この資料の本物(PDF)は厚生労働省にあります。
図や表を含め、正しい形で読めるのはこちらです。
取り出した文字を見る(15,440字)
⚠️ これはPDFから文字だけを取り出したものです。 表や図の形は失われ、行が入り組んで読みにくくなっています。 探すためのものとお考えください。 内容を確かめるときは、上のPDFをご覧ください。
中 医 協 総 - 2
7 . 6 . 1 8
再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて
○ 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては、平成 26 年 11 月5日
の中医協総会において、以下のとおり了承されたところ。
<平成26年11月5日 中医協総-2-1(抜粋)>
1.保険適用に係る今後の対応について
○ 再生医療等製品の保険適用に関する当面の間の対応
・ 薬事法改正後に承認(条件・期限付承認を含む。)された再生医療等製品
については、保険適用の希望のあった個別の製品の特性を踏まえ、医薬品の
例により対応するか、医療機器の例により対応するかを、薬事承認の結果を
踏まえて判断
・ 薬価算定組織又は保険医療材料専門組織で償還価格について検討
・ 上記検討の結果を踏まえ、中医協総会で薬価基準又は材料価格基準に収載
するかを審議
○ 再生医療等製品に関する知見が蓄積した後の対応
・ 再生医療等製品の保険上の取扱いに関し、独自の体系を作るかどうかなど
について、引き続き中医協総会で検討
○ 令和7年5月13日に以下の再生医療等製品が薬事承認され、製造販売業
者より保険収載を希望する旨の申出がなされている。
<エレビジス点滴静注>
製造販売業者 :中外製薬株式会社
一 般 的 名 称 :デランジストロゲン モキセパルボベク
適 応 症 :デュシェンヌ型筋ジストロフィー ただし、以下のいずれも満
たす場合に限る
・抗AAVrh74抗体が陰性の患者
・歩行可能な患者
・3歳以上8歳未満の患者
○ 今般、平成 26 年の中医協了承及び令和7年5月14日の中医協での議論に
基づき、本品目の再生医療等製品の取扱いについて審議するもの。
1
再生医療等製品の取扱いについて
類別 遺伝子治療用製品(ウイルスベクター製品)
一般的名称 デランジストロゲン モキセパルボベク
収載希望者 中外製薬(株)
販売名 エレビジス点滴静注
1バイアル(10.0mL)中に、アデノ随伴ウイルスrh74のカプシドタンパク
形状、成分、 質を有し、デランジストロゲン モキセパルボベク マイクロジストロフィ
分量等
ンタンパク質を発現する遺伝子を搭載した非増殖性遺伝子組換えアデノ随
伴ウイルス1.33×1014ベクターゲノムを含有
承認区分 新再生医療等製品(希少疾病用再生医療等製品)
デュシェンヌ型筋ジストロフィー ただし、以下のいずれも満たす場合に限
る
効能、効果
・抗AAVrh74抗体が陰性の患者
又は性能
・歩行可能な患者
・3歳以上8歳未満の患者
通常、体重10 kg以上70 kg未満の患者には1.33×1014ベクターゲノム(vg)
/kgを、体重70 kg以上の患者には9.31×1015 vgを、60分から120分かけ
用法及び用量
て静脈内に単回投与する。本品の再投与はしないこと。本品の投与量は下記
又は使用方法
表に基づき算出する。
(表略)
医療保険上の取扱い(案)
○ 本品は重篤な疾患に用いられる再生医療等製品として5月 13 日に条件及び期限
付き承認されたが、6月16日に本品の開発会社が以下の新たな安全性情報に関す
る発表をした。
・歩行不能な患者で致死的な経過を辿った急性肝不全の報告。
・これにより国内で実施中の歩行不能な患者を対象とした臨床試験も投与を中断
すること。
・(承認されている)歩行可能な患者における本品のベネフィット・リスクプロファ
イルに変更はないこと。
○ 上記の情報についての評価は現時点で明らかでないことから、まずは、新たな安
全性情報に関して更なる情報を収集した上で、医療保険上の取扱いについて議論
することとしてはどうか。
2
製品概要
販売名 エレビジス点滴静注
本品は、ヒトジストロフィンタンパク質の機能を維持するために必須のドメインのみを
保持した短縮型ジストロフィン(デランジストロゲン モキセパルボベク マイクロジス
トロフィン、以下、「マイクロジストロフィン」)をコードする遺伝子を搭載した非増
殖性組換えアデノ随伴ウイルスを成分とする再生医療等製品である。静脈内に投与され
使用目的 た本品が患者の骨格筋細胞及び心筋細胞に感染することにより、本品に搭載された遺伝
子発現構成体が細胞の核内にエピソームとして留まるとともに、心筋、呼吸筋及び骨格
