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総会 第518回 / 2022-03-23 開催 / 13ページ

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中医協 総-5-2 4 . 3 . 2 3 最適使用推進ガイドライン ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) (販売名:キイトルーダ点滴静注 100 mg) ~高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する固形癌~ 令和4年2月 厚生労働省 目次 1. はじめに P2 2. 本剤の特徴、作用機序 P3 3. 臨床成績 P4 4. 施設について P8 5. 投与対象となる患者 P10 6. 投与に際して留意すべき事項 P12 1 1. はじめに 医薬品の有効性・安全性の確保のためには、添付文書等に基づいた適正な使用が求め られる。さらに、近年の科学技術の進歩により、抗体医薬品などの革新的な新規作用機 序医薬品が承認される中で、これらの医薬品を真に必要な患者に提供することが喫緊の 課題となっており、経済財政運営と改革の基本方針2016(平成28年6月2日閣議決定) においても、革新的医薬品等の使用の最適化推進を図ることとされている。 新規作用機序医薬品は、薬理作用や安全性プロファイルが既存の医薬品と明らかに異 なることがある。このため、有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間、 当該医薬品の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに、副作 用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件を満たす医療機関で使用 することが重要である。 したがって、本ガイドラインでは、開発段階やこれまでに得られている医学薬学的・ 科学的見地に基づき、以下の医薬品の最適な使用を推進する観点から必要な要件、考え 方及び留意事項を示す。 なお、本ガイドラインは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、公益社団法人日本 臨床腫瘍学会、一般社団法人日本臨床内科医会及び一般社団法人日本癌治療学会の協力 のもと作成した。 対象となる医薬品:キイトルーダ点滴静注100 mg(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝 子組換え)) 対象となる効能又は効果:がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High) を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る) 対象となる用法及び用量:通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1 回200 mgを3週間間隔又は1回400 mgを6週間間隔で30分間 かけて点滴静注する。 製 造 販 売 業 者:MSD株式会社 2 2.本剤の特徴、作用機序 キイトルーダ点滴静注100 mg(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、以下「本 剤」という。)は、PD-1(programmed cell death-1)とそのリガンドであるPD-L1及びPD- L2との結合を直接阻害する、ヒト化IgG4モノクローナル抗体である。 PD-1経路はT細胞免疫監視機構から逃れるためにがん細胞が利用する主な免疫制御 スイッチで、PD-1 は、健康な状態において活性型 T 細胞の細胞表面に発現し、自己免 疫反応を含む不必要又は過剰な免疫反応を制御する。すなわち、PD-1 はリガンドと結 合することにより抗原受容体によるシグナル伝達を負に制御する受容体である。PD-L1 の正常組織における発現はわずかであるが、多くのがん細胞では T 細胞の働きを抑え るほど過剰に発現している。がん細胞におけるPD-L1の高発現は、腎細胞癌、膵臓癌、 肝細胞癌、卵巣癌、非小細胞肺癌などの様々ながんで予後不良因子であり、低い生存率 との相関性が報告されている。 複数のがんの臨床的予後と PD-L1 発現の相関性から、PD-1 と PD-L1 の経路は腫瘍 の免疫回避において重要な役割を担うことが示唆されており、新たながん治療の標的と して期待されている。 本剤は、PD-1とPD-L1及びPD-L2の両リガンドの結合を阻害することにより、腫瘍 微小環境中の腫瘍特異的細胞傷害性 T リンパ球を活性化させ、抗腫瘍免疫を再活性化 することで抗腫瘍効果を発揮する。 本剤の作用機序に基づく過度の免疫反応による副作用等があらわれ、重篤又は死亡に 至る可能性がある。本剤の投与中及び投与後には、患者の観察を十分に行い、異常が認 められた場合には、発現した事象に応じた専門的な知識と経験を持つ医師と連携して適 切な鑑別診断を行い、過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホル モン剤の投与等の適切な処置を行う必要がある。 