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費用対効果評価専門部会 第48回 / 2017-10-04 開催 / 10ページ

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中 医 協 費 − 1 2 9 . 1 0 . 4 試行的導入にかかる総合的評価(アプレイザル)の方法について 〇 費用対効果評価の試行的導入については、これまで対象品目の選定(既収載 13 品目(医 薬品7、医療機器6))、企業による分析・データ提出が行われ、現在第三者による再分 析が行われているところ。 〇 このうち、総合的評価(アプレイザル)の具体的な方法について検討を行う(図1)。 (図1)試行的導入の流れ ※これまで「総合評価」と記載して いたものを、わかりやすく改称。 ○ また、平成29年8月23日の当部会において、以下の通り今後の対応につき決定した ところ。本方針に基づき検討を行うこととする。 (平成29年8月23日 費用対効果評価専門部会 費−1(抄)) 2.試行的導入に係る検討 (1)検討事項 試行的導入にあたっては、以下の項目に関する具体的な実施方法につき検討する必要があり、 当部会において検討を実施してきた。 ① 〜③(略) ④ 総合的評価(アプレイザル)における i. 増分費用効果比(ICER)の評価基準の設定方法 ii. 倫理的、社会的影響等に関する考慮 ⑤ 価格調整方法 (2)(略) (3)今後の対応(案) ○ ④については、試行的導入においては、過去に行われた国内の支払い意思額(仮称)に 関する調査の結果や、諸外国における評価基準を活用して評価基準の設定を行うこととし、 新たな調査は行わない。 1 〇 以下、次に示す5項目について順次検討を行う。 <総合的評価(アプレイザル)全般> 1.価格調整を見据えた評価結果の示し方について 2.基準値の設定について <科学的な観点からの検証> 3.複数の分析結果(ICER)が得られる場合の対応について 4.ICERが算出できない品目の評価方法について <倫理的、社会的影響等に関する検証> 5.倫理的、社会的考慮要素について 1.価格調整を見据えた評価結果の示し方について <これまでの検討状況> 〇 平成29年3月15日の当部会において、総合的評価(アプレイザル)の評価結果 については、5段階とする案を提示したところ。 (平成29年3月15日 費用対効果評価専門部会 費−2(抄)) (2) 総合的評価(アプレイザル)の示し方について ア (略) イ 増分費用効果比(ICER)の評価について、具体的には、支払い意思額を基本とし、国民1 人あたりのGDP等の他の目安も勘案しつつ、次のとおり多段階の評価とすることとする。ま た、増分費用効果比(ICER)の値にばらつきが大きい場合には、代表的な値を評価すること を基本としつつ、分析結果の妥当性等を踏まえて評価することとする。 1.費用対効果がとても良い 2.費用対効果が良い 3.費用対効果は受け入れ可能である (支払い意思額等の観点から受け入れ可能な範囲の中にある) 4.費用対効果が悪い 5.費用対効果がとても悪い 〇 平成29年9月13日の当部会においては、評価結果を5段階とすることの妥当性、 及び評価結果を「良い」、「悪い」等と表現することの妥当性について指摘がなされ たところ。 2 <検討の視点> 〇 試行的導入の対象品目については、総合的評価(アプレイザル)の結果に基づき価 格調整を行うこととされている。その際、段階的な評価に基づき価格調整を行うと、 各段階の境界の前後で価格調整幅が大きく変動することとなる(図2−①)。 〇 評価結果を、よりきめ細かに価格調整に反映させるという観点からは、段階的な評 価ではなく対象品目の増分費用効果比(ICER)等に応じた、連続的な価格調整方法が 望ましいのではないか(図2−②)。 〇 また、連続的な価格調整方法を採用する場合、総合的評価(アプレイザル)の評価 結果として、「良い」、「悪い」等の評価を示す必要はないのではないか。 (図2)価格調整のイメージ ① 段階に応じた価格調整方式 価格調整 ICER(万円/QALY) ② 連続的な価格調整方式 価格調整 ICER(万円/QALY) <具体的な対応案> 〇 総合的評価(アプレイザル)の評価結果としては、5段階の評価ではなく、 ・各品目のICER、及び ・倫理的・社会的影響等に関する観点から考慮すべき各要素(以下、「倫理的・社会 的考慮要素」という。)への該当の有無 を示すこととする。 3 2.