
○ 支払い意思額とは、一定の割合の人が1QALYを獲得するために支払うこと
を許容する額であり、厚生労働科学研究費補助金(政策総合科学研究事業)
で実施される国内の支払い意思額に関する調査(研究代表者: 福田敬)の結
果を参考とする。
○ ICERの値についての5段階の評価は、一定の割合の人が1QALY を獲得する
ために支払うことを許容する額(支払い意思額)の分布等から次のように定
義することとしてはどうか。
4
段階 評価 定義(案)
1 費用対効果がとても良い 効果が増加し、同時に費用が削減される※1
ICER の値が○%の人が支払いを許容する額
2 費用対効果が良い
以下
費用対効果は受け入れ可 ICERの値が○%の人が支払いを許容する額
3
能である を超え、△%の人が支払いを許容する額以下
ICERの値が△%の人が支払いを許容する額
4 費用対効果が悪い
を超え、□%の人が支払いを許容する額以下
ICERの値が□%の人が支払いを許容する額
5 費用対効果がとても悪い
を超える
※1 ICERの値は算出できない。
※2 効果が同等で同時に費用が削減され、ICERの値が算出できない場合は段階1から3
のいずれかに該当すると考えられるが、このような場合の取扱等については試行的導
入を踏まえ引き続き検討する。
【参考】1QALYを獲得するために支払う金額とその支払いを許容する人の割合
のグラフ(イメージ)
5
○ 1QALYを獲得するために支払うことを許容する額(支払い意思額)を基本
とした5段階の評価をもって、総合評価としてはどうか。
○ ただし、5段階の評価が「費用対効果が悪い」及び「費用対効果がとても
悪い」であっても、倫理的・社会的影響等に関する観点から考慮すべき要素
がある場合には、総合評価を「費用対効果は受け入れ可能である」とするな
ど一定の配慮をすることとしてはどうか。
3.費用対効果評価専門組織における評価結果のまとめ方について
○ 評価結果は、薬価算定組織又は保険医療材料等専門組織において活用され
ることとなるが、その具体的な方法については、薬価専門部会又は保険医療
材料専門部会において、今後、検討することとされている。
○ 評価結果として記載する事項については、以下を基本としてはどうか。
<評価結果として記載する事項(案)>
1.費用効果分析の概要
(1)企業の分析結果(対象集団、介入方法、比較対照及び ICER の値)
(2)再分析の結果(対象集団、介入方法、比較対照及び ICERの値)
2.総合的評価(アプレイザル)の概要
(1)科学的な観点から検証する観点(分析結果の妥当性及び結果の解
釈等について)
(2)倫理的・社会的影響に関する観点
3.総合評価(1~5の5段階)
○ ただし、両部会における価格調整の具体的な反映方法の今後の検討を踏ま
え、必要に応じて見直すこととしてはどうか。
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
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