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中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第 55 回)
議事次第
令和3年8月4日(水) 8:30~
於 オンライン開催
議 題
○業界からの意見陳述
中 医 協 費 - 1
3 . 8 . 4
中央社会保険医療協議会 意見陳述資料
費用対効果評価制度に関する意見
2021年8月4日
日本製薬団体連合会
日本製薬工業協会
1
費用対効果評価の活用に対する基本認識
我が国においては、薬価基準制度により薬価を決定している。
一方で、諸外国においては、企業が設定した価格の妥当性や
保険償還の可否を判断する手段の一つとして費用対効果評
価が実施されている。
費用対効果評価の結果は保険償還の可否の判断に用いる
のではなく、いったん保険収載した上で価格調整に用いることと
して、2019年より運用が開始された。
現行の薬価基準制度を基本として、費用対効果評価制度が
導入された経緯があることから、薬価基準制度との整合性を踏
まえ、新薬の価値評価のあくまで補足的な手法として、限定的
に用いられるべきものと考える。
2
令和4年度診療報酬改定に向けて
2019年4月より費用対効果評価制度の運用が開始され、現
在、数品目の評価結果が公表されたところである。
公表された事例より運用上の課題がみられることから、まずはこ
れらの精査を行うべきであり、令和4年度診療報酬改定におい
て費用対効果評価制度の基本的な枠組みを変えることは時
期尚早であると考える。
課題について検証・解決がされていないため、対象品目の拡大
は行うべきではない。
3
個別項目に対する意見
4
分析の枠組みについて
課題認識等
臨床試験や実臨床から乖離した分析対象集団に細分化された事例や、ガイドラインで示された
「代替されると想定されるもののうち、治療効果がより高く、臨床現場等において幅広く使用されて
いるもの」から逸脱した比較対照技術が選定されている事例が確認された。これらの取扱いによ
り、科学的に妥当な費用対効果評価の結果を得ることができなくなると考える。
また、企業が事前に想定できない分析の枠組みとされた場合、臨床試験データ等をそれに合わせ
て再解析した上で、企業分析を行う必要があることから、現在設定されている期間では分析が終
了しないことがある。
企業と国立保健医療科学院が十分な協議を行い、臨床的・科学的に妥当な分
析の枠組み決定に向けた、より有益な運用を検討する必要がある。
例えば、企業が望む際には、臨床専門家や医療経済専門家の同席を初回の分
析前協議から認めるなどの運用が望まれる。
決定された分析の枠組みが、対象となる臨床試験のデザインと大きく異なる場合
等については、その度合いに応じて企業の分析期間が再設定される運用が必要で
ある。
5
比較対照技術の選定について
課題認識等
ガイドラインにおいては「代替されると想定されるもののうち、治療効果がより高く、臨床現場
等において幅広く使用されているものを選定することが原則的な考え方」とされているが、臨
床での使用実態が乏しいにも関わらず、最も安価なものを比較対照技術として選定した例
がみられた。
費用対効果評価は、実臨床において幅広く使用され、評価対象技術に置き換わ
る技術を比較対照技術とすることが基本であると認識している。
代替されると想定されるもののうち、治療効果だけでなく「臨床現場等において幅
広く使用されているもの」を比較対照技術とする原則を守った運用とする必要があ
る。
【中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の分析ガイドライン第2版より抜粋】
4.1 評価を行う際の比較対照技術は、評価対象技術が分析対象集団への治療として導入された時点
で代替されると想定されるもののうち、治療効果がより高く、臨床現場等において幅広く使用されてい
るものを選定することが原則的な考え方である。
4.1.3 ただし、「4.1」において、一意に決めることが難しい場合は、無作為化比較試験(Randomized
controlled trial: RCT)等における比較対照技術、価格算定上の類似技術、費用対効果の程
度等も考慮して最も妥当と考えられる比較対照技術を両者の協議により選定する。
6
専門組織における検討内容について
課題認識等
費用対効果評価専門組織意見書(2)専門組織における検討内容について
専門組織(ⅱ)について、公的分析による検証(レビュー)が終了した時点で開催することとして
はどうか。専門組織(ⅱ)は、企業からの報告とともに、公的分析からの検証結果及び再分析の
案について報告を受け、再分析の具体的な内容に対する指摘や追加分析の必要性に関する判断
を行うこととしてはどうか。
企業からの不服意見書の提出について、(中略)専門組織(ⅱ)及び(ⅲ)における企業から
の不服意見書の提出の機会は、引き続き確保することとしつつ、専門組織(ⅲ)においては、新た
な事実の報告など、特に専門組織が認めた場合に限り、会議を開催し、不服意見の聴取を行うこ
ととしてはどうか。
専門組織(ⅱ)を公的分析期間中に実施するのであれば、企業分析結果のみ
ならず、公的分析からの検証結果への意見を述べる必要があり、企業へのレビュー
結果の伝達から開催まで十分な準備期間を確保できるよう配慮をお願いしたい。
専門組織(ⅲ)における総合的評価案への不服意見の聴取は、分析の枠組み
や比較対照技術の選定など、企業が想定していない内容となる事例があることか
ら、現行どおり企業の希望に基づき行われるべきである。
7
効能追加時の取扱いについて
課題認識等
費用対効果評価専門組織意見書(6)効能追加時の取扱いについて
効能追加に係る分析期間の延長について、「当初の効能」に係る分析期間中に一定の準備が可能であ
ることを踏まえ、妥当と考えられる期間を設定することとしてはどうか。
複数の効能追加がなされた場合については、「当初の効能」に係る企業分析期間(品目の指定から9か
月)内の効能追加についてのみ分析の対象とすることとしてはどうか(それを超えて効能追加がなされた場
合、2つ目以降の効能に係る分析期間中であっても、分析の対象としない。この場合、H3区分の規定
に基づき、評価終了後に改めて品目の指定の可否を検討することとしてはどうか。)。
効能追加においては、「当初の効能」と異なる分析の枠組みの検討、枠組み決定
後の企業分析が必要である。すなわち、効能追加であっても「当初の効能」と別に
新たに費用対効果評価を実施することとなり、「当初の効能」と同様の時間や労力
等を要する。
よって、「当初の効能」に係る分析期間中に一定の準備が可能であるとの認識はな
く、効能追加から企業分析の提出までの期間は少なくとも9ヶ月は必要と考える。
なお、企業分析期間を超えて効能追加がなされた場合の品目の指定のあり方につ
いては、個別品目の状況等を踏まえ慎重に検討されるべきである。
8
費用対効果評価結果の薬価への反映について
課題認識等
薬価算定時に投与間隔の延長に対して有用性加算が付されたが、一方で費用対効果評
価においては、投与間隔の延長により定量的な健康関連QOLの改善を示すものではないこ
とから、追加的有用性を評価することが困難とされ「費用増加」と判定された事例があった。
本事例の価格調整については「1500万円/QALY以上」と同様の取扱いとされた。
薬価算定時の有用性加算に関する観点と費用対効果評価における観点は異な
るので、仮に費用対効果評価の結果により価格調整されることになったとしても、薬
価算定時の評価(有用性加算)が否定されるものではない。
薬剤の投与間隔の延長等により、患者の利便性が大きく向上していても、QALY
等の指標で評価することが困難である場合もある。
したがって、追加的有用性を評価することが困難とされた場合は、評価することが妥
当で追加的有用性がないとされた場合とは別の取扱いとすべきであり、価格調整
係数を新設することなどが考えられる。
9
比較対照技術に対して費用が削減される品目
(Dominant)等の扱いについて
課題認識等
一部の対象集団においてDominantとなった場合であっても、分析結果とは関係のない厳
しい条件により、 Dominantという結果が十分に加味されないまま価格調整されている。
一部の対象集団でDominantとなった場合においては、費用対効果に優れること
が示されたということであり、その評価(Dominant)が十分に価格調整に反映され
る仕組みとしていただきたい。
例えば、一部の対象集団がDominantとなった場合は、定められた条件に関わら
ず、引下げの対象外とするなどといった対応が考えられる。
10
その他の個別項目に対する意見
患者割合に係るデータの取扱いと公表について
