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費用対効果評価専門部会 第57回 / 2021-10-15 開催 / 31ページ

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中 医 協 費 - 4 中医協 費-1 参考3-4 3 . 8 . 4 3 . 1 0 . 1 5 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 意見陳述資料 2021年8月4日 日本医療機器産業連合会(JFMDA) 日本医療機器テクノロジー協会(MTJAPAN) 米国医療機器・IVD工業会(AMDD) 欧州ビジネス協会(EBC)医療機器・IVD委員会 Ver.1.2 1 費用対効果評価制度に対する基本的考え 現在の費用対効果評価制度の基本的な枠組みを維持することに賛同する  制度設計を検討するにあたっては医療機器の特性を考慮して頂いたことに感  謝申し上げる 本格導入後、医療機器においては費用対効果評価の実績はないが、今後  対象となった際には医療機器の特性に十分配慮した分析・評価をお願いした い そこで医療機器の特性について改めて整理をし、そのうえで制度についての要  望を申し述べたい 2 医療機器の特性に起因する評価上の課題 下記のような評価上の課題は医療機器の特性に起因するものであり、個別  企業の努力で解消することは困難といえる ① ② ③ RCTが少ないため 臨床試験があっても ICERだけでは エビデンス選定の 被験者数が少ない 評価できない 工夫が必要 患者便益が 重要な場合がある 3 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要 医療機器では臨床試験を用いて承認された品目自体が少ない  新医療機器と改良医療機器(臨床あり)を合わせて年44~65品目程度で、 – 年100品目を超える新医薬品の半数以下にとどまる 最近のC申請の承認品目では、無作為化比較試験 (RCT) を含む比較試  験を用いて評価されたのは1/4にとどまる 新規承認品目数 C申請承認品のエビデンス (2020年1月~2021年9月収載) 180 155 160 131 140 126 126 改良医療機器 120 109 3 RCT (臨床あり) 6 100 2 80 65 新医療機器 比較試験 59 計23件 48 49 60 44 22 18 単群試験 40 10 13 11 新医薬品 20 43 38 36 41 33 12 臨床試験なし 0 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 R1年度 (2015) (2016) (2017) (2018) (2019) 出所:PMDA 業務実績報告書(令和元年度)数値データ集 出所:中医協資料より作成 4 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要 RCTが少ないのは医療機器の特性に起因する  手術手技を含む治療では、倫理上の問題からプラセボ対照試験の実施が困難*1 – 手術の場合、試験デザインの工夫により被験者負担を軽減することが困難 • – 例:上乗せ試験、置き換え試験、早期離脱・レスキュー治療、短期的なプラセボ群設定、 実薬治療のランダム化による中止 比較試験を実施するにはシャム手術(偽手術)*2が必要となる場合があるが、シャム手術のような • 試験デザインの倫理的妥当性については専門家の間でもコンセンサスを得られていない 低侵襲性等の効果が明確な場合、無作為化すると試験の実施が困難となる – 患者リクルートや症例集積が困難 • • 患者の同意が得られなかったり、 【例】 割付後の脱落が多かったりする 現場の医療者からの抵抗が大きい • 治験審査委員会が承認しない • 開胸手術と小開胸手術を無作為化すると 患者の同意を得られない 提供:エドワーズライフサイエンス(株) *1 「プラセボ対照試験の現状と考え方」 PMDA科学委員会 プラセボ対照試験に関する専門部会. 