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総-2 入院について(その3)

総会 第623回 / 2025-10-29 開催 / 79ページ

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中医協 総ー2 7.10.29 入院について(その3) 慢性期入院医療・身体的拘束 入院(その3) 慢性期入院医療・身体的拘束 1.療養病棟入院基本料 1-1.経緯と概要 1-2.療養病棟における医療区分について 1ー3.経腸栄養や摂食嚥下機能回復の取組について 2.障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料 3.身体的拘束について 3-1.経緯と概要 3-2.身体的拘束の現状 3-3.身体的拘束を減らすためのより踏み込んだ取組について 2 1.療養病棟入院基本料 1-1.経緯と概要 1-2.療養病棟における医療区分について 1ー3.経腸栄養や摂食嚥下機能回復の取組について 2.障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料 3.身体的拘束について 3 障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料等の主な施設基準等 障害者施設等 障害者施設等 特殊疾患病棟 特殊疾患病棟入 特殊疾患入院 療養病棟 療養病棟 入院基本料 入院基本料7対1 入院料1 院料2 医療管理料 入院料1 入院料2 10対1~15対1 10対1以上~ 看護配置 7対1以上 20対1以上 - 20対1以上 20対1以上 15対1以上 医療型障害児入 医療型障害児入所施設又は 所施設又は指定 施設 - - - 指定医療機関(児童福祉法) 医療機関(児童福 ど 祉法) ち 脊椎損傷等の ら 重度の肢体不自由 重度障害者、 脊椎損傷等の重度 か 児(者)、脊髄損 重度の肢体不自 重度の意識障 障害者、重度の意 一 傷等の重傷障害者、 由児(者)、重度 医療区分2、 医療区分2、 両 害者、筋ジス 識障害者、筋ジス 方 患者像 - 重度の意識障害者、 の障害者(脊髄損 3の患者が8 3の患者が 方 トロフィー患 トロフィー患者及 を 筋ジストロフィー 傷等を除く)が8 割以上 5割以上 を 者及び難病患 び難病患者等が8 満 患者、難病患者等 割以上 満 者等が8割以 割以上 た が7割以上 た 上 す す 10対1以上 看護要員 - 10対1以上 (うち、看護職員 10対1以上 看護補助者 20対1以上 5割以上) 一般又は 一般病棟 一般病棟の病室 療養病棟 精神病棟 その他 超重症、準超重症 - 褥瘡の評価 児(者)3割以上 通常 1,637点 1,375~1,010点 2,090点 1,694点 2,090点 重度の意識障害者 1,928, 1,763 1,517, 1,377点 1,517~1,124点 1,675, 1,508点 1,927, 1,761点 (脳卒中患者) 点 1,961 1,896 点数 ~828点 ~764点 上記以外の脳卒中 1,735, 1,586 1,364, 1,239点 1,364~1,010点 1,507, 1,357点 1,734, 1,588点 患者 点 透析患者 1,581点 1,581~1,315点 2,010点 1,746点 2,010点 通常 出来高 検査・投薬、注射(一部を除 包括 一部の入院基本料等加算・薬剤等を除き包括 く)・病理診断・X線写真等・ 範囲 脳卒中患者・透析患 療養病棟入院基本料と同様の取扱 一部の処置等は包括 4 者 療養病棟入院基本料に係る主な改定の経緯① 診調組 入-1 7.6.13 ・従前まで、出来高算定か包括算定かの選択制であった入院料を、包括評価の療養病棟入院基本料のみとした。 平成12年 療養病棟入院基本料1~3(看護配置25:1、看護補助配置20~30:1) 1,231点~1,121点 療養病棟入院基本料4~7(看護配置30:1、看護補助配置15~30:1) 1,229点~1,066点 ・初期加算、長期減算が廃止され、入院期間を通して同じ評価となった。 療養病棟入院基本料1~3(看護配置25:1、看護補助配置20~30:1) 1,209点~1,098点 平成14年 療養病棟入院基本料4~7(看護配置30:1、看護補助配置15~30:1) 1,204点~1,041点 ・療養病棟入院基本料3(看護配置25:1、看護補助配置30:1)と 療養病床入院基本料4~7(看護配置30:1、看護補助配置15~30:1)については、平成15年3月31日で廃止。 平成16年 ・大きな変更なし ・平成18年7月から、これまでの区分を見直し、医療区分・ADL区分に応じて5段階で評価。 平成18年 療養病棟入院基本料A~E(看護配置25:1、看護補助配置25:1) 1,740点~764点 ・医療経済実態調査の結果等を踏まえ評価を引き下げ。 療養病棟入院基本料A~E(看護配置25:1、看護補助配置25:1) 1,709点~750点 平成20年 ※ただし、医療区分1かつADL区分3の場合については885点で据え置き ・ 「脱水」及び「おう吐」については、発熱を伴うものとする等医療区分の評価項目を見直し。 ・看護配置、医療区分2・3患者の割合によって入院基本料を2種類に分割。 ・医療区分とADL区分に応じた評価を5段階から9段階へ拡充。 平成22年 療養病棟入院基本料1(看護配置20:1、看護補助配置20:1、医療区分2・3の患者8割以上) 基本料A~I 1,758点~785点 療養病棟入院基本料2(看護配置25:1、看護補助配置25:1) 基本料A~I 1,695点~722点 ・栄養管理実施加算、褥瘡患者管理加算を包括化に伴い、評価を引き上げ。 療養病棟入院基本料1 基本料A~I 1,769点~796点 平成24年 療養病棟入院基本料2 基本料A~I 1,706点~733点 ・入院時既に発生している褥瘡に限り、治癒・軽快後一ヶ月間は医療区分2を継続して算定可能とした。 ・消費税の増税に伴い評価を見直し。 平成26年 療養病棟入院基本料1 基本料A~I 1,810点~814点 療養病棟入院基本料2 基本料A~I 1,745点~750点 5 ※平成12、14、16年の点数は、社会保険の場合の診療報酬点数 療養病棟入院基本料に係る主な改定の経緯② 診調組 入-1 7.6.13 ・療養病棟入院基本料2について、医療区分に関する要件を追加。 療養病棟入院基本料1(看護配置20:1、看護補助配置20:1、医療区分2・3の患者8割以上) 基本料A~I 1,810点~814点 平成28年 療養病棟入院基本料2(看護配置25:1、看護補助配置25:1、医療区分2・3の患者5割以上) 基本料A~I 1,745点~750点 ・医療区分のうち、酸素療法、うつ状態及び頻回な血糖検査の項目について、きめ細かな状況を考慮するよう見直し。 ・看護職員配置20対1以上を要件とした療養病棟入院基本料に一本化。 療養病棟入院基本料1(看護配置20:1、看護補助配置20:1、医療区分2・3の患者8割以上) 基本料A~I 1,810点~800点 療養病棟入院基本料2(看護配置20:1、看護補助配置20:1、医療区分2・3の患者5割以上) 基本料A~I 1,745点~735点 ・25:1、30:1看護職員配置を経過措置として再編。 平成30年 (注11に規定する経過措置)看護職員配置25:1で20:1を満たさない 又は 医療区分2・3の患者割合5割以上を満たさない場合 療養病棟入院料2の90/100に相当する点数 (注12に規定する経過措置)看護職員配置30:1で25:1を満たさない場合 療養病棟入院料2の80/100に相当する点数 ・療養病棟入院基本料(200 床未満を除く。)について、データ提出を入院料の算定要件化。 ・注11に規定する経過措置評価を見直した上で、経過措置期間を2年間延長。 療養病棟入院料2の85/100に相当する点数 ・上記注12に規定する経過措置を令和2年3月31日限りで終了。 令和2年 ・「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、適切な意思決定支援に関する指 針を定めていることを要件化。 ・データ提出加算が要件となる入院料を、療養病棟入院基本料を算定する病棟を有する医療機関に拡大。 ・療養病棟入院基本料の注11に規定する経過措置について、評価を見直した上で、経過措置期間を2年間延長。 療養病棟入院料2の75/100に相当する点数 令和4年 ・中心静脈栄養を実施している状態にある患者について、患者の摂食機能又は嚥下機能の回復に必要な体制を有していない場合 の評価を見直し。 ・療養病棟入院基本料の注11に規定する経過措置を、令和6年5月末で終了。 ・療養病棟入院基本料1、2のそれぞれの入院料について、疾患・状態に係る3つの医療区分、処置等に係る3つの医療区分及び3 令和6年 つのADL区分に基づく27分類及びスモンに関する3分類の合計30分類の評価に見直し。 ・中心静脈栄養について、患者の疾患及び状態並びに実施した期間に応じた評価に見直し。静脈経腸栄養ガイドライン等を踏まえ た栄養管理に係る説明を実施したうえで新たに経腸栄養を開始した場合に一定期間算定可能な経腸栄養管理加算を新設。 6 令和6年度診療報酬改定 Ⅱ-4 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価⑭ 療養病棟入院基本料の見直し ○ 療養病棟入院基本料について以下の見直しをおこなう。 1.医療区分に係る評価体系の見直し ➢ 医療区分とADL区分に基づく9分類となっている現行の療養病棟入院基本料について、疾患・状態に係る3つの医療区分、処 置等に係る3つの医療区分および3つのADL区分に基づく27分類及びスモンに関する3分類の合計30分類の評価に見直す。 ➢ 療養病棟入院基本料の疾患及び状態に着目した医療区分について、疾患・状態及び処置等に着目した医療区分に見直す。 従前(医療区分:3分類) 見直し後(医療区分:9分類) 疾患・状態に係る医療区分3 処置等に係る医療区分3 医療区分3 疾患・状態 疾患・状態 処置等 処置等 例:スモン、常時監視 例:24時間点滴、人工呼吸 疾患・状態に係る医療区分2 処置等に係る医療区分2 医療区分2 疾患・状態 疾患・状態 処置等 処置等 例:筋ジストロフィー 例:創傷処置、喀痰吸引 医療区分1 疾患・状態に係る医療区分1 処置等に係る医療区分1 医療区分2・3以外 疾患・状態 処置等 医療区分2・3以外 医療区分2・3以外 2.療養病棟における中心静脈栄養の評価の見直し ➢ 中心静脈栄養について、患者の疾患及び状態並びに実施した期間に応じた医療区分に見直す。また、中心静脈栄養を終了後7日 間に限り、終了前の医療区分により算定することができる。 3.療養病棟におけるリハビリテーションの評価の見直し ➢ 医療区分・ADL区分ともに1である入院料27(従前の入院料I)について、1日につき2単位を超える疾患別リハビリテーショ ン料を包括範囲に含める 4.療養病棟入院基本料注11に規定する経過措置の廃止 ➢ 療養病棟入院基本料の注11に規定する経過措置を廃止する。 5.療養病棟における適切な経腸栄養管理に係る評価の新設 ➢ 療養病棟に入院中の患者に対し、「静脈経腸栄養ガイドライン」等を踏まえた栄養管理に係る説明を実施した上で、新たに経腸 栄養を開始した場合に一定期間算定可能な経腸栄養管理加算を新設する。 7 令和6年度診療報酬改定 Ⅱ-4 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価ー⑭ 療養病棟入院基本料の概要 療養病棟 療養病棟 疾患・状態に係る 処置等に ADL 従前の 療養病棟入院基本料 1 入院料 入院基本料1 入院基本料2 医療区分 係る医療区分 区分 入院料 の点数 の点数 【施設基準】 ①看護配置:20:1以上 1 3(スモン除く) 3 3 1,964 1,899 A ②医療区分2・3の患者が8割以上 2 3(スモン除く) 3 2 1,909 1,845 B 3 3(スモン除く) 3 1 1,621 1,556 C 療養病棟入院基本料 2 4 3(スモン除く) 2 3 1,692 1,627 A 【施設基準】 5 3(スモン除く) 2 2 1,637 1,573 B 6 3(スモン除く) 2 1 1,349 1,284 C ①看護配置20:1以上 7 3(スモン除く) 1 3 1,644 1,579 A ②医療区分2・3の患者が5割以上 8 3(スモン除く) 1 2 1,589 1,525 B 9 3(スモン除く) 1 1 1,301 1,236 C ADL区分 10 2 3 3 1,831 1,766 A 11 2 3 2 1,776 1,712 B ADL区分3: 23点以上 12 2 3 1 1,488 1,423 C ADL区分2: 11点以上~23点未満 13 2 2 3 1,455 1,389 D ADL区分1: 11点未満 14 2 2 2 1,427 1,362 E 15 2 2 1 1,273 1,207 F 当日を含む過去3日間の全勤務帯における患者に対する支 援のレベルについて,下記の4項目に0~6の範囲で最も近 16 2 1 3 1,371 1,305 D いものを記入し合計する。 17 2 1 2 1,343 1,278 E 新入院(転棟)の場合は,入院(転棟)後の状態について評 18 2 1 1 1,189 1,123 F 価する。 19 1 3 3 1,831 1,766 A ( 0.自立、1.準備のみ、2.観察、3.部分的援助、 20 1 3 2 1,776 1,712 B 4.広範な援助、5.最大の援助、6.全面依存 ) 21 1 3 1 1,488 1,423 C 項目 支援のレベル 22 1 2 3 1,442 1,376 D a ベッド上の可動性 0~6 23 1 2 2 1,414 1,349 E 24 1 2 1 1,260 1,194 F b 移乗 0~6 25 1 1 3 983 918 G C 食事 0~6 26 1 1 2 935 870 H 27 1 1 1 830 766 I d トイレの使用 0~6 28 3(スモンに限る) ー 3 1,831 1,766 A (合計点) 0~24 29 3(スモンに限る) ー 2 1,776 1,712 B 8 30 3(スモンに限る) ー 1 1,488 1,423 C 令和6年度診療報酬改定 Ⅱ-4 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価ー⑭ 療養病棟入院基本料に係る医療区分について 疾患・状態 処置等 ・中心静脈栄養(療養病棟入院基本料を算定する場合にあっては、広汎性腹膜炎、腸 閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、 消化管瘻若しくは急性膵炎を有する患者を対象とする場合又は中心静脈栄養を開始し 医 た日から30日以内の場合に実施するものに限る) ・スモン 療 ・二十四時間持続点滴 ・医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施して 区 ・人工呼吸器の使用 分 いる状態 ・ドレーン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄 3 ・気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る) ・酸素療法(密度の高い治療を要する状態の患者に対するものに限る) ・感染症の治療の必要性から実施する隔離室での管理 ・中心静脈栄養(広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、 炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻又は急性膵炎を有する患者以外を対象として、中心 静脈栄養を開始した日から30日を超えて実施するものに限る) ・筋ジストロフィー症 ・肺炎に対する治療 ・多発性硬化症 ・尿路感染症に対する治療 ・筋萎縮性側索硬化症、 ・傷病等によるリハビリテーション(原因となる傷病等の発症後、三十日以内の場合で、実際にリハ ・パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核 ビリテーションを行っている場合に限る) 変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ ・脱水に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る) 三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度の状態に限 ・頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る) る。)) 