筋内で機能的なマイクロジストロフィンタンパク質を発現する。発現したマイクロジス
トロフィンタンパク質により筋細胞膜が安定化し、筋破壊を防ぐことで筋肉の減少を防
ぎ、筋機能を改善することが期待される。
【用法及び用量又は使用方法】
通常、体重 10kg 以上 70kg 未満の患者には 1.33×1014ベクターゲノム(vg)/kg を、体重
主な使用方法
70kg以上の患者には9.31×1015vgを、60分から120分かけて静脈内に単回投与する。本
品の再投与はしないこと。本品の投与量は下記表に基づき算出する。(表略)
○ 4 歳以上 8 歳未満の男児のデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者を対象に、本品の有
効性及び安全性を検討することを目的としたプラセボ対照無作為化二重盲検比較試
験(国際共同第Ⅲ相試験)では、主要評価項目である、NSAA 総スコアのベースライ
ンから本品投与後52週までの変化量について、調整済み平均値の群間差[95%CI]は
0.65[-0.45, 1.74]であり、統計的に有意な差は認められなかった一方で、運動機
能の評価項目について、床上起き上がり時間、10 m歩行/走行時間及び4段階段昇り
時間に関して本品群ではプラセボ群と比較して改善が認められた。
運動機能評価項目のベースラインから本品投与後52週までの変化量
(301試験パート1、mITT集団、2023年9月13日データカットオフ)
主な有用性
○ 臨床試験(海外第Ⅰ/Ⅱa 相試験、海外第Ⅱ相試験及び海外Ⅰb 相試験コホート 1)で
本品 1.33×1014vg/kg を投与された患者における本品投与後 3 年時点の NSAA 総スコ
ア、床上起き上がり時間及び10m歩行/走行時間について、外部対照(3つの臨床研究
のデータから、本品の臨床試験の組入れ基準に合致した患者を抽出)と比較した結
果、本品投与後の患者では、外部対照と比較して運動機能の低下は緩徐であり、その
群間差は時間経過に伴い大きくなる傾向が認められた。
1. 条件及び期限付承認後に改めて行う本品の製造販売承認申請までの期間中は、本品の
長期の有効性及び安全性の確認を目的とした臨床試験並びに本品を使用する全症例を
対象とした製造販売後調査により製造販売後承認条件評価を行うこと。
2. デュシェンヌ型筋ジストロフィーに関する十分な知識及び経験を有する医師が、本品
の臨床試験成績及び有害事象等の知識を十分に習得した上で、デュシェンヌ型筋ジス
承認条件 トロフィーの治療に係る体制が整った医療機関において、「効能、効果又は性能」並
びに「用法及び用量又は使用方法」を遵守して本品を用いるよう、関連学会との協力
により作成された適正使用指針の周知等、必要な措置を講ずること。
3. 「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成
15 年法律第 97 号)」に基づき承認された第一種使用規程を遵守して本品を用いるよ
う、その使用規程の周知等、必要な措置を講ずること。
3
2025年5月作成(第1版)
承認番号 30700FZX00001000
販売開始 -
条件及び期限付承認品目
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-
1. 警告
information/cd/0001.html
1.1 関連学会の定める適正使用指針を遵守し、デュシェンヌ型筋
5.3 臨床試験に組み入れられた患者の背景(年齢、歩行状態等)に
ジストロフィーに関する十分な知識及び経験を有する医師が、
ついて、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本品の有効性及び
本品の臨床試験成績及び有害事象等の知識を十分に習得した上
安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
で、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療に係る体制が整っ
5.4 女性を対象とした臨床試験は実施していない。
た医療機関において、本品が適切と判断される症例についての
み投与すること。 6. 用法及び用量又は使用方法
1.2 本品に関する臨床成績は限られていること及びそれを踏まえ 通常、体重10kg以上70kg未満の患者には1.33×1014ベクターゲノ
た条件及び期限付承認であることを含めた本品の正確な情報に ム(vg)/kgを、体重70kg以上の患者には9.31×1015vgを、60分か
ついて、文書を用いて患者又は家族へ説明し、文書同意を取得 ら120分かけて静脈内に単回投与する。本品の再投与はしないこと。