費用対効果評価の透明性の確保には異論はなく、企業は患者割合に係るデータのすべてを専門組
織に提示するとともに、細部に至るまで精査を受けている。
新しい治療方法等を提供するような薬剤の場合には、疫学調査などの公表可能なデータが存在せず、
企業が調査会社に委託したデータなどを用いて患者割合を算出せざるを得ないこともご理解いただきた
い。
分析期間超過時の価格調整における取扱いについて
分析に際し、企業は鋭意努力を行いながら対応している。分析期間が超過する理由の妥当性の検
討にあたっては、個別の品目の状況等も十分に考慮した上で慎重に判断すべきである。
分析の枠組みが当初の想定と大きく異なる場合、設定されている期間では分析が終了しないこともあ
るなど、分析期間に係る課題や実態について、まずは十分な検証を行うべきである。
11
中医協 費-2
3 . 8 . 4
中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会
<意見陳述資料>
米国研究製薬工業協会 (PhRMA)
2021年8月4日
費用対効果評価制度に対する の見解
PhRMA
全体について
1.費用対効果評価は、保険償還可否の判断には用いるべきではない
2. 費用対効果評価システムを抜本的に見直すのは時期尚早である
プロセスについて
3. 企業の分析期間については、分析前協議とは分けて少なくとも6か月は確保してほしい
4. 透明性の向上が求められる
5. 当初の薬価算定の際に考慮されていない効能追加は、原則費用対効果評価の対象外と考える
2
費用対効果評価制度 全体について
1.費用対効果評価は、保険償還可否の判断には用いるべきではない
• あくまでも薬価制度を補完する制度という位置づけを変えるべきではない
2.費用対効果評価システムを抜本的に見直すのは時期尚早である
• 5製品の評価が完了したところであり、十分に評価の経験が蓄積されているとは言えない
• 選定基準の拡充等による対象範囲の拡大の議論は時期尚早である
背景
• HTAが導入されている諸外国では、薬事承認取得から公費による償還までに多くの時間を要している
• また承認されたとしても、アクセスできる(償還される)薬剤数が限られている
3
3.企業分析の期間について
「分析の枠組みに基づく企業分析」の期間については、分析前協議とは分けて、
少なくとも6か月は確保してほしい(分析前協議と企業分析期間合わせて9か月ではなく)
• 企業は合意された分析枠組みに基づき分析を実施、検証、レポートの作成を行うため、時間短縮は困難
• 当初予定されていなかった分析が必要になった場合は、追加で時間が必要となるため、個別に分析期間の設
定を検討いただきたい
6か月以上かかる個別事由の例
• 企業が提案した分析の枠組みと異なる枠組みが合意された場合、その枠組みに沿った臨床試験データの再解析が必要と
なる
• 分析前協議においてNDBを使用することが合意された場合、データの入手までに数か月の期間を有する
分析前協議と企業分析を、合わせて9か月で終了させるためには:
• 分析前協議を3か月程度で完了させる必要があるが、そのためには2回目の分析前協議までに分析枠組みにつ
いて合意する必要がある
• 企業が提案した枠組みとは大きく異なる枠組みが提案された場合、2回目までに合意することは困難であると考
えられる
4
4.透明性の確保
プロセスの透明性を確保し、科学的な議論を推進するために、下記が必要である
① 詳細な議事録の公開
• 分析前協議および専門組織での議論の透明性を確保するため、詳細を議事録に残し、企業秘密はマス
キングしたうえで公開を要望する
• 議事録には、合意事項、合意に至らなかった事項および患者集団、比較対象技術、使用されたデータの
それぞれが選択された理由を明記いただきたい。
② 専門家の同席
• 臨床的視点等を考慮するため、科学院の同意を必要としない形での企業側の外部専門家(臨床専門
家・医療経済専門家)の同席を要望する
③ ガイドラインのアップデートやQ&Aの発出
• 制度は、通知等に記載されている内容通りに運用されるべきである。解釈が必要である場合は、業界団体
と議論の上で事前連絡およびQ&Aを作成することを要望する
• Q&Aが発出されることによって、専門組織と企業サイドの相互理解が向上することにより、繰り返しの議論
が減少し、結果として当制度の運用をスムーズにすることが期待される
5
5.効能追加について
1. 当初の薬価算定の際に考慮されていない効能追加は原則、費用対効果評価の対象外
と考える
• 当制度は薬価の有用性加算部分の妥当性を検証するために導入された制度であり、有用性加算の設定根
拠として評価されていなかった効能追加を、対象とすることは制度の趣旨に反していると考える
• また効能追加に関わる市場の変化等は現行の薬価制度で考慮されている
2. 対象とする場合でも、限定的にしていただきたい
• 企業分析提出前の効能追加については、主たる効能が変化した場合のみ対象とすべきである
3. 効能追加の分析期間についても、分析の枠組みに基づく企業分析の期間は少なくとも
6か月は確保していただきたい
• 効能が異なれば、データやモデルを安易にリユースできるものではなく、簡略化できるところは限られている
• したがって、企業は新たに分析の枠組みを協議し、その結果に基づき分析、検証、レポートの作成をするため、
先行している分析と同程度の期間が必要である
6
費用対効果評価専門組織意見に対するPhRMAの見解
項目 PhRMA見解
各専門組織会合で企業が不服意見の提出できる体制を維持するべきであり、また不服意見に対して適切に
専門組織における検討内容について
フィードバックしていただきたい
分析対象集団の一部が分析不能とされた場合の取扱い製品に関する重要な臨床試験データが使えないため分析不能となるケースなど、そもそもの分析対象集団の
について 分け方を改善することも必要である
分析期間超過時の価格調整における取扱いについて 合意された分析の枠組みに基づく企業分析期間を少なくとも6か月確保することが前提として対応いただきたい
過去、分析対象集団の規模が小さくなった事例があったが、分析前協議の段階で、外部専門家(臨床専門
分析対象集団の規模が小さくなる場合の取扱いについて家・医療経済専門家)を必要に応じて同席させることにより、分析対象集団の規模が小さくなりすぎ、分析上
の確実性等を損なうことが無いような対応をお願いしたい
比較対照技術に対し効果は同等であり、かつ費用が増 追加的有用性が定量的に評価できないものについてアプレイザルで対応するなどの方法を検討していただきた
加するもの(費用増加)の取扱いについて い
費用対効果評価制度が薬価制度と異なる点については同意する。費用対効果評価制度はあくまで薬価制
薬価算定組織との連携について
度の補完であるという点に留意して運用していただきたい
費用対効果評価に薬剤が持つ多面的な価値を反映させていく必要があると考える。その一環としての推進に
公的介護費の取扱いについて
ついてはPhRMAとしても協力したい
7
ご清聴ありがとうございました
諸外国での費用対効果評価の現状
o 米国、ドイツは、HTAを保険償還の判断に使用していない(日本の費用対効果評価も同様)。
その結果、これらの市場で発売されたほとんどの医薬品に患者がアクセスできるようになる。
o 一方、英国、豪国、カナダ、フランスは、HTAを保険償還の判断に使用している。
その結果、承認から保険償還まで何か月も待たなければならず、またアクセスできる承認薬剤も、はるかに少ない。
新薬へのアクセスが遅れている アクセスできる薬剤が限られている
(月) 承認から保険償還までの期間 承認された新薬のうち保険償還された薬剤の割合
25 100%
20 80%
15 60%
10 40%
5 20%
0 0%
日本 米国 英国 豪国 カナダ フランス ドイツ 日本 米国 英国 豪国 カナダ フランス ドイツ
*日本と米国が100%に満たないのは、全ての承認された薬剤が発売されているわけではないため。
Source: PhRMA analysis of IQVIA Analytics Link, U.S. Food and Drug Administration, European Medicines Agency, Japan Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, Health Canada, Australia Therapeutic Goods
9
Administration, and government insurance coverage data on new active substances approved from 2011 to Q3 2019.