2016年3月9日 *2 シャム手術(偽手術):患部切除や組織再建などの本来なすべき外科的医療行為を行わずに、麻酔と皮膚切開を施す見せかけの手術 5 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要 医療機器の薬事承認においては臨床試験が求められるとは限らない  物理的作用による効果が明らかな場合は、その作用が実現することが認められればよい – • その際、臨床試験の目的は対象となる作用がヒトの体内で実現することの確認であり、類似技術と比べた有用性の 評価ではない 機器を用いた介入の臨床的有用性が確立していれば、臨床試験は求められない – • 科学的妥当性の低い臨床試験の実施は倫理的に許容されない そのため、初期製品にはRCTが実施されても、改良品にはRCTが実施されない  ケースが多い 6 出所:「薬事政策」PMDA方眞美, 東京大学大学院医学系研究科医療経済政策学講座 「医療価値評価の胎動プログラム」, 2018年10月 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要 臨床評価の必要性は技術によって異なる  コンセプトに対する臨床評価が終了している場合は、非臨床試験で同等性を評価する – ヒトにおけるベネフィットが確立している場合は、臨床試験で同等のことを実現できることを確 – 認する 有効性・安全性のデータソースの選定には臨床的な理解が不可欠となる  倫理的に非劣性試験の実施が求められる場合、優越性のエビデンスを作ることはできない – ため、優越性を示すエビデンスがないことをもって「追加的有用性がない」とはいえない 7 出所:「薬事政策」PMDA方眞美, 東京大学大学院医学系研究科 医療経済政策学講座「医療価値評価の胎動プログラム」, 2018年10月 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要 比較試験がなくても、異なるデータの患者背景を合わせるための手法の選択  肢が増えてきており、これらを活用することで比較は可能 【事例】 経皮的僧帽弁クリップ術 2008年CEマーク取得、2013年FDA承認。国内治験(単群試験)を受けて2017年国内承認 – 日本では外科的弁置換術・形成術の危険性が高い、もしくは向いていないと判断された場合が適応対象 – 海外RCTの比較対照群は外科的手術のため、国内の適応(外科的手術困難例)と合致しない – 保険申請時の費用対効果分析では異なるレジストリの – アウトカムをプロペンシティ・スコア・マッチングして比較した 【分析対象】 【比較対照】 僧帽弁クリップ術 薬剤治療 データソース MitraClipレジストリ Dukeデータバンク 有効性・安全性 死亡率 プロペンシティ・スコア・マッチングを用いた論文結果 その他のイベント プロペンシティ・スコア・マッチングを用いて論文と同じ データを社内で再解析した結果 出所: Sakamaki. 2019. “Cost-effectiveness analysis of percutaneous mitral valve repair with the MitraClipdelivery system for patients with mitral 8 regurgitation in Japan”. https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13696998.2019.1668132 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要 海外のHTA審査機関は、RCT以外の多様なエビデンスを用いて医療機器の  評価を行っている RCTが使用された割合は、医薬品では9割超だが医療機器では7割未満 – 非無作為化比較試験や観察研究が使用された割合は、医療機器では – 医薬品の3倍以上 海外HTAでRCTが使われた割合*1 海外HTAで評価されたエビデンスの種類別件数*1 94% 20 18 100% 17 18 16 80% 67% 14 12 13 12 60% 10 3倍 4.3倍 8 8 6 40% 6 4 3 4 2 1 2 20% 0 RCTs Non-RCTs Observational Evidence Other 0% studies synthesis Drug (N = 18) Device (N = 27) Drug (N = 18) Device (N = 27) *1 EUの資金によって医療機器のHTAの枠組みを研究するために実施されたMedtecHTAプロジェクトの一環として行われた研究結果。2003年~2014年に報告された心血 管領域の医薬・医療機器に関する技術評価報告書(英文)について検討したもの。 出所:Ciani, O. et al. Linking the Regulatory and Reimbursement Processes for Medical Devices: The Need for Integrated Assessments. Health 9 Econ. 26(Suppl. 