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中医協 費-2参考
3.4.21
費用対効果評価制度について
1
令和2年9月16日第130回社会保障審議会医療保険部会 参考資料1
費用対効果評価制度について(概要)
○費用対効果評価制度については、中央社会保険医療協議会での議論を踏まえ、2019年4月から運用を開始した。
○市場規模が大きい、又は著しく単価が高い医薬品・医療機器を評価の対象とする。ただし、治療方法が十分に存在しない
稀少疾患(指定難病等)や小児のみに用いられる品目は対象外とする。
○評価結果は保険償還の可否の判断に用いるのではなく、いったん保険収載したうえで価格調整に用いる(薬価制度の補完)。
○今後、体制の充実を図るとともに事例を集積し、制度のあり方や活用方法について検討する。
【費用対効果評価の手順】 評価対象品目が、既存の比較対照品目と比較して、
費用、効果がどれだけ増加するかを分析。
費用
評価対象品目
①品目の選定 増分費用効果比 b-a(費用がどのくらい増加するか)
=
(市場規模の大きい医薬品等を選定) (ICER) B-A(効果がどのくらい増加するか)
b
健康な状態での1年間の生存を延長するために必
要な費用を算出。
②企業による分析(9ヶ月)
分析前協議(分析枠組み等の決定)、企業分析 a
A B 効果
比較対照品目
総合的評価にあたっては、希少な疾患や小児、
③公的分析(検証・再分析)(3~6ヶ月)(※1) 抗がん剤等の、配慮が必要な要素も考慮(※2)
(※1)国立保健医療科学院が主体となり実施
評価結果に応じて対象品目の価格を調整(※3)
④総合的評価 価格 ・費用対効果の悪い品目は価格を引下げ
調整率 ・医療費の減少につながる品目等は価格を引上げ
(3ヶ月)
▼
⑤費用対効果の評価結果に
(※2)抗がん剤等については、通常よりも
基づく価格調整を実施 高い基準(750万円/QALY)を用いる。
評価結果 (※3)価格調整範囲は有用性系加算等
500万円 750万円 1,000万円 (ICER)
(※2)
2
(注)カッコ内の期間は、標準的な期間
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費用対効果評価に関する検討課題
(1)費用対効果評価の活用方法 (4)総合的評価
①科学的な観点からの検証方法
②配慮を行う品目
(2)対象品目の選定基準
(稀少疾患や重篤な疾患等への対応)
①費用対効果評価の対象とする品目の
③評価結果のとりまとめ方、報告、公表の仕方
範囲、選定基準
②品目選定のタイミング、公表の手続き
(5)価格調整
③除外基準
(稀少疾患や重篤な疾患等への対応) ①価格調整の対象範囲
②ICERに応じた価格調整方法
(3)分析のプロセス ③価格調整にかかる基準値の設定
④総合的評価において配慮が必要とされた品目
①分析前協議(事前協議)の方法
の価格調整方法
②分析実施中の協議
⑤価格調整率
③費用対効果評価専門組織の役割、体制等
⑥比較対照技術に対して費用が削減される品目
④公的分析の方法や体制
(ICERが算出不能な品目)等への対応
⑤分析にかかる標準的な期間の設定 ⑦価格調整のタイミング、価格調整の手続き
⑥分析ガイドラインのあり方
⑦データが不足している場合等の対応 (6)費用対効果評価にかかる体制の強化
(7)費用対効果評価に係る今後の検討について
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(1) 費用対効果評価の活用方法について
<対応>
○ 費用対効果評価の結果は、保険償還の可否の判断に用いるのではなく、いった
ん保険収載した上で、価格の調整に用いる。
○ 今後の実施状況を踏まえ、費用対効果評価に係る組織体制の強化や、課題を整
理した上で、活用方法についての検討を継続していく。
(参考) 諸外国における活用状況
国名 活用方法
フランス、オランダ 等 価格交渉
イギリス、オーストラリア、スウェーデン 等 償還可否の決定、価格交渉
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(2)① 費用対効果評価の対象品目の選定基準
3 1 . 2 . 2 0 ( 改 )
<対応>
○ 医療保険財政への影響度を重視する観点及び薬価・材料価格制度を補完する観点から、
革新性が高く、財政影響が大きい医薬品・医療機器を費用対効果評価の主な対象とする。
○ 基準については、対象となる品目数や現在の費用対効果評価に係る体制等を踏まえ、以
下の通りとする。
類似薬効方式
区分 原価計算方式 選定基準
(類似機能区分)
(ⅰ)新規 H1 ・ピーク時市場規模(予測):100億円以上
有用性系加算
収載品:制
H2 有用性系加算 (※2)が算定、ま ・ピーク時市場規模(予測):50億円以上100億円未満
度化以後に
(※2)が算定 たは開示度50%
収載される
・著しく単価が高い等の中医協総会において必要と判断され
H3 未満
品目※1
た品目(※3)
(ⅱ)既収載 ・市場規模が1000億円以上の品目
品:制度化 算定方式によらず、有用性系 ・その他、著しく単価が高い等の中医協総会において必要と
H4
以前に収載 加算(※2)が算定された品目 判断された品目(※3)
された品目
・代表品目(※4)を比較対照として算定された医薬品
・代表品目(※4)を比較対照として算定され、同一機能区分
類似品目 H5 H1~H4区分の類似品目