議事録(案)
議事録には下記を記載いただきたい
• 企業が提案する費用対効果評価の
分析枠組み
• 公的分析による企業提案への見解
• 公的分析が提案するする費用対効
果評価の分析枠組み
• 企業による公的分析提案への見解
また、それぞれの項目について下記を明
確に記載いただきたい
• 合意事項・合意に至らなかった事項
• 患者集団、比較対象技術、使用
データの選択理由やそれに反対する
理由
その他の議事録に関する要望
• 議事録は協議終了後、速やかに送
付してほしい。あるいは、議事録につ
いては企業で作成し、C2Hと協議で
きるようにしてほしい。
• 専門組織の議事録についても速や
かに送付いただくことにより、企業とし
ての準備を進めることが出来る。
10
中 医 協 費 - 3
3 . 8 . 4
中央社会保険医療協議会
費用対効果評価専門部会
< 意見陳述資料 >
(欧州製薬団体連合会)
EFPIA Japan
2021年8月4日
の基本的立場
EFPIA
日本政府が費用対効果評価制度を「保険償還の可否の判断には用いない」1として
いることを歓迎します。
費用対効果評価制度は、薬価制度を補完するものとして、薬価制度において算定
された有用性加算の妥当性検証とイノベーション評価を行う基本方針が守られるべ
きと考えています。
費用対効果評価制度では、制度設計及び品目評価において多様なステークホルダ
ーが政策決定プロセスに関与することが必要だと考えています。
日本においては、HTAにおける経済分析手法の一つである費用対効果評価を用
いた評価品目が少なく、制度全般の改革は時期尚早であるものの、運用面での改
善は必要と考えます。
HTAの真の目的である「患者を中心とした、安全で効果的な、最良の価値を達成し
ようとする医療政策の策定に役立てる」2ことを達成するため、その決定の事後検証
を可能とする中立的(科学的根拠)で信頼性(透明性と予測可能性)が高い制度と
なるよう、本格導入で経験したこと、他の諸国からの教訓を共有し、共に検討してい
きたいと考えています。
1. 「評価結果は保険償還の可否の判断に用いるのではなく、いったん保険収載したうえで価格調整に用いる」(第130回社会保障審議会医療保険部会参考資料1(令和2年9月16日))こととされている。;
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000672615.pdf
2. EunetHTA definition “Health technology assessment is a multidisciplinary process that summarises information about the medical, social, economic and ethical issues related to the use of a health technology in a
systematic, transparent, unbiased, robust manner. Its aim is to inform the formulation of safe, effective, health policies that are patient focused and seek to achieve best value. ”; https://www.who.int/health-
2
technology-assessment/about/Defining/en/
医薬品の適切な価値評価が必要と考えます
現状 EFPIAの提案
• 医療経済性の視点に偏ることなく、臨
• 追加的有用性の定義や部分集団の設
床的な視点を適切に考慮できるよう、
定などで、医療の実態を反映する上で
当該疾病の診療を実際に行う臨床専
不可欠な臨床的観点が十分に考慮さ
門家を積極的に関与させる
臨床的視点
れていない1
• 臨床的意義に欠ける部分集団であっ
• 部分集団の分析は、臨床的に差異が
たことが、患者割合に関する公表論文
認められる場合に限定した上で、やむ
が存在しなかった理由でもあった
を得ない場合にのみ実施する
• 患者さんや当該疾病領域の臨床専門
• 社会的、倫理的な考慮および中・長
家を含む複数のステークホルダーによ
期的視点での間接的な経済的効果
る包括的な評価を行う
なども反映できる方法で医薬品の
• 患者さんにとっての利便性などICERに
価値評価が行われていない
社会・倫理的
含まれない価値を十分に考慮する
• 新型コロナウイルス感染症の流行
視点
• 本来の価値評価のための総合的評価(
による社会経済への甚大な影響を
アプレイザル)を実施する3。医師や患
踏まえると、医薬品がもたらす社会
者等が参画してアプレイザルができる
的・倫理的な考慮を価値評価の対
専門組織体制を整備したうえで、企業
象に含めることの重要性は明確2
の意見を聞く機会を設ける
1. 欧州製薬団連合会(EFPIA Japan). (2021, April 20). 費用対効果評価制度に対する提言. http://efpia.jp/link/04202021_EFPIA_Press_Release_Access_Committee_Standby_Statement_J.pdf
2. 相徳泰子. (2021). 3. ワクチン・治療薬の価値評価:COVID-19パンデミックからの学び. 薬剤疫学, 26(1), 71–78.
3. 中医協費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会合同部会. (2019, February 6). 関係業界からの意見聴取について. 厚生労働省.