1): 13–29 (2017) 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ①RCTが少ないためエビデンス選定の工夫が必要 RCTが限られるなかで適切なエビデンス選定を行うには、評価対象技術の臨床実態  の反映と科学的妥当性のバランスを考慮した丁寧な議論が必要 ガイドライン*1 は医療機器の評価における多くの場面で、データの適切性について複雑な判断を – 求めている 5.2 追加的な有用性を検討する 5.6 単群試験しか存在しない場合 9.1.2 原則としてエビデンスレベルの高いデータ 際・・・RCTのシステマティックレビュー は、・・・(必要であれば)・・・SRを実 の使用を優先すべきであるが、研究の質や分析 を実施し・・・ 施・・・ における対象集団、結果の外的妥当性等を勘 案して適切なものを使用することを推奨する。 5.3 ・・・適切なものが存在しない (例:RCTの結果が、実際の臨床成績と大きく 場合、・・・非RCT(観察研究等)の 5.6.1 ・・・この場合の追加的有用 乖離している可能性があるなど) SRを実施し・・・ 性の評価については、医療技術や疾 患の性質、患者背景、研究の質等 に依存する・・・ 9.4 医療機器等の評価において、科学的に 5.4 より信頼性の高い結果が得ら 信頼できる定量的なデータがある場合は、・・・い れると考えられる場合・・・既存の観察 わゆる習熟効果(経験の蓄積による治療効果等 研究やレジストリーデータなどを再解 の改善)や製品改良による効果を反映した分析 析・・・ をあわせて提出してもよい。 臨床実態を適切に反映した評価を行うためには、対象技術に深い洞察・経験を持つ  臨床専門家を費用対効果評価のプロセスに含めることが必要となる 医療機器の使用には医師や施設の技術の習熟が必要なため、技術の普及に時間がかかる – 新規性の高い医療機器の場合、対象技術を実施している施設や医師が限られるため、同じ – 領域の臨床専門家であっても経験に基づく評価ができるとは限らない *1 中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の分析ガイドライン 第2版 10 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ②臨床試験があっても被験者数が少ない 医療機器の場合、臨床試験の被験者数は医薬品と比べて極めて少ない  海外HTA審査機関が評価に使用した研究の被験者数 – RCT:医薬品の1/2以下 • 非無作為化比較試験:医薬品の1/5以下 • 観察研究:医薬品の1/10以下 • 海外HTAで評価されたエビデンスの被験者数 (2003~2014年の心血管領域の医療技術に関する報告の中央値) P=0.51 10,000 7,636 8,000 P=0.18 P=0.23 6,000 4,917 4,203 4,000 1,482 2,000 836 646 0 RCTs Non-RCTs Observational studies Drug (N = 18) Device (N = 27) 出所:Ciani, O. et al. Linking the Regulatory and Reimbursement Processes for Medical Devices: The Need for Integrated Assessments. Health 11 Econ. 26(Suppl. 1): 13–29 (2017) 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ②臨床試験があっても被験者数が少ない 植込み機器の場合、試験から離脱して既存技術に交換することによる患者  の不利益が大きいため、試験への参加を得られにくい 【事例】 脳深部刺激装置 (DBS) 薬物治療によるコントロールが困難になってから、DBSを導入することが定められている – 国内での新規植え込みは年間700~800例程度 – 医療機器の使用タイミングは新規植え込み時のみで、効果がないとしても再手術は困難 – 直近で機能区分が新設された事例においても10例のシングルアーム試験で評価 – 出所:大島2014. パーキンソン病に対 する脳深部刺激療法. 