に分類される医療機器
(※1) 保険収載時にピーク時市場規模(予測)が選定の要件に該当しなかった品目であっても、市場規模の拡大により、年間の市場規模
が50億円を超えた場合は対象とする。その場合、年間の市場規模に応じてH1又はH2区分として位置付ける
(※2) 画期性加算、有用性加算、改良加算(ハ)(医療機器)のいずれかが算定された品目を対象とする
(※3) 著しく単価が高い品目、すでに費用対効果評価を行った品目のうち、評価終了後に評価に大きな影響を与える知見が得られ、再評
価が必要であると認められた品目など、優先的に検証することが必要と中医協総会が判断した品目
(※4) H1~H4区分における費用対効果評価の対象品目
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(2)② 品目選定のタイミング、公表の手続き 3 1 . 2 . 2 0 ( 改 )
<対応>
○ 費用対効果評価の対象となる品目については、速やかに選定を行う。
○ 分析・評価を円滑に進めるため、同時に多くの品目を選定するのではなく、時期を分散して選
定する。
○ 新規収載品(H1~H3区分)及び類似品目(H5区分)については、薬価算定組織等において基
準に該当するか否かの案を作成し、中医協総会において了承を行う。
○ 既収載品(H4区分)については、薬価算定組織等の意見を聞いたうえで、厚労省において基準
に該当するか否かの案を作成し、中医協総会において了承を行う。
(表)品目選定のタイミング、公表の手続き
区分 品目選定のタイミング 公表 選定後の対応
H1 年4回(保険収載を機に選定) 選定後、速やかに費用対効果評価の分析を開始。
「評価候補品目」として位置づける。
H1、H3及びH4区分の選定状況を踏まえ、年間
年4回
の評価可能品目数の上限を目安に、医薬品及び
H2 (保険収載を機に「評価候補
医療機器について、ピーク時市場規模(予測)
品目」として選定) 選定時に
の高いものから順に費用対効果評価の対象とし
中医協総会
て選定(年2回)し、分析を開始。
において、
H3 年4回(保険収載を機に選定) 公表する。 選定後、速やかに費用対効果評価の分析を開始。
年4回
H4 選定後、速やかに費用対効果評価の分析を開始。
(新規収載の機会を活用し選定)
費用対効果評価の分析は行わず、代表品目に準
H5 年4回(保険収載を機に選定)
じた価格調整を行う。
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(2)③ 除外基準(稀少疾患や重篤な疾患等への対応について)
(その1)
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<対応>
(ⅰ)考え方
○ 英国のように費用対効果評価の結果を「償還の可否判断」に用いる場合は、患者アクセス
は大きな課題となりうるが、いったん保険収載したうえで価格調整を行うのであれば、患者
アクセスの懸念は軽減される。
○ 一方、費用対効果評価の結果を償還の可否には用いず、価格調整のみを行う場合であって
も、以下の品目では開発阻害やアクセス制限につながる可能性が否定できないため、一定の
配慮を行う。
①対象患者数が少ないために単価(薬価等)が高くなってしまう品目
②ICER(QALY)では品目の有する価値を十分に評価出来ない品目
○ 制度の透明性を確保する等の観点から、配慮する品目や要素についての判断基準が必要。
(ⅱ)除外品目
○ これらのうち、①に該当するものとして、以下の品目は費用対効果評価の対象から除外す
る。
・治療方法が十分に存在しない稀少な疾患(指定難病、血友病及びHIV感染症)のみに
用いられる品目
・小児のみに用いられる品目(日本における小児用法・用量が承認されている品目に限る)
○ 上記に該当する品目であっても、市場規模が大きな品目( 350億円以上)又は著しく単価
が高い品目等については、中医協総会の判断により費用対効果評価の対象とすることができ
る。
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(2)③ 除外基準(稀少疾患や重篤な疾患等への対応について)
(その2)
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(表)配慮が必要と考えられる品目と対応
② ICER(QALY)では品目
①対象患者数が少ないために単価(薬価等)
品目 の有する価値を十分に評
が高くなってしまう品目
価出来ない品目
・治療方法が十分に存在し ・適応症の一部に、治
ない稀少な疾患(※1)のみに 療方法が十分に存在し
対象
用いられる品目 ない稀少な疾患(※1) ・抗がん剤(※3)
品目
・小児のみに用いられる品 や小児疾患(※2)が含
目(※2) まれる場合
当該品目を費用対効果評価 評価の対象とするが、総合的評価
対応
の対象から除外する(※4) 及び価格調整で配慮を行う(※5)
(※1) 指定難病、血友病及びHIV感染症を対象。
(※2) 日本における小児用法・用量承認が取得されている品目。
(※3) 承認された効能効果において悪性腫瘍が対象となっており、悪性腫瘍患者を対象に分析を行った場合に配
慮を行う。
(※4) ただし、市場規模の大きな品目(350億円以上)、単価が高い品目等については、中医協総会の判断に
より費用対効果評価の対象とする。
(※5) 「公的介護費や生産性損失」を含めた分析結果については、国内の知見に基づき行われたものに限り、併