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000211220_00011.html
3
制度の透明性と一貫性の確保、
科学的妥当性の向上が重要と考えます
EFPIAの提案
現状
記録と 分析前協議の内容が詳細に記録されてお 詳細な議事録の作成と企業への迅速な共有、企業秘
透明性 らず1 、合意事項が不明だった 密が守られた上での議事録公開を通じた透明性確保
• 希少な疾患2に対する医薬品が評価対象品目に選
• 指 定 難 病 等 の 希 少 疾 患 除 外 原 則 の 徹 底
定されており、指定難病等に対する医薬品開発の
(新薬及び既存薬を含む)
意欲が削がれる可能性がある
品目選定
• 希望すれば、企業が類似品目(H5区分)に対する
• 類似品目(H5区分)に対する自動的な価格調整は
費用対効果分析等を実施できる制度への見直し
科学的ではない
• 追加適応に対する費用対効果評価は、追加適応に対
追加適応 する有用性加算が存在しない薬価制度と矛盾する 追加適応に対する費用対効果評価の除外
• 追加適応に対する開発意欲が削がれる可能性がある
企業の分析期間を一律に9カ月とするのは実態 分析前協議が完了する時点で評価対象品目ごとに
分析期間
を反映していない1 企業側の分析期間を調整する制度への見直し
「対象品目の薬理作用等が比較対照技術と著し
価格引き上
薬理作用の一致・不一致等を条件としないドミナント
く異なること」3とするドミナントにおける価格引き
げ条件 による価格引き上げ調整への見直し
上げ調整の条件が科学的ではない
1. 欧州製薬団連合会(EFPIA Japan). (2021, April 20). 費用対効果評価制度に対する提言. http://efpia.jp/link/04202021_EFPIA_Press_Release_Access_Committee_Standby_Statement_J.pdf
2. 費用対効果評価制度では、「治療方法が十分に存在しない稀少な疾患(指定難病、血友病及びHIV感染症)」とされている。https://c2h.niph.go.jp/tools/system/overview_ja.pdf
3. 中医協総会. (2021, February 10). 中医協 総-9 費用対効果評価制度の当面の運用について. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000736552.pdf
4
企業分析は分析枠組みが決定しなければ開始できない
想定外の分析枠組みでは、一律に6カ月で完了することは不可能
企業 分析前協議 保健医療科学院 専門組織
品目選定結果の受領
分析枠組み(企業案)の提出 第1回協議 企業案レビュー
3 企業案の再提示 第2回協議 科学院案の提示
~
6 第3回協議 企業案レビュー
カ
分
月
9 第4回協議
( 析
現 専門組織(i)開催
カ
前
在
月 の 協 【時間を要する背景】 科学院の方針*では、分析前協議は下記のス 内示
ケジュールで行われることが規定されている。
要 議 分析前協議で企業と科学院の間で
間 1. 品目選定から第2回協議:11週間以内
求 1カ月程度を要する
見解の相違が埋まらず、長期間が 2. 第2~3回協議:2週間以内 不服意見
で ) 場合がある
3. 第3~4回協議:2週間以内
経過する場合がある。
4. 第4回協議~枠組み決定:1カ月間程度
求 最終内示
め
分析枠組みの決定
ら
れ
(数カ月)
システマティックレビュー
て
分析枠組みが決まらなければ、
(数カ月) 【時間を要する背景】
い 臨床試験の追加解析 分析作業へ移行できない。
企業側が想定しない分析枠組み、既存の分析モデ
る (数カ月)
ルが存在しない、データの追加的な解析や収集等の
間接比較・ネットワークメタアナリシス
企 必要性が生じた(求められた)場合、追加作業が必
3
(想定外の枠組みの場合、最低1カ月)
~
企 追加的有用性の判断 要となる。(点線赤枠部分)
業
6
業
カ 追加作業の発生有無やその対応に要する時間は、
分 (通常1年)
月 分 分析モデルの作成と妥当性検証
各社が投入できる資源量に大きく依存する。ただし、
析 ( 析
現 (数カ月) 一部作業は同時並行で実施可能な場合もある。
在 の データベースを用いた費用の推計
基本分析以降は、部分集団ごとに作業が発生する。
の 実
(1カ月程度)
要
施 基本分析の実施
求
) (1カ月程度)
感度分析の実施
(1~2カ月)
分析対象集団の患者割合の推定
分析報告書提出から専門組織開催まで
(2カ月以上) 3週間程度を要する場合がある 専門組織(ii)開催
分析報告書(数百ページ)の作成
(企業分析の確認)
*「医薬品・医療機器の費用対効果評価における分析前協議について」<2021.7.6 (一部修正)>; (EFPIA加盟社への聞き取りを基に作成)
https://c2h.niph.go.jp/tools/system/preliminary_consultation.pdf
今後に向けて
日本の患者さんのイノベーションへのアクセスを守るため、医薬品の価
値が適切に評価され、従来の薬価制度を補完するものとしての費用対
効果評価制度が実行されるよう、EFPIAは引き続き日本政府および関係
するステークホルダーと対話を続けていくことを求めます。
患者さんを第一に考え、単に薬剤費の削減だけを目的とするような制度
ではなく1、イノベーションが適切に評価されることを主眼に置いた最適な
医療制度の構築が必要であると考えています2。
中医協で合意された「制度の基本的考え方」で示す対象技術(希少な疾
患を対象としない)と結果活用(保険償還の判断に用いない)の原則3が
守られることが重要と考えています。
1. 平成24年7月18日の中医協費用対効果評価専門部会において、迫井正深医療課企画官(当時)が「費用と効果両方の観点で評価を行うわけですから、単純に費用を削減する、医療費削減をする
というような趣旨での評価ではございませんので、そのことについても明記をさせていただいております」と述べ、費用対効果評価制度の導入にあたっての「制度の基本的考え方」を説明している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002inw5.html
2. 「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針 」(平成 28年 12月 20日)では、「国民皆保険の持続性」と「イノベーションの推進」を両立した上で、「費用対効果の高い薬には薬価を引き上げることを含め
費用対効果評価を本格的に導入すること等により、真に有効な医薬品を適切に見極めてイノベーションを評価し、研究開発投資の促進を図る」とされている。https://www.mhlw.go.jp/file/05-
Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000146567.pdf
3. 中医協費用対効果評価専門部会. (2012, July 18). 中医協 費-2 制度の基本的考え方について. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002f163-att/2r9852000002f1a0.pdf ; 対象
技術に関しては、患者数が少なく、研究開発の費用などを割り返す際に費用が高額とならざるを得ないほか、対象患者が少なく、財政影響は小さいと考えられる希少な疾患を対象としないことで合
意している。結果の活用に関しては、「費用対効果評価の結果のみをもって保険収載の可否や償還価格を判定・評価するものではない。また、費用対効果評価の結果の判定の目安等についても、
一定の柔軟性を持ったものとし、硬直的な運用を避けるものとする。」「費用及び効果の双方の観点からの評価を行うものであり、費用の観点のみの評価を行うものではない。」などとしている。
6
中医協 費-4
3 . 8 . 4
中央社会保険医療協議会
費用対効果評価専門部会
意見陳述資料
2021年8月4日
日本医療機器産業連合会(JFMDA) 日本医療機器テクノロジー協会(MTJAPAN)
米国医療機器・IVD工業会(AMDD) 欧州ビジネス協会(EBC)医療機器・IVD委員会
Ver.1.2
費用対効果評価制度に対する基本的考え
現在の費用対効果評価制度の基本的な枠組みを維持することに賛同する
制度設計を検討するにあたっては医療機器の特性を考慮して頂いたことに感
謝申し上げる
本格導入後、医療機器においては費用対効果評価の実績はないが、今後
対象となった際には医療機器の特性に十分配慮した分析・評価をお願いした
い
そこで医療機器の特性について改めて整理をし、そのうえで制度についての要
望を申し述べたい
2
医療機器の特性に起因する評価上の課題
下記のような評価上の課題は医療機器の特性に起因するものであり、個別
企業の努力で解消することは困難といえる
① ② ③
RCTが少ないため 臨床試験があっても ICERだけでは
エビデンス選定の 被験者数が少ない 評価できない
工夫が必要 患者便益が
重要な場合がある
3
医療機器の特性に起因する評価上の課題
①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要
医療機器では臨床試験を用いて承認された品目自体が少ない
新医療機器と改良医療機器(臨床あり)を合わせて年44~65品目程度で、
–
年100品目を超える新医薬品の半数以下にとどまる
最近のC申請の承認品目では、無作為化比較試験 (RCT) を含む比較試
