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総-6 参考1

総会 第609回 / 2025-06-18 開催 / 16ページ

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中医協 総-6参考1 7 . 6 . 1 8 最適使用推進ガイドライン デュルバルマブ(遺伝子組換え) (販売名:イミフィンジ点滴静注 120 mg、イミフィンジ点滴静注 500 mg) ~小細胞肺癌~ 令和2年8月(令和7年3月改訂) 厚生労働省 目次 1. はじめに P2 2. 本剤の特徴,作用機序 P4 3. 臨床成績 P5 4. 施設について P10 5. 投与対象となる患者 P12 6. 投与に際して留意すべき事項 P14 1 1.はじめに 医薬品の有効性・安全性の確保のためには、添付文書等に基づいた適正な使用が求め られる。さらに、近年の科学技術の進歩により、抗体医薬品などの革新的な新規作用機 序医薬品が承認される中で、これらの医薬品を真に必要な患者に提供することが喫緊の 課題となっており、経済財政運営と改革の基本方針2016(平成28年6月2日閣議決定) においても、革新的医薬品等の使用の最適化推進を図ることとされている。 新規作用機序医薬品は、薬理作用や安全性プロファイルが既存の医薬品と明らかに 異なることがある。このため、有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間、 当該医薬品の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに、副作 用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件を満たす医療機関で使用 することが重要である。 したがって、本ガイドラインでは、開発段階やこれまでに得られている医学薬学的・ 科学的見地に基づき、以下の医薬品の最適な使用を推進する観点から必要な要件、考え 方及び留意事項を示す。 なお、本ガイドラインは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、公益社団法人日本 臨床腫瘍学会、一般社団法人日本臨床内科医会、特定非営利活動法人日本肺癌学会及び 一般社団法人日本呼吸器学会の協力のもと作成した。 対象となる医薬品:イミフィンジ点滴静注120 mg、イミフィンジ点滴静注500 mg(一 般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え)) 対象となる効能又は効果:進展型小細胞肺癌 限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法 対象となる用法及び用量:〈進展型小細胞肺癌〉 白金系抗悪性腫瘍剤及びエトポシドとの併用において、通常、成人 にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500 mgを3週 間間隔で 4 回、60 分間以上かけて点滴静注する。その後、デュル バルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500 mgを4週間間隔で60 分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30 kg以下の場合の1 回投与量は20 mg/kg(体重)とする。 〈限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法〉 通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500 mg を4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。投与期間は24カ 月間までとする。ただし、体重 30 kg 以下の場合の 1 回投与量は 20 mg/kg(体重)とする。 製 造 販 売 業 者:アストラゼネカ株式会社 2 (参考) シスプラチンの効能又は効果、用法及び用量 効能又は効果:小細胞肺癌 用法及び用量:シスプラチンとして 70~90 mg/m2(体表面積)を1日 1回投与し、少なく とも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。 カルボプラチンの効能又は効果、用法及び用量 効能又は効果:肺小細胞癌 用法及び用量:通常、成人にはカルボプラチンとして、1 日 1 回 300~400 mg/m2(体表面 積)を投与し、少なくとも 4 週間休薬する。これを1 クールとし、投与を 繰り返す。なお、投与量は、年齢、疾患、症状により適宜増減する。 エトポシドの効能又は効果、用法及び用量 効能又は効果:肺小細胞癌 用法及び用量:エトポシドとして、1日量60~100 mg/m2(体表面積)を5日間連続点滴静 注し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。 なお、投与量は疾患、症状により適宜増減する。 臨床試験における各薬剤の用法・用量は「3.臨床成績」の項 P5~)参照 3 2.本剤の特徴、作用機序 イミフィンジ点滴静注120 mg及び同点滴静注500 mg(一般名:デュルバルマブ(遺 伝子組換え)、以下「本剤」)は、ヒトprogrammed cell death ligand 1(PD-L1)に対する 免疫グロブリンG1κ(IgG1κ)サブクラスのヒト型モノクローナル抗体である。 