せて提出することは可能とする。価格調整には用いないが、提出された分析結果は公表し、事例を集積した上
で、今後の仕組みの参考とする。
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(3)①~⑤ 費用対効果評価の分析・評価の流れ
9ヵ月(企業分析)※1
標準的な 3~6か月※1 3~6か月※1 3ヵ月又は6ヵ月
(総合的評価
3ヵ月
期 間 (公的分析)
(分析枠組みの決定) (決定された分析の枠組みに基づく企業分析) 及び価格決定)
企 業 (医薬品、医療機器)
中
医
協
分析前協議
・企業が分析の枠組み案
を提出
・提出された枠組み案に
基づく協議、論点整理
・協議内容は文書で記録
厚生労働省・国立保健医療科学院(保健医療経済評価研究センター)
<
評
価
決
定
・
価
格
決
定
>
専
門
組
織
(
ⅲ
)
<
総
合
的 評
価
>
専
門
組
織
(
ⅱ
)
<
企
業
分 析
の
確
認
>
中
医
協
保
険
収
載
< 品
目
選
定
>
専
門
組
織
(
公的分析
分析の枠組みに
・企業分析の
基づき、 検証(レ 企業が分析を実施 ビュー)
・再分析
必要な協議
ⅰ
)
<
分
析
の 枠
組
み
等
決
定
>
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価
格
調
整
必要な協議
※1 「分析前協議」と
「分析の枠組みに基づく
企業分析」の合計の期
間は9ヶ月を上回らない
臨床の専門家 (2)⑥ 公的分析班
こととする。
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(3)①分析前協議(事前協議)の方法、②分析実施中の協議
<対応>
○ 分析前協議・分析実施中の協議については、企業と公的分析班は直接接触しないこととし、
国立保健医療科学院が企業や公的分析班と協議をしながら照会を行うこととする。
○ 分析前協議において、分析の枠組み等について可能な限り決定し、それに基づき分析作業
を進めることを原則とするが、分析(企業分析、公的分析)を進める中で必要な事項につい
て、相互に照会することができる仕組みとする。
○ 協議内容は以下の通りとする。
(ⅰ)分析前協議
・対象集団、比較対照技術、分析に用いる臨床試験等の基本的な方針や分析の枠組み
・分析(企業分析、公的分析)を進める中で協議することが必要な事項の整理
(ⅱ)分析実施中の協議
・分析実施中に得られた新たな知見を採用するか否かの判断など、科学的な事項に限定
○ 協議内容は記録し、専門組織に報告、決定する。
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(3)③費用対効果評価専門組織の役割、体制等(その1)
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<対応>
○ 医療関係者(診療側)や保険者(支払い側)の立場からの検討は中医協総会において
行い、専門組織では、中立的な立場から専門的な検討を行う。
○ 費用対効果評価の科学的妥当性や中立性を確保するため、専門組織は以下の3つの
段階で関与を行う。
(ア)分析前協議の内容の確認、分析の枠組み等の決定
(イ)企業分析の内容の確認(決定された分析の枠組みに基づいて分析が行われているか等)
(ウ)企業分析ならびに公的分析の結果に基づく総合的評価
○ 具体的な品目に関する議論を行うことから、専門組織は非公開で行う。
○ 希望する企業は、専門組織において直接の意見表明及び相互に必要な質疑応答を行うこ
とができる。
○ また、策定された評価結果(案)について、不服がある企業は不服意見書を提出すると
ともに、専門組織において直接の不服意見表明を行うことができる。
(表)中医協、専門組織の役割、委員構成
中医協総会 中医協 費用対効果評価専門部会 費用対効果評価専門組織
・費用対効果評価の仕組み ・事前協議の内容を確認し、分析
・費用対効果評価の仕組み
(ルール)を決定 の枠組みを決定
役割 (ルール)を検討
・対象品目の選定、価格調 ・企業分析の内容を確認
整を決定 ・総合的評価
会議 公開 公開 非公開
・支払い側6名
・支払い側7名 ・医療経済の専門家
・診療側6名
・診療側7名 ・臨床の専門家
構成員 ・公益側4名
・公益側6名 ・医療統計の専門家
・専門委員4名
・専門委員10名 ・医療倫理の専門家
・参考人2名 11
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(3)③費用対効果評価専門組織の役割、体制等(その2)
<対応>
○ 専門組織は、分析結果の評価等を専門的な立場から行うため、医療経済、臨床、医療統計及び
医療倫理の専門家から構成する。
○ 専門組織の委員には中立性が求められるため、対象企業及び競合企業との利益相反について確
認を行う。
(表1)費用対効果評価専門組織の委員とその役割
委 員 役 割
・費用対効果評価の分析の中身の検証やICERの評価を医療経済学的な
・医療経済の専門家
見地から詳細に検討・判断を行う
本委員 ・臨床の専門家 ・幅広い知識を有する者が、分析・評価の妥当性を総合的に確認する
・医療統計の専門家 ・システマティックレビュー等の科学的妥当性を検討する
・医療倫理の専門家 ・総合的評価を行う上で、倫理的な観点での検討を行う
分野毎の ・各分野の臨床の専門家が品目に応じて参加し、分析・評価の妥当性を