験を用いて評価されたのは1/4にとどまる
新規承認品目数 C申請承認品のエビデンス
(2020年1月~2021年9月収載)
180
155
160
131
140 126 126
改良医療機器
120 109 3 RCT
(臨床あり)
6
100 2
80 65 新医療機器 比較試験
59 計23件
48 49
60 44
22
18 単群試験
40 10 13 11 新医薬品
20 43 38 36 41 33 12
臨床試験なし
0
H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 R1年度
(2015) (2016) (2017) (2018) (2019)
出所:PMDA 業務実績報告書(令和元年度)数値データ集 出所:中医協資料より作成
4
医療機器の特性に起因する評価上の課題
①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要
RCTが少ないのは医療機器の特性に起因する
手術手技を含む治療では、倫理上の問題からプラセボ対照試験の実施が困難*1
–
手術の場合、試験デザインの工夫により被験者負担を軽減することが困難
•
– 例:上乗せ試験、置き換え試験、早期離脱・レスキュー治療、短期的なプラセボ群設定、
実薬治療のランダム化による中止
比較試験を実施するにはシャム手術(偽手術)*2が必要となる場合があるが、シャム手術のような
•
試験デザインの倫理的妥当性については専門家の間でもコンセンサスを得られていない
低侵襲性等の効果が明確な場合、無作為化すると試験の実施が困難となる
–
患者リクルートや症例集積が困難
•
• 患者の同意が得られなかったり、 【例】
割付後の脱落が多かったりする
現場の医療者からの抵抗が大きい
•
治験審査委員会が承認しない
•
開胸手術と小開胸手術を無作為化すると
患者の同意を得られない
提供:エドワーズライフサイエンス(株)
*1 「プラセボ対照試験の現状と考え方」 PMDA科学委員会 プラセボ対照試験に関する専門部会. 2016年3月9日
*2 シャム手術(偽手術):患部切除や組織再建などの本来なすべき外科的医療行為を行わずに、麻酔と皮膚切開を施す見せかけの手術 5
医療機器の特性に起因する評価上の課題
①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要
医療機器の薬事承認においては臨床試験が求められるとは限らない
物理的作用による効果が明らかな場合は、その作用が実現することが認められればよい
–
• その際、臨床試験の目的は対象となる作用がヒトの体内で実現することの確認であり、類似技術と比べた有用性の
評価ではない
機器を用いた介入の臨床的有用性が確立していれば、臨床試験は求められない
–
• 科学的妥当性の低い臨床試験の実施は倫理的に許容されない
そのため、初期製品にはRCTが実施されても、改良品にはRCTが実施されない
ケースが多い
6
出所:「薬事政策」PMDA方眞美, 東京大学大学院医学系研究科医療経済政策学講座 「医療価値評価の胎動プログラム」, 2018年10月
医療機器の特性に起因する評価上の課題
①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要
臨床評価の必要性は技術によって異なる
コンセプトに対する臨床評価が終了している場合は、非臨床試験で同等性を評価する
–
ヒトにおけるベネフィットが確立している場合は、臨床試験で同等のことを実現できることを確
–
認する
有効性・安全性のデータソースの選定には臨床的な理解が不可欠となる
倫理的に非劣性試験の実施が求められる場合、優越性のエビデンスを作ることはできない
–
ため、優越性を示すエビデンスがないことをもって「追加的有用性がない」とはいえない
7
出所:「薬事政策」PMDA方眞美, 東京大学大学院医学系研究科 医療経済政策学講座「医療価値評価の胎動プログラム」, 2018年10月
医療機器の特性に起因する評価上の課題
①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要
比較試験がなくても、異なるデータの患者背景を合わせるための手法の選択
肢が増えてきており、これらを活用することで比較は可能
【事例】 経皮的僧帽弁クリップ術
2008年CEマーク取得、2013年FDA承認。国内治験(単群試験)を受けて2017年国内承認
–
日本では外科的弁置換術・形成術の危険性が高い、もしくは向いていないと判断された場合が適応対象
–
海外RCTの比較対照群は外科的手術のため、国内の適応(外科的手術困難例)と合致しない
–
保険申請時の費用対効果分析では異なるレジストリの
–
アウトカムをプロペンシティ・スコア・マッチングして比較した
【分析対象】 【比較対照】
僧帽弁クリップ術 薬剤治療
データソース MitraClipレジストリ Dukeデータバンク
有効性・安全性
死亡率 プロペンシティ・スコア・マッチングを用いた論文結果
その他のイベント プロペンシティ・スコア・マッチングを用いて論文と同じ
データを社内で再解析した結果
出所: Sakamaki. 2019. “Cost-effectiveness analysis of percutaneous mitral valve repair with the MitraClipdelivery system for patients with mitral
8
regurgitation in Japan”. https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13696998.2019.1668132
医療機器の特性に起因する評価上の課題
①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要
海外のHTA審査機関は、RCT以外の多様なエビデンスを用いて医療機器の
評価を行っている
RCTが使用された割合は、医薬品では9割超だが医療機器では7割未満
–
非無作為化比較試験や観察研究が使用された割合は、医療機器では
–
医薬品の3倍以上
海外HTAでRCTが使われた割合*1 海外HTAで評価されたエビデンスの種類別件数*1
94% 20 18
100% 17
18
16
80% 67% 14 12 13
12
60% 10 3倍 4.3倍 8
8 6
40% 6 4
3
4 2
1
2
20%
0
RCTs Non-RCTs Observational Evidence Other
0%
studies synthesis
Drug (N = 18) Device (N = 27)
Drug (N = 18) Device (N = 27)
*1 EUの資金によって医療機器のHTAの枠組みを研究するために実施されたMedtecHTAプロジェクトの一環として行われた研究結果。2003年~2014年に報告された心血
管領域の医薬・医療機器に関する技術評価報告書(英文)について検討したもの。
出所:Ciani, O. et al. Linking the Regulatory and Reimbursement Processes for Medical Devices: The Need for Integrated Assessments. Health
9
Econ. 26(Suppl. 1): 13–29 (2017)
医療機器の特性に起因する評価上の課題
①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要
RCTが限られるなかで適切なエビデンス選定を行うには、評価対象技術の臨床実態
の反映と科学的妥当性のバランスを考慮した丁寧な議論が必要
ガイドライン*1 は医療機器の評価における多くの場面で、データの適切性について複雑な判断を
–
求めている
5.2 追加的な有用性を検討する 5.6 単群試験しか存在しない場合 9.1.2 原則としてエビデンスレベルの高いデータ
際・・・RCTのシステマティックレビュー は、・・・(必要であれば)・・・SRを実 の使用を優先すべきであるが、研究の質や分析
を実施し・・・ 施・・・ における対象集団、結果の外的妥当性等を勘
案して適切なものを使用することを推奨する。
5.3 ・・・適切なものが存在しない (例:RCTの結果が、実際の臨床成績と大きく
場合、・・・非RCT(観察研究等)の 5.6.1 ・・・この場合の追加的有用 乖離している可能性があるなど)
SRを実施し・・・ 性の評価については、医療技術や疾
患の性質、患者背景、研究の質等
に依存する・・・ 9.4 医療機器等の評価において、科学的に
5.4 より信頼性の高い結果が得ら
信頼できる定量的なデータがある場合は、・・・い
れると考えられる場合・・・既存の観察
わゆる習熟効果(経験の蓄積による治療効果等
研究やレジストリーデータなどを再解
の改善)や製品改良による効果を反映した分析
析・・・
をあわせて提出してもよい。
臨床実態を適切に反映した評価を行うためには、対象技術に深い洞察・経験を持つ
臨床専門家を費用対効果評価のプロセスに含めることが必要となる
医療機器の使用には医師や施設の技術の習熟が必要なため、技術の普及に時間がかかる
–
新規性の高い医療機器の場合、対象技術を実施している施設や医師が限られるため、同じ
–
領域の臨床専門家であっても経験に基づく評価ができるとは限らない
*1 中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の分析ガイドライン 第2版