医 ・褥瘡に対する治療(皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が二箇所以上に認められ ・その他の指定難病等(スモンを除く。) 療 る場合に限る。) 区 ・脊髄損傷 ・末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療 分 (頸椎損傷を原因とする麻痺が四肢全てに認められる場合に限る。) ・せん妄に対する治療 2 ・慢性閉塞性肺疾患 ・うつ症状に対する治療を (ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当する場合に限る。) ・人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法 ・悪性腫瘍 ・経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養(発熱又は嘔吐を伴う状態の患者に対するものに限る) (医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールが必要な場合に ・一日八回以上の喀痰(かくたん)吸引 限る。) ・気管切開又は気管内挿管が行われている状態(発熱を伴う状態を除く) ・消化管等の体内からの出血が反復継続している状態 ・頻回の血糖検査 ・他者に対する暴行が毎日認められる状態 ・創傷(手術創や感染創を含む。)、皮膚潰瘍又は下腿(たい)若しくは足部の蜂巣炎、膿(のう) 等の感染症に対する治療 ・酸素療法(密度の高い治療を要する状態を除く) 医療区分1 医療区分2・3に該当しない者 9 入院料別の平均在院日数の推移(療養病棟入院基本料) 中医協 総-3 7.7.23 ○ 平均在院日数の推移は以下のとおりであった。平均在院日数を入院料1と2で比較すると、令和6年を除 き、入院料1のほうが入院料2よりも長い傾向であった。 (各年7月1日、令和6年度は8月1日時点) ( 日 ) 450 400 療養病棟入院料1 350 療養病棟入院基本料(20対1) 300 療養病棟入院基本料(25対1) 250 療養病棟入院料2 200 150 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 ※注11に係る経過措置の病棟は平均在院日数の算出に含んでいない。 10 出典:保険局医療課調べ 入院料別の病床稼働率の推移(療養病棟入院基本料) 中医協 総-3 7.7.23 ○ 病床稼働率の年次推移は以下のとおりであった。病床稼働率を入院料1と2で比較すると、入院料1は 入院料2と比較して高い傾向であった。 95% 90% 療養病棟入院基本料(20対1) 療養病棟入院料1 85% 80% 療養病棟入院基本料(25対1) 療養病棟入院料2 75% 70% 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 ※ 各年の1日平均入院患者数を各年7月1日時点(令和6年度は8月1日時点)の稼働病床で除したもの(令和5年度のみ許可病床で計算) 11 出典:保険局医療課調べ 療養病棟入院基本料の届出施設数及び病床数の推移 中医協 総-3 7.7.23 ○ 療養病棟入院基本料を届け出る施設数・病床数は、ともにやや減少傾向である。 療養病棟入院基本料届出施設数 療養病棟入院基本料届出病床数 (施設数) (病床数) 4000 250000 3500 14771 8713 293 5860 4265 28261887 536 181 200000 113 3000 81 57 40 65925 5834631863297562817525895240682184722630 1226 1090 12 71619 1318 1592 1280 539 495 467 426 392 358 354 89627 77830 74212 2500 1317 150000 2000 100000 1500 173216 174535 177340 2254 2334 2440 2467 2438 2452 2449 2473 2415 143635 15939 1 1 70043 173120 175012 176359 2149 1000 1901 1849 1950 126423 151467 50000 125083 134775 500 0 0 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 入院基本料1 入院基本料2 ■入院料1 ■入院料2 入院基本料1 入院基本料2 ■入院料1 ■入院料2 ■ 経過措置 ■ 経過措置 出典:保険局医療課調べ(7月1日時点、令和6年度は8月1日時点) 12 ※平成24年及び平成25年は7対1入院基本料の経過措置病棟のデータを除く。平成30年度・令和1年度の経過措置1・2は合算。 「新たな地域医療構想のとりまとめ」における療養病床 4.医療提供体制の現状と目指すべき方向性(抄) (5)その他 ② 慢性期医療 ○ 療養病床については、地域医療構想の取組等に伴い、医療区分1の患者を はじめとして入院 患者が減少し、療養病床数も減少している。一方、介護施設・高齢者向け住まいの利用者数は 増加している。また、在宅医療と介護施設、療養病床の一部については患者像が重複する場合 があり、都道府県別の療養病床数について、介護施設の定員数と合わせると地域差は縮小する。 ○ こうした中、慢性期の医療提供体制については、今後増加する在宅医療の需要に対応する観 点からも、限りある資源を活用することが重要であり、地域の慢性期医療・在宅医療の需要に 対して、在宅医療・介護等のデータも踏まえ、地域の資源の状況に応じて、療養病床だけでな く、在宅医療や介護施設・高齢者向け住まい等とあわせて構築していくことが重要である。 令和6年12月25日 社会保障審議会医療部会 「2040年頃に向けた医療提供体制の総合的な改革に関する意見」 13 療養病棟入院料等の届出施設における入院料別届出病床 診調組 入-1 7.5.22改 ○ 療養病棟入院料を届け出ている施設における、他の入院料の届出状況は以下のとおり。 ○ 一般病棟入院料や地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料を届け出ている施設が1割~2割 あった。 ○ 入院料1の約5割、入院料2の約6割では、他に算定する入院料はなかった。 14 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (施設調査票(共通C票)) 届 出 割 合 回 急 地 地 地 地 回 障 特 緩 併 答 性 域 域 域 域 復 害 殊 和 設 施 期 一 包 包 包 期 者 疾 ケ 病 設 一 般 括 括 括 リ 施 患 ア 棟 数 般 医 ケ ケ ハ 設 病 病 な 療 ア ア ビ 等 棟 棟 し 病 病 入 リ 棟 棟 院 テ 医 ー 療 シ 管 ョ 理 ン 料 病 棟 療 養 病 棟 入 院 料 1 1 1 1 5 7 8 0 0 2 8 9 2 1 4 5 . 5 . 3 . 6 . 5 . 3 . 1 . 4 . 4 . 1 . 2 4 % % % % % % % % % % 4 療 養 病 棟 入 院 料 2 1 6 8 3 1 5 8 2 3 3 0 3 . . . . . . . . . . 8 2 1 5 8 2 3 3 0 7 9 % % % % % % % % % % 1 これまでの療養病棟に関する主な意見 <令和7年7月23日 中医協総会> ○ 慢性期入院医療については、新たな地域医療構想の取りまとめも参考に、療養病床だけでなく、在 宅医療や介護施設などと併せて体制を構築していく方向で議論を進めるべきである。 ○ 療養病棟につきましては、前回改定で入院料を30通りとするなど、大変大きな変更を行ったところ であり、前回改定の影響も含めて、現場の実態を把握し、今後のニーズなども踏まえながら、課題に ついて丁寧に検討していくべきである。 ○ 日本看護協会の調査では療養病棟入院料1の看護職員配置20対1を上回る看護職員配置を行いなが ら、重症度の高い患者への対応を行っている病棟が多くあることを把握しており、慢性期入院医療の 中で重症度の高い患者を受入れ、医療行為や処置等を行っている病棟をどのように評価していくのか という視点も重要である。 <入院・外来医療等の調査・評価分科会 検討結果(とりまとめ)> ○ 褥瘡のある患者が肺炎を発症した場合等、同じ処置区分に該当する項目が2つ以上生じた場合につ いての医療資源投入量についても検討しつつ入院料の現状を評価してはどうかとの意見があった。 ○ 入院料2の場合でも、医療区分2・3の患者が6割を超える施設がほとんどであることを踏まえ、 基準を検討する余地があるのではないかとの意見があった。 15 1.療養病棟入院基本料 1-1.経緯と概要 1-2.療養病棟における医療区分について 1ー3.経腸栄養や摂食嚥下機能回復の取組について 2.障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料 3.身体的拘束について 16 療養病棟における医療区分2・3の算定日数 診調組 入-2 7.8.21改 ○ 医療区分2・3に該当する入院料が算定された割合は以下のとおりであり、療養病棟入院料1・2とも にほとんどの施設で該当割合の基準を満たしていた。 ○ 療養病棟入院料2では、98%を超える施設で該当患者の割合が6割以上であった。 療養病棟入院料1における医療区分2・3の割合 療養病棟入院料2における医療区分2・3の割合 (n=1942) (n=199) 98.5% 1800 70 基準:8割以上 1676 基準:5割以上 1600 60 60 56 1400 51 50 1200 40 1000 800 29 30 600 20 400 260 10 200 3 0 1 5 0 0 0 60%未満 60-69% 70-79% 80-89% 90-100% 50%未満 50-59% 60-69% 70-79% 80-89% 90-100% ※入院症例が極端に少ない病棟は除外して集計した。 17 出典:DPCデータ(2024年6月~12月) 療養病棟における医療区分3の疾患・状態、処置の患者の割合 診調組 入-2 7.8.21 ○ 令和6年度改定で中心静脈栄養の区分が細分化された。入院料1・2ともにその他の多くの医療 区分3の項目で患者の割合は増加していた。 医療区分3の疾患・状態、処置に該当する患者の入院患者に占める割合 療養病棟入院料1 療養病棟入院料2 0% 10% 20% 30% 40% 0% 10% 20% 30% 40% スモン 0.0% スモン 0.0% 0.0% 0.0% 医師及び看護師の常時の管理かつ他に1項 医師及び看護師の常時の管理かつ他に1項 35.7% 25.8% 目以上該当する場合 29.2% 目以上該当する場合 21.2% 24時間持続しての点滴 26.0% 24時間持続しての点滴 23.9% 24.5% 22.3% 中心静脈栄養(30日以内に実施するも 中心静脈栄養(30日以内に実施するも 8.5% 5.4% の) 19.4% の) 12.3% 中心静脈栄養(対象の疾患を有する患者) 6.4% 中心静脈栄養(対象の疾患を有する患者) 3.3% 0.0% 0.0% 人工呼吸器の使用 2.0% 人工呼吸器の使用 0.9% 2.0% 1.0% ドレーン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄 1.0% ドレーン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄 0.5% 1.0% 0.6% 気管切開かつ発熱の場合 4.1% 気管切開かつ発熱の場合 1.7% 3.8% 1.5% 酸素療法(密度の高い治療を要する状態に 酸素療法(密度の高い治療を要する状態に 29.3% 22.4% 限る。) 26.9% 限る。) 20.8% 感染症の治療の必要性から隔離室での管理 10.7% 感染症の治療の必要性から隔離室での管理 6.7% 8.3% 5.0% R6 R5 R6 R5 18 出典:DPCデータ(各年6月~12月) 療養病棟における医療区分2の疾患・状態の患者の割合 診調組 入-2 7.8.21 ○ 入院料1・2ともに、医療区分2の疾患・状態のうち、消化管等からの出血が反復継続している状態、その他 の指定難病等、慢性閉塞性肺疾患、医療用麻薬を要する悪性腫瘍、医師および看護師の常時の管理が必要な場合 の割合が増加していた。 医療区分2の疾患・状態に該当する患者の入院患者に占める割合 療養病棟入院料1 療養病棟入院料2 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 1.5% 1.2% 消化管等の体内からの出血が反復継続している状態 消化管等の体内からの出血が反復継続している状態 1.0% 0.8% 0.1% 0.1% 筋ジストロフィー 筋ジストロフィー 0.1% 0.1% 0.1% 0.0% 多発性硬化症 多発性硬化症 0.1% 0.0% 筋萎縮性側索硬化症 0 0 . . 2 2 % % 筋萎縮性側索硬化症 0 0 . . 1 2 % % パーキンソン病関連疾患 4 4 . . 6 6 % % パーキンソン病関連疾患 3 3 . . 6 6 % % 3.1% その他の指定難病等 2.5% その他の指定難病等 2.4% 3.0% 0.4% 0.5% 脊髄損傷 脊髄損傷 0.4% 0.5% 0.9% 2.1% 慢性閉塞性肺疾患 慢性閉塞性肺疾患 0.6% 1.7% 0.3% 0.1% 基本診療料の施設基準等の別表第五の三の三の患者 基本診療料の施設基準等の別表第五の三の三の患者 0.0% 0.1% 2.3% 2.1% 悪性腫瘍(医療用麻薬等が必要な場合) 悪性腫瘍(医療用麻薬等が必要な場合) 2.2% 2.1% 0.3% 0.3% 他者に対する暴行が毎日認められる場合 他者に対する暴行が毎日認められる場合 0.3% 0.3% 医師及び看護師の常時の管理、かつ他の項目に該当しな 7.4% 医師及び看護師の常時の管理、かつ他の項目に該当しな 6.2% い場合 5.3% い場合 5.5% R6 R5 R6 R5 19 出典:DPCデータ(各年6月~12月) 療養病棟における医療区分2の処置に該当する患者の割合 診調組 入-2 7.8.21 ○ 入院料1・2ともに、医療区分2の処置については、ほぼ全ての項目で該当する患者数が増加していた。 医療区分2の処置に該当する患者の入院患者に占める割合 療養病棟入院料1 療養病棟入院料2 0% 10% 20% 30% 40% 0% 10% 20% 30% 40% 中心静脈栄養(対象疾患以外で30日超) 10.5% 中心静脈栄養(対象疾患以外で30日超) 6.7% 0.0% 0.0% 尿路感染症に対する治療 10.2% 尿路感染症に対する治療 10.6% 9.4% 10.0% 傷病等によりリハビリテーション 11.4% 傷病等によりリハビリテーション 14.7% 10.4% 14.2% 脱水かつ発熱の場合 2.0% 脱水かつ発熱の場合 3.6% 1.7% 2.9% 頻回の嘔吐かつ発熱の場合 0.3% 頻回の嘔吐かつ発熱の場合 0.4% 0.3% 0.3% せん妄に対する治療 1.6% せん妄に対する治療 3.5% 0.9% 2.4% 経腸栄養かつ頻回の嘔吐又は発熱の場合 12.7% 経腸栄養かつ頻回の嘔吐又は発熱の場合 8.2% 11.6% 7.3% 頻回の血糖検査 6.9% 頻回の血糖検査 5.0% 6.8% 5.1% 人工腎臓等 7.0% 人工腎臓等 3.0% 6.6% 2.7% 肺炎に対する治療 13.0% 肺炎に対する治療 11.0% 11.6% 10.3% 褥瘡に対する治療 13.7% 褥瘡に対する治療 11.4% 13.3% 11.9% 末梢循環障害による下肢末端の開放創 0.6% 末梢循環障害による下肢末端の開放創 0.5% 0.5% 0.3% うつ症状に対する治療 3.0% うつ症状に対する治療 5.0% 2.3% 3.7% 1日8回以上の喀痰吸引 34.5% 1日8回以上の喀痰吸引 20.9% 33.3% 21.0% 気管切開又は気管内挿管(発熱以外) 7.3% 気管切開又は気管内挿管(発熱以外) 3.5% 7.4% 3.4% 創傷、皮膚潰瘍の治療 2.9% 創傷、皮膚潰瘍の治療 4.3% 2.2% 2.1% 酸素療法(密度の高い治療不要) 32.2% 酸素療法(密度の高い治療不要) 25.6% 31.3% 25.2% R6 R5 R6 R5 20 出典:DPCデータ(各年6月~12月) 療養病棟における疾患・状態、処置の区分の該当割合 診調組 入-2 7.8.21 ○ 入院料1・2ともに、処置等の区分2が減少し、処置等の区分3、疾患・状態の区分3の割合が増加していた。 