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中医協 総-6参考4
7 . 3 . 1 2
最適使用推進ガイドライン
アテゾリズマブ(遺伝子組換え)
(販売名:テセントリク点滴静注 840 mg、同点滴静注 1200 mg)
~胞巣状軟部肉腫~
令和7年2月
厚生労働省
目次
1. はじめに P2
2. 本剤の特徴、作用機序 P3
3. 臨床成績 P4
4. 施設について P9
5. 投与対象となる患者 P11
6. 投与に際して留意すべき事項 P12
1
1.はじめに
医薬品の有効性・安全性の確保のためには、添付文書等に基づいた適正な使用が求め
られる。さらに、近年の科学技術の進歩により、抗体医薬品などの革新的な新規作用機
序医薬品が承認される中で、これらの医薬品を真に必要な患者に提供することが喫緊の
課題となっており、経済財政運営と改革の基本方針2016(平成28年6月2日閣議決定)
においても、革新的医薬品等の使用の最適化推進を図ることとされている。
新規作用機序医薬品は、薬理作用や安全性プロファイルが既存の医薬品と明らかに異
なることがある。このため、有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間、
当該医薬品の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに、副作
用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件を満たす医療機関で使用
することが重要である。
したがって、本ガイドラインでは、開発段階やこれまでに得られている医学薬学的・
科学的見地に基づき、以下の医薬品の最適な使用を推進する観点から必要な要件、考え
方及び留意事項を示す。
なお、本ガイドラインは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、公益社団法人日本
臨床腫瘍学会、一般社団法人日本癌治療学会及び一般社団法人日本小児血液・がん学
会の協力のもと作成した。
対象となる医薬品:テセントリク点滴静注840 mg、同点滴静注1200 mg(一般名:ア
テゾリズマブ(遺伝子組換え))
対象となる効能又は効果:切除不能な胞巣状軟部肉腫
対象となる用法及び用量:通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mg
を 60 分かけて 3 週間間隔で点滴静注する。通常、2 歳以上の小
児にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回15mg/kg(体
重)(最大1200mg)を60分かけて3週間間隔で点滴静注する。
なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間
は30分間まで短縮できる。
製 造 販 売 業 者:中外製薬株式会社
2
2.本剤の特徴、作用機序
テセントリク点滴静注840 mg及び同点滴静注1200 mg(一般名:アテゾリズマブ(遺
伝子組換え)、以下「本剤」という。)は、米国の Genentech, Inc.により創製された
programmed cell death ligand 1(以下、「PD-L1」という。)に対する免疫グロブリン G1
(IgG1)サブクラスのヒト化モノクローナル抗体である。
CD274(PD-L1)は、生体内において抗原提示細胞等に発現しており、活性化したリ
ンパ球(T細胞、B細胞及びナチュラルキラーT細胞)等に発現するCD279(以下、「PD-
1」という。)及びCD80(B7-1)と結合し、免疫応答を負に制御すると考えられている
(Immunity 2007; 27: 111-22、Int Immunol 2007; 19: 813-24)。また、PD-L1は、種々の腫
瘍細胞にも発現していること(Cancer Immunol Immunother 2007; 56: 739-45)が報告され
ており、PD-L1とPD-1を介した経路は、腫瘍細胞が抗原特異的なT細胞からの攻撃等
を回避する機序の一つとして考えられている。
本剤は、PD-L1の細胞外領域に結合し、PD-L1とPD-1との結合を阻害すること等に
より、がん抗原特異的なT細胞の細胞傷害活性を増強し、腫瘍の増殖を抑制すると考え
られている。
これらの知見から、本剤は悪性腫瘍に対する新たな治療薬になり得るものと期待され、
胞巣状軟部肉腫患者を対象とした臨床試験を実施し、有効性、安全性及び忍容性が確認
された。
本剤の作用機序に基づく過度の免疫反応による副作用等があらわれ、重篤又は死亡に