した上で使用すること。[患者が本品の有効性及び安全性を理 本品の投与量は下記表に基づき算出する。
解することが重要であるため] 患者の体重範囲(kg) 必要なバイアル数 投与量(mL)
10.0-10.4 10 100
2. 禁忌・禁止 10.5-11.4 11 110
11.5-12.4 12 120
2.1 再使用禁止
12.5-13.4 13 130
2.2 本品の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
13.5-14.4 14 140
2.3 ジストロフィン遺伝子のエクソン8及び/又はエクソン9の一
14.5-15.4 15 150
部又は全体が欠失している患者[免疫介在性の筋炎があらわれ
15.5-16.4 16 160
るおそれがある。][9.1.1、11.1.3参照] 16.5-17.4 17 170
17.5-18.4 18 180
3. 形状、構造、成分、分量又は本質 18.5-19.4 19 190
3.1 成分 19.5-20.4 20 200
本品は、1バイアル(10.0mL)中注1)に下記成分を含有する。 20.5-21.4 21 210
21.5-22.4 22 220
成分 含量
22.5-23.4 23 230
デランジストロゲン 1.33×1014ベクター
主成分 23.5-24.4 24 240
モキセパルボベク ゲノム
24.5-25.4 25 250
塩化ナトリウム 116.9mg
25.5-26.4 26 260
トロメタモール塩酸塩 20.5mg
26.5-27.4 27 270
トロメタモール 8.5mg
副成分 27.5-28.4 28 280
塩化マグネシウム六水和物 2.0mg
28.5-29.4 29 290
ポリオキシエチレン(160)ポリオキ
0.1mg 29.5-30.4 30 300
シプロピレン(30)グリコール注2)
30.5-31.4 31 310
主成分の製造工程では、ヒト胎児腎細胞由来293細胞、ウシ胎児血清
31.5-32.4 32 320
を使用している。
32.5-33.4 33 330
注1)注射液吸引時の損失を考慮し、1バイアルから10.0mLを注射す 33.5-34.4 34 340
るに足る量を確保するために過量充填されている。 34.5-35.4 35 350
注2)抗酸化剤としてジブチルヒドロキシトルエンを含む。 35.5-36.4 36 360
3.2 性状 36.5-37.4 37 370
37.5-38.4 38 380
性状 澄明~わずかに乳白光を呈する、無色の液
38.5-39.4 39 390
pH 7.7~8.3
39.5-40.4 40 400
浸透圧 388~426mOsm/kg
40.5-41.4 41 410
4. 効能、効果又は性能 41.5-42.4 42 420
デュシェンヌ型筋ジストロフィー 42.5-43.4 43 430
43.5-44.4 44 440
ただし、以下のいずれも満たす場合に限る
44.5-45.4 45 450
・抗AAVrh74抗体が陰性の患者
45.5-46.4 46 460
・歩行可能な患者
46.5-47.4 47 470
・3歳以上8歳未満の患者
47.5-48.4 48 480
48.5-49.4 49 490
5. 効能、効果又は性能に関連する注意
49.5-50.4 50 500
5.1 遺伝子検査等により、デュシェンヌ型筋ジストロフィー診断が
50.5-51.4 51 510
確定している患者に投与すること。
51.5-52.4 52 520
5.2 承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により 52.5-53.4 53 530
抗AAVrh74抗体が陰性であることが確認された患者に投与するこ 53.5-54.4 54 540
と。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情 54.5-55.4 55 550
4
報については、以下のウェブサイトから入手可能である: 55.5-56.4 56 560
(1)
患者の体重範囲(kg) 必要なバイアル数 投与量(mL) 8. 重要な基本的注意
56.5-57.4 57 570 8.1 本品の投与にあたっては、疾病の治療における本品の必要性と
57.5-58.4 58 580 ともに、本品の有効性及び安全性その他本品の適正な使用のため
58.5-59.4 59 590
に必要な事項について、患者又は代諾者に文書をもって説明し、
59.5-60.4 60 600
同意を得てから本品を投与すること。
60.5-61.4 61 610