疾患・状態、処置の各区分に該当する算定日数の割合 療養病棟入院料1における算定日数の割合 療養病棟入院料2における算定日数の割合 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 14.5% 11.7% 疾患・状態2 疾患・状態2 16.1% 11.7% 20.7% 9.6% 疾患・状態3 疾患・状態3 15.7% 7.8% 55.6% 45.9% 処置等2 処置等2 66.7% 48.3% 26.4% 14.6% 処置等3 処置等3 17.5% 9.4% R6 R5 R6 R5 21 出典:DPCデータ(各年6月~12月) 療養病棟入院料1における医療区分と医療資源投入量 診調組 入-2 7.8.21改 ○ 入院料30区分の包括内出来高点数の分布は以下のとおり。なお、ADL区分が高い区分(入院料1,4, 7等)においては、その他の区分と比べてADLに対するケアの必要性も増すと考えられるが、医療資 源投入量(包括内の出来高実績点数)としては表現されていないことに留意する必要がある。 1000 包 800 括 内 の 600 出 来 高 実 400 績 点 数 200 入院料 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 疾患・状態 3 2 1 ※ 処置 3 2 1 3 2 1 3 2 1 - ADL 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 ※スモン 22 出典:DPCデータ(2024年6月~12月) 療養病棟入院料2における医療区分と医療資源投入量 診調組 入-2 7.8.21改 ○ 入院料30区分の包括内出来高点数の分布は以下のとおりで、療養病棟入院料1と同様の傾向で あった。 1000 包 800 括 内 の 600 出 来 高 実 400 績 点 数 200 入院料 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 疾患・状態 3 2 1 ※ 処置 3 2 1 3 2 1 3 2 1 - ADL 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 ※スモン 23 出典:DPCデータ(2024年6月~12月) 処置の医療区分 ○ 処置の医療区分2には、例えば肺炎と褥瘡等、合併しうる病態が含まれている。各項目を病態や治療により分 類すると以下のようなカテゴリーに分けられ、「感染症の治療」と「創傷処置」が合併した場合は、それぞれに ついて独立した治療が行われ、包括範囲の医療資源投入量が増加すると考えられる。 処置等 ・中心静脈栄養(療養病棟入院基本料を算定する場合にあっては、広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、 活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻若しくは急性膵炎を有する患者を対象とする場合又は 中心静脈栄養を開始した日から30日以内の場合に実施するものに限る) 医 ・二十四時間持続点滴 療 ・人工呼吸器の使用 区 分 ・ドレーン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄 3 ・気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る) ・酸素療法(密度の高い治療を要する状態の患者に対するものに限る) ・感染症の治療の必要性から実施する隔離室での管理 ・肺炎に対する治療 ・尿路感染症に対する治療 ・脱水に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る) 感染症の治療 ・頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る) ・経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養(発熱又は嘔吐を伴う状態の患者に対するものに限る) ・褥瘡に対する治療(皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が二箇所以上に認められる場合に限る。) 創傷処置 ・末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療 ・創傷(手術創や感染創を含む。)、皮膚潰瘍又は下腿(たい)若しくは足部の蜂巣炎、膿(のう)等の感染症に対する治療 医 療 ・中心静脈栄養(広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消 区 化管瘻又は急性膵炎を有する患者以外を対象として、中心静脈栄養を開始した日から30日を超えて実施するものに限る) 分 ・酸素療法(密度の高い治療を要する状態を除く) 2 その他の処置 ・人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法 ・一日八回以上の喀痰(かくたん)吸引 ・気管切開又は気管内挿管が行われている状態(発熱を伴う状態を除く) ・頻回の血糖検査 精神・神経症状に ・せん妄に対する治療 ・うつ症状に対する治療 関する対応 ・傷病等によるリハビリテーション(原因となる傷病等の発症後、三十日以内の場合で、実際にリハビリテーションを行っている場合に限る) リハビリテーション 24 処置の医療区分2が重なった場合の医療資源投入量 ○ 処置区分2の入院料を算定する日のうち、「感染症の治療」「創傷処置」の両カテゴリーに該当 したのは0.24%であり、その他の日と比較して、包括される出来高実績点数は平均・中央値とも 約150点高かった。 処置区分2の入院日における医療資源投入量 (感染症、創傷処置の合併有無別) 平均 417点 中央値 323点 平均 262点 平均 1953点 平均 1991点 中央値 173点 中央値 1867点 中央値 1837点 (nはいずれも病日) (n=3420) (n=1,401,675) (n=3420) (n=1,401,675) 「合併あり」は、処置区分2のうち、「感染症の治療」「創傷処置」に含まれる項目にそれぞれ1つ以上該当した入院日、 25 出典:DPCデータ(2024年6月~12月) 「合併なし」はそれ以外の入院日を集計した。病態を把握するため、対象期間に入退院が完結している症例を対象とした。 1.療養病棟入院基本料 1-1.経緯と概要 1-2.療養病棟における医療区分について 1ー3.経腸栄養や摂食嚥下機能回復の取組について 2.障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料 3.身体的拘束について 26 令和6年度診療報酬改定 Ⅱ-4 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価ー⑭ 療養病棟入院基本料の見直し② 中心静脈栄養に係る評価の見直し ➢ 療養病棟における中心静脈栄養について、患者の疾患及び状態並びに実施した期間に応じた医療区 分に見直す。中心静脈栄養を終了後7日間に限り、終了前の医療区分により算定することができる。 現行 改定後 【療養病棟入院料】 【療養病棟入院料】 [施設基準](概要) [施設基準](概要) 医療区分3 医療区分3 中心静脈注射を実施している状態 中心静脈栄養(療養病棟入院基本料を算定する場合にあっては、広汎性腹膜炎、腸閉塞、 難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻若 しくは急性膵炎を有する患者を対象とする場合又は中心静脈栄養を開始した日から30日以 内の場合に実施するものに限る。) 医療区分2 医療区分2 (新設) 中心静脈栄養(広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、 炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻又は急性膵炎を有する患者以外を対象として、中心 静脈栄養を開始した日から30日を超えて実施するものに限る。) 経腸栄養管理加算の新設 ➢ 療養病棟に入院中の患者に対し、静脈経腸栄養ガイドライン等を踏まえた栄養管理に係る説明を実 施した上で、新たに経腸栄養を開始した場合に一定期間算定可能な経腸栄養管理加算を新設する。 (新) 経腸栄養管理加算(1日につき) 300点 [算定要件] 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、療養病棟入院基本料を算定している患者に ついて、経腸栄養を開始した場合、入院中1回に限り、経腸栄養を開始した日から7日を限度として所定点数に加算する。この場合において、栄養サ ポートチーム加算、入院栄養食事指導料、集団栄養食事指導料は別に算定できない。 [施設基準] (1) 栄養サポートチーム加算を届け出ていること又は療養病棟における経腸栄養管理を担当する専任の管理栄養士を1名以上配置していること。 (2) 内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を実施する体制を有していること。なお、当該検査等については、耳鼻咽喉科又はリハビリテーション科その他必 要な診療科を標榜する他の保険医療機関との協力により確保することでも差し支えない。 27 令和4年度診療報酬改定 Ⅲ-3 アウトカムにも着目した評価の推進-① 摂食嚥下支援加算の見直し① 摂食嚥下支援加算の見直し ➢ 中心静脈栄養や鼻腔栄養等を実施している患者の経口摂取回復に係る効果的な取組を更に推進する 観点から、摂食嚥下支援加算について、名称、要件及び評価を見直す。 現行 改定後 【摂食嚥下支援加算(摂食機能療法)】 (改)【摂食嚥下機能回復体制加算(摂食機能療法)】 摂食嚥下支援加算 200点(週1回) 摂食嚥下機能回復体制加算1 210点(週1回) 摂食嚥下機能回復体制加算2 190点(週1回) 摂食嚥下機能回復体制加算3 120点(週1回) [算定要件] [算定要件] ・摂食嚥下支援チームにより、内視鏡下嚥下 ①内視鏡下機能検査又は嚥下造影の結果に基づいて、摂食嚥下支援計画書を作成 機能検査又は嚥下造影の結果に基づいて、 ②嚥下造影又は内視鏡下嚥下機能検査を実施(月1回以上) 摂食嚥下支援計画書を作成 ③検査結果等を踏まえカンファレンスを実施(週1回以上) ・内視鏡嚥下機能検査又は嚥下造影を実施 ④カンファレンスの結果に基づき、摂食嚥下支援計画書の見直し、嚥下調整食 の見直 (月1回以上) し等を実施 ・検査結果を踏まえ、チームカンファレンス を実施(週1回以上) [施設基準] ・カンファレンスの結果に基づき、摂食嚥下 加算1 加算2 加算3 支援計画書の見直し、嚥下調整食の見直し 等を実施 等 摂食嚥下支援チームの設置(ST以外は全員専任) 専任の医師、看護師又は言語聴覚士 ・医師又は歯科医師、適切な研修を修了した看護師 又は専従の言語聴覚士、管理栄養士 [施設基準] ・カンファレンスに参加:必要に応じてその他職種 摂食嚥下支援チームを設置 摂食機能療法の算定可能医療機関 療養病棟入院基本料のうち、療養病棟入 ➢ 専任の常勤医師又は常勤歯科医師 * 院料1又は入院料2を算定している病棟 ➢ 専任の常勤看護師(経験5年かつ研修修了)* ➢ 専任の常勤言語聴覚士 * ・鼻腔栄養、胃瘻、又は中 ・摂食機能又は嚥下 ・中心静脈栄養を実施している患者のう ➢ 専任の常勤薬剤師* ➢ 専任の常勤管理栄養士* 心静脈栄養の患者の経口摂 機能に係る療養につ ち、「嚥下機能評価を実施の上、嚥下リ ➢ 専任の歯科衛生士 取回復率35%以上 いて実績等を地方厚 ハビリテーション等を行い、嚥下機能が ➢ 専任の理学療法士又は作業療法士 ・摂食機能又は嚥下機能に 生局長等に報告 回復し、中心静脈栄養を終了した患者」 *の職種は、カンファレンスの参加が必須 係る療養についての実績等 が1年に2人以上 入院時及び退院時の嚥下機能の評価等につい を地方厚生局長等に報告 ・摂食機能又は嚥下機能に係る療養につ て報告 いての実績等を地方厚生局長等に報告 28 療養病棟における患者が受けた医療行為・処置等 診調組 入-1参考 7 . 5 . 2 2 ○ 療養病棟において患者が受けた医療行為・処置等の割合は令和4年度調査と同様の傾向であった。 ○ 医療区分上の定義が見直された「中心静脈栄養」は16.3%、関連して「胃ろう・腸ろうによる 栄養管理」は13.0%、「経鼻経管栄養」は26.7%であった。(令和4年度はそれぞれ14.3%、 14.3%、26.3%) 療養病棟における患者が受けた医療行為・処置等(n=6927) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 気管切開・気管内挿管 1.7% 気管カニューレの交換 7.6% 胸腹腔洗浄 0.01% 胃瘻カテーテルの装着・交換 5.7% 中心静脈カテーテルの挿入・交換 4.5% その他カテーテルの挿入・交換 15.0% モルヒネの持続皮下注射 0.04% 鎮静薬の持続皮下注射 0.04% エコー検査 1.4% 造影剤を用いた放射線検査 1.5% 血圧・脈拍の測定 90.4% 服薬援助・管理(点眼薬等を含む) 74.4% 胃ろう・腸ろうによる栄養管理 13.0% 経鼻経管栄養 26.7% 中心静脈栄養 16.3% 喀痰吸引 50.8% ネブライザー 2.1% 創傷処置 11.1% 体位変換 70.5% 浣腸・摘便 39.6% 褥瘡の処置 10.2% インスリン注射 6.8% 点滴・注射(インスリン注射以外) 22.0% 膀胱(留置)カテーテルの管理 20.4% 人工肛門・人工膀胱の管理 0.8% 人工呼吸器の管理 2.1% 気管切開の処置 3.9% 酸素療法管理 23.9% がん末期の疼痛管理 1.0% 慢性疼痛の管理(がん末期の疼痛管理以外) 1.1% 透析・腹膜還流 5.9% リハビリテーション 53.4% 口腔ケア 73.9% 29 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (入院患者票(C票)) 摂食嚥下機能の回復や栄養管理に係る体制・加算の届出状況 診調組 入-2 7.8.21改 ○ 療養病棟における各体制・加算の届出状況は以下のとおり。 ○ 経腸栄養管理加算を届け出ている施設のうち、約3/4は栄養サポートチーム加算を届け出ておら ず、専任の管理栄養士を配置することで施設基準を満たしていると想定される。 療養病棟入院基本料を届け出る2882施設中の各加算の届出施設数 栄養サポートチーム加算 408施設 • NSTによる診療の評価 • 栄養管理に係る所定の研修を修了した 専任の常勤医師、常勤看護師、常勤薬 経腸栄養管理加算 910施設 剤師、常勤管理栄養士 175 • 経腸栄養を開始するにあたっての適切な管理・ 支援の評価 • 内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を実施する 214 体制 • 栄養サポートチーム加算の届出又は専任の管理 栄養士1名以上 4 642 15 摂食嚥下機能回復体制加算 94施設 39 36 • 摂食機能療法において多職種が共同して 摂食嚥下機能の回復に係る必要な指導管理を 自院又は他院における内視鏡下嚥下機能検査 行った場合の加算 又は嚥下造影を実施できる体制 813施設※ • 専任の常勤医師、専任の常勤看護師又は専任の常勤言語 聴覚士が1名以上勤務している • 内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を実施する体制 • 中心静脈栄養を実施していた患者のうち、嚥下機能評価 • 摂食機能療法を当該保険医療機関内で実施できること を実施した上で嚥下リハビリテーション等を行い、嚥下 • 上記の体制がない場合、中心静脈栄養の処置区分が3で 機能が回復し、中心静脈栄養を終了した者の数の前年の も2として算定。 