至る可能性がある。本剤の投与中及び投与後には、患者の観察を十分に行い、異常が認
められた場合には、発現した事象に応じた専門的な知識と経験を持つ医師と連携して適
切な鑑別診断を行い、過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホル
モン剤の投与等の適切な処置を行う必要がある。
3
3.臨床成績
切除不能な胞巣状軟部肉腫の承認時に評価を行った主な臨床試験の成績を示す。
【有効性】
① 海外第Ⅱ相臨床試験(ML39345試験)
2 歳以上の切除不能な胞巣状軟部肉腫患者*150 例を対象に、本剤の有効性及び安全
性を検討する第Ⅱ相試験を実施した。18 歳以上の患者には本剤 1,200 mg を 3 週間間
隔(以下、「Q3W」という。)で、2 歳以上 18 歳未満の患者には本剤 15 mg/kg(最大
1,200 mg)をQ3Wで静脈内投与した。
本試験に登録された50例のうち、本剤が投与されなかった1例を除く49例*2を有効
性の解析対象とした。試験開始時点での主要評価項目であるRECIST ver.1.1に基づく治
験担当医師判定による奏効率[80%信頼区間](%)の結果は、2回目の解析(19例時点)
で42.1[26.3, 59.2]であり、80%信頼区間の下限は事前に規定した閾値奏効率(5%)を
上回った*3。なお、有効性の解析対象である 49 例における 3 回目の解析(2021 年 9 月
1 日データカットオフ)における試験開始後に変更した主要評価項目である RECIST
ver.1.1 に基づく独立評価機関(以下、「IRC」という。)判定による奏効率の結果は表 1
のとおりであった*4。
*1:抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体による治療歴のある患者は除外された。
*2:年齢区分別の内訳は、18歳未満:3例、18歳以上:46例であった。
*3:Simonの2段階デザインに基づき、試験開始時には1回目及び2回目の解析はそれぞれ9例及び
24例時点で実施し、それぞれ1例以上及び3例以上で奏効が認められた場合に、登録を継続する
と計画した。9例の評価が完了した時点での1回目の解析において1例の奏効例が認められたた
め、登録を継続した。その後、19例の評価が完了した時点で事前に計画していなかった2回目の
解析を実施し、8例の奏効例が認められたことから、事前に規定した2回目の解析における症例
数である 24 例の集積を待たずに、閾値奏効率以上の有効性が期待できると判断し、更なる有効
性評価のために登録を継続した。
*4:本試験の主要評価項目は、試験開始時にはRECIST ver.1.1に基づく治験担当医師判定による奏効
率としたが、1 回目及び 2 回目の解析を実施した後、海外規制当局との相談の結果を踏まえ、
RECIST ver.1.1に基づくIRC判定による奏効率に変更した。また、海外規制当局との相談の結果、
49例の結果に基づき事前に計画していなかった3回目の解析を実施した。
4
表1 最良総合効果及び奏効率
(ML39345試験、有効性解析対象、RECIST ver.1.1、IRC判定、2021年9月1日データカットオフ)
例数(%)
最良総合効果
49例
CR 0
PR 12(24.5)
SD 24(49.0)
PD 10(20.4)
NE 3(6.1)
奏効(CR+PR) 12
(奏効率[95%CI*](%)) (24.5[13.3, 38.9])
CR:完全奏効、PR:部分奏効、SD:安定、PD:疾患進行、NE:評価不能、CI:信頼区間
*:Clopper-Pearson法
② 国内第Ⅱ相臨床試験(ALBERT試験)
16歳以上の切除不能な胞巣状軟部肉腫患者*121例を対象に、本剤の有効性及び安全
性を検討する第Ⅱ相試験を実施した。18歳以上の患者には本剤1,200 mgをQ3Wで、
16歳以上18歳未満の患者には本剤15 mg/kg(最大1,200 mg)をQ3Wで静脈内投与
した。
本試験に登録された21例のうち、本剤が投与されなかった1例を除く20例を有効性
の解析対象とした。主要評価項目である RECIST ver.1.1 に基づく IRC 判定による奏効
率の結果(2022 年 3 月 3 日データカットオフ)は表 2 のとおりであり、奏効率の 95%
信頼区間の下限は、事前に設定された閾値奏効率(5%)*2を下回った。
*1:抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体による治療歴のある患者は除外された。
*2: 胞巣状軟部肉腫患者に対するドキソルビシン等の化学療法の奏効率が 3.8%であったと報告され