CD274(PD-L1)は、生体内において抗原提示細胞等に発現しており、活性化したリ ンパ球(T細胞、B細胞及びナチュラルキラーT細胞)等に発現するCD279(PD-1)及 びCD80(B7-1)と結合し、免疫応答を負に制御すると考えられている(Annu Rev Immunol 2008; 26: 677-704、Blood 2010; 116: 1291-8)。また、PD-L1は、種々の腫瘍細胞にも発現 していること(Nat Med 2002; 8: 793-800、J Immunol 2003; 170: 1257-66)が報告されてお り、PD-L1とPD-1を介した経路は、腫瘍細胞が抗原特異的なT細胞からの攻撃等を回 避する機序の一つとして考えられている。 本剤は、PD-L1の細胞外領域に結合し、PD-L1とPD-1の結合を阻害すること等によ り、がん抗原特異的なT細胞の細胞傷害活性を増強し、腫瘍の増殖を抑制すると考えら れている。 本剤の作用機序に基づく過度の免疫反応による副作用等があらわれ、重篤又は死亡に 至る可能性がある。本剤の投与中及び投与後には、患者の観察を十分に行い、異常が認 められた場合には、発現した事象に応じた専門的な知識と経験を持つ医師と連携して適 切な鑑別診断を行い、過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホル モン剤の投与等の適切な処置を行う必要がある。 4 3.臨床成績 進展型小細胞肺癌及び限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法の 承認時に評価を行った主な臨床試験の成績を示す。 【有効性】 ① 国際共同第Ⅲ相試験(CASPIAN試験) 化学療法歴のない進展型小細胞肺癌患者*(1 WHO/ECOG Performance Status 0又は1) 537例(本剤と白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)+エトポシド) [本剤併用群*2268例]、白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)+エ トポシド[対照群*3269例])(日本人34例[本剤併用群18例、対照群16例])を含む) を対象に、本剤、白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)及びエトポ シドを併用投与した場合の有効性及び安全性を検討した。 中間解析の結果、主要評価項目である OS(中央値[95%信頼区間])(336 件のイベ ント)は、本剤併用群で 13.0[11.5~14.8]カ月、対照群で 10.3[9.3~11.2]カ月であ り、本剤併用群は対照群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼 区間]:0.73[0.591~0.909]、p=0.0047[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.0178]、 2019年3月11日データカットオフ)。 *1:体重30 kg超かつ①American Joint Committee on Cancer(第7版)のⅣ期又は②広範囲にわたる複数 の肺結節がある若しくは腫瘍/結節量が大きいことにより耐容可能な放射線治療計画で単一照射 野内に収まりきらないT3~4の患者が組み入れられた。 *2:本剤1,500 mg及びカルボプラチン(AUC 5~6)又はシスプラチン(75~80 mg/m2)のいずれかを 各サイクルの1日目に、さらにエトポシド(80~100 mg/m2)を各サイクルの1、2、3日目に3週 間間隔で最大4サイクル投与後、本剤1,500 mgを4週間間隔で投与した。 *3:カルボプラチン(AUC 5~6)又はシスプラチン(75~80 mg/m2)のいずれかを各サイクルの1日 目に、さらにエトポシド(80~100 mg/m2)を各サイクルの1、2、3日目に3週間間隔で最大6サ イクル投与した。 本剤併用群 対照群 本剤併用群 対照群 図1 中間解析時のOSのKaplan-Meier曲線(CASPIAN試験) 5 ② 国際共同第Ⅲ相試験(ADRIATIC試験) 根治的同時化学放射線療法*1 後に疾患進行が認められない限局型小細胞肺癌患者 (WHO/ECOG Performance Status 0又は1)530例(本剤群264例、プラセボ群266例) (日本人50例[本剤群19例、プラセボ群 31 例]を含む)を対象に、化学放射線療法 終了後 42 日以内に本剤又はプラセボを投与した場合の有効性及び安全性を検討した。 用法・用量は、本剤1,500 mg又はプラセボを4週間間隔で静脈内投与することとされ、 疾患進行若しくは投与中止基準に該当するまで又は最大24カ月間(26サイクル)投与 を継続することとされた。 中間解析の結果、主要評価項目の一つである盲検下独立中央評価判定による無増悪 生存期間(以下、「PFS」)(308件のイベント)の結果について、本剤群はプラセボ群に 対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.76[0.606~0.950]、 p=0.01608[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.02805]、2024年1月15日データカ ットオフ)。PFSの中央値[95%信頼区間]は、本剤群で16.6[10.2~28.2]カ月、プラ セボ群で9.2[7.4~12.9]カ月であった。 また、もう一つの主要評価項目である全生存期間(以下、「OS」)(261件のイベント) について、本剤群はプラセボ群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95% 信頼区間]:0.7[3 0.569~0.928]、p=0.0104[2 層別log-rank検定、有意水準(両側)0.01679])、 2024年1月15日データカットオフ)。