日大医誌 試験全体の被験者数が少なく、サブグループ解析が有用とならない可能性が  あるため、サブグループ解析の実施については慎重な検討が必要 12 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ③ ICERだけでは評価できない患者便益が重要な場合がある 医療機器による患者のベネフィットはQALYには十分に反映されない  医療機器の大きな特徴の一つに、カテーテル治療等の低侵襲性がある – • 侵襲部位が限られる • 麻酔が軽い • 入院期間が短い • 痛みが少ない • 治療への恐怖が少ない • 社会復帰が早い • 手術時間が短い • 術後の回復が早い • 傷跡が目立たない など しかし、低侵襲性のベネフィットは手術後の数週間で通常消失するため、QALYに – 与えるインパクトが極めて小さい 低侵襲性は、医療費の減少ならびに短期的な痛みや不安の低下等としてICERに反映されるが、 • 「手術の恐怖」「休業・体力低下等による経済負担の増加」「スポーツができないことによるアイデン ティティ喪失や機会損失」「傷跡のコンプレックス」などが軽減されることによる身体・精神・生活上のベ ネフィットは、QALYには十分に反映されない 将来的な課題として総合的評価での配慮が望まれる  ICERに過度に依存する現在の評価体系では、医療技術のもつ多面的な価値を – 反映するのが困難 医薬品の事例における、処方間隔の延長に対する評価と同様の課題と思料される • ほかにも、廃棄物の削減、医療従事者の負担軽減、医師の技術の均てん化など • 13 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ③ ICERだけでは評価できない患者便益が重要な場合がある 早期退院などの短期的な身体的負担や生活上の負担の軽減は長期的な  QALYにほとんど反映されない 【事例】 リード一体型ペースメーカ 本体を皮下に植え込むのではなく、カテーテルを用いて、直接右心室内に留置 – ICERへの反映が可能 QALY(ならびにICER)への反映が困難   植込み後12 ヶ月時点での主要合併症の 早期退院により休業期間を短縮できる   発生率が既存品と比較して63%減少 腕の可動域が広いため運動面の制約がない  早期退院により医療費が減少  皮下のリードがないため美容面の苦痛を軽減  平均入院日数 できる • 既存のペースメーカ 9.5日*1 • リード一体型ペースメーカ 5.1日*2 *1 第21回日本不整脈学会学術大会抄録 P14 胸郭外穿刺導入後のペースメーカ植込み術における院内合併症の検討 *2 Soejima K, Asano T, Ishikawa T, Kusano K, Sato T, Okamura H, Matsumoto K, Taguchi W, Stromberg K, Lande J, Kobayashi Y; Micra Transcatheter Pacing Study Group. Performance of Leadless Pacemaker in Japanese Patients vs. Rest of the World - Results From a Global 14 Clinical Trial. Circ J. 2017 Oct 25;81(11):1589-1595. doi: 10.1253/circj.CJ-17-0259. Epub 2017 May 30. PMID: 28566657. 医療機器の特性に起因する評価上の課題 ③ ICERだけでは評価できない患者便益が重要な場合がある 中期的課題として、ICERに反映されない患者便益を考慮した評価が必要  英国NICEにおいて、QALYでは捉えきれない多様な価値を評価する場合は、 – その評価方法としてCost-Consequence Analysis (CCA:費用結果分析) の活用が推奨されている 費用結果分析の利点(抜粋) 費用結果分析の難点(抜粋) • 介入に係る費用と多様なアウトカムを明確に示すことができる • 全てのアウトカムを捕捉することが困難 • 様々な医療および医療以外の便益をもち、QALYなどの共通 • 意思決定のために使うには、介入による 指標で測定することが困難な介入の評価に適している アウトカムを金銭価値で示すための仕組みを 作る必要がある 例えば、「比較対照技術に比してQALYによる増分は認められないが、CCAによる分析では相対的に高い – 価値を有すると認められる品目」について総合的評価で閾値等の変更を行う、などが考えられる 【事例】 職場での腰痛対策としてのヨガプログラムの費用結果分析(6カ月フォローアップ)のバランスシート • セルフケアと比べ、ヨガプログラムの費用はシナリオ2では安く、効果は腰痛を削減し幸福度とQOLを改善した シナリオ1 シナリオ2 費用 (£) (プログラム料金£91/回の場合) (プログラム料金£64/回の場合) 企業によるヨガプログラム提供 