ていること(Cancer 2001; 91: 585-91)を考慮し閾値奏効率を5%とした。
表2 最良総合効果及び奏効率
(ALBERT試験、有効性解析対象、RECIST ver.1.1、IRC判定、2022年3月3日データカットオフ)
例数(%)
最良総合効果
20例
CR 2(10.0)
PR 0
SD 14(70.0)
PD 4(20.0)
NE 0
奏効(CR+PR) 2
(奏効率[95%CI*](%)) (10.0[1.2, 31.7])
CR:完全奏効、PR:部分奏効、SD:安定、PD:疾患進行、NE:評価不能、CI:信頼区間
*:Clopper-Pearson法
5
【安全性】
① 海外第Ⅱ相臨床試験(ML39345試験)
有害事象は 49/49 例(100%)、本剤との因果関係が否定できない有害事象は 47/49 例
(95.9%)に認められた。発現率が5%以上の本剤との因果関係が否定できない有害事象
は表3のとおりであった。
表3 発現率が5%以上の本剤との因果関係が否定できない有害事象
(ML39345試験)(安全性解析対象集団)
器官別大分類(SOC: System Organ Class) 本剤投与例(49例)
基本語(PT: Preferred Term) 全Grade Grade 3-4 Grade 5
(MedDRA ver.25.1) 例数(%) 例数(%) 例数(%)
本剤との因果関係が否定できない全有害事象 47 (95.9%) 6 (12.2%) 0
臨床検査 32 (65.3%) 1 (2.0%) 0
リンパ数減少 10 (20.4%) 0 0
血中アルカリホスファターゼ増加 9 (18.4%) 0 0
白血球数減少 9 (18.4%) 0 0
AST増加 5 (10.2%) 0 0
ALT増加 5 (10.2%) 0 0
血中甲状腺刺激ホルモン増加 5 (10.2%) 0 0
血小板数減少 4 (8.2%) 0 0
血中ビリルビン増加 4 (8.2%) 0 0
好中球数減少 4 (8.2%) 0 0
体重減少 4 (8.2%) 0 0
血中甲状腺刺激ホルモン減少 3 (6.1%) 0 0
一般・全身障害および投与部位の状態 24 (49.0%) 0 0
疲労 18 (36.7%) 0 0
発熱 6 (12.2%) 0 0
インフルエンザ様疾患 3 (6.1%) 0 0
皮膚および皮下組織障害 21 (42.9%) 1 (2.0%) 0
発疹 10 (20.4%) 0 0
そう痒症 6 (12.2%) 0 0
ざ瘡様皮膚炎 5 (10.2%) 0 0
斑状丘疹状皮疹 5 (10.2%) 1 (2.0%) 0
多汗症 3 (6.1%) 0 0
胃腸障害 18 (36.7%) 1 (2.0%) 0
悪心 8 (16.3%) 0 0
下痢 6 (12.2%) 1 (2.0%) 0
代謝および栄養障害 13 (26.5%) 0 0
食欲減退 5 (10.2%) 0 0
低ナトリウム血症 5 (10.2%) 0 0
高血糖 4 (8.2%) 0 0
筋骨格系および結合組織障害 12 (24.5%) 1 (2.0%) 0
関節痛 7 (14.3%) 0 0
筋肉痛 5 (10.2%) 0 0
四肢痛 3 (6.1%) 1 (2.0%) 0
呼吸器、胸郭および縦隔障害 12 (24.5%) 1 (2.0%) 0
アレルギー性鼻炎 3 (6.1%) 0 0
呼吸困難 3 (6.1%) 0 0
肺臓炎 3 (6.1%) 1 (2.0%) 0
血液およびリンパ系障害 10 (20.4%) 1 (2.0%) 0
貧血 8 (16.3%) 1 (2.0%) 0
6
器官別大分類(SOC: System Organ Class) 本剤投与例(49例)
基本語(PT: Preferred Term) 全Grade Grade 3-4 Grade 5
(MedDRA ver.25.1) 例数(%) 例数(%) 例数(%)
内分泌障害 10 (20.4%) 0 0
甲状腺機能亢進症 6 (12.2%) 0 0
甲状腺機能低下症 3 (6.1%) 0 0
神経系障害 6 (12.2%) 0 0
頭痛 4 (8.2%) 0 0
浮動性めまい 3 (6.1%) 0 0
血管障害 4 (8.2%) 0 0
ほてり 4 (8.2%) 0 0
なお、本剤投与例において間質性肺疾患 3 例(6.1%)、肝機能障害・肝炎・硬化性胆
管炎8例(16.3%)、大腸炎・重度の下痢1例(2.0%)、膵炎2例(4.1%)、甲状腺機能障
害16例(32.7%)、副腎機能障害4例(8.2%)、脳炎・髄膜炎・脊髄炎1例(2.0%)、重
度の皮膚障害1例(2.0%)が認められた。また、1型糖尿病、下垂体機能障害、神経障