実績が、2名以上 ※本体制がなければ経腸栄養管理加算、摂食嚥下機能回復体制 加算は届出できないため、記入間違い等があると思われる。 30 出典:主な施設基準の届出状況等(令和6年8月1日時点) 経腸栄養管理加算の算定状況と届出しない理由 診調組 入-2 7.8.21改 ○ 経腸栄養管理加算の届出施設のうち、算定回数が0回の施設が約9割弱と多かった。 ○ 加算の届出を行わない理由のうち自由記述では、転院前に1か月以上中心静脈栄養を実施する患 者がおらず、対象患者がいないために算定できないことがあげられていた。 A101 療養病棟入院基本料 注11 経腸栄養管理加算 【算定の対象となる患者】 次のア又はイに該当し、医師が適切な経腸栄養の管理と支援が必要と判断した者である。経腸栄養を行っている場合は、経口栄養又は 中心静脈栄養を併用する場合においても算定できる。ただし、入棟前の1か月間に経腸栄養が実施されていた患者については算定でき ない。 ア 長期間、中心静脈栄養による栄養管理を実施している患者 イ 経口摂取が不可能となった又は経口摂取のみでは必要な栄養補給ができなくなった患者 経腸栄養管理加算の算定回数ごとの施設数 (n=910) 届出をしない理由 900 797 • 対象となるような患者の入院 800 がないため 700 • 一般病棟で経腸栄養を開始す 600 るため 500 • 当院へ転院前に1か月以上中 400 心静脈栄養を実施されている 300 患者が少なく算定できない 200 • 経口摂取以外の栄養摂取は行 100 33 57 わない方針であり算定できる 14 3 6 0 患者がいないため 0回 1-6回 7-14回 15回-30回 31回以上 不明 31 出典:NDBデータ(2024年12月)(左)、令和6年度入院・外来医療等における実態調査(施設調査票(C票)) 摂食嚥下機能回復体制加算の算定状況と届出しない理由 診調組 入-2 7.8.21改 ○ 摂食嚥下機能回復体制加算3を届け出ている施設のうち、算定回数が0回の施設は約6割であった。算 定回数は緩徐に増加しているものの少ない。 ○ 届出をしない理由として、中心静脈栄養を実施している患者がいないため、実績要件を満たせないとい う回答があった。 H004 摂食機能療法 注3 摂食嚥下機能回復体制加算3 摂食機能及び嚥下機能の回復の支援に係る専門知識を有した多職種により構成されたチーム等による対応によって、摂食機能又は嚥下 機能の回復が見込まれる患者に対して、多職種が共同して必要な指導管理を行った場合に算定できる。 【主な施設基準】 ・ 当該保険医療機関において、専任の常勤医師、専任の常勤看護師又は専任の常勤言語聴覚士が1名以上勤務していること。 ・ 内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影の検査結果を踏まえて実施する週1回以上のカンファレンスに参加していること。 ・ 中心静脈栄養を実施していた患者のうち、嚥下機能評価を実施した上で嚥下リハビリテーション等を行い、嚥下機能が回復し、 中心静脈栄養を終了した者の数の前年の実績が、2名以上であること。 摂食嚥下機能回復体制加算3の 摂食嚥下機能回復体制加算3 届出をしない理由 算定回数ごと施設数(n=94) 算定回数の推移 60 57 600 • 中心静脈栄養は行わないため届出不要 • 中心静脈栄養の受け入れをしていない 575 50 ため 495 • 中心静脈栄養を実施している患者がい 40 400 ないため 30 • 終末期の患者が殆どのため、経口に移 22 行することが困難で該当者がいない 20 200 214 • 週1回のカンファレンスが困難なため 10 7 • 自院又は他院で嚥下造影等の検査体制 2 2 3 1 の確保が困難なため 0 0 2022年 2023年 2024年 6月審査分 6月審査分 8月審査分 32 出典:左 NDBデータ(2024年12月)、令和4~6年度社会医療診療行為別統計(中)、令和6年度入院・外来医療等における実態調査(施設調査票(C票))(右) 療養病棟入院基本料に係る課題と論点 (療養病棟入院基本料の医療区分について) • 令和6年度診療報酬改定で、疾患・状態に係る医療区分と処置に係る医療区分に基づいて入院料が細分化された。注 11に係る経過措置が終了し、療養病棟入院基本料を算定する施設・病床数ともに近年は若干減少している。 • 療養病棟入院料2を算定する医療機関のうち、98.5%において、医療区分2・3を満たす割合が6割を超えていた。 • 医療区分2・3の疾患・状態、処置に係る各項目を満たす患者の割合は、いずれも増加していた。 • 処置区分2のうち、「感染症の治療」「創傷処置」に該当する項目の双方が重なった日は、それ以外の日と比較し、包括さ れる医療資源投入量(包括内出来高実績点数)が高かった。 (療養病棟における摂食・嚥下機能回復や経腸栄養に係る取組について) • 療養病棟においては栄養管理や摂食嚥下機能の回復に係る評価が複数設けられている。 • 令和6年度改定で新設された経腸栄養管理加算は、全体の約3割にあたる910施設が届け出ていた。 • 経腸栄養管理加算や摂食嚥下機能回復体制加算は届出していても算定回数が0件の施設が多く、医療機関からは、中 心静脈栄養からの離脱等、中心静脈栄養を実施していることが前提の要件であることが一因として挙げられた。 【論点】 (療養病棟入院基本料の医療区分について) ○ 次のような点等を踏まえ、医療の必要性の高い患者の診療を推進する観点から、療養病棟入院料の評価の在り方に ついて、どのように考えるか。 ・ 特に入院料2における、医療区分2・3の患者の割合に関する基準や実状 ・ 処置区分2のうち、異なる治療を行う病態が重複した場合に医療資源投入量が増加すること (療養病棟における経腸栄養に関する取組や在宅復帰に関する取組について) ○ 経腸栄養管理加算や、摂食嚥下機能回復体制加算について、中心静脈栄養の実施が前提の要件となっているために、 そうした患者を減らしている施設の取組が評価されにくい施設基準となっている可能性があることを踏まえ、実績要件等 の施設基準について、どのように考えるか。 33 1.療養病棟入院基本料 2.障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料 3.身体的拘束について 34 令和6年度診療報酬改定 Ⅱ-4 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価-⑰ 障害者施設等入院基本料等の患者割合に係る要件の見直し 障害者施設等入院基本料等の患者割合に係る要件の見直し ➢ 障害者施設等入院基本料2~4等の要件における、重度の肢体不自由児(者)等の患者割合につい て、現行において「おおむね」として患者割合を示している取扱いを廃止する。 ➢ なお、該当患者の割合については、暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動にあっ ては、施設基準に係る変更の届出を行う必要はないこととする。 現行 改定後 【障害者施設等入院基本料】 【障害者施設等入院基本料】 [施設基準] [施設基準] 七 障害者施設等入院基本料の施設基準等 七 障害者施設等入院基本料の施設基準等 (1) 通則 (1) 通則 障害者施設等一般病棟は、次のいずれにも該当する病棟である 障害者施設等一般病棟は、次のいずれにも該当する病棟である こと。 こと。 イ 次のいずれかに該当する病棟であること。 イ 次のいずれかに該当する病棟であること。 ① (略) ① (略) ② 次のいずれにも該当する一般病棟であること。 ② 次のいずれにも該当する一般病棟であること。 1 重度の肢体不自由児(者)(脳卒中の後遺症の患者及び 1 重度の肢体不自由児(者)(脳卒中の後遺症の患者及び 認知症の患者を除く。第八の九の(1)において同じ。)、脊 認知症の患者を除く。第八の九の(1)において同じ。)、 髄損傷等の重度障害者(脳卒中の後遺症の患者及び認知症 脊髄損傷等の重度障害者(脳卒中の後遺症の患者及び認知 の患者を除く。第八の九の(1)並びに第九の八の(1)のイ及 症の患者を除く。第八の九の(1)並びに第九の八の(1)のイ び十二の(1)のイにおいて同じ。)、重度の意識障害者、筋 及び十二の(1)のイにおいて同じ。)、重度の意識障害者、 ジストロフィー患者、難病患者等をおおむね七割以上入院 筋ジストロフィー患者、難病患者等を七割以上入院させて させている病棟であること。 いる病棟であること。 2 (略) 2 (略) ※ 特殊疾患入院施設管理加算、特殊疾患入院医療管理料及び特 殊疾患病棟入院料についても同様。 35 中医協 診-2 -2 19.11.7 36 障害者施設等入院基本料に関するこれまでの経緯 中医協 総-3 7.7.23 H12 障害者施設等入院基本料を新設 <障害者施設等入院基本料の特徴> 個別の病態変動が大きく、 【対象となる施設】 【上記施設以外における要件】 児童福祉法が規定する その変動に対し高額な薬剤や ○重度の肢体不自由児(者) ・肢体不自由児施設 ○脊髄損傷等の重度障害者 高度な処置が必要となるような ・重症心身障害児施設 ○重度の意識障害者 ・国立療養所 その他 患者が対象 ○筋ジストロフィー患者 ○難病患者等 →投薬・注射・処置等が出来高払い これらの患者が概ね7割以上 ・肢体不自由児施設等以外の多くの施設において、脳出血及び脳梗塞の患者が多いことが判明。 H19 H19実態調査 ・肢体不自由児施設等では、退院の見通しの立たない患者が多いことが判明。 H20 平成20年度診療報酬改定 (特殊疾患病棟に合わせた見直し) ・対象疾患の見直し(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を対象疾患から除外) ・脳卒中後遺症や認知症等の患者が多くを占める病棟に対する病床転換支援(経過措置) H28 平成28年度診療報酬改定 (特殊疾患病棟に合わせた見直し) ・ 重度の意識障害(脳卒中の後遺症の患者に限る。)であって、当該患者の疾患及び状態等が療養病棟入院基本料 に規定する医療区分1又は2に相当する場合は、療養病棟入院基本料の評価体系を踏まえた評価とした 令和4年度診療報酬改定 (特殊疾患病棟に合わせた見直し) R4 ・ 障害者病棟に入院する重度の意識障害を有さない脳卒中の患者について、療養病棟入院料の評価体系を踏ま えた評価とした。 ・ 栄養サポートチーム加算を算定できる病棟に、障害者施設等入院基本料を算定する病棟を加えた。 R6 令和6年度診療報酬改定 ・ 「おおむね」として患者割合を示していた取扱を廃止した。 ・ 患者の状態に応じた適切な管理を更に推進する観点から、透析を実施する慢性腎臓病患者について、療養病棟入 院基本料に準じた評価体系とした。 37 障害者施設等入院基本料 届出医療機関数・病床数 中医協 総-3 7.7.23 医療機関数 病床数 1,000 80,000 医療機関数 70,371 72,004 72,268 72,117 70,304 900 68,421 70,209 6697066,800 67,341 70,000 65853 800 病床数 60,521 62,116 60,132 60,940 62,611 63571 57,768 60,000 700 50,000 600 44,693 500 40,000 36,165 32,299 853 866 862 863 876 888 882 878 891 886 879 400 816 810 819 26,579 778 757 778 786 30,000 22,974 300 590 20,000 462 200 389 298 10,000 100 236 0 0 38 出典:保険局医療課調べ(各年7月1日時点、令和6年度は8月1日時点) 障害者施設等入院基本料 届出医療機関・病床数(入院料別)中医協 総-3 7.7.23 医療機関数 病床数 1,000 80,000 900 36 31 30 70,000 1,840 1,781 1,903 1,853 45 32 28 2,604 2,069 50 800 75 79 69 55 50 133 141 136 129 124 125 4,921 4,066 3,235 3,003 7 2 , , 6 76 4 2 8 8,005 8,335 8,026 7,725 7,553 7,741 126 4,730 156 147 138 60,000 9,568 8,859 8,683 700 169 10,351 171 11,094 50,000 600 500 40,000 46,066 45,932 46,628 46,039 45,752 45,220 45,153 400 611 625 631 634 652 648 638 628 30,000 45,016 46,349 45,046 593 611 45,071 568 43,116 300 540 20,000 200 10,000 100 12,858 13,943 14,714 15,444 16,068 16,184 16,484 10,609 33 37 48 49 64 75 79 88 90 94 92 98 4,631 5,510 8,320 8,357 0 0 7対1 10対1 13対1 15対1 7対1 10対1 13対1 15対1 39 出典:保険局医療課調べ(各年7月1日時点、令和6年度は8月1日時点) 特殊疾患病棟入院料に関するこれまでの係る経緯 中医協 総-3 7.7.23 H6 特殊疾患療養病棟を新設 <特殊疾患病棟入院料の特徴> 処置内容や病態の変動はそれほど大きくな いが、医療の必要性は高い H12 特殊疾患入院医療管理料を新設 (病室単位で算定可能に) →投薬・注射・処置等が包括払い H16実態調査 H16 実際には医療療養病床で対応可能な患者が相当数入院していることが判明。 平成18年度診療報酬改定 特殊疾患療養病棟入院料等算定病床について H18 ・療養病床部分 →廃止 H19 ・一般病床、精神病床部分 →19年度末に廃止を予定 H20 H19実態調査 ・肢体不自由児施設等以外の多くの施設において 脳出血及び脳梗塞の患者が多いことが判明。 ・肢体不自由児施設等では、退院の見通しの立たない患者が多いことが判明。 平成20年度診療報酬改定 ・存続を決定 ・対象疾患の見直し(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を対象疾患から除外) ・名称変更(特殊疾患療養病棟入院料→特殊疾患病棟入院料) ・脳卒中後遺症や認知症等の患者が多くを占める病棟に対する病床転換支援(経過措置) H28 平成28年度診療報酬改定 ・ 重度の意識障害(脳卒中の後遺症の患者に限る。)であって、当該患者の疾患及び状態等が療養病棟入院基本料に規定す る医療区分1又は2に相当する場合は、療養病棟入院基本料の評価体系を踏まえた評価とした R4 令和4年度診療報酬改定 ・ 特殊疾患病棟に入院する重度の意識障害を有さない脳卒中の患者について、療養病棟入院料の評価体系を踏まえた評価とした。 R6 令和6年度診療報酬改定 ・ 患者の状態に応じた適切な管理を更に推進する観点から、透析を実施する慢性腎臓病患者について、療養病棟 入院基本料に準じた評 40 価体系とした。 