10
医療機器の特性に起因する評価上の課題
②臨床試験があっても被験者数が少ない
医療機器の場合、臨床試験の被験者数は医薬品と比べて極めて少ない
海外HTA審査機関が評価に使用した研究の被験者数
–
RCT:医薬品の1/2以下
•
非無作為化比較試験:医薬品の1/5以下
•
観察研究:医薬品の1/10以下
•
海外HTAで評価されたエビデンスの被験者数
(2003~2014年の心血管領域の医療技術に関する報告の中央値)
P=0.51
10,000
7,636
8,000
P=0.18
P=0.23
6,000
4,917
4,203
4,000
1,482
2,000 836 646
0
RCTs Non-RCTs Observational studies
Drug (N = 18) Device (N = 27)
出所:Ciani, O. et al. Linking the Regulatory and Reimbursement Processes for Medical Devices: The Need for Integrated Assessments. Health
11
Econ. 26(Suppl. 1): 13–29 (2017)
医療機器の特性に起因する評価上の課題
②臨床試験があっても被験者数が少ない
植込み機器の場合、試験から離脱して既存技術に交換することによる患者
の不利益が大きいため、試験への参加を得られにくい
【事例】 脳深部刺激装置 (DBS)
薬物治療によるコントロールが困難になってから、DBSを導入することが定められている
–
国内での新規植え込みは年間700~800例程度
–
医療機器の使用タイミングは新規植え込み時のみで、効果がないとしても再手術は困難
–
直近で機能区分が新設された事例においても10例のシングルアーム試験で評価
–
出所:大島2014. パーキンソン病に対
する脳深部刺激療法. 日大医誌
試験全体の被験者数が少なく、サブグループ解析が有用とならない可能性が
あるため、サブグループ解析の実施については慎重な検討が必要
12
医療機器の特性に起因する評価上の課題
③ ICERだけでは評価できない患者便益が重要な場合がある
医療機器による患者のベネフィットはQALYには十分に反映されない
医療機器の大きな特徴の一つに、カテーテル治療等の低侵襲性がある
–
• 侵襲部位が限られる • 麻酔が軽い • 入院期間が短い
• 痛みが少ない • 治療への恐怖が少ない • 社会復帰が早い
• 手術時間が短い • 術後の回復が早い • 傷跡が目立たない など
しかし、低侵襲性のベネフィットは手術後の数週間で通常消失するため、QALYに
–
与えるインパクトが極めて小さい
低侵襲性は、医療費の減少ならびに短期的な痛みや不安の低下等としてICERに反映されるが、
•
「手術の恐怖」「休業・体力低下等による経済負担の増加」「スポーツができないことによるアイデン
ティティ喪失や機会損失」「傷跡のコンプレックス」などが軽減されることによる身体・精神・生活上のベ
ネフィットは、QALYには十分に反映されない
将来的な課題として総合的評価での配慮が望まれる
ICERに過度に依存する現在の評価体系では、医療技術のもつ多面的な価値を
–
反映するのが困難
医薬品の事例における、処方間隔の延長に対する評価と同様の課題と思料される
•
ほかにも、廃棄物の削減、医療従事者の負担軽減、医師の技術の均てん化など
•
13
医療機器の特性に起因する評価上の課題
③ ICERだけでは評価できない患者便益が重要な場合がある
早期退院などの短期的な身体的負担や生活上の負担の軽減は長期的な
QALYにほとんど反映されない
【事例】 リード一体型ペースメーカ
本体を皮下に植え込むのではなく、カテーテルを用いて、直接右心室内に留置
–
ICERへの反映が可能 QALY(ならびにICER)への反映が困難
植込み後12 ヶ月時点での主要合併症の 早期退院により休業期間を短縮できる
発生率が既存品と比較して63%減少
腕の可動域が広いため運動面の制約がない
早期退院により医療費が減少
皮下のリードがないため美容面の苦痛を軽減
平均入院日数 できる
• 既存のペースメーカ 9.5日*1
• リード一体型ペースメーカ 5.1日*2
*1 第21回日本不整脈学会学術大会抄録 P14 胸郭外穿刺導入後のペースメーカ植込み術における院内合併症の検討
*2 Soejima K, Asano T, Ishikawa T, Kusano K, Sato T, Okamura H, Matsumoto K, Taguchi W, Stromberg K, Lande J, Kobayashi Y; Micra
Transcatheter Pacing Study Group. Performance of Leadless Pacemaker in Japanese Patients vs. Rest of the World - Results From a Global
14
Clinical Trial. Circ J. 2017 Oct 25;81(11):1589-1595. doi: 10.1253/circj.CJ-17-0259. Epub 2017 May 30. PMID: 28566657.
医療機器の特性に起因する評価上の課題
③ ICERだけでは評価できない患者便益が重要な場合がある
中期的課題として、ICERに反映されない患者便益を考慮した評価が必要
英国NICEにおいて、QALYでは捉えきれない多様な価値を評価する場合は、
–
その評価方法としてCost-Consequence Analysis (CCA:費用結果分析) の活用が推奨されている
費用結果分析の利点(抜粋) 費用結果分析の難点(抜粋)
• 介入に係る費用と多様なアウトカムを明確に示すことができる • 全てのアウトカムを捕捉することが困難
• 様々な医療および医療以外の便益をもち、QALYなどの共通 • 意思決定のために使うには、介入による
指標で測定することが困難な介入の評価に適している アウトカムを金銭価値で示すための仕組みを
作る必要がある
例えば、「比較対照技術に比してQALYによる増分は認められないが、CCAによる分析では相対的に高い
–
価値を有すると認められる品目」について総合的評価で閾値等の変更を行う、などが考えられる
【事例】 職場での腰痛対策としてのヨガプログラムの費用結果分析(6カ月フォローアップ)のバランスシート
• セルフケアと比べ、ヨガプログラムの費用はシナリオ2では安く、効果は腰痛を削減し幸福度とQOLを改善した
シナリオ1 シナリオ2
費用 (£) (プログラム料金£91/回の場合) (プログラム料金£64/回の場合)
企業によるヨガプログラム提供 67.98 50.93
社員によるセルフケア 67.27 67.27
両群間の平均値の差 0.71 -16.34
腰痛 腰痛 幸福度 健康QOL
結果
(RDQ) (Keele) (WHO-5) (EQ5D-5L)
セルフケアと比べたヨガプログラムの効果 -0.93 -0.51 1.32 0.038
(両群間の平均値の差)
p-value p=0.196 p=0.071 p=0.132 p=0.323
出所:Applied Health Economics for Public Health Practice and Research. Edited by Rhiannon Tudor Edwards and Emma McIntosh. Mar 2019
15
Chapter 10: Cost–consequence analysis of public health interventions. Ned Hartfieland Rhiannon T. Edwards
課題解決のための対応
これらの評価上の課題を解決するには以下の対応が必要と考える
① ② ③
RCTが少ないため 臨床試験があっても ICERだけでは
エビデンス選定の 被験者数が少ない 評価できない
工夫が必要 患者便益が
重要な場合がある
エビデンスレベルと臨床実態の サブグループ解析の ICERに反映されない
バランスが重要となるため、 実施について 患者便益を考慮した
対象技術に深い洞察・経験を 慎重な検討が必要 評価が必要
持つ臨床専門家を交えた (中期的課題)
丁寧な議論が必要
16
費用対効果評価制度に対する要望
現在の費用対効果評価制度の基本的な枠組みを維持しながら、医療機器の特
性に起因する課題に対処するため、以下の改善を希望する
分析の枠組みの検討、分析結果の検討および総合的評価において、疾患・手技・製
–
品に固有の事情を踏まえた分析を行うため、対象技術に深い洞察・経験を持つ臨床
専門家を専門組織に交えた丁寧な議論をお願いしたい
固有の事情を踏まえた丁寧な議論を行ったことで、分析の枠組みの検討に時間を要し
–
た場合、企業分析の期間が極端に短くなることがないよう、分析期間の設定に配慮し
ていただきたい
分析期間の不必要な延長を予防する観点から、個別事情により分析・評価が複雑に
–
なることが想定される品目については、選定前相談を活用させていただきたい
専門組織の意見書に対する見解
評価終了後の新たな知見としては、専門組織において再評価の可能性について議論
されたもののほかに、企業が新たに研究を実施して得られるものも想定されることから、
再評価の要否を国立保健医療科学院による調査・レビュー等に基づくものに限定せず
に、企業の申請に基づく再評価も認めていただきたい
将来的には、総合的評価においてICER以外の多様な観点を評価に反映してい