3 3.臨床成績 がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(以下「TMB-High」という。)を有 する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)の承認時に評価を行った 主な臨床試験の成績を示す。 【有効性】 国際共同第Ⅱ相試験(KEYNOTE-158試験) 化学療法歴*1のある進行・再発の固形癌患者(がん種ごとに分けたA~Lの各グルー プ*2において約 200~1,595 例)を対象に、本剤 200 mg 3 週間間隔(以下「Q3W」とい う。)投与の有効性及び安全性が検討された。本剤の有効性は、FoundationOne CDxによ りTMBスコア*3が10 mutations/megabase(mut/Mb)以上と算出された場合にTMB-High と判定することとし、解析計画に従って、グループ A~J に登録された固形癌患者につ いて解析が行われた。 TMB-High を有する 102 例(日本人 6 例を含む)及び TMB-High を有しない 689 例 (日本人 71 例を含む)における、主要評価項目である RECIST ガイドライン 1.1 版に 基づく中央判定による奏効率の結果(2019年6月27日データカットオフ)は表1のと おりであった。 *1:一次治療として標準的に実施されている化学療法並びに日常診療で用いられている手 術及び放射線療法を含む治療に抵抗性又は不耐容の患者が組み入れられた。 *2:各グループにおいて、それぞれ以下の患者が組み入れられた。 A:肛門癌(扁平上皮癌)、B:胆道癌(胆嚢及び胆管の腺癌、ただしファーター膨大部腫瘍 を除く)、C:肺、虫垂、小腸、結腸、直腸及び膵臓由来の神経内分泌腫瘍(高分化型又は中 分化型神経内分泌腫瘍)、D:子宮内膜癌(肉腫又は間葉系腫瘍を除く)、E:子宮頸癌(扁 平上皮癌)、F:外陰癌(扁平上皮癌)、G:小細胞肺癌、H:中皮腫、I:甲状腺癌、J:唾液 腺癌(肉腫又は間葉系腫瘍を除く)、K:高頻度マイクロサテライト不安定性(以下「MSI- High」という。)を有する進行性固形癌(結腸・直腸癌を除く)、L(中国のみ):MSI-Highを 有する進行性固形癌 *3:5%以上のアレル頻度で検出された同義変異及び非同義変異から、生殖細胞系列の変異 及び既知又は機能的意義があると考えられる変異を除いた百万塩基あたりの変異の数 (mut/Mb) 表1 有効性成績(KEYNOTE-158試験) TMB-High Non TMB-High 102例 689例 CR 4(3.9) 11(1.6) PR 26(25.5) 32(4.6) 例数 SD 14(13.7) 228(33.1) (%) Non-CR/Non-PD* 0 3(0.4) PD 48(47.1) 349(50.7) NE 10(9.8) 66(9.6) 奏効率(CR+PR)(%) 29.4(20.8, 39.3) 6.2(4.6, 8.3) (95%CI) CR:完全奏効、PR:部分奏効、SD:安定、PD:疾患進行、NE:評価不能、CI:信頼区間 *:中央判定で登録時点では測定病変なしとされ、治験薬投与後にNon-CR/Non-PDと評価され た患者。 4 TMB-High を有する 102 例(日本人 6 例を含む))及び TMB-High を有しない 689 例 (日本人71例を含む)における、RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定による がん種別の奏効率の結果(2019年6月27日データカットオフ)は表2のとおりであっ た。 表2 がん種別の有効性成績(KEYNOTE-158試験) TMB-High Non TMB-High がん種 例数(%) 奏効(CR+PR) 例数(%) 奏効(CR+PR) 102例 (奏効率(%)) 689例 (奏効率(%)) 小細胞肺癌 34(33.3) 10(29.4) 42(6.1) 4(9.5) 子宮頸癌 16(15.7) 5(31.3) 59(8.6) 7(11.9) 子宮内膜癌 15(14.7) 7(46.7) 67(9.7) 4(6.0) 肛門癌 14(13.7) 1(7.1) 75(10.9) 8(10.7) 外陰癌 12(11.8) 2(16.7) 60(8.7) 2(3.3) 神経内分泌腫瘍 5(4.9) 2(40.0) 82(11.9) 1(1.2) 唾液腺癌 3(2.9) 1(33.3) 79(11.5) 3(3.8) 甲状腺癌 2(2.0) 2(100) 78(11.3) 3(3.8) 中皮腫 1(1.0) 0 84(12.2) 9(10.7) 胆道癌 0 - 63(9.1) 2(3.2) -:推定不可 5 【安全性】 国際共同第Ⅱ相試験(KEYNOTE-158試験) 有害事象は103/105例(98.1%)に、副作用は67/105例(63.8%)に認められた。発現 率が5%以上の副作用は下表のとおりであった。 