OSの中央値[95%信頼区間]は、本剤群で55.9 [37.3~NE*2]カ月、プラセボ群で33.4[25.5~39.9]カ月であった。 *1:体重30kg超かつAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)/(UICC)(第8版)に基づく臨床病 期Ⅰ~Ⅲ期の患者(Ⅰ又はⅡ期の場合は医学的に切除不能な患者)が組み入れられた。化学療法と して、白金系抗悪性腫瘍剤(シスプラチン又はカルボプラチン)とエトポシドとの併用投与を4サ イクル繰り返し投与した。放射線療法として、6週間で総線量60~66 Gyを投与する1日1回の通 常分割照射法又は3週間で総線量45 Gyを投与する1日2回の加速過分割照射法のいずれかを選択 した。予防的全脳照射は治験担当医師の判断で実施可能とされ、化学放射線療法施行後に実施し、 無作為化及び治験薬の初回投与前1~42日以内に完了することとした。 *2:推定不能 6 図2 中間解析時のPFSのKaplan-Meier曲線(ADRIATIC試験) 図3 中間解析時のOSのKaplan-Meier曲線(ADRIATIC試験) 7 【安全性】 ① 国際共同第Ⅲ相試験(CASPIAN試験) 有害事象は本剤併用群260/265例(98.1%)及び対照群258/266例(97.0%)に認めら れた。本剤併用群において、本剤との因果関係が否定できない有害事象(副作用)は 156/265例(58.9%)に認められ、そのうち死亡例(Grade 5)は、1/265例(0.4%)であ った。本剤併用群で発現率が5%以上の副作用は下表のとおりであった。 表1 本剤併用群で発現率が5%以上の副作用(安全性解析対象集団)(CASPIAN試験) 例数(%) 器官別大分類 / 基本語 本剤併用群(265例) (MedDRA/J ver. 21.1) 全Grade Grade 3-4 Grade 5 全副作用 156 (58.9) 40 (15.1) 1 (0.4) 血液およびリンパ系障害 貧血 21 (7.9) 2 (0.8) 0 好中球減少症 21 (7.9) 9 (3.4) 0 内分泌障害 甲状腺機能亢進症 21 (7.9) 0 0 甲状腺機能低下症 23 (8.7) 0 0 代謝および栄養障害 食欲減退 21 (7.9) 0 0 胃腸障害 下痢 14 (5.3) 2 (0.8) 0 悪心 32 (12.1) 0 0 一般・全身障害および投与部位の状態 無力症 20 (7.5) 1 (0.4) 0 疲労 16 (6.0) 0 0 なお、以下に関連事象を含む副作用発現状況の集計結果を示す。本剤併用群において、 間質性肺疾患7例(2.6%)、大腸炎1例(0.4%)、重度の下痢2例(0.8%)、肝機能障 害14例(5.3%)、甲状腺機能低下症23例(8.7%)、甲状腺機能亢進症25例(9.4%)、 副腎機能障害2例(0.8%)、1型糖尿病2例(0.8%)、infusion reaction 3例(1.1%)、 発熱性好中球減少症2例(0.8%)が認められた。また、腎障害(間質性腎炎等)、筋炎・ 横紋筋融解症、心筋炎、重症筋無力症、下垂体機能障害、髄膜炎及び免疫性血小板減少 性紫斑病は認められなかった。 ② 国際共同第Ⅲ相試験(ADRIATIC試験) 有害事象は本剤群の247/262例(94.3%)及びプラセボ群の234/265例(88.3%)に認 められた。本剤群において、本剤との因果関係が否定できない有害事象(副作用)は 176/262例(67.2%)に認められ、そのうち死亡例(Grade 5)は、2/262例(0.8%)であ った。本剤群で発現率が5%以上の副作用は下表のとおりであった。 8 表2 本剤群で発現率が5%以上の副作用(安全性解析対象集団)(ADRIATIC試験) 例数(%) 器官別大分類 / 基本語 本剤群(262例) (MedDRA/J ver. 26.1) 全Grade Grade 3-4 Grade 5 全副作用 176 (67.2) 23 (8.8) 2 (0.8) 内分泌障害 甲状腺機能亢進症 23 (8.8) 0 0 甲状腺機能低下症 39 (14.9) 0 0 代謝および栄養障害 食欲減退 22 (8 .4) 0 0 呼吸器、胸郭および縦隔障害 肺臓炎 24 (9.2) 3 (1.1) 1 (0.4) 胃腸障害 下痢 13 (5 .0) 2 (0 .8) 0 皮膚および皮下組織障害 そう痒症 25 (9.5) 0 0 発疹 21 (8.0) 1 (0.4) 0 一般・全身障害および投与部位の状態 無力症 13 (5.0) 0 0 疲労 21 (8.0) 0 0 臨床検査 アラニンアミノトランスフェラーゼ増 13 (5.0) 1 (0.4) 0 加 なお、以下に関連事象を含む副作用発現状況の集計結果を示す。本剤群において、間 質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)45例(17.2%)、重度の下痢2例(0.8%)、肝機能障 害・肝炎・硬化性胆管炎25例(9.5%)、甲状腺機能低下症39例(14.9%)、甲状腺機能 亢進症25例(9.5%)、副腎機能障害3例(1.1%)、下垂体機能障害2例(0.8%)、1型糖 尿病1例(0.4%)、心筋炎1例(0.4%)、脳炎1例(0.4%)、神経障害(ギラン・バレー 症候群を含む)3例(1.1%)、infusion reaction 2例(0.8%)、膵炎1例(0.4%)が認めら れた。また、大腸炎、腎障害(間質性腎炎等)、筋炎・横紋筋融解症、重症筋無力症、重 度の皮膚障害、発熱性好中球減少症、消化管穿孔、髄膜炎、免疫性血小板減少性紫斑病 及び赤芽球癆は認められなかった。 9 4.