8.2 本品はヒト・動物由来の原材料を使用して製造されている。ヒ
61.5-62.4 62 620
ト・動物由来の原材料については安全性確保のためウイルス試験
62.5-63.4 63 630
63.5-64.4 64 640 等を実施しているが、これらの原材料に起因する感染症伝播のリ
64.5-65.4 65 650 スクを完全に排除することはできないため、本品の投与に際して
65.5-66.4 66 660 は臨床上の必要性を十分に検討すること。
66.5-67.4 67 670 8.3 本品の投与前に肝機能検査(臨床症状、肝酵素(γ-GTP、ALT
67.5-68.4 68 680 等)及び総ビリルビン等)を行うこと。本品の投与後最初の3ヵ月
68.5-69.4 69 690
間は週に1回肝機能検査を実施し、検査結果が正常に戻るまで観察
69.5以上 70 700
を行うこと。7.の表1に従い本品の投与前及び投与後にプレドニゾ
7. 用法及び用量又は使用方法に関連する注意 ロンの投与を行うこと。[7.、9.3、11.1.2参照]
本品投与によりAAVrh74に対する免疫反応が発現することがある 8.4 本品の投与前及び投与後最初の1ヵ月間は少なくとも週に1回心
ことから、下表を参考にプレドニゾロンの投与を行うこと。[8.3、 筋トロポニンⅠを測定すること。心筋トロポニンⅠの異常が認め
9.3、11.1.2参照] られた場合には、回復するまで測定すること。[9.1.2、11.1.4参照]
表1:投与前及び投与後のプレドニゾロンの投与 8.5 本品の投与前及び投与後最初の2週間は週に1回血小板数を測定
1. ベ ースラインとして、コルチコステロイドを1日1回又は間欠 すること。血小板数の異常が認められた場合には、回復するまで
で投与している患者の場合: 測定すること。
・本品投与の前日からプレドニゾロンを1mg/kg/日を追加 8.6 Infusion reactionがあらわれることがあるので、本品の投与は重
で投与する(ベースライン用量は継続)。1日の最大用量 度のInfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備
は60mg/日とする。本品の投与後60日間は追加のプレド を行った上で開始すること。[11.1.1参照]
ニゾロンを1mg/kg/日で継続し、その後、2週間かけて 8.7 副腎皮質ステロイドを投与することにより、感染症が重篤化す
ベースライン用量への漸減を検討する。 るおそれがあるため、感染症を合併している患者では回復又は管
2. ベースラインとして、高用量コルチコステロイドを週2日投 理できる状態になるまで本品の投与を延期すること。
与している患者の場合: 8.8 予防接種スケジュールは、プレドニゾロンの投与状況に応じて
・本品投与の前日からプレドニゾロンを1mg/kg/日を追加 適切に調整すること。プレドニゾロン投与中に、やむを得ず予防
で投与する(ベースライン用量は継続)。なお、高用量 接種を受ける場合は、プレドニゾロン投与量を考慮して、予防接
コルチコステロイドを投与しない日にも1mg/kg/日を投 種の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種を受け
与する。1日の最大用量は60mg/日とする。本品の投与後 させること。なお、各ワクチン製剤の電子添文を必ず確認すること。
60日間は追加のプレドニゾロンを1mg/kg/日で継続し、
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
その後、2週間かけてベースライン用量への漸減を検討
9.1 合併症・既往歴等のある患者
する。
9.1.1 ジストロフィン遺伝子のエクソン1-17及び/又はエクソン59-71
3. ベースラインとして、コルチコステロイドを投与していない
の欠失を有する患者
患者の場合:
本品に搭載されているマイクロジストロフィン遺伝子は、エクソ
・本品投与の1週間前からプレドニゾロン1.5mg/kg/日の
ン1-17、エクソン59-71及びエクソン79から構成されるため、ジス
投与を開始する。1日の最大用量は60mg/日とする。本品
トロフィン遺伝子のエクソン1-17及び/又はエクソン59-71の領域
の投与後60日間はプレドニゾロンを1.5mg/kg/日で継続
に欠失を有する患者は、重度の免疫介在性の筋炎発現のリスクが
し、その後、4週間かけてステロイドを離脱するまで用
高いおそれがある。[2.3、11.1.3参照]
量の漸減を検討する。
9.1.2 心機能障害のある患者
表2:投 与後に肝機能異常が発現した患者に対するプレドニゾロン 心エコーで左室駆出率が40%未満の患者及び症候性の心筋症を有