・分野毎の臨床の専門家
専門家 確認する
(表2)薬価算定組織・保険医療材料等専門組織との比較
費用対効果評価専門組織(案) 薬価算定組織 保険医療材料等専門組織
・医療経済の専門家 4名程度 ・医師 7名
・医師 12名
・臨床の専門家 2名程度 ・歯科医師 1名
本委員 ・歯科医師 2名
・医療統計の専門家 2名程度 ・薬剤師 2名
・医療経済学者 1名
・医療倫理の専門家 1名程度 ・医療経済学者 1名
・医師 27名 ・医師 22名
分野毎の 分野毎の臨床の専門家を予め指名 ・歯科医師 1名 ・歯科医師 1名
専門家 (30名程度) ・薬剤師 10名 ・薬剤師 5名
・医療経済学者 4名 ・医療経済学者 3名 12
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(3)④公的分析の方法や体制
<対応>
(ⅰ)公的分析の方法
○ 提出された企業分析の科学的妥当性を検証(レビュー)する。
○ その結果、企業分析に課題があり、科学的妥当性に疑義がある等の場合は、独立した
分析(再分析)を行う。
(ⅱ)公的分析の実施体制
○ 国立保健医療科学院が公的分析を主導し、各種調整を行う。そのうえで、大学等を公的
分析班と位置付けて複数設置し、公的分析を実施。国立保健医療科学院が公的分析班の
分析結果について評価、とりまとめ等を行う。
○ 大学等の名称は公開とする。
○ 各品目をどの公的分析班が対応するかについては、利益相反、担当品目数などを考慮
した上で、国立保健医療科学院が指定する。
(ⅲ)利益相反に関する対応
○ 各公的分析班がどの品目を担当しているかについては評価が終了するまで非公開とする。
また、接触禁止規定を設け、公的分析班は企業と直接接触しない体制とする。
○ 企業の機密情報等を扱うことから、公的分析班には守秘義務を求める。
○ 分析を行うにあたり確認が必要な事項がある場合、国立保健医療科学院が企業や公的
分析班と協議をしながら照会を行うこととする。
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(3)⑤分析にかかる標準的な期間の設定、⑥分析ガイドラインのあり方
分析にかかる標準的な期間の設定
<対応>
○ 費用対効果評価を適切かつ遅滞なく進めるため、各段階での標準的な期間を設定する。
・企業分析 9ヶ月程度
(内訳) ・分析前協議(分析の枠組み決定まで)3~6ヶ月程度
・枠組みに基づく企業分析 3~6ヶ月程度
(但し、合計の期間は9ヶ月程度を上回らないこととする)
・公的分析 3ヶ月程度(再分析を行う場合は6ヶ月程度)
・総合的評価及び価格決定 3ヶ月程度
○ 各品目の進捗状況については定期的に中医協総会に報告する。
○ 費用対効果評価に係る分析の知見を有しない小規模な企業の場合など、標準的な期間での
分析が困難な場合も想定されることから、標準的な期間を超えた場合はその理由を中医協総
会に報告する。
分析ガイドラインのあり方
<対応>
○ 費用対効果評価に関する分析は、分析ガイドラインに沿って実施する。
○ 品目ごとの分析ガイドラインの解釈は、分析前協議等において具体的に協議を行う。
○ また、制度化以降においても、必要に応じて適宜見直しを行う。
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(3)⑦データが不足している場合等の対応
<対応>
○ データが不足している等の理由で、「分析不能」であることが確認された品目について
は、専門組織での協議を経た上で、中医協総会において分析・評価を中断することができる。
○ 分析・評価が中断された場合、中医協総会は専門組織での検討を踏まえ、品目毎に期間
を設定し、企業側に必要なデータの集積及び提出を求める。その上で、必要なデータが得ら
れない場合は、専門組織及び中医協総会での協議を踏まえ、最も費用対効果評価が悪いもの
とみなして価格調整を行う。
○ 分析の途中に当該品目が販売停止もしくは当初予定していた市場が大幅に縮小した場合
等は、専門組織での協議を経たうえで、中医協総会において分析・評価を中止することがで
きる。
○ 企業が分析不能とした品目のうち、公的分析班及び専門組織で分析可能と判断された品
目については、公的分析の結果を用いて価格調整を行う。
○ 分析が中断又は中止とされた事例を集積した上で、今後の仕組みの参考にする。
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(4)①科学的な観点からの検証方法、③公表の仕方
<対応>
○ ICERについては、分析に適したデータが複数ある場合など、ICERを1点で決めること
が困難な場合は、幅をもった評価を許容する。
○ 複数の対象集団に分けて分析を行う場合には、対象集団毎にICERを算出する。この場合、
算出されたそれぞれのICER等に基づき、対象集団毎に価格調整を行ったうえで、それらの
重みつき平均を用いて価格調整を行う。
○ 価格調整にあたり、ICERの値が価格調整のどの領域にあるかを速やかに公表する。
○ また、費用対効果評価の手法に関して科学的議論を深め、今後の分析の質を高めるため
に、分析内容や議論となった科学的論点、ICERの値などについて、報告書等の形で公表す
る。
(例)疾患Aと疾患Bに適応のある医薬品Xの場合(イメージ)
500万円 患者割合 価格調整
疾患A ICER=300万円 → 減算なし 0.8 0%×0.8
+