表3 発現率が5%以上の副作用(KEYNOTE-158試験)(安全性解析対象集団) 器官別大分類(SOC: System Organ Class) 例数(%) 基本語(PT: Preferred Term) 105例 (MedDRA ver.23.0) 全Grade Grade 3-4 Grade 5 全副作用 67 (63.8) 15 (14.3) 1 (1.0) 内分泌障害 甲状腺機能亢進症 7 (6.7) 0 0 甲状腺機能低下症 13 (12.4) 0 0 胃腸障害 下痢 8 (7.6) 0 0 悪心 6 (5.7) 0 0 一般・全身障害および投与部位の状態 無力症 13 (12.4) 1 (1.0) 0 疲労 17 (16.2) 0 0 代謝および栄養障害 食欲減退 11 (10.5) 0 0 筋骨格系および結合組織障害 筋肉痛 6 (5.7) 0 0 皮膚および皮下組織障害 そう痒症 12 (11.4) 0 0 発疹 9 (8.6) 0 0 なお、間質性肺疾患4例(3.8%)、大腸炎・小腸炎・重度の下痢3例(2.9%)、劇症肝 炎・肝不全・肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎5例(4.8%)、甲状腺機能障害15例(14.3%)、 副腎機能障害 1 例(1.0%)、1 型糖尿病 1 例(1.0%)、腎機能障害(尿細管間質性腎炎、 糸球体腎炎等)1例(1.0%)及びinfusion reaction 1例(1.0%)が認められた。また、重 度の皮膚障害(中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、類天疱瘡等)、 神経障害(ギラン・バレー症候群等)、下垂体機能障害、膵炎、筋炎・横紋筋融解症、重 症筋無力症、脳炎・髄膜炎、ぶどう膜炎、心筋炎、重篤な血液障害(免疫性血小板減少 性紫斑病、溶血性貧血、赤芽球癆、無顆粒球症等)、血球貪食症候群及び結核は認めら れなかった。本副作用発現状況は関連事象(臨床検査値異常を含む)を含む集計結果を 示す。 6 【用法・用量】 本剤の母集団薬物動態モデルを利用したシミュレーションにより、本剤 200 mg を Q3W、400 mgを6週間間隔(以下「Q6W」という。)又は10 mg/kg(体重)を2週間 間隔(以下「Q2W」という。)で投与した際の本剤の血清中濃度が検討された。その結 果、本剤 400 mg を Q6W で投与した際の本剤の定常状態における平均血清中濃度(以 下「C 」という。)は、本剤200 mgをQ3Wで投与した際のC と類似すると予測 avg,ss avg,ss された(下表)。また、本剤400 mgをQ6Wで投与した際の本剤の定常状態における最 高血清中濃度(以下「C 」という。)は、本剤200 mgをQ3Wで投与した際のC max,ss max,ss と比較して高値を示すと予測されたものの、日本人患者において忍容性が確認されてい る用法・用量である本剤10 mg/kg(体重)をQ2Wで投与した際のC と比較して低 max,ss 値を示すと予測された(下表)。さらに、悪性黒色腫患者を対象に本剤400 mg をQ6W で投与した海外第Ⅰ相試験(KEYNOTE-555試験)より得られた実測値に基づく薬物動態 パラメータは、シミュレーションにより予測した薬物動態パラメータと類似した(下表)。 加えて、複数のがん種における臨床試験成績に基づき、本剤の曝露量と有効性又は安全 性との関連を検討する曝露反応モデルが構築され、本剤200 mgをQ3W又は400 mgを Q6W で投与した際の曝露量と有効性又は安全性との関連について検討された結果、上 記の用法・用量の間で有効性及び安全性に明確な差異はないと予測された。 表6 本剤の薬物動態パラメータ 用法・用量 Cmax Cavg Cmin Cmax,ss Cavg,ss Cmin,ss (µg/mL) (µg/mL) (µg/mL) (µg/mL) (µg/mL) (µg/mL) 59.1 27.9 18.1 92.8 50.4 30.9 200 mg Q3W† (58.5, 59.7) (27.7, 28.1) (17.8, 18.3) (91.7, 94.1) (49.8, 51.0) (30.5, 31.4) 123 32.4 10.6 148 50.7 20.3 400 mg Q6W† (122, 124) (32.0, 32.7) (10.4, 10.8) (146, 149) (50.1, 51.3) (19.8, 20.9) 400 mg Q6W 136.0‡ 14.9§ NA NA NA NA (実測値) (135.6, 136.4) (14.4, 15.4) 220 144 119 428 279 197 10 mg/kg Q2W† (218, 223) (143, 145) (117, 121) (424, 433) (276, 282) (193, 200) †:n=2,993、100回のシミュレーションにより算出された幾何平均値の中央値(2.5%点, 97.5%点)、Cmax :初回投 与後の最高血清中濃度、Cavg :初回投与後の平均血清中濃度、Cmin :初回投与後(サイクル2 投与前)の最低血清 中濃度、Cmax,ss :定常状態における最高血清中濃度、Cavg,ss :定常状態における平均血清中濃度、Cmin,ss :定常状態に おける最低血清中濃度 ‡:56例の幾何平均値(95%信頼区間) §:41例の幾何平均値(95%信頼区間) NA:該当なし 7 4.