の用量調節注1) する患者は、臨床試験で除外されている。[8.4、11.1.4参照]
1. ベースライン用量にプレドニゾロン1mg/kg/日を追加で投与 9.3 肝機能障害患者
している患者の場合: 肝障害、慢性肝疾患又は急性肝疾患(急性の肝ウイルス性感染症)
・プレドニゾロンの追加用量を1mg/kg/日から2mg/kg/日 を有する患者は、重篤な急性肝障害発現のリスクが高いおそれが
に増量する(ベースライン用量は継続)。1日の最大用量 ある。また、急性肝疾患を有する患者では回復又は管理できる状
は120mg/日とする。漸減する際は、2週間かけてベース 態になるまで本品の投与を延期すること。γ-GTPが基準値上限
ライン用量への漸減を検討する。 (ULN)の2倍超、グルタミン酸脱水素酵素(GLDH)が15U/L超
2. ベ ースラインの高用量コルチコステロイド(週2日投与)にプ 又は総ビリルビンがULN超の患者は、臨床試験で除外されている。
レドニゾロン1mg/kg/日を追加で投与している患者の場合: [7.、8.3、11.1.2参照]
・高 用量コルチコステロイドを投与しない日のプレドニゾ 9.4 生殖能を有する者
ロン追加投与量を1mg/kg/日から2mg/kg/日に増量する 動物を用いた生殖発生毒性試験は実施していない。本品は精巣に
(ベースライン用量は継続)。1日の最大用量は120mg/日 分布することが動物試験で確認されている。[15.2.1、15.2.2参照]
とする。漸減する際は、2週間かけてベースライン用量
11. 副作用・不具合
への漸減を検討する。
次の副作用・不具合があらわれることがあるので、観察を十分に
3. 本品投与の1週間前からプレドニゾロン1.5mg/kg/日の投与
行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置
を開始した患者の場合:
を行うこと。
・プレドニゾロンの用量を1.5mg/kg/日から2.5mg/kg/日
に増量する。1日の最大用量は120mg/日とする。その後、
4週間かけてステロイドを離脱するまで漸減を検討する。
注1)経 口のコルチコステロイド投与による治療に反応しない場合
5
は、コルチコステロイドの静脈内投与を検討すること。
(2)
11.1 重大な副作用 14.1.10 本品の調製中にフィルター針を使用しないこと。
11.1.1 Infusion reaction(頻度不明注1)) 14.1.11 投与前及び投与中はシリンジを室温で保管すること。
過敏症反応及びアナフィラキシーを含むInfusion reactionが本品 14.2 投与時の注意
投与中又は投与後数時間以内にあらわれ、頻脈、頻呼吸、口唇腫脹、 14.2.1 本品の投与前に、投与部位への局所麻酔薬の塗布を検討する
呼吸困難、鼻翼呼吸、蕁麻疹、潮紅、口唇そう痒症、発疹、口唇炎、 こと。
嘔吐、悪心及び発熱等の症状がみられることがある。本品投与中 14.2.2 予備の静脈内カテーテル留置を検討すること。
に異常が認められた場合には患者の臨床症状に基づいて注入を減 14.2.3 本品投与前に、点滴チューブを生理食塩液でプライミングす
速又は中止し、アナフィラキシーが発現した場合には投与を中止 ること。
すること。必要に応じてコルチコステロイド、抗ヒスタミン薬及 14.2.4 本品は、0.2μm以下のインラインフィルター付きシリンジ注
びその他の処置による治療を検討すること。[8.6参照] 入ポンプを用いて投与すること。白色~オフホワイトの本品由来
11.1.2 肝機能障害(6.4%) の粒子を含むことがある。
肝酵素(γ-GTP、ALT等)及び総ビリルビンの増加を伴う重篤な 14.2.5 他の製品と同じ静脈ラインに本品を注入しないこと。
肝機能障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合 14.2.6 本品投与終了後、生理食塩液で点滴チューブをフラッシュす
にはプレドニゾロンの投与を継続する等の適切な処置を行うこと。 ること。
[7.、8.3、9.3参照] 14.2.7 本品はシリンジに採取後、12時間以内に投与を完了すること。
11.1.3 筋炎(1.0%) シリンジに採取後12時間以上経過した場合は、本品を投与せず廃
欠失したエクソンが本来コードするタンパク質が発現することで、 棄すること。
発現したタンパク質に対する免疫反応に起因すると考えられる筋 14.2.8 使用済みのバイアル、針及びシリンジ等は、感染性廃棄物と
炎があらわれることがある。筋肉痛、筋圧痛、又は嚥下障害、呼 して、各医療機関の手順に従って密封等を行い、適切に廃棄する