67.98 50.93 社員によるセルフケア 67.27 67.27 両群間の平均値の差 0.71 -16.34 腰痛 腰痛 幸福度 健康QOL 結果 (RDQ) (Keele) (WHO-5) (EQ5D-5L) セルフケアと比べたヨガプログラムの効果 -0.93 -0.51 1.32 0.038 (両群間の平均値の差) p-value p=0.196 p=0.071 p=0.132 p=0.323 出所:Applied Health Economics for Public Health Practice and Research. Edited by Rhiannon Tudor Edwards and Emma McIntosh. Mar 2019 15 Chapter 10: Cost–consequence analysis of public health interventions. Ned Hartfieland Rhiannon T. Edwards 課題解決のための対応 これらの評価上の課題を解決するには以下の対応が必要と考える  ① ② ③ RCTが少ないため 臨床試験があっても ICERだけでは エビデンス選定の 被験者数が少ない 評価できない 工夫が必要 患者便益が 重要な場合がある エビデンスレベルと臨床実態の サブグループ解析の ICERに反映されない バランスが重要となるため、 実施について 患者便益を考慮した 対象技術に深い洞察・経験を 慎重な検討が必要 評価が必要 持つ臨床専門家を交えた (中期的課題) 丁寧な議論が必要 16 費用対効果評価制度に対する要望 現在の費用対効果評価制度の基本的な枠組みを維持しながら、医療機器の特  性に起因する課題に対処するため、以下の改善を希望する 分析の枠組みの検討、分析結果の検討および総合的評価において、疾患・手技・製 – 品に固有の事情を踏まえた分析を行うため、対象技術に深い洞察・経験を持つ臨床 専門家を専門組織に交えた丁寧な議論をお願いしたい 固有の事情を踏まえた丁寧な議論を行ったことで、分析の枠組みの検討に時間を要し – た場合、企業分析の期間が極端に短くなることがないよう、分析期間の設定に配慮し ていただきたい 分析期間の不必要な延長を予防する観点から、個別事情により分析・評価が複雑に – なることが想定される品目については、選定前相談を活用させていただきたい 専門組織の意見書に対する見解  評価終了後の新たな知見としては、専門組織において再評価の可能性について議論  されたもののほかに、企業が新たに研究を実施して得られるものも想定されることから、 再評価の要否を国立保健医療科学院による調査・レビュー等に基づくものに限定せず に、企業の申請に基づく再評価も認めていただきたい 将来的には、総合的評価においてICER以外の多様な観点を評価に反映してい  ただきたい 17 別添 Ⅰ. 費用対効果評価専門組織意見書に対する 医療機器業界の見解 Ⅱ. 項目別意見一覧 18 Ⅰ. 費用対効果評価専門組織意見書に対する 医療機器業界の見解(全体像) 意見書の項目 見解の件数 1 専門組織における検討に要する期間について 2件 2 専門組織における検討内容について 3件 3 患者割合に係るデータの取扱いと公表について 3件 4 分析対象集団の一部が分析不能とされた場合の取扱いについて 1件 5 分析期間超過時の価格調整における取扱いについて 1件 6 効能追加時の取扱い 1件 7 評価終了後の再評価のプロセスについて 1件 19 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 ① 専門組織(i)で決定した分析の枠組みが企業が想定していた分析と大きく 異なるようなケースでは、分析前協議に長期間を要することが想定されるが、 分析の枠組みに基づく企業分析に必要な期間は変わらない。そのような場合は、 企業分析期間が標準的期間(9か月)を超える可能性があることをご理解 (1) いただきたい。 専門組織における 検討に要する期間  一般的な企業分析期間の内訳(計6カ月) について • SLR計画に1か月 • モデル検討・臨床専門家との検討に1か月 • モデル構築に1か月 • SLR実施にさらに2か月(計4か月のうち2か月は前工程と併行実施) • 臨床専門家との検討に1か月 20 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 ① 専門組織(ii)においては、企業分析結果と公的分析からの検証結果の確 認ならびに再分析に対する指摘や追加分析の検討が同時に行われるようにな ると思料する。