害(ギラン・バレー症候群を含む)、重症筋無力症、腎機能障害(尿細管間質性腎炎等)、
筋炎・横紋筋融解症、心筋炎、血球貪食症候群、infusion reaction、溶血性貧血、免疫性
血小板減少性紫斑病及び心膜炎・心嚢液貯留・心タンポナーデは認められなかった。本
副作用発現状況は関連事象(臨床検査値異常を含む)を含む集計結果を示す。
② 国内第Ⅱ相臨床試験(ALBERT試験)
有害事象は20/20例(100%)、本剤との因果関係が否定できない有害事象は16/20例
(80.0%)に認められた。発現率が5%以上の本剤との因果関係が否定できない有害事
象は表4のとおりであった。
表4 発現率が5%以上の本剤との因果関係が否定できない有害事象
(ALBERT試験)(安全性解析対象集団)
器官別大分類(SOC: System Organ Class) 単群(20例)
基本語(PT: Preferred Term) 全Grade Grade 3-4 Grade 5
(MedDRA ver.25.1) 例数(%) 例数(%) 例数(%)
本剤との因果関係が否定できない全有害事象 16 (80.0%) 4 (20.0%) 0
臨床検査 10 (50.0%) 3 (15.0%) 0
AST増加 5 (25.0%) 0 0
ALT増加 4 (20.0%) 0 0
リンパ球数減少 4 (20.0%) 2 (10.0%) 0
好中球数減少 4 (20.0%) 0 0
血小板数減少 3 (15.0%) 0 0
白血球数減少 3 (15.0%) 1 (5.0%) 0
コルチゾール減少 1 (5.0%) 0 0
血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1 (5.0%) 1 (5.0%) 0
血中甲状腺刺激ホルモン減少 1 (5.0%) 0 0
皮膚および皮下組織障害 4 (20.0%) 0 0
そう痒症 1 (5.0%) 0 0
湿疹 1 (5.0%) 0 0
発疹 1 (5.0%) 0 0
斑状丘疹状皮疹 1 (5.0%) 0 0
血液およびリンパ系障害 3 (15.0%) 0 0
7
器官別大分類(SOC: System Organ Class) 単群(20例)
基本語(PT: Preferred Term) 全Grade Grade 3-4 Grade 5
(MedDRA ver.25.1) 例数(%) 例数(%) 例数(%)
貧血 3 (15.0%) 0 0
一般・全身障害および投与部位の状態 3 (15.0%) 0 0
発熱 3 (15.0%) 0 0
倦怠感 1 (5.0%) 0 0
内分泌障害 3 (15.0%) 1 (5.0%) 0
バセドウ病 1 (5.0%) 0 0
甲状腺炎 1 (5.0%) 1 (5.0%) 0
甲状腺機能低下症 1 (5.0%) 0 0
甲状腺機能亢進症 1 (5.0%) 0 0
胃腸障害 2 (10.0%) 0 0
悪心 1 (5.0%) 0 0
嘔吐 1 (5.0%) 0 0
筋骨格系および結合組織障害 2 (10.0%) 0 0
筋肉痛 2 (10.0%) 0 0
関節痛 1 (5.0%) 0 0
代謝および栄養障害 2 (10.0%) 0 0
高尿酸血症 1 (5.0%) 0 0
低カリウム血症 1 (5.0%) 0 0
感染症および寄生虫症 1 (5.0%) 1 (5.0%) 0
耳下腺炎 1 (5.0%) 1 (5.0%) 0
肝胆道系障害 1 (5.0%) 1 (5.0%) 0
肝機能異常 1 (5.0%) 1 (5.0%) 0
呼吸器、胸郭および縦隔障害 1 (5.0%) 0 0
口腔咽頭痛 1 (5.0%) 0 0
肺臓炎 1 (5.0%) 0 0
心臓障害 1 (5.0%) 0 0
洞性徐脈 1 (5.0%) 0 0
神経系障害 1 (5.0%) 0 0
頭痛 1 (5.0%) 0 0
腎および尿路障害 1 (5.0%) 0 0
血尿 1 (5.0%) 0 0
蛋白尿 1 (5.0%) 0 0
なお、本剤投与例において間質性肺疾患 1 例(5.0%)、肝機能障害・肝炎・硬化性胆
管炎6例(30.0%)、甲状腺機能障害3例(15.0%)、副腎機能障害1例(5.0%)が認めら
れた。また、大腸炎・重度の下痢、膵炎、1型糖尿病、下垂体機能障害、脳炎・髄膜炎・
脊髄炎、神経障害(ギラン・バレー症候群を含む)、重症筋無力症、重度の皮膚障害、
腎機能障害(尿細管間質性腎炎等)、筋炎・横紋筋融解症、心筋炎、血球貪食症候群、
infusion reaction、溶血性貧血、免疫性血小板減少性紫斑病及び心膜炎・心嚢液貯留・心
タンポナーデは認められなかった。本副作用発現状況は関連事象(臨床検査値異常を含
む)を含む集計結果を示す。
8
4.施設について