疾患B ICER=600万円 →価格調整範囲 0.2 30 % × 0.2
30
の %減算(※1)
=価格調整範囲を6%減算
(※1)詳細はスライド22を参照のこと。
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(4)② 配慮を行う品目 中 医 協 総 - 8 - 2
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(稀少疾患や重篤な疾患等への対応について)
<対応>
(ⅰ)考え方(再掲)
○ 英国のように費用対効果評価の結果を「償還の可否判断」に用いる場合は、患者アクセス
は大きな課題となりうるが、いったん保険収載したうえで価格調整を行うのであれば、患者
アクセスの懸念は軽減される。
○ 一方、費用対効果評価の結果を償還の可否には用いず、価格調整のみを行う場合であって
も、以下の品目では開発阻害やアクセス制限につながる可能性が否定できないため、一定の
配慮を行う。
①対象患者数が少ないために単価(薬価等)が高くなってしまう品目
②ICER(QALY)では品目の有する価値を十分に評価出来ない品目
○ 制度の透明性を確保する等の観点から、配慮する品目や要素についての判断基準が必要。
(ⅱ)総合的評価で配慮を行う品目
○ これらのうち、以下の品目については費用対効果評価の対象とするが、総合的評価ならび
に価格調整において配慮を行う。
・適応症の一部に、治療方法が十分に存在しない稀少な疾患(指定難病、血友病及びHIV感
染症を対象とする)が含まれる品目
・適応症の一部に、日本における小児用法・用量が承認されている小児疾患が含まれる品目
承認された効能効果において悪性腫瘍が対象となっており、悪性腫瘍患者を対象に分析
・抗がん剤(
を行った場合
)
○ 「公的介護費や生産性損失」を含めた分析結果については、国内の知見に基づき行われた
ものに限り、併せて提出することは可能とする。価格調整には用いないが、提出された分
析結果は公表し、事例を集積した上で、今後の仕組みの参考とする。
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(5)① 価格調整の対象範囲
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<対応>
○ 価格調整の範囲については、薬価・材料価格制度を補完する視点からの検討を踏まえ、以下の通りとする。
(ⅰ) 類似薬効比較方式(類似機能区分比較方式)
○ 有用性系加算部分を価格調整範囲とする。
(ⅱ) 原価計算方式
○ 開示度が50%未満の品目(医薬品、医療機器)
・医薬品は営業利益および有用性系加算部分、医療機器は営業利益およびその補正部分を価格調整範囲と
する(図の①、②)。
○ 開示度が50%以上の品目(医薬品、医療機器)
・医薬品は有用性系加算部分、医療機器は営業利益率の補正部分を価格調整範囲とする(図の③)。
図:原価計算方式おける価格調整対象範囲(イメージ)
①【開示度低く、加算のある品目】:加算部分+営業利益を対象(※1) ②【開示度低く、加算のない品目】:営業利益を対象
製品総原価(開示度低) 営業利益 製品総原価(開示度低) 営業利益
加算部分
流通経費 (※2) 流通経費
消費税 消費税
価格調整対象 価格調整対象
③【開示度高く、加算のある品目】:加算部分を対象 ④【開示度高く、加算のない品目】:対象外
製品総原価(開示度高) 営業利益 製品総原価(開示度高) 営業利益
流通経費 加算部分 流通経費
消費税 消費税
価格調整対象
(※1) 開示度が低く、かつ、加算を受けた品目については、加算部分、営業利益のそれぞれについて費用対効果評価による価格調整を受ける。
(※2) 医療機器では、営業利益率の補正部分に相当。
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中 医 協 総 - 8 - 2
(5)②~④ ICERに応じた価格調整方法、基準値の設定、3 1 . 2 . 2 0 ( 改 )
総合的評価において配慮が必要とされた品目の価格調整方法
<対応>
○ 価格調整方法は、ICERが一定の幅をもって評価された場合にも対応できる階段方式とする。
○ 500万/QALYと1000万/QALYの中間の750万/QALYも価格調整における基準値とする。
○ 総合的評価において配慮が必要とされた品目の価格調整に用いる基準値は、1人当たり
1125 1500
GDPや諸外国の基準値等を参考に、750万/QALY、 万/QALY、 万/QALYとする。
○ 抗がん剤、及び適応症の一部に稀少な疾患や小児疾患が含まれる品目については、当該品
目の適応症のうち該当するものについてのみ、この基準値を用いる。
○ ICERの幅が基準値をまたぐ場合は、どちらの段の価格調整率を採用するのが科学的により
妥当かについて、専門組織で検討する(※)。
<標準的な価格調整方法> <配慮が必要とされた品目での価格調整方法>
価 価
格 格
調 調
整 整
率 率
500 750 1000 ICER 750 1125 1500 ICER
(※)検討にあたっての基本的な考え方
科学的により確からしい値が属する段を採用することを原則とする。ただし、ICERの幅の両端が同様に確からしい場合は、
またぐ領域の大きい方の段を採用する。また、ICERの幅が一定以上であるなど、科学的な確からしさに課題がある場合には、
ICERの幅のうち最も大きい点が属する段を採用する。 19