施設について 本調査を含め、医薬品リスク管理計画(RMP)に基づく本剤の医薬品安全性監視活動 への協力体制がある施設であって、本剤の投与が適切な患者を診断・特定し、本剤の投 与により重篤な副作用を発現した際に対応することが必要なため、以下の①~③のすべ てを満たす施設において使用するべきである。 ① 施設について ①-1 下記の(1)~(5)のいずれかに該当する施設であること。 (1) 厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等(都道府県がん診療連携拠点病院、 地域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院など) (2) 特定機能病院 (3) 都道府県知事が指定するがん診療連携病院(がん診療連携指定病院、がん診療連携 協力病院、がん診療連携推進病院など) (4) 外来化学療法室を設置し、外来化学療法加算1又は外来化学療法加算2の施設基準 に係る届出を行っている施設 (5) 抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出を行っている施設 ①-2 対象となるがん種での化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を 持つ医師(下表のいずれかに該当する医師)が、当該診療科の本剤に関する治療の責 任者として配置されていること。 表  医師免許取得後 2 年の初期研修を修了した後に 5 年以上のがん治療の臨床研修を 行っていること。うち、2年以上は、がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研修を 行っていること。  医師免許取得後 2 年の初期研修を修了した後に 4 年以上の臨床経験を有している こと。うち、3年以上は、対象となるがん種領域でのがん薬物療法を含むがん治療 の臨床研修を行っていること。 ② 院内の医薬品情報管理の体制について 医薬品情報管理に従事する専任者が配置され、製薬企業からの情報窓口、有効性・安 全性等薬学的情報の管理及び医師等に対する情報提供、有害事象が発生した場合の報告 業務、等が速やかに行われる体制が整っていること。 ③ 副作用への対応について ③-1 施設体制に関する要件 間質性肺疾患等の重篤な副作用が発生した際に、24 時間診療体制の下、当該施設又 は連携施設において、発現した副作用に応じて入院管理及びCT等の副作用の鑑別に必 要な検査の結果が当日中に得られ、直ちに対応可能な体制が整っていること。 8 ③-2 医療従事者による有害事象対応に関する要件 がん診療に携わる専門的な知識及び技能を有する医療従事者が副作用モニタリング を含めた苦痛のスクリーニングを行い主治医と情報を共有できるチーム医療体制が整 備されていること。なお、整備体制について、がん患者とその家族に十分に周知されて いること。 ③-3 副作用の診断や対応に関して 副作用(間質性肺疾患に加え、大腸炎・小腸炎・重度の下痢、劇症肝炎・肝不全・肝 機能障害・肝炎・硬化性胆管炎、腎機能障害(尿細管間質性腎炎、糸球体腎炎等)、内 分泌障害(下垂体機能障害、甲状腺機能障害、副腎機能障害)、1型糖尿病、ぶどう膜炎、 筋炎・横紋筋融解症、膵炎、重度の皮膚障害(中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候 群、多形紅斑、類天疱瘡等)、infusion reaction、脳炎・髄膜炎、重症筋無力症、神経障害 (ギラン・バレー症候群等)、心筋炎、重篤な血液障害(免疫性血小板減少性紫斑病、 溶血性貧血、赤芽球癆、無顆粒球症等)、血球貪食症候群、結核等)に対して、当該施 設又は近隣医療機関の専門性を有する医師と連携し(副作用の診断や対応に関して指導 及び支援を受けられる条件にあること)、直ちに適切な処置ができる体制が整っている こと。 9 5.投与対象となる患者 【有効性に関する事項】 ① 下記の患者において本剤の有効性が示されている。  がん化学療法後に増悪したTMB-Highを有する進行・再発の固形癌(標準的な 治療が困難な場合に限る) なお、TMB-High に関する本剤のコンパニオン診断薬等として、販売名: FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルが承認されている。 検査にあたっては、関連学会のガイドライン等の最新の情報を参考に、先行の化 学療法等による TMB 検査結果への影響及び検査に用いる検体の採取時期について 確認すること。 ② 下記に該当する患者に対する本剤の投与及び使用方法については、本剤の有効性が 確立されておらず、本剤の投与対象とならない。  手術の補助療法  他の抗悪性腫瘍剤と併用して投与される患者 10 【安全性に関する事項】 ① 下記に該当する患者については本剤の投与が禁忌とされていることから、投与を行 わないこと。  本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 ② 治療前の評価において下記に該当する患者については、本剤の投与は推奨されない が、他の治療選択肢がない場合に限り、慎重に本剤を使用することを考慮できる。  