本剤の投与が適切な患者を診断・特定し、本剤の投与により重篤な副作用を発現した
際に対応することが必要なため、以下の①~③のすべてを満たす施設において使用する
べきである。
① 施設について
①-1下記の(1)~(5)のいずれかに該当する施設であること。
(1) 厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等(都道府県がん診療連携拠点病院、
地域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院、小児がん拠点病院、小児がん連携
病院など)
(2) 特定機能病院
(3) 都道府県知事が指定するがん診療連携病院(がん診療連携指定病院、がん診療連携
協力病院、がん診療連携推進病院など)
(4) 外来化学療法室を設置し、外来腫瘍化学療法診療料 1、外来腫瘍化学療法診療料 2
又は外来腫瘍化学療法診療料3の施設基準に係る届出を行っている施設
(5) 抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出を行っている施設
①-2 悪性軟部腫瘍の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師
(下表のいずれかに該当する医師)が、当該診療科の本剤に関する治療の責任者として
配置されていること。
表
・ 医師免許取得後 2 年の初期研修を修了した後に 5 年以上のがん治療の臨床研修を
行っていること。うち、2年以上は、がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研修を
行っていること。
・ 医師免許取得後 2 年の初期研修を修了した後に 4 年以上の整形外科学の臨床研修
を行っており、うち、2年以上は、悪性軟部腫瘍のがん薬物療法を含むがん治療の
臨床研修を行っていること。
・ 医師免許取得後 2 年の初期研修を修了した後に 5 年以上の小児がんを含む小児科
臨床経験を有すること。
② 院内の医薬品情報管理の体制について
医薬品情報管理に従事する専任者が配置され、製薬企業からの情報窓口、有効性・安
全性等薬学的情報の管理及び医師等に対する情報提供、有害事象が発生した場合の報告
業務、等が速やかに行われる体制が整っていること。
③ 副作用への対応について
③-1 施設体制に関する要件
間質性肺疾患等の重篤な副作用が発生した際に、24 時間診療体制の下、当該施設又
9
は連携施設において、発現した副作用に応じて入院管理及びCT等の副作用の鑑別に必
要な検査の結果が当日中に得られ、直ちに対応可能な体制が整っていること。
③-2 医療従事者による有害事象対応に関する要件
がん診療に携わる専門的な知識及び技能を有する医療従事者が副作用モニタリング
を含めた苦痛のスクリーニングを行い主治医と情報を共有できるチーム医療体制が整
備されていること。なお、整備体制について、がん患者とその家族に十分に周知されて
いること。
③-3 副作用の診断や対応に関して
副作用(間質性肺疾患、肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎、大腸炎・重度の下痢、膵
炎、1型糖尿病、内分泌障害(甲状腺機能障害、副腎機能障害、下垂体機能障害)、脳炎・
髄膜炎・脊髄炎、神経障害(ギラン・バレー症候群を含む)、重症筋無力症、重度の皮
膚障害、腎機能障害(尿細管間質性腎炎等)、筋炎・横紋筋融解症、心筋炎、血球貪食
症候群、Infusion reaction、溶血性貧血、免疫性血小板減少性紫斑病、心膜炎・心嚢液貯
留・心タンポナーデ等)に対して、当該施設又は近隣医療機関の専門性を有する医師と
連携し(副作用の診断や対応に関して指導及び支援を受けられる条件にあること)、直
ちに適切な処置ができる体制が整っていること。
10
5.投与対象となる患者
【有効性に関する事項】
① 切除不能な胞巣状軟部肉腫患者において本剤の単独投与の有効性が示されている。
② 下記に該当する使用方法については、本剤の有効性が確立されておらず、本剤の投
与対象とならない。
他の抗悪性腫瘍剤との併用投与
【安全性に関する事項】
① 下記に該当する患者については本剤の投与が禁忌とされていることから、投与を行
わないこと。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
② 治療前の評価において下記に該当する患者については、本剤の投与は推奨されない
が、他の治療選択肢がない場合に限り、慎重に本剤を使用することを考慮できる。
間質性肺疾患の合併又はその既往のある患者
胸部画像検査で間質影を認める患者及び活動性の放射線肺臓炎や感染性肺炎等