中 医 協 総 - 8 - 2
3 1 . 2 . 2 0 ( 改 )
(5)⑤ 価格調整率 (その1)
<対応>
○ 類似薬効比較方式(類似機能区分比較方式)では、価格調整対象範囲(有用性系加算等)について、
図1のように価格調整を行う。
○ 原価計算方式では、価格調整の対象範囲である「有用性系加算等(医薬品)または営業利益率の補正
部分(医療機器)」(図1)と「営業利益率」(図2)では、それぞれ異なる価格調整率を用いる。
図1:有用性系加算等の価格調整率 図2:営業利益の価格調整率
1.0
1.0
価 価
格 0.7 格
0.83
調 調
整 整
率 0.4 率 0.67
0.1
0.5
500 750 1000 ICER 500 750 1000 ICER
価格調整後の有用性系加算等 価格調整後の営業利益率
= 価格調整前の有用性系加算等 = 価格調整前の営業利益率
-有用性系加算等×(1-価格調整率) -営業利益率×(1-価格調整率)
20
中 医 協 総 - 8 - 2
(5)⑤ 価格調整率 (その2)
3 1 . 2 . 2 0 ( 改 )
<対応>
○ 患者に必要な医薬品等の安定供給を確保するという観点から、以下の通り、下げ止めを設ける。
(ⅰ)25%以下の有用性系加算(※)が認められた品目
○ 調整前の薬価(材料価格)を10%引き下げた価格を、最終的な薬価(材料価格)の下げ止めと
する。
(ⅱ)25%超え100%未満の有用性系加算(※)が認められた品目
○ 認められた有用性系加算に応じて、調整前の薬価(材料価格)を、以下の計算式に基づき算出さ
れた率で引き下げた価格を、最終的な薬価(材料価格)の下げ止めとする。
最終的な薬価(材料価格)の下げ止め
= {10 + (当該品目の有用性系加算率(%)(※)-25 )/ 15 } %
(ⅲ)100%以上の有用性系加算(※)が認められた品目
○ 調整前の薬価(材料価格)を15%引き下げた価格を、最終的な薬価(材料価格)の下げ止めと
する。
○ また、ICER 500万円/QALYとなる価格(抗がん剤等では750万円/QALYとなる価格)を下回らない価
格とする。
図:有用性系加算率と下げ止めの関係
下げ止め (※) 原価計算方式で算定された医薬品の場合は、加算係数(0.2~
1.0)を乗じる前の加算率
15%
10%
0 25% 100%120%加算(※) 21
中 医 協 総 - 8 - 2
(5)⑥ 比較対照技術に対して費用が削減される品目
3 1 . 2 . 2 0 ( 改 )
(ICERが算出不能な品目)等への対応
<対応>
○ 以下の品目については、費用対効果の観点から活用が望ましいと考えられることから、
これらのうち一定の条件を満たすものについては、価格の引き上げを行う。
(ⅰ)比較対照品目(技術)に対し効果が増加し(又は同等であり)、費用が削減される場合
(ドミナント等)
(ⅱ)ICER 200万円/QALY未満の場合
表:価格引き上げの条件と引き上げ率
(ⅰ)ドミナント等 (ⅱ)ICER 200万円/QALY未満
条件① ○(※1)
○
・比較対照品目(技術)より効果が高いこと(又は同
(別に定める条件(※2)あり)
等であること)が臨床試験等により示されていること
条件②
・比較対照品目(技術)と比べて、全く異なる品目で
○ ○
あること、又は基本構造や作用原理が異なるなど一般
的な改良の範囲を超えた品目であること
50%(※4)
25%(※5)
価格調整対象範囲(※3)の引き上げ率 (価格全体の10%
(価格全体の5%を上回らない)
を上回らない)
(※1)ICER 200万/QALY未満の品目では、「比較対照品目(技術)より効果が高いことが臨床試験等により示されていること」とする。
(※2)別に定める条件(以下のいずれも満たす臨床研究等)
(1) 受理あるいは掲載時点において、Clarivate analytics社の”InCites Journal Citation Reports”により提供されているimpact
factor(5年平均)が15.0を超える学術誌に原著論文として受理されている(ただし、レビュー雑誌、創刊10年以内の雑誌はのぞく)。
(2)(1)を満たす臨床研究等のうち、日本人を含むアジア人を対象とした集団において、費用対効果評価における比較対照品目(技
術)よりも優れていることが統計学的に示されている。
(※3)営業利益は除く。
(※4)引上げ額は比較対照品目(技術)と比べた患者1人あたりの費用削減額の2分の1に相当する額以下とする。
22
(※5)引上げ額はICER 200万円/QALYとなる価格を上回らない額とする。
中 医 協 総 - 8 - 2
3 1 . 2 . 2 0 ( 改 )
(5)⑦価格調整のタイミング、手続き、(6)体制の強化
価格調整のタイミング
<対応>
○ 新医薬品、新医療機器(C1等)の保険収載のタイミング(年4回)で費用対効
果評価の結果に基づく価格調整を行う。
○ 価格調整にあたっては、専門組織における評価結果(案)、それに基づく価格
調整結果(案)を中医協総会に報告し、了承を得る。
○ 調整後価格の公表から価格調整までは、在庫への影響等を考慮し、一定の期間
を設ける。
体制の強化
<対応>
○ 今後、人材の育成をはじめとした費用対効果評価に係る体制の強化に取り組む。
○ 公的分析を実施可能な人材を育成するため、新たに教育プログラムの設置を検
討する。併せて、厚生労働省ならびに国立保健医療科学院の体制充実を図る。
23
中 医 協 総 - 8 - 2
費用対効果評価に関する主な方針