吸困難、発声障害を含む筋力低下等の観察を十分に行い、異常が こと。
認められた場合には適切な処置を行うこと。[2.3、9.1.1参照]
15. その他の注意
11.1.4 心筋炎(0.5%)
15.1 臨床使用に基づく情報
急性の重篤な心筋炎及び心筋トロポニンⅠの増加があらわれるこ
15.1.1 本品の主成分であるデランジストロゲン モキセパルボベ
とがある。胸痛、息切れ等の観察を十分に行い、異常が認められ
ク マイクロジストロフィンタンパク質を発現する非増殖性遺伝
た場合には適切な処置を行うこと。[8.4、9.1.2参照]
子組換えアデノ随伴ウイルスrh74型(以下、本ウイルスベクター)
11.1.5 横紋筋融解症(2.0%)
については、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多
脱力感、筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等の観
様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」に基づき承認された第
察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
一種使用規程が定められていることから、本品の使用にあたって
は第一種使用規程を遵守する必要があることに留意すること。
注1)国 際共同第Ⅲ相臨床試験(SRP-9001-301試験)、海外第Ⅰb
15.1.2 本品投与後、患者の排泄物等に一時的に本ウイルスベクター
相臨床試験(SRP-9001-103試験コホート1/4/5)、海外第Ⅱ
が含まれる。患者、患者の家族又は介護者に、本品投与4週間後ま
相臨床試験(SRP-9001-102試験)及び海外第Ⅰ/Ⅱa相臨床
では、排泄物等に触れた場合には、手指衛生の実施を指導すること。
試験(SRP-9001-101試験)以外で報告された副作用につい
15.2 非臨床試験に基づく情報
ては頻度不明とした。
15.2.1 本品の雄マウスの精巣への分布が認められている。本品の宿
11.2 その他の副作用
主染色体への組込みリスクが低いこと、雄マウスの精巣組織を用
10%以上 5%以上~10%未満
いたin situ hybridization評価において本品の生殖細胞への分布が
消化器 嘔吐(59.6%)注2)、悪心
認められていないこと、及び雄マウスにおける本品投与後24週ま
(36.5%)注2)、食欲減退
での精巣組織への分布量が少なく減少傾向にあると考えられたこ
(31.0%)注2)、腹痛
循環器 トロポニンⅠ増加 とから、生殖細胞への遺伝子組込みに起因した次世代への影響の
肝臓 肝機能検査値上昇(GLDH 可能性は低いと考えられる。[9.4参照]
増加、γ-GTP増加、ALT 15.2.2 雌動物での胚・胎児に及ぼす影響は評価していない。[9.4参
増加、AST増加等)(39.9%) 照]
血液 血小板数減少
16. 体内動態
その他 発熱、疲労
16.1 血中濃度
注2)投与後早期にあらわれることがあるので、観察を十分に行い、
デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者に本品1.33×1014vg/kg(体
必要に応じて適切な処置を行うこと。
重が70kgを超える患者は9.31×1015vg)を単回静脈内投与したと
14. 適用上の注意 きの血清中のベクターDNAの最高濃度(平均値)0.561~1.53×
14.1 調製時の注意 1014vg/L、最高濃度到達時点(中央値)は投与後1.3~2.88時間で
14.1.1 本品は無菌的に調製すること。 あった。血清中から完全に消失するまでの時間(中央値)は41~
14.1.2 本品は用時解凍して用いること。 85日であった(外国人データ)1)、2)。
14.1.3 冷蔵庫で解凍した場合、密封した本品バイアルは2~8℃で最 16.2 排出
長14日間安定である。 デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者に本品1.33×1014vg/kg(体
14.1.4 凍結された本品バイアルは、患者用個装箱から取り出して室 重が70kgを超える患者は9.31×1015vg)を単回静脈内投与したと
温(25℃以下)に置いた場合、約2時間で解凍する。 きの唾液、尿及び糞便中からベクターDNA濃度が完全に消失する
14.1.5 密封された解凍後のバイアルは、正立で保存した場合、25℃ までの時間の中央値(最小値、最大値)はそれぞれ投与後7.29週(4.1
以下で24時間まで安定である。 週、51.1週)、11週(2.3週、37.1週)及び25.07週(6.3週、52.4週)