医療機器の特性を踏まえると、非劣性試験や観察試験の適否 などの臨床的背景を含めた議論において、企業と公的分析で見解の相違を生 じる可能性がある。そのため専門組織(ii)においては、企業分析結果に対す る公的分析からの検証結果を確認するだけでなく、公的分析からの検証結果 に対する対象技術に詳しい臨床専門家の見解も確認いただきたい。 ② 専門組織(iii)においては、公的分析(再分析、および追加分析を実施した 場合は追加分析)の結果を確認したうえで、価格調整における配慮の要否や (2) 分析不能の取扱い等を含めた総合的評価を実施するものと思料する。専門組 専門組織における 織(ii)において企業と公的分析で見解の相違があった場合は、専門組織 検討内容について (iii)における議論が複雑になることが想定されることから、専門組織(iii)に おいても、公的分析結果に対して対象技術に詳しい臨床専門家が見解を述 べる機会を確保していただきたい。 医療機器の特性については p.5, 6, 7, 10を参照 ③ なお企業による評価への関与の事例として、英国NICEにおける制度運用が挙 げられているが、英国の場合はAppraisal committeeやMedical technologies advisory committeeのメンバーに医療従事者や医療経済 研究者とともに製薬・医療機器業界の代表が含まれており、対象企業ではない ものの企業の視点を反映することが企図されているものと思料する。 21 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 ① 分析対象集団によっては、患者割合に係るデータとして企業による調査研究し か存在しない場合が想定される。データを公表することで競争優位を損なうこと になると、費用対効果評価制度の趣旨を超えた不利益を生じることから、公表 が困難となることをご理解いただきたい。 (3) 患者割合に係る ② 患者割合の算出方法について、疾患によっては国内における疫学的データが十 データの取扱いと 分ではないことから、対象集団ごとの患者割合を推計で算出せざるを得ない場 公表について 合がある。企業と公的分析で見解が異なる可能性があるため、推計方法につ いて十分な議論を可能とするよう配慮いただきたい。 ③ 一方で、分析枠組みの検討段階で、可能な限り公表データのある患者集団 を設定することもご検討いただきたい。 ① 医療機器では臨床試験がないなどの理由から、分析対象集団における分析対 (4) 象技術と比較対照技術のデータが不足し、将来的にも収集が困難なケースが 分析対象集団の 出てくることが想定される。分析対象集団の一部または全体について分析不能 一部が分析不能と とされたことをもって、全体の評価に不利な影響を及ぼすことがないようご配慮 された場合の いただきたい。 取扱いについて 22 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 ① 医療機器ではまだ事例がなく、医薬において妥当とされる分析方法が医療機 (5) 器では必ずしも実施可能とは限らないことから、公的分析および専門組織にお 分析期間超過時の ける企業説明ならびに協議に要する期間が、医薬における実績を大きく超える 価格調整における 可能性がある。このため分析期間の妥当性を検討する際は、医療機器の特 取扱いについて 性を十分に考慮していただきたい。 ① 効能追加等に係る分析の枠組みが、進行中の分析の枠組みと大きく異なる場 (6) 合、追加分析期間が極端に短いと、内部人員や外部コンサルタントに過度な 効能追加時の 作業を要求することとなり、働き方改革に逆行しかねないことから、分析枠組み 取扱いについて の決定タイミングによっては、企業分析期間が標準的期間(9か月)を超え る可能性があることをご理解いただきたい。 ① 評価終了後の新たな知見としては、専門組織において再評価の可能性につい (7) て議論されたもののほかに、企業が新たに研究を実施して得られるものも想定さ 評価終了後の れる。再評価の要否については、国立保健医療科学院による調査・レビュー等 再評価のプロセス に基づくものだけでなく、企業の申請に基づくものも含めていただきたい。 について 23 費用対効果評価専門組織意見書に対する医療機器業界の見解 (8) ① 集団の規模が小さくなる場合の対応については、集団として独立させたうえで 分析対象集団の 「分析不能」とするケースと、他の集団の一部として分析するケースが想定される 規模が小さくなる が、国内臨床実態の反映と利用可能なエビデンスのバランスを十分に考慮して 場合の取扱いに 決定いただきたい。 