3 1 . 2 . 2 0 ( 改 )
経済財政運営と改革の基本方針2015(2015年6月30日閣議決定)(抄)
医療の高度化への対応として、医薬品や医療機器等の保険適用に際して費用対効果を考慮
することについて、2016年度診療報酬改定において試行的に導入した上で、速やかに本格
的な導入をすることを目指す
薬価制度の抜本改革について 骨子(平成29年12月20日)(抄)
費用対効果評価については、原価計算方式を含め、市場規模の大きい医薬品・医療機器を
対象に、費用対効果を分析し、その結果に基づき薬価等を改定する仕組みを導入する。
これに向けて、試行的実施の対象となっている 13 品目について、これまでの作業結果を
踏まえ、平成 30 年 4 月から価格調整を実施するとともに、試行的実施において明らかに
なった技術的課題への対応策を整理する。
併せて、本格実施に向けて、その具体的内容について引き続き検討し、平成 30 年度中に
結論を得る。
経済財政運営と改革の基本方針2018(2018年6月15日閣議決定)(抄)
「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」 に基づき、国民負担の軽減と医療の質の向上に
取り組むとともに、医薬品産業を高い創薬力を持つ産業構造に転換する。(略)費用対効果
評価については本格実施に向けてその具体的内容を引き続き検討し、2018年度中に結論を
得る。(略)
新規医薬品や医療技術の保険収載等に際して、費用対効果や財政影響などの経済性評価や
保険外併用療養の活用などを検討する。医療技術評価の在り方について調査・研究・検討を
推進するとともに、そのための人材育成・データ集積・分析を推進する。
24
新経済・財政再生計画 改革工程表2019 (抄)
(令和元年12月19日 経済財政諮問会議決定)
令和2年11月26日 第135回社会保障審議会医療保険部会 資 料 5
実施年度 KPI
取組事項
2020年度 2021年度 2022年度 第1階層 第2階層
新規医薬品や医療技術の保険収載等に際して、費用対効果や財政影響などの経済性評価や保険外
66
併用療養の活用などを検討
医薬品や医療技術の保険収載の判断
給
付 等に当たり費用対効果や財政影響など
と の経済性評価を活用し、保険対象外の
負 新規医薬品や医療技術の保険収載等に際して、費 医薬品等に係る保険外併用療養を柔
担 用対効果や財政影響などの経済性評価や保険外併軟に活用・拡大することについて、骨太
の 用療養の活用などを検討する。 の方針2020に向けて関係審議会等に ― ―
見
おいて検討。
直
し
≪厚生労働省≫
25
今後の医薬品等の費用対効果評価の活用
令和2年9月16日第130回社会保障審議会医療保険部会 資料1
令和2年11月26日 第135回社会保障審議会医療保険部会 資 料 5
【検討にあたっての考え方等】
・ 今後の医薬品等の費用対効果評価の活用については、改革工程表2019において、「医薬品
や医療技術の保険収載の判断等に当たり費用対効果や財政影響などの経済性評価を活用
し、保険対象外の医薬品等に係る保険外併用療養を柔軟に活用・拡大することについて、・・・
関係審議会等において検討」とされている。
【これまでの意見を踏まえた論点等】
・ 費用対効果の保険収載時の活用等も含めた実施範囲・規模の拡大について、現状や人材育
成の状況や諸外国における取組も参考にしながら、検討を行うことが必要ではないか。 等
※ なお、今後、中医協において検討を行い、適宜医療保険部会に報告する。
26
医療保険制度改革についてのこれまでの主な意見⑧ 令和2年9月16日第130回社会保障審議会医療保険部会 資料1 一部改変
※議事録に基づき事務局にて整理
8.新規の医薬品や医療技術の保険収載などに際して費用対効果や財政影響などの経済性評価や保険外併用療養の活用
○ 新規医薬品、医療技術の保険収載の可否も含めた費用対効果評価結果の活用に向けて検討が必要。
○ 高額な医薬品が次々と登場する中、医療保険財政健全化の面からも、費用対効果を図るという視点は大変重要。
○ 保険収載をどうするかというところは、今すぐには難しいとしても、今の基本原則を維持しながらもできることはあるのではない
か。有効性、安全性の濃淡を評価する一つの手法として費用対効果もあるのではないか。
○ 有効性、安全性が確認された医薬品は速やかに保険収載するのが大前提。この前提の元で中医協において価格を調整する
のが、本来の国民皆保険制度のあるべき姿である。また、高額薬剤について費用対効果が悪いからといって患者アクセスの制
限や追加負担があるべきでは無い。
○ 国民のために安全性、有効性が確認された医薬品は速やかに保険収載すべき。また、費用対効果評価制度は運用が開始さ
れたばかりで体制も十分ではなく、今後事例を集積して、制度のあり方については中医協で検討していくべき。
○ 制度としては昨年度から運用開始されたところ。まずはその影響の検証、課題の抽出などを行っていくべきであり、保険収載
の可否の判断や償還可能な価格までの引下げといった仕組みの検討は時期尚早。
○ 有効性、安全性が確認された薬剤については、基本的に保険収載をして原則として誰もが使えるようにしていくという方向性
に関して賛成。一方で、財政状況も悪いという中で、スレッシュホールドという技術的な閾値までのところに関しては保険でみて、
それを超える部分については保険外併用でみていくというような運用の仕方をすれば、財政と医療、薬剤へのアクセスを両立