14.1.6 解凍後のバイアルは静かに混和し、振とうしないこと。解凍 であった(外国人データ)1)。
した本品は再凍結しないこと。 16.3 分布
14.1.7 解凍後に本品の状態を確認し、混濁又は着色が認められた場 デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者に本品1.33×1014vg/kg(体
合は本品を投与しないこと。 重が70kgを超える患者は9.31×1015vg)を単回静脈内投与したと
14.1.8 バイアルからプラスチック製フリップオフキャップを取り外 きの、投与後12週の腓腹筋又は上腕二頭筋における本品のベクター
し、ゴム栓を消毒すること。 DNA濃度(平均値)は、1.61~3.44vg copies/核であった(外国
14.1.9 各バイアルから本品10mLを採取すること。 人データ)1)。
6
(3)
17. 臨床成績 本品群 プラセボ群
17.1 有効性及び安全性に関する試験 (63例) (62例)
17.1.1 国際共同第Ⅲ相臨床試験(SRP-9001-301試験) 60.67±15.55 63.01±17.01
ベースライン
4歳以上8歳未満であり、抗AAVrh74抗体を有しない男性 (63例) (59例)
の歩行可能なデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD) 100m歩行/ 投与後52週ま -6.65±14.54 -4.18±18.46
患者を対象として本品の有効性及び安全性を評価するプ 走行時間 での変化量 (59例) (57例)
ラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。DMD遺伝子の (秒) 調整済み平均
値の群間差* -3.29[-8.28,1.70]
エクソン1-17に変異のある患者、インフレーム欠失、イ
[95%CI]
ンフレーム重複及び臨床的意義不明の変異のある患者、
3.17±1.01 3.37±1.09
エクソン45に完全に含まれている変異のある患者は除外 ベースライン
(63例) (61例)
された。125例が本品群(63例[日本人2例])又はプラセ
4段階段昇り 投与後52週ま -0.41±0.85 -0.12±1.28
ボ群(62例[日本人2例])にランダムに割り付けられた。
時間 での変化量 (62例) (60例)
本品は、1.33×1014vg/kgの用量で単回静脈内投与した。
(秒) 調整済み平均
(1)有効性評価(パート1)3)
値の群間差* -0.36[-0.71,-0.01]
1. 主 要評価項目(ノース・スター歩行能力評価(North
[95%CI]
Star Ambulatory Assessment(NSAA)総スコア):
平均値±標準偏差
ベースラインから本品投与後52週までの変化量につい
*:投与群、年齢、時点、投与群と時点の交互作用、スクリー
て、調整済み平均値の群間差[95%CI]は0.65[-0.45,
ニング時のNSAA総スコア、副次評価項目のベースライ
1.74]であり、統計的に有意な差は認められず、本
ン値、副次評価項目のベースライン値と時点の交互作用
品群のプラセボ群に対する優越性は示されなかった
を共変量とし、分散共分散構造として無構造を仮定した
(データカットオフ日:2023年9月13日)。
反復測定混合効果モデル
NSAA総スコアのベースラインから投与後52週までの変化量 (2)安全性評価4)
本品群 プラセボ群 パート1の本品投与12カ月後までに、本品群で62例(98.4%)
平均値± 23.10±3.75 22.82±3.78 に有害事象が発現し、48例(76.2%)に副作用が発現した。
標準偏差 (63例) (62例) 本品群で発現割合が10%以上であった副作用は、嘔吐34例
ベースライン
範囲
(14,32) (15.5,30) (54.0%)、悪心20例(31.7%)、食欲減退17例(27.0%)、
(最小,最大)
グルタミン酸脱水素酵素増加15例(23.8%)、発熱10例
平均値± 2.52±3.31 1.86±3.18
(15.9%)、上腹部痛8例(12.7%)であった。
投与後52週ま 標準偏差 (63例) (61例)
での変化量 範囲 18. 原理・メカニズム
(-8,10) (-5,8.5)
(最小,最大) 18.1 作用機序
調整済み平均値の 静脈内に投与された本品は、患者の横隔膜を含む骨格筋
0.65[-0.45,1.74]
群間差[95%CI] 細胞及び心筋細胞等に感染し、筋細胞において機能性の
0.2441
p値* デランジストロゲン モキセパルボベク マイクロジス