特殊疾患病棟入院料 届出医療機関数・病床数 中医協 総-3 7.7.23 医療機関数 病床数 300 17,140 18,000 15,434 16,000 250 13,282 14,000 12,490 200 12,000 9,873 9,430 8,982 10,000 150 8,385 7,958 8,062 8,107 7,739 7,766 7,406 7,095 7,211 7,539 8,000 6,877 6,096 6,363 6,215 6,403 6,562 6,386 5,942 5,775 100 5,117 5,459 6,000 5,405 5,541 5,658 5,253 5,615 6,013 5,846 5,981 5,876 5,850 5,781 5,609 5,431 5,364 5,287 5,356 5,141 4,000 4,251 50 102 200 246 271 190 109 88 90 91 93 97 102 106 106 107 110 113 144 79 80 76 74 81 2,000 85 144 172 181 114 92 84 110 110 117 121 115 113 113 111 110 109 106 103 102 102 102 97 0 0 特殊疾患病棟入院料1医療機関数 特殊疾患病棟入院料2医療機関数 特殊疾患病棟入院料1病床数 特殊疾患病棟入院料2病床数 ※平成20年3月31日以前は特殊疾患療養病棟入院料 41 出典:保険局医療課調べ(各年7月1日時点、令和6年度は8月1日時点) 特殊疾患入院医療管理料 届出医療機関数・病床数 中医協 総-3 7.7.23 医療機関数 病床数 70 1,600 1,492 医療機関数 1,400 60 1,193 1,154 病床数 1,200 50 1,000 40 855 817 800 653 30 62 62 637 604 606 57 58 544 52 505 494 600 480 479 480 470 466 431 447 444 424 440 20 384 48 39 35 37 36 38 400 31 30 31 32 32 33 32 33 33 34 27 26 10 200 0 0 42 出典:保険局医療課調べ(各年7月1日時点、令和6年度は8月1日時点) 障害者施設・特殊疾患病棟の患者の対象疾患等の該当状況 診調組 入-2 7.8.21 ○ 障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料2においては重度の肢体不自由児(者)の該当割合が高く、対 象疾患に該当する割合は全体では8割を超えていた。 ○ 特殊疾患病棟入院料1においては難病患者等の割合が多かった。 障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料等の病棟における対象疾患等の該当状況 (令和6年10月の1か月間) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 7対1障害者施設等入院基本料(n=404) 10対1障害者施設等入院基本料(n=1574) 13対1障害者施設等入院基本料(n=182) 特殊疾患病棟入院料1(n=121) 特殊疾患病棟入院料2(n=187) 特殊疾患入院医療管理料(n=7) 重度の肢体不自由児・者(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く) 脊椎損傷等の重度障害者(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く) 重度の意識障害者 筋ジストロフィー患者 難病患者等 その他 ※15対1障害者施設等入院基本料は、回答した病棟が1病棟のみのためグラフに含めていない。 43 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (入院患者票(D票)) 障害者施設等入院基本料の算定イメージ ○ 障害者施設等入院基本料については「個別の病態変動が大きく、その変動に対し高額な薬剤や高度な処置が必 要となるような患者」を対象としており、原則出来高算定である。 ○ 脳卒中の後遺症である医療区分1,2の患者や人工腎臓等を実施する慢性腎臓病の患者については、療養病 棟・障害者施設等入院基本料を算定する病棟の双方に多く入院しており、患者の状態等が類似していることから、 累次の改定で療養病棟に準じた評価体系への見直しが行われてきた。 患者像 90日以内 90日を超える期間 ⚫ 重度の肢体不自由児(者) (脳卒中の後遺症及び認知症を除く) 障害者施設等入院基本料(出来高) ⚫ 脊髄損傷等の重度障害者(同上) ⚫ 重度の意識障害者 ※90日以降も特定患者に該当しない(=特定除外) ⚫ 筋ジストロフィー患者及び難病患者等 重度の意識障害者(脳卒中の後遺症)の 療養病棟入院基本料に準じた体系(包括) うち医療区分1,2(注6) 医療区分と配置基準に応じた点数(注6) 特定入院基本料 特定患者: 脳卒中又は脳卒中の後遺症(重度の意識障 療養病棟に準じた体系(包括) (包括) 害者、筋ジストロフィー患者及び難病患者 医療区分と配置基準に応じた点数(注13) 特定除外: 左の算定を継続 等を除く)のうち医療区分1,2(注13) (包括) 左の算定を継続(包括) 人工腎臓等を継続的に行っている慢性腎臓 療養病棟に準じた体系(包括) ※人工腎臓の頻度が少ない等により特定除 病の患者のうち医療区分2 配置基準に応じた点数(注14) 外の項番10に該当しない場合は、特定入 (注6及び注13を除く)(注14) 院基本料(包括) 特定入院基本料 特定患者: 障害者施設等入院基本料 (包括) 上記いずれにも該当しない患者 (出来高) 左の算定を継続 特定除外: (出来高) 44 障害者施設等入院基本料等を算定する患者の傷病名 ○ 慢性期の入院料別の主たる傷病名ごとの患者数は以下のとおりであり、障害者施設等入院基本料 7対1入院料とそれ以外では、疾患の傾向や平均年齢が異なっている。 ○ 廃用症候群は、障害者施設等入院基本料10対1~15対1と療養病棟の双方に多く入院していた。 ○ 障害者施設等入院基本料においては、廃用症候群は肢体不自由として対象患者となっている割合 が高かった。 入院料別の入院患者数が多い主傷病名上位5疾患 平均年齢 肢体不自由 主傷病名 割合 平均年齢 (療養) 割合 1 脳性麻痺 48.5% 45歳 47歳 89% 2 低酸素性脳症 4.4% 35歳 65歳 61% 7 対 3 筋萎縮性側索硬化症 3.6% 75歳 71歳 6.7% 1 4 てんかん 2.7% 49歳 72歳 100% 平均年齢 肢体不自由 主傷病名 割合 平均年齢 5 筋強直性ジストロフィー 2.7% 41歳 81歳 9.1% (療養) 割合 1 脳性麻痺 26.0% 40歳 47歳 94% 1 脳梗塞・脳梗塞後遺症 9.4% 86歳 2 廃用症候群 5.0% 85歳 85歳 79% 療 2 廃用症候群 5.4% 85歳 10 養 対 3 末期腎不全 2.8% 73歳 78歳 81% 3 アルツハイマー型認知症 4.7% 88歳 病 1 4 低酸素性脳症 2.5% 43歳 65歳 100% 棟 4 慢性心不全 4.0% 88歳 5 てんかん 2.3% 52歳 72歳 77% 5 誤嚥性肺炎 3.8% 86歳 13 1 廃用症候群 11.8% 89歳 85歳 85% 対 2 脳性麻痺 10.0% 35歳 47歳 100% 1 ・ 3 慢性腎不全 5.9% 79歳 79歳 15% 15 4 てんかん 5.0% 48歳 72歳 82% 対 1 5 誤嚥性肺炎 4.5% 86歳 86歳 70% 45 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (入院患者票(C票)(D票)) 慢性期の病棟における廃用症候群の入院医療の状況 ○ 廃用症候群を主傷病名として入院する患者の状態は、障害者施設等入院基本料と療養病棟入院料 で類似していた。 ○ レセプト請求点数は、障害者施設等入院基本料で他の入院料より高かった。 廃用症候群を主傷病とする患者の状態 障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度) C 10対1(n=72) B A 13対1(n=26) J 自立 療養(n=366) 無回答 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 認知症の有無 あり 10対1(n=72) なし 13対1(n=26) 不明又は無回答 療養(n=366) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 医療的な状態 10対1(n=72) 常時、不安定 時々、不安定 13対1(n=26) 安定している 療養(n=366) 無回答 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 46 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (入院患者票(C票)(D票)) (参考)肢体不自由の定義 ○ 過去の中医協資料等において、「重度の肢体不自由児(者)」の範囲は身体障害者福祉法施行規則別表第5号 に定める身体障害者障害程度等級表の1,2級に相当する範囲と整理されている。 ○ なお、特殊疾患病棟入院料2における「重度の肢体不自由児(者)」は、日常生活自立度ランクB以上に限る こととされており、例えば肢体不自由二級で一上肢機能が全廃していても、寝たきりでない場合は該当しない。 身体障害者福祉法施行規則 別表第5号 肢体不自由 乳幼児期以前の非進行性の脳病変による 運動機能障害 上肢 下肢 体幹 上肢機能 移動機能 1. 両上肢の機能を全廃し 1. 両下肢の機能を全廃し 不随意運動・失調等 体幹の機能障害によ 不随意運動・失調等 たもの たもの により上肢を使用す 一級 り座っていることが により歩行が不可能 2. 両上肢を手関節以上で 2. 両下肢を大腿の2分の る日常生活動作がほ できないもの なもの 欠くもの 1以上で欠くもの とんど不可能なもの 1. 両上肢の機能の著しい 1. 体幹の機能障害に 障害 1. 両下肢の機能の著しい より坐位又は起立 不随意運動・失調等 2. 両上肢のすべての指を 障害 位を保つことが困 により上肢を使用す 不随意運動・失調等 欠くもの 二級 難なもの る日常生活機能動作 により歩行が極度に 3. 一上肢を上腕の2分の 2. 両下肢を下腿の2分の 2. 体幹の機能障害に が極度に制限される 制限されるもの 1以上で欠くもの 1以上で欠くもの より立ち上がるこ もの 4. 一上肢の機能を全廃し とが困難なもの たもの 基本診療料の施設基準等及びその届 出に 関する手 続き の取扱い につ いて 第13の1 特殊疾患病棟入院料に関する施設基準 (3)特殊疾患病棟入院料2の施設基準 次のいずれかの基準を満たしていること。 ア 次のいずれかに該当する一般病棟又は精神病棟 (イ)児童福祉法第42条第2号に規定する医療型障害児入所施設 (ロ)児童福祉法第6条の2の2第3項に規定する指定発達支援医療機関 イ 当該病棟の入院患者数の8割以上が、重度の肢体不自由児(者)(日常生活自立度のランクB以上に限る。)等の重度の障害者で あること。(略) 47 障害者施設等入院基本料等に係る課題と論点 • 障害者施設等入院基本料については「個別の病態変動が大きく、その変動に対し高額な薬剤や高度な処置が必要とな るような患者」を対象としており、一方、特殊疾患病棟入院料については「処置内容や病態の変動はそれほど大きくない が、医療の必要性は高い患者」を対象としている。 • 障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院料1・入院医療管理料を届け出る医療機関数・病床数は、令和4年以降、 概ね横ばいから微減であった。特殊疾患病棟入院料2の医療機関数・病床数はわずかに増加していた。 • 脳卒中の後遺症である医療区分1,2の患者等、療養病棟・障害者施設等入院基本料を算定する病棟の双方に多く入 院している患者については、患者の状態等が類似していたことから、過去の改定で療養病棟に準じた評価体系への見 直しが行われてきた。 • 障害者施設等入院基本料10対1入院基本料~15対1入院基本料では、療養病棟にも多く入院している廃用症候群の患 者が多く、5~12%程度を占めていた。こうした症例は、「肢体不自由」として対象患者とされている割合が多かった。 • 廃用症候群の患者の状態等は、療養病棟と類似していた。請求点数は障害者施設等入院基本料において高かった。 • 患者割合の対象となる「重度の肢体不自由」については、過去に身体障害者福祉法施行規則別表第5号の障害等級1, 2級に相当する範囲と整理されている。 【論点】 ○ 障害者施設等入院基本料10対1~15対1入院基本料を算定する病棟では、主たる病名が廃用症候群である患者の入 院が多いが、療養病棟にも多く入院しており、患者の状態が両病棟で類似していることを踏まえ、慢性期の入院料におけ る役割分担等の観点から、その評価の在り方についてどのように考えるか。 48 1.療養病棟入院基本料 2.障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料 3.身体的拘束について 3-1.経緯と概要 3-2.身体的拘束の実施状況 3-3.身体的拘束を減らすためのより踏み込んだ取組について 49 身体的拘束とは ○ 診療報酬の算定上、身体的拘束について下記のとおり定義している。 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて (令和6年3月5日厚生労働省保険局医療課長通知) 7.身体的拘束最小化の基準 (3)身体的拘束とは、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当 該患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいうこと。 疑義解釈資料の送付について(その1)(平成28年3月31日厚生労働省保険局医療課事務連絡) (問62)身体的拘束は具体的にはどのような行為か。 身体的拘束は、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何かしらの用具を使用して、一時的に当該患者 の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限であり、車椅子やいす、ベッドに体幹や四肢をひも等 で縛る等はすべて該当する。 ただし、移動時等に、安全確保のために短時間固定ベルト等を使用する場合については、使用してい る間、常に、職員が介助等のため、当該患者の側に付き添っている場合に限り、「注2」の点数は適用 しなくてよい。 50 身体的拘束を最小化する取組についての診療報酬上の経緯 年度 概要 ・認知症ケア加算が新設され、身体的拘束を実施した日は所定点数の100分の60に相当 平成28年度 する点数を算定することとされた。 ・あわせて、点数表告示と事務連絡で身体的拘束の解釈が示された。 看護配置等に関する以下の加算において、身体的拘束その他の行動制限を最小化する 取組の規定が追加された。 ・療養病棟入院基本料の注13に規定する夜間看護加算 ・障害者施設等入院基本料の注9に規定する看護補助加算 平成30年度 ・A207-3 急性期看護補助体制加算 ・A214 看護補助加算 ・地域包括ケア病棟の注4に規定する看護補助者配置加算 ・精神科救急入院料の注5に規定する看護職員夜間配置加算 ・認知症治療病棟の注3に規定する認知症夜間対応加算 ・身体的拘束最小化の取組について、入院料の通則に規定された。 ・認知症ケア加算について、身体的拘束を実施した日は所定点数の100分の40に相当す る点数を算定することとなった。 令和6年度 ・看護補助体制充実加算について、身体的拘束を実施した日は低い区分で算定する規 定が新設された。(令和7年6月1日より適用) ※新設の地域包括医療病棟にも同様の規定が設けられた。 51 令和6年度診療報酬改定 Ⅰ-1 医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組ー② 身体的拘束を最小化する取組の強化(入院料通則の改定③) 身体的拘束を最小化する取組の強化 ➢ 医療機関における身体的拘束を最小化する取組を強化するため、入院料の施設基準に、患者又は他 の患者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束を行ってはなら ないことを規定するとともに、医療機関において組織的に身体的拘束を最小化する体制を整備する ことを規定する。 ・ 精神科病院(精神科病院以外の病院で精神病室が設けられているものを含む)における身体的拘束の取扱いについては、 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定によるものとする。 ・ 身体的拘束最小化に関する基準を満たすことができない保険医療機関については、入院基本料(特別入院基本料等を除 く)、特定入院料又は短期滞在手術等基本料(短期滞在手術等基本料1を除く。)の所定点数から1日につき40点を減 算する。 【身体的拘束最小化の基準】 [施設基準] (1)当該保険医療機関において、患者又は他の患者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束を行っては ならないこと。 (2) (1)の身体的拘束を行う場合には、その態様及び時間、その際の患者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければな らないこと。 (3) 身体的拘束は、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動を抑制 する行動の制限をいうこと。 (4)当該保険医療機関において、身体的拘束最小化対策に係る専任の医師及び専任の看護職員から構成される身体的拘束最小化チームが設 置されていること。なお、必要に応じて、薬剤師等、入院医療に携わる多職種が参加していることが望ましい。 (5)身体的拘束最小化チームでは、以下の業務を実施すること。 ア 身体的拘束の実施状況を把握し、管理者を含む職員に定期的に周知徹底すること。 イ 身体的拘束を最小化するための指針を作成し、職員に周知し活用すること。なお、アを踏まえ、定期的に当該指針の見直しを行うこ と。また、当該指針には、鎮静を目的とした薬物の適正使用や(3)に規定する身体的拘束以外の患者の行動を制限する行為の最小化 に係る内容を盛り込むことが望ましい。 ウ 入院患者に係わる職員を対象として、身体的拘束の最小化に関する研修を定期的に行うこと。 (6) (1)から(5)までの規定に関わらず、精神科病院(精神科病院以外の病院で精神病室が設けられているものを含む)における身体 的拘束の取扱いについては、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定による。 52 [経過措置] 令和6年3月31日において現に入院基本料又は特定入院料に係る届出を行っている病棟については、令和7年5月31日までの間に限り、身体的拘束最小化の基準に 該当するものとみなす。 身体的拘束を最小化する取組① 指針の策定状況・体制 診調組 入-1 7.5.22改 ○ 令和6年11月1日時点において、身体的拘束を最小化するための指針を策定しているのは90.9%、 身体的拘束の実施・解除基準を策定しているのは90.1%であった。 身体的拘束を最小化するための指針の策定状況 身体的拘束の実施・解除基準の策定状況 (令和6年11月1日時点) (令和6年11月1日時点) 90.9% 90.1% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 策定あり(n=2530) 策定なし(n=254) 策定あり(n=2496) 策定なし(n=274) 身体的拘束を予防・最小化するための組織について(n=2439) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 01_ 身体的拘束を予防・最小化に係る院内横断チームの設置をしている(n=1941) 79.6% 02_ 行動制限最小化委員会の設置をしている(n=974) 39.9% 03_その他(n=260) 10.7% 53 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (施設調査票共通) 身体的拘束を最小化する取組② 入院料ごとの指針の策定状況 診調組 入-1 7.7.31 ○ 入院料別の身体的拘束を最小化するための指針の策定状況について、多くの入院料で90%を越 えていた。急性期一般入院料4~6は82.8%、地域一般入院料は81.5%であった。 ○ 入院料別の身体的拘束の実施・解除基準の策定状況について、多くの入院料で90%を越えてい た。急性期一般入院料4~6は80.6%、地域一般入院料は79.8%であった。 身体的拘束を最小化するための指針の策定 身体的拘束の実施・解除基準の策定 (令和6年11月1日時点) (令和6年11月1日時点) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 8.6% 5.9% 急性期一般入院料1(n=510) 91.4% 急性期一般入院料1(n=509) 94.1% 7.8% 11.3% 急性期一般入院料2,3(n=116) 92.2% 急性期一般入院料2,3(n=115) 88.7% 急性期一般入院料4~6(n=290) 82.8% 17.2% 急性期一般入院料4~6(n=288) 80.6% 19.4% 地域一般入院料(n=124) 81.5% 18.5% 地域一般入院料(n=124) 79.8% 20.2% 3.7% 7.4% 地域包括医療病棟入院料(n=27) 96.3% 地域包括医療病棟入院料(n=27) 92.6% 7.1% 6.3% 地域包括ケア病棟入院料(n=495) 92.9% 地域包括ケア病棟入院料(n=493) 93.7% 6.1% 6.5% 回復期リハビリテーション病棟入院料(n=573) 93.9% 回復期リハビリテーション病棟入院料(n=572) 93.5% 6.0% 9.4% 療養病棟入院料(n=629) 94.0% 療養病棟入院料(n=625) 90.6% 8.0% 9.8% 障害者施設等入院基本料(n=163) 92.0% 障害者施設等入院基本料(n=163) 90.2% 4.5% 4.5% 特殊疾患病棟入院料・医療管理料(n=44) 95.5% 特殊疾患病棟入院料・医療管理料(n=44) 95.5% 6.3% 4.4% 緩和ケア病棟入院料(n=207) 93.7% 緩和ケア病棟入院料(n=205) 95.6% 策定あり 策定なし 策定あり 策定なし 54 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (施設調査票(共通A~D票)) 認知症ケア加算の概要 認知症ケア加算(1日につき) ➢ 身体疾患のために入院した認知症患者に対する病棟でのケアや多職種チームの介入について評価する。 ➢ 認知症ケア加算1 イ 14日以内の期間 180点 ロ 15日以上の期間 34点 認知症ケア加算2 イ 14日以内の期間 112点 ロ 15日以上の期間 28点 認知症ケア加算3 イ 14日以内の期間 44点 ロ 15日以上の期間 10点 ➢ 身体的拘束を実施した日は、所定点数の100分の40に相当する点数により算定。 認知症ケア加算1 認知症ケア加算2 認知症ケア加算3 専任の医師又は専門性の高い看護師 研修を受けた病棟看護師 認知症ケアチームによる取組を評価 による取組を評価 による取組を評価 算定対象 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅢ以上の患者(重度の意識障害のある者を除く) 身体的拘束 身体的拘束を必要としないよう環境を整える、身体的拘束をするかどうかは複数の職員で検討する、やむを得ず実施する場合は早期解除に努める等 主 認知症ケアに係るチーム*1が設置されていること。 な ケア実施等 *1認知症ケアチームは身体的拘束最小化チームを兼ねることは 病棟の看護師等が実施 病棟の看護師等が実施 算 差し支えない。 定 要 認知症ケアチームが、 件 専任の職員の 専任の医師又は看護師が、 ・カンファレンス(週1回程度) ・病棟巡回(週1回以上) - 活動 ・定期的に認知症ケアの実施状況把握 ・病棟職員へ助言 ・認知症ケアの実施状況把握 ・病棟職員へ助言 認知症ケアチームを設置 ・専任の常勤医師(精神科・神経内科3年又は研修修了) いずれかを配置 専任の職員の ・専任の常勤看護師(経験5年かつ600時間以上の研修修了) ・専任の常勤医師 (精神科・神経内科3年又は研修修了) - 配置 … 原則週16時間以上、チームの業務に従事 ・専任の常勤看護師 (経験5年かつ600時間以上の研修修了) ・専任の常勤社会福祉士又は精神保健福祉士 認知症患者に関わる全ての病棟の看護師等が、 主 病棟職員 全ての病棟に、9時間以上の研修を修了した看護師を3名以上配置(うち1名は院内研修で可) 認知症ケアチームによる院内研修又は院外研修を受講 な 施 設 認知症ケアチームがマニュアル*2を作成 専任の医師又は看護師を中心にマニュアル*2を作成 マニュアル*2を作成 マニュアルの作 基 成・活用 準 *2 マニュアル:身体的拘束の実施基準や鎮静を目的とした薬物の適正使用等の内容を盛り込んだ認知症ケアに関する手順書 せん妄対策の せん妄のリスク因子の確認のためのチェックリスト及びせん妄のハイリスク患者に対するせん妄対策のためのチェックリストを作成していること。 チェックリスト 認知症患者に関わる全ての病棟の看護師等は、原則として年に 専任の医師又は看護師を中心として、年1回は研修や事例検討 研修を修了した看護師を中心に、年 院内研修 1回、認知症患者のアセスメントや看護方法等について、当該 55 会等を実施 1回は研修や事例検討会等を実施 チームによる研修又は院外の研修を受講すること。 認知症ケア加算の算定の推移 診調組 入-1 7.7.31 ○ 認知症ケア加算の届出医療機関数及び算定回数は年々増加している。 ○ 「身体的拘束を実施した日」として算定した割合は、令和6年では28.1%と減少に転じ、 とくに認知症ケア加算1では、 令和5年29.8%から令和6年25.8%と4%減少していた。 ■認知症ケア加算の届出医療機関数と算定回数の推移 認知症ケア加算 届出医療機関数 認知症ケア加算1 算定回数 認知症ケア加算2 算定回数 認知症ケア加算3 算定回数 5000 ※H28~R1は認知症ケア加算2 4000000 4000000 4000000 3500000 3500000 3500000 4000 3000000 3000000 3000000 3000 2500000 2500000 2500000 2000000 2000000 2000000 2000 1500000 1500000 1500000 1000 1000000 1000000 1000000 500000 500000 500000 0 0 0 0 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 認知症ケア加算 認知症ケア加算1 認知症ケア加算2 認知症ケア加算3 15日以上の期間(身体的拘束実施) 14日以内の期間(身体的拘束実施) 15日以上の期間 14日以内の期間 ■認知症ケア加算に占める身体的拘束を実施した割合 40.0% 35.0% 30.4% 31.1% 31.2% 31.9% 32.2% 32.4% 31.7% 28.1% 30.0% 25.2% 29.8% 認知症ケア加算1 25.8% 25.0% 認知症ケア加算2 20.0% 15.0% 認知症ケア加算3 10.0% ※ H28~R1は認知症ケア加算2 5.0% 認知症ケア加算(全体) 0.0% H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 出典:届出医療機関数は保険局医療課調べ(各年7月1日時点、令和6年は8月1日時点) 56 算定回数は社会医療診療行為別統計(平成27年より)、社会医療診療行為別調査(平成26年まで)(令和5年まで6月審査分、令和6年は8月審査分) 1.療養病棟入院基本料 2.障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料 3.身体的拘束について 3-1.経緯と概要 3-2.身体的拘束の実施状況 3-3.身体的拘束を減らすためのより踏み込んだ取組について 57 身体的拘束のデータの可視化 ○ 日本医療機能評価機構の医療の質可視化プロジェクトにおいて、ケアの1指標として身体的拘束の実施率があげ られており、サーベイランス等を用いて経時的に評価されている。 ○ 2024年度より、DPCの評価・検証等に係る調査では任意入力項目として身体的拘束の日数の記録が求められる ようになり、身体的拘束の実施率は質評価に係るデータの提出及び公表が評価される項目の1つとなった。 2025年度 医療の質可視化プロジェクトで扱う指標 出典:日本医療機能評価機構 医療の質向上のための体制整備事業 2025年度 医療の質可視化プロジェクト適用指標一覧 2024年度 DPCの評価・検証等に係る調査(退院患者調査)実施説明資料より抜粋 58 令和6年度診療報酬改定 Ⅱ-4 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価-㉒等 DPC/PDPSの機能評価係数Ⅱにおける新たな評価 地域医療係数の見直し② ➢ 社会や地域の実情に応じて求められている機能の評価という観点から、体制評価指数において、「臓器提供の実 施」、「医療の質向上に向けた取組」及び「医師少数地域への医師派遣機能」(大学病院本院群に限る。)につ いて新たに評価を行う。 <臓器提供の実施> <医療の質向上に向けた取組> <医師少数地域への医師派遣機能> [概要] [概要] [概要] 法的脳死判定後の臓器提供に係る実績を 医療の質に係るデータの提出や病院情報 医師派遣による地域医療体制維持への貢献 評価 等の公開を評価 を評価 [評価の内容] [評価の内容] [評価の内容] ・過去3年の法的脳死判定後の臓器提供 1件以上(0.5P)、2件以上(1P) ・医療の質指標に係る データの提出(0.5P) ※大学病院本院群 大学病院本院 ・「医師少数区域」 DPC特定病院群 の場合 への6か月以上の 大学病院本院 常勤医としての派遣 データの提出 常勤派遣医師数を 医療の質指標 線形評価(最大1P) (3テーマ9指標) 臓器提供施設 ①医療安全 ②感染管理 ③ケア データの活用 ・病院情報の公表(0.25P) ・医療の質指標の公表 日本臓器移植 臓器移植施設 (0.25P) ネットワーク 59 令和6年度診療報酬改定 Ⅱ-4 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価-㉒ (参考)データ提出及び公表を評価する医療の質指標 医療の質指標(3テーマ9指標) 既存データ項目 データ提出の評価対象 公表の評価時期 テーマ 指標 の活用 (※1) (※2) 転倒・転落発生率 × ○ 令和8年度~ 転倒転落によるインシデント影響度分 医療安全 × ○ 令和8年度~ 類レベル3b以上の発生率 リスクレベルが「中」以上の手術を施 行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策 ○ × 令和7年度~ の実施率 血液培養2セット実施率 ○ × 令和7年度~ 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培 感染管理 ○ × 令和7年度~ 養実施率 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投 × ○ 令和8年度~ 与率 d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生 × ○ 令和8年度~ 率 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセ ケア × ○ 令和8年度~ スメント実施割合 身体的拘束の実施率 × ○ 令和8年度~ (※1) 該当する指標に対応する調査項目を新設する (※2) 集計方法等の詳細については、「病院情報の公表の集計条件等について」において公表 60 60 入院料ごとの身体的拘束の実施状況 ○ 身体的拘束を実施している患者の割合はいずれの入院料においても0~10%をピークとして分布 している。治療室、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟では、右になだらかな分布を示し、 一定以上の割合の患者に身体的拘束を実施している病棟の割合が比較的高い。 