するような考え方ができるのではないか。
○ 我が国の薬価制度と費用対効果評価は基本的にコンセプトが違うもの。費用対効果の議論は現行制度とどのように調和させ
ていくかが一番重要。
※ 3月26日に開催された第127回医療保険部会において、本議題については、基本的には、中医協の議論を見守り、適宜必要
な情報があれば医療保険部会に報告することとなった。
○ 将来的には、イギリスやスウェーデンのように償還可否の決定に用いることも検討すべきだが、昨年度から導入された仕組み
であり、企業分析における課題等も出てきているため、まずは中医協において、実施状況をしっかりと検証し、制度の成熟度を
高めるとともに、現行最大で1年半かかる保険収載から価格調整までの期間をできる限り短縮していくことが先決ではないか。
※ 9月16日に開催された第130回医療保険部会において同趣旨について議論された。
27
中医協 総-6
今後の医薬品等の費用対効果評価の活用に係る現状及び課題と論点 2. 10. 28
【現状・課題】 令和2年11月26日 第135回社会保障審議会医療保険部会 資 料 5
○ 2019年4月より運用開始となった費用対効果評価制度では、対象品目として12品目(令和2年10月1日時点)が選定され、分析を
実施しているところ。
○ 費用対効果評価制度に係る体制を拡充するため、公的分析班の追加、人材育成プログラム(2020年4月開始)、調査研究等、体
制強化の取組みが進められている。
○ 改革工程表2019では、「医薬品や医療技術の保険収載の判断等に当たり費用対効果や財政影響などの経済性評価を活用し、
保険対象外の医薬品等に係る保険外併用療養を柔軟に活用・拡大することについて、骨太の方針2020に向けて関係審議会等に
おいて検討」することとされている。
○ 医療保険部会におけるこれまでの主な意見は、以下のとおり。
(現行の制度の実施状況等に係る意見)
• 昨年度から制度運用が開始されたところであり、まずはその影響の検証、課題の抽出などを行うべきであり、仕組みの検
討は時期尚早である。
• 実施状況を検証し、制度の成熟度を高めるとともに、保険収載から価格調整までの期間をできる限り短縮していくことが先
決ではないか。
(今後の制度の見直しに係る意見)
• 保険収載の可否も含めた費用対効果評価結果の活用に向けて検討が必要である。
• 有効性、安全性が確認された医薬品は速やかに保険収載すべきであり、患者アクセスの制限や追加負担があるべきでは
ない。
• 技術的な閾値までは保険で、それを超えた部分は保険外併用療養費制度を活用する運用の仕方もあるのではないか。
○ 今後、年度内にも複数品目の総合的評価について中医協において審議される見込み。
○ 以上を踏まえ、医療保険部会においては、中医協での検討を継続するとともに、適宜報告を求めることとされたところ。
【論点】
○ 費用対効果の保険収載時の活用等も含めた実施範囲・規模の拡大について、現行の制度運用の状況、体制強化の取組状況、
個別品目に係る総合的評価の審議が今後なされること等を踏まえ、どのように考えるか。
28
費用対効果評価の活用に係る中医協での主な意見(令和2年10月28日)
令和2年11月26日 第135回社会保障審議会医療保険部会 資 料 5
【制度の活用に向けた検討の進め方について】
○ これまでの議論において、有効性、安全性等が確立した医療については保険給付の対象とし、また、ドラッグラグ・デバイス
ラグを生じさせないため、費用対効果評価は保険償還の可否の判断には用いず、事後の価格調整に用いることとされている。
昨年度から制度の運用が開始されたところであり、まずは、その影響の検証、課題の抽出などを行うべき。
○ 制度自体が昨年から運用開始されているもので、実施体制や調査研究等が確立していない段階。今後、影響の総合的評価
を出して、検証を行っていくべき。実施範囲や規模の拡大は、必要以上に行うべきではない。患者へのアクセス阻害要因に
なってはならず、希少疾病等で単価が高いもの等の取扱いについては、慎重な議論・検討が必要。
○ 今後の分析結果や課題について検証し、フィードバックしていくことがまず重要であり、保険収載の可否の判断や償還可能な
価格までの引下げといった活用の検討については、時期尚早。
○ 今できることは、人材を育成して、実績をより多く蓄積すること。実績が蓄積された後には、まずは現行の仕組み(評価の流
れ、評価期間、閾値、価格調整のあり方)の妥当性を検証する必要がある。保険収載の可否や保険外併用の活用などは、将
来的には検討が必要だと思うが、現行の制度を検証した後の、次のステップではないか。
○ 将来的には償還可否の決定に用いることも当然視野に入れて検証・検討していく必要があるが、昨年度運用開始された現
状を勘案すると、まずは国内の実施事例の集積・検証をスピード感を持って進めていくことが必要。現行の制度について、迅
速な価格調整の観点から、保険収載から価格調整までの期間をできるだけ短縮していくこと、対象品目数を増やしていくこと
が目下の重要な課題。公的分析班、企業などによる分析・評価体制の充実が不可欠であり、充実に向けた具体的な工程表の
検討が必要。
○ まだ評価結果が中医協に報告されている品目はないが、年度内にも報告がされる見込みであるということを考えると、まず
は、今の仕組みの実施状況を検証して、制度の成熟度を高めるための検討を進めていく必要がある。
29
この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。