ついて ① 優越性を示す臨床試験が存在しない場合に、「追加的有用性がない」と判 (9) 断すべきかについては、慎重にご検討いただきたい。医療機器では臨床試験を 比較対照技術に 実施しない場合があり、実施しても単群試験や非劣性試験が多いことから、類 対し効果は同等で 似技術に対する優越性を、統計的有意差をもって示せるケースが限定的であ あり、かつ費用が ることをご理解いただきたい。 増加するもの (費用増加)の 取扱いについて 24 Ⅱ. 項目別意見(全体像) 要望の区分 要望の概要 (新規/再掲/賛同)※ A. 制度の枠組み A-1. 制度の活用対象 賛同1件 A-2. 対象品目の選定 賛同1件・再掲2件 A-3. 適切な分析期間の設定 新規2件 A-4. 効能追加時の取扱い 新規1件 A-5. 分析不能とされた場合の取扱い 新規1件・再掲1件 A-6. データの公表 新規1件 B. 分析のプロセス・枠組み・手法 B-1. 適切な分析対象集団の設定 新規1件 B-2. 患者割合の算出 新規2件 B-3. 分析のプロセス 追記1件・再掲1件 B-4. 医療機器の特性を踏まえた分析 再掲2件・新規1件 C. 価格調整 C-1. 価格調整の対象・範囲 賛同1件 C-2. 価格調整率 再掲1件 C-3. 比較対照技術に対して費用が削減される品目等への対応 再掲1件 ※ 要望区分の定義は以下の通り。 「追記」: 2019年2月の意見陳述の記述に一部追記したもの 「新規」:本格導入以降に実施された医薬品における費用対効果評価の 「賛同」:現制度の趣旨に賛同するもの 実例を踏まえ、医療機器にも重要な示唆があるもの 「再掲」:2019年2月の意見陳述に含まれるもの 25 A. 制度の枠組み A-1. 賛同• 保険償還の可否に用いない。 制度の 活用対象 • 医療保険財政の影響度から医薬品、医療機器を同一基準で、市場規模が 賛同 一定程度を超える製品を対象とする。 • 除外基準に関しては、以下に該当する品目についても、費用対効果評価制度 再掲 の趣旨に鑑み、選定対象から除外することが適当と考える。 – 稀少疾病用医療機器 – 稀少疾病用再生医療等製品 A-2. – 「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」における選定品目 対象品目の – 革新的医療機器条件付早期承認制度」の対象品目 選定 – 条件及び期限付承認を受けた再生医療等製品 • H5区分(同一機能区分)については、費用対効果評価の分析は行わず、 再掲 代表品目に準じた価格調整を行うこととなっているが、チャレンジ申請と同様、 希望に応じて評価を行い、異なる費用対効果評価の結果が出た場合は、新た な機能区分が設定されるようにして頂きたい。 (ペースメーカーの電池寿命の差により再手術の頻度が低くなるなど、同一機 能区分の製品であっても費用対効果が異なる場合があるため) 26 A. 制度の枠組み • 医療機器の特性から、臨床実態やエビデンスの限界の認識について企業と公 新規 的分析班で見解が異なるケースが想定され、その場合は分析の枠組みの検討 A-3. に臨床専門家を交えた丁寧な議論が必要となることから、各期間については、 適切な 個別事情に応じて柔軟に検討いただきたい。 分析期間の 設定 • 分析期間の不必要な延長を予防する観点から、個別事情により分析・評価が 新規 複雑になることが想定される品目については、選定前相談を活用させていただき たい。 新規• 効能追加等に係る分析の枠組みが、進行中の分析の枠組みと大きく異なる場 A-4. 合、追加分析期間が極端に短いと、内部人員や外部コンサルタントに過度な 効能追加時の 作業を要求することとなり、働き方改革に逆行しかねないことから、分析枠組み 取扱い の決定タイミングによっては、企業分析期間が標準的期間(9か月)を超え る可能性があることをご理解いただきたい。 27 A. 制度の枠組み ① 医療機器では臨床試験がないなどの理由から、分析対象集団における分析対 新規 象技術と比較対照技術のデータが不足し、将来的にも収集が困難なケースが 出てくることが想定される。分析対象集団の一部または全体について分析不能 A-5. とされたことをもって、全体の評価に不利な影響を及ぼすことがないようご配慮 分析不能と いただきたい。 された場合の 取扱い • 著しく単価は高いが症例が少ない品目などでは、必要なデータが得られないこと 再掲 も想定されるため、追加で取得するデータや分析方法、分析期間等について 柔軟に判断頂きたい。 ① 分析対象集団によっては、患者割合に係るデータとして企業による調査研究し 新規 A-6. か存在しない場合が想定される。