治療室(n=477) 急性期一般入院料(n=2362) 地域包括医療病棟入院料(n=17) 救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入 院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料のいずれか 40% 60% 60% 30%以上の患者に実施する病棟 28.9% 50% 30%以上の病棟 7.8% 50% 30%以上の病棟 5.9% 30% 50%以上の患者に実施する病棟 11.1% 40% 50%以上の病棟 2.3% 40% 50%以上の病棟 0% 20% 30% 30% 20% 20% 10% 10% 10% 0% 0% 0% 地ケア病棟 (n=388) 回リハ病棟 (n=399) 療養病棟 (n=504) 40% 40% 40% 30%以上の病棟 13.4% 30%以上の病棟 19.0% 30%以上の病棟 23.8% 30% 30% 30% 50%以上の病棟 5.2% 50%以上の病棟 8.5% 50%以上の病棟 8.7% 20% 20% 20% 10% 10% 10% 0% 0% 0% 61 (※)身体的拘束の実施率=令和6年10月の1か月間における①/② 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査(病棟調査票、治療室調査票) ①身体的拘束を実施した患者数(実人数)②実入院患者数 回復期リハビリテーション病棟に求められる役割 ○ 回復期リハビリテーション病棟の役割は、ADLの向上による寝たきりの防止と家庭復帰を目的と したリハビリテーションを集中的に行うことであるとされている。 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) (令和6年3月5日保医発0305第4号) A308 回復期リハビリテーション病棟入院料 (1)回復期リハビリテーション病棟入院料及び回復期リハビリテーション入院医療管理 料(以下「回復期リハビリテーション病棟入院料等」という。)を算定する病棟又は病室 は、脳血管疾患又は大腿骨頸部骨折等の患者に対して、ADLの向上による寝たきりの防 止と家庭復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に行うための病棟及び病室であり、 回復期リハビリテーションを要する状態の患者が常時8割以上入院している病棟及び病室 をいう。(略) (2)~(17)(略) 62 入院料ごとの身体的拘束の時間・方法 ○ 身体的拘束が行われている患者のうち手指・四肢・体幹の抑制を常時行っている割合は、治療室、地域包括医 療病棟、療養病棟で約7割であった。地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟では処置時等の一時的 な身体的拘束が多かった。また、急性期一般入院料・地域包括ケア病棟・回復期リハビリテーション病棟では、 衣服等に装着して患者の離床等を把握するクリップセンサー等を使用している割合が高かった。 入院料ごとの身体的拘束の時間と方法 (直近で身体的拘束を行った1日の状況を患者ごとに回答。nは各病棟で調査した患者数) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% (nは各病棟で調査した患者数) 治療室(n=450) 67.8% 5.3% 急性期一般入院料(n=2289) 46.2% 2.7% 地域包括医療病棟入院料(n=33) 72.7% 地域包括ケア(n=410) 41.0% 2.4% 回復期リハ(n=703) 43.1% 5.3% 療養病棟(n=1452) 70.5% 2.8% 常時:手指・四肢・体幹抑制 夜間のみ:手指・四肢・体幹抑制 一時的(処置時・不穏時) 常時:衣服に付けるクリップセンサー等 夜間のみ:衣服に付けるクリップセンサー等 未回答 63 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (入院・退棟患者票(A票、B票)、入院患者票(C票、D票)、治療室患者票(A票)) 入院料ごとの身体的拘束の実施理由 ○ 身体的拘束を行っている患者について、身体的拘束の実施理由は「ライン・チューブ類の自己抜去防止」又は「転 倒・転落防止」が多かった。 ○ 治療室、地域包括医療病棟、療養病棟では「ライン・チューブ類の自己抜去防止」が、急性期一般入院料、地域包括 医療病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟では「転倒・転落防止」が実施理由として多かった。 ○ 安静保持や創部の保護といった医学的理由からの身体的拘束は、いずれの入院料においても3割以下であった。 入院料ごとの身体的拘束の実施理由(複数回答可) (nは各病棟で調査した患者数)0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 治療室(n=450) 急性期一般入院料(n=2289) 地域包括医療病棟入院料(n=33) 地域包括ケア(n=410) 回復期リハ(n=703) 療養病棟(n=1452) ライン・チューブ類の自己抜去防止 転倒・転落防止 安静保持が必要 創部の保護が必要 64 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (入院・退棟患者票(A票、B票)、入患者票(C票、D票)) 入院料ごとの身体的拘束の実施日数 ○ 身体的拘束が行われている患者について、調査基準日から過去7日間における身体的拘束を実施した 日数が「7日間」である割合は、慢性期の病棟ほど多く、療養病棟では89.3%、回復期リハビリテー ション病棟78.8%、地域包括ケア病棟70.7%であり、毎日身体的拘束を行っている患者が多いと推測 された。 調査日から過去7日間に身体的拘束を実施した日数 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% (nは各病棟で調査した患者数) 治療室(n=450) 27.6% 急性期一般入院料(n=2289) 51.9% 地域包括医療病棟入院料(n=33) 66.7% 地域包括ケア(n=410) 70.7% 回復期リハ(n=703) 78.8% 療養病棟(n=1452) 89.3% 7日間 6日間 5日間 4日間 3日間 2日間 1日間 未回答 65 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (入院・退棟患者票(A票、B票)、入院患者票(C票、D票) ) 患者の状態別の身体的拘束の実施有無 診調組 入-1 7.7.31 ○ 患者の状態別の身体的拘束の実施状況は、「認知症あり」「BPSDあり」「せん妄あり」の患者において、身 体的拘束の実施率が高かった。 ○ 要支援よりも要介護の方が身体的拘束の実施率が高く、認知症高齢者の日常生活自立度別では、支援が必要で あるほど身体的拘束の実施率が高かった。 ■認知症の有無別 0% 20% 40% 60% 80% 100% 認身知体症的の拘有束無の 調実査施基あ準り日時調点査で基実準施日あ時り点で実施あり 無 認知症あり(n=12839) 身体的拘束の実施なし 調査基準日時点で実施していないが、 有 認知症の有無 調査基準日時点で実施していないが、過去7日間に実施あり の 過去7日間に実施あり 認知症なし(n=27737) 症 認身知体症的の拘有束無の な実し施なし 知 認 わからない(n=3278) ■「認知症あり」の場合における、BPSDの有無別 ■せん妄の有無別 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 無 BPSDあり(n=3547) 無 せん妄あり(n=4525) 有 有 の BPSDなし(n=6061) のせん妄なし(n=34444) D 妄 S P わからない(n=2828) ん わからない(n=3811) B せ ■要介護度別 0% 20% 40% 60% 80% 100% ■認知症高齢者の日常生活自立度別 0% 20% 40% 60% 80% 100% 不明(n=3475) 別 未申請(n=9030) 度 自立(n=19616) 立 申請中(n=1623) 自 Ⅰ(n=2819) 非該当(n=11468) 活 生 Ⅱa(n=2072) 要支援1(n=1243) 度 常 護 要支援2(n=1405) 日 Ⅱb(n=2130) 介 の 要介護1(n=2633) Ⅲa(n=4784) 要 者 要介護2(n=3026) 齢 Ⅲb(n=1470) 高 要介護3(n=2746) 症 Ⅳ(n=5722) 要介護4(n=3468) 知 要介護5(n=3201) 認 M(n=1039) 66 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (入院・退棟患者票(A票、B票)、入院患者票(C票、D票) ) 入院料ごとの認知症の有無 診調組 入-1 7.6.13改 ○ 入院料ごとの認知症のある患者の割合は以下のとおり。 ○ 療養病棟では、約6割の患者が認知症を有する。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 急性期一般入院料1 (n=16,147) 17% 急性期一般入院料2~3 (n=1,879) 26% 急性期一般入院料4~6 (n=2,108) 28% 地域一般入院料1~2 (n=126) 34% 地域一般入院料3 (n=403) 51% 専門病院入院基本料 (n=175) 1% 特定機能病院入院基本料 (n=3,468) 6% 小児入院医療管理料 (n=693) 1% 地域包括医療病棟入院料 (n=181) 49% 地域包括ケア病棟入院料・管理料1 (n=2,279) 48% 地域包括ケア病棟入院料・管理料2 (n=1,506) 43% 地域包括ケア病棟入院料・管理料3~4 (n=75) 60% 回復期リハビリテーション病棟入院料1 (n=4,168) 34% 回復期リハビリテーション病棟入院料2 (n=439) 38% 回復期リハビリテーション病棟入院料3 (n=483) 35% 回復期リハビリテーション病棟入院料4 (n=89) 47% 回復期リハビリテーション病棟入院料5 (n=33) 58% 療養病棟入院料1 (n=6,140) 60% 療養病棟入院料2 (n=808) 62% 障害者施設等7対1入院基本料 (n=413) 10% 障害者施設等10対1入院基本料 (n=1,647) 22% 障害者施設等13対1入院基本料 (n=195) 28% 障害者施設等15対1入院基本料 (n=28) 21% 特殊疾患病棟入院料1 (n=121) 60% 特殊疾患病棟入院料2 (n=215) 6% 特殊疾患入院医療管理料 (n=12) 83% 緩和ケア病棟入院料1 (n=238) 28% 緩和ケア病棟入院料2 (n=182) 29% 認知症あり 認知症なし わからない 67 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (入院・退棟患者票(A、B票)、入院患者票(C、D票) ) 療養病棟における認知症有無別の処置ごと身体的拘束実施率 ○ 認知症のある患者においては、気管カニューレや経鼻胃管、中心静脈カテーテル等が挿入されている場合に、 30%以上の患者においてなんらかの身体的拘束が実施されていた。 ○ 認知症のない患者においては、認知症のある患者と比べて全体的に身体的拘束の実施割合は低いものの、中心 静脈カテーテルや経鼻胃管が挿入されている患者では20%近い割合で身体的拘束が実施されていた。 調査日を含む過去7日間以内に身体的拘束を実施した患者の割合 認知症あり 認知症なし 0% 10% 20% 30% 40% 0% 10% 20% 30% 40% 全体(n=4023) 24.9% 全体(n=1618) 12.4% 気管切開・気管内挿管(n=35) 34.3% 気管切開・気管内挿管(n=37) 13.5% 気管カニューレの交換(n=123) 30.1% 気管カニューレの交換(n=183) 10.4% 胃瘻カテーテルの装着・交換(n=209) 23.9% 胃瘻カテーテルの装着・交換(n=88) 9.1% 中心静脈カテーテルの挿入・交換… 34.3% 中心静脈カテーテルの挿入・交換(n=49) 20.4% その他カテ-テルの挿入・交換(n=557) 32.9% その他カテ-テルの挿入・交換(n=240) 18.8% 膀胱(留置)カテーテルの管理(n=846) 28.6% 膀胱(留置)カテーテルの管理(n=273) 11.4% 人工肛門・人工膀胱の管理(n=30) 10.0% 人工肛門・人工膀胱の管理(n=17) 11.8% 人工呼吸器の管理(n=27) 11.1% 人工呼吸器の管理(n=64) 4.7% 気管切開の処置(n=68) 26.5% 気管切開の処置(n=80) 10.0% 酸素療法管理(n=955) 23.1% 酸素療法管理(n=377) 9.5% 透析・腹膜還流(n=191) 22.0% 透析・腹膜還流(n=166) 12.7% 胃ろう・腸ろうによる栄養管理(n=463) 18.1% 胃ろう・腸ろうによる栄養管理(n=197) 12.7% 経鼻経管栄養(n=971) 32.2% 経鼻経管栄養(n=364) 19.5% 中心静脈栄養(n=776) 33.9% 中心静脈栄養(n=162) 17.9% その他の点滴・注射(n=967) 23.9% その他の点滴・注射(n=308) 12.0% 喀痰吸引(n=2014) 26.0% 喀痰吸引(n=706) 15.3% ネブライザー(n=76) 23.7% ネブライザー(n=34) 11.8% 創傷処置(n=452) 25.2% 創傷処置(n=181) 12.2% 浣腸・摘便(n=1614) 24.0% 浣腸・摘便(n=552) 15.0% 褥瘡の処置(n=419) 28.2% 褥瘡の処置(n=143) 14.0% リハビリテーション(n=2034) 24.8% リハビリテーション(n=1000) 12.0% 68 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (入院患者票(C票)) 療養病棟における患者像をふまえた身体的拘束の実施状況 診調組 入-2 7.8.21 ○ デバイス(※1)の有無と認知症の有無で群分けした患者ごとに、各施設における調査日から7日間以内の身体的拘束 の実施率(※2)を集計すると、デバイスや認知症の有無によって身体的拘束の実施状況には違いがあった。 ○ デバイスが入っている認知症の患者に対して身体的拘束を実施していない病棟が約3割ある一方、デバイスが入ってお らず認知症なしと判断された患者に対して20%以上身体的拘束を実施している施設が約2割存在した。 身体的拘束の実施率ごとの病棟の割合 デバイスあり×認知症ありの患者(n=384病棟) デバイスなし×認知症ありの患者(n=196病棟) 80% 80% 70% 70% 60% 60% 52.0% 50% 50% 40% 40% 30.7% 30% 24.5% 30% 21.4% 18.5% 20% 13.5% 20% 13.8% 10.7% 10% 2.1% 10% 3.6% 5.6% 3.6% 0% 0% 0% 1-20% 21-40% 41-60% 61-80% 81-100% 0% 1-20% 21-40% 41-60% 61-80% 81-100% デバイスあり×認知症なしの患者(n=133病棟) デバイスなし×認知症なしの患者(n=90病棟) 80% 80% 72.2% 70% 70% 56.4% 60% 60% 19.9% 50% 50% 40% 40% 30% 30% 18.8% 20% 15.0% 20% 13.3% 7.8% 10% 5.3% 3.0% 1.5% 10% 4.4% 1.1% 1.1% 0% 0% 0% 1-20% 21-40% 41-60% 61-80% 81-100% 0% 1-20% 21-40% 41-60% 61-80% 81-100% ※1 中心静脈栄養、経鼻胃管、胃ろう・腸ろう、末梢点滴、尿道カテーテル、人工呼吸器のいずれか。 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 ※2 身体的拘束の実施率=身体的拘束を過去7日以内に実施された患者人数/各群に該当する患者全体 69 (入院患者票(C票)) の人数(いずれも患者票で回答された患者) 1.療養病棟入院基本料 2.障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料 3.身体的拘束について 3-1.経緯と概要 3-2.身体的拘束の実施状況 3-3.