施設について 医薬品リスク管理計画(RMP)に基づき、本剤の医薬品安全性監視活動への協力体制 がある施設であって、本剤の投与が適切な患者を診断・特定し、本剤の投与により重篤 な副作用を発現した際に対応することが必要なため、以下の①~③のすべてを満たす施 設において使用するべきである。 ① 施設について ①-1下記の(1)~(5)のいずれかに該当する施設であること。 (1) 厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等(都道府県がん診療連携拠点病 院、地域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院など) (2) 特定機能病院 (3) 都道府県知事が指定するがん診療連携病院(がん診療連携指定病院、がん診療連携 協力病院、がん診療連携推進病院など) (4) 外来化学療法室を設置し、外来腫瘍化学療法診療料1、外来腫瘍化学療法診療料2 又は外来腫瘍化学療法診療料3の施設基準に係る届出を行っている施設 (5) 抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出を行っている施設 ①-2 肺癌の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師(下表の いずれかに該当する医師)が、当該診療科の本剤に関する治療の責任者として配置され ていること。 表  医師免許取得後 2 年の初期研修を修了した後に 5 年以上のがん治療の臨床研修を 行っていること。うち、2年以上は、がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研修を 行っていること。  医師免許取得後 2 年の初期研修を修了した後に 4 年以上の臨床経験を有している こと。うち、3年以上は、肺癌のがん薬物療法を含む呼吸器病学の臨床研修を行っ ていること。 ② 院内の医薬品情報管理の体制について 医薬品情報管理に従事する専任者が配置され、製薬企業からの情報窓口、有効性・安 全性等薬学的情報の管理及び医師等に対する情報提供、有害事象が発生した場合の報告 業務、等が速やかに行われる体制が整っていること。 10 ③ 副作用への対応について ③-1 施設体制に関する要件 間質性肺疾患等の重篤な副作用が発生した際に、24 時間診療体制の下、当該施設又 は連携施設において、発現した副作用に応じて入院管理及びCT等の副作用の鑑別に必 要な検査の結果が当日中に得られ、直ちに対応可能な体制が整っていること。 ③-2 医療従事者による有害事象対応に関する要件 がん診療に携わる専門的な知識及び技能を有する医療従事者が副作用モニタリング を含めた苦痛のスクリーニングを行い主治医と情報を共有できるチーム医療体制が整 備されていること。なお、整備体制について、がん患者とその家族に十分に周知されて いること。 ③-3 副作用の診断や対応に関して 副作用(間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)、肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎、 内分泌障害(甲状腺機能障害、副腎機能障害、下垂体機能障害)、腎障害、infusion reaction、 大腸炎・重度の下痢、1型糖尿病、筋炎・横紋筋融解症、心筋炎、重症筋無力症、髄膜 炎、免疫性血小板減少性紫斑病、脳炎、重度の皮膚障害、神経障害(ギラン・バレー症 候群を含む)、化学療法併用時の発熱性好中球減少症、消化管穿孔、膵炎、赤芽球癆等) に対して、当該施設又は近隣医療機関の専門性を有する医師と連携し(副作用の診断や 対応に関して指導及び支援を受けられる条件にあること)、直ちに適切な処置ができる 体制が整っていること。 11 5.投与対象となる患者 【有効性に関する事項】 ① 下記の患者において本剤、白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチ ン)及びエトポシドとの併用投与の有効性が示されている。  化学療法歴のない進展型小細胞肺癌患者 ② 下記の患者において本剤の単独投与の有効性が示されている。  白金系抗悪性腫瘍剤を含む根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められな い限局型小細胞肺癌[Ⅰ~Ⅲ期(Ⅰ又はⅡ期の場合は医学的に切除不能な場合)] に対して維持療法が行われる患者 ③ 下記に該当する患者に対する本剤の投与及び使用方法については、本剤の有効性 が確立されておらず、本剤の投与対象とならない。  ①で本剤の有効性が示されていない他の抗悪性腫瘍剤との併用投与  白金系抗悪性腫瘍剤を含む根治的化学放射線療法の治療歴のない限局型小細 胞肺癌患者に対する本剤の投与  白金系抗悪性腫瘍剤を含む根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められた 限局型小細胞肺癌患者に対する本剤の投与  小細胞肺癌患者に対する術後補助療法としての本剤の投与 【安全性に関する事項】 ① 下記に該当する患者については本剤の投与が禁忌とされていることから、投与を行 わないこと。  本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 ② 限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法において、下記に該 当する患者に対する本剤の投与については、本剤の安全性が確立されておらず、本 剤の投与対象とならない。  根治的化学放射線療法によりGrade 2以上の間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含 む)の発現が認められた患者 ③ 治療前の評価において下記に該当する患者については、本剤の投与は推奨されない が、他の治療選択肢がない場合に限り、慎重に本剤を使用することを考慮できる。  