データを公表することで競争優位を損なうこと データの になると、費用対効果評価制度の趣旨を超えた不利益を生じることから、公表 公表 が困難となることをご理解いただきたい。 28 B. 分析プロセス・枠組み・手法 新規• 新規性の高い医療技術の場合、当該製品を使用したデータは企業が実施した 臨床試験に限られることも多いが、そのような製品について、臨床試験の主要 B-1. 評価項目と異なる分析対象集団を複数設定して対象集団ごとのサブ解析を 適切な 実施すると、サンプルサイズが小さすぎて統計的有意差が出ない、他製品の 分析対象集団 研究を用いざるをえないなど、不確実性を増すこととなる。分析対象集団の設 の設定 定にあたっては、国内臨床実態の反映と利用可能なエビデンスのバランスを十 分に考慮いただきたい。 • 患者割合の算出方法について、疾患によっては国内における疫学的データが十 新規 分ではないことがあるため、対象集団ごとの患者割合を推計で算出せざるを得 B-2. ない場合がある。企業と公的分析で見解が異なる可能性があるため、推計方 患者割合の 法について十分な議論を可能とするよう配慮いただきたい。 算出 • 一方で、分析枠組みの検討段階で、可能な限り公表データのある患者集団を 新規 設定することもご検討いただきたい。 • 限られた分析期間でもスムーズに進められるよう、企業または国立保健医療科 追記 学院の何れかが必要と判断した場合、両者の分析前協議に、対象技術に詳 B-3. しい臨床専門家が初回から陪席することを可能として頂きたい。 分析の プロセス • ガイドラインにおいてレセプトのデータベース使用が推奨されていることから、C2H 再掲 と企業によるNDBの共同利用を可能として頂きたい。 29 B. 分析プロセス・枠組み・手法 • 分析手法については、以下のような医療機器の特性等を踏まえて引き続き検 再掲 討頂くと共に、品目の特性を考慮した柔軟な対応を検討頂きたい。 – RCTが倫理的に困難である等の理由により、有効性・安全性データが十 分に得られない場合が多い。 – 製品と医療従事者のスキル等が融合して医療技術となるため、医療機 器のみによる効果を定めにくい。(習熟に時間がかかる/製品改良による 臨床的違いが分かりにくい) • 特に医療機器では、以下の理由から分析の枠組みの検討が複雑となることが B-4. 再掲 予想されることから、臨床的な見地から意見が不可欠である。 医療機器の 特性を踏まえた – RCTが存在しないことが多く、非RCTを採用するか、既存の観察研究や 分析 レジストリーデータなどを再解析するか、などの検討が必要 – RCTが存在しても、習熟効果や製品改良効果により、RCTが臨床実態を 反映していない場合があり、どのように臨床実態を反映させるか、などの 検討が必要 • 優越性を示す臨床試験が存在しない場合に、「追加的有用性がない」と判 新規 断すべきかについては、慎重にご検討いただきたい。医療機器では臨床試験を 実施しない場合があり、実施しても単群試験や非劣性試験が多いことから、類 似技術に対する優越性を、統計的有意差をもって示せるケースが限定的であ ることをご理解いただきたい。 30 C. 価格調整 C-1. • 材料価格制度を補完する観点から、有用性系加算(※)が算定された品目 賛同 価格調整の を対象とし、有用性系加算部分を価格調整範囲とする。 対象・範囲 ※ 画期性加算、有用性加算、改良加算(ハ) • 比較対照技術に対して費用が削減される品目(ICERが算出不能な品目) 再掲 等への対応に関し、価格引上げを行う条件として、ドミナント等に加えて、ICER 200万円/QALY未満の場合とすることに賛同するが、「別に定める条件」として C-2. 設定されている「impact factor 15.0を超える学術誌」、「日本人を含むアジ 比較対照技術 ア人を対象にした集団」の条件について、以下の理由から、より適切な条件の に対して費用が 設定を検討いただきたい。 削減される – impact factorと臨床試験の妥当性は直接関連するものではない 品目等への – 人種差が臨床試験結果に影響しない品目においても新たな試験が必要になる 対応 – 医療機器は外科系で用いられる製品も多く、外科系の学術誌ではimpact factor 15.0に満たない領域もある。(やむを得ずimpact factorを条件に入れるのであれ ば、領域別に上位5誌とするなど) 31

この資料について

出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)

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