身体的拘束を減らすためのより踏み込んだ取組について 70 身体的拘束廃止・防止に向けてなすべき4つの方針 ○ 身体拘束廃止に向けた方針として、「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き(令和6年 3月)」では、特に管理者等の責任者が「身体的拘束を原則しない」という決意を持ち、職員をバックアップする 方針を徹底し組織一丸となって考えを共有して取り組むこと、身体拘束を必要としない環境の整備、患者本人や家 族との対話や意思確認、やむを得ず身体拘束を行った場合でも常に代替手段を検討することが示されている。 71 出典:介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き 令和7年3月 厚生労働省老健局 身体的拘束を必要としないための3つの原則 ○ 同手引きでは、身体的拘束を必要としないケアの実現のために、身体的拘束を要する要因の探索 と改善、生活リズムを整えるための5つの基本的ケアの徹底といった3つの原則が示されている。 ❶ 身体拘束を必要とする要因を探り、その要因を改善する 身体拘束をやむを得ず行う理由として、次のような状況を防止するために「必要」といわれることがある。 ● 一人歩きや興奮状態での周囲への迷惑行為 ● 転倒のおそれのある不安定な歩行や、胃ろう・経鼻経管栄養・点滴等のチューブ類の抜去等の危険な行動 ● かきむしりや体をたたき続ける等の自傷行為 ● 姿勢が崩れ、体位保持が困難であること しかし、それらの状況には必ずその人なりの理由等の要因があり、職員のかかわり方や環境に課題があることも少なくない。したがって、その人なり の理由等の要因を徹底的に探り、除去あるいは改善する工夫が必要であり、そうすれば身体拘束を行う必要もなくなるのである。 身体拘束を行う前に、工夫できることはたくさんある。本人がどのような生活をしたいか、本人とともに考えていきたい。 ❷ 5つの基本的ケアを徹底する まず、基本的なケアを十分に行い、生活のリズムを整えることが重要である。 ① 起きる、② 食べる、③ 排せつする、④ 清潔にする、⑤ 活動する(アクティビティ) これらの5つの基本的事項について、その人に合った十分なケアを徹底することである。 (略) こうした基本的事項について、一人一人の状態に合わせた適切なケアを行うことが重要である。また、これらのケアを行う場合には、一人一人を見 守り、接し、触れ合う機会を増やし、伝えたくてもうまく伝えられない気持ちやサインを受け止め、不安や不快、孤独を少しでも緩和していくことが 求められる。 また、生活リズムを整えることに加えて、健康状態を整えることも重要である。医療専門職と連携しながらアセスメントを行い、本人に応じた最適 なケアを行っていきたい。 ❸ 身体拘束廃止・防止をきっかけに「より良いケア」の実現を このように身体拘束の廃止・防止を実現していく取組は、施設・事業所におけるケアの質の向上や生活環境の改善のきっかけとなりうる。「身体拘 束廃止・防止」を最終ゴールとせず、身体拘束を廃止していく過程で提起されたさまざまな課題を真摯に受け止め、よりよいケアの実現に取り組んで いくことが期待される。 「身体拘束ゼロへの手引き」(平成13年3月 厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」)一部改変 72 出典:介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き 令和7年3月 厚生労働省老健局 事例① 意識づくりと環境・物品の工夫により身体的拘束ゼロを達成 元気会横浜病院 施設概要:326床(療養病床220床、認知症治療病棟50床、介護医療院56床) ○ 平成24年より身体拘束廃止機関を発足し、平成28年に身体拘束ゼロを達成した。 ○ 職員の意識づくりの他、患者個々の人物像の把握、行動の理由や心理状態の細やかな把握を通じ、環境づくり や物品等を工夫したケアを行うことで、身体的拘束ゼロを実現している。 身体拘束ゼロに向けての考え方 職員の意識づくり <歩行中の転倒について> •人間だから歩くのは当たり前と考える •目的なく歩く人はいないので、行動観察を行い、歩く理 由を考える •一緒に歩いてみて、要望を叶える •見守りは情報共有とチームワークが重要 •転倒しても大きな事故にならないように環境を調整する <点滴・チューブ類の抜去の対応について> •点滴・チューブが必要か検討し、できるだけその点滴・ チューブを外すようにする •経鼻胃管を抜いたら「元気になった」「ご飯が食べれる かもしれない」と考える •チューブ類が気にならないように工夫する •1日ベッド上にいて退屈だから、チューブをいじる •他に気になるものを作って目線を変えてもらう 環境づくりや物品の工夫 •それでもダメなら経鼻胃管は毎回挿入し、見守りをしな モジュラー型車椅子・超低床ベッドの導入 がら投与する •通常型車椅子は長時間の座位には適していない 入院1ヶ月以内の身体拘束率(最終的には全例解除) ので、立ち上がってしまう 2.0% •多くの患者は退屈だったり、何かしようと思っ COVID-19の流行 て立ち上がる 1.5% •ベッドから降りたいのであれば自由に降りても 1.0% らう 0.3% 0.3% •ベッドから這い出しても良しとする 0.5% 0.1% 0.2% 0.2% 0% 0.2% 0% •自由に動いてもらったらいつの間にか歩けるよ 0.0% うになった例もあった 73 事例② 慢性期の医療処置を見直すことで身体的拘束ゼロを達成 富家会富家病院 施設概要:281床 (療養病棟 113床 回復期病棟 29床 障害者病棟 89床 地域包括ケア病棟 50床) ○ 身体的拘束を廃止するという理念を施設内で共有し、医療処置について身体的拘束の必要性が少 ないものへ徹底的に見直すことで身体的拘束ゼロを達成している。 医 療 処 置 の 見 直 し 74 事例③ 管理職を含むチーム主体の院内周知を進め身体的拘束が減少 横浜市立市民病院 施設概要:650床((ICU・CCU・救命救急病棟42床/NICU・GCU15床/急性期一般病棟568床/緩和ケア病棟25床)) ○ 管理職を含む多職種が身体的拘束最小化チームのメンバーとなり、全職員に向けた病院長メッ セージの発信や、職種横断的な取組の検討により、一般病棟における身体的拘束率が減少した。 75 事例④ 理念の共有とケアの実践を通じ意識改革を実現、拘束率減少 社会医療法人 水光会 宗像水光会総合病院 施設概要:300床(一般154床、回復期リハビリテーション病棟49床、地域包括ケア病棟39床、ICU6床、地域包括医療病棟52床) ○ 「身体的拘束最小化」について、その意図を看護管理者が正しく認識し、スタッフへの共有、ケアの工夫や代 替策の検討を通じ、組織全体の意識改革から取組成果の共有によるより良いケアの動機付けに至り、病院全体の 身体的拘束が減少した。 ①看護管理者が身体的拘束最小化の取り組みについて、その意図を正しく理解し、スタッフへ共有 • 看護部から看護管理者に説明会を実施。看護管理者(看護師長)から身体的拘束最小化の必要性がスタッフに説明される。 ②身体的拘束を必要としないケアの検討 • 看護管理者ラウンドを活用して、せん妄・認知症患者に対して、患者の状態を評価し、対応策やケア方法の検討を実施。身体的拘束を行わないために何をするのか、 多職種で検討できる組織へ。 ③身体的拘束以外で転倒・転落防止対策 取 • 入院時から、転倒・転落リスクの高い患者に対して多職種でのカンファレンスの実施 組 • リスク評価に基づく早期のカンファレンス実施。転倒発生時は行動要因に着目し、患者状態をアセスメントし、多職種で意見交換。 の ④ルート・ドレーン自己抜去予防は身体的拘束以外の代替策を検討 時 系 • 患者の見守りを強化するための対策の推進として、休憩時間やスケジュールの見直しや院内 列 デイケアを検討。 • 生命維持に重要なルート・ドレーンに関しては患者状態をアセスメントし、医師も含めた多 職種で十分検討を行う。医療安全についても影響を調査し、大きな差は認めないことを確認。 ⑤人権擁護に対する看護師の意識改革 • 倫理的課題であるという意識が定着し、多職種によるカンファレンス、解除に向けた目標の 設定、積極的な一時解除の実施や解除時間の記録など、解除に向けた検討が適切に行われる 体制へ変化。 ⑥取り組みに対する看護師への動機づけ • 取り組みの成果を共有し、認識することで、ケアへの自信へのつながり。 取り組み後の結果 ・身体的拘束最小化を目指す根拠が明確になり、看護管理者だけでなく看護職員全体の意識が変わったことで、患者の尊厳や人権 擁護意識が醸成された。 ・病棟ごとに工夫が検討され、より良い看護が実践されるようになった。 76 ・身体的拘束は2%以下へ改善した。 身体的拘束を最小化するための具体的な取組内容 診調組 入-1 7.7.31改 ○ 身体的拘束を予防・最小化するための具体的な取組として、なすべき4つの方針のうち、「院長・看護師長が、 身体的拘束を最小化する方針を自らの言葉で職員に伝え、発信している」は53.4%、「身体的拘束が行われる たびに、代替方策がないかどうか複数人数で検討する仕組みがある」は71.0%が取り組んでいると回答した。 ○ 患者への医療処置の説明資材の導入や、身体的拘束の実施状況の院内周知や外部への公開はそれぞれ12.1%、 47.2%、10.7%と一部の医療機関でのみ行われていた。 身体的拘束を予防・最小化するための具体的な取組内容(n=2673) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 01_身体的拘束の疑似体験(n=456) 17.1% 02_患者に医療処置を説明する掲示物の導入(n=323) 12.1% 03_緩衝マットの活用(n=1575) 58.9% 04_鎮静を目的とした薬物の適正利用(n=1673) 62.6% 05_身体的拘束実施の態様及び時間、その際の患者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録すること(n=2240) 83.8% 06_身体的拘束を防ぐために職員を増員して対応(n=252) 9.4% 07_身体的拘束最小化対策に係る専任の医師及び専任の看護師から構成される身体的拘束最小化チームの設置(n=1949) 72.9% 08_07の身体的拘束最小化チームへの、薬剤師等、入院医療に携わる多職種の参加(n=1647) 61.6% 09_07の身体的拘束最小化チームによる身体的拘束の実施状況の把握及び管理者を中心とした職員への周知(n=1684) 63.0% 10_07の身体的拘束最小化チームによる身体的拘束を最小化するための指針の作成及び職員への周知(n=1970) 73.7% 11_10の指針の定期的な見直し(n=1464) 54.8% 12_10の指針内に、鎮静を目的とした薬物の適正使用についての内容を定めること(n=1094) 40.9% 13_10の指針内に、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用した身体的拘束以外の 49.4% 患者の行動を制限する行為の最小化に係る内容を定めること(n=1320) 14_院長・看護師長が、身体的拘束を最小化する方針を自らの言葉で職員に伝え、発信している(n=1427) 53.4% 15_身体的拘束が行われるたびに、代替方策がないかどうか複数人数で検討する仕組みがある(n=1897) 71.0% 16_身体的拘束の実施状況の全職員への公開・周知(n=1261) 47.2% 17_身体的拘束の実施状況の院内掲示やHP掲載(n=285) 10.7% 18_その他(n=101) 3.8% 77 出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 (施設調査票共通) これまでの身体的拘束に関する主な意見 <入院・外来医療等の調査・評価分科会 検討結果(とりまとめ)> ○ 認知症ケア加算について、令和5年から令和6年にかけて、身体的拘束の実施割合が減少している が、令和6年度診療報酬改定による減算の見直しによって身体的拘束が減少しているのだとすれば、 もう少し評価を厳格化することもあり得るのではないかとの意見があった。 ○ 入院患者として高齢者が増えている中、転倒防止のために行動を制限することは本末転倒であり、 医療機関内で転倒しても大事に至らないような環境整備等を行うとともに、不要な医療処置は行わな い、早期に慣れた環境に戻るなどの対応が進むように社会全体での議論を醸成していくべきであると の意見があった。 ○ 身体的拘束を最小化する取組への努力は必要だが、転倒・転落のリスクは生じる。離床センサー マットの活用や段差の解消等は必要だが、家族の理解も重要となる。病院にいたら転倒しないと思わ れるのは異なるため、風土を醸成する必要がある。組織が一丸となって取り組むことも重要。そのよ うな取組が表に出やすい評価を工夫する必要があるのではないかとの意見があった。 ○身体的拘束を最小化する取組は、患者の尊厳を守る観点からも重要であり、取組を推進する工夫が必 要である。身体的拘束を最小化する取組としては、経営者や管理者のリーダーシップをはじめとして 組織一丸となっての取組が必要である。指針の策定は進められている一方で、患者に医療処置を説明 する掲示物の導入、緩衝マットの活用、管理者から職員への発信等の取組は比較的実施が少ないこと が調査結果からも明らかになっている。このような取組が進むような方策について検討が必要との意 見があった。 78 身体的拘束の最小化に係る課題と論点 • 令和6年度診療報酬改定において、入院料の施設基準に、患者又は他の患者等の生命又は身体を保護するため緊急 やむを得ない場合を除き、身体的拘束を行ってはならないことを規定するとともに、医療機関において組織的に身体的 拘束を最小化する体制を整備することが規定された。 • 認知症ケア加算を算定した日のうち、「身体的拘束を実施した日」の割合は令和6年度に減少に転じた。 • 療養病棟では、身体的拘束が行われている患者のうち「常時:手指・四肢・体幹抑制」の割合が約7割であり、「ライン・ チューブ類の自己抜去防止」 目的が最多であった。調査日から過去7日間のうち、身体的拘束を実施した日数が「7日 間」である患者の割合は89.3%であった。「認知症あり」「身体に挿入されたデバイスあり」でも身体的拘束を全く実施して いない病棟がある一方で、いずれもなくても高い割合の患者に身体的拘束を実施している病棟が存在した。 • 回復期リハビリテーション病棟は、ADLの向上と在宅への復帰を目標とした病棟である。身体的拘束が行われている患 者のうち「常時:手指・四肢・体幹抑制」の割合が4割を超えており、実施理由は「転倒・転落防止」が5割を越えていた。 調査日から過去7日間のうち、身体的拘束を実施した日数が「7日間」である患者の割合は78.8%であった • いずれの入院料においても、「認知症あり」の場合、身体的拘束の実施率が高かった。 • 「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き 令和6年3月」では、身体的拘束の廃止・防止に向 けてなすべき4つの方針や身体的拘束を必要としないための3つの原則が示されており、医療機関においても、実際に 身体的拘束を廃止できた事例や取組が集積されつつある。 • 身体的拘束を予防・最小化するための具体的な取組として、なすべき4つの方針のうち、 「院長・看護師長が、身体的拘 束を最小化する方針を自らの言葉で職員に伝え、発信している」と回答したのは53.4%であった。 【論点】 (認知症ケア加算の算定について) ○ これまでの取組の状況を踏まえ、身体的拘束を実施した日の評価の在り方について、どのように考えるか。 (身体的拘束の最小化に向けた取組について) ○ 身体的拘束の最小化に医療機関が組織的に取り組むためには、管理者が主体となった意識醸成など、どのような取 組が重要であると考えられるか。また、積極的に取り組んでいる施設をより評価することについて、どのように考えるか。 ○ 以下のような点等を踏まえ、身体的拘束を実施した場合の評価について、どのように考えるか。 ・ 回復期リハビリテーション病棟はADL向上等をめざした病棟であるが、比較的多くの患者に対して身体的拘束を実施 している病棟があること。 ・ 療養病棟では、常時、毎日の四肢体幹拘束の割合が多く、施設により身体的拘束の実施状況に差がみられること。 79

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