ただきたい
17
別添
Ⅰ. 費用対効果評価専門組織意見書に対する
医療機器業界の見解
Ⅱ. 項目別意見一覧
18
Ⅰ. 費用対効果評価専門組織意見書に対する
医療機器業界の見解(全体像)
意見書の項目 見解の件数
1 専門組織における検討に要する期間について 2件
2 専門組織における検討内容について 3件
3 患者割合に係るデータの取扱いと公表について 3件
4 分析対象集団の一部が分析不能とされた場合の取扱いについて 1件
5 分析期間超過時の価格調整における取扱いについて 1件
6 効能追加時の取扱い 1件
7 評価終了後の再評価のプロセスについて 1件
19
費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解
① 専門組織(i)で決定した分析の枠組みが企業が想定していた分析と大きく
異なるようなケースでは、分析前協議に長期間を要することが想定されるが、
分析の枠組みに基づく企業分析に必要な期間は変わらない。そのような場合は、
企業分析期間が標準的期間(9か月)を超える可能性があることをご理解
(1)
いただきたい。
専門組織における
検討に要する期間 一般的な企業分析期間の内訳(計6カ月)
について • SLR計画に1か月
• モデル検討・臨床専門家との検討に1か月
• モデル構築に1か月
• SLR実施にさらに2か月(計4か月のうち2か月は前工程と併行実施)
• 臨床専門家との検討に1か月
20
費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解
① 専門組織(ii)においては、企業分析結果と公的分析からの検証結果の確
認ならびに再分析に対する指摘や追加分析の検討が同時に行われるようにな
ると思料する。医療機器の特性を踏まえると、非劣性試験や観察試験の適否
などの臨床的背景を含めた議論において、企業と公的分析で見解の相違を生
じる可能性がある。そのため専門組織(ii)においては、企業分析結果に対す
る公的分析からの検証結果を確認するだけでなく、公的分析からの検証結果
に対する対象技術に詳しい臨床専門家の見解も確認いただきたい。
② 専門組織(iii)においては、公的分析(再分析、および追加分析を実施した
場合は追加分析)の結果を確認したうえで、価格調整における配慮の要否や
(2) 分析不能の取扱い等を含めた総合的評価を実施するものと思料する。専門組
専門組織における 織(ii)において企業と公的分析で見解の相違があった場合は、専門組織
検討内容について (iii)における議論が複雑になることが想定されることから、専門組織(iii)に
おいても、公的分析結果に対して対象技術に詳しい臨床専門家が見解を述
べる機会を確保していただきたい。
医療機器の特性については
p.5, 6, 7, 10を参照
③ なお企業による評価への関与の事例として、英国NICEにおける制度運用が挙
げられているが、英国の場合はAppraisal committeeやMedical
technologies advisory committeeのメンバーに医療従事者や医療経済
研究者とともに製薬・医療機器業界の代表が含まれており、対象企業ではない
ものの企業の視点を反映することが企図されているものと思料する。
21
費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解
① 分析対象集団によっては、患者割合に係るデータとして企業による調査研究し
か存在しない場合が想定される。データを公表することで競争優位を損なうこと
になると、費用対効果評価制度の趣旨を超えた不利益を生じることから、公表
が困難となることをご理解いただきたい。
(3)
患者割合に係る ② 患者割合の算出方法について、疾患によっては国内における疫学的データが十
データの取扱いと 分ではないことから、対象集団ごとの患者割合を推計で算出せざるを得ない場
公表について 合がある。企業と公的分析で見解が異なる可能性があるため、推計方法につ
いて十分な議論を可能とするよう配慮いただきたい。
③ 一方で、分析枠組みの検討段階で、可能な限り公表データのある患者集団
を設定することもご検討いただきたい。
① 医療機器では臨床試験がないなどの理由から、分析対象集団における分析対
(4)
象技術と比較対照技術のデータが不足し、将来的にも収集が困難なケースが
分析対象集団の
出てくることが想定される。分析対象集団の一部または全体について分析不能
一部が分析不能と
とされたことをもって、全体の評価に不利な影響を及ぼすことがないようご配慮
された場合の
いただきたい。
取扱いについて
22
費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解
① 医療機器ではまだ事例がなく、医薬において妥当とされる分析方法が医療機
(5)
器では必ずしも実施可能とは限らないことから、公的分析および専門組織にお
分析期間超過時の
ける企業説明ならびに協議に要する期間が、医薬における実績を大きく超える
価格調整における
可能性がある。このため分析期間の妥当性を検討する際は、医療機器の特
取扱いについて
性を十分に考慮していただきたい。
① 効能追加等に係る分析の枠組みが、進行中の分析の枠組みと大きく異なる場
(6) 合、追加分析期間が極端に短いと、内部人員や外部コンサルタントに過度な
効能追加時の 作業を要求することとなり、働き方改革に逆行しかねないことから、分析枠組み
取扱いについて の決定タイミングによっては、企業分析期間が標準的期間(9か月)を超え
る可能性があることをご理解いただきたい。
① 評価終了後の新たな知見としては、専門組織において再評価の可能性につい
(7)
て議論されたもののほかに、企業が新たに研究を実施して得られるものも想定さ
評価終了後の
れる。再評価の要否については、国立保健医療科学院による調査・レビュー等
再評価のプロセス
に基づくものだけでなく、企業の申請に基づくものも含めていただきたい。
について
23
費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解
(8) ① 集団の規模が小さくなる場合の対応については、集団として独立させたうえで
分析対象集団の 「分析不能」とするケースと、他の集団の一部として分析するケースが想定される
規模が小さくなる が、国内臨床実態の反映と利用可能なエビデンスのバランスを十分に考慮して
場合の取扱いに 決定いただきたい。
ついて
① 優越性を示す臨床試験が存在しない場合に、「追加的有用性がない」と判
(9)
断すべきかについては、慎重にご検討いただきたい。医療機器では臨床試験を
比較対照技術に
実施しない場合があり、実施しても単群試験や非劣性試験が多いことから、類
対し効果は同等で
似技術に対する優越性を、統計的有意差をもって示せるケースが限定的であ
あり、かつ費用が
ることをご理解いただきたい。
増加するもの
(費用増加)の
取扱いについて
24
Ⅱ. 項目別意見(全体像)
要望の区分
要望の概要
(新規/再掲/賛同)※
A. 制度の枠組み
A-1. 制度の活用対象 賛同1件
A-2. 対象品目の選定 賛同1件・再掲2件
A-3. 適切な分析期間の設定 新規2件
A-4. 効能追加時の取扱い 新規1件
A-5. 分析不能とされた場合の取扱い 新規1件・再掲1件
A-6. データの公表 新規1件
B. 分析のプロセス・枠組み・手法
B-1. 適切な分析対象集団の設定 新規1件
B-2. 患者割合の算出 新規2件
B-3. 分析のプロセス 追記1件・再掲1件
B-4. 医療機器の特性を踏まえた分析 再掲2件・新規1件
C. 価格調整
C-1. 価格調整の対象・範囲 賛同1件
C-2. 価格調整率 再掲1件
C-3. 比較対照技術に対して費用が削減される品目等への対応 再掲1件
※ 要望区分の定義は以下の通り。 「追記」: 2019年2月の意見陳述の記述に一部追記したもの
「新規」:本格導入以降に実施された医薬品における費用対効果評価の 「賛同」:現制度の趣旨に賛同するもの
実例を踏まえ、医療機器にも重要な示唆があるもの
「再掲」:2019年2月の意見陳述に含まれるもの 25
A. 制度の枠組み
A-1. 賛同• 保険償還の可否に用いない。
制度の
活用対象
• 医療保険財政の影響度から医薬品、医療機器を同一基準で、市場規模が
賛同
一定程度を超える製品を対象とする。
• 除外基準に関しては、以下に該当する品目についても、費用対効果評価制度
再掲
の趣旨に鑑み、選定対象から除外することが適当と考える。
– 稀少疾病用医療機器
– 稀少疾病用再生医療等製品
A-2. – 「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」における選定品目
対象品目の – 革新的医療機器条件付早期承認制度」の対象品目
選定 – 条件及び期限付承認を受けた再生医療等製品
• H5区分(同一機能区分)については、費用対効果評価の分析は行わず、
再掲
代表品目に準じた価格調整を行うこととなっているが、チャレンジ申請と同様、
希望に応じて評価を行い、異なる費用対効果評価の結果が出た場合は、新た
な機能区分が設定されるようにして頂きたい。
(ペースメーカーの電池寿命の差により再手術の頻度が低くなるなど、同一機
能区分の製品であっても費用対効果が異なる場合があるため)
26
A. 制度の枠組み
• 医療機器の特性から、臨床実態やエビデンスの限界の認識について企業と公
新規
的分析班で見解が異なるケースが想定され、その場合は分析の枠組みの検討
A-3.