の肺に炎症性変化がみられる患者
自己免疫疾患のある患者又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴の
ある患者
ECOG Performance Status 3-4(注1)の患者
(注1)ECOGのPerformance Status (PS)
Score
0 全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限なく行える。
1 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。
例:軽い家事、事務作業
2 歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。
3 限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の 50%以上をベッドか椅子で過ごす。
4 全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす。
11
6.投与に際して留意すべき事項
① 添付文書等に加え、製造販売業者が提供する資料等に基づき本剤の特性及び適正使
用のために必要な情報を十分に理解してから使用すること。
② 治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得
てから投与すること。
③ 主な副作用のマネジメントについて
間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、臨床症
状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分
に行うこと。また、必要に応じて胸部 CT、血清マーカー等の検査を実施する
こと。
本剤の投与は重度の infusion reaction に備えて緊急時に十分な対応のできる準
備を行った上で開始し、本剤投与中及び本剤投与終了後はバイタルサインを測
定する等、患者の状態を十分に観察すること。なお、infusion reactionを発現し
た場合には、全ての徴候及び症状が完全に回復するまで患者を十分観察するこ
と。
肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎があらわれることがあるので、本剤の投与開
始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP、Al-P、ビリル
ビン等の測定)を実施すること。
甲状腺機能障害、副腎機能障害及び下垂体機能障害があらわれることがあるの
で、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離
T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を実施すること。
本剤の投与により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態
があらわれることがある。異常が認められた場合には、発現した事象に応じた
専門的な知識と経験を持つ医師と連携して適切な鑑別診断を行い、過度の免疫
反応による副作用が疑われる場合には、本剤の休薬又は中止、及び副腎皮質ホ
ルモン剤の投与等を考慮すること。なお、副腎皮質ホルモンの投与により副作
用の改善が認められない場合には、副腎皮質ホルモン以外の免疫抑制剤の追加
も考慮する。
投与終了後、数週間から数カ月経過してから副作用が発現することがあるため、
本剤の投与終了後にも副作用の発現に十分に注意する。
1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス
に至ることがあるので、口渇、悪心、嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十
分注意すること。1 型糖尿病が疑われた場合には投与を中止し、インスリン製
剤の投与等の適切な処置を行うこと。
④ ML39345試験では投与開始後9週目、その後は6週間間隔(投与1年を超えたら9
週間間隔、2年を超えたら12週間間隔)、ALBERT試験では投与開始から24週まで
は8週間間隔、それ以降は12週間間隔で有効性の評価を行っていたことを参考に、
本剤投与中は定期的に画像検査で効果の確認を行うこと。
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
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