間質性肺疾患の合併又は既往のある患者  胸部画像検査で間質影を認める患者及び活動性の放射線肺臓炎や感染性肺炎 等の肺に炎症性変化がみられる患者  自己免疫疾患の合併、又は慢性的な若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴の ある患者  臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者  結核の感染又は既往を有する患者  ECOG Performance Status 3-4(注1)の患者 (注1)ECOGのPerformance Status(PS) Score 定義 0 全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限なく行える。 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。 1 例:軽い家事、事務作業 2 歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。 3 限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。 4 全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす。 11 6.投与に際して留意すべき事項 ① 添付文書等に加え、製造販売業者が提供する資料等に基づき本剤の特性及び適正使 用のために必要な情報を十分に理解してから使用すること。 ② 治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得 てから投与すること。 ③ 主な副作用のマネジメントについて  間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症 状(息切れ、呼吸困難、咳嗽等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十 分に行うこと。また、必要に応じて胸部 CT、血清マーカー等の検査を実施す ること。  infusion reactionがあらわれることがある。infusion reactionが認められた場合に は、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察 すること。  甲状腺機能障害、下垂体機能障害及び副腎機能障害があらわれることがあるの で、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離 T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を実施すること。  劇症肝炎、肝不全、肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎があらわれることがある ので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査(AST、ALT、 γ-GTP、Al-P、ビリルビン等の測定)を実施すること。  ぶどう膜炎(虹彩炎及び虹彩毛様体炎を含む)等の重篤な眼障害があらわれる ことがあるので、定期的に眼の異常の有無を確認すること。また、眼の異常が 認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。  本剤の投与により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態 があらわれることがある。異常が認められた場合には、発現した事象に応じた 専門的な知識と経験を持つ医師と連携して適切な鑑別診断を行い、過度の免疫 反応による副作用が疑われる場合には、本剤の休薬又は中止、及び副腎皮質ホ ルモン剤の投与等を考慮すること。なお、副腎皮質ホルモンの投与により副作 用の改善が認められない場合には、副腎皮質ホルモン以外の免疫抑制剤の追加 も考慮すること。  投与終了後、数週間から数カ月経過してから副作用が発現することがあるため、 本剤の投与終了後にも副作用の発現に十分に注意すること。  1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス に至ることがあるので、口渇、悪心、嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十 分注意すること。1型糖尿病が疑われた場合には投与を中止し、インスリン製 剤の投与等の適切な処置を行うこと。 ④ 本剤の臨床試験において、KEYNOTE-158試験では投与開始から1年間は9週間ご と、1 年以降は 12 週間ごとに有効性の評価を行っていたことを参考に、本剤投与 中は定期的に画像検査で効果の確認を行うこと。 12

この資料について

出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)

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