*:有意水準両側5%、投与群、年齢、時点、投与群と時点 トロフィンタンパク質を効率的に発現することで、ジスト
の交互作用、ベースラインのNSAA総スコア、ベースラ ロフィン遺伝子変異を有するデュシェンヌ型筋ジストロ
インのNSAA総スコアと時点の交互作用を共変量とし、 フィーに対する作用を示すと考えられている。なお、本
分散共分散構造として無構造を仮定した反復測定混合効 品に搭載された遺伝子発現構成体は、標的細胞の染色体
果モデル に組み込まれることなくエピソームとして核内に存在し、
2. 副次的評価項目 デランジストロゲン モキセパルボベク マイクロジス
運動機能の評価項目について、床上起き上がり時間、 トロフィンタンパク質は長期間安定して発現する5)、6)。
10m歩行/走行時間、100m歩行/走行時間及び4段階段 18.2 薬理作用
昇り時間のベースラインから本品投与後52週までの変 ジストロフィン遺伝子変異を有するマウス及びラットの
化量は、以下のとおりであった(データカットオフ日: 疾患モデルにおいて、本品を静脈内に投与することで、デ
2023年9月13日)。 ランジストロゲン モキセパルボベク マイクロジスト
運動機能評価項目のベースラインから本品投与後52週までの ロフィンタンパク質の骨格筋及び心筋における発現、筋
変化量
細胞膜への局在及び筋機能の改善が確認された5)、6)。
本品群 プラセボ群
19. 貯蔵方法及び有効期間等
(63例) (62例)
19.1 貯蔵方法
3.52±0.81 3.60±0.68
ベースライン -60℃以下
(63例) (62例)
19.2 有効期間
床上起き上 投与後52週ま -0.26±0.95 0.39±1.39
24箇月(患者用個装箱上の使用期限内に使用すること)
がり時間 での変化量 (63例) (61例)
(秒) 調整済み平均 21. 承認条件及び期限
値の群間差* -0.64[-1.06,-0.23] 本品は条件及び期限が付された品目である。
[95%CI] 21.1 承認条件
4.82±0.79 4.92±0.73
ベースライン 21.1.1 条件及び期限付承認後に改めて行う本品の製造販売
(63例) (62例)
承認申請までの期間中は、本品の長期の有効性及び安全
10m歩行/ 投与後52週ま -0.34±0.69 0.09±1.03
性の確認を目的とした臨床試験並びに本品を使用する全
走行時間 での変化量 (63例) (61例)
症例を対象とした製造販売後調査により製造販売後承認
(秒) 調整済み平均
条件評価を行うこと。
値の群間差* -0.42[-0.71,-0.13]
21.1.2 デュシェンヌ型筋ジストロフィーに関する十分な知
[95%CI]
識及び経験を有する医師が、本品の臨床試験成績及び有
7 害事象等の知識を十分に習得した上で、デュシェンヌ型
(4)
筋ジストロフィーの治療に係る体制が整った医療機関に
おいて、「効能、効果又は性能」並びに「用法及び用量又
は使用方法」を遵守して本品を用いるよう、関連学会と
の協力により作成された適正使用指針の周知等、必要な
措置を講ずること。
21.1.3 「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の
多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)」に基
づき承認された第一種使用規程を遵守して本品を用いる
よう、その使用規程の周知等、必要な措置を講ずること。
21.2 期限
3年
22. 主要文献
1)海外第Ⅰb相試験(SRP-9001-103)(2025年5月承認、
CTD2.7.2.2.3.3)
2)社内資料:薬物動態解析報告書(SRP-9001-103試験)
3)国際共同第Ⅲ相臨床試験(SRP-9001-301)(2025年5月承
認、CTD2.7.6.1.8)
4)国際共同第Ⅲ相臨床試験(SRP-9001-301)(2025年5月承
認、CTD2.7.6.2.1)
5)DMDMDXマウスを用いた試験(2025年5月承認、
CTD2.6.2.2.2.2)
6)DMDMDXラットを用いた試験(2025年5月承認、
CTD2.6.2.2.2.3)
23. 文献請求先及び問い合わせ先
中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
電話:0120-189706
Fax:0120-189705
https://www.chugai-pharm.co.jp/
24. 製造販売業者等
24.1 製造販売元
Ⓡ 登録商標
8
202505A
(5)
この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。