基準値の設定について <これまでの検討状況> 〇 試行的導入における総合的評価(アプレイザル)に用いる基準については、過去に 行われた国内の支払い意思額に関する調査(以下、「過去調査」という。)及び諸外 国における評価基準を活用して設定することとしている。 〇 平成29年9月13日の当部会では、過去調査ならびに諸外国の評価基準等の状況 をとりまとめるとともに、「検討の視点」に基づき論点の整理を行った。 <具体的な対応案> (1)過去調査の活用について 〇 過去調査のうち、以下の要件を考慮し、「白岩らによる調査(2010年)」(以下、 「2010年調査」という。)を活用して試行的導入における基準を設定する(表1、 表2、図3)。 ・調査結果を活用した受諾確率曲線の作成が可能であること ・「社会としての負担」を尋ねた調査であること ・二段階二項選択法で行われた調査であること ・最近行われた調査であること (表1)支払い意思額(仮称)に関する国内で行われた過去の調査 受諾確率曲線 著者 論文名(雑誌名) 調査の対象 質問形式 作成への活用 1.大日 QALYあたりの社会負担の上限に関する調査研究 金額を 社会としての負担 ○ 2003年 (医療と社会 Vol. 13 No. 3) 直接尋ねる 2.大日ら 1QALY獲得に対する最大支払い意思額に関する研究 コンジョイン 社会としての負担 ×※1 2006年 (医療と社会 Vol. 16 No. 2) ト法 3.白岩ら International survey on willingness-to-pay (WTP) for 社会としての負担 二段階 one additional QALY gained: what is the threshold ○ 2010年 個人の自己負担 二項選択法 of cost effectiveness? (HEALTH ECONOMICS. 19) WTP for a QALY and Health states: More money for 4.白岩ら severer health states? 二段階 個人の自己負担 ○ 2013年 (Cost Effectiveness and Resource Allocation 2013, 二項選択法 11:22 ) (※1)治療法の費用、延命期間、健康状態等の複数の要素を同時に変化させて質問を行うため、 受諾確率曲線を推計することができない。 4 (図3)受諾確率曲線(白岩らによる調査(2010年)/社会としての負担) 支払いを許容する人の割合(%) 90% 80% 75% 受諾確率曲線 70% 67% 60% 50% 50% 40% 33% 30% 25% 20% 1QALYを獲得するために 10% 支払う金額(万円) 0% 500 1,000 1,500 75%の人が支払いを 67%の人が支払いを 50%の人が支払いを 33%の人が支払いを 25%の人が支払いを 許容する額 146万円 許容する額 234万円 許容する額 485万円 許容する額 905万円 許容する額 1,245万円 (表2)白岩らによる調査(2010年)における、1QALYを獲得するために支払う金額(万円) 回答者の割合(%:パーセンタイル) 調 査 調査内容 75%(3/4) 67%(1/3) 50%(1/2) 33%(1/3) 25%(1/4) 2010年調査 社会としての負担 146 234 485 905 1,245 5 (2)諸外国における評価基準等について 〇 具体的な評価基準が公開されている国のうち、生活水準が比較的日本と近い英国の 評価基準を活用して試行的導入における基準を設定する(表3)。 〇 外貨で示される金額を活用するにあたっては、値の変動の大きな為替レートを直接 用いて換算するのではなく、当該金額の一人あたり所得に占める割合を示す「一人あ たりGDP比」を用いて換算する(表4)。 (表3)英国における費用対効果の評価基準(概要) 増分費用効果比(ICER)(1QALYあたり) 対応 £30,000を上回る場合 強い根拠がある場合に、当該技術が推奨される £20,000から£30,000の間にある場合 当該技術受け入れ可能性は個別に判断される £20,000を下回る場合 当該技術は推奨される ※ ただし、致死的疾患、終末期における治療については、ICERが1QALYあたり£50,000を下回る場合、当 該技術は推奨される。 (出典)Guide to the methods of technology appraisal 2013 (NICE) (表4)英国における基準を円で換算した結果 為替レートを用いて 一人あたりGDP比で (参考)購買力平価(PPP)で 金額 換算した場合(※1) 換算した場合(※2) 換算した場合(※3) £50,000 690万円 727万円 735万円 £30,000 414万円 436万円 441万円 £20,000 276万円 291万円 294万円 (※1)為替レート:1ポンド=138円(平成28年9月〜平成29年8月の為替レートの平均) (※2)一人当たりGDP(2015年):英国£28,762、日本418万円 出典:World Economic Outlook Database, April 2017 (IMF) (※3)購買力平価(PPP : Purchasing Power Parity):1ポンド=147円 出典:World Economic Outlook Database, April 2017 (IMF) 購買力平価とは、一国の通貨と他国の通貨との間で、それぞれの通貨の購買力(買える財やサービス の量)が等しくなるように計算して求められる換算比率。(出典:総務省) (3)価格調整への活用方法について ○ 過去調査(2010年調査)及び英国における評価基準を活用した価格調整の具体的 な方法については、当部会、薬価専門部会及び保険医療材料専門部会の合同部会で検 討することとする。 6 3.複数の分析結果(ICER)が得られる場合の対応について <これまでの検討状況> ○ 試行的導入の対象品目については、総合的評価(アプレイザル)の結果を用いて価格 調整を行うこととされている。その際、複数の適応疾患を持つことなどにより、複数の ICERが得られる場合がある。この場合の取扱いについて、平成29年9月13日の当 部会において以下3つの案を提案した。 (平成29年9月13日 費用対効果評価専門部会 費−1(抄)) (2)論点 ・ 一つの品目について複数の分析結果(ICER)が得られた場合、以下の対応が考えられる。 (案1) 分析結果で得られた複数のICERを用いてそれぞれ総合的評価(5段階)を行い、その 結果を使用患者割合等で加重平均したものを評価結果とする。 (案2) 分析結果で得られた複数のICERを使用患者割合等で加重平均し総合的評価に用いる。 (案3) 費用対効果が最も良い、又は最も悪い分析結果をもって、当該品目の分析結果とし、 総合的評価に用いる。 ・ (案1)については、分析結果で得られた複数のICERが大きく異なっていたとしても、5段 階の定性評価を加重平均するため、元々の分析結果が十分に反映されない可能性がある。 ・ (案2)については、分析結果でICERを算出困難な集団がある場合に留意が必要であるが、 (案1)と比較して、元々の分析結果がより反映されるのではないか。 ・ (案3)については、例えば「費用対効果が最も悪い」結果を用いて評価する場合、費用対 効果の悪いことが見込まれる疾患に対する医薬品等の開発に影響を及ぼす可能性がある。 <検討の視点> ○ このうち、案1については、総合評価の結果を5段階で示すことを前提としているこ とから、5段階での評価を行わないこととする場合には、この案は採用できない。 ○ 案2、案3について、仮想的な医薬品A及びBに当てはめた状況を想定する(表5)。 (表5)複数の適応症を持つ医薬品の例 医薬品A 医薬品B 使用患者 ICER 使用患者 ICER 割合 (万円/QALY) 割合 (万円/QALY) 疾患X 0.6 2,000 0.6 300 疾患Y 0.3 300 0.3 300 疾患Z 0.1 300 0.1 2,000 加重平均値(案2) 1,320 470 最低/最高値(案3) 300/2,000 300/2,000 7 ○ このとき、案2(加重平均値)では、疾患毎の使用患者割合の違いが医薬品A及びB の評価に反映される一方、案3(最も良い、又は悪い値)では、違いが評価に反映され ないため、案2の方が、当該品目の評価として妥当なのではないか。 ○ また、案3において、例えば「費用対効果が最も悪い」結果を用いて評価する場合、 費用対効果の悪いことが見込まれる疾患(例:医薬品 Bにおける疾患Z)に対する開発 に影響を及ぼす可能性がある。 <具体的な対応案> ○ 案2を採用する。すなわち、複数の分析結果が得られる場合には、分析結果で得ら れた複数のICERを使用患者割合等で加重平均し総合的評価(アプレイザル)に用いる。 4.ICER が算出できない品目の評価方法について <課題> 〇 比較対照品目(技術)と比べて、効果が増加しており(又は同等であり)、同時に費 用が削減される場合がある。 〇 これらの品目が試行的導入の対象品目に存在する可能性があるが、この場合ICERの 算出ができないため、総合的評価(アプレイザル)の方法について別途検討する必要が ある。 <具体的な対応案> 〇 総合的評価(アプレイザル)の評価結果には、 ・「効果が増加しており、同時に費用が削減される」 または ・「効果が同等であり、同時に費用が削減される」 旨を記載する。 〇 また、これらの品目の価格調整に必要な情報として、比較対照品目(技術)との比 較方法、比較結果等についても評価結果に記載することとする。 8 5.倫理的・社会的考慮要素について <これまでの検討状況> ○ 費用対効果の評価にあたっては、ICERのみでは評価できない要素、すなわち倫理的、 社会的影響等についても、必要に応じて考慮することが求められる。 ○ 考慮する要素については、一定程度の具体性をもってあらかじめ定める必要があるこ とから、諸外国における考慮要素を参考にしつつ、これまで当部会において検討を行っ てきた(表6)。 (表6)平成29年5月31日の当部会で提案した、倫理的・社会的考慮要素の案 考慮要素 考慮の理由(案) ① 感染症対策といった公 医薬品、医療機器が持つ、患者本人以外や状況の変化等に対する 衆衛生的観点での有用 有用性については、ICERの値等の分析結果のみでは評価困難である 性 と考えられるため。 ② 公的医療の立場からの 公的介護費用・生産性損失については、分析手法の問題から基本 分析には含まれない追 分析には含めないこととしているが、これを評価すべき場合もある 加的な費用 と考えられるため。 ③ 長期にわたり重症の状 重症な疾患等でQOLが低い場合は、延命につながる治療の費用対 態が続く疾患での延命 効果が適切に評価できない場合があると考えられるため。 治療 ④ 代替治療が十分に存在 安全で有効な代替治療がない疾患に対する治療の開発を阻害し しない疾患の治療 ないため。 ⑤ イノベーション 画期性、新規性に富む医薬品、医療機器の開発を阻害しないため。 ⑥ 小児の疾患を対象とす 成人の疾患と比較して一般に市場規模が小さい小児の疾患に対 る治療 する治療の開発を阻害しないため。 <検討の視点> 〇 試行的導入の対象品目が「倫理的・社会的考慮要素」の考慮対象となるか否かを費用 対効果評価専門組織で判断するためには、どのような品目が該当するのかについて、よ り明確化する必要があるのではないか。 ○ 考慮要素③については、重篤な疾患での、必ずしもQOLは大きく向上しないが、生存 期間が延長する場合を考慮するという趣旨を踏まえ、名称を「重篤な疾患でQOLは大き く向上しないが生存期間が延長する治療」と明確化してはどうか。 9 ○ 試行的導入の対象品目はいずれも革新性、有用性が大きく、薬価・材料価格の算定に おいてそれらが評価されている。今回の試行的導入はその評価の妥当性を検証するとい う意味合いもあることから、「⑤イノベーション」は総合的評価(アプレイザル)にお ける考慮の対象から除くことが妥当ではないか。 ○ 「⑥小児の疾患を対象とする治療」については、平成29年8月9日の当部会で議論 した通り、小児の疾患を対象とする治療を費用対効果評価の対象から除外する方針を踏 まえ、考慮の対象からは除き、今後小児の疾患を対象とする治療を費用対効果評価の対 象とする場合に、改めて検討することとしてはどうか。 <具体的な対応案> 〇 試行的導入において、各要素に該当する品目については(表7)の通りとする。 (表7)倫理的・社会的考慮要素に該当する品目 考慮要素 該当する品目(案) 感染症対策上の有用性が大きいなど、患者本人以外に対する有用 ① 感染症対策といった公衆衛 性が高い品目 生的観点での有用性 (これらはICERの値に反映されないため。) ② 公的医療の立場からの分析 費用対効果について、公的介護費や生産性損失を含めた分析が行 には含まれない追加的な費 われ、当該分析において公的医療保険の立場からの分析に比して費 用(ガイドラインにおいて 用対効果が著しく改善する品目 認められたものに限る) 重篤な(生命の危険がある)疾患に対する治療であって、治療に ③ 重篤な疾患で QOL は大きく より、必ずしもQOLは大きく向上しないが、比較対照に比して生存 向上しないが生存期間が延 期間が一定程度延長する品目 長する治療 (生存期間延長の価値がICERに十分に反映されないと考えられるた め。) ④ 代替治療が十分に存在しな 希少な難病等に対する治療であって、他に代替する治療がない品目 い疾患の治療 (これらの医薬品・医療機器の開発を阻害しないため) 10

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