に臨床専門家を交えた丁寧な議論が必要となることから、各期間については、
適切な
個別事情に応じて柔軟に検討いただきたい。
分析期間の
設定 • 分析期間の不必要な延長を予防する観点から、個別事情により分析・評価が
新規
複雑になることが想定される品目については、選定前相談を活用させていただき
たい。
新規• 効能追加等に係る分析の枠組みが、進行中の分析の枠組みと大きく異なる場
A-4. 合、追加分析期間が極端に短いと、内部人員や外部コンサルタントに過度な
効能追加時の 作業を要求することとなり、働き方改革に逆行しかねないことから、分析枠組み
取扱い の決定タイミングによっては、企業分析期間が標準的期間(9か月)を超え
る可能性があることをご理解いただきたい。
27
A. 制度の枠組み
① 医療機器では臨床試験がないなどの理由から、分析対象集団における分析対
新規
象技術と比較対照技術のデータが不足し、将来的にも収集が困難なケースが
出てくることが想定される。分析対象集団の一部または全体について分析不能
A-5.
とされたことをもって、全体の評価に不利な影響を及ぼすことがないようご配慮
分析不能と
いただきたい。
された場合の
取扱い
• 著しく単価は高いが症例が少ない品目などでは、必要なデータが得られないこと
再掲
も想定されるため、追加で取得するデータや分析方法、分析期間等について
柔軟に判断頂きたい。
① 分析対象集団によっては、患者割合に係るデータとして企業による調査研究し
新規
A-6.
か存在しない場合が想定される。データを公表することで競争優位を損なうこと
データの
になると、費用対効果評価制度の趣旨を超えた不利益を生じることから、公表
公表
が困難となることをご理解いただきたい。
28
B. 分析プロセス・枠組み・手法
新規• 新規性の高い医療技術の場合、当該製品を使用したデータは企業が実施した
臨床試験に限られることも多いが、そのような製品について、臨床試験の主要
B-1.
評価項目と異なる分析対象集団を複数設定して対象集団ごとのサブ解析を
適切な
実施すると、サンプルサイズが小さすぎて統計的有意差が出ない、他製品の
分析対象集団
研究を用いざるをえないなど、不確実性を増すこととなる。分析対象集団の設
の設定
定にあたっては、国内臨床実態の反映と利用可能なエビデンスのバランスを十
分に考慮いただきたい。
• 患者割合の算出方法について、疾患によっては国内における疫学的データが十
新規
分ではないことがあるため、対象集団ごとの患者割合を推計で算出せざるを得
B-2.
ない場合がある。企業と公的分析で見解が異なる可能性があるため、推計方
患者割合の
法について十分な議論を可能とするよう配慮いただきたい。
算出
• 一方で、分析枠組みの検討段階で、可能な限り公表データのある患者集団を
新規
設定することもご検討いただきたい。
• 限られた分析期間でもスムーズに進められるよう、企業または国立保健医療科
追記
学院の何れかが必要と判断した場合、両者の分析前協議に、対象技術に詳
B-3.
しい臨床専門家が初回から陪席することを可能として頂きたい。
分析の
プロセス • ガイドラインにおいてレセプトのデータベース使用が推奨されていることから、C2H
再掲
と企業によるNDBの共同利用を可能として頂きたい。
29
B. 分析プロセス・枠組み・手法
• 分析手法については、以下のような医療機器の特性等を踏まえて引き続き検
再掲
討頂くと共に、品目の特性を考慮した柔軟な対応を検討頂きたい。
– RCTが倫理的に困難である等の理由により、有効性・安全性データが十
分に得られない場合が多い。
– 製品と医療従事者のスキル等が融合して医療技術となるため、医療機
器のみによる効果を定めにくい。(習熟に時間がかかる/製品改良による
臨床的違いが分かりにくい)
• 特に医療機器では、以下の理由から分析の枠組みの検討が複雑となることが
B-4. 再掲
予想されることから、臨床的な見地から意見が不可欠である。
医療機器の
特性を踏まえた – RCTが存在しないことが多く、非RCTを採用するか、既存の観察研究や
分析 レジストリーデータなどを再解析するか、などの検討が必要
– RCTが存在しても、習熟効果や製品改良効果により、RCTが臨床実態を
反映していない場合があり、どのように臨床実態を反映させるか、などの
検討が必要
• 優越性を示す臨床試験が存在しない場合に、「追加的有用性がない」と判
新規
断すべきかについては、慎重にご検討いただきたい。医療機器では臨床試験を
実施しない場合があり、実施しても単群試験や非劣性試験が多いことから、類
似技術に対する優越性を、統計的有意差をもって示せるケースが限定的であ
ることをご理解いただきたい。
30
C. 価格調整
C-1. • 材料価格制度を補完する観点から、有用性系加算(※)が算定された品目
賛同
価格調整の を対象とし、有用性系加算部分を価格調整範囲とする。
対象・範囲 ※ 画期性加算、有用性加算、改良加算(ハ)
• 比較対照技術に対して費用が削減される品目(ICERが算出不能な品目)
再掲
等への対応に関し、価格引上げを行う条件として、ドミナント等に加えて、ICER
200万円/QALY未満の場合とすることに賛同するが、「別に定める条件」として
C-2. 設定されている「impact factor 15.0を超える学術誌」、「日本人を含むアジ
比較対照技術 ア人を対象にした集団」の条件について、以下の理由から、より適切な条件の
に対して費用が 設定を検討いただきたい。
削減される
– impact factorと臨床試験の妥当性は直接関連するものではない
品目等への
– 人種差が臨床試験結果に影響しない品目においても新たな試験が必要になる
対応
– 医療機器は外科系で用いられる製品も多く、外科系の学術誌ではimpact factor
15.0に満たない領域もある。(やむを得ずimpact factorを条件に入れるのであれ
ば、領域別に上位5誌とするなど)
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。