間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)のある患者又はその既往歴のある患者 (【安全性に関する事項】②に該当しない場合に限る)  胸部画像検査で間質影が認められる患者及び感染性肺炎等の肺に炎症性変化 12 がみられる患者(【安全性に関する事項】②に該当しない場合に限る)  自己免疫疾患の合併又は慢性的な若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴の ある患者  WHO Performance Status 3-4(注1)の患者 (注1)WHOのPerformance Status (PS) Grade 0 まったく問題なく活動できる。鎮痛薬の使用を必要とせず、発病前と同じ日常生活が制限なく行える。 1 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や坐業は行うことができる。鎮痛薬を使用すればグ レード0と同じく問題なく活動できる患者も含まれる。 2 歩行可能で、自分の身のまわりのことは全て可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。 3 限られた自分の身のまわりのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。 4 まったく動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす 13 6.投与に際して留意すべき事項 ① 添付文書等に加え、製造販売業者が提供する資料等に基づき本剤の特性及び適正使 用のために必要な情報を十分に理解してから使用すること。 ② 治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得 てから投与すること。 ③ 主な副作用のマネジメントについて  間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)があらわれることがあるので、初期症状 (息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察 を十分に行うこと。また、必要に応じて胸部 CT、血清マーカー等の検査を実 施すること。  infusion reactionがあらわれることがあり、2回目以降の本剤投与時にもinfusion reaction があらわれることがあるので、本剤投与時には毎回患者の状態を十分 に観察すること。infusion reactionが認められた場合は適切な処置を行うととも に、症状が回復するまで患者の状態を十分に確認すること。  甲状腺機能障害、副腎機能障害及び下垂体機能障害があらわれることがあるの で、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離T3、 遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を行い、患者の状態を十分に観 察すること。また、必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること。  本剤の投与により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態 があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、過 度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度 の免疫反応による副作用が疑われる場合には、本剤の投与の休薬、中止又は副 腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。  投与終了後、数週間から数カ月経過してから副作用が発現することがあるため、 本剤の投与終了後にも副作用の発現に十分に注意する。  AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、肝 炎、硬化性胆管炎があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間 中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。  尿細管間質性腎炎、糸球体腎炎等の腎障害があらわれることがあるので、本剤 投与開始前及び投与期間中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に 観察すること。  1 型糖尿病があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至ることがあるので、口 渇、悪心、嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。1 型糖尿 病が疑われた場合には、インスリン製剤を投与する等の適切な処置を行うこと。 ④ CASPIAN 試験においては投与開始から 12 週間は 6 週毎、その後は 8 週毎に、 ADRIATIC試験においては投与開始から72週間は8週毎、96週時までは12週毎、 14 その後は 24 週毎に有効性の評価を行っていたことを参考に、本剤投与中は定期的 に画像検査で効果の確認を行うこと。なお、限局型小細胞肺癌における根治的化学 放射線療法後の維持療法としての本剤の投与期間は24カ月までとすること。 15

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